JP2016059315A - 脱穀装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明では、脱穀装置の切断処理室から圃場に排出される細断排稈の散布を均等にすることを課題とする。【解決手段】切断処理室(50)内に回転自在に支持された切断処理胴(54)と、該切断処理胴(54)の周面から切断処理胴(54)の径方向に延出される回転刃(51)を備え、この回転刃(51)が、切断処理胴(54)の回転軸心方向に列を成して配置され、この回転刃(51)の列が、切断処理胴(54)の周方向に間隔をおいて3列配置されると共に、各回転刃(51)の列に5つ以上の回転刃(51)を備える。【選択図】図16
Description
本発明は、脱穀装置に関する。
特許文献1に示すとおり、汎用コンバイン等に設けられる脱穀装置の後部に排藁切断処理装置を設けて脱穀済みの排稈を切断して放出する技術が知られている。汎用コンバインにより刈取作業を行う場合、機体前部の刈取部で刈り取った穀稈を脱穀部に取り込んで、脱粒後の排稈が後方へ搬送されて、機体後部に配置された排藁切断処理装置によって細断されて圃場に放出される。
しかしながら、上記特許文献1に開示された技術では、切断処理胴に設けられた回転刃が、切断処理胴の周方向に4つ配置されているため、回転刃同士の周方向ので間隔が狭く、排稈の詰りが生じ、切断効率が低下するという問題がある。
また、脱穀装置から切断処理室に送られる脱穀済みの排稈は、機体の左右方向で偏る傾向がある。このために、排稈をそのまま切断して後方へ排出したのでは、圃場に排出される細断排稈の散布が左右均等にならず、収穫後に耕うん作業を行うときに十分な土壌の攪拌が行えなくなったり、翌年の作物の生育が不均一になったりするという問題がある。
そこで、本発明では、脱穀装置に排藁切断処理装置を設けた構成で、排藁切断処理装置の構成を工夫することで、切断効率を高めるとともに、切断処理室から圃場に排出される細断排稈の散布を均等にすることを課題とする。
上記課題を解決する手段は次のとおりである。
請求項1に係る発明は、扱室(10)から脱穀後の排出物を受け入れて切断する切断処理室(50)を備えた脱穀装置において、前記切断処理室(50)内に回転自在に支持された切断処理胴(54)と、該切断処理胴(54)の周面から切断処理胴(54)の径方向に延出される回転刃(51)を備え、この回転刃(51)が、前記切断処理胴(54)の回転軸心方向に列を成して配置され、この回転刃(51)の列が、切断処理胴(54)の周方向に間隔をおいて3列配置されると共に、各回転刃(51)の列に5つ以上の回転刃(51)を備えたことを特徴とする脱穀装置とする。
請求項1に係る発明は、扱室(10)から脱穀後の排出物を受け入れて切断する切断処理室(50)を備えた脱穀装置において、前記切断処理室(50)内に回転自在に支持された切断処理胴(54)と、該切断処理胴(54)の周面から切断処理胴(54)の径方向に延出される回転刃(51)を備え、この回転刃(51)が、前記切断処理胴(54)の回転軸心方向に列を成して配置され、この回転刃(51)の列が、切断処理胴(54)の周方向に間隔をおいて3列配置されると共に、各回転刃(51)の列に5つ以上の回転刃(51)を備えたことを特徴とする脱穀装置とする。
請求項2に係る発明は、前記回転刃(51)の列のそれぞれにおいて、前記各回転刃(51)が前記切断処理胴(54)の回転軸心方向に均一な間隔で配置された請求項1に記載の脱穀装置とする。
請求項3に係る発明は、前記回転刃(51)の列のそれぞれにおいて、前記各回転刃(51)が前記切断処理胴(54)の回転軸心方向に不均一な間隔で配置された請求項1に記載の脱穀装置とする。
請求項4に係る発明は、前記回転刃(51)の列のそれぞれにおいて、前記切断処理胴(54)の回転軸心方向での中央部近傍の部位に配置された複数の回転刃(51)同士の間隔が、前記切断処理胴(54)の回転軸心方向での中央部近傍以外の部位に配置された複数の回転刃(51)同士の間隔よりも狭く設定された請求項3に記載の脱穀装置とする。
請求項5に係る発明は、前記回転刃(51)の列のそれぞれにおいて、前記切断処理胴(54)の回転軸心方向での中央部に対して一方の端部側に偏倚した部位に配置される複数の回転刃(51)同士の間隔が、前記切断処理胴(54)の回転軸心方向での中央部に対して他方の端部側に偏倚した部位に配置される複数の回転刃(51)同士の間隔よりも狭く設定された請求項3又は請求項4に記載の脱穀装置とする。
請求項6に係る発明は、前記切断処理室(50)で切断された排出物を脱穀装置の外部へ案内する複数の拡散ガイド(73)を備え、各拡散ガイド(73)のガイド作用始端部が、前記切断処理胴(54)の回転軸心方向において、切断処理胴(54)の中央部近傍から切断処理胴(54)の一方の端部側に向って、間隔を置いて配置された請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の脱穀装置とする。
請求項1記載の発明によれば、回転刃(51)の列が、切断処理胴(54)の周方向に等間隔で3列配置されると共に、各回転刃(51)の列に5つ以上の回転刃(51)を有することで、回転刃(51)の切断処理胴(54)の周方向での間隔を広く確保しつつも、軸方向での回転刃(51)の間隔を狭めて切断能力を高めることができる。
請求項2記載の発明によれば、請求項1に記載の発明による効果に加えて、各回転刃(51)が切断処理胴(54)の回転軸心方向で均一な間隔で配列されていることで、排稈の切断後の長さが一定になり、細断排稈の散布を均等にすることができる。
請求項3記載の発明によれば、請求項1に記載の発明による効果に加えて、各回転刃(51)が切断処理胴(54)の回転軸心方向で不均一な間隔で配列されていることで、切断処理胴(54)の切断能力を扱室(10)からの排出物の偏りに対応させることができ、切断処理胴(54)の駆動負荷を低減しつつ、切断能力を高めることができる。
請求項4記載の発明によれば、請求項3に記載の発明による効果に加えて、切断処理胴(54)の回転軸心方向での中央部近傍の回転刃(51)同士の間隔が狭く設定され、長尺の排稈の中央部分に作用することが多い中央の回転刃(51)が密集していることで、排稈を確実に短く切断することができる。
請求項5記載の発明によれば、請求項3又は請求項4に記載の発明による効果に加えて、切断処理胴(54)の回転軸心方向での中央部よりも一方の端部側に配置される複数の回転刃(51)同士の間隔が狭く設定されていることで、排稈が切断されずに切断処理胴(54)の回転軸の端部に絡みつくことを抑制し、切断能力の低下を防止することができる。
請求項6記載の発明によれば、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の発明による効果に加えて、各拡散ガイド(73)のガイド作用始端部が、切断処理胴(54)の回転軸心方向において、切断処理胴(54)の中央部近傍から切断処理胴(54)の一方の端部側に向って、間隔を置いて配置されていることで、切断処理室から圃場に排出される細断排稈の散布を均等にすることができる。
以下、本発明の汎用コンバインの排藁切断処理装置について、添付図面を参照しつつ説明する。なお、理解を容易にするために便宜的に方向を示して説明しているが、これらにより構成が限定されるものではない。
汎用コンバインは、図1〜3に示すように、機体フレーム1の下側には土壌面を走行するための左右一対のクローラからなる走行装置2が設けられ、機体フレーム1の上側には脱穀・選別を行なう脱穀装置3が設けられ、脱穀装置3の前側には圃場の穀桿を収穫する刈取前処理装置4が設けられている。脱穀装置3で脱穀・選別された穀粒は脱穀装置3の右側に設けられたグレンタンク5に貯留され、貯留された穀粒は揚穀筒と横送り筒からなる排出筒7によって外部へ取出される。また、グレンタンク5の前側には操縦者が搭乗する操縦部6が設けられている。
機体の左右中央右寄り位置に、プレフィルター34とエアークリーナ31を連結部32で一体に連結し、グレンタンク5の側面或いは揚穀筒にブラケット33で取り付けている。
操縦部6の下部にエンジン8を搭載し、そのマフラー35を後方へ向けて配置し、該マフラー35の上に燃料オイルのフィルター36と油水分離器37を前後一直線上に並べて配置し、エンジン8からの冷却風を後通路9から風ガイド38上に沿って流れてフィルター36と油水分離器37に向かうようにすることで、フィルター36と油水分離器37に溜まる藁屑を吹き飛ばすようにしている。マフラー35の上側は上面が山形に傾斜したマフラーカバー(図示省略)を設けて、藁屑が溜まらないようにしている。
操縦部6の下部にはエンジン8を搭載し、その右側面にラジエータを設けているが、このラジエータを冷却する外気の導入は、ラジエータの真横ではなく、上部に幅広く設ける網付きの吸気窓として吸気した外気を上から下方のラジエータに送るようにすると、吸気窓を通過する外気の流れが弱くなって網への藁屑溜まりが少なくなって長時間掃除をしなくても良くなる。
機体フレーム1の最後部に重量の重い燃料タンク41を搭載し、走行装置2のトラックフレーム115と機体フレーム1を連結する前支持フレーム113はエンジン8の真下で、後支持フレーム114はエンジン8と燃料タンク41の中間位置としている。この構成で機体の前後・左右の重量バランスが良くなる。
<刈取前処理装置>
刈取前処理装置4は、掻込み装置4Aと、横刈刃装置4Bと、オーガ装置4Cと、フィーダハウス4Dを備えて構成されている。なお、オーガ装置4Cの上方で絡み合った穀桿を切断するために縦刈刃装置(図示省略)をオーガ装置4Cの左側に装着することもできる。
<刈取前処理装置>
刈取前処理装置4は、掻込み装置4Aと、横刈刃装置4Bと、オーガ装置4Cと、フィーダハウス4Dを備えて構成されている。なお、オーガ装置4Cの上方で絡み合った穀桿を切断するために縦刈刃装置(図示省略)をオーガ装置4Cの左側に装着することもできる。
掻込み装置4Aは、倒伏した穀桿、大豆やそば等の丈の低い穀桿、油菜や菜の花等の丈の高い穀桿をオーガ装置4Cに掻込む装置であり、オーガ装置4Cの全幅とほぼ同一幅に形成され、オーガ装置4Cの上側に設けられている。
横刈刃装置4Bは、掻込み装置4Aで掻込まれた穀桿の株元を切断する装置であり、オーガ装置4Cの前側下部に設けられ、側面視において前側から後側に緩やかに後上がり傾斜して配置されている。
オーガ装置4Cは、掻込み装置4Aで掻込まれた穀桿をオーガ装置4Cの左側後部に開口された送込口の前方に寄せ集めてフィーダハウス4Dに引き継ぐ装置であり、フィーダハウス4Dの前方に設けられ、汎用コンバインの機体の全幅とほぼ同一幅に形成されている。また、オーガ装置30の左右前側には、分草体4Eが装着されている。
フィーダハウス4Dは、オーガ装置4Cから引継がれた稲、麦、大豆、そば等の穀桿を脱穀装置3に揚上搬送する装置であり、オーガ装置4Cと脱穀装置3の間に設けられている。
<脱穀装置>
脱穀装置3は、図4等に示すように、上部に穀稈の脱穀を行う扱室10を備え、扱室10の下側に脱穀された穀粒の選別を行なう選別室20を備え、選別室20の後側には、扱室10から排出される排桿や選別室20から排出されるワラ屑類等を切断する切断処理室50を備え、切断処理室50の後側には、切断処理室50で切断された排桿等を外部に排出する排出室70を備えて構成されている。
(扱室)
扱室10の前後板10A、10Cには、機体前後方向に延設する扱胴11を架設する扱胴軸12の前後端部がそれぞれ回転自在に軸支され、扱室10の中板10Bには、扱胴11の下側に張設される扱網11Aが装着されている。なお、中板10Bの上部は、脱穀されながら後方に搬送される穀稈への抵抗を低減するために、上部から基部に向かって円弧状の切欠き部が形成されている。
<脱穀装置>
脱穀装置3は、図4等に示すように、上部に穀稈の脱穀を行う扱室10を備え、扱室10の下側に脱穀された穀粒の選別を行なう選別室20を備え、選別室20の後側には、扱室10から排出される排桿や選別室20から排出されるワラ屑類等を切断する切断処理室50を備え、切断処理室50の後側には、切断処理室50で切断された排桿等を外部に排出する排出室70を備えて構成されている。
(扱室)
扱室10の前後板10A、10Cには、機体前後方向に延設する扱胴11を架設する扱胴軸12の前後端部がそれぞれ回転自在に軸支され、扱室10の中板10Bには、扱胴11の下側に張設される扱網11Aが装着されている。なお、中板10Bの上部は、脱穀されながら後方に搬送される穀稈への抵抗を低減するために、上部から基部に向かって円弧状の切欠き部が形成されている。
扱室10で脱穀処理された排桿は、扱胴11によって後方に搬送された後、扱室10の排出口10Dから外部に排出される。なお、図13の円弧状の矢印は、扱胴11の回転方向を示しており、背面視において、扱胴11は反時計方向に回転している。
扱胴11は、図5に示すように、扱胴軸12の前端部に溶接等によって固着された前部支持部材13と、扱胴軸12の前側部に固着された中間部支持部材14と、扱胴軸12の後端部に固着された後部支持部材15と、前部の円錐台状の取込み螺旋部16と、後部の筒部17を備えて構成されている。
取込み螺旋部16の外周面には、供給された穀稈を後方に搬送するために、後側に向かって傾斜した搬送螺旋16Aが設けられ、搬送螺旋16Aの下部には、搬送螺旋16Aの剛性を高めるために、周方向に所定の間隔をもって略三角形のリブ16Bが設けられている。また、取込み螺旋部16の終端部は、筒部17の前端部に溶接等によって固着されている。
筒部17の外周面には、前後方向に複数の第1扱歯18Aが溶接等によって固着された鋼材等からなる略板状の第1プレート18と、前後方向に複数の第2扱歯19Aが固着された鋼材等からなる略板状の第2プレート19が周方向に60度の間隔を持って交互に周設されている。なお、第1扱歯18Aが立設された第1プレート18と、第2扱歯19Aが立設された第2プレート19を周方向に45度の間隔を持って交互に周設することもできる。
筒部17の外周面に隣接して取付けられた第1プレート18の第1扱歯18Aの間隔と、第2プレート19の第2扱歯19Aの間隔は、供給された穀稈の扱歯18、19への絡みつきを防止し、脱穀性能を高め、後方への穀稈の搬送を効率的に行うために、第2扱歯19Aの間隔を、第1扱歯18Aの間隔に対して2倍の間隔とし、第1扱歯18Aと第2扱歯19Aの位相を1/2位相(1/2間隔)相違させて、側面視において、第1扱歯18Aと第2扱歯19Aが相互に重ならないようにしている。なお、第2扱歯19Aの間隔を、第1扱歯18Aの間隔に対して3倍、4倍の間隔とすることもできる。
第1扱歯18A、19Aは、供給された穀稈の絡みつきによる脱穀性能の低下を防止するために、円柱状に形成するのが好適である。また、第1扱歯18A、19Aは、扱胴11の回転方向に対して約10度の後退角を持ってそれぞれ第1プレート18、19に固着されている。なお、扱胴11の前側部で脱穀性能を高め、扱胴11の後側部で穀稈の搬送性能を高めるためには、第1プレート18、19の中間部支持部材14よりも前側に位置する部位に固着された第1扱歯18A、19Aの後退角を小さくし、第1プレート18、19の中間部支持部材14より後側に位置する部位に固着された第1扱歯18A、19Aの後退角を大きくするのが好適である。
扱室10の上部には、内面に複数の送塵ガイド42が並設された扱胴カバー40が設けられている。後方への穀稈の搬送を効率的に行うために、回転レバー46を揺動させることによって送塵ガイド42の傾斜角度は変更することができる。
各送塵ガイド42は、送塵ガイド42の幅方向の略中心に設けられた軸43に回転自在に支持されており、各送塵ガイド42の左側上部は、前後に延伸している連結レバー44によって相互に連結されている。連結レバー44の前部は、軸45の下部に溶接等によって固着され、軸45は、扱胴カバー40の外面に設けられた支持部材47に回転自在に支持され、軸45の上部には、連結レバー44に対して略直交方向に延伸する回転レバー46が溶接等によって固着されている。なお、後方への搬送される穀稈の押圧によって送塵ガイド42の傾斜角度の変動を防止するために、軸43は、扱胴11の回転方向側に配置するのが好適である。
扱室10の後端部に位置する排出口10Dには、排稈を後述する切断処理室50へ案内する案内体を複数備えている。この案内体は、左案内体101,右案内体102,下案内体103を含む。
左案内体101は、扱室10から排出口10Dの左寄りの部分に向って放出された排稈等を、切断処理室50の中央部、または、左側部における中央寄りの部分へ案内する部材である。また、左案内体101は、脱穀装置3の左側の側壁における排出口10Dに臨む部位に装着されて下方へ延伸している。
左案内体101は、扱胴軸12よりも上方に位置する上端部が脱穀装置3の左側の側壁に固定され、下方へ向うほど機体の右側へ向うように傾斜している。左案内体101の下端部は、第1扱歯18A及び第2扱歯19Aの回転軌跡の下端部よりも下方に位置し、扱網11Aの下端部よりも上方に位置する。
右案内体102は、第1扱歯18A及び第2扱歯19Aに絡みついた排稈等を削ぎ落として落下させる作用と、扱室10の排出口10Dの右寄りの部分に向って放出された排稈等を切断処理室50の右寄りの部分へ案内する部材である。また、右案内体102は、脱穀装置3の右側の側壁に固定されている。
右案内体102は、扱網11Aの下端部と略同じ高さに位置する下端部が、右側の側壁に固定され、この下端部から左上がりに傾斜し(第1傾斜部)、扱胴11の周面の下端部よりも上方へ延伸した後、扱胴軸12の軸心方向視で第1扱歯18A及び第2扱歯19Aの回転軌跡と重ならない範囲で第1扱歯18A及び第2扱歯19Aの回転軌跡と接近して、右側へ向って屈曲する(凸部)。この凸部よりも上方の部分は、徐々に第1扱歯18A及び第2扱歯19Aの回転軌跡から離れるように右上がりに傾斜して延伸し、扱胴軸12よりも高い位置に至る。
右案内体102は上記のような形態であることによって、凸部で、第1扱歯18A及び第2扱歯19Aに絡みつく排稈等を削ぎ落として切断処理室50へ向って落下させる。
下案内体103は、排出口10D内において、扱網11Aの下端部と略同じ高さに設けられ、左案内体101や右案内体102に案内されて落下してくる排稈や、これらの案内体の作用を受けずに扱室10から直接落下してくる排稈を、後方へ案内しつつ、切断処理室50へ送り込む部材である。
下案内体103は、排出口10D内において、扱網11Aの下端部と略同じ高さに設けられ、左案内体101や右案内体102に案内されて落下してくる排稈や、これらの案内体の作用を受けずに扱室10から直接落下してくる排稈を、後方へ案内しつつ、切断処理室50へ送り込む部材である。
下案内体102は、排出口10Dの前端部に位置する扱室10の後板に装着されて、後下がりの傾斜姿勢で設けられている。
(選別室)
扱室10の下側には、扱室10から漏下する脱穀処理物を穀粒とそれ以外の藁屑等とに選別するための選別室20が設けられている。選別室20の上部には揺動選別装置21が設けられ、選別室20の下部には揺動選別装置21に空気を送風する唐箕25と、揺動選別装置21から漏下する穀粒を回収する1番受樋28と、揺動選別装置21から漏下する枝梗等が付着した穀粒を回収する2番受樋29とが、前側から後側に向かって設けられている。なお、1番受樋28で回収された穀粒はグレンタンク5に移送され、2番受樋29で回収された穀粒等は扱胴11の前部に移送され、再び扱胴11によって脱穀されて枝梗等が除かれる。
(選別室)
扱室10の下側には、扱室10から漏下する脱穀処理物を穀粒とそれ以外の藁屑等とに選別するための選別室20が設けられている。選別室20の上部には揺動選別装置21が設けられ、選別室20の下部には揺動選別装置21に空気を送風する唐箕25と、揺動選別装置21から漏下する穀粒を回収する1番受樋28と、揺動選別装置21から漏下する枝梗等が付着した穀粒を回収する2番受樋29とが、前側から後側に向かって設けられている。なお、1番受樋28で回収された穀粒はグレンタンク5に移送され、2番受樋29で回収された穀粒等は扱胴11の前部に移送され、再び扱胴11によって脱穀されて枝梗等が除かれる。
揺動選別装置21は、唐箕25の上側に配置された移送棚22と、移送棚22の下流側に配置されたシーブ23と、さらにシーブ23の下流側に配置されたストローラック24を備えて構成されている。
移送棚22は、扱室10から漏下する穀粒を下流側に配置されたシーブ23に移送できればよく、移送棚22の後部を後下がりに傾斜させたり、移送棚22の上面に突起や凹凸を設けたりすることができる。
シーブ23は、移送棚22から移送された穀粒又は扱室10から直接漏下する穀粒と藁屑等の異物とを選別する篩であり、下流側が高くなるように傾斜した薄い板状体からなる固定シーブ部材を揺動選別装置21の揺動方向に所定の間隔を空けて平行に複数並設したものである。
ストローラック24は、シーブ23から漏下しなかった比較的大きな藁屑中から枝梗等が付着した穀粒等を篩い選別する篩である。
唐箕25の送風口は、風割27によって上側風路26Aと下側風路26Bとに区画されている。また、1番受樋28の内部には、グレンタンク5に連通する螺旋コンベア式の1番螺旋軸28Aが配置され、2番受樋29の内部には、扱胴11の前部に連通する螺旋コンベア式の2番螺旋軸29Aが配置されている。
(切断処理室)
選別室20の後側には、扱室10から排出される排桿や、選別室20から排出されるワラ屑類等を切断するスプレッダ式の切断処理室50が設けられている。切断処理室50には、図6〜9に示すように、前部の上下方向中間部に扱室10から排出された排桿等を切断する回転刃51と、前部の下部に起立・倒伏可能な受刃52と、受刃52の前後側に排桿等の滞留を防止する排桿ガイド53を備えて構成されている。なお、図7の2点鎖線で示した円弧は、回転刃51の外周軌跡を示している。
唐箕25の送風口は、風割27によって上側風路26Aと下側風路26Bとに区画されている。また、1番受樋28の内部には、グレンタンク5に連通する螺旋コンベア式の1番螺旋軸28Aが配置され、2番受樋29の内部には、扱胴11の前部に連通する螺旋コンベア式の2番螺旋軸29Aが配置されている。
(切断処理室)
選別室20の後側には、扱室10から排出される排桿や、選別室20から排出されるワラ屑類等を切断するスプレッダ式の切断処理室50が設けられている。切断処理室50には、図6〜9に示すように、前部の上下方向中間部に扱室10から排出された排桿等を切断する回転刃51と、前部の下部に起立・倒伏可能な受刃52と、受刃52の前後側に排桿等の滞留を防止する排桿ガイド53を備えて構成されている。なお、図7の2点鎖線で示した円弧は、回転刃51の外周軌跡を示している。
回転刃51は、切断処理室50の左右側板50A,50Bに自動調芯可能な嵌脱軸受50C1と固定軸受50C2を介して両端部が回動自在に軸支されている切断処理胴54に装着されている。切断処理胴54は、両端部が嵌脱軸受50C1と固定軸受50C2に軸支されている内側回転軸54Aと、内側回転軸54Aの両側部に固着された支持部材54Bによって連結された外側回転軸54Cを備えて構成されている。
外側回転軸54Cの外周面には、排桿等の回転刃51への絡み付きを防止するために、回転刃51を装着する取付部55が左右方向に所定の間隔を持ち、且つ、周方向に120度の間隔を持って周設されており、背面視において、各取付部55は、相互に重ならないように配置されている。取付部55は、外側回転軸54Cの外周面に固着された横断面が略逆コの字状の左側取付部55Aと、左側取付部55Aにボルト等によって着脱可能に取付けられる右側取付部55Bから構成されている。なお、左側取付部55Aの基部にはボルトが固着され、右側取付部55Bの基部には該ボルトを挿通する孔が開口されている。
回転刃51を取付部55に装着する場合は、左側取付部55Aのボルトに回転刃51の基部に開口された孔を挿嵌した後、右側取付部55Bの基部に開口された孔を挿嵌してナットを締め付けて回転刃51を左側取付部55Aと右側取付部55Bで挟持する。一方、回転刃51を取付部55から取外す場合には、ナットを緩めて右側取付部55Bを取外して、回転刃51の孔を左側取付部55Aのボルトから引き抜くことにより行なうことができる。
受刃52は、縦断面が略Uの字状の刃部52Aと、刃部52Aの底部から延出した円柱状の支持部52Bとから構成され、刃部52Aの前側は、排桿等の切断性能を高めるために鋸状に形成されている。
受刃52は、切断処理室50の左右側板50A,50Bに両端部が揺動自在に軸支されている揺動軸56に左右方向に所定の間隔を持ち、且つ、刃部52Aの左右方向の中心を回転刃51に対向する位置に配置している。
受刃52を揺動軸56に装着する場合は、揺動軸56に左右方向に所定の間隔を持って開口された孔に受刃52の支持部52Bを挿入した後、ナットを締め付けて受刃52を揺動軸56に固定する。一方、受刃52を揺動軸56から取外す場合には、ナットを緩めて
支持部52Bを揺動軸56の孔から引き抜くことにより行なうことができる。
支持部52Bを揺動軸56の孔から引き抜くことにより行なうことができる。
切断処理室50の左側板50Aより延出した揺動軸56の左端部には、揺動軸56に装着された受刃52の起立・倒伏状態の切替えを容易に行なうために、操作プレート57が固着されている。なお、操作プレート57にワイヤを連結して操縦部6から操作プレート57を操作して揺動軸56に装着された受刃52の起立・倒伏状態の切替えを行なうこともできる。
揺動軸56には、揺動軸56の撓みを防止すると共に、排桿等の切断時に受刃52の変形を防止するために、揺動軸56の外周に基部が固着され、受刃52の刃部52Aの底部を前方に押圧する補強プレート58が装着されている。なお、切断処理室50の左側板50Aには、補強プレート58が装着された揺動軸56の着脱を容易に行なうために、補強プレート58が装着された揺動軸56を挿通可能な形状の切欠き部50Dが開口されている。
切断処理室50に排出された排桿等を後方に向かってスムーズに移送するために、受刃52が装着された揺動軸56の前側に前側排桿ガイド67を装着している。なお、前側排桿ガイド67の上面は、揺動軸56の上端部よりも高く、回転刃51の最下端部よりも低く配置されている。また、回転刃51によって上方に引き込まれる切断された排桿等を下方に移送するために、揺動軸56の後側に後側排桿ガイド68を装着している。なお、後側排桿ガイド68の上面は、揺動軸56の上端部よりも高く、回転刃51の最下端部よりも低く配置されている。
排桿等を後方によりスムーズに移送するためには、前側排桿ガイド67の高さを後側排桿ガイド68の高さよりも高くしたり、前側排桿ガイド68の上面を後下がり傾斜に形成したりするのが好適である。また、後側排桿ガイド68を一体構造でなく、第1後側排桿ガイド68Aと、第2後側排桿ガイド68Bの分割構造に変更することもでき、この場合、切断処理室50内で絡み合った排桿等の除去を容易にするために、第2後側排桿ガイド68Bを着脱可能に設けるのが好適である。
これにより、切断処理室50で扱室10から排出される排桿や、選別室20から排出されるワラ屑類等を切断する場合に、すなわち、回転刃51を、図7の円弧状の矢印で示す反時計方向に回転させ、受刃52を起立させた状態において、切断処理室50の前部に排出されてきた排桿等を回転刃51と受刃52の間にスムーズに移送することができる。
倒伏した受刃52が後方に移送する排桿等の障害になることを防止するために、図11に示すように、第1後側排桿ガイド68Aの前部に倒伏した受刃52の刃部52Aを挿通可能な切欠き部59を形成し、倒伏した受刃52の上端部が第1後側排桿ガイド68Aの上面よりも下側に配置されるのが好適である。
また、切断処理室50で扱室10から排出される排桿や、選別室20から排出されるワラ屑類等を切断しない場合に、すなわち、回転刃51を、図7の円弧状の矢印で示す反時計方向に回転させ、受刃52を倒伏させた状態では、受刃52の刃部52Aが第1後側排桿ガイド68Aの切欠き部59内に収納されているので、切断処理室50の前部に排出されてきた排桿等は、回転刃51で送られて後方にスムーズに移送することができる。
図15〜図19は、切断処理胴54に配置する回転刃51の配列を示している。これらの各図の(a)は、切断処理胴54の周面を展開して示す説明図であり、(b)は、切断処理室50等の要部平面図である。
回転刃51は、切断処理胴54の軸方向に列を成して設けられており、この回転刃51の列が、円周方向に等間隔で3列配置されている。すなわち、回転刃51の列は切断処理胴54の周面上に120度間隔で配置されている。
図15に示す形態では、回転刃51の列に、それぞれ軸方向に均等な第1の所定間隔(第1の軸方向のピッチ)で4個の回転刃51を備えている。すなわち、切断処理胴54の周面上に、取付部55の左側取付部55Aを軸方向に等間隔で4箇所備えて1つの列とし、この左側取付部55Aの列を120度間隔で3列配置することで12箇所の左側取付部55Aを備え、これらの左側取付部55Aにそれぞれ回転刃51を装着するようにしている。そして、回転刃51の列は、切断処理胴54の円周方向に隣り合う列同士が、上記した軸方向のピッチの3分の1となる距離の分、軸方向にずれて配置されている。
換言すると、回転刃51は、切断処理胴54の周面上に螺旋状に配置されており、更に具体的には、回転刃51は、螺旋ピッチが一定の螺旋である常螺旋を描くように配列されている。なお、螺旋ピッチとは、螺旋の円周方向の変化量に対する軸方向の変化率である。上記の如く構成された切断処理胴54は、扱室10の排出口10Dから排出される排桿を回転刃51と受刃52との間で細かく切断すると共に、回転刃51のスパイラル状回転で真後から右後方へ拡散して放出する。
図16に示す形態では、回転刃51の列に、それぞれ5個の回転刃(回転刃51及び追加回転刃51A1)が設けられており、15個の回転刃を有している。すなわち、この形態は、図15に示す形態と同様な態様で配置された4個の回転刃51を備えており、切断処理胴54の軸方向における中央部近傍において、回転刃51の列のそれぞれに、1個ずつの追加回転刃51A1を備えたものである。この追加回転刃51A1は、その追加回転刃51A1が設けられた回転刃51の列における、最も接近している回転刃51と、上記した軸方向のピッチの3分の1となる距離の分、軸方向にずれて配置されている。
換言すると、図16に示す形態では、一定の螺旋ピッチを以って常螺旋を描くように切断処理胴54の周面上に配列された回転刃51と、切断処理胴54の軸方向中央部近傍に、回転刃51と略同一の螺旋ピッチを持って常螺旋上に配列された追加回転刃51A1を備えている。
この様な形態で回転刃51及び追加回転刃51A1を配列するべく、切断処理胴54の左右中央の左側取付部55Aに接近して追加の中央左側取付部55A1を設けており、この中央左側取付部55A1に追加回転刃51A1を取り付けて切断部を構成し、扱室10の排出口10Dの左右中央から排出される長くなりがちな排桿を短く切断する。
図17に示す形態では、回転刃51の列に、それぞれ6個の回転刃(回転刃51及び追加回転刃51A1,51A2)が設けられており、18個の回転刃を有している。すなわち、この形態は、図16に示す形態と同様な態様で配置された回転刃51及び追加回転刃51A1を備え、切断処理胴54の中央よりも右寄りの部位の回転刃51に近接して追加回転刃51A2を更に設けたものである。この追加回転刃51A2は、その追加回転刃51A2が設けられた回転刃51の列における、最も接近している回転刃51と、上記した軸方向のピッチの3分の1となる距離の分、軸方向にずれて配置されている。
換言すると、図17に示す形態では、図16に示す形態と同様に回転刃51及び追加回転刃51A1を配列すると共に、切断処理胴54の軸方向で中央よりも右寄りの部位に、回転刃51と略同一の螺旋ピッチを持って常螺旋上に配列された追加回転刃51A2を備えている。
この様な形態で回転刃51及び追加回転刃51A1,51A2を配列するべく、切断処理胴54の左側取付部55Aに接近して追加の左側取付部55A1,55A2を設けた配置で、この左側取付部55A1,55A2にそれぞれ追加回転刃51A1,51A2を取り付けて切断部を構成し、扱室10の排出口10Dの左右中央と右側から排出される長くなりがちな排桿を短く切断する。
図18に示す形態では、回転刃51の列に、それぞれ軸方向に均等な第2の所定間隔(第2の軸方向のピッチ)で5個の回転刃51を備えている。なお、第2の軸方向のピッチは、上記した第1の軸方向のピッチよりも狭い。この形態では、切断処理胴54の軸方向の両端部で回転刃51の密度が低く、両端部以外の密度が、両端部よりも密度が高く、かつ、一定の密度になるように回転刃51が配列されている。
換言すると、図18に示す形態では、図15に示す形態と略同一の螺旋ピッチを以って常螺旋状にそれぞれ配列された第1〜第5の回転刃群150A、150B,150C,150D,150Eを有する。そして、任意の回転刃群の常螺旋と、この回転刃群と切断処理胴54の軸方向に隣り合う回転刃群の常螺旋が、互いに上記の第2の軸方向のピッチの2分の1となる距離の分、ずれて位置している。この様に回転刃51を配列することにより、切断処理胴54の軸方向での中間部において、切断処理胴54の軸方向で同一の位置に2つの回転刃51が位置する部分と、1つの回転刃51が位置する部分が構成される。
これにより、排稈切断時の切断処理胴54の駆動負荷を低減しつつ、確実に排稈を細断することが可能となる。
図19に示す形態は、上記の図18に示す形態において、切断処理胴54の軸方向での両端部に回転刃51を増加させたものである。
図19に示す形態は、上記の図18に示す形態において、切断処理胴54の軸方向での両端部に回転刃51を増加させたものである。
なお、上記の第2の軸方向のピッチは、第1の軸方向のピッチの3分の2倍に設定されている。
(脱穀装置3と切断処理室50の連結)
次に、脱穀装置3と切断処理室50の連結構成を説明する。
(脱穀装置3と切断処理室50の連結)
次に、脱穀装置3と切断処理室50の連結構成を説明する。
脱穀装置3の後板10Cの左側には、図12に示すように、切断処理室50に向かって延出する上側片10Eと下側片10Fが固着されている。また、図6に示す如く、切断処理室50の左側板50Aの上下に、上側片10Eに対向する位置に上下方向に延設された引掛けピン61を備えた上側係合部50Eと、下側片10Fに対向する位置に固定ピン60を挿通可能な孔が開口された下側係合部50Fが固着されている。
そして、切断処理室50の左側を脱穀装置3に連結するには、切断処理室50の上側係合部50Eの引掛けピン61を脱穀装置3の上側片10Eに合わせて引掛けピン61を脱穀装置3の上側片10Eに挿通し、切断処理室50の下側係合部50Fを脱穀装置3の下側片10Fを合わせて下側係合部50Fの上側から固定ピン60を下側係合部50Fと下側片10Fに挿通して連結する。
従って、上側係合部50Eの引掛けピン61と固定ピン60は同一軸線上になって、この軸線を中心にして切断処理室50が後方へ回動して内部を解放出来るようになる。
切断処理室50の右側には、図8に示す如く、右側板50Bに切断処理胴54の軸端周辺を囲んで脱穀装置3に向かう切欠き部50Dを形成し、この切欠き部50Dを側面から覆って覆い側板69をボルト77で右側板50Bに取り付けている。この覆い側板69には切断処理胴54の内側回転軸54Aを軸支する固定軸受50C2を取り付けている。さらに、覆い側板69の前側が脱穀装置3の右側面に突出して重ね部69Aを形成し、この重ね部69Aに脱穀装置3側のピン79に外嵌するガイド溝80を形成して、取付の際にガイド溝80をピン79にあてがって切断処理室50の前面を脱穀装置3の後板10Cに密着させてボルト78で固定する。
切断処理室50の右側には、図8に示す如く、右側板50Bに切断処理胴54の軸端周辺を囲んで脱穀装置3に向かう切欠き部50Dを形成し、この切欠き部50Dを側面から覆って覆い側板69をボルト77で右側板50Bに取り付けている。この覆い側板69には切断処理胴54の内側回転軸54Aを軸支する固定軸受50C2を取り付けている。さらに、覆い側板69の前側が脱穀装置3の右側面に突出して重ね部69Aを形成し、この重ね部69Aに脱穀装置3側のピン79に外嵌するガイド溝80を形成して、取付の際にガイド溝80をピン79にあてがって切断処理室50の前面を脱穀装置3の後板10Cに密着させてボルト78で固定する。
切断処理胴54の内側回転軸54Aは、左側が切断処理室50に固定の嵌脱軸受50C1で軸支されその端部に切断プーリ54Dを取り付け、右側が覆い側板69の固定軸受50C2で軸支されている。
従って、切断処理室50を開放する場合には、右側の覆い側板69と脱穀装置3の側部を連結するボルト78を外すことで、切断処理室50が左側の引掛けピン61と固定ピン60を中心にして後方へ回動可能になり、回転刃51や受刃52に絡み付いた排藁を容易に取り除けるようになる。
また、切断処理胴54の回転刃51を交換する場合には、切断処理室50の右側板50Bと覆い側板69を連結しているボルト77を外して、内側回転軸54Aの左端部に取り付けた切断プーリ54Dを取り外して内側回転軸54Aを嵌脱軸受50C1から引き抜くと切断処理胴54が切断処理室50内から取り出せるようになる。
さらに、切断処理室50を脱穀装置3から外すには、切断処理室50の下側係合部50Fから固定ピン60を引き抜き、切断処理室50を持ち上げて脱穀装置3の上側片10Eから上側係合部50Eの引掛けピン61を抜けばよい。
エンジンの回動は、図12に示すように、選別室20の前部に配置されたエンジンの回動が伝動される入力プーリ(図示省略)と、1番螺旋軸28Aに装着された1番プーリ28Bと、2番螺旋軸29Aに装着された2番プーリ29Bと、第1カウンタ軸62Aに装着された第1プーリ62Bと、第2カウンタ軸63Aに装着されたカウンタプーリ(図示省略)には、第1ベルト61Aが巻掛けられ、エンジンの回動が第1ベルト61A等を介して、1番螺旋軸28Aと、2番螺旋軸29Aに伝動されて穀粒をグレンタンク5等に移送させる。
第1プーリ62Bと選別室20の後部に横架された揺動軸21Aに装着された揺動プーリ21Bには、第2ベルト61Bが巻掛けられ、エンジンの回動が第2ベルト61B等を介して、揺動軸21Aに伝動されて揺動選別装置21を前後上下方向に揺動させる。なお、第1プーリ62Bと揺動プーリ21Bの上側には、第2ベルト61Bの張力を調整する第1張設装置64が設けられている。
第2カウンタ軸63Aに固着した第2中継プーリ63Cにエンジンの回動が第3ベルト63Dを介して伝動し、第2プーリ63Bと切断処理室の前部に横架された切断処理胴54に装着された切断プーリ54Dには、第3ベルト61Cが巻掛けられ、エンジンの回動が第3ベルト61C等を介して、切断処理胴54に伝動されて回転刃51を反時計方向に回転させる。なお、第2プーリ63Bと切断プーリ54Dの下側には、第3ベルト61Cの張力を調整する第2張設装置65が設けられている。
また、部品点数を削減して第1ベルト61A〜第3ベルト63Dの交換作業を容易に行なうために、選別室20の1番プーリ28Aの後側から切断処理室50の切断プーリ54Dの後側近傍の左側を覆う一体形成された伝動カバー66が着脱自在に装着されている。
(切断排出室)
切断処理室50の後側には、切断処理室50で受刃52を起立して切断された排桿や、受刃52を倒伏して非切断された排桿を外部に拡散して排出する排出室70が設けられている。排出室70は、図13に示すように、切断処理室50から排出された排桿を拡散する拡散ガイド73が装着された前側排出室71と、前側排出室71の後部に装着された後側排出室72を備えて構成されている。
(切断排出室)
切断処理室50の後側には、切断処理室50で受刃52を起立して切断された排桿や、受刃52を倒伏して非切断された排桿を外部に拡散して排出する排出室70が設けられている。排出室70は、図13に示すように、切断処理室50から排出された排桿を拡散する拡散ガイド73が装着された前側排出室71と、前側排出室71の後部に装着された後側排出室72を備えて構成されている。
前側排出室71は、図14に示す如く、上側板71Aと、左側板71Bと、右側板71Cを備えて下部が開放された縦断面が略逆U字状に形成されている。また、外部との衝突を防止し、排桿を圃場に拡散しながら排出するために、右側板71Cは前端部から後端部に向かって左側に傾斜して形成されている。
同様に、後側排出室72は、上側板72Aと、左側板72Bと、右側板72Cを備えて下部が開放された縦断面が略逆U字状に形成されている。また、外部との衝突を防止し、排桿を圃場に拡散しながら排出するために、右側板72Cは前端部から後端部に向かって左側に傾斜して形成されている。
前側排出室71の上側板72Aの後部には、左右方向に所定の間隔を持って切断処理室50から排出されてくる排桿を拡散する前部が円弧状に形成された拡散ガイド73の後部を回転自在に装着する後軸74Bが立設されている。また、上側板72Aの前部には、拡散ガイド73の前部を装着する前軸74Aを後軸74Bを中心として左右方向に移動する円弧状の左右側溝75A,75Bが開口されている。
これによって、前軸74Aを左右方向に移動することにより拡散ガイド73の傾斜角度を任意の角度に調整することができる。なお、上側板72Aの変形を防止して排桿を外部に拡散して排出する際に生じる振動、騒音を低減するために、後軸74Bを立設する部位には補強プレート76を設けるのが好ましく、左側に装着される拡散ガイド73よりも右側に装着される拡散ガイド73の傾斜角度を大きくして排出室70から外部に排出される排桿を機体の後方に均一に拡散するために、左側溝75Aよりも右側溝75Bの溝長さを長く開口するのが好適である。
3枚の拡散ガイド73は、拡散ガイド73のガイド作用始端部(拡散ガイド73の前端部)が、切断処理胴54の軸方向で、この切断処理胴54の中央部分近傍から、この中央部分よりも左側に位置するように配置して設け、拡散ガイド73の右方向への傾斜角度(機体前後方向を基準として、ガイド作用始端部から後方へ向うほど右側に位置するように傾斜する角度)を順次大きくしているが、圃場への細断排桿散布状況で適宜に傾斜角度を調整すると良い。
3 脱穀装置
10 扱室
50 切断処理室
51 回転刃
54 切断処理胴
73 拡散ガイド
10 扱室
50 切断処理室
51 回転刃
54 切断処理胴
73 拡散ガイド
Claims (6)
- 扱室(10)から脱穀後の排出物を受け入れて切断する切断処理室(50)を備えた脱穀装置において、
前記切断処理室(50)内に回転自在に支持された切断処理胴(54)と、
該切断処理胴(54)の周面から切断処理胴(54)の径方向に延出される回転刃(51)を備え、
この回転刃(51)が、前記切断処理胴(54)の回転軸心方向に列を成して配置され、
この回転刃(51)の列が、切断処理胴(54)の周方向に間隔をおいて3列配置されると共に、各回転刃(51)の列に5つ以上の回転刃(51)を備えたことを特徴とする脱穀装置。 - 前記回転刃(51)の列のそれぞれにおいて、前記各回転刃(51)が前記切断処理胴(54)の回転軸心方向に均一な間隔で配置された請求項1に記載の脱穀装置。
- 前記回転刃(51)の列のそれぞれにおいて、前記各回転刃(51)が前記切断処理胴(54)の回転軸心方向に不均一な間隔で配置された請求項1に記載の脱穀装置。
- 前記回転刃(51)の列のそれぞれにおいて、前記切断処理胴(54)の回転軸心方向での中央部近傍の部位に配置された複数の回転刃(51)同士の間隔が、前記切断処理胴(54)の回転軸心方向での中央部近傍以外の部位に配置された複数の回転刃(51)同士の間隔よりも狭く設定された請求項3に記載の脱穀装置。
- 前記回転刃(51)の列のそれぞれにおいて、前記切断処理胴(54)の回転軸心方向での中央部に対して一方の端部側に偏倚した部位に配置される複数の回転刃(51)同士の間隔が、前記切断処理胴(54)の回転軸心方向での中央部に対して他方の端部側に偏倚した部位に配置される複数の回転刃(51)同士の間隔よりも狭く設定された請求項3又は請求項4に記載の脱穀装置。
- 前記切断処理室(50)で切断された排出物を脱穀装置の外部へ案内する複数の拡散ガイド(73)を備え、
各拡散ガイド(73)のガイド作用始端部が、前記切断処理胴(54)の回転軸心方向において、切断処理胴(54)の中央部近傍から切断処理胴(54)の一方の端部側に向って、間隔を置いて配置された請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の脱穀装置。
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