JP2016058576A - 有機発光素子用インク組成物およびこれを用いた有機発光素子 - Google Patents

有機発光素子用インク組成物およびこれを用いた有機発光素子 Download PDF

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Abstract

【課題】 高性能の有機発光素子を指向する観点からは、湿式成膜法により得られる塗膜が一定の平坦性の確保が必ずしも十分であるとはいえない。その結果、得られる有機発光素子として所望の性能が得られないことがある。そこで、うねりの発生を防止しうる有機発光素子用インク組成物を提供することを目的とする。【解決手段】 発光材料、フッ素系樹脂、および溶媒を含み、前記フッ素系樹脂のフッ素含有率が、50質量%以下である、有機発光素子用インク組成物。【選択図】 なし

Description

本発明は、有機発光素子用インク組成物およびこれを用いた有機発光素子に関する。
近年、有機発光素子は、視認性に優れる、視野角依存性が少ない、軽量化・薄層化が可能である等の観点から、次世代のフラットパネルディスプレイや次世代の照明等として注目されている。
有機発光素子は、通常、陽極、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、および陰極を含む。当該有機発光素子に電圧を印加すると、陽極から正孔輸送層に正孔が、陰極から電子輸送層に電子がそれぞれ注入され、次いで、正孔および電子は発光層に注入される。発光層では、注入された正孔および電子が再結合し、この際生じるエネルギーにより発光層中の発光材料が発光する。なお、有機発光素子は、場合により、正孔輸送層および/または電子輸送層を有しない場合がある。また、正孔注入層および電子注入層等の他の層を含む場合がある。
このような有機発光素子は、通常、乾式成膜法または湿式成膜法で形成される。
前記乾式成膜法は、一般に、有機材料を真空環境下で蒸着させて蒸着膜を形成するものである。他方、前記湿式成膜法は、一般に、有機材料を含む塗布液(インク組成物)を塗布し、得られた塗膜を乾燥して膜を形成するものである。
前記乾式成膜法によれば、蒸着膜の有機材料の純度が高い、均一かつ平滑な蒸着膜が得られる等の理由により、有機発光素子が高性能となりうる。このため、現在、有機発光素子の多くは乾式成膜法により製造されている。
しかしながら、乾式成膜法は、真空蒸着の際にシャドウマスクを用いるため有機材料の使用効率が低く、また、真空環境とすることが必要であることから高コストを要するという問題がある。その結果、乾式成膜法は、有機発光素子の大型化への適用が困難となる。
そこで、有機発光素子の大型化に対応すべく、大気圧下で行うことができる湿式成膜法による有機発光素子の製造に向けた検討がなされている。例えば、特許文献1には、有機EL素子の有機層を形成する際に使用される有機EL層形成用塗液に係る発明が記載されている。この際、前記有機EL層形成用塗液は、前記塗液がレベリング剤と発光材料または電荷輸送材料とを含有し、前記レベリング剤(L)の添加量が、Lの粘度(cp)×発光材料または電荷輸送材料に対するLの添加量(wt%)<200で表される関係式を満たすことを特徴とする。特許文献1には、インクジェット法、印刷法等の湿式成膜法で有機発光素子を製造できることが記載されている。なお、特許文献1によれば、有機EL層形成用塗液に特定量のレベリング剤を含有させることにより、湿式成膜法により形成される膜の平坦性に起因する発光ムラ等の問題を解決することができる旨が記載されている。
特開2002−56980号公報
特許文献1の発明によれば、湿式成膜法により得られる塗膜が一定の平坦性を有しうるが、高性能の有機発光素子を指向する観点からは、その平坦性の確保が必ずしも十分であるとはいえない場合があることが判明した。より詳細には、湿式成膜法により形成される塗膜は、その方法に起因したうねりが生じうるのである。その結果、得られる有機発光素子として所望の性能が得られないことがある。
そこで、本発明は、うねりの発生を防止しうる有機発光素子用インク組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意研究を行った。その結果、有機発光素子用インク組成物に所定のフッ素系樹脂を添加することで上記課題が解決されうることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、発光材料、フッ素系樹脂、および溶媒を含み、前記フッ素系樹脂のフッ素含有率が、50質量%以下である、有機発光素子用インク組成物に関する。
本発明によれば、うねりの発生を防止しうる有機発光素子用インク組成物を得ることができる。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
<有機発光素子用インク組成物>
本形態に係る有機発光素子用インク組成物は、発光材料、フッ素系樹脂、および溶媒を含む。この際、前記フッ素系樹脂のフッ素含有率は50質量%以下である。なお、前記有機発光素子用インク組成物には、その他、必要に応じて、界面活性剤等が含まれていてもよい。前記有機発光素子用インク組成物は、発光材料を含むことから、原則として、有機組成物発光素子の発光層の形成に使用される。
従来の有機発光素子用インク組成物、例えば特許文献1に記載の有機発光素子用インク組成物には、レベリング剤として、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系化合物を使用できることが知られている。
しかしながら、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素含有率が非常に高いものをレベリング剤として使用すると、有機発光素子用インク組成物中での溶解性が不十分となり、レベリング剤としての機能を十分に発揮することができないことがある。この場合、当該有機発光素子用インク組成物を塗布し、得られた塗膜を乾燥させる際に発光層にうねりが生じてしまい、発光層の平坦性が確保できない。そうすると、有機発光素子の発光層は、通常、薄膜であり、その平坦性が有機発光素子の性能に多大な影響を及ぼしうることから、上記のような有機発光素子用インク組成物を使用してうねりが発生した場合には、輝度ムラの発生等により有機発光素子として所望の性能が得られないことがある。
これに対し、本形態に係る有機発光素子用インク組成物に含有されるフッ素系樹脂は、フッ素含有率が50質量%以下であることから、有機発光素子用インク組成物に好適に溶解する。その結果、当該有機発光素子用インク組成物を塗布して得られた塗膜において、フッ素系樹脂は塗膜表面に配向して表面張力を低下させる。そして、かような状態で得られた塗膜を乾燥することで、乾燥に基づくうねりの発生を防止することができ、高度に平坦性を実現した発光層、ひいては高い性能を有する有機発光素子を得ることができる。
なお、上記メカニズムはあくまで推定のものであり、上記メカニズムと異なるメカニズムで本発明の効果が得られる場合であっても、本発明の技術的範囲に含まれる。
[発光材料]
発光材料は、発光層において、正孔および電子を利用して行う発光に直接または間接に寄与する機能を有する。なお、本明細書において、「発光」には、蛍光による発光および燐光による発光を含むものとする。
一実施形態において、発光材料は、ホスト材料およびドーパント材料を含む。
(ホスト材料)
ホスト材料は、通常、発光層に注入された正孔および電子を輸送する機能を有する。
前記ホスト材料としては、上記機能を有するものであれば特に制限されない。ホスト材料は、高分子ホスト材料および低分子ホスト材料に分類される。なお、本明細書において、「低分子」とは、重量平均分子量(Mw)が5,000以下のものを意味する。一方、本明細書において、「高分子」とは、重量平均分子量(Mw)が5,000超のものを意味する。この際、本明細書において、「重量平均分子量(Mw)」は、ポリスチレンを標準物質としたゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)を用いて測定された値を採用するものとする。
高分子ホスト材料としては、特に制限されないが、ポリ(9−ビニルカルバゾール)(PVK)、ポリフルオレン(PF)、ポリフェニレンビニレン(PPV)、およびこれらのモノマー単位を含む共重合体等が挙げられる。
高分子ホスト材料の重量平均分子量(Mw)は、5,000超5,000,000以下であることが好ましく、5,000超1,000,000以下であることがより好ましい。
低分子ホスト材料としては、特に制限されないが、4,4’−ビス(9H−カルバゾール−9−イル)ビフェニル(CBP)、ビス(2−メチル−8−キノリノレート)−4−(フェニルフェノラト)アルミニウム(BAlq)、1,3−ジカルバゾリルベンゼン(mCP)、4,4’−ビス(9−カルバゾリル)−2,2’−ジメチルビフェニル(CDBP)、N,N’−ジカルバゾリル−1,4−ジメチルベンゼン(DCB)、2,7−ビス(ジフェニルホスフィンオキシド)−9,9−ジメチルフルオレセン(P06)、3,5−ビス(9−カルバゾリル)テトラフェニルシラン(SimCP)、1,3−ビス(トリフェニルシリル)ベンゼン(UGH3)、1,3,5−トリス[4−(ジフェニルアミノ)フェニル]ベンゼン(TDAPB)、9,9’−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3−ビスカルバゾール等が挙げられる。
低分子ホスト材料の重量平均分子量(Mw)は、100〜5,000であることが好ましく、300〜5,000であることがより好ましい。
上述のホスト材料のうち、ホスト材料としては、低分子ホスト材料を用いることが好ましく、4,4’−ビス(9H−カルバゾール−9−イル)ビフェニル(CBP)、ビス(2−メチル−8−キノリノレート)−4−(フェニルフェノラト)アルミニウム(BAlq)、9,9’−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3−ビスカルバゾールを用いることがより好ましく、4,4’−ビス(9H−カルバゾール−9−イル)ビフェニル(CBP)、9,9’−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3−ビスカルバゾールを用いることがさらに好ましい。
上述のホスト材料は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ホスト材料の含有量は、有機発光素子用インク組成物全量に対して、0.1〜10質量%であることが好ましく、0.1〜5質量%であることがより好ましい。ホスト材料の含有量が0.1質量%以上であると、ホスト分子とドーパント分子の分子間距離を短くできることから好ましい。一方、ホスト材料の含有量が10質量%以下であると量子収率の低下を抑制できることから好ましい。
(ドーパント材料)
ドーパント材料は、輸送された正孔および電子を再結合することにより得られるエネルギーを利用して発光する機能を有する。
前記ドーパント材料としては、上記機能を有するものであれば特に制限されない。ドーパント材料は、通常、高分子ドーパント材料および低分子ドーパント材料に分類される。
高分子ドーパント材料としては、特に制限されないが、ポリフェニレンビオレン(PPV)、シアノポリフェニレンビニレン(CN−PPV)、ポリ(フルオレニレンエチニレン)(PFE)、ポリフルオレン(PFO)、ポリチオフェンポリマー、ポリピリジン、およびこれらのモノマー単位を含む共重合体等が挙げられる。
高分子ドーパント材料の重量平均分子量(Mw)は、5,000超5,000,000以下であることが好ましく、5,000超1,000,000以下であることがより好ましい。
低分子ドーパント材料としては、特に制限されないが、蛍光発光材料、燐光発光材料等が挙げられる。
前記蛍光発光材料としては、ナフタレン、ペリレン、ピレン、クリセン、アントラセン、クマリン、p−ビス(2−フェニルエテニル)ベンゼン、キナクリドン、クマリン、Al(CNO)等のアルミニウム錯体等、ルブレン、ペリミドン、ジシアノメチレン−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチルリル)−4H−ピラン(DCM)、ベンゾピラン、ローダミン、ベンゾチオキサンテン、アザベンゾチオキサンテン、およびこれらの誘導体等が挙げられる。
前記燐光発光材料としては、周期表第7族〜第11族の中心金属と、前記中心金属に配位した芳香族系配位子とを含む錯体が挙げられる。
前記周期表第7族〜第11族の中心金属としては、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、金、白金、銀、銅等が挙げられる。これらのうち、中心金属は、イリジウムであることが好ましい。
前記配位子としては、フェニルピリジン、p−トリルピリジン、チエニルピリジン、ジフルオロフェニルピリジン、フェニルイソキノリン、フルオレノピリジン、フルオレノキノリン、アセチルアセトン、およびこれらの誘導体が挙げられる。これらのうち、配位子は、フェニルピリジン、p−トリルピリジン、およびこれらの誘導体であることが好ましく、p−トリルピリジンおよびその誘導体であることがより好ましい。
具体的な燐光発光材料としては、トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(Ir(ppy))、トリス(2−フェニルピリジン)ルテニウム、トリス(2−フェニルピリジン)パラジウム、ビス(2−フェニルピリジン)白金、トリス(2−フェニルピリジン)オスミウム、トリス(2−フェニルピリジン)レニウム、トリス[2−(p−トリル)ピリジン]イリジウム(Ir(mppy))、トリス[2−(p−トリル)ピリジン]ルテニウム、トリス[2−(p−トリル)ピリジン]パラジウム、トリス[2−(p−トリル)ピリジン]白金、トリス[2−(p−トリル)ピリジン]オスミウム、トリス[2−(p−トリル)ピリジン]レニウム、オクタエチル白金ポルフィリン、オクタフェニル白金ポルフィリン、オクタエチルパラジウムポルフィリン、オクタフェニルパラジウムポルフィリン等が挙げられる。
上述のうち、ドーパント材料は、低分子ドーパント材料であることが好ましく、燐光発光材料であることがより好ましく、トリス[2−(p−トリル)ピリジン]イリジウム(Ir(mppy))、であることがさらに好ましい。
低分子ドーパント材料の重量平均分子量(Mw)は、100〜5,000であることが好ましく、100〜3,000であることがより好ましい。
上述のドーパント材料は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ドーパント材料の含有量は、有機発光素子用インク組成物全量に対して、0.01〜10質量%であることが好ましく、0.01〜5質量%であることがより好ましい。ドーパント材料の含有量が0.01質量%以上であると、発光強度を高めることができることから好ましい。一方、ドーパント材料の含有量が10質量%以下であると量子収率の低下を抑制できることから好ましい。
上述のうち、発光材料としては、より高い発光効率が得られうる観点から、低分子発光材料を用いることが好ましく、低分子ホスト材料および低分子ドーパント材料を用いることがより好ましく、トリス[2−(p−トリル)ピリジン]イリジウム(Ir(mppy))および9,9’−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3−ビスカルバゾールを用いることがさらに好ましい。
[フッ素系樹脂]
フッ素系樹脂は、有機発光素子用インク組成物を用いて発光層を形成する際に、得られる発光層のうねりを防止する機能を有する。より詳細には、フッ素系樹脂は、有機発光素子用インク組成物を塗布して塗膜を形成した場合に、塗膜表面に配向して表面張力を低下させる。これにより、得られた塗膜を乾燥して発光層を形成する際に生じうるうねりを防止することができる。なお、本明細書において、「樹脂」とは、重量平均分子量が500以上の有機化合物を意味する。
フッ素系樹脂のフッ素含有率は、50質量%以下であり、より高いうねりの防止効果が得られる観点から、好ましくは5〜25質量%であり、より好ましくは5〜15質量%である。なお、本明細書において、「フッ素含有率」の値は、下記式で計算された値を採用するものとする。
Figure 2016058576
フッ素系樹脂は、通常、フッ素系化合物を重合させることによって得ることができる。また、フッ素系樹脂は、フッ素含有率調整化合物を併用して共重合して得ることもできる。
(フッ素系化合物)
フッ素系化合物は、例えば、ラジカル重合性、またはアニオン重合性もしくはカチオン重合性といったイオン重合性の、重合後に側鎖にフッ素原子を含む原子団を有する下記式(1)で表されるフッ素系化合物が好適に使用される。
Figure 2016058576
上記式(1)において、Rは水素原子またはメチル基を表す。
また、Lは、下記式(L−1)〜(L−10)のいずれか1つの基を表す。
Figure 2016058576
この際、上記式(L−1)、(L−3)〜(L−7)中のnは1〜8の整数を表す。また、上記式(L−8)〜(L−10)中のmは1〜8の整数を表し、nは0〜8の整数を表す。さらに、上記式(L−6)および(L−7)中のRf”は、後述する式(Rf−1)〜(Rf−7)のいずれか1つの基を表す。
Rfは下記式(Rf−1)〜(Rf−7)のいずれか1つの基を表す。
Figure 2016058576
上記式(Rf−1)〜(Rf−4)中のnは4〜6の整数を表す。上記式(Rf−5)中のmは1〜5の整数であり、nは0〜4の整数であり、かつ、mおよびnの合計は4〜5である。上記式(Rf−6)中のmは0〜4の整数であり、nは1〜4の整数であり、pは0〜4の整数であり、かつ、m、n、およびpの合計は4〜5である。
なお、上記式(Rf−3)は二重結合または環状構造を1つ含むフッ化炭素鎖を表す。また、上記式(Rf−4)は二重結合2つ、二重結合と環状構造、または三重結合1つ含むフッ化炭素鎖を表す。
式(1)で表されるフッ素系化合物の具体例を以下に示す。
Figure 2016058576
(式中のnは3〜5の整数を表す。)
また、フッ素系化合物としては、ポリ(パーフルオロアルキレンエーテル)鎖を含み、かつ、両末端に重合性不飽和基を有するフッ素系化合物を使用してもよい。
前記ポリ(パーフルオロアルキレンエーテル)鎖としては、炭素原子数1〜3の2価フッ化炭素基と酸素原子とが交互に連結した構造を有するものが挙げられる。ポリ(パーフルオロアルキレンエーテル)鎖の具体例としては、下記構造式(a1)で表されるものが挙げられる。
Figure 2016058576
上記式(a1)において、Xは、それぞれ独立して、下記構造式(a1−1)〜(a1−5)である。
Figure 2016058576
また、上記式(a1)において、nは繰り返し単位を表す1以上の整数である。
前記重合性不飽和基としては、例えば、下記構造式U−1〜U−5で示される重合性不飽和基が挙げられる。
Figure 2016058576
これらのうち、重合性不飽和基は、入手や製造の容易さ、優れた重合性等の観点から、構造式U−1で表されるアクリロイルオキシ基、構造式U−2で表されるメタクリロイルオキシ基であることが好ましい。
フッ素系化合物が有する2以上の重合性不飽和基は、すべてが同一のものであっても、それぞれ異なるものであってもよい。
ポリ(パーフルオロアルキレンエーテル)鎖を含み、かつ、両末端に重合性不飽和基を有するフッ素系化合物の具体例(A−1)〜(A−13)を以下に示す。なお、下記の各構造式中における「−PFPE−」は、ポリ(パーフルオロアルキレンエーテル)鎖を示す。
Figure 2016058576
これらのうち、工業的製造が容易であり、また、重合性に優れることから、(A−1)、(A−2)、(A−5)、(A−6)のフッ素系化合物を使用することが好ましい。
さらに、フッ素系化合物としては、水酸基を有するフッ素含有化合物と、イソシアネート基を有するウレタン(メタ)アクリレートと、を反応させて得られるものを用いることもできる。
水酸基を有するフッ素含有化合物としては、特に制限されないが、下記式で表されるものが挙げられる。
Figure 2016058576
上記式において、Xは、炭素原子数1〜10のフッ素原子含有基である。当該炭素原子数1〜10のフッ素原子含有基としては、特に制限されないが、−CF、−CHF、−CHF、−C、−C、−C、−C11、−C13、−C15、−C17等が挙げられる。これらのうち、Yは、環境配慮の観点から、−CF、−C、−C13であることが好ましく、−C13であることがより好ましい。上記式(1)と同様である。
Qとしては、特に制限されないが、炭素原子数1〜10のアルキレン基、炭素原子数6〜30のアリーレン基等が挙げられる。
前記炭素原子数1〜10のアルキレン基としては、特に制限されないが、メチレン、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、ブチレン、iso−ブチレン、sec−ブチレン、ペンチレン等が挙げられる。
前記炭素原子数6〜30のアリーレン基としては、特に制限されないが、フェニレン、トリレン、ナフチレン、アントラセニレン、ビフェニレン等が挙げられる。
この際、炭素原子数1〜10のアルキレン基、炭素原子数6〜30のアリーレン基を構成する水素原子の少なくとも1つは、置換基で置換されていてもよい。当該置換基としては、ハロゲン原子(フッ素原子を除く);チオール基;ニトロ基;スルホ基;メトキシ基、エトキシ基、プロピル基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基等の炭素原子数1〜10のアルコキシ基;メチルカルボニル基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ブチルカルボニル基等の炭素原子数2〜10のアルキルカルボニル基;メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、プロピルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基等の炭素原子数2〜10のアルキルオキシカルボニル基が挙げられる。
具体的な水酸基を有するフッ素含有化合物として、好ましくは3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクタノールが挙げられる。なお、上記のフッ素含有化合物は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、イソシアネート基を有するウレタン(メタ)アクリレートとしては、特に制限されないが、ポリイソシアネート化合物と、水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物とを反応させて得られるものが挙げられる。
前記ポリイソシアネート化合物としては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘプタメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、2−メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート、3−メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2−メチルペンタメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、水素添加テトラメチルキシリレンジイソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート化合物;トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、トリメチロールプロパンおよびトリレンジイソシアネートを反応させて得られるトリイソシアネート化合物等の芳香族イソシアネート化合物が挙げられる。
これらのうち、イソシアネート化合物としては、芳香族イソシアネート化合物であることが好ましく、トリレンジイソシアネート、トリメチロールプロパンおよびトリレンジイソシアネートを反応させて得られるトリイソシアネート化合物であることがより好ましい。なお、上記のイソシアネート化合物は単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート等の2価アルコールのモノ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパン(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート等の3価のアルコールのモノまたはジ(メタ)アクリレート、あるいは、これらのアルコール性水酸基の一部をε−カプロラクトンで変性した水酸基を有するモノまたはジ(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の1官能の水酸基と3官能以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物、あるいは、該化合物をさらにε−カプロラクトンで変性した水酸基を有する多官能(メタ)アクリレート;ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のオキシアルキレン鎖を有する(メタ)アクリレート化合物;ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリオキシブチレン−ポリオキシプロピレンモノ(メタ)アクリレート等のブロック構造のオキシアルキレン鎖を有する(メタ)アクリレート化合物;ポリ(エチレングリコール−テトラメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール−テトラメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート等のランダム構造のオキシアルキレン鎖を有する(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。
これらのうち、水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物としては、2価アルコールのモノ(メタ)アクリレートであることが好ましく、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートであることがより好ましい。なお、前記水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上述のイソシアネート基を有するウレタン(メタ)アクリレートは、好ましくは芳香族イソシアネート化合物と、2価アルコールのモノ(メタ)アクリレートとを反応させて得られるものであり、より好ましくはトリメチロールプロパンおよびトリレンジイソシアネートを反応させて得られるトリイソシアネート化合物と、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとを反応させて得られるものである。
なお、上述のポリイソシアネート化合物と、水酸基を有するアクリレート化合物と、を用いたイソシアネート基を有するウレタン(メタ)アクリレートの合成は、ウレタン化触媒の存在下、常法により行うことができる。ここで使用しうるウレタン化触媒の具体例としては、ピリジン、ピロール、トリエチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミンなどのアミン類;トリフェニルホスフィン、トリエチルホスフィンなどのホフィン類;ジブチル錫ジラウレート、オクチル錫トリラウレート、オクチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジアセテート、オクチル酸錫などの有機錫化合物;オクチル酸亜鉛などの有機金属化合物が挙げられる。
上述のうち、好ましいフッ素系化合物としては、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクタノールと、トリメチロールプロパンおよびトリレンジイソシアネートを反応させて得られるトリイソシアネート化合物並びに2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを反応させて得られるイソシアネート基を有するウレタン(メタ)アクリレートと、を反応させて得られるものが挙げられる。
上述のフッ素系化合物は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
使用するフッ素系化合物の種類を適宜変更することで、フッ素系樹脂化合物のフッ素含有率を適宜調整することができる。
(フッ素含有率調整用化合物)
フッ素含有率調整用化合物は、例えば、ラジカル重合性、またはアニオン重合性もしくはカチオン重合性といったイオン重合性のフッ素原子を含まないモノマーである。フッ素含有率調整用化合物は、フッ素系化合物と併用して重合されることによりフッ素系樹脂のフッ素含有率を調整することができる。
フッ素含有率調整用化合物としては、重合可能なモノマーであれば特に制限されないが、下記式(2)で表されるものであることが好ましい。
Figure 2016058576
上記式(2)において、Rは水素原子またはメチル基である。
また、Rは、炭素原子数1〜18の直鎖状、分岐状、または環構造を有するアルキル基である。この際、前記アルキル基には、脂肪族または芳香族の炭化水素基、水酸基等の置換基を有しているものも含まれる。
式(2)で表されるフッ素系化合物の具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸の炭素原子数が1〜18のアルキルエステル;ジシクロペンタニルオキシルエチル(メタ)アクリレート、イソボルニルオキシルエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ジメチルアダマンチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、1,7,7−トリメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン−3−イル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸の炭素原子数1〜18の橋架け環状アルキルエステルなどが挙げられる。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」は、メタクリルおよびアクリルの一方または両方を意味する。このことは、(メタ)アクリレート等の場合も同様である。
また、フッ素含有率調整用化合物として、下記式(3)で表されるものも好適に使用することができる。
Figure 2016058576
上記式(3)において、Rは水素原子またはメチル基である。
X、Y、およびZは、それぞれ独立して、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、1−メチルエチレン等の炭素原子数1〜6のアルキレン基である。この際、前記アルキレン基には、置換基を有しているものも含まれる。
p、q、およびrは、0または1以上の整数であり、かつ、p、q、およびrの合計は1以上の整数である。なお、p、q、およびrの合計は、好ましくは1〜80であり、より好ましくは3〜50である。
は、水素原子または炭素原子数1〜6のアルキル基である。
前記「−O−(XO)−(YO)−(ZO)−」部分の具体例としては、pが1、qおよびrが0、かつ、Xがエチレンであるエチレングリコール残基;pが1、qおよびrが0、かつ、Xがプロピレンであるプロピレングリコール残基;pが1、qおよびrが0、かつ、Xがブチレンであるブチレングリコール残基;pが2以上の整数、qおよびrが0、かつ、Xがエチレンであるポリエチレングリコール残基;pが2以上の整数、qおよびrが0、かつ、Xが1−メチルエチレン(プロピレン)であるポリプロピレングリコール残基;pおよびqがともに1以上の整数、rが0、かつ、XおよびYの一方がエチレンでありもう一方が1−メチルエチレン(プロピレン)であるエチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体の残基;p、qおよびrがともに1以上の整数、XおよびZがエチレン、かつ、Yが1−メチルエチレン(プロピレン)であるエチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体の残基等のポリアルキレングリコールの残基等が挙げられる。
式(3)で表されるフッ素系化合物の具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール・プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール・テトラメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール・ポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール・テトラメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール・ポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール・ブチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール・ポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール・ブチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール・ポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(テトラエチレングリコール・ブチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリテトラエチレングリコール・ポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール・トリメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール・ポリトリメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール・トリメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール・ポリトリメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(トリメチレングリコール・テトラメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリトリメチレングリコール・ポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(ブチレングリコール・トリメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコール・ポリトリメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なお、本明細書において、「ポリ(エチレングリコール・プロピレングリコール)」は、エチレングリコールとプロピレングリコールとのランダム共重合物を意味し、「ポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコール」は、エチレングリコールとプロピレングリコールとのブロック共重合物を意味する。他の物も同様である。
式(3)で表されるフッ素含有率調整用化合物は市販品を使用してもよい。当該市販品としては、特に制限されないが、新中村化学工業株式会社製の「NKエステルM−20G」、「NKエステルM−40G」、「NKエステルM−90G」、「NKエステルM−230G」、「NKエステルAM−90G」、「NKエステルAMP−10G」、「NKエステルAMP−20G」、「NKエステルAMP−60G」、日油株式会社製の「ブレンマーPE−90」、「ブレンマーPE−200」、「ブレンマーPE−350」、「ブレンマーPME−100」、「ブレンマーPME−200」、「ブレンマーPME−400」、「ブレンマーPME−4000」、「ブレンマーPP−1000」、「ブレンマーPP−500」、「ブレンマーPP−800」、「ブレンマー70PEP−350B」、「ブレンマー55PET−800」、「ブレンマー50POEP−800B」、「ブレンマー10PPB−500B」、「ブレンマーNKH−5050」、「ブレンマーAP−400」、「ブレンマーAE−350」等が挙げられる。
さらに、フッ素含有率調整用化合物としては、2以上の重合性不飽和官能基を有する下記式(4)を用いてもよい。
Figure 2016058576
上記式(4)において、Rは、それぞれ独立して、上記と同様である。
X、Y、Z、p、q、およびrについても上記と同様である。
式(4)で表されるフッ素系化合物の具体例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール・プロピレングリコール)ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール・テトラメチレングリコール)ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール・ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール・テトラメチレングリコール)ジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール・ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール・ブチレングリコール)ジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール・ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール・ブチレングリコール)ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール・ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリ(テトラエチレングリコール・ブチレングリコール)ジ(メタ)アクリレート、ポリテトラエチレングリコール・ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール・トリメチレングリコール)ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール・ポリトリメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール・トリメチレングリコール)ジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール・ポリトリメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリ(トリメチレングリコール・テトラメチレングリコール)ジ(メタ)アクリレート、ポリトリメチレングリコール・ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリ(ブチレングリコール・トリメチレングリコール)ジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコール・ポリトリメチレングリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、フッ素含有率調整用化合物としては、シロキサン化合物を用いてもよい。なお、本明細書において、「シロキサン」とは、「−Si−O−Si−」の構造(シロキサン構造)を意味し、「シロキサン化合物」とは、前記シロキサン構造を分子中に少なくとも1つ有する化合物を意味する。
当該シロキサン化合物は、好ましくは下記S−1および/またはS−2の構造を含む。
Figure 2016058576
上記式(S−1)および(S−2)において、Rは、それぞれ独立して、炭素原子数1〜18のアルキル基、またはフェニル基を表す。
また、sは1〜200の整数、好ましくは20〜100の整数、さらに好ましくは30〜75の整数を表す。ただし、sが1の場合には、シロキサン構造を形成するために、式(S−1)の酸素原子はケイ素原子と結合する。
また、シロキサン化合物は重合性不飽和基を含む。当該重合性不飽和基としては、特に制限されないが、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、マレイミド基等のラジカル重合性を有する炭素−炭素不飽和二重結合であることが好ましく、原料の入手容易性、良好な重合反応性等の観点から、(メタ)アクリロイル基であることがより好ましい。
シロキサン化合物の具体的な構造を以下に示す。
Figure 2016058576
上記式中、Rは、それぞれ独立して、上述と同様である。
また、Rは、水素原子またはメチル基を表す。
さらに、Rは、炭素原子数1〜8のアルキル基、またはフェニル基を表す。
また、tは、それぞれ独立して、1〜6の整数を表し、sは、それぞれ独立して、上述と同様である。
なお、重合性不飽和基は、シロキサン化合物中に2以上有していてもよい。重合性不飽和基を2以上有するシロキサン化合物の具体的構造を以下に示す。
Figure 2016058576
上記式において、R、R、R、t、およびsは、上述と同様である。
上述のフッ素含有率調整用化合物は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、フッ素系樹脂は、上述のフッ素系化合物、必要に応じてフッ素含有率調整化合物を重合して得られるものの他、下記式(5)で表されるフッ素系樹脂を使用することもできる。
Figure 2016058576
Wとしては、水素原子;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素原子数1〜10のアルキル基;フェニル基、トリル基、ナフチル基、アントラセニル基等の炭素原子数6〜30のアリール基;メトキシ基、エトキシ基、プロピル基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基等の炭素原子数1〜10のアルコキシ基;メチルカルボニル基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ブチルカルボニル基等の炭素原子数2〜10のアルキルカルボニル基;メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、プロピルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基等の炭素原子数2〜10アルキルオキシカルボニル基;ヒドロキシ基;チオール基;ニトロ基;スルホ基等が挙げられる。
これらのうち、Wは、ヒドロキシ基、チオール基、スルホ基であることが好ましく、ヒドロキシ基であることがより好ましい。
また、Aは、それぞれ独立して、炭素原子数1〜10のアルキレン基、炭素原子数6〜30のアリーレン基等が挙げられる。
前記炭素原子数1〜10のアルキレン基としては、特に制限されないが、メチレン、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、ブチレン、iso−ブチレン、sec−ブチレン、ペンチレン等が挙げられる。
前記炭素原子数6〜30のアリーレン基としては、特に制限されないが、フェニレン、トリレン、ナフチレン、アントラセニレン、ビフェニレン等が挙げられる。
この際、前記炭素原子数1〜10のアルキレン基、炭素原子数6〜30のアリーレン基を構成する水素原子の少なくとも1つは、置換基で置換されていてもよい。当該置換基としては、ハロゲン原子;ヒドロキシ基;チオール基;ニトロ基;スルホ基;メトキシ基、エトキシ基、プロピル基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基等の炭素原子数1〜10のアルコキシ基;メチルカルボニル基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ブチルカルボニル基等の炭素原子数2〜10のアルキルカルボニル基;メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、プロピルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基等の炭素原子数2〜10のアルキルオキシカルボニル基が挙げられる。
上述のうち、Aはメチレン基、エチレン基、フェニレン基、トリレン基であることが好ましい。
さらに、Bは、それぞれ独立して、結合性基が挙げられる。当該結合性基としては、特に制限されないが、エーテル(−O−)、カルボニル(−CO−)、エステル(−COO−または−OCO−)、アミド(−CONH−または−NHCO−)、ウレタン(−NHC(O)O−または−OC(O)NH−)、イミド(−CONHCO−)等が挙げられる。
この際、アミド、ウレタン、イミドを構成する水素原子は、上述の置換基;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素原子数1〜10のアルキル基;フェニル基、トリル基、ナフチル基、アントラセニル基等炭素原子数6〜30のアリール基等で置換されていてもよい。
これらのうち、Bは、エーテル、エステル、ウレタンであることが好ましい。
また、Yは、炭素原子数1〜10のフッ素原子含有基である。当該炭素原子数1〜10のフッ素原子含有基としては、特に制限されないが、−CF、−CHF、−CHF、−C、−C、−C、−C11、−C13、−C15、−C17等が挙げられる。なお、Yは、例えば、Aの分岐等により、フッ素系化合物中に2以上有することがある。
これらのうち、Yは、環境配慮の観点から、−CF、−C、−C13であることが好ましく、−C13であることがより好ましい。
uは、1〜20であり、好ましくは1〜10である。なお、uは、「A−B」の構造によっても異なるが、式(5)で表されるフッ素系樹脂が、「樹脂」(すなわち、重量平均分子量500以上)となるように適宜制御されうる。
式(5)で表されるフッ素系樹脂の具体例を以下に示す。
Figure 2016058576
本発明の一実施形態において、フッ素系樹脂は、シロキサン構造を含むことが好ましい。これにより、有機発光素子用インク組成物は追加の効果を有しうる。より詳細には、フッ素系樹脂がシロキサン構造を含むことにより、得られる有機発光素子の発光効率が向上しうるのである。
このような効果が得られる理由は、必ずしも明らかではないが、例えば、フッ素系樹脂がシロキサン構造を含むことにより、発光層中の発光材料の分散性に影響を及ぼすことによるものと考えられる。
上述のように、一実施形態において、発光材料はホスト材料およびドーパント材料を含む。そして、発光層において、ホスト材料により正孔および/または電荷が輸送され、ドーパント材料が輸送された正孔および電子の再結合により生じるエネルギーを利用することで、発光層は発光する。したがって、ドーパント材料およびホスト材料は、発光層中で均一に分散して存在すると、発光層中で効率的な発光が可能となる。
有機発光素子用インク組成物に含有されうる通常のフッ素系樹脂は、上述のように、塗膜表面に配向して表面張力を低下させるが、これとともに、ドーパント材料の誘引機能を有する可能性がある。そうすると、ドーパント材料は、フッ素系樹脂とともに塗膜表面に偏って存在し、得られる発光層においてもその配向が維持される。これにより、発光効率が低くなりうる。
これに対し、フッ素系樹脂がシロキサン構造を含むと、フッ素系樹脂によるドーパント材料の誘引機能を防止または抑制することができる。その結果、ドーパント材料は発光層中で均一に分散することとなり、発光効率が相対的に高くなりうる。
発光材料として低分子発光材料を用いる場合、フッ素系樹脂のドーパント材料の誘引機能を受けやすいことから、この傾向はより顕著となりうる。したがって、特に好ましい実施形態において、有機発光素子用インク組成物は、低分子発光材料、シロキサン構造を含むフッ素系樹脂、および溶媒を含む。これにより、高い発光効率を有する有機発光素子が得られうる。
以上のように有機発光素子の発光効率向上は、塗膜の平坦性とは別の作用に基づき発揮されうるものであると考えられるが、上記メカニズムはあくまで推定のものであり、上記メカニズムと異なるメカニズムで発光効率の向上効果が得られる場合であっても、本発明の技術的範囲に含まれる。
なお、上述のようにシロキサン構造を含むフッ素系樹脂は、フッ素系樹脂によるドーパント材料の誘引機能を防止または抑制しうる。よって、シロキサン構造がドーパント樹脂と好適に相互作用させうる観点から、フッ素系樹脂は、シロキサン構造を側鎖に有することが好ましく、上述の式(5)で表されるシロキサン化合物をモノマーとして含むことがより好ましい。
シロキサン構造を含むフッ素系樹脂は、例えば、フッ素系化合物に、フッ素含有率調整用化合物としてシロキサン化合物を併用して重合することにより製造することができる。
シロキサン構造を含むフッ素系樹脂のケイ素含有率は、フッ素系樹脂の全量に対して、0.5〜20質量%であることが好ましく、0.5〜10質量%であることがより好ましい。ケイ素含有率が0.5質量%以上であると、高い発光効率を有する有機発光素子が得られうることから好ましい。一方、ケイ素含有率が20質量%以下であると、インク組成物中での溶解均一性が保てることから好ましい。なお、本明細書において、ケイ素含有率は、下記式で計算された値を採用するものとする。
Figure 2016058576
(フッ素系樹脂の物性)
フッ素系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、500〜100,000であることが好ましく、500〜80,000であることがより好ましく、6,000〜80,000であることがさらに好ましい。フッ素系樹脂の重量平均分子量(Mw)が上記範囲にあると、ドーパント分子を均一に溶解・分散させつつ、うねりを抑制できることから好ましい。
フッ素系樹脂の不揮発含有量は、発光材料、フッ素系樹脂、および溶媒の合計を100質量%とした場合に、0.001〜5.0質量%であることが好ましく、0.001〜1.0質量%であることがより好ましい。フッ素系樹脂の不揮発含有量が0.001質量%以上であると、うねりの発生を防止できることから好ましい。一方、フッ素系樹脂の不揮発含有量が5.0質量%以下であると、発光効率が安定することから好ましい。
[溶媒]
一実施形態において、有機発光素子用インク組成物に適用される溶媒は、特に制限されず、公知のものが使用されうる。具体的には、芳香族系溶媒、アルカン系溶媒、エーテル系溶媒、アルコール系溶媒、エステル系溶媒、アミド系溶媒、他の溶媒等が挙げられる。
前記芳香族系溶媒としては、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メシチレン、シクロヘキシルベンゼン、テトラリン、ジフェニルメタン、ジメトキシベンゼン、フェネトール、メトキシトルエン、2,3−ジメチルアニソール、アニソール、メチルアニソール、ジメチルアニソール、酢酸フェニル、プロピオン酸フェニル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル等が挙げられる。
前記アルカン系溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン等が挙げられる。
前記エーテル系溶媒としては、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテルアセタート、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
前記アルコール系溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等が挙げられる。
前記エステル系溶媒としては、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、乳酸ブチル等が挙げられる。
前記アミド系溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等
前記他の溶媒としては、ジメチルスルホキシド、アセトン、クロロホルム、塩化メチレン等が挙げられる。
これらのうち、溶媒としては、芳香族系溶媒を用いることが好ましく、溶媒の揮発に伴う塗布性の低下を防止できる観点から、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、アニソール、メシチレン、2−メチルアニソール、テトラリン、シクロヘキシルベンゼン等の100℃以上の沸点を有する芳香族系溶媒を用いることがより好ましく、テトラリン、シクロヘキシルベンゼン等の200℃以上の沸点を有する芳香族系溶媒を用いることがさらに好ましい。
上述の溶媒は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
有機発光素子用インク組成物の粘度は、1〜20mPa・sであることが好ましく、1〜10mPa・sであることがより好ましい。有機発光素子用インク組成物の粘度が1mPa・s以上であると、塗膜乾燥時にうねりの発生を好適に防止できることから好ましい。一方、有機発光素子用インク組成物の粘度が20mPa・s以下であると、容易に塗布を行うことができ、生産性が向上しうることから好ましい。本明細書において、「粘度」の値は、回転式粘度計によって測定された値を採用するものとする。
<有機発光素子用インク組成物の製造方法>
本発明の一実施形態において、有機発光素子用インク組成物の製造方法は、特に制限されないが、(1)フッ素系樹脂および溶媒を含む溶液または分散液を調製し、次いで、当該溶液または分散液に発光材料を添加する方法、(2)発光材料および溶媒を含む溶液または分散液を調製し、次いで、当該溶液または分散液にフッ素系樹脂を添加する方法、(3)フッ素系樹脂および溶媒を含む溶液または分散液と、発光材料および溶媒を含む溶液または分散液とをそれぞれ調製し、これらの溶液または分散液を混合する方法等が挙げられる。
なお、インクジェット記録用に本発明の有機発光素子用インク組成物を調製する場合には、その粘度を1〜20mPaとなるように調製することが、充分な吐出性を確保する上で好ましい。
インクジェット記録用インクの調製に当たっては、粗大粒子によるノズル目詰まり等を回避するために、通常は、インク調製の任意の工程において、遠心分離やフィルター濾過により粗大粒子を除去する。
また、インク調製のために用いる原料である、発光材料、フッ素系樹脂、および溶媒等は、極力、不純物やイオン成分を含有しない高純度品を用いることが、後記するインクジェット記録を連続して行った際における、ノズル上での何らかの反応による堆積物の生成に起因するような、上記したノズル目詰まりを防止できるだけでなく、しかも、発光層を中心層として、その両外側の各層との間で求められている機能を充分に発揮させ、長期連続使用に当たっても信頼性の高い、優れた有機発光素子を得る上では好ましい。
こうして得られたインクジェット記録用インクは、例えば、ピエゾ方式や、サーマル(バブルジェット)方式の様な各種オンデマンド方式の、公知慣用のインクジェット記録方式のプリンターに採用することが出来る。
<有機発光素子>
本発明の一形態によれば、陽極、発光層、および陰極を含む有機発光素子が提供される。この際、前記発光層が、発光材料およびフッ素系樹脂を含み、前記フッ素系樹脂化合物のフッ素含有率が、50質量%以下であることを特徴とする。
なお、前記有機発光素子は、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、および電子注入層等の他の層を1以上含んでいてもよい。また、封止部材の公知のものを含んでいてもよい。
一実施形態によれば、有機発光素子は、陽極、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層、および陰極を含む。
以下、各構成について詳細に説明する。
[陽極]
陽極としては、特に制限されないが、金(Au)等の金属、ヨウ化銅(CuI)、インジウムスズ酸化物(ITO)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)等が用いられうる。これらの材料は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
陽極の膜厚としては、特に制限されないが、10〜1000nmであることが好ましく、10〜200nmであることがより好ましい。
陽極は、蒸着やスパッタリング等の方法により形成されうる。この際、フォトリソグラフィー法やマスクを用いた方法によりパターン形成を行ってもよい。
[正孔注入層]
正孔注入層は、有機発光素子において任意の構成要素であり、陽極から正孔を取り入れる機能を有する。通常、陽極から取り入れた正孔は、正孔輸送層または発光層に輸送される。
正孔注入層に用いられうる材料としては、特に制限されないが、銅フタロシアニン等のフタロシアニンバッファ層;酸化バナジウム等の酸化物バッファ層;アモルファスカーボンバッファ層;ポリアニリン(エメラルディン)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(スチレンスルホン酸)(PEDOT−PSS)等の高分子バッファ層等が挙げられる。これらの材料は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
正孔注入層の膜厚としては、特に制限されないが、0.1nm〜5μmであることが好ましい。
[正孔輸送層]
正孔輸送層は、有機発光素子において任意の構成要素であり、正孔を効率に輸送する機能を有する。また、正孔輸送層は、正孔の輸送を防止する機能を有しうる。正孔輸送層は、通常、陽極または正孔注入層から正孔を取り入れ、発光層に正孔を輸送する。
正孔輸送層に用いられうる材料としては、特に制限されないが、TPD(N,N'−ジフェニル−N,N'−ジ(3−メチルフェニル)−1,1'−ビフェニル−4,4'ジアミン)、α−NPD(4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル)、m−MTDATA(4、4’,4’’−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン)等の低分子トリフェニルアミン誘導体;ポリビニルカルバゾール;下記化学式HT−2で表されるトリフェニルアミン誘導体に重合性置換基を導入して重合した高分子化合物等が挙げられる。これらの材料は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
Figure 2016058576
正孔輸送層の膜厚としては、特に制限されないが、1nm〜5μmであることが好ましく、5nm〜1μmであることがより好ましく、10〜500nmであることがさらに好ましい。
正孔輸送層は、単層であっても、2以上が積層されたものであってもよい。
正孔輸送層は、通常、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法、LB法等により形成することができる。
[発光層]
発光層は、発光層に注入された正孔および電子の再結合により生じるエネルギーを利用して発光を生じさせる機能を有する。
発光層は、上述の有機発光素子用インク組成物を用いて形成されることから、通常、上述した発光材料およびフッ素系樹脂を含む。なお、場合によっては、有機発光素子用インク組成物に含まれる溶媒を含むことがありうる。
なお、発光層は、上述の有機発光素子用インク組成物により形成される発光層とともに、公知の有機発光素子用インク組成物により形成される発光層、蒸着等により形成される発光層を有していてもよい。
発光層の膜厚としては、特に制限されないが、2〜100nmであることが好ましく、2〜20nmであることがより好ましい。
発光層は、通常、上述の有機発光素子用インク組成物を塗布し、得られた塗膜を乾燥することで形成することができる。
前記塗布の方式としては、特に制限されないが、インクジェット印刷法、凸版印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、ノズルプリント印刷法等が挙げられる。
[電子輸送層]
電子輸送層は、有機発光素子において任意の構成要素であり、電子を効率に輸送する機能を有する。また、電子輸送層は、電子の輸送を防止する機能を有しうる。電子輸送層は、通常、陰極または電子注入層から電子を取り入れ、発光層に電子を輸送する。
電子輸送層に用いられうる材料としては、特に制限されないが、トリス(8−キノリラート)アルミニウム(Alq)、トリス(4−メチル−8−キノリノラート)アルミニウム(Almq3)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)ベリリウム(BeBq2)、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(p−フェニルフェノラート)アルミニウム(BAlq)、ビス(8−キノリノラート)亜鉛(Znq)等のキノリン骨格またはベンゾキノリン骨格を有する金属錯体;ビス[2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンズオキサゾラート]亜鉛(Zn(BOX)2)等のベンズオキサゾリン骨格を有する金属錯体;ビス[2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾラート]亜鉛(Zn(BTZ)2)ベンゾチアゾリン骨格を有する金属錯体;2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(PBD)、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(TAZ)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(OXD−7)、9−[4−(5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]カルバゾール(CO11)、2,2’,2’’−(1,3,5−ベンゼントリイル)トリス(1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール)(TPBI)、2−[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]−1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール(mDBTBIm−II)等のポリアゾール誘導体;下記化学式ET−1で表されるベンゾイミダゾール誘導体;キノリン誘導体;ペリレン誘導体;ピリジン誘導体;ピリミジン誘導体;キノキサリン誘導体;ジフェニルキノン誘導体;ニトロ置換フルオレン誘導体等が挙げられる。
Figure 2016058576
電子輸送層の膜厚としては、特に制限されないが、5nm〜5μmであることが好ましく、5〜200nmであることがより好ましい。
電子輸送層は、単層であっても、2以上が積層されたものであってもよい。
電子輸送層は、通常、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法、LB法等により形成することができる。
[電子注入層]
電子注入層は、有機発光素子において任意の構成要素であり、陰極から電子を取り入れる機能を有する。通常、陰極から取り入れた電子は、電子輸送層または発光層に輸送される。
電子注入層に用いられうる材料としては、特に制限されないが、ストロンチウム、アルミニウム等の金属バッファ層;フッ化リチウム等のアルカリ金属化合物バッファ層;フッ化マグネシウム等のアルカリ土類金属化合物バッファ層;酸化アルミニウム等の酸化物バッファ層等が挙げられる。これらの材料は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
電子注入層の膜厚としては、特に制限されないが、0.1nm〜5μmであることが好ましい。
[陰極]
陰極としては、特に制限されないが、リチウム、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、希土類金属等が挙げられる。これらの材料は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
陰極は、通常、蒸着やスパッタリング等の方法により形成されうる。
陰極の膜厚としては、特に制限されないが、10〜1000nmであることが好ましく、10〜200nmであることがより好ましい。
一実施形態において、上述の有機発光素子用インク組成物を用いて形成された発光層を含む有機発光素子は、形成される発光層のうねりを好適に防止することができる。これにより、得られる有機発光素子は、輝度ムラを防止できる等の高い性能を有する。
なお、別の一実施形態において、有機発光素子用インク組成物に含有されるフッ素系樹脂がモノマー単位としてシロキサン化合物を含む場合、得られる有機発光素子は、高い発光効率を実現することができる。この傾向は、有機発光素子用インク組成物に含有される発光材料が低分子発光材料であると、より顕著となりうる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」を表す。
<調製例1>
温度計、撹拌機、窒素導入管、冷却管を備えた4つ口フラスコに、トリメチロールプロパンを8.84部、トリレン−2,4−ジイソシアネートを35.56部仕込み、窒素ガス雰囲気下100℃で2時間反応させた。その後65℃以下に冷却し2−ヒドロキシエチルアクリレート7.65部、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクタノール47.96部およびジブチル錫ジラウレート(DBTDL)を0.001部仕込み、メチルエチルケトン(MEK)30部を添加し、80℃で6時間反応させた後、MEK15部、メタノールを加えて反応を停止し、フッ素系化合物Aを調製した。
<合成例1>
調製例1で得たフッ素系化合物A 28.7部と、フッ素含有率調整用化合物であるメチルメタクリレート24.5部、1,7,7−トリメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン−3−イルアクリレート22.1部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート12.6部、下記式:
Figure 2016058576
で表されるフッ素含有率調整用化合物A 6.2部、および下記式:
Figure 2016058576
で表されるフッ素含有率調整用化合物B 5.9部と、をメチルイソブチルケトンに溶解し、重合開始剤として、パーブチルO 6部を添加した。
得られた混合液を、90℃で48時間撹拌した。得られた生成物を減圧濃縮することでフッ素系樹脂を得た。
<合成例2>
フッ素系化合物であるトリデカフルオロヘキシルエチルメタクリレート19.5部と、フッ素含有率調整用化合物であるメチルメタクリレート7.7部、テトラエチレングリコールジメタクリレート4.3部、合成例1に記載のフッ素含有率調整用化合物A 56.6部、および3−[トリス(トリメチルシリルオキシ)シリル]プロピルメタクリレート11.9部と、をメチルイソブチルケトンに溶解し、重合開始剤として、パーブチルO 6部を添加した。
得られた混合液を、90℃で48時間撹拌した。得られた生成物を減圧濃縮することでフッ素系樹脂を得た。
<合成例3>
フッ素系化合物である2−[ビス−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチルオキシメチル)−メトキシカルボニルアミノ]−エチルメタクリレート23.0部と、フッ素含有率調整用化合物であるメチルメタクリレート23.0部、ジシクロペンタニルメタクリレート23.0部、1,7,7−トリメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン−3−イルメタクリレート5.0部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート13.0部、上記合成例1に記載のフッ素含有率調整用化合物A 6.5部、および上記合成例1に記載のフッ素含有率調整用化合物B 6.5部と、をメチルイソブチルケトンに溶解し、重合開始剤として、パーブチルO 6部を添加した。
得られた混合液を、90℃で48時間撹拌した。得られた生成物を減圧濃縮することでフッ素系樹脂を得た。
<合成例4>
フッ素系化合物であるトリデカフルオロヘキシルエチルメタクリレート20.5部と、フッ素含有率調整用化合物であるメチルメタクリレート7.6部、テトラエチレングリコールジメタクリレート4.3部、上記合成例1に記載のフッ素含有率調整用化合物A 55.9部、および3−[トリス(トリメチルシリルオキシ)シリル]プロピルメタクリレート11.7部と、をメチルイソブチルケトンに溶解し、重合開始剤として、パーブチルO 6部を添加した。
得られた混合液を、90℃で48時間撹拌した。得られた生成物を減圧濃縮することでフッ素系樹脂を得た。
<合成例5>
フッ素系化合物であるトリデカフルオロヘキシルエチルメタクリレート31.6部と、フッ素含有率調整用化合物である下記式:
Figure 2016058576
で表されるプロピレングリコール・ポリブチレングリコールモノメタクリレート68.4部と、をメチルイソブチルケトンに溶解し、重合開始剤として、パーブチルO 6部を添加した。
得られた混合液を、90℃で48時間撹拌した。得られた生成物を減圧濃縮することでフッ素系樹脂を得た。
<合成例6>
フッ素系化合物である2−[ビス−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチルオキシメチル)−メトキシカルボニルアミノ]−エチルメタクリレート36.7部と、フッ素含有率調整用化合物である下記式:
Figure 2016058576
で表されるヘキサプロピレングリコールメタクリレート63.3部と、をメチルイソブチルケトンに溶解し、重合開始剤として、パーブチルO 6部を添加した。
得られた混合液を、90℃で48時間撹拌した。得られた生成物を減圧濃縮することでフッ素系樹脂を得た。
<合成例7>
フッ素系化合物であるトリデカフルオロヘキシルエチルメタクリレート50.0部と、フッ素含有率調整用化合物であるメチルメタクリレート10.0部およびステアリルアクリレート40.0部と、をメチルイソブチルケトンに溶解し、重合開始剤として、パーブチルO 6部を添加した。
得られた混合液を、90℃で48時間撹拌した。得られた生成物を減圧濃縮することでフッ素系樹脂を得た。
<合成例8>
フッ素系化合物である2−[ビス−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチルオキシメチル)−メトキシカルボニルアミノ]−エチルメタクリレート56.5部と、フッ素含有率調整用化合物であるジシクロペンタニルアクリレート10.0部、およびメトキシトリコサエチレングリコールメタクリレートと、をメチルイソブチルケトンに溶解し、重合開始剤として、パーブチルO 6部を添加した。
得られた混合液を、90℃で48時間撹拌した。得られた生成物を減圧濃縮することでフッ素系樹脂を得た。
<その他>
下記化学式で表されるフッ素系樹脂Aを準備した。
Figure 2016058576
<フッ素系樹脂の物性>
合成例1〜8で得たフッ素系樹脂および別途準備したフッ素系樹脂Aについて、各種物性を測定した。
[フッ素含有率]
フッ素含有率は、下記式によって計算した。
Figure 2016058576
計算結果を下記表1に示す。
[重量平均分子量(Mw)]
重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレンを標準物質としたゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)装置(waters社製)を用いて測定した。
測定結果を下記表1に示す。
Figure 2016058576
<有機発光素子用インク組成物の製造>
[実施例1]
0.01gのトリス[2−(p−トリル)ピリジン]イリジウム(Ir(mppy))(Lumtec社製)と、0.09gの9,9’−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3−ビスカルバゾールH−1(DIC株式会社製)とを、9gのテトラリンに混合して加熱溶解させた。得られた溶液を室温まで冷却し、合成例1で調製したフッ素系樹脂を0.00025g添加した。次いで、全重量が10gとなるようにテトラリンをさらに添加して、十分に撹拌した。最後に、0.45μmフィルターであるマイショリディスク(東ソー株式会社製)を用いて異物を除去し、有機発光素子用インク組成物を製造した。
[実施例2〜9]
それぞれ合成例2〜8で調製したフッ素系樹脂およびフッ素系樹脂Aを用いたことを除いては、実施例1と同様の方法で各々有機発光素子用インク組成物を製造した。
[比較例1]
フッ素系樹脂を添加しなかったことを除いては、実施例1と同様の方法で有機発光素子用インク組成物を製造した。
<評価>
実施例1〜9および比較例1で製造した有機発光素子用インク組成物について各種評価を行った。
[膜質評価(うねりの発生の評価尺度)]
インジウムスズ酸化物(ITO)基板上に、0.1μLの有機発光素子用インク組成物を滴下し、25℃、1Torrで減圧乾燥した。得られた有機薄膜の凸部および凹部の差(凹凸差)を、光干渉表面形状計測装置(株式会社菱化システム製)を用いて測定し、以下の基準に従って評価した。なお、前記凸部とは有機薄膜表面のうち水平面を基準として最も高いものを意味し、前記凹部とは有機薄膜表面のうち水平面を基準として最も低いものを意味する。
◎◎:凹凸差が10nm以下である
◎:凹凸差が10nm超50nm以下である
○:凹凸差が50nm超100nm以下である
△:凹凸差が100nm超150nm以下である
×:凹凸差が150超である
得られた結果を下記表2に示す。
[輝度ムラ]
有機発光素子を作製し、得られた有機発光素子についての輝度ムラを測定した。
有機発光素子は、以下のように作製した。
すなわち、洗浄したITO基板にUV/Oを照射し、スピンコートによりポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(スチレンスルホン酸)(PEDOT−PSS)を45nm成膜し、大気中で180℃、15分間加熱し、正孔注入層を形成した。次いで、下記式で表されるHT−2の0.3重量%キシレン溶液を、正孔注入層上にスピンコートにより10nm成膜し、窒素雰囲気下にて200℃で30分間乾燥させることで、正孔輸送層を形成した。次に、有機発光素子用インク組成物を、正孔輸送層上にスピンコートにより30nm成膜し、窒素雰囲気下にて110℃で15分間乾燥させることで、発光層を形成した。そして、5×10−3Paの真空条件下で、電子輸送層として下記式で表されるET−1を45nm、電子注入層としてフッ化リチウムを0.5nm、陰極としてアルミニウムを100nm順次成膜した。最後に、グローブボックスに基板を搬送し、ガラス基板にて封止することで有機発光素子を作製した。
Figure 2016058576
このように作製した有機発光素子に対し、外部電源に接続して10mAの電流を流し、有機発光素子からの発光をBM−9(株式会社トプコン製)にて測光した。この際、有機発光素子の輝度の最大値および最小値を測定して、輝度の最大値に対する輝度の最小値の割合(輝度比)を求めた。そして、輝度ムラは以下の基準に従って評価した。
◎◎:輝度比が5%以下である
◎:輝度比が5%超10%以5以下である
○:輝度比が10%超20%以下である
△:輝度比が20%超30%以下である
×:輝度比が30%超である
得られた結果を下記表2に示す。
[発光効率]
輝度ムラの評価の際に作製した有機発光素子を用いて、発光効率を評価した。
より詳細には、作製した有機発光素子に対し、外部電源に接続して10mAの電流を流し、有機発光素子からの発光をBM−9(株式会社トプコン製)にて測光した。この際、電流値から10mA/cmのときの発光効率を算出し、以下の基準に従って評価した。
◎◎:発光効率が30cd/A以上である
◎:発光効率が25cd/A以上30cd/A未満
○:発光効率が20cd/A以上25cd/A未満
△:発光効率が20cd/A未満
得られた結果を下記表2に示す。
Figure 2016058576
表2の結果から、明らかなように実施例1〜9の有機発光素子用インク組成物を用いた場合には膜質の結果が良好であり、うねりを防止できたことが分かる。そして、輝度ムラの評価から、うねりを防止することによって、高い性能を有する有機発光素子が得られることが分かる。
なお、実施例1〜4の結果から、フッ素系樹脂がシロキサン構造を含む場合、うねりの防止効果がより高いことが分かる。また、シロキサン構造を含むフッ素系樹脂を用いた場合、発光効率についても優れた結果が得られたことが分かる。

Claims (9)

  1. 発光材料、フッ素系樹脂、および溶媒を含み、
    前記フッ素系樹脂のフッ素含有率が、50質量%以下である、有機発光素子用インク組成物。
  2. 前記発光材料が、低分子発光材料である、請求項1に記載の有機発光素子用インク組成物。
  3. 前記フッ素系樹脂が、シロキサン構造を含む、請求項1または2に記載の有機発光素子用インク組成物。
  4. 前記フッ素含有率が、5〜25質量%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機発光素子用インク組成物。
  5. フッ素系樹脂の不揮発含有量が、発光材料、フッ素系樹脂、および溶媒の合計を100質量%とした場合に、0.001〜5.0質量%である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機発光素子用インク組成物。
  6. 前記フッ素系樹脂の重量平均分子量が、6,000〜80,000である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機発光素子用インク組成物。
  7. 陽極、発光層、および陰極を含み、
    前記発光層が、発光材料およびフッ素系樹脂を含み、
    前記フッ素系樹脂化合物のフッ素含有率が、50質量%以下である、有機発光素子。
  8. 前記発光材料が、低分子発光材料である、請求項7に記載の有機発光素子。
  9. 前記フッ素系樹脂が、シロキサン構造を含む、請求項7または8に記載の有機発光素子。
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WO2018108760A1 (en) * 2016-12-13 2018-06-21 Merck Patent Gmbh Formulation of an organic functional material

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