前記課題を解決するためになされた第1の発明は、店舗における陳列エリアを撮影した映像に基づいて、商品の陳列不足状態を監視するモニタリング装置であって、前記陳列エリアの映像上に複数の状態監視エリアを設定する監視エリア設定部と、前記陳列エリアの映像に基づいて、前記監視エリアに陳列された商品を検出する商品検出部と、この商品検出部の検出結果に基づいて、前記状態監視エリアごとに商品の陳列不足状態を判定する陳列状態判定部と、この陳列状態判定部の判定結果に基づき、前記状態監視エリアごとの商品の不足程度に対応した陳列状態表示画像を前記陳列エリアの映像上に重畳した映像領域と商品の陳列不足状態の継続を表す警告アイコンを有したモニタリング画面を生成する表示画面生成部と、を備えた構成とする。
これによると、モニタリング映像内の陳列状態表示画像により、商品の陳列不足状態にある場所をユーザが即座に把握することができ、また、商品の陳列不足状態の継続を表す警告アイコンにより、店員による商品管理作業の実施が遅れていることを容易に確認することができる。
また、第2の発明は、前記表示画面生成部は、商品の不足程度に応じて前記陳列状態表示画像の表示色を変更する構成とする。
これによると、陳列状態表示画像の表示色により、商品の陳列不足状態をユーザが即座に把握することができる。
また、第3の発明は、前記陳列状態表示画像は、前記陳列エリアの映像上に設定された前記状態監視エリアを表す枠画像である構成とする。
これによると、陳列状態表示画像により、商品の陳列不足状態と同時に状態監視エリアの範囲をユーザが即座に把握することができる。
また、第4の発明は、更に、前記陳列状態判定部の判定結果を陳列不足状態情報として蓄積する陳列不足状態情報蓄積部を備え、前記表示画面生成部は、前記陳列不足状態情報に基づいて、商品の陳列不足状態の時間的な推移状況を表すタイムチャートを生成し、このタイムチャートを前記映像領域のモニタリング映像とともに前記モニタリング画面に表示させる構成とする。
これによると、モニタリング映像により、商品の陳列不足状態を詳細にユーザが把握することができ、同時に、タイムチャートにより、商品の陳列不足状態の時間的な推移状況をユーザが把握することができる。
また、第5の発明は、更に、前記陳列状態判定部の判定結果に基づいて、商品管理作業を店員に指示する報知の可否を判定する報知判定部と、この報知判定部の判定結果に基づいて、前記報知を行う報知部と、を備え、前記陳列状態判定部の判定結果に基づいて、前記報知部は、前記商品管理作業として、商品の不足を解消する補充作業を店員に指示する報知を行う構成とする。
これによると、商品が不足する陳列エリアがある場合に、その不足の内容に応じて適切な報知を行うことができる。そして、報知に応じて店員が適切な商品管理作業を実施することで、商品の不足状態を迅速に解消させることができる。
また、第6の発明は、前記表示画面生成部は、前記陳列状態判定部の判定結果に基づいて、前記モニタリング画面上に、前記映像領域のモニタリング映像の前記状態監視エリアに対応させた状態で商品の陳列不足状態を表す文字を表示させる構成とする。
これによると、商品の陳列不足状態を表す文字により、状態監視エリアごとの商品の陳列不足状態をユーザが即座に把握することができる。
また、第7の発明は、更に、前記陳列状態判定部の判定結果に基づいて、商品の陳列不足状態に関してユーザに注意を促す必要がある要注意事象を検知する要注意事象検知部を備え、前記表示画面生成部は、前記要注意事象検知部の検知結果に基づいて、前記要注意事象の内容を示すメッセージ表示部を表示させる構成とする。
これによると、メッセージ表示部により、陳列不足状態に関してユーザに注意を促す必要がある要注意事象が長期間継続している事象などの状況をユーザが把握することができる。
また、第8の発明は、更に、前記陳列状態判定部の判定結果を陳列不足状態情報として蓄積する陳列不足状態情報蓄積部と、店舗における商品の販売状況に関する販売情報を取得する販売情報取得部と、前記販売情報に対して時間的な統計処理を行って、商品の販売状況に関する統計情報を生成する統計情報生成部と、前記統計情報に基づいて、販売機会損失が発生したものと想定される要注意ポイントを取得する販売機会損失分析部と、を備え、前記表示画面生成部は、前記陳列不足状態情報および前記統計情報に基づいて、商品の不足状態および販売状況の時間的な推移状況を表すタイムチャートを生成し、前記要注意ポイントを表す画像を前記タイムチャート上に重畳して表示させる構成とする。
これによると、要注意ポイントを表す画像により、販売機会損失が発生したものと想定されるタイミングをユーザが把握することができる。
また、第9の発明は、更に、前記陳列状態判定部の判定結果を陳列不足状態情報として蓄積する陳列不足状態情報蓄積部と、商品管理作業の実施予定タイミングを規定した作業スケジュールに関する作業予定情報を取得する作業予定情報取得部と、を備え、前記表示画面生成部は、前記陳列不足状態情報に基づいて、商品の陳列不足状態の時間的な推移状況を表すタイムチャートを生成し、前記実施予定タイミングを表す画像を前記タイムチャート上に重畳して表示させる構成とする。
これによると、タイムチャートにより、商品管理作業が実施されたものと想定されるタイミングをユーザが把握することができ、このタイミングと実施予定タイミングとを比較することで、商品管理作業の遅延の状況をユーザが容易に把握することができる。
また、第10の発明は、更に、前記陳列状態判定部の判定結果を陳列不足状態情報として蓄積する陳列不足状態情報蓄積部と、商品管理作業の実施予定タイミングを規定した作業スケジュールに関する作業予定情報を取得する作業予定情報取得部と、前記陳列不足状態情報および前記作業予定情報に基づいて、商品管理作業の実施予定タイミングから、商品管理作業が実施されたものと想定されるタイミングまでに要した遅延期間を取得する作業実施状況分析部と、を備え、前記表示画面生成部は、前記陳列不足状態情報に基づいて、商品の陳列状態の時間的な推移状況を表すタイムチャートを生成し、前記遅延期間を表す画像を前記タイムチャート上に重畳して表示させる構成とする。
これによると、遅延期間を表す画像により、商品管理作業の遅延の状況をユーザが容易に把握することができる。
また、第11の発明は、店舗における陳列エリアを撮影した映像に基づいて、商品の陳列不足状態を監視する商品モニタリングシステムであって、前記陳列エリアを撮影するカメラと、複数の情報処理装置と、を有し、前記複数の情報処理装置のいずれかが、前記陳列エリアの映像上に複数の状態監視エリアを設定する監視エリア設定部と、前記陳列エリアの映像に基づいて、前記監視エリアに陳列された商品を検出する商品検出部と、この商品検出部の検出結果に基づいて、前記状態監視エリアごとに商品の陳列不足状態を判定する陳列状態判定部と、この陳列状態判定部の判定結果に基づき、前記状態監視エリアごとの商品の不足程度に対応した陳列状態表示画像を前記陳列エリアの映像上に重畳した映像領域と商品の陳列不足状態の継続を表す警告アイコンを有したモニタリング画面を生成する表示画面生成部と、を備えた構成とする。
これによると、第1の発明と同様に、モニタリング映像内の陳列状態表示画像により、商品の陳列不足状態にある場所をユーザが即座に把握することができ、また、商品の陳列不足状態の継続を表す警告アイコンにより、店員による商品管理作業の実施が遅れていることを容易に確認することができる。
また、第12の発明は、店舗における陳列エリアを撮影した映像に基づいて、商品の陳列不足状態を監視する処理を情報処理装置に行わせる商品モニタリング方法であって、前記陳列エリアの映像上に複数の状態監視エリアを設定するステップと、前記陳列エリアの映像に基づいて、前記状態監視エリアに陳列された商品を検出するステップと、このステップの検出結果に基づいて、前記状態監視エリアごとに商品の陳列不足状態を判定するステップと、このステップの判定結果に基づき、前記状態監視エリアごとの商品の不足程度に対応した陳列状態表示画像を前記陳列エリアの映像上に重畳した映像領域と商品の陳列不足状態の継続を表す警告アイコンを有したモニタリング画面を生成するステップと、を備えた構成とする。
これによると、第1の発明と同様に、モニタリング映像内の陳列状態表示画像により、商品の陳列不足状態にある場所をユーザが即座に把握することができ、また、商品の陳列不足状態の継続を表す警告アイコンにより、店員による商品管理作業の実施が遅れていることを容易に確認することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係る商品モニタリングシステムの全体構成図である。この商品モニタリングシステムは、コンビニエンスストアなどの小売チェーン店などを対象にして構築されるものであり、カメラ1と、レコーダ(映像蓄積装置)2と、PC(商品モニタリング装置)3と、携帯端末4と、販売情報管理装置5と、店舗業務管理装置6と、を備えている。
カメラ1は店舗内の適所に設置され、カメラ1により店舗内が撮像され、これにより得られた映像がレコーダ2に蓄積される。
PC3には、店長などのユーザが種々の入力操作を行うマウスなどの入力デバイス8と、モニタリング画面を表示するモニタ(表示装置)9とが接続されている。このモニタ9に表示されるモニタリング画面により、ユーザが、カメラ1で撮影された店舗内の映像をリアルタイムで閲覧することができ、また、レコーダ2に録画された過去の店舗内の映像を閲覧することができる。
また、カメラ1、レコーダ2およびPC3は、複数の店舗の各々に設置されており、複数の店舗を総括する本部にはPC11が設置されており、このPC11では、カメラ1で撮影された店舗内の映像をリアルタイムで閲覧することができ、また、レコーダ2に録画された過去の店舗内の映像を閲覧することができ、これにより本部で店舗内の状況を確認することができる。
本実施形態では、店舗に設置されたPC3が、店舗内での人物や商品の状態を監視する商品モニタリング装置として構成され、このPC3で生成したモニタリング情報をPC3で店舗側のユーザ、例えば店長が閲覧することができ、さらに、本部に設置されたPC11に送信されて、このPC11でも本部側のユーザ、例えば、担当する地域の各店舗に対して指導や提案を行うスーパーバイザーなどが閲覧することができ、PC3,11がモニタリング情報を閲覧する閲覧装置として構成される。
携帯端末4は、店員や店長が所持するものであり、この携帯端末4を利用して、PC3から店員や店長に対して各種の報知が行われる。
店舗に設置された販売情報管理装置(POS端末)5および本部に設置された販売情報管理サーバ(POSサーバ)12は、各店舗での売上げに関する販売情報を管理するPOS(point of sale)システム(販売情報管理システム)を構成している。このPOSシステムでは、販売情報として、顧客が購入した商品の名称、種類、数量、金額および会計時刻などの情報が管理される。この販売情報は、販売情報管理装置5と販売情報管理サーバ12とで共有され、販売情報管理装置5では、設置された店舗の販売情報が管理され、販売情報管理サーバ12では、全ての店舗の販売情報が管理される。
店舗業務管理装置6および本部に設置された店舗業務管理サーバ13は、各店舗での業務を管理する店舗業務管理システムを構成している。この店舗業務管理システムでは、業務管理情報として、店員に実施させる種々の作業に係る作業スケジュールなどに関する情報が管理される。この業務管理情報は、店舗業務管理装置6と店舗業務管理サーバ13とで共有され、店舗業務管理装置6では、設置された店舗に関する業務管理情報が管理され、店舗業務管理サーバ13では、全ての店舗に関する業務管理情報が管理される。
次に、店舗のレイアウトおよびカメラ1の設置状況について説明する。図2は、店舗のレイアウトおよびカメラ1の設置状況を説明する店舗の平面図である。
店舗には、出入口、陳列棚、レジカウンタ、および調理器具などが設けられている。陳列棚は、ファーストフード、米飯(おにぎり、弁当、寿司などの商品)、加工食品、雑貨、生鮮食品、雑誌、新聞などの商品の種類に分けて設置されている。調理器具は、からあげなどのファーストフードを店内で調理するものであり、レジカウンタの隣には、ファーストフードの陳列棚(FFケース)が設置されている。顧客は、出入口から入店し、陳列棚の間の通路を通って店舗内を移動し、所望の商品が見つかると、その商品を持ってレジカウンタに向かい、レジカウンタで会計(代金の支払い)を済ませた後に出入口から退店する。
また、店舗には、店舗内(監視エリア)を撮影する複数のカメラ1が設置されている。このカメラは、店舗内の天井の適宜な位置に設置されている。特に、図2に示す例では、カメラ1に、魚眼レンズを用いて360度の撮影範囲を有する全方位カメラが採用され、このカメラ1により、陳列棚などに陳列された商品、出入口から店舗に出入りする人物、および店舗内に滞在する人物などを撮影することができる。
次に、図1に示したPC3で行われる処理の概要について説明する。図3は、陳列エリアの映像上に設定される状態監視エリアを示す説明図である。図4は、陳列エリアにおける陳列状態を表示するモニタリング映像を示す説明図である。図5は、陳列状態の時間的な推移状況を表すタイムチャートを示す説明図である。
本実施形態では、図3に示すように、陳列エリア(陳列棚など)の映像内の商品が配置される領域に状態監視エリアを設定して、その状態監視エリアごとに商品の陳列状態を判定する。図3に示す例では、陳列エリアをファーストフードの陳列棚(FFケース)として、この陳列棚について、上段の左右、中段の左右、および下段の左右の合計6つの状態監視エリアが設定されている。
また、本実施形態では、図4に示すように、陳列エリアの映像上に設定された状態監視エリアを表す枠画像(陳列状態表示画像)21を、陳列状態に応じてその表示色を変更することで、各状態監視エリアにおける商品の陳列状態を表現する。特に、本実施形態では、陳列状態として、充足状態、軽度不足状態および重度不足状態の3つの状態を判定して、3つの表示色(例えば緑色、黄色および赤色)で枠画像21を表示する。このように陳列状態に応じて色分けされた枠画像21は、陳列エリアの映像上に重畳した状態でモニタ9に表示する。この映像をユーザが見ることで、各状態監視エリアにおける商品の陳列状態をユーザが即座に把握することができる。
また、本実施形態では、陳列状態を数値で表現し、この陳列状態を表す数値を所定のしきい値と比較することで、陳列状態を判定する。特に、本実施形態では、陳列状態を表現する数値として、陳列エリアの映像内で商品が占める割合である商品占有率を用いる。具体的には、陳列エリアの映像から切り出された状態監視エリアの映像から、商品と想定される物体が写った画素を検出し、この商品と想定される物体が写った画素の全画素に対する割合を商品占有率とすればよい。また、例えば商品が陳列されていない状態で撮影された映像を背景として、その背景との差分に基づいて、商品と想定される物体が写った画素を検出すればよい。
また、本実施形態では、第1および第2の2つのしきい値を用いて、充足状態、軽度不足状態および重度不足状態の3つの状態を判定する。すなわち、第1のしきい値以上となる場合には充足状態と判定し、第1のしきい値未満でかつ第2のしきい値以上となる場合には軽度不足状態と判定し、第2のしきい値未満となる場合には重度不足状態と判定する。
また、本実施形態では、各状態監視エリアおける商品の検出結果、すなわち、状態監視エリアごとの商品占有率を陳列状態情報として蓄積し、この陳列状態情報に基づいて、図5に示すように、商品の陳列状態の時間的な推移状況を表すタイムチャートを生成してモニタ9に表示する。このタイムチャートをユーザが見ることで、陳列状態の時間的な推移状況、特に陳列状態に大きな変化が発生したタイミングをユーザが簡単に把握することができる。
図4および図5に示す例では、16時(Aのタイミング)から表示されている。Bのタイミングでは、直前に中段左の状態監視エリアで商品の取出しが行われ、枠画像21の表示色が緑色から黄色に変化している。Cのタイミングでは、直前に中段右の状態監視エリアで商品の補充が行われ、枠画像21の表示色が赤色から緑色に変化している。Dのタイミングでは、直前に中段左の状態監視エリアで商品の取出しが行われ、枠画像21の表示色が黄色から赤色に変化している。Eのタイミングでは、直前に下段の左右の状態監視エリアで商品の移動および補充が行われ、枠画像21の表示色が黄色から緑色に変化している。Fのタイミングでは、直前に中段左の状態監視エリアで商品の補充が行われ、枠画像21の表示色が赤色から緑色に変化している。このように、モニタリング映像を見ることで、商品の取り出しや補充などの商品管理作業のタイミングをユーザが把握することができる。
なお、図5に示す例では、第1および第2のしきい値をそれぞれ70%および30%としたが、第1および第2のしきい値はこれに限定されるものではなく、例えば第1および第2のしきい値をそれぞれ50%および20%とするなど、商品の陳列形態などに応じて適宜に設定すればよい。
次に、図1に示したPC3で行われる処理について説明する。図6は、PC3の概略構成を示す機能ブロック図である。
PC3は、映像取得部31と、商品検出部32と、陳列状態判定部33と、陳列状態情報蓄積部34と、状態監視エリア設定部35と、状態しきい値設定部36と、作業検知部37と、要注意事象検知部38と、報知判定部39と、報知部40と、統計情報生成部41と、販売情報取得部42と、作業予定情報取得部43と、販売機会損失分析部44と、作業実施状況分析部45と、表示画面生成部46と、ログ情報蓄積部47と、を備えている。
映像取得部31では、カメラ1により店舗内を撮影した映像をカメラ1またはレコーダ2から取得する。ここで、現在の映像をリアルタイムに表示させる場合にはカメラ1から映像を取得し、過去の映像を表示させる場合にはレコーダ2から映像を取得する。
商品検出部32では、映像取得部31で取得した陳列エリアの映像に基づいて、各状態監視エリアに陳列された商品を検出する処理が行われる。本実施形態では、前記のように、商品検出情報として、各状態監視エリアにおける商品占有率、すなわち、陳列エリアの映像内で商品と想定される物体が写った画素が占める割合を求める。
陳列状態判定部33では、商品検出部32の検出結果に基づいて、各状態監視エリアにおける商品の陳列状態を判定する処理が行われる。この処理では、陳列エリアに陳列された商品の個数に不足がある陳列不足状態を、商品検出部32で取得した商品占有率を所定のしきい値と比較することで判定する。本実施形態では、前記のように、第1および第2の2つのしきい値を用いて、充足状態、軽度不足状態および重度不足状態の3つの状態を判定する。この陳列状態判定部の判定結果は、陳列状態情報として陳列状態情報蓄積部34に蓄積される。
また、陳列状態判定部33では、陳列エリアに陳列された商品の配置に乱れがある陳列乱れ状態を判定する。この判定は、商品検出部32で取得した商品占有率に基づいて行うことができる。例えば、各状態監視エリアの商品占有率がしきい値を超えない場合でも、商品占有率の値間のバラツキが大きくなっている(すなわち、商品の陳列状態の変化の度合い、具体的には商品占有率の変化量が許容変化量を超える)場合は、陳列乱れ状態として判定することができる。
要注意事象検知部38では、陳列状態判定部33の判定結果に基づいて、商品の陳列状態に関してユーザに注意を促す必要がある要注意事象を検知する処理が行われる。本実施形態では、陳列状態の変化が発生した事象、具体的には、商品陳列に不備がある状態、すなわち、陳列乱れ状態や陳列不足状態(軽度不足状態および重度不足状態)が発生した事象や、商品陳列に不備がある状態から商品陳列に不備がない状態に復帰した事象を、要注意事象として検知する。また、商品陳列に不備がある状態が長期間継続している事象も、要注意事象として検知する。この場合、商品陳列に不備がある状態の継続時間を所定のしきい値と比較すればよい。
作業検知部37では、陳列状態判定部33で取得した商品の陳列状態の変化状況に基づいて、商品管理作業が実施されたことを検知する処理が行われる。この処理では、商品管理作業が実施された場合に想定される陳列状態の変化が現れた場合に、商品管理作業が実施されたものと判断する。
報知判定部39では、陳列状態判定部33の判定結果に基づいて、商品管理作業を店員に指示する報知の可否を判定する処理が行われる。本実施形態では、陳列状態判定部33において、陳列状態として、陳列乱れ状態および陳列不足状態に関する判定が行われ、報知判定部39では、陳列乱れ状態(要整頓状態)の場合には、それを解消する商品整頓作業を店員に指示する報知を行うものと判定し、陳列不足状態(要補充状態)の場合には、それを解消する商品補充作業を店員に指示する報知を行うものと判定する。
報知部40では、報知判定部39の判定結果に基づいて、所要の商品管理作業、すなわち、陳列の乱れを解消する商品整頓作業、および商品の不足を解消する商品補充作業のいずれかを店員に指示する報知が行われる。
この報知では、店員や店長が携帯する携帯端末(タブレット端末やスマートフォン)4の画面にメッセージを表示すればよいが、レジカウンタに設置された販売情報管理装置(POS端末)5の画面にメッセージを表示するようにしてもよい。また、店舗の天井付近に設置された表示パネル、あるいはランプやスピーカなどの適宜な出力装置を用いるようにしてもよい。
販売情報取得部42では、店舗における商品の販売状況に関する販売情報を取得する処理が行われる。本実施形態では、販売情報管理装置5から販売情報を取得する。なお、本実施形態では、後に詳しく説明するが、状態監視エリアごとの商品の売上量を求めることから、販売情報管理装置5から取得する販売情報は、状態監視エリア別に集計することができるものとする。
作業予定情報取得部43では、商品管理作業の実施予定タイミングを規定した作業スケジュールに関する作業予定情報を取得する処理が行われる。本実施形態では、店舗業務管理装置6から作業予定情報を取得する。なお、店舗では、商品管理作業として、バックヤードの商品を陳列棚に陳列する品出しの作業、期限切れの商品を陳列棚から撤去する廃棄の作業、ファーストフードなどを調理する仕込みの作業、店舗内を清掃する作業などが、予め設定された作業スケジュールにしたがって定期的に実施される。
統計情報生成部41では、陳列状態情報蓄積部34から陳列状態情報を取得して、その陳列状態情報に対して時間的な統計処理を行って、商品の陳列状態に関する統計情報を状態監視エリアごとに生成する処理が行われる。また、販売情報取得部42を介して販売情報管理装置5から販売情報を取得して、その販売情報に対して時間的な統計処理を行って、商品の販売状況に関する統計情報を状態監視エリアごとに生成する処理が行われる。なお、販売情報管理装置5において所要の統計処理が行われることで、PC3において販売情報に対する統計処理を行う必要がない場合もある。
販売機会損失分析部44では、統計情報生成部41で生成した商品の陳列状態および販売状況に関する統計情報、および陳列状態情報蓄積部34から取得した指定日の陳列状態情報に基づいて、販売機会損失が発生したものと想定される要注意ポイントを取得する処理が行われる。
作業実施状況分析部45では、陳列状態情報蓄積部34に蓄積された陳列状態情報、統計情報生成部41で生成した統計情報、および作業予定情報取得部43で取得した作業予定情報に基づいて、商品管理作業の実施予定タイミングから、商品管理作業が実施されたものと想定されるタイミングまでに要した遅延期間(放置期間)を取得する処理が行われる。
状態監視エリア設定部35では、入力デバイス8を用いて行われるユーザの入力操作に応じて、陳列エリアの映像上に状態監視エリア(図3参照)を設定する処理が行われる。このとき、店舗の配置図が表示されたエリア設定画面をモニタ9に表示させ、このエリア設定画面上で状態監視エリアの位置を入力すればよい。
状態しきい値設定部36では、入力デバイス8を用いて行われるユーザの入力操作に応じて、陳列状態判定部33で陳列状態(充足状態、軽度不足状態および重度不足状態)を判定する際に用いられるしきい値を設定する処理が行われる。
表示画面生成部46では、陳列エリアにおける商品の陳列状況をユーザが監視するためのモニタリング画面を生成する処理が行われ、このモニタリング画面がモニタ9に表示される。特に、この表示画面生成部46では、陳列状態判定部33の判定結果に基づいて、各状態監視エリアにおける商品の陳列状態を表す陳列状態表示画像として、状態監視エリアの外形を表す枠画像21(図4参照)が、陳列状態に応じて色分けされた状態で陳列エリアの映像上に重畳されたモニタリング映像をモニタリング画面に表示させる処理が行われる。
また、表示画面生成部46では、陳列状態情報蓄積部34に蓄積された陳列状態情報に基づいて、商品の陳列状態の時間的な推移状況を表すタイムチャートを生成し、モニタリング画面上にタイムチャートおよびモニタリング映像を統合して表示させる処理が行われる。
また、表示画面生成部46では、統計情報生成部41で生成された統計情報に基づいて、統計情報を表す画像として、陳列状態および販売状況の単位時間ごとの推移状況を表すタイムチャートを生成し、そのタイムチャート上に、販売機会損失分析部44で取得した要注意ポイントを表す画像を重畳して表示させる処理が行われる。また、表示画面生成部46では、作業実施状況分析部45で取得した遅延期間を表す画像をタイムチャート上に重畳して表示させる処理が行われる。
ログ情報蓄積部47では、PC3の各部で行われた処理の結果、例えば、作業検知部37で検知された商品管理作業の種類、商品管理作業が実施された状態監視エリア、および商品管理作業の実施時刻などがログ情報として蓄積される。このログ情報蓄積部47に蓄積されたログ情報は、例えば日報として出力され、これにより、1日の作業状況をユーザ(店長やスーパーバイザー)が把握することができる。
また、作業検知部37において、商品管理作業が実施されたことを検知した際に、商品の陳列状態の変化の度合い、具体的には商品占有率の変化量に基づいて、状態監視エリアで出し入れされた商品の数量を取得して、これをログ情報蓄積部47に蓄積するようにしてもよい。
なお、図6に示したPC3の各部は、PC3のCPUで商品モニタリング用のアプリケーションプログラムを実行させることで実現される。このプログラムは、情報処理装置としてのPC3に予め導入して専用の装置として構成する他、汎用OS上で動作するアプリケーションプログラムとして適宜なプログラム記録媒体に記録して、またネットワークを介して、ユーザに提供されるようにしてもよい。
また、商品検出部32、陳列状態判定部33、作業検知部37、要注意事象検知部38、報知判定部39、および報知部40の各部では、所要の処理が所定のタイミングでリアルタイムに実行され、各部から処理結果(商品占有率や陳列状態など)が所定の時刻ごとに出力される。
次に、図1に示したモニタ9に表示される陳列状態監視モードにおけるモニタリング画面について説明する。図7および図8は、陳列状態監視モードにおいてモニタ9に表示されるモニタリング画面を示す説明図である。図7は、過去の指定日の状況を表示したものであり、図8は、当日の状況をリアルタイムに表示したものである。
このモニタリング画面は、陳列エリア(陳列棚など)における商品の陳列状況をユーザが監視するものであり、このモニタリング画面には、動作モード選択部51と、日付表示部52と、日付選択部53と、タイムチャート表示部54と、表示時刻操作部55と、映像表示部56と、テキスト表示部57と、表示モード選択部58と、警告アイコン59と、開始指示部60と、が設けられている。
動作モード選択部51は、動作モードをユーザが選択するものである。本実施形態では、陳列状態監視、売上要因分析、および作業状況分析のいずれかの動作モードを選択することができる。陳列状態監視モードを選択すると、図7および図8に示すモニタリング画面が表示される。また、売上要因分析モードを選択すると、図14に示すモニタリング画面が表示され、作業状況分析モードを選択すると、図16などに示すモニタリング画面が表示される。
日付表示部52は、日付を表示するものであり、このモニタリング画面を開いた初期状態では当日の日付が表示される。日付選択部53は、日付をユーザが設定するものである。日付選択部53を操作すると、図示しないカレンダ画面が表示され、このカレンダ画面で日付を選択すると、選択した日付が日付表示部52に表示され、また、選択した日付のタイムチャートおよびモニタリング映像がそれぞれタイムチャート表示部54および映像表示部56に表示される。
タイムチャート表示部54には、陳列状態の時間的な推移状況を表すタイムチャート61が表示されている。このタイムチャート61では、商品占有率が折れ線グラフで表されており、横軸が時刻となり、縦軸が商品占有率(%)となっている。このタイムチャート61により、陳列状態の時間的な推移状況をユーザが把握することができる。
映像表示部56には、各陳列エリア(陳列棚など)のモニタリング映像が映像領域22に表示される。このモニタリング映像では、商品の陳列状態に応じて色分けされた各状態監視エリアの枠画像21が陳列エリアの映像上に重畳された状態で表示されている。
表示時刻操作部55は、映像表示部56に表示されるモニタリング映像の表示時刻を調整するものであり、この表示時刻操作部55を操作することで、所望の時刻のモニタリング映像に切り替えることができる。具体的には、タイムチャート61の時間軸に沿って移動可能にスライダ62が設けられており、このスライダ62をマウスなどの入力デバイス8を用いてずらすと、そのスライダ62が指し示す時刻のモニタリング映像が映像表示部56に表示される。
テキスト表示部57には、各陳列エリア(陳列棚など)における状態監視エリアごとの陳列状態(充足状態、軽度不足状態および重度不足状態)が文字でテキスト領域23に一覧表示される。
表示モード選択部58は、リアルタイム表示モードをユーザが選択するものであり、ここで、リアルタイム表示モードを選択すると、当日の状況をリアルタイムに表示するモニタリング画面(図8参照)が表示される。このモニタリング画面では、現在の時刻までの状況が表示されている。また、リアルタイム表示モードが選択されない場合には、ログ表示モード、すなわち、日付選択部53で選択された日付の状況を表示するモニタリング画面(図7参照)が表示される。
警告アイコン(警告表示部)59は、商品の陳列状態に関してユーザに注意を促す必要がある事象(要注意事象)を画像の変化でユーザに通知するものである。この警告アイコン59については、後に詳しく説明する。
開始指示部60は、指定された条件でモニタリング画面を出力する処理を開始させるものであり、この開始指示部60を操作すると、日付選択部53で選択した日付または当日のタイムチャート、モニタリング映像、およびテキスト情報がそれぞれタイムチャート表示部54、映像表示部56、およびテキスト表示部57に表示される。なお、状態監視エリアが一度に表示できる数を超えて監視対象に設定されている場合には、スクロールボタン63によって表示の対象とする状態監視エリアを変更することができる。
なお、タイムチャート表示部54には、状態監視エリアのタイムチャートが表示されるが、このタイムチャート表示部54に表示させる状態監視エリアの選択は、映像表示部56およびテキスト表示部57で行うことができる。具体的には、映像表示部56において所望の映像領域22を選択したのち、表示されたモニタリング映像内の状態監視エリアの枠画像21を操作(クリック)することで、その状態監視エリアのタイムチャートがタイムチャート表示部54に表示され、また、テキスト表示部57の状態監視エリア名称の表示部を操作することで、その状態監視エリア名称のタイムチャートがタイムチャート表示部に表示される。また、状態監視エリアの選択状態にある枠画像21や状態監視エリア名称をもう一度操作(クリック)することで、その選択状態を解除することも可能である。図7、図8では、FFケースの中段の2つの状態監視エリアがユーザによって操作された状態を示している。また、状態監視エリアの選択状態は、例えば、映像表示部56では映像領域22と枠画像21の枠を太くすることで表し、テキスト表示部57ではテキスト領域23の枠を太くすると共に状態監視エリア名称の表示部を反転表示させることで表すようにするとよい。なお、状態監視エリアの選択や非選択に関する表示形態はこれに限らず、各種表示形態を採用することができる。
また、図8に示したように、当日の状況をリアルタイムに表示するモニタリング画面を表示しているときに、作業検知部37において、陳列状態の変化状況に基づいて商品管理作業が実施されたことを検知すると、該当する状態監視エリアのモニタリング映像を映像表示部56に表示させるようにしてもよい。このようにすると、商品管理作業が実施されたことが検知された状態監視エリアの実際の状況を、モニタリング映像により即座に確認することができる。
次に、図7および図8に示した陳列状態監視モードにおけるモニタリング画面を出力するためにPC3で行われる処理について説明する。図9は、陳列状態監視モードにおけるモニタリング画面を出力するためにPC3で行われる処理の手順を示すフロー図である。
本実施形態では、まず、商品検出部32において、状態監視エリアの映像から商品を検出する処理を行い、状態監視エリアの商品占有率を取得する(ST101)。ついで、陳列状態判定部33において、商品検出部32の検出結果に基づいて、状態監視エリアの陳列状態(充足状態、軽度不足状態、重度不足状態など)を判定する(ST102)。
これらの処理が全ての状態監視エリアについて終了するまで繰り返され、全ての状態監視エリアの処理が終了すると(ST103でYes)、表示画面生成部46において、陳列状態判定部33の判定結果に基づいて、商品の陳列状態に応じて色分けされた枠画像を状態監視エリアごとに生成する(ST104)。ついで、状態監視エリアごとの枠画像を陳列エリアの映像上に重畳したモニタリング映像を生成して、このモニタリング映像を含むモニタリング画面に関する画面情報を生成して出力する(ST105)。これにより、図7および図8に示したモニタリング画面がモニタ9に表示される。
なお、表示画面生成部46では、モニタリング映像を生成する処理の他に、商品検出部32の検出結果に基づいて、商品占有率の時間的な推移状況を表すタイムチャートを生成する処理や、陳列状態判定部33の判定結果に基づいて、テキスト表示部57の表示情報を生成する処理が行われる。
次に、図1に示したモニタ9に表示されるモニタリング画面の別例について説明する。図10は、モニタ9に表示されるモニタリング画面の別例を示す説明図である。
図7に示した例では、タイムチャート表示部54に、各状態監視エリアにおける商品占有率の時間的な推移状況を表すグラフによるタイムチャート61を表示するようにしたが、図10に示す例では、タイムチャート表示部54に、いわゆるガントチャートと同様に、商品の陳列状態(充足状態、軽度不足状態および重度不足状態)の継続期間を色分けして表示したタイムチャート65が表示されている。このタイムチャート65では、枠画像21(図4参照)と同様に、充足状態、軽度不足状態および重度不足状態の各継続期間をそれぞれ緑色、黄色および赤色で表示するようにするとよい。
このようなタイムチャートでは、各状態監視エリアにおける商品占有率の変化状況をユーザが把握することはできないが、各状態監視エリアの陳列状態の時間的な推移状況をユーザが即座に把握することができる。また、多数の状態監視エリアの陳列状態を同時に確認することができ、特に、各状態監視エリアの陳列状態を比較することで、問題のある状態監視エリアをユーザが即座に把握することができる。
次に、図8に示したモニタリング画面に表示される警告アイコン59について説明する。図11は、モニタリング画面に表示される警告アイコン59の変化状況を示す説明図である。なお、この警告アイコン59に関する動作は、図8に示したように、当日の状況をリアルタイムに表示するモニタリング画面を表示した状態で行われる。
本実施形態では、要注意事象検知部38において、商品の陳列状態に関してユーザに注意を促す必要がある事象、すなわち、不足状態の発生や充足状態への復帰などの陳列状態の変化が発生した事象や、不足状態が長期間継続している事象などを検知する処理が行われ、表示画面生成部46において、要注意事象検知部38の検知結果に基づいて、警告アイコン59の表示を変更する処理が行われる。
警告アイコン59は、要注意事象を画像の変化でユーザに通知するものであり、要注意事象が検知されるのに応じて変化する。図11(A)は、通常時、すなわち、要注意事象が生じていない場合であり、図11(B)は、陳列不足状態(軽度不足状態および重度不足状態)が発生した場合であり、図11(C)は、陳列不足状態が所定時間以上継続した場合である。
この警告アイコン59では、図11(B),(C)に示すように、要注意事象が発生した場合に、その要注意事象が発生した状態監視エリアを示す文字が表示される。図9に示す例では、ファーストフードの陳列棚を示す「FF」の文字が表示されている。また、図11(A),(B),(C)に示す各状態では、順に警告レベルが高くなっており、この警告レベルの高低を、警告アイコンの表示色を変化させることで表す。例えば、図11(A),(B),(C)に示す各状態における警告アイコン59の表示色をそれぞれ緑色、黄色および赤色とする。また、図11(B),(C)に示す状態では、警告アイコン59の絵柄を変化させることで、図11(A)に示す状態より警告レベルが高いことを表すようにしている。
次に、図1に示したモニタ9に表示されるメッセージボックスについて説明する。図12は、モニタ9に表示されるメッセージボックスを示す説明図である。
本実施形態では、要注意事象検知部38において、陳列状態判定部33の判定結果に基づいて、商品の陳列状態に関してユーザに注意を促す必要がある要注意事象を検知する処理が行われ、表示画面生成部46において、要注意事象検知部38の検知結果に基づいて、図12に示すように、要注意事象の内容を文字を用いてユーザに通知するメッセージボックス(メッセージ表示部)を表示させる処理が行われる。
このメッセージボックスには、要注意事象検知部38による過去の所定の期間に渡る検知結果が一覧表示される。具体的には、検知された要注意事象ごとに、要注意事象が発生した状態監視エリア、要注意事象が発生した時刻、および要注意事象の具体的な状態を示す文言が表示される。このメッセージボックスは、図8に示したモニタリング画面上の警告アイコン59を操作(クリック)することでポップアップで表示される。
次に、図6に示した報知判定部39で行われる処理について説明する。図13は、報知判定部39で行われる処理の手順を示すフロー図である。
本実施形態では、陳列状態判定部33において、陳列状態として、陳列乱れ状態および陳列不足状態に関して判定を行い、報知判定部39において、陳列状態判定部33の判定結果に基づいて、商品管理作業として、陳列の乱れを解消する整頓作業、および商品の不足を解消する補充作業のいずれかを店員に指示する報知の可否を判定する。
具体的には、まず、陳列状態判定部33から商品の陳列状態(陳列乱れ状態および陳列不足状態)を取得し(ST201)、陳列乱れ状態であれば(ST202でYes)、陳列の乱れを解消する整頓作業を指示内容に設定する(ST204)。また、陳列不足状態であれば(ST203でYes)、商品の不足を解消する補充作業を指示内容に設定する(ST205)。そして、商品管理作業を店員に指示する報知が必要か否かを判定し(ST206)、店員への報知が必要であれば(ST206でYes)、所要の商品管理作業を店員に指示する報知を報知部40に行わせる(ST207)。
一方、陳列乱れ状態でも陳列不足状態でもなければ(ST203でNo)、商品管理作業を店員に指示する報知が既に行われているか否かを判定し(ST208)、報知が既に行われていれば(ST208でYes)、店員が商品管理作業を行って陳列乱れ状態および陳列不足状態が解消されたものと判断して、該当する報知を解除する(ST209)。
次に、売上要因分析モードにおけるモニタリング画面について説明する。図14は、売上要因分析モードにおいてモニタ9に表示されるモニタリング画面を示す説明図である。
このモニタリング画面では、タイムチャート表示部54に、商品の陳列状態および販売状況の時間的な推移状況を表すタイムチャート71が表示されている。このタイムチャート71では、時間帯(単位時間)ごとの陳列状態(商品占有率)が折れ線グラフで表されるとともに、時間帯ごとの実績売上量および平均売上量が棒グラフで表されている。また、タイムチャート表示部54には、販売機会損失が発生したものと想定される要注意ポイントを表す画像として、アラートマーク72が、タイムチャート71上における時間軸方向の対応する位置に重畳して表示されている。
このモニタリング画面では、タイムチャート表示部54に表示されたアラートマーク72により、販売機会損失の発生が想定される時間帯をユーザが即座に把握することができる。また、タイムチャート表示部54に表示された実績売上量と平均売上量とを比較することで、商品の販売状況の異常を把握することができる。そして、タイムチャート表示部54に表示された陳列状態(商品占有率)を見ることで、商品陳列の不備により販売機会損失が発生したものと判断することができることを確認することができる。
図14に示す例では、8時の時間帯の実績売上量が平均売上量より大幅に少ないため、8時の時間帯にアラートマーク72が表示されている。この8時の時間帯では、商品に重度不足状態が発生しており、スライダ62を操作して8時の時間帯のモニタリング映像を映像表示部56に表示させると、8時の時間帯の実際の状況を映像で確認することができる。
なお、このモニタリング画面では、状態監視エリアを選択する、例えば、映像表示部56に表示された映像領域22および枠画像21を選択操作する、あるいは、テキスト表示部57に表示された状態監視エリア名称を選択操作することで、選択された状態監視エリアのタイムチャートがタイムチャート表示部54に表示される。
次に、図14に示した売上要因分析モードにおけるモニタリング画面を出力するためにPC3で行われる処理について説明する。図15は、売上要因分析モードにおけるモニタリング画面を出力するためにPC3で行われる処理の手順を示すフロー図である。
本実施形態では、まず、統計情報生成部41において、陳列状態情報蓄積部34から指定日の陳列状態情報を取得する(ST301)。また、販売情報取得部42を介して販売情報管理装置から所要の期間に渡る販売情報を取得する(ST302)。
そして、統計情報生成部41において、指定日の陳列状態情報に対して時間的な統計処理を行って、商品の陳列状態に関する統計情報を生成する(ST303)。具体的には、各状態監視エリアにおける各時刻の商品占有率を時間帯(単位時間)ごとに集計して、各状態監視エリアにおける時間帯ごとの商品占有率を取得する。
また、統計情報生成部41において、所要の期間に渡る販売情報に対して時間的な統計処理を行って、商品の販売状況に関する統計情報を生成する(ST304)。具体的には、指定日の販売情報に基づいて、指定日における時間帯(単位時間)ごとの実績売上量を取得する。また、この実績売上量を評価する基準となる標準的な売上量として、過去の所定期間における販売情報に基づいて、時間帯(単位時間)ごとの平均売上量を取得する。
つぎに、販売機会損失分析部44において、統計情報生成部41で生成した商品の陳列状態および販売状況に関する統計情報、および陳列状態情報蓄積部34から取得した指定日の陳列状態情報に基づいて、販売機会損失が発生したものと想定される要注意ポイントを取得する(ST305〜ST307)。
この処理では、時間帯(単位時間)ごとの実績売上量および平均売上量を比較して、実績売上量が平均売上量より大幅に小さくなるか否か、具体的には、実績売上量と平均売上量との差分が所定のしきい値以上となるか否かの判定を行う(ST305)。ここで、実績売上量が平均売上量より大幅に小さくなる時間帯がある場合には(ST305でYes)、次に、その時間帯で商品陳列に不備がある、すなわち、陳列乱れ状態または陳列不足状態であるか否かの判定を行う(ST306)。
ここで、商品陳列に不備がある場合には(ST306でYes)、その時間帯で販売機会損失の発生が想定されるものと判断して、その時刻または時間帯を要注意ポイントに設定する(ST307)。
つぎに、表示画面生成部46において、統計情報生成部41で生成した商品の販売状況に関する統計情報(時間帯ごとの実績売上量および平均売上量)、および商品の陳列状態に関する統計情報(時間帯ごとの商品占有率)に基づいて、これらの統計情報を表す画像として、商品の販売状況および陳列状態の時間的な推移状況を表すタイムチャート71を生成する(ST309)。
そして、表示画面生成部46において、販売機会損失分析部44により取得した要注意ポイントの時刻または時間帯に基づいて、要注意ポイントを表すアラートマーク72をタイムチャート71上に重畳して表示させる画面情報を生成して出力する(ST310)。これにより、図14に示したモニタリング画面がモニタ9に表示される。
一方、商品陳列に不備がない場合には(ST306でNo)、実績売上量が平均売上量より大幅に小さくなる売上量の異常は別要因によるものと判断して、要注意ポイントに関する処理は行わず、表示画面生成部46において、商品の販売状況および陳列状態の時間的な推移状況を表すタイムチャート71を生成して、このタイムチャート71を表示させる画面情報を生成して出力する(ST308)。
なお、実績売上量および平均売上量の比較判定(ST304)の後段に、来店客数が十分に多いか否か、具体的には、来店客数が所定のしきい値以上となるか否かの判定を行い、来店客数が十分に多く、かつ、商品陳列に不備がある場合には、販売機会損失の発生が想定されるものと判断して、その時間帯を要注意ポイントに設定するようにしてもよい。このようにすると、来店客数の減少が原因で、実績売上量が平均売上量より大幅に小さくなる売上量の異常が発生した場合に、誤って要注意ポイントが設定されることを避けることができる。
次に、作業状況分析モードにおけるモニタリング画面について説明する。図16は、作業状況分析モードにおいてモニタ9に表示されるモニタリング画面を示す説明図である。
このモニタリング画面では、タイムチャート表示部54に、陳列状態の時間的な推移状況を表すタイムチャート81が表示されている。このタイムチャート81では、時間帯(単位時間)ごとの商品占有率が折れ線グラフで表されている。また、タイムチャート表示部54には、作業スケジュールに規定された商品管理作業の実施予定タイミングを表す画像82と、遅延期間を表す画像83とが、タイムチャート81上における時間軸方向の対応する位置に重畳して表示されている。遅延期間は、商品管理作業の実施予定タイミングから、陳列状態の変化により商品管理作業が実施されたものと想定されるタイミングまでの期間である。
この商品管理作業の実施予定タイミングを表す画像82および遅延期間を表す画像83により、作業スケジュールの順守状況、すなわち、作業スケジュールにしたがって店員が商品管理作業を適切に実施したか否かをユーザが把握することができる。また、商品管理作業の実施予定タイミングおよび遅延期間とタイムチャート81とを比較することで、商品管理作業の実施予定タイミングや作業内容(例えば仕込み量)が適切であるか否かを判断することができ、これにより、作業スケジュールの評価および見直しを効率よく行うことができる。
なお、実施予定タイミングを表す画像82や遅延期間を表す画像83の表示色を、各画像82,83が位置する時刻における陳列状態や遅延期間の長さに応じて変化させるようにしてもよい。
次に、図16に示した作業状況分析モードにおけるモニタリング画面を出力するためにPC3で行われる処理について説明する。図17は、作業状況分析モードにおけるモニタリング画面を出力するためにPC3で行われる処理の手順を示すフロー図である。
本実施形態では、まず、統計情報生成部41において、陳列状態情報蓄積部34から指定日の陳列状態情報を取得する(ST401)。そして、指定日の陳列状態情報に対して時間的な統計処理を行って、商品の陳列状態に関する統計情報を生成する(ST402)。具体的には、各状態監視エリアにおける各時刻の商品占有率を時間帯(単位時間)ごとに集計して、各状態監視エリアにおける時間帯ごとの商品占有率を取得する。
また、作業実施状況分析部45において、作業予定情報取得部43を介して店舗業務管理装置6から指定日の作業スケジュールに関する作業予定情報を取得する(ST403)。このとき、作業予定情報として、商品の陳列状態に影響を及ぼす商品管理作業、すなわち、商品の不足を解消する補充および仕込みの作業や、商品の廃棄の作業などに関する作業スケジュールを取得する。
ついで、作業実施状況分析部45において、陳列状態情報蓄積部34から取得した陳列状態情報(時刻ごとの商品占有率)に基づいて、商品管理作業が実施されたものと想定される陳列状態の変化が発生したタイミング(陳列状態変化時刻)を取得する(ST404)。
そして、作業実施状況分析部45において、陳列状態が変化したタイミング(陳列状態変化時刻)と、作業スケジュールで規定された商品管理作業の実施予定タイミング(実施予定時刻)とを比較して、遅延期間(作業タイムラグ)、すなわち、商品管理作業の実施予定タイミングから、陳列状態の変化により商品管理作業が実施されたものと想定されるタイミングまでの期間を取得する(ST405)。
ついで、表示画面生成部46において、商品の陳列状態に関する統計情報(単位時間ごとの商品占有率)に基づいて、その統計情報を表す画像として、商品の陳列状態の時間的な推移状況を表すタイムチャート81を生成する(ST406)。そして、実施予定タイミングを表す画像82および遅延期間を表す画像83をタイムチャート81上に重畳して表示させる画面情報を生成する(ST407)。これにより、図16に示すモニタリング画面がモニタ9に表示される。
次に、作業状況分析モードにおけるモニタリング画面の別例について説明する。図18および図19は、作業状況分析モードにおけるモニタリング画面の別例を示す説明図である。
図16に示した例では、タイムチャート表示部54に、各状態監視エリアにおける時間帯ごとの商品占有率を表すグラフ(折れ線グラフ)によるタイムチャート81を表示するようにしたが、図18および図19に示す例では、タイムチャート表示部54に、図10に示した例と同様に、商品の陳列状態(充足状態、軽度不足状態および重度不足状態)の継続期間を色分けして表示したタイムチャート91が表示されている。
また、タイムチャート表示部54には、タイムチャート91の時間と対応するように商品管理作業の作業スケジュールを表す画像92が表示されている。さらに、タイムチャート表示部54には、作業スケジュールに規定された商品管理作業の実施予定タイミングから、商品管理作業が実施されたものと想定されるタイミングまでの遅延期間を表す画像93が表示されている。
次に、作業スケジュールに基づく報知について説明する。図20は、作業スケジュールに基づく報知の処理の概要を説明する説明図である。
本実施形態では、作業検知部37において、陳列状態判定部33で取得した商品の陳列状態の変化状況に基づいて、商品管理作業が実施されたことを検知する処理が行われ、報知判定部39において、作業検知部37での検知結果、および作業予定情報取得部43により取得した作業予定情報に基づいて、商品管理作業を店員に指示する報知の可否を判定する処理が行われる。
ここで、報知判定部39では、作業予定情報の作業スケジュールに規定された商品管理作業の実施予定タイミングを過ぎたにもかかわらず、作業検知部37において該当する商品管理作業が実施されたことが検知されない場合に、商品管理作業が放置されているものと判断し、商品管理作業の実施予定タイミングからの経過時間が所定のしきい値に達すると、商品管理作業を店員に指示する報知を行うものと判定する。
この報知判定部39での判定結果に応じて、報知部40において、商品管理作業を指示する報知が、店舗に滞在する店員や店長、さらに本部に滞在する管理者に対して行われる。この報知は、店員や店長が所持する携帯端末7や、本部に設置されたPC11を用いて行えばよい。
なお、図8に示したように、当日の状況をリアルタイムに表示するモニタリング画面において、商品管理作業を指示する報知が行われたことを適宜な方法、例えばアイコンなどで表示するようにしてもよい。
以上のように、本実施形態では、状態監視エリア設定部35において、陳列エリアの映像上に状態監視エリアを設定し、商品検出部32において、陳列エリアの映像に基づいて、状態監視エリアに陳列された商品を検出し、陳列状態判定部33において、商品検出部32の検出結果に基づいて、状態監視エリアにおける商品の陳列状態を判定し、表示画面生成部46において、陳列状態判定部33の判定結果に基づいて、状態監視エリアにおける商品の陳列状態を表す陳列状態表示画像(枠画像21)を陳列エリアの映像上に重畳したモニタリング映像を含むモニタリング画面を生成するようにした。このため、モニタリング映像内の陳列状態表示画像により、商品の陳列状態をユーザが即座に把握することができる。また、モニタリング映像内の陳列エリアの映像により、商品の実際の状況をユーザが確認することができる。これにより、店員による商品管理作業の実施状況、すなわち、店員が商品管理作業を迅速かつ適切に実施したか否か容易に確認することができる。
また、本実施形態では、表示画面生成部46において、陳列状態に応じて陳列状態表示画像の表示色を変更するようにしており、陳列状態表示画像の表示色により、商品の陳列状態をユーザが即座に把握することができる。
また、本実施形態では、陳列状態表示画像が、陳列エリアの映像上に設定された状態監視エリアを表す枠画像21としており、陳列状態表示画像により、商品の陳列状態と同時に状態監視エリアの範囲をユーザが即座に把握することができる。
また、本実施形態では、陳列状態情報蓄積部34において、商品検出部32の検出結果および陳列状態判定部33の判定結果を陳列状態情報として蓄積し、表示画面生成部46において、陳列状態情報に基づいて、商品の陳列状態の時間的な推移状況を表すタイムチャート61,65,71,81,91を生成し、このタイムチャート61,65,71,81,91をモニタリング映像とともにモニタリング画面に表示させるようにした。このため、モニタリング映像により、商品の陳列状態を詳細にユーザが把握することができ、同時に、タイムチャート61,65,71,81,91により、商品の陳列状態の時間的な推移状況をユーザが把握することができる。
また、本実施形態では、陳列状態判定部33において、陳列状態として、陳列乱れ状態および陳列不足状態に関する判定を行い、報知判定部39において、陳列状態判定部の判定結果に基づいて、商品管理作業として、陳列の乱れを解消する整頓作業、および商品の不足を解消する補充作業を店員に指示する報知の可否を判定し、報知部40において、報知判定部39の判定結果に基づいて、整頓作業および補充作業の少なくともいずれかを店員に指示する報知を行うようにした。これにより、商品の陳列に不備がある場合に、その不備の内容に応じて適切な報知を行うことができる。そして、報知の内容に応じて店員が適切な商品管理作業を実施することで、商品の陳列に不備がある状態を迅速に解消させることができる。
また、本実施形態では、表示画面生成部46において、陳列状態判定部33の判定結果に基づいて、モニタリング画面上に、モニタリング映像の状態監視エリアに対応させた状態で商品の陳列状態を表す文字を表示させるようにしており、商品の陳列状態を表す文字により、状態監視エリアごとの商品の陳列状態をユーザが即座に把握することができる。
また、本実施形態では、要注意事象検知部38において、陳列状態判定部33の判定結果に基づいて、商品の陳列状態に関してユーザに注意を促す必要がある要注意事象を検知し、表示画面生成部46において、要注意事象検知部38の検知結果に基づいて、要注意事象の内容を示すメッセージボックス(メッセージ表示部)を表示させるようにしており、メッセージボックスにより、要注意事象、例えば、陳列状態の変化が発生した事象や、商品の陳列に不備がある状態が長期間継続している事象の状況をユーザが把握することができる。
また、本実施形態では、陳列状態情報蓄積部34において、商品検出部32の検出結果および陳列状態判定部33の判定結果を陳列状態情報として蓄積し、販売情報取得部42において、店舗における商品の販売状況に関する販売情報を取得し、統計情報生成部41において、販売情報に対して時間的な統計処理を行って、商品の販売状況に関する統計情報を生成し、販売機会損失分析部44において、統計情報に基づいて、販売機会損失が発生したものと想定される要注意ポイントを取得し、表示画面生成部46において、陳列状態情報および統計情報に基づいて、商品の陳列状態および販売状況の時間的な推移状況を表すタイムチャート71を生成し、要注意ポイントを表す画像(アラートマーク)72をタイムチャート71上に重畳して表示させるようにした。このため、要注意ポイントを表す画像72により、販売機会損失が発生したものと想定されるタイミングをユーザが把握することができる。
また、本実施形態では、陳列状態情報蓄積部34において、商品検出部32の検出結果および陳列状態判定部33の判定結果を陳列状態情報として蓄積し、作業予定情報取得部43において、商品管理作業の実施予定タイミングを規定した作業スケジュールに関する作業予定情報を取得し、表示画面生成部46において、陳列状態情報に基づいて、商品の陳列状態の時間的な推移状況を表すタイムチャート81を生成し、実施予定タイミングを表す画像82を、タイムチャート81上に重畳して表示させるようにした。このため、タイムチャート81により、商品管理作業が実施されたものと想定されるタイミングをユーザが把握することができ、このタイミングと実施予定タイミングとを比較することで、商品管理作業の遅延の状況をユーザが容易に把握することができる。
また、本実施形態では、陳列状態情報蓄積部34において、商品検出部32の検出結果および陳列状態判定部33の判定結果を陳列状態情報として蓄積し、作業予定情報取得部43において、商品管理作業の実施予定タイミングを規定した作業スケジュールに関する作業予定情報を取得し、作業実施状況分析部45において、陳列状態情報および作業予定情報に基づいて、商品管理作業の実施予定タイミングから、商品管理作業が実施されたものと想定されるタイミングまでに要した遅延期間を取得し、表示画面生成部46において、陳列状態情報に基づいて、商品の陳列状態の時間的な推移状況を表すタイムチャート81,91を生成し、遅延期間を表す画像83,93を、タイムチャート81,91上に重畳して表示させるようにした。このため、遅延期間を表す画像83,93により、商品管理作業の遅延の状況をユーザが容易に把握することができる。
以上、本発明を特定の実施形態に基づいて説明したが、これらの実施形態はあくまでも例示であって、本発明はこれらの実施形態によって限定されるものではない。また、上記実施形態に示した本発明に係る商品モニタリング装置、商品モニタリングシステムおよび商品モニタリング方法の各構成要素は、必ずしも全てが必須ではなく、少なくとも本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜取捨選択することが可能である。
例えば、本実施形態では、コンビニエンスストアなどの小売店舗の例について説明したが、このような小売店舗に限定されるものではなく、小売店舗以外の業務形態の店舗に適用することも可能である。
また、本実施形態では、図2に示したように、カメラ1を、魚眼レンズを用いて360度の撮影範囲を有する全方位カメラとしたが、所定の画角を有するカメラ、いわゆるボックスカメラでも可能である。
また、本実施形態では、図4に示したように、状態監視エリアにおける商品の陳列状態を表す陳列状態表示画像として、状態監視エリアの外形を表す枠画像21を表示するようにしたが、陳列状態表示画像はこれに限定されるものではなく、例えば、状態監視エリア上あるいはその近傍に、商品の陳列状態を絵柄や色の変化で表すアイコンを表示したり、陳列状態に応じて長さや色が変化するカラーバーを表示したりしてもよい。
なお、本実施形態では、図14に示したように、売上要因分析モードにおけるモニタリング画面において、タイムチャート表示部54に、商品の販売状況に関する統計情報、および商品の陳列状態に関する統計情報を表示するようにしたが、これに加えて、来店客数に関する統計情報、すなわち単位時間(時間帯)ごとの来店客数を表示するようにしてもよい。このようにすると、販売機会損失の発生が想定される事象、すなわち実績売上量と平均売上量との間に大きなずれが発生している事象が、来店客数の減少によるものか否かを確認することができる。また、陳列エリア(陳列棚など)の手前の顧客滞在エリアに滞在する顧客の人数(滞在客数)に関する統計情報を表示するようにしてもよい。このようにすると、販売機会損失の状況をより確実に把握することができる。この場合、公知の人物検出技術を用いて、カメラ1の映像から来店する顧客や顧客滞在エリアに滞在する顧客をカウントして、単位時間ごとの顧客の人数を取得すればよい。
また、本実施形態では、図14に示したように、売上要因分析モードにおけるモニタリング画面において、タイムチャート表示部54に、商品の販売状況に関する統計情報と、商品の陳列状態に関する統計情報との双方を表示するようにしたが、商品の販売状況に関する統計情報の元になる販売情報を取得することができない場合には、タイムチャート表示部54に、商品の陳列状態に関する統計情報のみを表示するようにしてもよい。
また、本実施形態では、図14に示したように、売上要因分析モードにおけるモニタリング画面において、また、図16に示したように、作業状況分析モードにおけるモニタリング画面において、商品の陳列状態に関する統計情報(単位時間ごとの商品占有率)を表示するようにしたが、この統計情報の元になる陳列状態情報、すなわち時刻ごとの商品占有率を表示するようにしてもよい。また、本実施形態では、図14および図16では、商品の陳列状態に関する情報として、商品占有率のタイムチャートを表示するようにしたが、図10に示した例と同様に、商品の陳列状態(充足状態、軽度不足状態および重度不足状態)の継続期間を色分けして表示したタイムチャートを表示するようにしてもよい。
また、本実施形態では、図16に示したように、作業状況分析モードにおけるモニタリング画面において、実施予定タイミングを表す画像82および遅延期間を表す画像83の双方をタイムチャート81上に重畳して表示するようにしたが、実施予定タイミングを表す画像82および遅延期間を表す画像83のいずれか一方のみを表示するようにしてもよい。このようにしても、商品管理作業の遅延の状況を把握することができる
また、本実施形態では、図18および図19に示したように、作業状況分析モードにおけるモニタリング画面において、商品の陳列状態の継続期間を色分けして表示したタイムチャート91に、作業スケジュールを表す画像92および遅延期間を表す画像93を組み合わせて表示するようにしたが、図16に示したように、時間帯ごとの商品占有率を表すグラフによるタイムチャート81と、図18および図19に示したように、作業スケジュールを表す画像92および遅延期間を表す画像93とを組み合わせて表示するようにしてもよい。
また、本実施形態では、商品陳列状態として、陳列乱れ状態および陳列不足状態の双方を検知するようにしたが、陳列乱れ状態および陳列不足状態のいずれか一方のみを検知するようにしてもよい。
また、本実施形態では、商品モニタリングに必要な処理を、店舗に設けられたPC3に行わせるようにしたが、この必要な処理を、図1に示したように、本部に設けられたPC11や、クラウドコンピューティングシステムを構成するクラウドコンピュータ15に行わせるようにしてもよい。また、必要な処理を複数の情報処理装置で分担し、IPネットワークやLANなどの通信媒体を介して、複数の情報処理装置の間で情報を受け渡すようにしてもよい。この場合、必要な処理を分担する複数の情報処理装置で商品モニタリングシステムが構成される。
このような構成では、商品モニタリングに必要な処理のうち、少なくともデータ量が大きな処理、例えば商品検出処理を、店舗に設けられたPC3などの装置に行わせるようにするとよい。このように構成すると、残りの処理のデータ量が少なくて済むため、残りの処理を店舗とは異なる場所に設置された情報処理装置、例えば本部に設置されたPC11に行わせるようにしても、通信負荷を軽減することができるため、広域ネットワーク接続形態によるシステムの運用が容易になる。
また、クラウドコンピュータ15に必要な処理の全部を行わせ、あるいは、必要な処理のうちの少なくとも画面出力処理をクラウドコンピュータ15に分担させるようにしてもよく、このように構成すると、店舗や本部に設けられたPC3,11の他に、スマートフォンやタブレット端末などの携帯端末16でもモニタリング画面を表示させることができるようになり、店舗を巡回中のスーパーバイザー等が店舗や本部の他に外出先などの任意の場所で遠隔の店舗における商品の陳列状況を監視することができる。
また、本実施形態では、店舗に設置されたPC3に商品モニタリングに必要な処理を行わせるとともに、PC3に接続されたモニタ9にモニタリング画面などを表示させて、PC3で必要な入力および出力を行う場合について説明したが、商品モニタリングに必要な処理を行う情報処理装置とは別の情報処理装置、例えば本部に設置されたPC11やスマートフォンやタブレット端末などの携帯端末4,16で必要な入力および出力を行うことができるようにしてもよい。