JP2016057282A - 感知データの取得方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
試料液中の感知対象物の量を周波数変化を利用して測定する感知センサー1を用い、複数の試料液を夫々複数の感知センサー1により測定するにあたり、感知センサー1間にて信頼性の高い評価を行うことのできる感知データの取得方法を提供すること。
【解決手段】
ビール中の感知対象物の成分量を水晶振動子3の周波数変化により測定を行うにあたって、一の感知センサーAに基準ビールを供給した時の周波数変化量を基準変化量fa´として、基準ビールを複数の他の感知センサーB,Cに供給した時の周波数変化量の比率を求める。そして他の感知センサーB,Cに互いに異なる複数のビールを供給して周波数変化量の測定を行い、各感知センサーA〜C毎の前記比率により補正して、各感知センサー毎に補正後の周波数変化量を感知データとして取得している。
【選択図】図8

Description

本発明は、感知対象物がその表面に設けられた吸着層に吸着することで、固有振動数が変わる圧電振動子を用いて、試料液中の感知対象物を感知する技術分野に係り、感知データを取得する方法に関する。
試料液中の感知対象物、例えば微量なタンパク質を感知する方法として、例えば特許文献1に示すようなQCM(Quartz Crystal Microbalance)を利用した感知センサーを用いた感知装置が示されている。QCMは励振電極の表面に感知対象物を抗原抗体反応により吸着する吸着層が設けられた水晶振動子を用い、試料溶液中の感知対象物の吸着による質量負荷を、水晶振動子の周波数の変化として捉えて、感知対象物の定量を行うものである。この基本原理を利用し医療現場での診断や食品検査にも用いられている簡易計測への応用も可能である。そこで本発明者は、例えばビールのコク味の評価においては、水晶振動子の電極の表面に脂質膜を形成し脂質膜に吸着する味成分、例えばイソアルファ酸の量の評価を行うことを検討している。
このような感知装置において、1つの感知センサーを用いて多くの試料の測定を行った場合に脂質膜に反応物質の付着、脱離を繰り返すうちに脂質膜の吸着力が変化するため、徐々にその計測値に誤差が生じる。そのため1つの感知センサーで多くの試料の計測を行うことは難しく、ある程度の試料の計測を行った後、新たな感知センサーに取り換えて計測する必要がある。しかしながら感知センサーにおいては、その吸着層の吸着性能に個体差があり、異なる感知センサーを用いて、同じ試料を測定した場合にも、その検出値にばらつきが生じる問題があった。
特開2009−206792号公報
本発明はこのような事情の下になされたものであり、その目的は、試料液中の感知対象物である成分の量を周波数変化を利用して測定する感知センサーを用い、複数の試料液を夫々複数の感知センサーにより測定するにあたり、感知センサー間にて信頼性の高い評価を行うことのできる感知データの取得方法を提供することにある。
本発明の感知データの取得方法は、試料液中の感知対象である成分を圧電振動子に形成された吸着層に吸着させて、当該成分の量を吸着前後の圧電振動子の周波数変化量として周波数測定部により測定するための感知センサーを用いた感知方法において、
前記成分が含まれる一の試料液を一の感知センサーに供給した時の周波数変化量を基準変化量として、前記成分が含まれる前記一の試料液を複数の他の感知センサーに供給した時の周波数変化量と、前記基準変化量に対する当該周波数変化量の比率と、を各感知センサー毎に制御部により求める工程と、
前記成分が含まれ、前記一の試料液とは異なりかつ互に異なる複数の他の試料液を夫々前記複数の他の感知センサーに供給した時の周波数変化量を、各感知センサーに対応する前記比率により補正して、各感知センサー毎に補正後の周波数変化量を感知データとして制御部により求める工程と、を含むことを特徴とする。
本発明は、試料液中の感知対象物の成分量を圧電振動子の周波数変化により測定を行うにあたって、一の感知センサーにおける一の試料液の周波数変化量を基準変化量として、一の試料液を複数の他の感知センサーに供給した時の周波数変化量の比率を求める。そして他の感知センサーに一の試料液とは異なりかつ互いに異なる複数の試料液を供給して周波数変化量の測定を行い、各感知センサー毎の前記比率により補正して、各感知センサー毎に補正後の周波数変化量を感知データとして取得している。そのため感知センサー毎の個体差による計測値のばらつきを補正することができ、成分量について信頼性の高い評価をすることができる。
本発明の実施の形態に係る感知装置の斜視図である。 本発明の実施の形態に係る感知センサーの斜視図である。 本発明の実施の形態に係る感知センサーの断面図である。 本発明の感知装置の発振回路と本体部の回路を説明するための平面図である。 感知対象物と、励振電極の表面に設けられた吸着層と、について説明する説明図である。 試料液の供給後における出力周波数の時間変化を示す特性図である。 試料液のコク味と周波数変化との関係を示す説明図である。 第1の振動領域と第2の振動領域とにおける出力周波数の時間変化を示す特性図である。 本発明の実施の形態に係る感知データの取得方法を説明するフローチャートである。 本発明の他の実施の形態に係る感知センサーの全体の構成を示す縦断側面図である。
以下本発明に係る感知データ取得方法について説明する。感知データ取得を行う感知装置は、図1に示すように感知対象物を含む試料溶液が供給される感知センサー1と、この感知センサー1が着脱自在に接続される発振回路ユニット10と、この発振回路ユニット10に同軸ケーブル13を介して接続される本体部11と、この本体部11に接続され、パラメータの設定及び、周波数情報を表示する役割を果たす制御部をなすコンピュータ12と、を備えている。
感知センサー1はマイクロ流体チップを利用し、例えば試料となる発泡酒やビール中に含まれる感知対象物、例えばイソアルファ酸などの感知対象の成分の量を検出することができるように構成されている。感知センサー1は、図2、図3に示すように配線基板2と、水晶振動子3と、流路形成部材4と、上蓋ケース5と、が下層側からこの順で積層されている。
水晶振動子3は、図4に示すように表面側に例えばAu(金)により形成される励振電極32、33が設けられており、裏面側に、励振電極32、33に夫々対向するように励振電極34、35が設けられている。この励振電極32と励振電極34とに挟まれた領域は、第1の振動領域61となり、励振電極33と励振電極35とに挟まれた領域は、第2の振動領域62となる。また励振電極32の表面には、図5に示すような感知対象物37、例えばイソアルファ酸と選択的に結合する脂質膜により構成された吸着層36が設けられている。水晶振動子3は配線基板2の上面側に固定されており、水晶振動子3に設けられた励振電極32、33は、一端側にて互いに接続された後、図2に示す配線基板2の表面を伸びる電極27と、電気的に接続され、励振電極34、35は夫々配線基板2の表面を伸びる電極25、26と、電気的に接続されている。なお図3中の28は水晶振動子3を水平な姿勢で支持するための電極パッドである。
水晶振動子3の上方には、流路形成部材4が配置される。図3に示すように流路形成部材4の下面には、水晶振動子3の表面に試料液を供給するための供給流路40が形成されており、流路形成部材4を水晶振動子3に上方に配置することにより水晶振動子3の表側の励振電極32、33が供給流路40に流れ方向に対して左右に並ぶように配置される。また流路形成部材4には、供給流路40に試料液を供給するための貫通孔42と、供給流路40から、試料液を排出するための貫通孔43と、が各々厚さ方向に貫通するように設けられている。
上蓋ケース5の上面側には、試料液を注入するための注入口51が設けられ、上蓋ケース5の下面側には、排液だまり53が形成されている。上蓋ケース5を流路形成部材4に積層すると、流路形成部材4に形成された貫通孔42の上端が注入口51に接続され、貫通孔43の上端が排液だまり53に接続される。
また貫通孔42には、毛細管部材44が、上端部が注入口51に突出し、下端部が供給流路40に突出するように挿入され、貫通孔43には、毛細管部材45が、上端部が排液溜まり53に突出し、下端部が供給流路40に突出するように挿入されている。
感知センサー1における試料液の流れについて説明する。ユーザがスポイトにより、注入口51に試料液を滴下すると、試料液は、重力及び毛細管部材44による毛細管現象により貫通孔42を下降し、供給流路40に供給される。試料液は供給流路40を水晶振動子3の表面に沿って流れた後、毛細管部材45の毛細管現象により供給流路40から吸い上げられて、排液溜まり53に排液される。
図4に示すように、発振回路ユニット10は、例えばコルピッツ回路で構成される第1の発振回路71及び第2の発振回路72を備えている。発振回路ユニット10には、感知センサー1に形成された電極25、26、27と対応するように形成された図示しない接続端子部が形成されており、上記の感知センサー1が、発振回路ユニット10に差し込まれると、電極25、26、27が発振回路ユニット10側の接続端子部に電気的に接続される。そして第1の発振回路71は第1の振動領域61を、第2の発振回路72は第2の振動領域62を夫々発振させる。
本体部11は、スイッチ部82と、周波数測定部83と、制御部の一部をなすデータ処理部9とを備えている。発振回路ユニット10内に設けられた第1及び第2の発振回路71、72の出力側は、同軸ケーブル13を介して、本体部11に接続され、本体部11内に設けられたスイッチ部82と接続される。スイッチ部82の後段に設けられた周波数測定部83は、入力信号である周波数信号のディジタル処理を行う。具体的に説明すると、第1の発振回路71により出力される発振周波数「F1」の時系列データと、第2の発振回路72により出力される発振周波数「F2」の時系列データと、を取得する。本発明の感知装置では、スイッチ部82により、データ処理部9と第1の発振回路71と接続するチャンネル1と、周波数測定部83と第2の発振回路72と接続するチャンネル2とを交互に切り替えた間欠発振を行うことにより、感知センサー1の2つの振動領域61、62間の干渉を避け、安定した周波数信号を取得できるようにしている。
データ処理部9はコンピュータからなる。図中の90はバスであり、バス90には各種演算を行うCPU91と、プログラム92と、メモリ93とが接続されている。メモリ93は、各チャンネルから出力された周波数差計測値の時系列データを記憶する。プログラム92は、周波数測定部83で測定された周波数信号のディジタル値の時分割データに基づいて、演算処理を行い、例えば2つの振動領域61、62の周波数差に基づく周波数差計測値を計測してメモリ93に記憶させると共に、後述の作用説明における一連の動作を実施するようにステップ群が組み込まれており、プログラムに従って、補正値である後述の比率の演算や計測値を補正し、補正後の計測値の演算を行う。
コンピュータ12は、入力部95と表示部96とを備えており、データ処理部9に接続されている。表示部96は、例えば、現在測定中の試料における測定値の時系列データの表示や、試料の計測結果を示すデータテーブルを表示する。入力部95は、表示部96に表示された測定値の時系列データに基づいて、検出された周波数差計測値の中から試料のデータとして扱う範囲の入力ができるように構成されている。
感知センサー1の種別については、入力部95により入力してもよいが、例えば感知センサー1を接続したときに発振回路ユニット12にて、感知センサー1に設けられているICからIDが読みだされてもよい。
続いて上述の感知センサー1を用いた試料液中に含まれる感知対象物の量の測定方法について説明する。感知センサー1を発振回路ユニット10に差し込み、本体部11を起動すると水晶振動子3の各振動領域61、62が発振され、夫々の周波数信号に対応する周波数信号F1、F2が取り出される。まず例えばユーザがスポイトにより純水を、注入口51から供給すると、純水が供給流路40を満たし、水晶振動子3における供給流路40側の面が液相に変わり、発振周波数が大きく低下し、周波数F1及びF2も大きく低下する。続いてユーザがスポイトにより基準ビールを注入口51に例えば200μl滴下すると、基準ビールが純水を押し流し、水晶振動子3の表面を流れる。
そして試料液中に例えばイソアルファ酸などの感知対象物37が含まれる場合には、当該感知対象物37が励振電極32の表面に設けられている吸着層36に、例えば疎水結合により吸着され、当該励振電極32の質量に、吸着層36に吸着された感知対象物37の質量が負荷される。この時第1の発振回路71から取り出される周波数は、図6に示すように感知対象物37が吸着された後、極小値を示すように変化する。そしてベースライン例えば、試料液供給前における出力周波数から極小値となる周波数までの周波数差は、吸着層36に吸着された感知対象物37の量に従う質量負荷効果により決定される。この時感知対象物37の量が多く、コク味が多い試料の場合には、質量負荷効果が大きくなるため、図7に示すようにベースラインからの周波数変化が大きくなり感知対象物37の量が少なく、コク味が少ない試料は、ベースラインからの周波数変化が小さくなる。
上述の感知センサー1は、共通の水晶片30に第1及び第2の振動領域61、62を形成している。試料液に感知対象物が含まれる場合には、第1の振動領域61から取り出される周波数は、試料液の温度や粘性により周波数が変化することに加えて、当該感知対象物37が疎水結合及び静電的結合等の反応により吸着層36に吸着され、質量負荷効果によりさらに低下した周波数となるため、感知センサー1に試料液を供給すると、図8(a)に示すようにベースラインからの周波数の変化値はf1となる。その一方で第2の振動領域62には、吸着層36を設けていないため、感知対象物37が吸着されず、質量負荷効果による周波数の変化が生じない。そのため図8(b)に示すように第2の振動領域62と接続されたチャンネル2からは、試料液の温度や粘性に応じてベースラインからの周波数の変化値はΔfとなる。
第1の振動領域61と第2の振動領域62とは共通の水晶片30上に形成され、感知センサー1における試料液の共通の供給流路40に配置しているため、試料液の温度や粘性は、同じ条件であると見做すことができる。従って第1の振動領域61の周波数変化f1から、第2の振動領域62の周波数変化Δfを引くことにより、試料液の温度や粘性による周波数の変化をキャンセルすることができる。従って周波数差計測値(f1−Δf=f´)は、感知対象物37の吸着による質量負荷効果となる。
また例えばビールのコク味の測定において、イソアルファ酸の量の変化量は大きいため試料液の温度や粘性等による周波数の変化は無視することができる。このような場合には、吸着層36を設けた第1の振動領域61の周波数の変化値f1を質量負荷効果としてもよい。また例えば第2の振動領域62にも吸着層36を設け、供給流路40に一の試料液を流したときに第1の振動領域61の周波数の変化値f1と、第2の振動領域62の周波数の変化値f2と、の2つの感知対象物37の吸着による質量負荷効果のデータを取得してもよく、このような場合には、f1とf2と平均値を感知対象物37の吸着による質量付加効果としてもよい。
試料液に感知対象物が含まれていない場合には、試料液は感知対象物を含む場合と同様に流通するが、第1の振動領域61では、上記のイソアルファ酸の付加による質量の負荷が起こらない。チャンネル1及びチャンネル2からは、試料液の温度や粘性に応じて変化する周波数が取り出されるので、周波数差はほとんど変化しない。そして例えば予め当該周波数差計測値f´と試料液中の感知対象物37の濃度との関係式を取得しておき、当該関係式と測定により得られた周波数差計測値f´とから、試料液中の感知対象物37の濃度を求める。また試料液間における感知対象となる成分の相対的な比較、例えばビールのコクを比較する場合においては、感知対象物の濃度を求めなくてもよい。
続いて本発明の実施の形態に係る感知装置の作用について図9に示すフローチャートを参照して説明する。例えば後述の実施例のように3つの感知センサー1(夫々感知センサーA〜Cと表記する)を用いて、基準ビールと試料液であるサンプル(i)〜(ix)とを測定する例について説明する。電源を投入した後、まずステップS1として、周波数計測値の基準値を取得する。例えば一の感知センサーAを発振回路ユニット12に接続し、まず注入口51から純水を供給する。これにより水晶振動子3における供給流路40の面が液相に変わり周波数が変化する。その後感知センサーAに、基準となる基準試料である基準ビールの原液を室温(25℃)に戻した後、200μL供給し、各感知センサーA〜Cを補正する補正値を算出するための基準値となる周波数差計測値fa´を求める。周波数の測定は、例えば試料液の注入開始後、十分に周波数が変化する所定の時間経過後に行うことが好ましく、例えば試料液の注入開始から5分経過後に行う。その後、例えば当該感知センサー1を用いて、室温に戻したサンプル(i)〜(iii)を順に供給して測定を行い、各サンプル(i)〜(iii)ごとの周波数差計測値f´を求める。
続いてステップS2において、発振回路ユニット10から感知センサーAを取り外し、新しい感知センサーBを差し込む。そして感知センサーAにより計測を行った場合と同様にまず注入口51から純水を供給して、水晶振動子3における供給流路40の面を液相に変えた後、室温に戻した基準ビールを感知センサーBに供給して、感知センサーBにより基準ビールを測定した場合における周波数差計測値fb´を求める(ステップS3)。感知センサーBにおける基準ビールの周波数差計測値fb´が求まると、次いでステップS4として、感知センサーAにて計測した基準ビールの周波数差計測値fa´を読みだす。そして現在使用中の感知センサーBにて測定したサンプルの測定値を補正するための補正係数(周波数差計測値fa´/周波数差計測値fb´)を算出する。
次いで感知センサーBに脱離剤として水酸化ナトリウムと界面活性剤の混合液を供給し、吸着層36に吸着されているイソアルファ酸を脱離させ、更に例えば純水により脱離剤を洗浄する。その後、感知センサーBに室温に戻したビールのサンプル(iv)を供給して、当該感知センサーBによりサンプル(iv)の周波数差計測値f´を求めて、メモリ93に記憶する(ステップS5)。そしてステップS6において、サンプル(iv)の周波数差計測値f´に現在使用中の感知センサーBにおける補正係数fa´/fb´を乗算して、サンプル(iv)の補正後の周波数差計測値を求める(補正後の周波数差計測値=サンプルの周波数差計測値f´×fa´/fb´)。
その後、ステップS7として例えば予め設定した感知センサー1の測定サンプルの設定数を測定したか否かを判定する。この例では、各感知センサーA〜Cごとに、基準ビールと3つのサンプルとの計4つのサンプルを計測する。従ってサンプル(iv)の測定を行った後、ステップS7からステップS5に戻り、感知センサーBにサンプル(v)を供給して、周波数差計測値を求め、補正後の周波数差計測値を求める。同様にサンプル(v)について測定値を求めた後、ステップS7からステップS5に戻り、サンプル(vi)の測定値を求め、補正後の周波数差計測値を求める。各感知センサーA〜Cの使用限度は、例えば4回であるとすると、感知センサーBを用いて、サンプル(vi)の測定を行った時に、感知センサーBの使用限度に達する。そのためステップS7においてステップS8に進む。そして継続して、サンプル(vii)〜(ix)の測定を行うため、ステップS2に戻り、感知センサーBを取り外し、感知センサーCを接続する。
そして感知センサーBの場合と同様に、感知センサーCを用いて、基準ビール及びサンプル(vii)〜(ix)の測定を行い、感知センサーCにおける補正係数を求め、更に感知センサーCにおける補正係数を用いて、サンプル(vii)〜(ix)の補正後の周波数差計測値を求める。そして感知センサーCを用いてサンプル(ix)の測定を行うと、感知センサーCの使用限度に達し、ステップS8に進むが、すべてのサンプルの測定を終了しているため測定を終了する。そして例えばコンピュータ12に設けられた表示部96に、例えば後述の実施例において示すような表1のように表示される。この例では、感知センサーAにより基準値を測定すると共にサンプル(i)〜(iii)の測定を行っている。そのためサンプル(i)〜(iii)の測定値は、そのまま使用することができる。別の言い方をすると感知センサーAの補正係数は「1」である。
感知センサーA及び感知センサーBにおいて、基準ビールの測定を行った時の周波数差計測値fa´及びfb´は、夫々感知センサーA及び感知センサーBにおける脂質膜に吸着した感知対象物37の量に応じた値であるため、周波数差計測値fa´、fb´の比は、感知センサーAと、感知センサーBと、における脂質膜の吸着効率の比を示すと見做すことができる。
従って、例えば感知センサーBを用いて計測されたサンプル(iv)〜(vi)における周波数差計測値f´に、感知センサーBにおける補正係数(fa´/fb´)を乗算した補正後の周波数差計測値は、感知センサーAを用いて、サンプル(iv)〜(vi)を測定した場合における周波数差計測値f´と見做すことができる。そのため感知センサーAと2番目に接続した感知センサーBとに吸着効率に差がある場合にも、感知センサーAと2番目に接続した感知センサーBとの夫々で測定した互いに異なる試料液中に含まれる成分の量を比較した時に感知センサー1の吸着効率の差に起因するばらつきが少なくなり、正確に比較することができる。
また、ビールのキレの定量を行ってもよい。例えば感知センサー1にサンプルのビールを注入し、周波数の測定を行った後、注入口51から、純水を注入し、純水の注入から2分経過後に周波数を測定すればよい。そしてデータ処理部9にて、純水を注入から2分経過後における周波数変化量を演算し、コク量の測定時における周波数変化量と、純水を注入から2分経過後における周波数変化量との差を算出し、表示部96に表示する。
感知センサー1に純水の注入することで、吸着層36に吸着したコク成分(例えばイソアルファ酸などのコク成分)の一部が純水に洗い流されるため、図8(a)に示す第1の振動領域61の発振周波数の変化値f1が減少する。この発振周波数の変化値f1からの減少分の値は、コク味を示すコク成分(例えばイソアルファ酸などのコク成分)の吸着層36からの離れやすさを数値化した値ということができ、コク味を感じた後のビールのキレの良さを示す。更に当該サンプルのコク量及びキレ量を夫々演算によって算出した後、例えばビールのコクに対するキレを示す指標となる数値として、キレ量/コク量の値を演算して表示部96に表示するようにしてもよい。
また上述の感知センサー1は、毛細管現象を利用して試料液を水晶振動子3の表面を通流させるようにしている。毛細管の気孔径より大きな気泡は供給流路40に侵入しない。また気孔径より小さい気泡は計測にはほとんど影響がない。このためビールを測定前に脱気する必要がない。
上述の実施の形態においては、便宜上基準値を取得する感知センサーA以外に2つの感知センサーB,Cを用いた例を記載したが、例えば数十あるいは数百の感知センサー1を用い、最初に取得した基準値を利用して同様にして、これら感知センサー1により取得した測定値を比較して、試料液の評価を行うことができる。
さらに各感知センサー1により、サンプルの周波数の計測値を求めるにあたって、各感知センサー1における基準ビールの周波数から算出された補正係数により各感知センサー1の計測値の補正を行わなくてもよく、一の感知センサー1で一のサンプルの測定を行うようにしてもよい。
また本発明は、ビール以外の飲料の評価に用いてもよく、例えばコーヒーに含まれるポリフェノールの量の評価などに用いてもよい。
また本発明の感知装置は毛細管現象を利用して水晶振動子3に試料液を供給する感知センサー1を用いた感知装置に限らず、試料液を流すフロータイプの感知センサを用いた感知装置でもよい。図10にこのような感知装置を示す。図10中、100は上部材、101は下部材、102は配線基板、103は水晶振動子、105は水晶片、106、107は電極、108は押圧部材、109は給液ポート、110は排液ポートである。上部材100は下部材101に対して分離可能に構成され、水晶振動子103を交換できるようになっている。このフロータイプの測定ユニットでは、試料液は給液ポート109から水晶振動子103の表面側の空間を介して排液ポート110側に流れ、参照液あるいは試料液を通流させながら水晶振動子103の発振周波数を測定する。このような感知装置を用いる場合にも本発明を適用することができる。
本発明の実施の形態の効果を示すために3つの感知センサーA〜Cを用いて、各感知センサーA〜Cごとに3つのサンプル、計9個のサンプル(i)〜(ix)を上述した図8に示したフローチャートに従って測定した。この例では、基準ビールを感知センサーAで測定した時の周波数差計測値を基準値として用いた。表1はこの結果を示し、感知センサーA〜Cごとに測定した基準ビール及びサンプルの周波数計測値、各感知センサーA〜Cの補正係数、基準ビール及び各サンプルの補正後の周波数差計測値を示す。

[表1]
Figure 2016057282
この結果によれば感知センサーAを用いて、基準ビールを測定した際の周波数差計測値は659Hzであり、感知センサーB、感知センサーCを用いて基準ビールの測定を行った際の周波数差計測値は、夫々679Hz、587Hzであった。そのため感知センサーB、感知センサーCの補正係数は、夫々0.970、1.122となる。従って各感知センサーA〜Cで測定したサンプル(i)〜(ix)の周波数差計測値に各感知センサーA〜Cの補正係数(感知センサーAは1)を乗算することにより、補正後の周波数差計測値が求まる。従って感知センサーA〜Cごとの出力周波数に個体差がある場合にも各サンプル(i)〜(ix)の感知対象物37の量を正確に測定することができる。
1 感知センサー
2 配線基板
3 水晶振動子
9 データ処理部
10 発振回路ユニット
11 本体部
30 水晶片
32〜35 励振電極
36 吸着層
37 感知対象物
71 第1の発振回路
72 第2の発振回路
83 周波数計測部

Claims (4)

  1. 試料液中の感知対象である成分を圧電振動子に形成された吸着層に吸着させて、当該成分の量を吸着前後の圧電振動子の周波数変化量として周波数測定部により測定するための感知センサーを用いた感知方法において、
    前記成分が含まれる一の試料液を一の感知センサーに供給した時の周波数変化量を基準変化量として、前記成分が含まれる前記一の試料液を複数の他の感知センサーに供給した時の周波数変化量と、前記基準変化量に対する当該周波数変化量の比率と、を各感知センサー毎に制御部により求める工程と、
    前記成分が含まれ、前記一の試料液とは異なりかつ互に異なる複数の他の試料液を夫々前記複数の他の感知センサーに供給した時の周波数変化量を、各感知センサーに対応する前記比率により補正して、各感知センサー毎に補正後の周波数変化量を感知データとして制御部により求める工程と、を含むことを特徴とする感知データの取得方法。
  2. 各感知センサー毎に補正後の周波数変化量を感知データとして制御部により求める工程は、各他の感知センサー毎に、前記一の試料液とは異なりかつ互いに異なる複数の試料液を供給し、これら複数の試料液の各試料液毎に補正後の周波数変化量を求める工程を含むことを特徴とする請求項1記載の感知データの取得方法。
  3. 前記基準変化量と、前記一の試料液を複数の他の感知センサーに供給した時の周波数変化量と補正後の周波数変化量とを各他の感知センサーに対応付けて画面に表示する工程を含むことを特徴とする請求項1または2記載の感知データの取得方法。
  4. 前記試料液はビールまたは発泡酒であり、前記吸着層は脂質膜であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の感知データの取得方法。
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