JP2016056501A - 建築用面材 - Google Patents

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博 松嶋
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Abstract

【課題】この発明は、建築物の床や壁のいずれにも簡単に用いることができると共に、長尺木材を必要としないものとして、建築業者の手間とコストを大幅に削減することができる建築用面材を提供することを目的とする。
【解決手段】建築物に取り付ける建築用面材1であって、建築用面材1は、平行四辺形であり、少なくとも2枚以上の板材2を備えたものであり、板材2は、平行四辺形であり、一対の長斜辺20と一対の短辺21とを備えたものであり、板材2の長斜辺20の一方の側面には凸部3が設けられており、もう一方の側面には凹部4が設けられており、建築用面材1の平行四辺形は、凸部3と凹部4とが嵌合することにより、隣接する板材2同士を固定して形成されるものであることを特徴とする
【選択図】図1

Description

本発明は、建築物の床や壁に用いられる建築用面材に関するものであり、特に木造軸組工法建築物の床に用いられるのに最適な建築用面材に関するものである。
従来より、建築物の床面、天井面及び壁面を、建築物の軸体(桁、梁、柱など)に対して角度付けした複数の板材を貼る(斜め貼り)ことによって、耐震性が向上することが知られている。床面、天井面及び壁面を、斜め貼りするには、板材を貼り付けたい部分、つまり、軸体により形成される略長方形の区画を採寸し、この採寸した略長方形の区画に対応する寸法の板材を作成する必要があった。略長方形区画の中央側では、複数枚の同寸法の略平行四辺形の板材が必要となり、略長方形の区画の頂点に近づくとそれぞれ異なる形状の台形の板材が必要となり、略長方形区画の頂点においては、三角形又は五角形の板材が必要となるため、斜め貼りに必要な種々の形状の板材を作成する作業が煩雑であった。
そのため、例えば建築物の壁材として、新規な壁パネルが提案されている。この壁パネルは、建築物の軸体により形成される略長方形の区画に対応するように形成されており、複数の板材を縦方向に対して右斜め上がり、または右斜め下がりに相互の板厚端面どうしを接合させて長方形状に構成したものとしている。そして、建築物の柱の内側にあてがうようにした枠体が固定されている。(特許文献1)
しかしながら、特許文献1の壁パネルは、枠体を用いることによって建築物の壁面区画に対応するように形成されているため、壁面区画で定められた寸法と現場での実際の寸法とに誤差がある場合、対応が困難なものであった。
実用新案登録番号第3053312号
そこでこの発明は、板材を一枚一枚、採寸し、切断する必要がなく、少ない切断作業と現場での調整作業で、床や天井や壁を容易に斜め貼りにすることができる建築用面材を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本件発明は以下の手段を用いた。
(請求項1記載の発明)
建築物に取り付ける建築用面材であって、建築用面材は、略平行四辺形であり、少なくとも2枚以上の板材を備えたものであり、板材は、略平行四辺形であり、一対の長斜辺と一対の短辺とを備えたものであり、板材の長斜辺の一方の側面には凸部が設けられており、もう一方の側面には凹部が設けられており、建築用面材の略平行四辺形は、凸部と凹部とが嵌合することにより、隣接する板材同士を固定して形成されるものであることを特徴とする。
(請求項2記載の発明)
請求項2記載の発明は、請求項1記載の建築用面材において、板材は、鋭角が30°〜60°、鈍角が120°〜150°、長斜辺が1000mm〜2000mm、短辺が50mm〜300mmであることを特徴とする。
(請求項3記載の発明)
請求項3記載の発明は、請求項2記載の建築用面材において、板材は、鋭角が45°、鈍角が135°であることを特徴とする。
(請求項4記載の発明)
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の建築用面材において、板材の両短辺それぞれには切欠き部が形成されており、切欠き部に固定具を挿通させることで、建築用面材は建築物に固定されることを特徴とする。
(請求項5記載の発明)
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明において、建築物が木造軸組工法によって建てられることを特徴とする。
この発明の建築用面材は、板材を一枚一枚、採寸し、切断する必要がなく、少ない切断作業と現場での調整作業で、床や天井や壁を容易に斜め貼りにすることができる。
図1は、第1実施形態に係る建築用面材の平面図である。 図2は、図1に示す建築用面材の右側面図である。 図3は、図1に示す建築用面材の左側面図である。 図4は、図1中のA−A線拡大断面図である。 図5は、図1中のB−B線拡大断面図である。 図6は、図1に示す建築用面材の正面図である。 図7は、建築用面材1の連結方法の説明図である。 図8は、第1実施形態の建築用面材を取り付けた状態の一例を示す図である。 図9は、図8のC−C断面斜視図である。 図10は、図8の間取り例を説明する図である。 図11は、第1実施形態の受け材仕様の斜視図である。 図12は、本発明の第2実施形態に係る建築用面材の平面図である。 図13は、本発明の第2実施形態に係る建築用面材の底面図である。 図14は、図12に示す建築用面材の右側面図である。 図15は、図12に示す建築用面材の左側面図である。 図16は、図12中のD−D線拡大断面図である。 図17は、図12中のE−E線拡大断面図である。 図18は、図12に示す建築用面材の正面図である。 図19は、図12に示す建築用面材の背面図である。 図20は、第2実施形態に係る建築用面材を建築物に取り付けた状態の一例を示す図である。 図21は、図20のF−F断面斜視図である。 図22は、第2実施形態に係る建築用面材を建築物に取り付ける際に用いられる各種ジョイナーの説明図である。
以下、本発明に係る実施形態を図面に従って説明するが、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。
〔第1実施形態〕
図1は、第1実施形態に係る建築用面材1の平面図である。図2は、図1に示す建築用面材1の右側面図である。図3は、図1に示す建築用面材1の左側面図である。図4は、図1中のA−A線拡大断面図である。図5は、図1中のB−B線拡大断面図である。図6は、図1に示す建築用面材1の正面図である。図示しないが、底面図は平面図と対称であり、背面図は、正面図と同一である。
図1から図6に示す、第1実施形態に係る建築用面材は、主として下地材として用いられるものである。この建築用面材1は、建築物の軸体に取り付けられるものであって、複数の略平行四辺形状の板材2がこれら板材2の長斜辺20同士が接するように並べられた状態で連結された略平行四辺形状である。各板材2は、一対の長斜辺20と一対の短辺21とを有する略平行四辺形状の板体である。板材2には、隣接する板材2同士が嵌合可能な凹部4と凸部3が設けられ、この一方の板材2の凹部4と他方の板材2の凸部3が嵌合することにより、板材2同士が連結される。
建築用面材1の鋭角(以下、建築用面材1の鋭角の角度を「α」とする場合がある。)と板材2の鋭角は等しく、建築用面材1の鈍角と板材2の鈍角は等しい。建築用面材1の一方の対辺の長さは、板材2の長斜辺20に等しい長さ(以下、「斜辺長さ11」という。)である。建築用面材1の他方の対辺、つまり、板材2の連結方向に延びる連結方向辺16の長さは、複数の板材2の短辺21の長さをそれぞれ足した長さ(以下、「連結方向長さ10」という。)である。図1に示す建築用面材1のように、略同一形状の板材2を連結した場合の連結方向長さ10は、板材2の短辺21長さに板材2の枚数を乗じた長さとなる。一方の連結方向辺16から他方の連結方向辺16までの垂直距離(以下、「建築用面材幅12」という。)は、長斜辺20×sinαの長さとなる。
建築用面材1が取り付けられる建築物は、建築物を設計する上で基準となる基本寸法(以下、「モジュール」という。)に基づいて建築されている。モジュールには、尺が基準となる尺モジュール、1mが基本単位のメーターモジュール、1218mm(1インチ)が基本単位のインチモジュールがある。この中で、日本の住宅建築において最も多く使用されている尺モジュールは、関東間サイズといわれる910mmを基本寸法とするもの、関西間サイズといわれる985mmを基本寸法とするもの、また、近年ハウスメーカー等が採用する1000mmを基本寸法とするもの等がある。例えば、尺モジュールを関東間サイズの910mmとした場合、軸体(桁、梁、柱など)の芯と芯の間隔(以下、「芯芯寸法M」という。)を910mm、芯芯寸法Mを910mmの2分の1の455mm、芯芯寸法Mを910mmの3分の1の約303mm、又は、芯芯寸法Mを910mmの2倍の1820mm等として建築物が建築される。
建築用面材1の寸法は、取り付ける建築物のモジュールに基づいた寸法とする。そして、建築用面材1の対角を適宜の角度とすれば、建築用面材1の形状が決定する。具体的な建築用面材1の寸法については後述する。
モジュールに基づいて建築用面材1の寸法および形状が決定され、さらに建築用面材1を構成する板材2の枚数が決まれば、板材2の寸法および対角の角度αが決定する。具体的には、板材2の長斜辺20の長さは、建築用面材1の斜辺長さ11と同一となり、板材2の短辺21の長さは、建築用面材1の連結方向長さ10を板材2の枚数で割った長さとなる。なお、短辺21の長さが異なる板材2同士を連結する場合は、連結される複数の板材2の短辺21の長さを足した長さが、連結方向長さ10と等しくなるように板材2を構成する。また、上述したように板材2の鋭角αは、建築用面材1の鋭角と同じ角度となり、板材2の鈍角は、建築用面材1の鈍角と同じ角度の「180°-α」となる。建築用面材1の鋭角αは30°〜60°、鈍角が120°〜150°の範囲内で設定し、鋭角αが45°、鈍角が135°とするのが好ましい。
図2〜図5に示すように、板材2の一方の長斜辺20側の側面には長斜辺20の全長にわたって凸部3が設けられており、他方の長斜辺20側の側面には、長斜辺20の全長にわたって凹部4が設けられている。また、図4に示すように、凸部3は、一方の長斜辺20の側面の板材厚み寸法23方向の略中央から突設しており、この凸部3に対応する凹部4が他方の長斜辺20の側面の板材厚み寸法23方向の略中央に設けられている。したがって、板材厚み寸法23が等しい板材2を互いに連結することで、平坦な建築用面材1となる。この建築用面材1を2枚以上用いて、一方の建築用面材1の凸部3ともう一方の建築用面材1の凹部4とを互いに連結することで建築物の床板や天井板や壁板とすることができる。床板や天井板や壁板に用いる場合、板材2の板材厚み寸法23は、12〜36mmとするのが好ましい。例えば、板材厚み寸法23を12mmとし、両サイド4mmずつを凹部4の両肩とし、中央の4mmを凸部3とすることができる。
また、凸部3の両角部を面取り加工すると共に、凹部4の溝の両隅も面取り加工する構成としてもよい。この実施形態においては、板材2同士を連結させる際、凸部3又は凹部4に接着剤等を塗布して連結させているが、接着剤等を使用せずに連結させてもよい。上述したような連結方法は、所謂「本実加工」と呼ばれる連結加工方法であり、板材2と板材2とが強固に組合い、かつ、継ぎ目の体裁も良好なものとなる。なお、板材2に設けられている凸部3と凹部4の形状または配置は、隣接する板材2同士が適切に嵌合可能であり、建築用面材1を構成できるものであれば特に限定されない。
図7は、建築用面材1の連結方法の説明図である。
略平行四辺形の建築用面材1を互いに連結させて床板や天井板や壁板として用いるには、図7aに示す切断と、図7bに示す連結と、図7cに示す配置と嵌合とを行う。
図7aに示すように、一方の鈍角頂点から延びる連結方向に垂直な線を切断部13とし、この切断部13を切断することにより、三角形面材1aと台形面材1bを形成する。図7bに示すように、適宜の枚数の建築用面材1を、一方の長斜辺20の凸部3ともう一方の長斜辺20の凹部4とを嵌合させて連結させる。図7cに示すように、複数の建築用面材1を連結した略平行四辺形状の板状体が略長方形の板状体になるように、三角形面材1aと台形面材1bとを配置させ嵌合させる。このようにすれば、板体が斜め貼りされた状態の略長方形の板状体を容易に形成することができる。
また、台形面材1bにおける、建築用面材1と嵌合させる斜辺と最短辺15とが交わる点から、対向する底辺に向けた垂線よりも最短辺15側に形成される略長方形領域(以下、「調整部14」という。)を適宜切断することにより、建築用面材1が連結された略長方形の板状体の長手方向の長さを調整することができる。具体的には、調整部14における最短辺15の適宜の位置から、最短辺15に対して垂直に切断することにより、略長方形状の板状体の長手方向の長さを容易に微調整することができる。
このようにすると、従来のように板材2を一枚一枚、採寸し、切断する必要がなく、少ない切断作業と現場での調整作業で、床や天井や壁を容易に斜め貼りにすることができる。
また、設計の都合によりモジュール長さ通りに設計されていない間取り(所謂「間くずれ」)の部屋であっても、このような建築用面材1であれば、現場にて、建築用面材1を間崩れ部分に対応する形状に切断することにより、間くずれの部屋であっても、容易に斜め貼りすることができる。
以下に第1実施形態に係る建築用面材1を建築物に取り付ける際の具体的な取り付け方法を例示すると共に、各取り付け方法に用いられる建築用面材1の寸法等の決定方法について説明する。
図8は、木造軸組工法によって建築された建築物における二階部分の床に第1実施形態の建築用面材を取り付けた状態の一例を示す図である。図9は、図8のC−C断面斜視図である。図10は、図8の間取りを説明する図である。
建築用面材1は、建築物の軸体へ固定具を用いて取り付けられるものであって、軸体は主にX軸体5とY軸体6とZ軸体7に分けることができる。そして、図8〜図9に示すように建築用面材1は、X軸体5とY軸体6に取り付けて床板や天井板とすることができる。または、X軸体5とZ軸体7またはY軸体6とZ軸体7に取り付けて壁板としても良い(図示しない)。X軸体5としては、桁や梁や根太や胴差しなどを例示することができ、Y軸体6としては、桁や梁や根太や胴差しなどを例示することができ、Z軸体7としては柱や通し柱や管柱を例示することができる。
第1実施形態の建築用面材1が取り付けられる建築物は、少なくとも、モジュール毎に軸体が設けられている。図8および図10に示す建築物は、関東間サイズの910mmを基本寸法とするモジュールMに基づいて建築されたものである。すなわち、Z軸体7それぞれは、モジュール毎に配置されている。そして、図8に示すように、第1実施形態の建築用面材1は、基本的にこの隣り合うZ軸体7の略芯芯間の1モジュールに対して、1枚の建築用面材1が位置するように連結される。なお、建築用面材1を建築物に取り付ける際、取り付け方によっては、Z軸体7の略芯芯間の1モジュールに対して、1枚の建築用面材1が配置されず、ズレが生じる場合もあるが、現場にて建築用面材を適宜切断等調整して対応することができる。
間取りは、建築物に合わせて、自在に設計することができる。図8および図10に例示する間取りは、8畳間と6畳間と3畳間と廊下、階段部分を有する。このような間取りにおいて、Z軸体7が立ち並ぶ通り(壁が設けられる通り)を「柱通り」といい。Z軸体7が立ち並ぶことなく壁を設けない通りを、「柱通り以外の通り」という。
建築用面材1は、壁が設けられる柱通り側と、壁が設けられない柱通り以外の通り側とで、取り付け方法が異なるものである。
前述の柱通りの説明を踏まえ、床面として建築用面材1を取り付ける方法について説明する。
連結方向辺16が柱通り以外の通り側に配置される場合(図9の左側参照)と、連結方向辺16が柱通り側に配置される場合(図9の右側参照)とでは、取り付け方法が異なる。
連結方向辺16近傍を柱通り側以外の軸体に取り付ける場合は、図8および図9に示すように、連結方向辺16近傍をY軸体6(図9においては床梁)の上端面に載置し、固定具8を打ち込んで取り付ける。具体的には、Y軸体6の短手方向の略中央部分にて、隣接する連結方向辺16の側面同士が当接するように配置して取り付ける。
連結方向辺16近傍を柱通りに取り付ける場合は、Y軸体6に設けられた受け材60の上端面に連結方向辺16近傍を載置し、固定具8を打ち込むことにより固定する。具体的には、図9に示すように、柱通りに配されるY軸体6における、建築用面材1が取りつけられる側の側面に受け材が釘等の固定具8によって取り付けられている。受け材60は、長尺体の受け材60をY軸体6に設ける構成でもよいし、短尺体の受け材60を並べてY軸体6に連続的に設ける構成としてもよいし、短尺材の受け材60を適宜の位置に設ける構成としてもよい。
図9に示すように、受け材60の上端面は平坦な面でありY軸体6の上端面とは面一である。したがって、建築用面材1を略水平に取り付けることができる。柱通りにおいては、板材厚み寸法23分、Y軸体6の上端面よりも建築用面材1の上面が高くなり段差を生じることとなるが、この段差は、壁を取り付けることにより、隠すことができる。
柱通りのY軸体6に受け材60を取り付ける内容について例示したが、柱通りのX軸体5に受け材60を取り付けても同様であり、このような場合、図8のC-C断面斜視図は、Y軸体6にX軸体5を入れ替えたC-C断面斜視図の図9と同様になる。
上述のように、建築用面材1の連結方向辺16近傍は、柱通り側に取り付ける場合、X軸体5またはY軸体6に取り付けられた受け材60に固定される。そして、建築用面材1の切断部13によって形成された切断辺近傍、または、調整部14を切り取られて形成された切断辺近傍も連結方向辺16近傍と同様に、柱通り側に取り付ける場合、X軸体5またはY軸体6に取り付けられた受け材60に固定される。
芯芯寸法Mを関東間サイズの910mmとして図9のように取り付けた場合、第1実施形態に用いられる建築用面材1の寸法は、柱通り側と、柱通り以外の通り側と、に分けられ、以下のように建築物のモジュールに基づいて算出され決定される。
(柱通り側の建築用面材1の寸法)
図8と図9に示す、Y軸体6それぞれの芯芯寸法Mを1モジュールと同じ長さとした場合、
建築用面材幅12=モジュール長さ−(柱通り側のY軸体6寸法N÷2) となり、
建築用面材の斜辺長さ11=建築用面材幅12÷sinα となる。
(柱通り側の板材2の寸法)
柱通り側の板材2の寸法は、モジュール長さ(芯芯寸法M)が910mmであり、Y軸体幅寸法Nが105mmであり、板材2の角度αが45°の場合、
建築用面材幅12 = (モジュール長さM−Y軸体6寸法N÷2)
= 910mm−105mm÷2
= 857mm となり、
斜辺長さ11=857mm÷sin45°=1211mmとなる。
次に、建築用面材1が6枚の略同一の板材2からなる場合、図1に示す短辺21の長さは、 短辺21長さ = 910mm÷6 = 151mm とすることができる。
このことから、図1に示す幅22は、
幅=151mm×sin45°=106.77・・・mm≒107mm となる。
また、長斜辺20 = 斜辺長さ11 = 1211mmとなる。
上述のように、図9に示すようなモジュール長さ(芯芯寸法M)を910mmとし、Y軸体幅寸法Nが105mmとした場合は、モジュール長さ(芯芯寸法M)に基づいて、以下のように、建築用面材1を形成する板材2を設計すると、建築用面材1を形成する板材2は、
長斜辺20:1211mm 短辺21 :151mm
幅22 :107mm 鋭角 :45°
鈍角 :135° 枚数 :6枚
となる。
(柱通り以外の通り側の建築用面材1の寸法)
Y軸体6それぞれの芯芯寸法Mを1モジュールと同じ長さとした場合、図8に示すように、柱通り側以外の建築用面材幅12は、
建築用面材幅12=モジュール長さM となり、
斜辺長さ11=建築用面材幅12÷sinαとなる。
(柱通り以外の通り側の板材2の寸法)
柱通り以外の通り側の板材2の寸法は、モジュール長さ(芯芯寸法M)が910mmであり、Y軸体幅寸法Nが105mmであり、板材2の角度αが45°の場合、
建築用面材幅12=モジュール長さM=910mm となり、
長斜辺20=910mm÷sin45°=1286mmとなる。
次に、モジュール長さ(芯芯寸法M)910mmに用いる建築用面材1を、6枚の略同一の板材2からなるものとする場合、図1に示す短辺21の長さは
短辺21長さ=910mm÷6=151mm とすることができる。
このことから、図1に示す幅22は、
幅=151mm×sin45°=106.77・・・mm≒107mm となる。
上述のように、図8と図9に示すようなモジュール長さ(芯芯寸法M)を910mmとし、Y軸体幅寸法Nが105mmとした場合は、モジュール長さ(芯芯寸法M)に基づいて、以下のように、建築用面材1を形成する板材2を設計すると、建築用面材1を形成する板材2は、
長斜辺20:1286mm 短辺21 :151mm
幅22 :107mm 鋭角 :45°
鈍角 :135° 枚数 :6枚
となる。
また、柱通り側のX軸体5と、柱通り以外の通り側のX軸体5の双方、または、柱通り側のY軸体6と、柱通り以外の通り側のY軸体6の双方に受け材60を設け、建築用面材1を受け材60に固定することもできる。
図11に示すように、隣り合うY軸体6(図11においては床梁)の互いに向かい合う側面にそれぞれ受け材60が設けられ、この受け材60に建築用面材1を取り付ける構成である。受け材60は互いに対向する位置に設けられており、この各受け材60に建築用面材幅12方向(図11においてはX軸方向)の両端近傍がそれぞれ載置され、釘等の固定具8によって受け材60に固定される。受け材60は、長尺体の受け材60をY軸体6に設ける構成でもよいし、短尺体の受け材60を並べてY軸体6に連続的に設ける構成としてもよいし、短尺材の受け材60を適宜の位置に設ける構成としてもよい。
受け材60の上端面は平坦で水平な面であり、この上端面がY軸体6の側面に対して略垂直になるよう受け材60がY軸体6に設けられている。各受け材60の上端面とY軸体6の上端面までの長さは、建築用面材1の厚みと略同一である。したがって、受け材60に取り付けられた建築用面材1の上面とY軸体6の上面とは面一になる。Y軸体6に受け材60を取り付ける内容について例示したが、X軸体5に受け材60を取り付ける場合であっても同様である。
また、図示しないが、対向するX軸体5又は対向するY軸体6の一部分を切欠くことで、建築用面材1を載置させる段部を設け、この段部に建築用面材が嵌合するように載置して固定することもできる。この場合、段部の深さの寸法を建築用面材1の板材厚み寸法23と略同一にすれば、建築用面材1を面一に取り付けることができる。
(建築用面材1の寸法)
この受け材仕様に用いられる建築用面材1の寸法は、以下のように建築物のモジュールに基づいて算出され決定される。
図11に示すY軸体6それぞれの芯芯寸法Mを1モジュールと同じ長さとした場合、
建築用面材幅12 =
モジュール長さM−(一方のY軸体6寸法N÷2+他方のY軸体6寸法N÷2)
となり、
建築用面材の斜辺長さ11 = 建築用面材幅12÷sinα となる。
なお、Y軸体幅寸法Nが同一の場合は、
建築用面材幅12 =(モジュール長さM−Y軸体幅寸法N) で良い。
そして、モジュール長さ(芯芯寸法M)が910mmであり、Y軸体幅寸法Nが105mmであり、板材2の角度αが45°の場合、
建築用面材幅12=(モジュール長さ−Y軸体6寸法N)=910mm−105mm
=805mm となり、
斜辺長さ11=805mm÷sin45°=1138mmとなる。
(板材2の寸法)
次に、モジュール長さ(芯芯寸法M)910mmに用いる建築用面材1を、略同一の6枚の板材2からなるものとする場合、図1に示す短辺21の長さは
短辺21長さ=910mm÷6=151mm とすることができる。
このことから、図1に示す幅22は、
幅=151mm×sin45°=106.77・・・mm≒107mm となる。
また、長斜辺20=斜辺長さ11=1138mm となる。
上述のように、図11に示すようなモジュール長さ(芯芯寸法M)を910mmとし、Y軸体幅寸法Nが105mmとした受け材仕様の場合は、モジュール長さ(芯芯寸法M)に基づいて、以下のように、建築用面材1を形成する板材2を設計すると、建築用面材1を形成する板材2は、
長斜辺20:1138mm 短辺21 :151mm
幅22 :107mm 鋭角 :45°
鈍角 :135° 枚数 :6枚
となる。
上述のような第1実施形態であると、容易に斜め貼りを行うことが可能となる。また、建築物のモジュールと取り付け方法が決定すると、その建築物に使用される建築用面材1の形状および寸法などが決定する。したがって、建築用面材1を構成するための板材2の必要枚数が容易に分かるものとなり事前準備を行うことができる。そして、事前準備を行うと、現場作業は、建築用面材1の取り付けと、若干の微調整を行うのみのものとなる。
さらに、建築物の床や天井や壁を斜め貼りにすると建築物の耐震性は向上し、この斜め貼りを安価で簡易なものとすることにより普及を促進し、地震による影響の少ない木造建築物を増やすことができる。なお、前述の斜め貼りは、板材2の鋭角を45°鈍角を135°とし、図8に示すような矢羽根貼りとすると建築物の耐震性もより向上する。
以上、第1実施形態として種々の取り付け方法を説明したが、これらは適宜組み合わせることができ、特にこれらに限定されるものではない。なお、上述した取り付け方法によればいずれも固定具8が露出した状態で取り付けられるので、主として下地材に用いられる。しかしながら、ログハウスなど固定具8を露出させても良い場合などにおいては、仕上げ材として第1実施形態の取り付け方法を用いることができる。
〔第2実施形態〕
第2実施形態に係る建築用面材1は、切欠き部26が設けられている点で第1実施形態と異なるが、その他の点は基本的に第1実施形態と同様である。
図12は、本発明の第2実施形態に係る建築用面材1の平面図である。図13は、本発明の第2実施形態に係る建築用面材1の底面図である。図14は、図13に示す建築用面材1の右側面図である。図15は、図14に示す建築用面材1の左側面図である。図16は、図12中のD−D線拡大断面図である。図17は、図12中のE−E線拡大断面図である。図18は、図12に示す建築用面材1の正面図である。図19は、図12に示す建築用面材1の背面図である。
図12から図19に示す、第2実施形態に係る建築用面材1は、主として仕上げ材として用いられるものである。この建築用面材1は、建築物の軸体に取り付けられるものであって、複数の略平行四辺形状の板材2がこれら板材2の長斜辺20同士が接するように並べられた状態で連結された略平行四辺形状である。各板材2は、一対の長斜辺20と一対の短辺21とを有する略平行四辺形状の板体である。各板材2の一対の短辺21には、それぞれ切欠き部26が設けられている。板材2の一対の長斜辺20には、隣接する板材2同士が嵌合可能な凹部4と凸部3が設けられ、この一方の板材2の凹部4と他方の板材2の凸部3が嵌合することにより、板材2同士が連結される。このようにして連結された建築用面材1には、連結方向10と平行な2辺にそれぞれ切欠き部26が形成される。したがって、図18および図19に示すように、建築用面材1における両方の切欠き部26の間に化粧部24が形成される。切欠き部26は、建築用面材1を建築物に取り付ける際に、固定具8を挿通させる部分となる。
切欠き部26の厚み(以下、「切欠き部厚み寸法27」という。)は、図14に示すように、板材2の最大厚み寸法23(板材厚み寸法23)から化粧部の厚み寸法25(以下、「化粧部厚み寸法25」という。)分を切欠いた厚みとなる。
板材厚み寸法23は18mm〜45mm、化粧部厚み寸法25は6mm〜18mm、切欠き部厚み寸法27は12mm〜27mmとするのが好ましい。例えば、厚み寸法23を30mm、化粧部厚み寸法25を18mm、切欠き部厚み寸法27を12mmとすることができる。切欠き部厚み寸法が12mmであると、第1実施形態で例示した板材厚み寸法23の12mmと同じ厚みとなる。この場合、第1実施形態と同様に、両サイド4mmずつを凹部4の両肩とし、中央の4mmを凸部3とすることができる。凸部3と凹部4は第1実施形態と同様に本実加工で複数の板材2を連結し、建築用面材1とすることができる。そして、図7に示すように第1実施形態と同様に、建築用面材1の凸部3と凹部4を連結し、床板や天井板や壁板とすることができる。第2実施形態に係る建築用面材1は、主として仕上げ材に用いられるので、比較的厚みのある化粧部24を形成して、建築用面材1の強度を高めることができる。
切断、配置、建築物のモジュール、角度αについては、第1実施形態と同様である。
以下に、第2実施形態の建築用面材1を床板として取り付ける方法を説明する。
図20は、第2実施形態に係る建築用面材を建築物に取り付けた状態の一例を示す図である。図21は、図20のF−F断面斜視図である。図22は、第2実施形態に係る建築用面材を建築物に取り付ける際に用いられる各種ジョイナーの説明図である。
図20および図21に示すように、建築用面材1における切欠き部26をそれぞれY軸体6(図21においては床梁)の上端面へ固定具8を打ち込んで取り付ける。具体的には、Y軸体6の上端面に切欠き部26を載置する。図21に示すように、取り付けられた建築用面材1における板体2の連結方向10とY軸体6の長手方向とが平行となる。
第2実施形態に係る建築用面材1を柱通り以外の部分に取り付ける場合は、図21中の左側に示すように、対向する建築用面材1の一方の建築用面材1の切欠き部26と、他方の建築用面材1の切欠き部26が、Y軸体6上に間隙9を有する状態で固定されている。つまり、対向する切欠き部26の間によって形成される間隙と、対向する化粧部24の間によって形成される間隙とを合わせたものが間隙9である。
この間隙9に、各種ジョイナーを設置することによって、固定具8が見えないようにすると共に、取り付けられる建築用面材1同士が面一になるようにする。
固定具8が見えないようにする各種ジョイナーは、次の3種類を例示することができる。
ジョイナー90は、図22(a)に示すように、対向する化粧部24間によって形成される間隙に対応するジョイナー90を嵌合させることができる。このようにすると安価な施工が可能になる。
小型ジョイナー91は、図22(b)に示すように、切欠き部26間から形成される間隙を埋めることを目的とし、切欠き部厚み寸法27と同じ厚さの板形状とした。小型ジョイナー91とジョイナー90を組み合わせると床材として強度が高いものとなる。
凸型ジョイナー92、図22(c)に示すように、ジョイナー90と小型ジョイナー91とを一体化させた。このようにすると、一つの部品で施工ができると共に強度の高いものとなる。
これらの各種ジョイナー90、91、92は、長尺木材を用いても良いし、短尺木材を連続的に設けてもよい。各種ジョイナー90、91、92は、接着剤などによって固定することができる。
第2実施形態に係る建築用面材1を柱通りに取り付ける場合は、図20に示すように、柱通りには、間柱70と管柱71等のZ軸体7が設けられている。
管柱71のX軸方向寸法が、間柱70のX軸方向寸法よりも大きい場合、以下のように対応することができる。
図21に示すように、管柱71は、中央部にホゾ部72を設け、その両脇にY軸体接触部73と切欠き部接触部74とが設けられている。
ホゾ部72は、Y軸体に設けられたホゾ穴に差し込まれるものである。Y軸体接触部73はホゾ部72の隣で、Y軸体6の上面に接触するものである。具体的には、嵌合する切欠き部26に対応する形状に管柱71が切欠かれている。このことから、Z軸方向において、ホゾ部72下端からY軸体接触部73までの寸法に切欠き部厚み寸法27を加えると、ホゾ部72下端から切欠き部接触部74までの寸法となるように設計することができる。つまり、管柱71を切欠き部厚み寸法27の分だけ切欠くことにより、切欠き部接触部74が形成されている。
また、第1実施形態と同様のモジュールであると第2実施形態の建築用面材1を形成する板材2は、
長斜辺20:1240mm 両端の20mmそれぞれは切欠き部
短辺21 :151mm
幅22 :107mm 鋭角 :45°
鈍角 :135° 枚数 :6枚
とすることができる。
第2実施形態に係る建築用面材1は、固定具8を各種ジョイナー90、91、92で隠すことが可能であるから、見栄えが良く、仕上げ材として用いることができる。
上述の第1実施形態および第2実施形態においては、長斜辺20が1000mm〜2000mm、短辺21が50mm〜300mmといった短尺材を板材2として用いており、これらをまとめて建築用面材1として切断することができる。つまり、材料費用が安い短尺材を、人件費のかからない少ない回数の切断作業で、建築用面材1に加工することができる。
以上のとおり、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、種々の追加、変更又は削除が可能である。したがって、そのようなものも本発明の範囲内に含まれる。
1 建築用面材
10 連結方向長さ
11 斜辺長さ
12 建築用面材幅
13 切断部
14 調整部
15 最短辺
16 連結方向辺
2 板材
20 長斜辺
21 短辺
22 幅
23 板材厚み寸法
24 化粧部
25 化粧部厚み寸法
26 切欠き部
27 切欠き部厚み寸法
3 凸部
4 凹部
5 X軸体
6 Y軸体
60 受け材
7 Z軸体
70 間柱
71 管柱
72 ホゾ部
73 Y軸体接触部
74 切欠き部接触部
8 固定具
9 間隙
90 ジョイナー
91 小型ジョイナー
92 凸型ジョイナー
M 芯芯寸法
N Y軸体幅寸法
α 角度

Claims (5)

  1. 建築物に取り付ける建築用面材(1)であって、建築用面材(1)は、略平行四辺形であり、少なくとも2枚以上の板材(2)を備えたものであり、板材(2)は、略平行四辺形であり、一対の長斜辺(20)と一対の短辺(21)とを備えたものであり、板材(2)の長斜辺(20)の一方の側面には凸部(3)が設けられており、もう一方の側面には凹部(4)が設けられており、建築用面材(1)の略平行四辺形は、凸部(3)と凹部(4)とが嵌合することにより、隣接する板材(2)同士を固定して形成されるものであることを特徴とする建築用面材。
  2. 板材(2)は、鋭角が30°〜60°、鈍角が120°〜150°、長斜辺(20)が1000mm〜2000mm、短辺(21)が50mm〜300mmであることを特徴とする請求項1に記載の建築用面材。
  3. 板材(2)は、鋭角が45°、鈍角が135°であることを特徴とする請求項2記載の建築用面材。
  4. 板材(2)の両短辺(21)それぞれには切欠き部(26)が形成されており、切欠き部(26)に固定具(8)を挿通させることで、建築用面材(1)は建築物に固定されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の建築用面材。
  5. 建築物が木造軸組工法によって建てられることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の建築用面材。
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