JP2016056156A - ピラゾリノン誘導体、その製法及びそれを有効成分として含有する除草剤 - Google Patents

ピラゾリノン誘導体、その製法及びそれを有効成分として含有する除草剤 Download PDF

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怜子 高綱
Reiko TAKATSUNA
怜子 高綱
直子 新倉
Naoko Niikura
直子 新倉
智子 松川
Tomoko Matsukawa
智子 松川
慎司 中村
Shinji Nakamura
慎司 中村
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Kenji Hirai
憲次 平井
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真一郎 河内
直樹 川西
Naoki Kawanishi
直樹 川西
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修 山田
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Abstract

【課題】優れた雑草防除効果と、その持続性及び作物−雑草間に優れた除草効果を有し、除草剤の有効成分として有用な化合物の提供。
【解決手段】式(1)で示されるピラゾリノン誘導体、その製造方法及びそれを含有する除草剤。
Figure 2016056156

[R1はハロゲン原子;R2及びR3は一体となって、トリメチレン基(−(CH23−)、テトラメチレン基(−(CH24−)、ペンタメチレン基(−(CH25−)又はオキシジエチレン基(−(CH22O(CH22−);R4はH又はハロゲン原子;R5aはH、(C1−C4アルキル)オキシカルボニル基の置換/未置換のC1−C6アルキル基、C1−C4ハロアルキル基、C3−C6シクロアルキル基、C3−C4アルケニル基、2−(C1−C4アルキルオキシ)−3−(C1−C4アルキルオキシカルボニル)−2−プロペニル基、又はハロゲン原子で置換/未置換のベンジル基]
【選択図】なし

Description

本発明は、新規なピラゾリノン誘導体、その製造方法及びそれを有効成分として含有する除草剤に関する。
これまで、作物の成長の妨げとなる有害な雑草を防除するための研究開発が広く進められ、除草剤の有効成分として有用な、雑草防除効果を有する数多くの化合物が見出されている。しかしながら、これらの化合物は、雑草防除効果やその効果の持続性あるいは作物−雑草間の選択性などの除草剤として望ましい性能において、決して十分満足できるものとは言えず、また、これら既存の除草剤には、既に耐性を示す雑草の存在が確認されているものもあることなどから、依然として新規な除草剤が切望されている。
本発明のピラゾリノン誘導体と類似の複素環を基本骨格とする除草剤としては、ピノキサデンなどのアセチルCoAカルボキシラーゼ(ACCase)阻害型の除草活性化合物が知られているが(特許文献1〜3参照)、このようなACCase阻害型除草剤においては、その基本骨格であるピラゾリノン環上の水酸基が活性の発現に必須の置換基であること、さらには、ベンゼン環上の置換基として、メチル基やエチル基に代表される電子供与性基がオルト位やパラ位に置換している点で、本発明の化合物とは異なる。
本発明のピラゾリノン誘導体は、ベンゾチアゾール環が炭素−炭素結合を介してピラゾリノン環4位に置換している点が特徴であり、クロロフィル生合成阻害活性(プロトポルフィリノーゲンIXオキシダーゼ阻害活性)を有する除草剤としてこれまでにない全く新しい構造である。
特表2002−506870号公報 特開平5−117240号公報 国際公開第1996−021652号パンフレット
本発明の目的は優れた雑草防除効果に加え、その効果の持続性や作物−雑草間の選択性等の除草剤として望ましい性能を兼ね備えた、除草剤の有効成分として有用な化合物を提供することにある。
本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、これまで知られていなかったピラゾリノン誘導体の中に優れた雑草防除効果に加え、除草剤の有効成分として望ましい優れたプロファイルを有しているものがあることを見いだし、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、
(i)一般式(1)
Figure 2016056156
[式中、R1は、ハロゲン原子を表し、R2及びR3は、一体となって、トリメチレン基(−(CH23−)、テトラメチレン基(−(CH24−)、ペンタメチレン基(−(CH25−)又はオキシジエチレン基(−(CH22O(CH22−)を表す。R4は、水素原子又はハロゲン原子を表し、R5aは、水素原子;(C1−C4アルキル)オキシカルボニル基で置換されていてもよいC1−C6アルキル基;C1−C4ハロアルキル基;C3−C6シクロアルキル基;C3−C4アルケニル基;2−(C1−C4アルキルオキシ)−3−(C1−C4アルキルオキシカルボニル)−2−プロペニル基;又はハロゲン原子で置換されていてもよいベンジル基を表す。]で示されるピラゾリノン誘導体;
(ii)一般式(1)中、R1が塩素原子であり、一体となったR2及びR3が、テトラメチレン基又はオキシジエチレン基であり、R4がフッ素原子又は塩素原子である前記(i)に記載のピラゾリノン誘導体
(iii)一般式(1)中、R5aが、シクロプロピルメチル基、メタリル基又は1−(メトキシカルボニル)プロピル基である前記(i)又は(ii)に記載のピラゾリノン誘導体;
(iv)一般式(1)で示される化合物が、5−クロロ−4−[2−(シクロプロピルメチルチオ)−6−フルオロベンゾチアゾール−5−イル]−1,2−テトラメチレン−4−ピラゾリン−3−オン、5−クロロ−4−[6−フルオロ−2−(メタリルチオ)ベンゾチアゾール−5−イル]−1,2−テトラメチレン−4−ピラゾリン−3−オン、2−[{5−(5−クロロ−3−オキソ−1,2−テトラメチレン−4−ピラゾリン−4−イル)−6−フルオロベンゾチアゾール−2−イル}チオ]ブタン酸メチルからなる群より選択される1つの化合物である前記(i)に記載のピラゾリノン誘導体;
(v)一般式(2)
Figure 2016056156
[式中、R1は、ハロゲン原子を表し、R2及びR3は、一体となって、トリメチレン基(−(CH23−)、テトラメチレン基(−(CH24−)、ペンタメチレン基(−(CH25−)又はオキシジエチレン基(−(CH22O(CH22−)を表す。R4は、水素原子又はハロゲン原子を表す。]で示されるピラゾリノン誘導体と、一般式(3)
Figure 2016056156
(式中、R6は、C1−C4アルキル基を表す。Mはアルカリ金属を表す。)で示されるキサントゲン酸塩を反応させ、一般式(1a)
Figure 2016056156
(式中、R1、R2、R3及びR4は、前記と同じ意味を表す。)で示されるピラゾリノン誘導体を得、次いで、塩基の存在下に一般式(4)
Figure 2016056156
(式中、R5bは、(C1−C4アルキル)オキシカルボニル基で置換されていてもよいC1−C6アルキル基;C1−C4ハロアルキル基;C3−C6シクロアルキル基;C3−C4アルケニル基;2−(C1−C4アルキルオキシ)−3−(C1−C4アルキルオキシカルボニル)−2−プロペニル基;又はハロゲン原子で置換されていてもよいベンジル基を表す。Laは脱離基を表す。)で示されるアルキル化剤と反応させることを特徴とする、一般式(1b)
Figure 2016056156
(式中、R1、R2、R3、R4及びR5bは、前記と同じ意味を表す。)で示されるピラゾリノン誘導体の製造方法;
(vi)前記(i)〜(iv)のいずれか一項に記載のピラゾリノン誘導体を有効成分として含有する除草剤;
(vii)畑地雑草防除用または水田雑草防除用である前記(vi)に記載の除草剤;
(viii)畑地雑草防除用であり、該畑地における作物が小麦、大豆又はトウモロコシである前記(vii)に記載の除草剤;
(ix)茎葉及び/又は土壌処理剤である前記(vi)〜(viii)のいずれか一項に記載の除草剤;
(x)前記(i)から(iv)のいずれか一項に記載のピラゾリノン誘導体の、雑草を防除するための使用;
(xi)前記(i)から(iv)のいずれか一項に記載のピラゾリノン誘導体の有効量を適用することを含む雑草防除方法;
等に関する。
本発明の新規なピラゾリノン誘導体は、優れた雑草防除効果を示し、その効果の持続性や作物−雑草間の選択性等の除草剤として望ましい優れたプロファイルを有している。このため除草剤の有効成分として有用である。
以下、本発明について詳細に説明する。
まず、前記一般式(1)、(1a)、(1b)及び後述する他の一般式において用いられるR1、R2、R3、R4、R5a、R5b及びR6について説明する。
1で表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等を例示することができる。除草活性が高い点で塩素原子及びフッ素原子が好ましく、塩素原子がさらに好ましい。
2及びR3は前記の通り、一体となってトリメチレン基(−(CH23−)、テトラメチレン基(−(CH24−)、ペンタメチレン基(−(CH25−)又はオキシジエチレン基(−(CH22O(CH22−)を表し、除草活性が高い点でテトラメチレン基、オキシジエチレン基が好ましい。
4で表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等を例示することができる。除草活性が高い点でフッ素原子、塩素原子が好ましく、フッ素原子がさらに好ましい。
5a及びR5bで表されるC1−C6アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基等を例示することができる。除草活性が高い点でメチル基、エチル基、プロピル基、tert−ブチル基、ネオペンチル基が好ましい。該アルキル基は、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソプロピルオキシカルボニル基等の(C1−C4アルキル)オキシカルボニル基で置換されていてもよく、具体的には、メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、1−(メトキシカルボニル)エチル基、1−(エトキシカルボニル)エチル基、1−(メトキシカルボニル)プロピル基、1−(エトキシカルボニル)プロピル基、1−(メトキシカルボニル)イソブチル基、1−(エトキシカルボニル)イソブチル基等を例示することができる。除草活性が高い点で、1−(メトキシカルボニル)エチル基、1−(エトキシカルボニル)エチル基、1−(メトキシカルボニル)プロピル基、1−(エトキシカルボニル)プロピル基が好ましい。
5a及びR5bで表されるC1−C4ハロアルキル基としては、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2−ジフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、3−フルオロプロピル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基等を例示することができる。除草活性が高い点で2,2−ジフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基が好ましい。
5a及びR5bで表されるC3−C6シクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、シクロブチル基、シクロブチルメチル基、シクロペンチル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシル基等を例示することができる。除草活性が高い点でシクロプロピル基、シクロプロピルメチル基が好ましい。
5a及びR5bで表されるC3−C4アルケニル基としては、アリル基、クロチル基、メタリル基、1−ブテン−3−イル基、3−ブテニル基等を例示することができる。除草活性が高い点でアリル基、クロチル基、メタリル基が好ましい。
5a及びR5bで表される2−(C1−C4アルキルオキシ)−3−(C1−C4アルキルオキシカルボニル)−2−プロペニル基としては、2−メトキシ−3−(メトキシカルボニル)−2−プロペニル基、2−エトキシ−3−(メトキシカルボニル)−2−プロペニル基、2−エトキシ−3−(メトキシカルボニル)−2−プロペニル基等を例示することができる。
5a及びR5bで表されるハロゲン原子で置換されていてもよいベンジル基としては、ベンジル基、2−フルオロベンジル基、3−フルオロベンジル基、4−フルオロベンジル基、2−クロロベンジル基、3−クロロベンジル基、4−クロロベンジル基、2,4−ジフルオロベンジル基、3,4−ジフルオロベンジル基、2,4−ジクロロベンジル基、3,5−ジクロロベンジル基等を例示することができる。
6で表されるC1−C4アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基等を例示することができ、容易に入手できる点で、メチル基、エチル基が好ましい。
本発明の化合物におけるR1、R2、R3、R4、R5a及びR5bについて、以下にさらに説明する。
1は前記のとおりハロゲン原子を表すところ、塩素原子及びフッ素原子が好ましく、塩素原子がより好ましい。
2及びR3は前記のとおり、一体となってトリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基又はオキシジエチレン基を表すところ、テトラメチレン基及びオキシジエチレン基が好ましい。
4は前記のとおりハロゲン原子を表すところ、フッ素原子及び塩素原子が好ましく、フッ素原子がより好ましい。
5a及びR5bは、シクロプロピルメチル基、1−(メトキシカルボニル)プロピル基、アリル基、メタリル基が好ましい。
上記R1、R2、R3、R4、R5a及びR5bにおける好ましい原子又は基を、2種又は3種以上同時に具備する本発明の化合物は好ましい。例えば、以下の化合物は好ましい:
・(ii)R1が塩素原子であり、一体となったR2及びR3がテトラメチレン基又はオキシジエチレン基であり、R4がフッ素原子又は塩素原子であり、かつ(iii)R5aがシクロプロピルメチル基、メタリル基又は1−(メトキシカルボニル)プロピル基である、化合物。当該化合物において、(iv)R1が塩素原子であり、一体となったR2及びR3がテトラメチレン基であり、R4はフッ素原子であり、R5は塩素原子であり、R5aはシクロプロピルメチル基、メタリル基又は1−(メトキシカルボニル)プロピル基である化合物は、より好ましい。
次に、本発明のピラゾリノン誘導体(以下、「本発明化合物」とも言う)の代表的な製造方法について説明するが、本発明はこれらの製造方法に限定されるものではない。
本発明化合物の一部であるピラゾリノン誘導体(1a)と本発明化合物の一部であるピラゾリノン誘導体(1b)は、例えば以下の製造方法−1により製造することができる。
製造方法−1
Figure 2016056156
(式中、R1、R2、R3、R4、R5b、R6、M及びLaは前記と同じ意味を表す。)
製造方法−1は、ピラゾリノン誘導体(2)とキサントゲン酸塩(3)とを反応させ、本発明化合物の一部であるピラゾリノン誘導体(1a)を製造する工程1−1と、ピラゾリノン誘導体(1a)とアルキル化剤(4)とを塩基の存在下に反応させて、本発明化合物の一部であるピラゾリノン誘導体(1b)を製造する工程1−2からなる。
工程1−1は、ピラゾリノン誘導体(2)とキサントゲン酸塩(3)とを反応させ、本発明化合物の一部であるピラゾリノン誘導体(1a)を製造する工程である。
工程1−1の反応は、有機溶媒中で実施することができる。有機溶媒としては反応に害を及ぼさない有機溶媒であれば使用することができ、1,4−ジオキサンやテトラヒドロフラン(以下、THFと略す)、ジメトキシエタン(以下、DMEと略す)、ジイソプロピルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒、アセトニトリルやプロピオニトリル等のニトリル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMFと略す)やN,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒、ジメチルスルホキシド(以下、DMSOと略す)等のスルホキシド系溶媒、さらにこれらの混合溶媒を例示することができる。
工程1−1の反応では、反応温度に特に制限はないが、室温から使用する溶媒の還流温度までの範囲で適宜選ばれた温度で反応させればよい。収率が良い点で、80から150℃の範囲から適宜選ばれた温度で反応させることが好ましい。
一般式(3)で示されるキサントゲン酸塩において、R6で表されるC1−C4アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基等を例示することができ、容易に入手できる点で、エチル基が好ましい。Mで表されるアルカリ金属としては、ナトリムやカリウムが例示できる。これらのキサントゲン酸塩(3)のうち、市販されていない一部の化合物については、当業者における一般的な化学的方法によって容易に調製することができる。
反応終了後、目的物を含む反応系から常法により目的物を単離し、必要に応じて再結晶、蒸留、カラムクロマトグラフィー等で精製することができる。また、得られた目的生成物を精製することなく、そのまま次の工程の原料として用いることができる場合もある。
工程1−2は、ピラゾリノン誘導体(1a)とアルキル化剤(4)とを塩基の存在下に反応させて、本発明化合物の一部であるピラゾリノン誘導体(1b)を製造する工程である。
工程1−2の反応は、塩基の存在下で実施する。塩基としては、トリエチルアミンやトリブチルアミン、ジメチルアミノピリジン、ピリジン等の有機塩基、水素化ナトリウムやナトリウムアミド、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機塩基、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシド類、メチルリチウムやブチルリチウム等のリチウム塩基等を例示することができる。収率が良い点で炭酸カリウム、炭酸セシウムなどの無機塩基が好ましい。工程1−2は、塩基を含む水層と有機層の二層系で反応を実施することもできる。この場合には、テトラブチルアンモニウムブロミドなどの第4級アンモニウム塩の存在下に実施することが、収率が良い点で好ましい。
工程1−2の反応は、有機溶媒中で実施することができる。有機溶媒としては反応に害を及ぼさない有機溶媒であれば使用することができ、1,4−ジオキサンやTHF、DME、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒、ベンゼンやトルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、ヘキサンやオクタン等の炭化水素系溶媒、アセトニトリルやプロピオニトリル等のニトリル系溶媒、DMFやN,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒、DMSO等のスルホキシド系溶媒、水、さらにこれらの混合溶媒を例示することができる。
反応温度に特に制限はないが、−78℃から使用する溶媒の還流温度までの範囲で適宜選ばれた温度で反応させればよい。
一般式(4)で示されるアルキル化剤において、Laで示される脱離基としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、トリフルオロアセチルオキシ基等のアシルオキシ基、メチルスルホニルオキシ基、トリフルオロメチルスルホニルオキシ基、フェニルスルホニルオキシ基、4−メチルフェニルスルホニルオキシ基等の置換スルホニルオキシ基を例示することができる。入手あるいは合成が容易で、収率が良い点で、塩素原子、ヨウ素原子、臭素原子等のハロゲン原子や、トリフルオロメチルスルホニルオキシ基などの置換スルホニルオキシ基が好ましい。
アルキル化剤(4)のうち、市販されていない一部の化合物については、当業者における一般的な化学的方法によって容易に調製することができる。
反応終了後、目的物を含む反応系から常法により目的物を単離し、必要に応じて再結晶、蒸留、カラムクロマトグラフィー等で精製することができる。
製造方法−1の出発物質であるピラゾリノン誘導体(2)は、例えば以下の製造方法−2により製造することができる。
製造方法−2
Figure 2016056156
(式中、R1、R2、R3及びR4は前記と同じ意味を表す。Xは、ハロゲン原子を表す。)
製造方法−2は、臭化ベンゼン類(5)から調製したGrignard(グリニヤール)試薬にシュウ酸ジエチルを反応させて、2−置換フェニル−2−オキソ酢酸エチル(6)を製造する工程2−1、2−置換フェニル−2−オキソ酢酸エチル(6)のα位のカルボニル基を、トリフェニルホスフィンとR1 2CX2(7)から調製したWittig(ウィッティヒ)試薬で処理してジハロメチレン化して2−(置換フェニル)アクリル酸エチル(8)を製造する工程2−2、2−(置換フェニル)アクリル酸エチル(8)と置換ヒドラジン類(9)を反応させてピラゾリノン誘導体(10)を製造する工程2−3、ピラゾリノン誘導体(10)のベンゼン環をニトロ化してピラゾリノン誘導体(11)を製造する工程2−4、及び、ピラゾリノン誘導体(11)を還元することにより、製造方法−1の出発物質となるピラゾリノン誘導体(2)を製造する工程2−5からなる。
工程2−1は、臭化ベンゼン類(5)から調製したGrignard(グリニヤール)試薬にシュウ酸ジエチルを反応させて、2−置換フェニル−2−オキソ酢酸エチル(6)を製造する工程である。
臭化ベンゼン類(5)のグリニヤール試薬は、一般的なグリニヤール試薬の調製方法に準じて調製することができる。金属マグネシウムに有機溶媒を加え、次いで臭化ベンゼン類(5)を加えて撹拌することにより、容易に調製することできる。有機溶媒としては、THF、DME、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒を用いることができ、収率が良い点でTHFが好ましい。反応温度に特に制限は無く、室温で充分に反応は進行するが、必要に応じて加熱してもよい。また、触媒量のヨウ素を添加することにより、反応を促進することができる。
また、臭化ベンゼン類(5)のグリニヤール試薬は、一般的な化学的手法であるグリニヤール交換反応よっても調製することができ、例えば、イソプロピルマグネシウムクロリドとの反応によって調製することができる。臭化ベンゼン類(5)の溶液(例えばTHF溶液)に、低温下でイソプロピルマグネシウムクロリドのTHF溶液を加え、徐々に室温まで昇温させながら反応させることにより、臭化ベンゼン類(5)のグリニヤール試薬を調製することができる。有機溶媒としては、THFの他、DMEやジエチルエーテル等のエーテル系溶媒を用いることができ、収率が良い点でTHFが好ましい。
さらに、臭化ベンゼン類(5)の代わりに置換フェニルヨージドを用いてもグリニヤール試薬が調製できることは、当業者において周知であり、市販されている置換フェニルヨージド、あるいは市販の原料から容易に調製可能な置換フェニルヨージドを用いることができる。
調製した臭化ベンゼン類(5)のグリニヤール試薬は、単離すること無く、溶液のままシュウ酸ジエチルと反応させることができる。すなわち、例えばシュウ酸ジエチルの、例えばTHF溶液に、調製したグリニヤール試薬を低温下で加え、徐々に室温まで昇温させながら反応させることにより、目的とする2−置換フェニル−2−オキソ酢酸エステル(6)を製造することができる。また、調製したグリニヤール試薬の溶液にシュウ酸ジエチルの溶液(例えばTHF溶液)を低温下で加え、徐々に室温まで昇温させながら反応させることにより、目的とする2−置換フェニル−2−オキソ酢酸エチル(6)を製造することができる。有機溶媒としては、THF、DME、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒を用いることができ、収率が良い点でTHFが好ましい。反応温度に特に制限は無いが、過激な反応を抑制するために、反応初期は−40から−78℃程度の低温下で実施し、徐々に室温まで昇温させながら反応させることが、収率が良い点で好ましい。
工程2−1に用いる臭化ベンゼン類(5)のうち、一部の市販されていない化合物については、ベンゼン環上に所望の置換基を有するように、相応しい市販化合物から、当業者において一般的な化学的方法によって簡便に調製することができる。
反応終了後、目的物を含む反応系から常法により目的物を単離し、必要に応じて再結晶、蒸留、カラムクロマトグラフィー等で精製することにより目的物を製造することができる。また、得られた目的生成物を精製することなく、そのまま次の工程の原料として用いることができる場合もある。
工程2−2は、2−置換フェニル−2−オキソ酢酸エチル(6)のα位のカルボニル基を、トリフェニルホスフィンとR1 2CX2(7)から調製したWittig(ウィッティヒ)試薬で処理してジハロメチレン化して2−(置換フェニル)アクリル酸エチル(8)を製造する工程である。
1が塩素原子である2−(置換フェニル)アクリル酸エチル(8)は、トリフェニルホスフィンと四塩化炭素(一般式(7)においてR1=X=Cl)から調製したウィッティヒ試薬のジクロロメチレントリフェニルホスホラン(リンイリド)と、2−置換フェニル−2−オキソ酢酸エチル(6)を反応させることにより、容易に製造することができる。
ジクロロメチレントリフェニルホスホランは、トリフェニルホスフィンと四塩化炭素を、例えばジクロロメタンなどの有機溶媒中で0℃から室温程度の温度で反応させることにより、容易に調製することができる。ジクロロメチレントリフェニルホスホランと2−置換フェニル−2−オキソ酢酸エチル(6)との反応は、室温から100℃程度の加熱条件下で実施することができる。反応は有機溶媒中で行うことができ、反応に害を及ぼさない溶媒であれば特に制限は無く使用することができ、ジクロロメタンやクロロホルム等のハロンゲン系溶媒が、収率が良い点で好ましい。反応終了後は通常の後処理により2−(置換フェニル)アクリル酸エチル(8)を得ることができ、シリカゲルカラムクロマトグラフィーあるいは蒸留等により精製することができる。
リンイリドの調製に用いる第三級ホスフィンとしては、トリフェニルホスフィンに限定されるものではないが、入手容易であり、収率も良い点でトリフェニルホスフィンが好ましい。
1がフッ素原子である2−(置換フェニル)アクリル酸エチル(8)は、ウィッティヒ試薬であるジフルオロメチレントリフェニルホスホランと、2−置換フェニル−2−オキソ酢酸エチル(6)を反応させることにより、容易に製造することができる。
ジフルオロメチレントリフェニルホスホランを用いるα−ケトエステル類のジフルオロメチレン化反応としては、クロロジフルオロ酢酸ナトリウムとトリフェニルホスフィンから調製したジフルオロメチレントリフェニルホスホランを用いる方法(米国特許4001301号公報、国際公開第2001−095721号パンフレット、特開2004−503475号公報)が開示されている。また、ジブロモジフルオロメタンとトリフェニルホスフィンをN,N−ジメチルアセトアミド溶液中で反応させてホスホニウム塩を形成させ、次いで粉末亜鉛を加えてジフルオロメチレントリフェニルホスホランを調製し、α−ケトエステル類のジフルオロメチレン化反応に利用する方法(特開2008−195678号公報、特開2008−195679号公報)が開示されている。工程2−2では、これらの特許文献に記載された方法に準じて反応を行うことにより、目的とするR1がフッ素原子の2−(置換フェニル)アクリル酸エチル(8)を容易に製造することができる。
また、工程2−2において、一般式(7)で表される化合物として、ジブロモジフルオロメタンの代わりにトリクロロフルオロメタンを用いてクロロフルオロメチレントリフェニルホスホランを調製し、2−置換フェニル−2−オキソ酢酸エチル(6)を反応させることにより、2個のR1のうち、一方が塩素原子、他方がフッ素原子である2−(置換フェニル)アクリル酸エチル(8)を製造することができる。
反応終了後、目的物を含む反応系から常法により目的物を単離し、必要に応じて再結晶、蒸留、カラムクロマトグラフィー等で精製することにより目的物を製造することができる。また、得られた目的生成物を精製することなく、そのまま次の工程の原料として用いることができる場合もある。
工程2−3は、2−(置換フェニル)アクリル酸エチル(8)と置換ヒドラジン類(9)又はその化学的に許容される塩を、場合によっては塩基の存在下に反応させることにより、ピラゾリノン誘導体(10)を製造する工程である。
工程2−3で用いる置換ヒドラジン類(9)の具体的な例としては、ピラゾリジン、ヘキサヒドロピリダジン、1,2−ジアザシクロヘプタン、1,4,5−オキサジアゼパン等を例示することができる。これらの置換ヒドラジン類は、そのまま反応に用いることができるが、塩酸塩や硫酸塩等の化学的に許容される塩も反応に使用することができる。置換ヒドラジン類(9)は一部市販されているが、例えばヘキサヒドロピリダジンは既知の方法(特開平8−109170号公報、特開平10−29981号公報)によって容易に製造することができる。
工程2−3の反応は、溶媒中で実施することができる。溶媒としては反応に害を及ぼさない溶媒であれば使用することができ、1,4−ジオキサンやTHF、DME、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒、ベンゼンやトルエン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、ヘキサンやオクタン等の炭化水素系溶媒、アセトンやメチルエチルケトン、ジエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、酢酸エチルやプロピオン酸エチル等のエステル系溶媒、アセトニトリルやプロピオニトリル等のニトリル系溶媒、DMFやN,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒、DMSO等のスルホキシド系溶媒、水、さらにこれらの混合溶媒を例示することができる。好ましくは、1,4−ジオキサンやTHF等のエーテル系溶媒を例示することができる。
反応温度に特に制限は無く、室温から使用する溶媒の還流温度までの範囲で適宜選ばれた温度で実施することができる。
反応を実施する際に塩基を添加することにより、反応を促進することもできる。塩基としては、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン等の有機塩基、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機塩基、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシド類を例示することができる。好ましくは、トリエチルアミン等の有機塩基や、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム等の無機塩基を例示することができる。また、置換ヒドラジン類(9)の塩を用いる場合には、塩を形成する酸に見合う量以上の塩基を添加して反応させることが、反応時間が短く、収率が良い点で好ましい。
反応終了後、目的物を含む反応系から常法により目的物を単離し、必要に応じて再結晶、蒸留、カラムクロマトグラフィー等で精製することにより目的物を製造することができる。また、得られた目的生成物を精製することなく、そのまま次の工程の原料として用いることができる場合もある。
工程2−4は、ピラゾリノン誘導体(10)のベンゼン環をニトロ化してピラゾリノン誘導体(11)を製造する工程である。
工程2−4のニトロ化は、例えば、濃硫酸中で濃硝酸と濃硫酸から調製した混酸を用いてニトロ化する方法や、無溶媒あるいはジクロロメタン等の溶媒中で発煙硝酸を用いてニトロ化する方法を利用することができる。反応条件等については特に制限は無く、ベンゼン環をニトロ化する一般的な方法に準じて実施することにより、収率及び位置選択性良く目的とするピラゾリノン誘導(11)を製造することができる。
反応終了後、目的物を含む反応系から常法により目的物を単離し、必要に応じて再結晶、蒸留、カラムクロマトグラフィー等で精製することにより目的物を製造することができる。また、得られた目的生成物を精製することなく、そのまま次の工程の原料として用いることができる場合もある。
工程2−5は、ピラゾリノン誘導体(11)を還元することにより、製造方法−1の出発物質となるピラゾリノン誘導体(2)を製造する工程である。
工程2−5のニトロ基の還元は、水素ガスやヒドラジンを用いる接触還元や、鉄やスズ、亜鉛等の金属あるいは金属化合物を用いる金属還元を用いることができる。
接触還元では、パラジウムや白金、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、オスミウム等の金属触媒を用いる。パラジウム触媒としては、パラジウムブラック、パラジウム担持炭素等を、白金触媒としては、白金担持炭素、酸化白金(IV)水和物等を、ニッケル触媒としては、ラネーニッケル等を、ルテニウムやロジウム、オスミウムの金属触媒としては、ルテニウム担持炭素、ロジウム担持炭素、オスミウム担持炭素等を例示することができる。金属触媒の添加量は、ピラゾリノン誘導体(11)に対して通常0.0001〜10モル%、好ましくは0.1〜1.0モル%程度であればよい。
水素ガスを還元剤として用いる場合、水素ガスの圧力に特に制限は無く、必要に応じて加圧してもよく、その場合は通常0.1〜1MPa、好ましくは0.1〜0.5MPaの範囲で適宜選ばれた圧力で反応させればよい。ヒドラジンを還元剤として用いる場合には、ピラゾリノン誘導体(11)1モルに対して1〜25モルのヒドラジンを用いることにより、収率よく目的物を得ることができる。
還元反応は、通常20〜100℃、好ましくは40〜80℃の範囲で適宜選ばれた反応温度で実施すればよい。
接触還元の反応では、必要に応じて適宜反応溶媒が用いられる。反応溶媒としては、例えば水の他、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等のアルコール系溶媒、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒、ジエチルエーテル、DME、ジエトキシエタン、THF等のエーテル系溶媒、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の炭化水素系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒等の有機溶媒が挙げられ、メタノール、酢酸エチル、THF、トルエン等が好ましい。これら反応溶媒は単独で用いても、二種以上適宜組み合わせて用いてもよい。
鉄やスズ、亜鉛等の金属あるいは金属化合物を用いる金属還元では、それぞれの金属に適した反応条件を適宜選択して反応を実施することにより、収率よく目的物を得ることができる。例えば、鉄−酢酸、鉄−塩酸、スズ−塩酸、亜鉛−塩酸等を用いればよい。反応には、必要に応じて適宜反応溶媒が用いられる。
反応終了後、目的物を含む反応系から常法により目的物を単離し、必要に応じて再結晶、蒸留、カラムクロマトグラフィー等で精製することにより目的のピラゾリノン誘導体(2)を製造することができる。また、得られた目的生成物を精製することなく、そのまま次の工程の原料として用いることができる場合もある。
次に、本発明のピラゾリノン誘導体を有効成分とする本発明の除草剤及びその使用方法について説明する。
本発明のピラゾリノン誘導体は優れた雑草防除効果を有し、除草剤の有効成分として使用することができる。また、良好な残効性や作物−雑草間の選択性等の優れたプロファイルを有している。
本発明のピラゾリノン誘導体は、水田、畑、樹園地、湿地等に発生する1年生、越年生及び多年生の雑草を防除するのに有用である。より具体的には、メヒシバ、エノコログサ、イヌビエ、スズメノテッポウ、カラスムギ、アオビユ、スベリヒユ、アオゲイトウ、イチビ、シロザ、イヌタデ、マルバアサガオ、マメアサガオ、ヒメオドリコソウ、ホトケノザ、オナモミ、ブタクサ、ヤエムグラ、ハコベ、ナズナ、ヨモギ、オオイヌノフグリ等の畑地雑草や、タイヌビエ、タマガヤツリ、マツバイ、イヌホタルイ、ミズガヤツリ、クログワイ、コナギ、アゼナ、キカシグサ、ミズアオイ、ヒメミソハギ、ミゾハコベ、ウリカワ、オモダカ、アメリカアゼナ、タカサブロウ、イボクサ等の水田雑草等を防除することができる。
また本発明のピラゾリノン誘導体は、トウモロコシ、コムギ、ダイズ等の栽培作物に対して良好な選択性を有しており、各種の栽培作物(例えば、トウモロコシ、コムギ、オオムギ、イネ、ダイズ、ナタネ、テンサイ、綿花等)を適用作物とした除草剤としての優れたプロファイルを有する。
本発明のピラゾリノン誘導体は、出芽前及び出芽後にある雑草に対して優れた除草効果を示すことから、除草剤として用いるにあたっては、作物等の植え付け予定地に予め処理するか、あるいは作物等の植え付け後、雑草の発生始期から生育期に処理することで、本発明のピラゾリノン誘導体の特徴ある生理活性をより効果的に発揮させることができる。しかし本発明の除草剤は、このような態様での使用に限定されるものではなく、例えば、畑地、水田、水田刈り取り跡、休耕田畑、畦畔、農道、水路、牧草造成地、墓地、公園、道路、運動場、建物の周辺の空き地、開墾地、線路端又は森林等の雑草の駆除のために使用することもできる。この場合、雑草の発生始期までに処理するのが経済的にも最も有利かつ効果的であるが、必ずしもこれに限定されず、生育期にある雑草も防除することが可能である。
本発明のピラゾリノン誘導体を除草剤として使用するにあたっては、農薬製剤上の常法に従い、使用上都合の良い形状に製剤して使用すればよい。一般には、本発明のピラゾリノン誘導体を、適当な液体担体あるいは固体担体に適当な割合に配合して、溶解、分散、懸濁、混合、含浸若しくは吸着させ、使用目的に叶った剤形に製剤化して使用する。
本発明の除草剤の製剤形態としては、例えば、水和剤、顆粒水和剤、水溶剤、乳剤、液剤、油剤、噴霧剤、粉剤、DL(ドリフトレス)型粉剤、粒剤、微粒剤、微粒剤F、細粒剤F、フロアブル剤、ドライフロアブル剤、ジャンボ剤、錠剤、ペースト剤等を挙げることができる。
これらの製剤は、必要に応じて、例えば乳化剤、分散剤、展着剤、浸透剤、湿潤剤、結合剤、増粘剤、防腐剤、酸化防止剤、着色剤等の補助剤を適当な割合で更に添加され、公知の方法で調製することができる。
製剤化する際に使用される液体担体としては、例えば、水;メタノールやエタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール等のアルコール類;アセトンやメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ジオキサンやテトラヒドロフラン、ジプロピルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類;ヘキサンやオクタン、シクロヘキサン、灯油、燃料油、機械油等の脂肪族炭化水素類;ベンゼンやトルエン、キシレン、ソルベントナフサ、メチルナフタレン等の芳香族炭化水素類:ジクロロメタンやクロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類;DMFやジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の酸アミド類、酢酸エチルや酢酸ブチル、フタル酸ジイソプロピル、フタル酸ジブチル、脂肪酸グリセリンエステル等のエステル類;アセトニトリルやプロピオニトリル等のニトリル類;ジメチルスルホキシド類等のスルホキシド類;等を挙げることができる。これらの液体担体は単独若しくは二種以上を適当な比率で混合して使用することもできる。
製剤化する際に使用される固体担体としては、カオリンやベントナイト、酸性白土、クレイ等の粘土類、滑石粉やろう石粉等のタルク類、珪藻土やホワイトカーボン、雲母粉等のシリカ類等の鉱物性粉末;大豆粉やCMC、タバコ粉、小麦粉(穀物粉)、木粉等の植物性粉末;炭酸カルシウムや重炭酸ナトリウム、塩化カリウム、硫酸アンモニウム、硫酸カリウム等の無機塩類;乳糖やブドウ糖等の糖類;アルミナや活性炭等のその他の固体担体;等が挙げられる。これらの固体担体は単独で若しくは二種以上を適当な割合で混合して使用することもできる。
製剤化する際に使用する液体担体又は固体担体は、製剤全体に対して通常1〜99重量%、好ましくは約10〜99重量%の割合で用いられる。
製剤化する際には、目的に応じて、乳化剤、分散剤、展着剤、浸透剤、湿潤剤等の補助剤を使用する。補助剤は、用途に応じて一種又は二種以上を併用してもよいが、全く使用しないことも可能である。担体への有効成分の乳化、分散、可溶化及び/又は湿潤の目的で、通常界面活性剤が用いられる。
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸エステル、しょ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等の非イオン系界面活性剤;アルキル硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテルスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルリン酸エステル塩、リグニンスルホン酸塩、ナフタレンスルホネートホルムアルデヒド重縮合物等のアニオン性界面活性剤;アルキルトリメチルアンモニウムクロリド(C1218),メチル・ポリオキシエチレン・アルキルアンモニウムクロリド(C1218),アルキル・N−メチルピリジウムブロミド(C1218),モノ又はジアルキル(C1218)メチル化アンモニウムクロリド,アルキル(C1218)ペンタメチルプロピレンジアミンジクロリド等のアンモニウム型界面活性剤や、アルキルジメチルベンザルコニウムクロリド(C1218),ベンゼトニウムクロリド(オクチルフェノキシエトキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロリド)等のベンザルコニウム型界面活性剤等のカチオン系界面活性剤;ジアルキル(C812)ジアミノエチルベタイン、アルキル(C1218)ジメチルベンジルベタイン、ジアルキル(C812)ジアミノエチルグリシン、アルキル(C1218)ジメチルベンジルグリシン等の両性系界面活性剤などが挙げられる。これらの界面活性剤は、用途に応じて一種又は二種以上を用いることができる。また、界面活性剤は、製剤全体に対して通常0.1〜50重量%、好ましくは約0.1〜25重量%の割合で用いられる。
結合剤及び増粘剤としては、例えば、デキストリン、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、ポリカルボン酸系高分子化合物、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、リグニンスルホン酸ナトリウム、リグニンスルホン酸カルシウム、ポリアクリル酸ナトリウム、アラビアガム、アルギン酸ナトリウム、マンニトール、ソルビトール、ベントナイト系鉱物質、ポリアクリル酸とその誘導体、ホワイトカーボン、天然の糖類誘導体(例えば、キサンタンガム、グアーガム等)等が挙げられる。
本発明の除草剤における本発明のピラゾリノン誘導体の含有割合は、使用目的によって適宜加減すればよいため特に制限されないが、通常0.01〜90重量%程度であり、例えば、乳剤、水和剤、顆粒水和剤、液剤、水溶剤、フロアブル剤等では、1〜90重量%の割合であり、油剤、粉剤、DL型粉剤等では通常、0.01〜10重量%の割合であり、微粒剤、微粒剤F、細粒剤F、粒剤等では通常、0.05〜10重量%の割合である。乳剤、水和剤、顆粒水和剤、液剤、水溶剤、フロアブル剤等は、通常は水等で適宜希釈して使用され、通常は約100〜100,000倍に希釈して使用する。
次に、本発明の除草剤の使用方法について説明する。本発明の除草剤は、土壌散布、水面散布、茎葉散布、空中散布等、公知の農薬の施用方法にて用いることができる。
本発明の除草剤を畑地又は水田用の除草剤として用いる場合の使用量(すなわち、有効量)は、適用地域、適用時期、施用方法、対象草種、栽培作物等を考慮して適宜設定すれば良いが、通常、本発明化合物として畑地又は水田1ヘクタールあたり1〜5000g程度、好ましくは10〜1000g程度である。
本発明の除草剤は、畑地雑草防除用としては通常、出芽前土壌混和処理剤、出芽前土壌処理剤又は出芽後茎葉処理剤として使用される。水田雑草防除用としては通常、湛水土壌処理剤又は茎葉兼土壌処理剤として使用される。
また、本発明の除草剤は、必要に応じて、1種又は2種以上の他の除草剤、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺菌剤、植物成長調節剤等との混合使用又は併用することもできる。本発明の除草剤は、これらの1種又は2種以上の除草剤、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺菌剤、植物成長調節剤等の他の有効成分を配合していてもよいし、これらの他の有効成分と混合して使用してもよい。
本発明化合物と同時に施用及び/又は配合して使用することのできる、他の除草剤の有効成分としては、例えば、
(1)フェノキシ脂肪酸系除草性化合物[2,4−PA、MCP、MCPB、フェノチオール、メコプロップ、フルロキシピル、トリクロピル、クロメプロップ、ナプロアニリド等]、
(2)安息香酸系除草性化合物[2,3,6−TBA、ジカンバ、クロピラリド、ピクロラム、アミノピラリド、キンクロラック、キンメラック等]、
(3)尿素系除草性化合物[ジウロン、リニュロン、クロルトルロン、イソプロツロン、フルオメツロン、イソウロン、テブチウロン、メタベンズチアズロン、クミルロン、ダイムロン、メチルダイムロン等]、
(4)トリアジン系除草性化合物[アトラジン、アメトリン、シアナジン、シマジン、プロパジン、シメトリン、ジメタメトリン、プロメトリン、メトリブジン、トリアジフラム等]、
(5)ビピリジニウム系除草性化合物[パラコート、ジクワット等]、
(6)ヒドロキシベンゾニトリル系除草性化合物[ブロモキシニル、アイオキシニル等]、
(7)ジニトロアニリン系除草性化合物[ペンディメタリン、プロジアミン、トリフルラリン等]、
(8)有機リン系除草性化合物[アミプロホスメチル、ブタミホス、ベンスリド、ピペロホス、アニロホス、グリホサート、グルホシネート、グルホシネート−P、ビアラホス等]、
(9)カーバメート系除草性化合物[ジアレート、トリアレート、EPTC、ブチレート、ベンチオカーブ、エスプロカルブ、モリネート、ジメピペレート、スエップ、クロルプロファム、フェンメディファム、フェニソファム、ピリブチカルブ、アシュラム等]、
(10)酸アミド系除草性化合物[プロパニル、プロピザミド、ブロモブチド、エトベンザニド等]、
(11)クロロアセトアニリド系除草性化合物[アセトクロール、アラクロール、ブタクロール、ジメテナミド、プロパクロール、メタザクロール、メトラクロール、プレチラクロール、テニルクロール、ペトキサミド等]、
(12)ジフェニルエーテル系除草性化合物[アシフルオルフェン、ビフェノックス、オキシフルオルフェン、ラクトフェン、フォメサフェン、クロメトキシニル、アクロニフェン等]、
(13)環状イミド系除草性化合物[オキサジアゾン、シニドンエチル、カルフェントラゾンエチル、スルフェントラゾン、フルミクロラックペンチル、フルミオキサジン、ピラフルフェンエチル、オキサジアルギル、ペントキサゾン、フルチアセットメチル、ブタフェナシル、ベンズフェンジゾン、ベンカルバゾン、サフルフェナシル等]、
(14)ピラゾール系除草性化合物[ベンゾフェナップ、ピラゾレート、ピラゾキシフェン、トプラメゾン、ピラスルホトール等]、
(15)トリケトン系除草性化合物[イソキサフルトール、ベンゾビシクロン、スルコトリオン、メソトリオン、テンボトリオン、テフリルトリオン等]、
(16)アリールオキシフェノキシプロピオン酸系除草性化合物[クロジナホッププロパルギル、シハロホップブチル、ジクロホップメチル、フェノキサプロップエチル、フルアジホップブチル、ハロキシホップメチル、キザロホップエチル、メタミホップ等]、
(17)トリオンオキシム系除草性化合物[アロキシジム、セトキシジム、ブトロキシジム、クレソジム、クロプロキシジム、シクロキシジム、テプラロキシジム、トラルコキシジム、プロフォキシジム等]、
(18)スルホニル尿素系除草性化合物[クロルスルフロン、スルホメツロンメチル、メトスルフロンメチル、クロリムロンエチル、トリベニュロンメチル、トリアスルフロン、ベンスルフロンメチル、チフェンスルフロンメチル、ピラゾスルフロンエチル、プリミスルフロンメチル、ニコスルフロン、アミドスルフロン、シノスルフロン、イマゾスルフロン、リムスルフロン、ハロスルフロンメチル、プロスルフロン、エタメトスルフロンメチル、トリフルスルフロンメチル、フラザスルフロン、シクロスルファムロン、フルピルスルフロン、スルホスルフロン、アジムスルフロン、エトキシスルフロン、オキサスルフロン、ヨードスルフロンメチルナトリウム、フォラムスルフロン、メソスルフロンメチル、トリフロキシスルフロン、トリトスルフロン、オルソスルファムロン、フルセトスルフロン、プロピリスルフロン等]、
(19)イミダゾリノン系除草性化合物[イマザメタベンズメチル、イマザメタピル、イマザモックス、イマザピル、イマザキン、イマゼタピル等]、
(20)スルホンアミド系除草性化合物[フルメトスラム、メトスラム、ジクロスラム、フロラスラム、クロランスラムメチル、ペノキススラム、ピロキススラム等]、
(21)ピリミジニルオキシ安息香酸系除草性化合物[ピリチオバックナトリウム、ビスピリバックナトリウム、ピリミノバックメチル、ピリベンゾキシム、ピリフタリド、ピリミスルファン等]、
(22)その他の系統の除草性化合物[ベンタゾン、ブロマシル、ターバシル、クロルチアミド、イソキサベン、ジノセブ、アミトロール、シンメチリン、トリジファン、ダラポン、ジフルフェンゾピルナトリウム、ジチオピル、チアゾピル、フルカルバゾンナトリウム、プロポキシカルバゾンナトリウム、メフェナセット、フルフェナセット、フェントラザミド、カフェンストロール、インダノファン、オキサジクロメホン、ベンフレセート、ACN、ピリデート、クロリダゾン、ノルフルラゾン、フルルタモン、ジフルフェニカン、ピコリナフェン、ベフルブタミド、クロマゾン、アミカルバゾン、ピノキサデン、ピラクロニル、ピロキサスルホン、チエンカルバゾンメチル、アミノシクロピラクロール、イプフェンカルバゾン等]等が挙げられ、
植物生長調節剤の有効成分としては、例えば、ヒメキサゾール、パクロブトラゾール、ウニコナゾール−P、イナベンフィド、プロヘキサジオンカルシウム、アビグリシン、1−ナフチルアセトアミド、アブシジン酸、インドール酪酸、エチクロゼート、エテホン、クロキシホナック、クロルメコート、ジクロルプロップ、ジベレリン、プロヒドロジャスモン、ベンジルアミノプリン、ホルクロルフェニュロン、マレイン酸ヒドラジド、過酸化カルシウム、メピコートクロリド、4−CPA等が挙げられ、
殺菌剤の有効成分としては、例えば、
(1)ポリハロアルキルチオ系殺菌性化合物[キャプタン、フォルペット等]、
(2)有機リン系殺菌性化合物[IBP、EDDP、トルクロフォスメチル等]、
(3)べンズイミダゾール系殺菌性化合物[ベノミル、カルベンダジム、チオファネートメチル、チアベンダゾール等]、
(4)カルボキシアミド系殺菌性化合物[カルボキシン、メプロニル、フルトラニル、チフルザミド、フラメトピル、ボスカリド、ペンチオピラド等]、
(5)ジカルボキシイミド系殺菌性化合物[プロシミドン、イプロジオン、ビンクロゾリン等]、
(6)アシルアラニン系殺菌性化合物[メタラキシル等]、
(7)アゾール系殺菌性化合物[トリアジメフォン、トリアジメノール、プロピコナゾール、テブコナゾール、シプロコナゾール、エポキシコナゾール、プロチオコナゾール、イプコナゾール、トリフルミゾール、プロクロラズ、ペンコナゾール、フルシラゾール、ジニコナゾール、ブロムコナゾール、ジフェノコナゾール、メトコナゾール、テトラコナゾール、マイクロブタニル、フェンブコナゾール、ヘキサコナゾール、フルキンコナゾール、トリティコナゾール、ビテルタノール、イマザリル、フルトリアホール等]、
(8)モルフォリン系殺菌性化合物[ドデモルフ、トリデモルフ、フェンプロピモルフ等]、
(9)ストロビルリン系殺菌性化合物[アゾキシストロビン、クレソキシムメチル、メトミノストロビン、トリフロキシストロビン、ピコキシストロビン、ピラクロストロビン、フルオキサストロビン、ジモキシストロビン等]、
(10)抗生物質系殺菌性化合物[バリダマイシンA、ブラストサイジンS、カスガマイシン、ポリオキシン等]、
(11)ジチオカーバメート系殺菌性化合物[マンコゼブ、マネブ、チウラム等]、
(12)その他の殺菌性化合物[フサライド、プロベナゾール、イソプロチオラン、トリシクラゾール、ピロキロン、フェリムゾン、アシベンゾラルSメチル、カルプロパミド、ジクロシメット、フェノキサニル、チアジニル、ジクロメジン、テクロフタラム、ペンシクロン、オキソリニック酸、TPN、トリフォリン、フェンプロピジン、スピロキサミン、フルアジナム、イミノオクタジン、フェンピクロニル、フルジオキソニル、キノキシフェン、フェンヘキサミド、シルチオファム、プロキナジド、シフルフェナミド、塩基性硫酸銅カルシウム、ジクロフルアニド、シプロジニル、ピリメタニル、メパニピリム、ジエトフェンカルブ、ピリベンカルブ、ファモキサドン、フェナミドン、ゾキサミド、エタボキサム、アミスルブロム、イプロバリカルブ、ベンチアバリカルブ、シアゾファミド、マンジプロパミド、メトラフェノン、フルオピラム、ビキサフェン等]等が挙げられ、
殺虫剤の有効成分としては、例えば、
(1)有機リン系殺虫性化合物[フェンチオン、フェニトロチオン、ピリミホスメチル、ダイアジノン、キナルホス、イソキサチオン、ピリダフェンチオン、クロルピリホス、クロルピリホスメチル、バミドチオン、マラチオン、フェントエート、ジメトエート、ジスルホトン、モノクロトホス、テトラクロルビンホス、クロルフェンビンホス、プロパホス、アセフェート、トリクロルホン、EPN、ピラクロホス、ブタチオホス、クロルエトキシホス、シアノホス、ジクロフェンチオン、ジクロルボス、ジメチルビンホス、エチオン、エトプロホス、エトリムホス、ホルモチオン、イソフェンホス、メスルフェンホス、メチダチオン、ナレッド、オキシデプロホス、パラチオン、ホサロン、ホスメット、プロフェノホス、プロチオホス、サリチオン、スルプロホス、テブピリムホス、テメホス、テルブホス、チオメトン、フォレート等]、
(2)カルバメート系殺虫性化合物[カルバリル、メトルカルブ、イソプロカルブ、BPMC、プロポキスル、XMC、カルボフラン、カルボスルファン、ベンフラカルブ、フラチオカルブ、メソミル、チオジカルブ、アラニカルブ、ベンダイオカルブ、クロエトカルブ、エチオフェンカルブ、フェノブカルブ、オキサミル、ピリミカーブ、キシリルカルブ、アルジカルブ等]、
(3)合成ピレスロイド系殺虫性化合物[テフルトリン、ビフェントリン、シクロプロトリン、エトフェンプロックス、アクリナトリン、アレスリン、ベンフルスリン、ベータ−シフルトリン、シフルトリン、シハロトリン、シペルメトリン、デルタメトリン、エスフェンバレレート、フェンプロパトリン、フェンバレレート、フルシトリネート、フルフェンプロックス、フルメスリン、フルバリネート、ハルフェンプロックス、イミプロトリン、ペルメトリン、プラレトリン、ピレトリン、レスメトリン、シグマ−サイパーメスリン、シラフルオフェン、トラロメトリン、トランスフルトリン、テトラメトリン、フェノトリン、シフェノトリン、アルファシペルメトリン、ゼータシペルメトリン、ラムダシハロトリン、ガンマシハロトリン、フラメトリン、タウフルバリネート、メトフルトリン、プロフルトリン、ジメフルトリン、プロトリフェンビュート等]、
(4)ネライストキシン系殺虫性化合物[カルタップ、ベンスルタップ、チオシクラム等]、
(5)ネオニコチノイド系殺虫性化合物[イミダクロプリド、ニテンピラム、アセタミプリド、チアメトキサム、チアクロプリド、ジノテフラン、クロチアニジン等]、
(6)ベンゾイルフェニル尿素系殺虫性化合物[クロルフルアズロン、フルアズロン、フルフェノクスロン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、ノバルロン、ビストリフルロン、ジフルベンズロン、フルシクロクスロン、ノビフルムロン、テフルベンズロン、トリフルムロン等]、
(7)マクロライド系殺虫性化合物[エマメクチン、アバメクチン、ミルベメクチン、レピメクチン、スピノサド、スピネトラム等]、
(8)その他の殺虫性化合物[ブプロフェジン、テブフェノジド、クロマフェノジド、ハロフェノジド、メトキシフェノジド、フィプロニル、エチプロール、アセトプロール、バニリプロール、ピリプロール、ピラフルプロール、ピメトロジン、ピリフルキナゾン、ジアフェンチウロン、インドキサカルブ、メタフルミゾン、トルフェンピラド、フルフェネリウム、ピリダリル、フロニカミド、スピロメシフェン、スピロテトラマット、フルベンジアミド、クロラントラニリプロール、ピリプロキシフェン、シロマジン、メトキサジアゾン、トリアゼメイト、クロルデン、硫酸ニコチン、トラロピリル、Btトキシン系殺虫剤等]等が挙げられ、
殺ダニ剤の有効成分としては、例えば、ヘキシチアゾクス、ピリダベン、フェンピロキシメート、テブフェンピラド、クロルフェナピル、エトキサゾール、ピリミジフェン、アセキノシル、ビフェナゼート、スピロジクロフェン、フェナザキン、ブロモプロピレート、ホルメタネート、アミトラズ、ベンゾキシメート、キノメチオネート、クロルベンジレート、クロルフェンソン、クロフェンテジン、シフルメトフェン、ジコホル、酸化フェンブタスズ、フェノチオカルブ、フルアクリピリム、プロパルギット、ポリナクチン複合体、テトラジホン、アミドフルメット、シエノピラフェン等が挙げられ、
殺線虫剤の有効成分としては、例えば、フォスチアゼート、カズサフォス、ベンクロチアズ、メタム・アンモニウム、メタム・ナトリウム、DCIP、塩酸レバミゾール、メチルイソチオシアネート、酒石酸モランテル、イミシアホス等が挙げられる。
上記一般名で表される化合物は、公知文献(例えば、「ザ・ペスティサイドマニュアル(The Pesticide Manual,16th Edition,2012)」、「渋谷成美,他2名,SHIBUYA INDEX−2014−17th Edition,2014年2月」等を参照。)に記載の化合物である。
中でも、殺草スペクトラムの拡大や難防除雑草に対する相乗効果の観点から、アミドスルフロン、アジムスルフロン、ベンスルフロンメチル、クロリムロン、シクロスルファムロン、エトキシスルフロン、フラザスルフロン、フルセトスルフロン、フルピルスルフロン、ホラムスルフロン、ハロスルフロンメチル、イマゾスルフロン、メソスルフロン、ニコスルフロン、オルソスルファムロン、オキサスルフロン、ピリミスルフロン、ピラゾスルフロンエチル、リムスルフロン、スルホメツロン、スルホスルフロン、トリフロキシスルフロン、クロルスルフロン、シノスルフロン、エタメスルフロン、ヨードスルフロン、メトスルフロン、プロスルフロン、チフェンスルフロン、トリアスルフロン、トリベヌロン、トリフルスルフロン、トリトスルフロン、ビスピリバック、ピリミノバックメチル、ピリチオバックナトリウム塩、ピリフタリド、ピリミスルファン、ペノキススラム、プロピリスルフロン等のALS阻害型除草剤;
イソノルロン、イソウロン、メタベンズチアズロン、モニソウロン、ノルロン、アニスロン、ブツロン、クロブロムロン、クロレツロン、クロトルロン、クロロクスロン、ダイムロン、クミルロン、ジフェノクスロン、ジメフロン、ジウロン、フェヌロン、フルメツロン、フルオチウロン、イソプロツロン、リヌロン、メチウロン、メチルダイムロン、メトベンズロン、メトブロムロン、メトクスロン、モノリヌロン、モヌロン、ネブロン、アトラジン、ジメタメトリン、メソプロトリン、プロメトリン、シメトリン等の光合成阻害型除草剤;
クロラジホップ、クロジナホップ、クロホップ、シハロホップブチル、ジクロホップ、フェノキサプロップ、フェノキサプロップ−P、フェンチアプロップ、フルアジホップ、フルアジホップ−P、ハロキシホップ、ハロキシホップ−P、イソキサピリホップ、メタミホップ、プロパキザホップ、キザロホップ、キザロホップ−P、アロキシジム、ブトキシジム、クレトジム、クロプロキシジム、シクロキシジム、プロホキシジム、セトキシジム、テプラロキシジム、トラルコキシジム等の脂肪酸生合成阻害型除草剤;
ベフルブタミド、ピコリナフェン、ジフルフェニカン等のPDS阻害型除草剤;
ベンゾフェナップ、ピラスルホトール、ピラゾレート、ピラゾキシフェン、メソトリオン、スルコトリオン、テフリルトリオン、テムボトリオン、ベンゾビシクロン、イソキサクロトール、イソキサフルトール等のHPPD阻害型除草剤;
ペントキサゾン、アザフェニジン、フルミクロラック、フルミオキサジン、フルミプロピン、ピラフルフェンエチル、オキサジアルギル、オキサジアゾン等のPPO阻害型除草剤;
インダノファン、オキサジクロメホン、ブタクロール、プレチラクロール、テニルクロール、ナプロアニリド、クロメプロップ、フェントラザミド、イプフェンカルバゾン、メフェナセット、ブロモブチド、アニロホス、エスプロカルブ、ピリブチカルブ、チオベンカルブ、ベンフレセート、モリネート、キノクラミン、MCPAエチル、MCPAチオエチル、MCPAナトリウム塩、MCPB、カフェンストロール、ピラクロニル、フェノキサスルフォン等のその他の作用メカニズム型除草剤が好ましい。
更に水田用除草剤として用いる場合には、アジムスルフロン、ベンスルフロンメチル、シクロスルファムロン、フルセトスルフロン、オルソスルファムロン、エトキシスルフロン、ハロスルフロンメチル、ビスピリバックナトリウム塩、ピリミノバックメチル、ピリフタリド、ペノキススラム、ピリミスルファン、ピラゾスルフロンエチル、イマゾスルフロン、ダイムロン、クミルロン、シメトリン、シハロホップブチル、メタミホップ、ベンゾフェナップ、ピラゾレート、ピラゾキシフェン、ベンゾビシクロン、テフリルトリオン、ペントキサゾン、オキサジアゾン、インダノファン、オキサジクロメホン、ブタクロール、プレチラクロール、テニルクロール、ナプロアニリド、クロメプロップ、フェントラザミド、メフェナセット、ブロモブチド、カフェンストロール、アニロホス、エスプロカルブ、ピリブチカルブ、チオベンカルブ、ベンフレセート、モリネート、キノクラミン、MCPAチオエチル、MCPB、ピラクロニル及びプロピリスルフロン、フェノキサスルフォンが特に好ましい。
本発明化合物を有効成分として含有する除草剤は、更に薬害軽減剤(例えば、フリラゾール、ジクロルミッド、ベノキサコール、アリドクロール、イソキサジフェンエチル、フェンクロラゾールエチル、メフェンピルジエチル、クロキントセットメキシル、フェンクロリム、シプロスルファミド、シオメトリニル、オキサベトリニル、フルクソフェニム、フルラゾール、2−ジクロロメチル−2−メチル−1,3−ジオキソラン、1,8−ナフタル酸無水物等)、色素、肥料(例えば、尿素等)等を適宜混合してもよい。
本発明化合物を有効成分として含有する除草剤は、畑、水田、芝生、果樹園等の農耕地又は非農耕地用の除草剤として使用することができる。本発明化合物を有効成分として含有する除草剤は、例えば、以下に挙げられる「作物」等を栽培する農耕地等における除草剤として有用である。
農作物:トウモロコシ、イネ、コムギ、オオムギ、ライムギ、エンバク、ソルガム、ワタ、ダイズ、ピーナッツ、ソバ、テンサイ、ナタネ、ヒマワリ、サトウキビ、タバコ等、
野菜:ナス科野菜(ナス、トマト、ピーマン、トウガラシ、ジャガイモ等)、ウリ科野菜(キュウリ、カボチャ、ズッキーニ、スイカ、メロン等)、アブラナ科野菜(ダイコン、カブ、セイヨウワサビ、コールラビ、ハクサイ、キャベツ、カラシナ、ブロッコリー、カリフラワー等)、キク科野菜(ゴボウ、シュンギク、アーティチョーク、レタス等)、ユリ科野菜(ネギ、タマネギ、ニンニク、アスパラガス等)、セリ科野菜(ニンジン、パセリ、セロリ、アメリカボウフウ等)、アカザ科野菜(ホウレンソウ、フダンソウ等)、シソ科野菜(シソ、ミント、バジル等)、イチゴ、サツマイモ、ヤマノイモ、サトイモ等。
果樹:仁果類(リンゴ、セイヨウナシ、ニホンナシ、カリン、マルメロ等)、核果類(モモ、スモモ、ネクタリン、ウメ、オウトウ、アンズ、プルーン等)、カンキツ類(ウンシュウミカン、オレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツ等)、堅果類(クリ、クルミ、ハシバミ、アーモンド、ピスタチオ、カシューナッツ、マカダミアナッツ等)、液果類(ブルーベリー、クランベリー、ブラックベリー、ラズベリー等)、ブドウ、カキ、オリーブ、ビワ、バナナ、コーヒー、ナツメヤシ、ココヤシ、アブラヤシ等、
果樹以外の樹;チャ、クワ、花木、街路樹(トネリコ、カバノキ、ハナミズキ、ユーカリ、イチョウ、ライラック、カエデ、カシ、ポプラ、ハナズオウ、フウ、プラタナス、ケヤキ、クロベ、モミノキ、ツガ、ネズ、マツ、トウヒ、イチイ)等。
その他:花卉類(バラ、カーネーション、キク、トルコギキョウ、カスミソウ、ガーベラ、マリーゴールド、サルビア、ペチュニア、バーベナ、チューリップ、アスター、リンドウ、ユリ、パンジー、シクラメン、ラン、スズラン、ラベンダー、ストック、ハボタン、プリムラ、ポインセチア、グラジオラス、カトレア、デージー、シンビジューム、ベゴニア等)、観葉植物等。
上記「作物」には、イソキサフルトール等のHPPD阻害剤、イマゼタピル、チフェンスルフロンメチル等のALS阻害剤、グリホサート等のEPSP合成酵素阻害剤、グルホシネート等のグルタミン合成酵素阻害剤、セトキシジム等のアセチルCoAカルボキシラーゼ阻害剤、フルミオキサジン等のPPO阻害剤、ブロモキシニル、ジカンバ、2,4−D等の除草剤に対する耐性が、古典的な育種法もしくは遺伝子組換え技術により付与されたナタネ、コムギ、ヒマワリ、イネ、トウモロコシ、ダイズ等の作物も含まれる。
古典的な育種法により耐性が付与された「作物」の例として、イミダゾリノン系ALS阻害型除草剤に耐性のナタネ、コムギ、ヒマワリ、イネ、トウモロコシ;スルホニル尿素系ALS阻害型除草剤に耐性のダイズ;アセチルCoAカルボキシラーゼ阻害剤に耐性が付与された作物の例としてSRコーン;等の作物を挙げることができる。
遺伝子組換え技術により耐性が付与された「作物」の例として、グリホサート耐性のトウモロコシ、ダイズ、ワタ、ナタネ、テンサイ品種;グルホシネート耐性のトウモロコシ、ダイズ、ワタ、ナタネ品種;ブロモキシニル耐性のワタ;等の作物を挙げることができる。
また、上記「作物」には、遺伝子組換え技術を用いて、例えば、バチルス属で知られている選択的毒素等を合成する事が可能となった作物や、選択的な作用を有する抗病原性物質を産生する能力を付与された作物、油糧成分改質やアミノ酸含量増強形質などの有用形質を付与した作物も含まれる。
さらには、上記の古典的な除草剤形質あるいは除草剤耐性遺伝子、殺虫性害虫抵抗性遺伝子、抗病原性物質産生遺伝子、油糧成分改質やアミノ酸含量増強形質などの有用形質について、これらを複数組み合わせたスタック品種も上記「作物」に含まれる。
除草剤耐性となった作物に本発明化合物を使用する際は、その作物が耐性となっている除草剤(例えば、グリホサートまたはその塩、グルホシネートまたはその塩、ジカンバまたはその塩、イマゼタピルまたはその塩、イソキサフルトール等)と本発明化合物との体系処理及び/又は混合処理により総合的に雑草を防除することができる。
以下、実施例、参考例、製剤例及び試験例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例−1
4−(5−アミノ−2,4−ジフルオロフェニル)−5−クロロ−1,2−テトラメチレン−4−ピラゾリン−3−オン(3.00g,10.0mmol)、エチルキサントゲン酸カリウム(3.56g,20.0mmol)のDMF(30mL)溶液を120℃で3時間攪拌した後、室温で濃塩酸を用いてpH3に調製した。析出した沈殿をろ取し、水で洗浄した。得られた固体を乾燥することにより、5−クロロ−4−(6−フルオロ−2−メルカプトベンゾチアゾール−5−イル)−1,2−テトラメチレン−4−ピラゾリン−3−オンの淡褐色固体(3.14g,収率:88%)を得た。1H−NMR(400MHz,CDCl3):δ13.01(brs,1H),7.51(d,J=5.8Hz,1H),7.14(d,J=8.6Hz,1H),4.04−3.98(m,2H),3.76−3.70(m,2H),2.12−2.09(m,2H),2.02−1.93(m,2H);19F−NMR(376MHz,CDCl3):δ−115.2(s,1F).
実施例−2
炭酸カリウム(152mg,1.1mmol)、5−クロロ−4−(6−フルオロ−2−メルカプトベンゾチアゾール−5−イル)−1,2−テトラメチレン−4−ピラゾリン−3−オン(355mg,1.0mmol)に水(3mL)及びジクロロメタン(3mL)を加えた混合液に、ヨードメタン(0.150mL,2.40mmol)及びテトラブチルアンモニウムブロミド(33mg,0.1mmol)を加え、室温で24時間攪拌した。反応終了後、反応液に水を加えクロロホルムで抽出した。有機層を水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール=95:5)で溶出して精製することにより、5−クロロ−4−[6−フルオロ−2−(メチルチオ)ベンゾチアゾール−5−イル]−1,2−テトラメチレン−4−ピラゾリン−3−オンの黄色油状物(162mg,収率:44%)を得た。1H−NMR(400MHz,CDCl3):δ7.93(d,J=6.2Hz,1H),7.52(d,J=9.0Hz,1H),3.89−3.82(m,2H),3.67−3.60(m,2H),2.79(s,3H),2.09−1.98(m,2H),1.96−1.87(m,2H);19F−NMR(376MHz,CDCl3):δ−115.8(s,1F).
実施例−3
実施例−2と同様に、5−クロロ−4−(6−フルオロ−2−メルカプトベンゾチアゾール−5−イル)−1,2−テトラメチレン−4−ピラゾリン−3−オン(355mg,1.0mmol)とヨードエタン(0.167mL,2.05mmol)との反応により、5−クロロ−4−[2−(エチルチオ)−6−フルオロベンゾチアゾール−5−イル]−1,2−テトラメチレン−4−ピラゾリン−3−オンの黄色油状物(190mg,収率:50%)を得た。1H−NMR(400MHz,CDCl3):δ7.93(d,J=6.2Hz,1H),7.51(d,J=9.0Hz,1H),3.90−3.82(m,2H),3.68−3.59(m,2H),3.35(q,J=7.4Hz,2H),2.07−1.98(m,2H),1.96−1.87(m,2H),1.48(t,J=7.4Hz,3H);19F−NMR(376MHz,CDCl3):δ−115.2(s,1F).
実施例−4
実施例−2と同様に、5−クロロ−4−(6−フルオロ−2−メルカプトベンゾチアゾール−5−イル)−1,2−テトラメチレン−4−ピラゾリン−3−オン(355mg,1.0mmol)とブロモ酢酸メチル(0.116mL,1.05mmol)との反応により、2−[{5−(5−クロロ−3−オキソ−1,2−テトラメチレンピラゾリン−4−イル)−6−フルオロベンゾチアゾール−2−イル}チオ]酢酸メチルの黄色油状物(200mg,収率:47%)を得た。1H−NMR(400MHz,CDCl3):δ7.94(d,J=6.2Hz,1H),7.51(d,J=9.0Hz,1H),4.17(s,2H),3.89−3.83(m,2H),3.79(s,3H),3.66−3.60(m,2H),2.07−1.98(m,2H),1.96−1.88(m,2H);19F−NMR(376MHz,CDCl3):δ−115.2(s,1F).
実施例−5
5−クロロ−4−(6−フルオロ−2−メルカプトベンゾチアゾール−5−イル)−1,2−テトラメチレン−4−ピラゾリン−3−オン(240mg,0.67mmol)、炭酸セシウム(264mg,1.2mmol)のDMF(3mL)混合液を10分間攪拌した後、2−ブロモプロピオン酸メチル(93μL,1.2mmol)を加え、室温で24時間攪拌した。反応終了後、反応液に水を加えクロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)で溶出して精製することにより、2−[{5−(5−クロロ−3−オキソ−1,2−テトラメチレンピラゾリン−4−イル)−6−フルオロベンゾチアゾール−2−イル}チオ]プロピオン酸メチルの黄色油状物(168mg,収率:56%)を得た。1H−NMR(400MHz,CDCl3):δ7.96(d,J=6.2Hz,1H),7.52(d,J=9.0Hz,1H),4.68(q,J=7.3Hz,1H),3.89−3.82(m,2H),3.77(s,3H),3.67−3.61(m,2H),2.07−2.00(m,2H),1.96−1.88(m,2H),1.70(t,J=7.3Hz,3H);19F−NMR(376MHz,CDCl3):δ−115.1(s,1F).
実施例−6
5−クロロ−4−(6−フルオロ−2−メルカプトベンゾチアゾール−5−イル)−1,2−テトラメチレン−4−ピラゾリン−3−オン(240mg,0.67mmol)、炭酸セシウム(264mg,1.2mmol)のDMF(3mL)混合液を10分間攪拌した後、2−ブロモ酪酸メチル(107μL,1.2mmol)を加え、室温で24時間攪拌した。反応終了後、反応液に水を加えクロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)で溶出して精製することにより、2−[{5−(5−クロロ−3−オキソ−1,2−テトラメチレンピラゾリン−4−イル)−6−フルオロベンゾチアゾール−2−イル}チオ]ブタン酸メチルの黄色油状物(171mg,収率:56%)を得た。1H−NMR(400MHz,CDCl3):δ7.95(d,J=6.3Hz,1H),7.51(d,J=9.0Hz,1H),4.60(t,J=7.0Hz,1H),3.89−3.83(m,2H),3.77(s,3H),3.68−3.60(m,2H),2.09(qd,J=7.2 and 7.0Hz,2H),2.07−1.99(m,2H),1.97−1.89(m,2H),1.10(t,J=7.2Hz,3H);19F−NMR(376MHz,CDCl3):δ−115.2(s,1F).
実施例−7
実施例−2と同様に、5−クロロ−4−(6−フルオロ−2−メルカプトベンゾチアゾール−5−イル)−1,2−テトラメチレン−4−ピラゾリン−3−オン(355mg,1.0mmol)とブロモ酢酸エチル(193mg,1.1mmol)との反応により、2−[{5−(5−クロロ−3−オキソ−1,2−テトラメチレンピラゾリン−4−イル)−6−フルオロベンゾチアゾール−2−イル}チオ]酢酸エチルの黄色油状物(192mg,収率:44%)を得た。1H−NMR(400MHz,CDCl3):δ7.93(d,J=6.2Hz,1H),7.51(d,J=9.0Hz,1H),4.24(q,J=7.1Hz,2H),4.15(s,2H),3.88−3.83(m,2H),3.67−3.60(m,2H),2.07−1.99(m,2H),1.96−1.87(m,2H),1.29(t,J=7.1Hz,3H);19F−NMR(376MHz,CDCl3):δ−115.2(s,1F).
実施例−8
実施例−2と同様に、5−クロロ−4−(6−フルオロ−2−メルカプトベンゾチアゾール−5−イル)−1,2−テトラメチレン−4−ピラゾリン−3−オン(355mg,1.0mmol)と2,2−ジフルオロエチルトリフラート(0.224g,1.05mmol)との反応により、5−クロロ−4−[2−{(2,2−ジフルオロエチル)チオ}−6−フルオロベンゾチアゾール−5−イル]−1,2−テトラメチレン−4−ピラゾリン−3−オンの黄色油状物(180mg,収率:43%)を得た。1H−NMR(400MHz,CDCl3):δ7.97(d,J=6.2Hz,1H),7.52(d,J=9.0Hz,1H),6.18(tt,J=56.5 and 4.6Hz,1H),3.89−3.83(m,2H),3.72(td,J=14.8 and 4.6Hz,2H),3.66−3.61(m,2H),2.08−2.00(m,2H),1.96−1.88(m,2H);19F−NMR(376MHz,CDCl3):δ−114.7(s,1F),−115.3(s,2F).
実施例−9
実施例−2と同様に、5−クロロ−4−(6−フルオロ−2−メルカプトベンゾチアゾール−5−イル)−1,2−テトラメチレン−4−ピラゾリン−3−オン(355mg,1.0mmol)と2,2,2−トリフルオロエチルトリフラート(0.244g,1.05mmol)との反応により、5−クロロ−4−[6−フルオロ−2−{(2,2,2−トリフルオロエチル)チオ}ベンゾチアゾール−5−イル]−1,2−テトラメチレン−4−ピラゾリン−3−オンの黄色油状物(165mg,収率:38%)を得た。1H−NMR(400MHz,CDCl3):δ8.00(d,J=6.2Hz,1H),7.53(d,J=9.0Hz,1H),4.13(q,J=9.6Hz,2H),3.90−3.83(m,2H),3.68−3.61(m,2H),2.08−1.99(m,2H),1.97−1.87(m,2H);19F−NMR(376MHz,CDCl3):δ−66.4(s,3F),−114.5(s,1F).
実施例−10
5−クロロ−4−(6−フルオロ−2−メルカプトベンゾチアゾール−5−イル)−1,2−テトラメチレン−4−ピラゾリン−3−オン(356mg,1.0mmol)、炭酸カリウム(166mg,1.2mmol)のDMF(5mL)混合液を10分間攪拌した後、臭化シクロプロピルメチル(155mg,1.1mmol)を加え、室温で42時間攪拌した。反応終了後、反応液に水を加えクロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール=95:5)で溶出して精製することにより、5−クロロ−4−[2−(シクロプロピルメチルチオ)−6−フルオロベンゾチアゾール−5−イル]−1,2−テトラメチレン−4−ピラゾリン−3−オンの黄色油状物(200mg,収率:49%)を得た。1H−NMR(400MHz,CDCl3):δ7.92(d,J=6.3Hz,1H),7.50(d,J=9.0Hz,1H),3.89−3.82(m,2H),3.65−3.60(m,2H),3.30(d,J=7.2Hz,2H),2.07−1.99(m,2H),1.96−1.87(m,2H),1.30−1.21(m,1H),0.69−0.63(m,2H),0.41−0.35(m,2H);19F−NMR(376MHz,CDCl3):δ−115.8(s,1F).
実施例−11
実施例−10と同様に、5−クロロ−4−(6−フルオロ−2−メルカプトベンゾチアゾール−5−イル)−1,2−テトラメチレン−4−ピラゾリン−3−オン(355mg,1.0mmol)とアリルブロミド(136mg,1.1mmol)との反応により、4−[2−(アリルチオ)−6−フルオロベンゾチアゾール−5−イル]−5−クロロ−1,2−テトラメチレン−4−ピラゾリン−3−オンの黄色油状物(152mg,収率:38%)を得た。1H−NMR(400MHz,CDCl3):δ7.94(d,J=6.2Hz,1H),7.51(d,J=9.0Hz,1H),6.02(ddt,J=16.9,10.1 and 6.9Hz,1H),5.37(ddt,J=16.9,1.3 and 1.2Hz,1H),5.20(ddt,J=10.1,1.3 and 1.0Hz,1H),3.98(ddd,J=6.9,1.2 and 1.0Hz,2H),3.90−3.82(m,2H),3.68−3.59(m,2H),2.09−1.98(m,2H),1.96−1.86(m,2H);19F−NMR(376MHz,CDCl3):δ−115.6(s,1F).
実施例−12
実施例−10と同様に、5−クロロ−4−(6−フルオロ−2−メルカプトベンゾチアゾール−5−イル)−1,2−テトラメチレン−4−ピラゾリン−3−オン(355mg,1.0mmol)と3−ブロモ−2−メチルプロペン(153mg,1.1mmol)との反応により、5−クロロ−4−[6−フルオロ−2−(メタリルチオ)ベンゾチアゾール−5−イル]−1,2−テトラメチレン−4−ピラゾリン−3−オンの黄色油状物(269mg,収率:66%)を得た。1H−NMR(400MHz,CDCl3):δ7.94(d,J=6.3Hz,1H),7.51(d,J=9.0Hz,1H),5.10(m,1H),4.94(m,1H),3.99(m,2H),3.89−3.82(m,2H),3.66−3.60(m,2H),2.07−1.98(m,2H),1.96−1.89(m,2H),1.89(s,3H);19F−NMR(376MHz,CDCl3):δ−115.6(s,1F).
実施例−13
実施例−2と同様に、5−クロロ−4−(6−フルオロ−2−メルカプトベンゾチアゾール−5−イル)−1,2−テトラメチレン−4−ピラゾリン−3−オン(355mg,1.0mmol)と(E)−4−クロロ−3−メトキシ−2−ブテン酸メチル(0.182g,1.05mmol)との反応により、(E)−4−[{5−(5−クロロ−3−オキソ−1,2−テトラメチレンピラゾリン−4−イル)−6−フルオロベンゾチアゾール−2−イル}チオ]−3−メトキシ−2−ブテン酸メチルの黄色油状物(197mg,収率:41%)を得た。1H−NMR(400MHz,CDCl3):δ7.94(d,J=6.2Hz,1H),7.51(d,J=9.0Hz,1H),5.16(s,1H),4.70(s,2H),3.89−3.83(m,2H),3.72(s,3H),3.67(s,3H),3.65−3.61(m,2H),2.08−1.98(m,2H),1.96−1.87(m,2H);19F−NMR(376MHz,CDCl3):δ−115.5(s,1F).
実施例−14
実施例−2と同様に、5−クロロ−4−(6−フルオロ−2−メルカプトベンゾチアゾール−5−イル)−1,2−テトラメチレン−4−ピラゾリン−3−オン(355mg,1.0mmol)と2,4−ジクロロベンジルクロリド(0.205mL,1.50mmol)との反応により、5−クロロ−4−[2−{(2,4−ジクロロベンジル)チオ}−6−フルオロベンゾチアゾール−5−イル]−1,2−テトラメチレン−4−ピラゾリン−3−オンの黄色油状物(273mg,収率:50%)を得た。1H−NMR(400MHz,CDCl3):δ8.00(d,J=6.3Hz,1H),7.56(d,J=8.3Hz,1H),7.50(d,J=9.0Hz,1H),7.41(d,J=2.1Hz,1H),7.18(dd,J=8.3 and 2.1Hz,1H),4.66(s,2H),3.90−3.84(m,2H),3.68−3.61(m,2H),2.09−1.99(m,2H),1.97−1.88(m,2H);19F−NMR(376MHz,CDCl3):δ−115.3(s,1F).
参考例−1
アルゴンガス雰囲気下、マグネシウム(61.8g,2.53mol)とヨウ素(50mg)のTHF(1.0L)溶液に、1−ブロモ−2,4−ジフルオロベンゼン(489g,2.48mol)のTHF(0.7L)溶液を、反応液の温度を40℃以下に保ちながら、2.5時間かけて滴下し、2,4−ジフルオロフェニルマグネシウムブロミドのTHF溶液を調製した。この溶液をシュウ酸ジエチル(363g,2.43mol)のTHF(0.25L)溶液に、反応液の温度を−40℃以下に保ちながら、2.5時間かけて滴下した後、氷冷下で1時間攪拌した。反応終了後、反応溶液に飽和塩化アンモニウム水(0.5L)と水(1.5L)を加え、酢酸エチル(0.2L×3)で抽出した。合一した有機層を飽和食塩水(0.5L)で洗浄した後、有機層を無水硫酸マグネシウム(50g)で乾燥した。このものから減圧下で溶媒を留去した後、減圧蒸留することにより、2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−オキソ酢酸エチルの淡黄色固体(389g,収率:73%)を得た。1H−NMR(400MHz,CDCl3):δ7.99(ddd,J=8.7,8.2 and 6.5Hz,1H),7.00(dddd,J=10.8,8.6,2.3 and 0.9Hz,1H),6.91(ddd,J=10.8,8.6 and 2.3Hz,1H),4.43(q,J=7.2Hz,3H),1.40(t,J=7.2Hz,3H);19F−NMR(376MHz,CDCl3):δ−97.2(d,J=13.5Hz,1F),−106(d,J=13.5Hz,1F).
トリフェニルホスフィン(973g,3.60mol)のジクロロメタン(720mL)溶液に、氷冷下で四塩化炭素(557g,3.60mol)を加えて5分間撹拌した後、2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−オキソ酢酸エチル(386g,1.80mol)のジクロロメタン(0.18L)溶液を滴下し、30℃以下で20時間攪拌した。反応終了後、減圧下で溶媒を留去した。次いで、残渣をヘキサン(1.5L)に溶解させ、不溶物をろ過により取り除き、ろ液を減圧下で濃縮する操作を2回繰り返した。
得られた油状物を減圧蒸留することにより、3,3−ジクロロ−2−(2,4−ジフルオロフェニル)アクリル酸エチルの淡黄色油状物(455g,収率:90%)を得た。1H−NMR(400MHz,CDCl3):δ7.31(ddd,J=8.4,8.4 and 6.7Hz,1H),6.92(dddd,J=9.6,6.7,2.1 and 1.0Hz,1H),6.87(ddd,J=10.4,8.8 and 2.1Hz,1H),4.25(q,J=7.1Hz,2H),1.26(t,J=7.1Hz,3H);19F−NMR(376MHz,CDCl3):δ−107(d,J=7.5Hz,1F),−108(d,J=7.5Hz,1F).
参考例−2
・合成1
アルゴン雰囲気下、3,3−ジクロロ−2−(2,4−ジフルオロフェニル)アクリル酸エチル(6.0g,21.4mmol)の1,4−ジオキサン(80mL)溶液に、トリエチルアミン(8.9mL,64.0mmol)及びヘキサヒドロピリダジン二臭化水素塩(5.8g,23.4mmol)を加え、20時間加熱還流した。反応終了後、反応液に水(80mL)を加え酢酸エチル(100mL×3)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後に減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)で精製することにより、5−クロロ−4−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,2−テトラメチレン−4−ピラゾリン−3−オンの淡黄色固体(5.6g,収率:93%)を得た。1H−NMR(400MHz,CDCl3):δ7.48(td,J=8.4 and 6.5Hz,1H),6.96−6.86(m,2H),3.85−3.82(m,2H),3.62−3.59(m,2H),2.05−2.00(m,2H),1.92−1.89(m,2H);19F−NMR(376MHz,CDCl3):δ−107(d,J=7.8Hz,1F),−110(d,J=7.8Hz,1F).
・合成2
ヘキサヒドロピリダジン二臭化水素酸塩(306g,1.23mol)及び3,3−ジクロロ−2−(2,4−ジフルオロフェニル)アクリル酸エチル(315g,1.12mol)の1,4−ジオキサン(1.12L)溶液に、トリエチルアミン(378g,3.70mol)を加え、15時間加熱還流した。反応終了後、反応液から減圧下で溶媒を留去し、得られた残渣に水(1.0L)を加え、析出した固体をろ取した。得られた固体を水(1.0L)及びエーテル(1.0L)で洗浄した後、減圧乾燥することにより、5−クロロ−4−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,2−テトラメチレン−4−ピラゾリン−3−オンの淡黄色固体(241g,収率:76%)を得た。
参考例−3
・5−クロロ−4−(2,4−ジフルオロ−5−ニトロフェニル)−1,2−テトラメチレン−4−ピラゾリン−3−オンの合成
・合成1
5−クロロ−4−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,2−テトラメチレン−4−ピラゾリン−3−オン(1.0g,3.51mmol)の濃硫酸(10mL)の懸濁液に、69%硝酸(0.34g,3.69mmol)と濃硫酸(1mL)から調製した混酸を氷冷下で30分間かけてゆっくり加え、同温にて3時間攪拌した。反応終了後、氷水(50g)中に反応液を注ぎ、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。有機層を飽和食塩水(50mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後に減圧濃縮し、茶色固体の粗生成物を得た。このものをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=50:1)で精製することにより、5−クロロ−4−(2,4−ジフルオロ−5−ニトロフェニル)−1,2−テトラメチレン−4−ピラゾリン−3−オンの黄色固体(1.01g,収率:87%)を得た。1H−NMR(400MHz,CDCl3):δ8.34(dd,J=8.3 and 7.2Hz,1H),7.10(dd,J=10.4 and 9.1Hz,1H),3.86−3.83(m,2H),3.69−3.66(m,2H),2.07−2.02(m,2H),1.96−1.91(m,2H);19F−NMR(376MHz,CDCl3):δ−95.6(d,J=15.8Hz,1F),−112(d,J=15.8Hz,1F).
・合成2
5−クロロ−4−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,2−テトラメチレン−4−ピラゾリン−3−オン(240g,0.843mol)の濃硫酸(1.69L)の懸濁液に、69%硝酸(92.4g,1.01mol)と濃硫酸(56.3mL)から調製した混酸を氷冷下で1時間以上かけてゆっくり加え、同温にて4時間攪拌した。反応終了後、氷水(7.5kg)中に反応液を注ぎ、クロロホルム(0.6L×6)で生成物を抽出した。合一した有機層を5%水酸化ナトリウム水溶液(0.5L×3)で洗浄した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後に減圧乾固させて、5−クロロ−4−(2,4−ジフルオロ−5−ニトロフェニル)−1,2−テトラメチレン−4−ピラゾリン−3−オンの黄色固体(202g,収率:73%)を得た。
・4−(5−アミノ−2,4−ジフルオロフェニル)−5−クロロ−1,2−テトラメチレン−4−ピラゾリン−3−オンの合成
5−クロロ−4−(2,4−ジフルオロ−5−ニトロフェニル)−1,2−テトラメチレン−4−ピラゾリン−3−オン(299mg,0.907mmol)のエタノール(2mL)溶液に、濃塩酸(1.5mL)を加え、次いで、塩化スズ(II)二水和物(0.819g,3.63mmol)を加え、15時間加熱還流した。反応終了後、反応液を氷水中に注ぎ、水酸化ナトリウム水溶液で塩基性にし、酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後に減圧濃縮することにより、4−(5−アミノ−2,4−ジフルオロフェニル)−5−クロロ−1,2−テトラメチレン−4−ピラゾリン−3−オンの白色固体(216mg,収率:79%)を得た。1H−NMR(400MHz,CDCl3):δ6.91(dd,J=9.8 and 6.9Hz,1H),6.83(dd,J=10.8 and 9.5Hz,1H),3.86−3.79(m,2H),3.75−3.44(m,4H),2.05−1.97(m,2H),1.92−1.84(m,2H);19F−NMR(376MHz,CDCl3):δ−121.4(brs,1F),−130.7(brs,1F).
次に、本発明化合物を有効成分とする除草剤の製剤例、及び本発明の除草剤を用いた試験例を挙げて、本発明を更に詳細に説明するが、本発明の除草剤はこれらに限定されるものではない。なお、製剤例中の「部」は重量部を示す。
製剤例−1(乳剤)
本発明化合物を10部、キシレン31部、N,N−ジメチルホルムアミド27部、1−メチル−2−ピロリドン22部、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン1部、NK.ST−30(竹本油脂)9部を均一に混合し乳剤を得た。
製剤例−2(水和剤)
本発明化合物を50部、珪藻土25部、クレー22部、ルノックス1000C(東邦化学製)3部の混合物を均等に混合粉砕して水和剤を得た。
製剤例−3(粒剤)
本発明化合物を5部、ベントナイト35部、タルク55部、リグニンスルホン酸ソーダ5部の混合物を均一に混合粉砕したのち、水を加えて混練し、押し出し造粒器で粒剤化した後、乾燥、整粒して粒剤を得た。
以上に示した方法に準じて調製した製剤を使用して、下記試験例に示す方法に従って本発明のピラゾリノン誘導体の除草効果を調査した。供試雑草に対する除草効果あるいは供試作物に対する薬害について、下記に示す基準で判定し、0〜5の6段階スコアで評価した。
除草効果及び薬害の判定基準
5:90%以上の除草効果/薬害
4:70%〜90%の除草効果/薬害
3:50%〜70%の除草効果/薬害
2:30%〜50%の除草効果/薬害
1:10%〜30%の除草効果/薬害
0:0%〜10%の除草効果/薬害
試験例−1(湛水条件における雑草発生前処理による除草効果試験)
30cm2のプラスチックカップに水田土壌を充填し、代かき後この中にタイヌビエ、タマガヤツリ、コナギ、ホタルイ、マツバイ、その他1年生広葉雑草としてアゼナ、キカシグサ、ミゾハコベの種子を播種して湛水状態に保った。雑草播種当日に製剤例に準じて調製した本発明化合物の水和剤または乳剤を希釈し、所定の薬量になるように湛水処理した。処理後約15日に供試雑草に対する除草効果について、前述した0〜5の6段階の判定基準で評価した。表−1にその結果を示す。
Figure 2016056156
試験例−2(畑条件における雑草発生前土壌処理による除草効果試験)
面積65cm2深さ2cmのバットに畑土壌を充填し、これにアオビユ、シロザの種子を播種し、その上に0.5cmの覆土をした。翌日、製剤例に準じて調製した本発明化合物の水和剤または乳剤を希釈し、所定の薬量になるように覆土上に均一に噴霧処理した。処理後約21日に供試雑草に対する除草効果について、前述した0〜5の6段階の判定基準で評価した。表−2にその結果を示す。
Figure 2016056156
試験例−3(畑条件における雑草発生後茎葉処理による除草効果試験)
面積65cm2深さ2cmのバットに畑土壌を充填し、これにアオビユ、イチビ、シロザの種子を播種し、その上に0.5cmの覆土をした。これに適宜散水し14日間生育させた。製剤例に準じて調製した本発明化合物の水和剤または乳剤を希釈し所定の薬量になるように植物の茎葉部にヘクタール当たり4000リットルの水量で均一に噴霧処理した。処理後14日後に供試雑草に対する除草効果について、前述した0〜5の6段階の判定基準で評価した。表−3にその結果を示す。
Figure 2016056156
試験例−4(畑条件における雑草発生後茎葉処理による除草効果及び薬害試験)
面積81cm2深さ3.5cmのバットに畑土壌を充填し、これにマルバサガオ、アオビユ、イチビ、シロザの種子及びトウモロコシの種子を播種し、その上に0.5cmの覆土をした。これに適宜散水し14日間生育させた。製剤例に準じて調製した本発明化合物の水和剤または乳剤を希釈し所定の薬量になるように植物の茎葉部にヘクタール当たり4000リットルの水量で均一に噴霧処理した。処理後14日後に供試雑草に対する除草効果及びトウモロコシに対する薬害について、前述した0〜5の6段階の判定基準で評価した。表−4にその結果を示す。
Figure 2016056156
本発明のピラゾリノン誘導体の有効量を、水田又は畑等に処理することにより、有害な雑草を効果的に防除することができる。

Claims (11)

  1. 一般式(1)
    Figure 2016056156
    [式中、R1は、ハロゲン原子を表し、R2及びR3は、一体となって、トリメチレン基(−(CH23−)、テトラメチレン基(−(CH24−)、ペンタメチレン基(−(CH25−)又はオキシジエチレン基(−(CH22O(CH22−)を表す。R4は、水素原子又はハロゲン原子を表し、R5aは、水素原子;(C1−C4アルキル)オキシカルボニル基で置換されていてもよいC1−C6アルキル基;C1−C4ハロアルキル基;C3−C6シクロアルキル基;C3−C4アルケニル基;2−(C1−C4アルキルオキシ)−3−(C1−C4アルキルオキシカルボニル)−2−プロペニル基;又はハロゲン原子で置換されていてもよいベンジル基を表す。]で示されるピラゾリノン誘導体。
  2. 1が塩素原子であり、一体となったR2及びR3が、テトラメチレン基又はオキシジエチレン基であり、R4がフッ素原子又は塩素原子である請求項1に記載のピラゾリノン誘導体。
  3. 5aが、シクロプロピルメチル基、メタリル基又は1−(メトキシカルボニル)プロピル基である請求項1又は2に記載のピラゾリノン誘導体。
  4. 一般式(1)で示される化合物が、5−クロロ−4−[2−(シクロプロピルメチルチオ)−6−フルオロベンゾチアゾール−5−イル]−1,2−テトラメチレン−4−ピラゾリン−3−オン、5−クロロ−4−[6−フルオロ−2−(メタリルチオ)ベンゾチアゾール−5−イル]−1,2−テトラメチレン−4−ピラゾリン−3−オン、2−[{5−(5−クロロ−3−オキソ−1,2−テトラメチレン−4−ピラゾリン−4−イル)−6−フルオロベンゾチアゾール−2−イル}チオ]ブタン酸メチルからなる群より選択される1つの化合物である請求項1に記載のピラゾリノン誘導体。
  5. 一般式(2)
    Figure 2016056156
    [式中、R1は、ハロゲン原子を表し、R2及びR3は、一体となって、トリメチレン基(−(CH23−)、テトラメチレン基(−(CH24−)、ペンタメチレン基(−(CH25−)又はオキシジエチレン基(−(CH22O(CH22−)を表す。R4は、水素原子又はハロゲン原子を表す。]で示されるピラゾリノン誘導体と、一般式(3)
    Figure 2016056156
    (式中、R6は、C1−C4アルキル基を表す。Mはアルカリ金属を表す。)で示されるキサントゲン酸塩を反応させ、一般式(1a)
    Figure 2016056156
    (式中、R1、R2、R3及びR4は、前記と同じ意味を表す。)で示されるピラゾリノン誘導体を得、次いで、塩基の存在下に一般式(4)
    Figure 2016056156
    (式中、R5bは、(C1−C4アルキル)オキシカルボニル基で置換されていてもよいC1−C6アルキル基;C1−C4ハロアルキル基;C3−C6シクロアルキル基;C3−C4アルケニル基;2−(C1−C4アルキルオキシ)−3−(C1−C4アルキルオキシカルボニル)−2−プロペニル基;又はハロゲン原子で置換されていてもよいベンジル基を表す。Laは脱離基を表す。)で示されるアルキル化剤と反応させることを特徴とする、一般式(1b)
    Figure 2016056156
    (式中、R1、R2、R3、R4及びR5bは、前記と同じ意味を表す。)で示されるピラゾリノン誘導体の製造方法。
  6. 請求項1から4のいずれか一項に記載のピラゾリノン誘導体を有効成分として含有する除草剤。
  7. 畑地雑草防除用または水田雑草防除用である請求項6に記載の除草剤。
  8. 畑地雑草防除用であり、該畑地における作物が小麦、大豆またはトウモロコシである請求項7に記載の除草剤。
  9. 茎葉及び/または土壌処理剤である請求項6から8のいずれか一項に記載の除草剤。
  10. 請求項1から4のいずれか一項に記載のピラゾリノン誘導体の、雑草を防除するための使用。
  11. 請求項1から4のいずれか一項に記載のピラゾリノン誘導体の有効量を適用することを含む雑草防除方法。
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