JP2016055564A - 繊維強化樹脂材の配設装置及び軸状複合部材の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】金型の曲げ部において皺を発生させることなくUD材を配設可能な繊維強化樹脂材の配設装置及び軸状複合部材の製造方法を提供する。【解決手段】繊維強化樹脂材12の配設装置10に、繊維束からなり表面に粘着性を有する繊維強化樹脂材12がそれぞれに巻かれ、個別に回転可能である複数のボビン14と、複数のボビン14から引き出された各繊維強化樹脂材12を金型50に沿って並列して配設するガイド部20と、ガイド部20によって配設された各繊維強化樹脂材12を金型50に押し付ける押し付け部40とを設ける。【選択図】図1

Description

この発明は、繊維束からなり表面に粘着性を有する繊維強化樹脂材の配設装置及び繊維強化樹脂材からなる軸状複合部材の製造方法に関する。
車両の部品、例えば、タワーバー等は金属材料を用いて製造されているが、近年は金属材料に置き換える材料として繊維強化樹脂材(繊維強化プラスチック:FRP)が有力視されている。例えば、炭素繊維強化樹脂複合材料(CFRP)は錆びないうえ、化学的・熱的に安定しており、信頼性の高い材料である。
繊維強化樹脂材には、一方向に繊維が引き揃えられたUD(Uni−directional)材や、互いに直交する2方向に繊維が引き揃えられた45°材等がある。このうち、45°材で形成される軸状複合部材の曲げ部は、捻りに対しては高い剛性を有するものの、図7に示すような軸状複合部材100の軸方向に対する垂直方向からの曲げ荷重入力(以下、単に曲げ入力という)に対しては剛性が低い。一方、UD材で形成される軸状複合部材は、図8に示すように、軸状複合部材の軸方向に対する繊維の延在方向の角度(繊維配向角)が0°〜10°程度であれば、曲げ入力に対する高い剛性を有する。このため、UD材を用いて軸状複合部材を製造することが好ましい。
特許文献1には軸状複合部材の製造方法の一例が開示されている。この方法によれば、マンドレルに巻きつけた繊維強化樹脂材を予備加熱して半硬化状態の管状部材を形成し、その管状部材を金型に配設して内圧を付与しつつ加熱することで硬化させ、軸状複合部材を製造する。
特開平7−276521号公報
特許文献1の発明によれば、金型に管状部材を配設する際に、金型の曲げ部に合わせて管状部材を曲げている。管状部材の曲げ部の内周側と外周側には長さの差が発生するため、曲げ部の内周側には皺が発生する。皺はUD材の性能(曲げ入力に対する高い剛性)を損なう。
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、金型の曲げ部において皺を発生させることなくUD材を配設可能な繊維強化樹脂材の配設装置を提供することを第1の目的とする。また、曲げ部に皺を有さない軸状複合部材の製造方法を提供することを第2の目的とする。
本発明に係る繊維強化樹脂材の配設装置は、繊維束からなり表面に粘着性を有する繊維強化樹脂材がそれぞれに巻かれ、個別に回転可能な複数のボビンと、複数の前記ボビンから引き出された各前記繊維強化樹脂材を金型に沿って並列して配設するガイド部と、前記ガイド部によって配設された各前記繊維強化樹脂材を前記金型に押し付ける押し付け部とを有することを特徴とする。
本発明では、繊維強化樹脂材をボビンから引き出しながら金型に並列して配設することによってUD材を形成する。ボビンは個別に回転可能であるため、金型の各部位に適切な長さの繊維強化樹脂材を配設できる。例えば、金型の曲げ部に複数の繊維強化樹脂材を並列して配設する際に、曲げ部の内周側ほど繊維強化樹脂材の長さを短くし、曲げ部の外周側ほど繊維強化樹脂材の長さを長くすることができる。本発明によれば、金型の曲げ部において皺を発生させることなくUD材を配設できる。こうしたUD材を使用して軸状複合部材を製造すれば、軸状複合部材の曲げ入力に対する剛性・強度を確保することが可能となる。さらに、軸状複合部材の曲げ部に皺がなくなるため、意匠性が向上する。
本発明において、前記ガイド部は、複数の前記ボビンから引き出された各前記繊維強化樹脂材を前記金型のキャビティの軸方向と平行に並列して配設し、前記押し付け部は、前記ガイド部によって配設された各前記繊維強化樹脂材を各前記繊維強化樹脂材間の隙間がなくなるまで前記金型に押し付けるようにしてもよい。
繊維強化樹脂材の延在方向をキャビティの軸方向と平行にすると、最終的に製造される軸状複合部材の軸方向と繊維の延在方向との角度が0°となる。このため、軸状複合部材の曲げ入力に対する剛性・強度が最も高くなる。また、配設時に繊維強化樹脂材を押しつぶすようにすれば、後工程で繊維強化樹脂材を押しつぶす作業が不要になる。
本発明に係る軸状複合部材の製造方法は、繊維束からなり表面に粘着性を有する複数の繊維強化樹脂材を一対の金型の各キャビティの軸方向と平行に並列して配設する工程と、各前記繊維強化樹脂材を各前記繊維強化樹脂材間の隙間がなくなるまで各前記金型に押し付ける工程と、一対の前記金型を型閉じして前記繊維強化樹脂材からなる管状部材を形成する工程と、前記管状部材に内圧を付与しつつ加熱して前記管状部材を硬化させる工程とを有することを特徴とする。
本発明では、金型の各部位に適切な長さの繊維強化樹脂材を配設できる。例えば、金型の曲げ部に複数の繊維強化樹脂材を並列して配設する際に、曲げ部の内周側ほど繊維強化樹脂材の長さを短くし、曲げ部の外周側ほど繊維強化樹脂材の長さを長くすることができる。つまり、金型の曲げ部において皺を発生させることなくUD材を配設できる。こうしたUD材を使用して軸状複合部材を製造するため、軸状複合部材の曲げ入力に対する剛性・強度を確保することが可能となる。さらに、軸状複合部材の曲げ部に皺がなくなるため、意匠性が向上する。
本発明によれば、金型の曲げ部において皺を発生させることなくUD材を配設できる。こうしたUD材を使用した軸状複合部材は、曲げ入力に対する剛性・強度を確保することが可能となる。さらに、軸状複合部材の曲げ部に皺がなくなるため、意匠性が向上する。
図1は本発明の実施形態に係る繊維強化樹脂材の配設装置と金型との正面、平面及び右側面を示す斜視図である。 図2は本発明の実施形態に係る繊維強化樹脂材の配設装置の背面、平面及び右側面を示す斜視図である。 図3は規制部材と終端ガイド部材と押し付け部の正面、平面及び右側面を示す斜視図である。 図4Aは配設部によって金型に配設された各繊維強化樹脂材を示す模式図であり、図4Bは押し付け部によって押しつぶされた各繊維強化樹脂材を示す模式図である。 図5は単層の軸状複合部材を製造する一連の工程を説明するための模式図である。 図6は2層の軸状複合部材を製造する一連の工程を説明するための模式図である。 図7は軸状複合部材に対する曲げ入力を説明するための図である。 図8はUD材の繊維配向角と剛性との関係を示す図である。
以下、本発明に係る繊維強化樹脂材の配設装置及び当該装置を用いて形成された半割形状の繊維強化樹脂材を用いた軸状複合部材の製造方法について好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
本実施形態で説明する軸状複合部材は車両の部品、例えば、ステアリング用のハンドル、タワーバー、サスペンションアーム及びスタビライザー等として使用可能である。また、スポーツレジャー用品、例えば自転車のハンドル等としても使用可能である。
[繊維強化樹脂材12の配設装置10の構成]
図1は本発明の実施形態に係る繊維強化樹脂材12の配設装置10と金型50との正面、平面及び右側面を示す斜視図である。図2は本発明の実施形態に係る繊維強化樹脂材12の配設装置10の背面、平面及び右側面を示す斜視図である。
繊維強化樹脂材12の配設装置10(以下、単に配設装置10ともいう)は、繊維束からなり表面に粘着性を有する繊維強化樹脂材12がそれぞれに巻かれ、個別に回転可能な複数のボビン14と、複数のボビン14から引き出された各繊維強化樹脂材12を金型50に沿って並列して配設するガイド部20と、ガイド部20によって配設された各繊維強化樹脂材12を金型50に押し付ける押し付け部40とを有する。
配設装置10は、図示しない駆動装置、例えば3軸ロボットのアーム先端にエンドエフェクタとして取り付けられる。3軸ロボットは、予めティーチングされた移動経路に沿って、配設装置10を、例えば図1の矢印Aに沿って移動させる。
繊維強化樹脂材12は、図5の最下部(ステップS6)に示す軸状複合部材80及び図6の最下部(ステップS17)に示す軸状複合部材90の材料であり、強化材となる繊維にマトリクス材となる樹脂を含浸させた多数のフィラメントから構成されるトウプリプレグである。繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、窒化珪素繊維等の無機繊維や、アラミド繊維、ポリアリレート繊維、ポリエチレン繊維等の有機繊維が使用される。また、チタン繊維、アモルファス繊維、ステンレススチール繊維等の金属繊維を使用してもよい。また、複数種の繊維を組み合わせて使用してもよい。樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂が使用される。
繊維強化樹脂材12は、複数のボビン14にそれぞれ引き出し可能な状態で巻かれる。各ボビン14の中心には軸部材15が挿通されており、この軸部材15は一対の支持部材16の間に架設される。つまり、複数のボビン14は、配設装置10の移動方向と垂直方向に一方向に並べて配置される。各ボビン14は、軸部材15を介して一対の支持部材16によって支持され、軸部材15を中心にして個別に回転可能である。なお、軸部材15が挿通される各ボビン14の孔の径は、軸部材15の径よりも大きく形成されている。このため、各ボビン14は軸部材15に対して自由に回転可能である。
支持部材16の一端は、プレート18の一面18aに固定される。図2に示すように、プレート18には、一面18aから他面18bに貫通する複数の孔18cが形成される。複数の孔18cは1列に配列される。孔18cには、ボビン14から引き出された繊維強化樹脂材12が、一面18a側から他面18b側に向けて挿通される。
プレート18の他面18b側には、ガイド部20が設けられる。ガイド部20は柱状部材22と、中間ガイド部材24と、規制部材26と、終端ガイド部材28とを備える。柱状部材22の一端は、プレート18の他面18bに固定される。
中間ガイド部材24は、柱状部材22に取り付けられるプレート状の部材である。中間ガイド部材24には、一面24aから他面24bに貫通する複数の孔24cが形成される。複数の孔24cは2列に配列される。孔24cには、ボビン14から引き出され、プレート18の孔18cを経由した繊維強化樹脂材12が、一面24a側から他面24b側に向けて挿通される。中間ガイド部材24は、プレート18の孔18cを通過して1列に拡がる繊維強化樹脂材12を2列にまとめて、終端ガイド部材28にガイドする。
ここで、ガイド部20の規制部材26と終端ガイド部材28、及び押し付け部40について図1及び図3を用いて説明する。図3は規制部材26と終端ガイド部材28と押し付け部40の正面、平面及び右側面を示す斜視図である。
規制部材26と終端ガイド部材28は、柱状部材22の他端に形成される。このうち規制部材26は、柱状部材22の径方向の一方向とその逆方向に突出する。規制部材26は、当該規制部材26の下面が金型50の分割面51に当接することによって、金型50のキャビティ52における終端ガイド部材28の位置を規制する。
終端ガイド部材28は、配設部32とゴム取付け部34とを有する。配設部32は、金型50のキャビティ52に入れられる部材であり、キャビティ52の断面形状と略同一の断面形状が部分的に形成される。本実施形態では半円板状の部材である。配設部32の外周曲面32aは金型50のキャビティ52の内周曲面56と対向する。配設部32の外周曲面32aには、配設部32の軸線方向と平行する複数の溝32bが、配設部32の一面32cから他面32dにかけて形成される。各溝32bの断面形状は、繊維強化樹脂材12の断面形状に合わせた円弧状である。溝32bには、ボビン14から引き出され、プレート18の孔18c及び中間ガイド部材24の孔24cを経由した繊維強化樹脂材12が、一面32c側から他面32d側に向けて挿通される。
なお、配設部32においては、他面32dの表面積が一面32cの表面積よりも小さい方が好ましい。すなわち、配設部32の外周曲面32aが他面32d側から一面32c側にかけて傾斜することが好ましい。
ゴム取付け部34は、配設部32の他面32dと同一面を形成するゴム取付け面34aを有する。ゴム取付け面34aには、一対の突起36が形成される。また、ゴム取付け部34のゴム取付け面34aと配設部32の他面32dにまたがって、円環状の突出部38が形成される。
押し付け部40は、円板状のゴム部材である。押し付け部40の円弧は、配設部32の外周曲面32aの円弧よりも若干小径である。押し付け部40の縁には小片40aが形成され、また、中央には孔40bが形成される。小片40aはゴム取付け部34に形成された一対の突起36の間に嵌められ、孔40bはゴム取付け部34及び配設部32に形成された円環状の突出部38に嵌められる。このようにして押し付け部40は、ゴム取付け部34及び配設部32に固定される。
[配設装置10を用いた繊維強化樹脂材12の配設方法]
次に、配設装置10を用いて金型50に繊維強化樹脂材12を配設する方法について、図1、図3、図4A、図4Bを参照しつつ説明する。図4Aは配設部32によって金型50に配設された各繊維強化樹脂材12を示す模式図であり、図4Bは押し付け部40によって押しつぶされた各繊維強化樹脂材12を示す模式図である。図4Aはガイド部20の正面図に相当し、図4Bはガイド部20に取り付けられた押し付け部40の正面図に相当する。
先ず、図1に示されるガイド部20の終端ガイド部材28を、金型50のキャビティ52に入れる。このとき、配設部32の各溝32bを経由した各繊維強化樹脂材12の端部を、金型50の内周曲面56に貼り付ける。そして、3軸ロボットを駆動し、図1の矢印Aに示すように、配設装置10を金型50の表面に沿って移動させることによって、配設部32をキャビティ52に沿って移動させる。
各繊維強化樹脂材12の端部は、金型50の内周曲面56に貼り付けられているため、配設装置10の移動に伴いボビン14から引き出された繊維強化樹脂材12は、ボビン14に巻かれている繊維強化樹脂材12を引っ張る。すると、ボビン14に回転力が与えられ、ボビン14は軸部材15を中心に回転する。その結果、繊維強化樹脂材12がボビン14から引き出される。
図4Aに示すように、ボビン14から引き出された繊維強化樹脂材12は、プレート18の孔18c、中間ガイド部材24の孔24c、配設部32の溝32bを経由して、金型50の内周曲面56に配設される。このとき、各繊維強化樹脂材12は、キャビティ52の軸方向と平行に並列して配設される。
配設時、図4Bに示すように、各繊維強化樹脂材12は、押し付け部40によって各繊維強化樹脂材12間の隙間がなくなるまで金型50の内周曲面56に押し付けられる。各繊維強化樹脂材12は押しつぶされて、半割部材60が形成されていく。半割部材60は一方向に繊維強化樹脂材12が引き揃えられたUD材である。
金型50の曲げ部54は内外周差を有する。曲げ部54において外周は内周よりも長い。配設部32が曲げ部54を移動する際、各ボビン14の回転数(回転速度)は異なる。曲げ部54の外周側に配設される繊維強化樹脂材12が巻かれるボビン14は、曲げ部54の内周側に配設される繊維強化樹脂材12が巻かれるボビン14よりも多く回転するため、多くの繊維強化樹脂材12が引き出される。このように配設装置10によれば、曲げ部54の内外周差を正確に反映した半割部材60を形成できるため、半割部材60の曲げ部で皺が生じない。
[軸状複合部材の製造方法1]
次に、配設装置10を用いて2つの半割部材60A、60Bを形成した後に軸状複合部材80を製造する方法について、図5を参照しつつ説明する。図5は単層の軸状複合部材80を製造する一連の工程を説明するための模式図である。
先ず、一対の金型50A、50Bを用意し、図5のステップS1に示すように、金型50A及び金型50Bに複数の繊維強化樹脂材12を配設して半割部材60A、60Bを形成する。半割部材60A、60Bを形成する際には、図1等に示す配設装置10を用いる。このため、半割部材60A、60Bの曲げ部62A、62Bの内周側には皺が生じない。
半割部材60A、60Bの形成後、図5のステップS2に示すように、金型50Bに形成された半割部材60Bの内周側に、ナイロン製又はゴム製のチューブ状バッグ66を嵌める。
チューブ状バッグ66を嵌めた後、図5のステップS3に示すように、金型50Aと金型50Bを型閉じする。金型50Aには位置決め用の複数の孔58Aが形成されており、金型50Bには位置決め用の複数のピン58Bが形成されている。金型50A、50Bの型閉じの際に、金型50Aの孔58Aに、金型50Bのピン58Bを挿入する。金型50A、50Bの型閉じによって、金型50A、50Bの間には、2つの半割部材60A、60Bからなる管状部材62が形成される。
金型50A、50Bの型閉じ後、図5のステップS4に示すように、チューブ状バッグ66の両端に栓72、74を取り付ける。一方の栓72をエアポンプ76に接続し、エアポンプ76からチューブ状バッグ66の内部に0.6MPaのエアを供給する。
エア供給後、図5のステップS5に示すように、栓72を閉じて、炉等の加熱装置78で金型50A、50Bごと管状部材62を熱する。このとき、管状部材62の内周には、チューブ状バッグ66によって所定の内圧が付与されている。所定時間、所定温度の熱処理を行うと、管状部材62は硬化する。
熱処理終了後、図5のステップS6に示すように、管状部材62が硬化した軸状複合部材80を金型50A、50Bから取り出す。ステップS1にて曲げ部62A、62Bに皺がない半割部材60A、60Bを形成したため、軸状複合部材80の曲げ部82にも皺がない。
[軸状複合部材の製造方法2]
前述した製造方法1によって製造されるのは、単層のUD材からなる軸状複合部材80である。しかし、曲げ/捻りを同時に受けることを可能にするためには、繊維強化樹脂材層を複数層にすることが好ましい。
図6は2層の軸状複合部材90を製造する一連の工程を説明するための模式図である。2層の軸状複合部材90を製造する方法について、図6を参照しつつ説明する。
図6に示すステップS11、ステップS13〜ステップS17は、図5に示すステップS1〜ステップS6と実質的に同一である。このため、その詳細な説明を省略する。図6に示す一連の工程で特異なのは、ステップS12である。
ステップS12において、樹脂マンドレル(芯金)68にナイロン製又はゴム製のチューブ状バッグ66を被せ、チューブ状バッグ66の表面に、シート状のプリプレグ(45°材)86をシートワインディング(SW)法で巻きつける。このとき、チューブ状バッグ66が被せられた樹脂マンドレル68を3つのロール84で挟み、ロール84を回転させることによって、樹脂マンドレル68を回転させて、チューブ状バッグ66の表面にプリプレグ86を巻きつける。
なお、チューブ状バッグ66の表面にシートワインディング(SW)法でシート状のプリプレグ86を巻きつけるのではなく、フィラメントワインディング(FW)法でフィラメントを巻きつけてもよい。
次いで、ステップS13にて、金型50Bに形成された半割部材60Bの内周側に樹脂マンドレル68を嵌め、ステップS14にて、型閉じする。ステップS15にて、樹脂マンドレル68を引き抜き、チューブ状バッグ66の両端に栓72、74を取り付けて、チューブ状バッグ66の内部に0.6MPaのエアを供給する。ステップS16にて、所定時間、所定温度の熱処理を行い、ステップS17にて軸状複合部材90を金型50A、50Bから取り出す。
軸状複合部材90は、内側に位置する45°材の層と、外側に位置するUD材(0°材)とで構成される。このため、軸状複合部材90はUD材の機能、すなわち軸状複合部材80の機能の他に、45°材の機能を有する。例えば、自転車のハンドルには、図7に示すような曲げ荷重や、図6のステップS17に示す捻り荷重が作用する。軸状複合部材90は、捻り荷重に対して45°材の層の剛性を有し、曲げ荷重に対してはUD材の層の剛性を有する。軸状複合部材90に捻り荷重や曲げ荷重が作用する場合、軸状複合部材90のパーティングラインは、最も応力の低い部位となる。パーティングラインは繊維と同じ向きとなる。
[他の実施形態]
上述した実施形態では、3軸ロボットを用いて配設装置10を互いに直交する3軸、すなわちX軸、Y軸、Z軸方向に移動させている。しかし、配設装置10と金型50、50A、50Bとを相対的に変位させればよく、例えば、配設装置10をZ軸方向に移動させ、金型50、50A、50BをX軸、Y軸方向に移動させてもよい。
上述した実施形態では、配設部32の外周曲面32aに複数の溝32bが形成されている。その代わりに、配設部32の内部に複数の孔が形成されてもよい。
上述した実施形態では、配設部32は半円板状の部材である。その代わりに、配設部32が1/4球状であってもよい。1/4球状の場合、配設部の球面が金型50のキャビティ52の内周曲面56と対向する。配設部の球面には複数の溝が形成される。各溝の断面形状は、繊維強化樹脂材12の断面形状に合わせた円弧状である。溝には、ボビン14から引き出され、プレート18の孔18c及び中間ガイド部材24の孔24cを経由した繊維強化樹脂材12が、1/4球状体の底面側に向けて挿通される。
上述した実施形態では、配設部32は半円板状の部材である。その代わりに、配設部32が半円錐状であってもよい。
[本実施形態の効果]
本実施形態に係る配設装置10では、繊維強化樹脂材12をボビン14から引き出しながら金型50、50A、50Bに並列して配設することによってUD材を形成する。ボビン14は個別に回転可能であるため、金型50、50A、50Bの各部位に適切な長さの繊維強化樹脂材12を配設できる。例えば、金型50、50A、50Bの曲げ部54、54A、54Bに複数の繊維強化樹脂材12を並列して配設する際に、曲げ部54、54A、54Bの内周側ほど繊維強化樹脂材12の長さを短くし、曲げ部54、54A、54Bの外周側ほど繊維強化樹脂材12の長さを長くすることができる。配設装置10によれば、金型50、50A、50Bの曲げ部54、54A、54Bにおいて皺を発生させることなくUD材を配設できる。こうしたUD材を使用して軸状複合部材80、90を製造するため、軸状複合部材80、90の曲げ入力に対する剛性・強度を確保することが可能となる。さらに、軸状複合部材80、90の曲げ部82、92に皺がなくなるため、意匠性が向上する。
また、繊維強化樹脂材12の延在方向をキャビティ52の軸方向と平行にすると、最終的に製造される軸状複合部材80、90の軸方向と繊維の延在方向との角度が0°となる。このため、軸状複合部材80、90の曲げ入力に対する剛性・強度が最も高くなる。また、配設時に繊維強化樹脂材12を押しつぶすようにすれば、後から繊維強化樹脂材12を押しつぶす作業が不要になる。
本実施形態によれば、軸状複合部材80、90の曲げ部82、92の屈曲半径Rを、軸状複合部材80、90の直径の2倍程度まで小さくすることができる。
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
10…繊維強化樹脂材の配設装置 12…繊維強化樹脂材
14…ボビン 20…ガイド部
22…柱状部材 24…中間ガイド部材
26…規制部材 28…終端ガイド部材
32…配設部 34…ゴム取付け部
40…押し付け部 50、50A、50B…金型
54、54A、54B…曲げ部 80、90、100…軸状複合部材
82、92…曲げ部

Claims (3)

  1. 繊維束からなり表面に粘着性を有する繊維強化樹脂材がそれぞれに巻かれ、個別に回転可能な複数のボビンと、
    複数の前記ボビンから引き出された各前記繊維強化樹脂材を金型に沿って並列して配設するガイド部と、
    前記ガイド部によって配設された各前記繊維強化樹脂材を前記金型に押し付ける押し付け部とを有する
    ことを特徴とする繊維強化樹脂材の配設装置。
  2. 請求項1に記載の繊維強化樹脂材の配設装置において、
    前記ガイド部は、複数の前記ボビンから引き出された各前記繊維強化樹脂材を前記金型のキャビティの軸方向と平行に並列して配設し、
    前記押し付け部は、前記ガイド部によって配設された各前記繊維強化樹脂材を各前記繊維強化樹脂材間の隙間がなくなるまで前記金型に押し付ける
    ことを特徴とする繊維強化樹脂材の配設装置。
  3. 繊維束からなり表面に粘着性を有する複数の繊維強化樹脂材を一対の金型の各キャビティの軸方向と平行に並列して配設する工程と、
    各前記繊維強化樹脂材を各前記繊維強化樹脂材間の隙間がなくなるまで各前記金型に押し付ける工程と、
    一対の前記金型を型閉じして前記繊維強化樹脂材からなる管状部材を形成する工程と、
    前記管状部材に内圧を付与しつつ加熱して前記管状部材を硬化させる工程とを有する
    ことを特徴とする軸状複合部材の製造方法。
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