JP2016055511A - 造形装置、造形物の製造方法及び塗布部 - Google Patents
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Abstract
Description
以下、実施形態について図面を参照しつつ説明する。まず、実施形態を3つのグループ、すなわち、第1実施形態及びその変形例、第2実施形態並びに第3実施形態及びその変形例に分けて説明する。次いで、実施例及び比較例について説明する。
まず、第1実施形態及びその変形例について図面を参照しつつ説明する。
[造形装置の機能]
本実施形態の造形装置10は、図1に示されるように、台20に樹脂Rを塗布し、造形物を製造する機能を有する。台20及び樹脂Rについては後述する。以下、造形装置10に用いられる樹脂Rについて説明し、造形装置10の全体構成について説明する。
樹脂Rは、熱可塑性樹脂とされている。樹脂Rは、一例としてアクリロニトリルブタジエンスチレン(Acrylonitrile Butadiene Styrene)樹脂とされている。
造形装置10は、図1に示されるように、台20と、移動装置30と、塗布装置40と、制御装置50と、を含んで構成されている。以下、図中のZ方向を装置高さ方向、X方向を装置幅方向、Z方向及びX方向に交差する方向(Y方向)を装置奥行き方向として説明する。
台20は、板とされている。台20は、装置幅方向及び装置奥行き方向に沿って配置されている。そして、台20の上面には、塗布装置40により樹脂Rが塗布されて、造形物が製造されるようになっている。ここで、装置幅方向及び装置奥行き方向は、台20に沿う複数の方向の一例である。
移動装置30は、塗布装置40に対して、台20を装置高さ方向、幅方向及び奥行き方向に移動させる機能を有する。別の見方をすると、移動装置30は、塗布装置40を台に対して相対的に移動させるようになっている。ここで、移動装置30は、移動部の一例である。
塗布装置40は、巻き部80から搬送された樹脂Rを吐出部62から台20に吐出しながら移動装置30により台20に対し相対的に移動されて台20に樹脂Rを塗布し、この移動に伴って樹脂Rに筋L(図5(A)及び図7(A)参照)を形成する機能を有する。ここで、筋Lとは、塗布部の一例であるヘッド60が台20に対するヘッド60の相対移動に伴って樹脂Rに形成する筋の一例である。
ヘッド60は、図3並びに図4(A)及び(B)に示されるように、吐出部62と、突出部66と、を含んで構成されている。ここで、突出部66は、筋形成部の一例である。
吐出部62は、貫通穴63が形成された円筒体とされている。吐出部62は、その自軸が装置高さ方向に沿うように配置されている。また、吐出部62の下側には、台20の上面に向く端面64が形成されている。端面64は、装置幅方向及び装置奥行き方向に沿っている。そして、貫通穴63の下側の端部は、樹脂Rが吐出される吐出口65とされている。ここで、吐出口65が樹脂Rを吐出する方向は、図3に示されるように、装置高さ方向下側(−Z方向)とされている。吐出口65は、図4(A)に示されるように、円形とされている。なお、吐出口65の径は、一例として0.4mmとされている。ここで、塗布される樹脂Rの塗布幅は、吐出口65の径と同等とされている。
突出部66は、図5(A)及び(B)に示されるように、吐出部62の台20に対する相対移動に伴って樹脂Rに筋Lを形成する機能を有する。なお、突出部66については後述する。
加熱部70は、巻き部80から搬送されてヘッド60の貫通穴63内に挿入された樹脂Rを加熱して、樹脂Rを溶融させる機能を有する。
巻き部80は、ヘッド60の貫通穴63内に挿入される前の樹脂Rを回転軸82に巻いた状態で保持する機能を有する。
搬送部は、巻き部80に保持されている樹脂Rを回転する一対のロール(図示省略)で挟みながら搬送して、吐出部62の貫通穴63内に挿入する機能を有する。搬送部は、吐出部62の上側に配置されている。
制御装置50は、造形装置10を構成する制御装置50以外の装置等を制御する機能を有する。例えば、制御装置50は、外部装置の一例であるコンピューター(図示省略)から造形物のデータを受け取ると、このデータに基いて、移動装置30と、塗布装置40とを制御するようになっている。その結果、制御装置50は、移動装置30による台20の移動動作、塗布装置40を構成する加熱部70の加熱動作及び搬送部の搬送動作等を、制御するようになっている。
以下、造形装置10について補足する。
前述のとおり、造形装置10を構成する塗布装置40は、熱可塑性樹脂である樹脂Rを溶融させて吐出口65から台20に向けて吐出し、台20に対して吐出部62を相対的に移動させて台20に樹脂Rを塗布する。そして、造形装置10は、樹脂Rで形成した層を装置高さ方向に積層して、3次元形状の造形物を製造するようになっている。別言すると、造形装置10は、いわゆる熱溶融積層法(Fused Deposition Modeling Method)と呼ばれる方法で造形物を製造するようになっている。
前述のとおり、本明細書では「吐出」及び「塗布」なる用語を用いている。ここで、「吐出」とは、吐出部62の吐出口65から溶融した樹脂Rを台20に向けて吐き出すことを意味する。これに対して、「塗布」とは、台20に対して吐出部62を相対的に移動させながら吐出口65が樹脂Rを吐出することで、装置幅方法及び装置奥行き方向に沿って台20に樹脂Rを配置することを意味する。なお、樹脂Rで上記層を形成することは、樹脂Rを塗布することの一態様である。
次に、造形装置10の動作(造形装置10を用いた造形物の製造方法)について、図面を参照しつつ説明する。以下、造形装置10を用いて造形物の一例である円錐台Mを製造する場合について説明する。
まず、作業者が第1モードを選択した場合について説明する。塗布装置40は、図2(A)に示されるように、吐出口65から溶融した樹脂Rを吐出し、台20に対し相対的に吐出部62を装置幅方向一方向、装置奥行き方向、装置幅方向他方向の順で移動されて樹脂Rを台20に塗布する。そして、造形装置10は、樹脂Rの層を形成する。その際、吐出部62の装置奥行き方向への移動距離は、吐出口65の径に相当する距離とされる。そのため、装置幅方向に沿って塗布された隣り合う樹脂R同士は、接触した状態で塗布される。
次に、作業者が第2モードを選択した場合について説明する。塗布装置40は、図2(B)に示されるように、吐出口65から溶融した樹脂Rを吐出し、台20に対し相対的に吐出部62を、円錐台Mの底面の中心から外周面に向けて渦を巻くように移動させて樹脂Rを台20に塗布する。そして、造形装置10は、樹脂Rの層を形成する。その際、隣り合う樹脂R同士は、接触した状態で塗布される。
次に、突出部の構成について、図面を参照しつつ詳しく説明する。
次に、本実施形態の作用について、図面を参照しつつ説明する。以下の説明では、本実施形態と、以下に想定する比較形態とを比較して行う。なお、比較形態において、本実施形態の造形装置10で用いた部品等を用いる場合、その部品等の符号及び各工程の名称をそのまま用いて説明する。
比較形態の造形装置(以下、比較装置という。)は、吐出部62の端面64に突出部66が設けられていない点で、造形装置10と異なる。比較装置は、その点以外は、造形装置10と同様の構成とされている。
これに対して、造形装置10を用いて第1モード及び第2モードで円錐台Mを製造すると、比較製造方法1及び2と同様に、円錐台Mの上面に筋Jが形成される。しかしながら、造形装置10を用いて第1モード及び第2モードにより円錐台Mを製造すると、吐出口65から台20に吐出された樹脂Rに対し、突出部66が食い込んで、突出部66による筋Lが形成された樹脂Rが塗布される。そのため、造形装置10を用いて第1モードで樹脂Rを塗布した場合、図5(A)及び(B)に示されるように、塗布後の樹脂Rには、吐出部62の台20に対する相対移動に伴って、筋Lが形成される。その結果、円錐台Mの上面には、図7(A)及び(B)に示されるように、筋J同士の間に、筋Lが形成される。
また、造形装置10の吐出部62の端面64には、突出部66が吐出口65を囲んで複数個設けられている。また、前述のとおり、ヘッド60が台20に対して平面上の何れの方向に移動する場合であっても、例えば第2モードの場合、複数個設けられた突出部66のうち少なくとも1個が、吐出口65から吐出された樹脂Rに接触して筋Lを形成するように構成されている。
次に、第1実施形態の第1変形例について、図9(A)及び(B)を参照しつつ説明する。なお、本変形例において、第1実施形態の造形装置10で用いた部品等を用いる場合、その部品等の符号及び各工程の名称をそのまま用いて説明する。
本変形例のヘッド60Aの突出部66Aは、吐出部62の端面64に複数個(16個)形成されている。ここで、ヘッド60Aは、塗布部の一例である。また、突出部66Aは、筋形成部の一例である。また、突出部66Aは、第1実施形態の突出部66と同様の形状とされている。つまり、突出部66の最大径は、吐出口65の径よりも小さい。そして、16個の突出部66Aのうち半分は、装置高さ方向下側から見ると、自軸Oからの距離を一定にして端面64の内周縁側に寄って、自軸O周りに角度45°ずつずれて、吐出口65を囲んで配置されている。また、16個の突出部66Aのうち残りの半分は、装置高さ方向下側から見ると、自軸Oからの距離を一定にして端面64の外周縁側に寄って、自軸O周りに角度45°ずつずれて、吐出口65を囲んで配置されている。上記突出部66Aの半分と、上記残りの半分とは、周方向において位相が22.5°ずれている。そして、各突出部66Aのうち少なくとも2個は、ヘッド60Aが台20に対して平面上の何れの方向に移動する場合、吐出口65から吐出された樹脂Rに接触して筋Lを形成するように構成されている。本変形例の造形装置のその他の構成は、第1実施形態の構成と同様とされている。
本変形例の造形装置で樹脂Rを塗布すると、塗布後の樹脂Rには、少なくとも2個の突出部66Aが接触して2本以上の筋Lが形成される。
そのため、本変形例の造形装置を用いて造形物を製造すると、第1実施形態の造形装置10を用いて造形物を製造する場合に比べて、樹脂Rの塗布幅に依存した筋が目立ち難い造形物を製造することができる。
本変形例のその他の作用は、第1実施形態の作用と同様である。
次に、第1実施形態の第2変形例について、図10(A)及び(B)を参照しつつ説明する。なお、本変形例において、第1実施形態の造形装置10で用いた部品等を用いる場合、その部品等の符号及び各工程の名称をそのまま用いて説明する。
本変形例のヘッド60Bの突出部66Bは、吐出部62の端面64に8個形成されている。ここで、ヘッド60Bは、塗布部の一例である。また、突出部66Bは、筋形成部の一例である。
本変形例のヘッド60Bの突出部66Bは、前述したヘッド60の突出部66及びヘッド60Aの突出部66Aに比べて、加工が容易である。そのため、本変形例のヘッド60B及び本変形例の造形装置は、製造が容易である。本変形例のその他の作用は、第1実施形態の作用と同様である。
次に、第1実施形態の第3変形例について、図11(A)及び(B)を参照しつつ説明する。なお、本変形例において、第1実施形態の造形装置10で用いた部品等を用いる場合、その部品等の符号及び各工程の名称をそのまま用いて説明する。
本変形例のヘッド60Cの端面64には、表面粗さが5μm以上100μm以下とされる凹凸部66Cが形成されている。ここで、ヘッド60Cは、塗布部の一例である。また、凹凸部66Cは、筋形成部の一例である。そして、本変形例のヘッド60Cの端面64は、凹凸部66Cが形成された面、つまり、凹凸部66Cとされている。このため、凹凸部66Cは、吐出口65を囲んでいる。ここで、表面粗さとは、十点平均粗さRz(JIS B 0601−1994参照)のことをいう。本変形例の造形装置のその他の構成は、第1実施形態の造形装置10の構成と同様である。
本変形例の造形装置で樹脂Rを塗布すると、塗布後の樹脂Rには、凹凸部66Cが接触して多数の筋Lが形成される。また、本変形例の造形装置を用いて造形物を製造すると、第1実施形態の造形装置10及び第1及び第2変形例の造形装置を用いて造形物を製造する場合に比べて、樹脂Rの表面がマット調(表面に入射する光が乱反射し易い状態)の造形物を製造することができる。本変形例のその他の作用は、第1実施形態の作用と同様である。
[構成]
次に、第1実施形態の第4変形例について、図13(A)及び(B)を参照しつつ説明する。なお、本変形例において、第1実施形態の造形装置10で用いた部品等を用いる場合、その部品等の符号及び各工程の名称をそのまま用いて説明する。
本変形例のヘッド60Dは、吐出部62と、筒部90と、を含んで構成されている。ここで、ヘッド60Dは、塗布部の一例である。吐出部62の端面64には、突出部が形成されていない。また、筒部90は、吐出部62の外周面を囲うように配置されている。筒部90は、その内周面が吐出部62の外周面に接着されて固定されている。筒部90の下側端部は、端面64よりも装置高さ方向下側に突出している。そして、筒部90の下側端部には、台20に向けて突出した突起66Dが形成されている。突起66Dは、装置幅方向又は装置奥行き方向から見ると、台20に向く頂点が形成された三角形とされている。ここで、突起66Dは、突出部及び筋形成部の一例である。突起66Dは、吐出部62の端面64を囲むように、複数個設けられている。そのため、別の見方をすると、端面64及び吐出口65は、複数個の突起66Dで構成される鋸歯に囲まれている。本変形例の造形装置のその他の構成は、第1実施形態の造形装置10の構成と同様である。
本変形例の突起66Dは、吐出部62の端面64ではなく、吐出部62の別部材である筒部90の下側端部に形成されている。そのため、本変形例の突起66Dは、第1実施形態の突出部66及び第1変形例の突出部66Aに比べて、製造し易い。本変形例のその他の作用は、第1実施形態の作用と同様である。
次に、第2実施形態について、図14(A)、(B)及び(C)を参照しつつ説明する。なお、本実施形態において、第1実施形態の造形装置10で用いた部品等を用いる場合、その部品等の符号及び各工程の名称をそのまま用いて説明する。
本変形例のヘッド60Eは、吐出部62と、板部90Aと、を含んで構成されている。ここで、ヘッド60Eは、塗布部の一例である。吐出部62の端面64は、平面とされている。また、板部90Aは、長尺とされている。そして、板部90Aは、装置高さ方向に沿って延びており、吐出部62と離間して配置されている。板部90Aの下側端部は、吐出口65(端面64)よりも装置高さ方向下側に突出している。そして、板部90Aの下側端部には、台20に向けて突出した突起66Eが形成されている。突起66Eは、板部90Aの板厚方向から見ると、台20に向く頂点が形成された三角形とされている。ここで、突起66Eは、筋形成部の一例である。突起66Eは、直線方向に沿って複数個設けられている。そのため、別の見方をすると、板部90Aの下側端部には、複数個の突起66Dで構成される鋸歯が形成されている。なお、突起66E同士の間隔は、図14(B)及び(C)に示されるように、樹脂Rの吐出幅(塗布幅)よりも狭くされている。
本変形例の造形装置を用いて造形物を製造する場合、突起部66Eが吐出部62が吐出した樹脂Rに移動方向上流側で接触するように、板部90Aが移動される。そのため、本変形例のヘッド60Eは、第1実施形態及び第1〜第4変形例のヘッド60、60A〜Dと異なり、突出部66を吐出口65を囲むように配置する必要がない。
次に、第3実施形態及びその変形例について図面を参照しつつ説明する。なお、本実施形態において、第1実施形態の造形装置10で用いた部品等を用いる場合、その部品等の符号及び各工程の名称をそのまま用いて説明する。
[構成]
本実施形態のヘッド60Fは、円柱体とされている。ここで、ヘッド60Fは、塗布部の一例である。ヘッド60Fには、図15(A)に示されるように、貫通穴63Aが自軸Oに沿って形成されている。円柱体には、貫通穴63Aが3個形成されている。各貫通穴63Aは、装置高さ方向から見ると円形とされている。各貫通穴63Aは、装置高さ方向下側から見ると、自軸Oを中心として、周方向に等間隔で配置されている。そして、各貫通穴63Aにおける端面64の端部は、各吐出口65Aとされている。そのため、ヘッド60Fには、吐出口65Aが、自軸Oを中心として、周方向に等間隔で3個形成されている。ここで、塗布される樹脂Rの塗布幅は、自軸Oを中心として各吐出口65Aを囲みながら接する仮想円(図中の二点差線の仮想円)の径と同等とされている。
本実施形態の造形装置を用いて造形物を製造すると、樹脂Rを塗布する際、吐出に伴って樹脂Rに筋Lが形成される。したがって、本実施形態の造形装置を用いた造形物の製造方法によれば、比較製造方法1及び2に比べて、筋Jが目立ち難い造形物を製造することができる。換言すれば、本実施形態の造形装置によれば、比較装置に比べて、筋Jが目立ち難い造形物を製造することができる。
次に、第3実施形態の第1変形例について、図15(B)を参照しつつ説明する。なお、本変形例において、第1実施形態の造形装置10及び第3実施形態の造形装置で用いた部品等を用いる場合、その部品等の符号及び各工程の名称をそのまま用いて説明する。
本変形例のヘッド60Gは、円柱体とされている。ここで、ヘッド60Gは、塗布部の一例である。吐出部62Bには、図15(B)に示されるように、貫通穴63Bが自軸Oに沿って形成されている。円柱体には、貫通穴63Bが4個形成されている。各貫通穴63Bは、装置高さ方向から見ると円形とされている。各貫通穴63Bは、装置高さ方向下側から見ると、自軸Oを中心として、周方向に等間隔で配置されている。そして、各貫通穴63Bにおける端面64の端部は、吐出口65Bとされている。そのため、ヘッド60Gには、吐出口65Bが、自軸Oを中心として、周方向に等間隔で4個形成されている。ここで、塗布される樹脂Rの塗布幅は、自軸Oを中心として各吐出口65Bを囲みながら接する仮想円(図中の二点差線の仮想円)の径と同等とされている。
本変形例の作用は、第1実施形態、第1実施形態の第1〜第4変形例、第2実施形態及び第3実施形態の作用と同様である。
次に、第3実施形態の第2変形例について、図15(C)を参照しつつ説明する。なお、本変形例において、第1実施形態の造形装置10並びに第3実施形態及び第1変形例の造形装置で用いた部品等を用いる場合、その部品等の符号及び各工程の名称をそのまま用いて説明する。
本変形例のヘッド60Hは、円柱体とされている。ここで、ヘッド60Hは、塗布部の一例である。本実施形態のヘッド60Hには、図15(C)に示されるように、装置高さ方向下側から見ると、貫通穴63Cが十字状に形成されている。また、別の見方をすると、貫通穴63Cは、第1変形例におけるヘッド60Gの自軸Oを中心に貫通させることで、4つの貫通穴63Bの内周面を繋げた貫通穴とも見ることができる。
本実施形態の作用は、第1実施形態、第1実施形態の第1〜第4変形例、第2実施形態及び第3実施形態の第1及び第2変形例の作用と同様である。
前述のとおり、第1実施形態及びその変形例並びに第3実施形態及びその変形例の造形装置によれば、比較装置に比べて、筋Jが目立ち難い造形物を製造することができる。
<概要>
ここでは、以下に説明する実施例のヘッドと、比較例のヘッドとを用意し、前述の第1実施形態の造形装置10のヘッド60を上記のヘッドに換えて、実験を行った。実験では、上記の2つのヘッドを用いて製造した造形物の表面の空間周波数を測定して比較した。
実施例のヘッドは、前述の比較装置のヘッド、すなわち、吐出部62の端面64が平面であるヘッドを準備し、端面64に吐出口65の径よりも小さい凹凸ピッチをヤスリにより形成したものとした。これに対し、比較例のヘッドは、前述の比較装置のヘッドとした。
上記空間周波数分析の結果は、図17のとおりである。図17について簡単に説明すると、横軸の値は、空間周波数(1/mm)であり、縦軸の値はその強度を示している。実施例及び比較例における縦軸の値は、それぞれの0次成分で規格化したものを示している。
評価結果1は、実施例のヘッドを用いて樹脂Rを塗布する際、実施例のヘッドの端面64に形成された凹凸ピッチが樹脂Rにおける筋Jの周辺の部位に接触することで、筋Jの周辺の部位に筋Lが形成されたためと推認される。
20 台
30 移動装置(移動部の一例)
60 ヘッド(塗布部の一例)
60A ヘッド(塗布部の一例)
60B ヘッド(塗布部の一例)
60C ヘッド(塗布部の一例)
60D ヘッド(塗布部の一例)
60E ヘッド(塗布部の一例)
60F ヘッド(塗布部の一例)
60G ヘッド(塗布部の一例)
60H ヘッド(塗布部の一例)
62 吐出部
62A 吐出部
62B 吐出部
62C 吐出部
64 端面
65 吐出口
65A 吐出口
65B 吐出口
66 突出部(筋形成部の一例)
66A 突出部(筋形成部の一例)
66B 突出部(筋形成部の一例)
66C 凹凸部(筋形成部の一例)
66C1 凸部(突出部の一例、筋形成部の一例)
66D 突起(突出部の一例、筋形成部の一例)
66E 突起(筋形成部の一例)
M 円錐台(造形物の一例)
L 筋(塗布部が吐出又は塗布部の台に対する相対移動に伴って樹脂に形成する筋の一例)
−Z 装置高さ方向下側(吐出口が樹脂を吐出する方向の一例)
Claims (6)
- 台と、
前記台上に樹脂により造形物を製造するために、樹脂を吐出しながら前記台に対して相対的に移動されて前記台に前記樹脂を塗布し、前記吐出及び前記移動の少なくとも一方に伴って前記樹脂に筋を形成する塗布部と、
を備えた造形装置。 - 前記塗布部は、
前記台に対し樹脂を吐出する吐出口が形成された吐出部と、
前記吐出口よりも前記吐出口が樹脂を吐出する方向に突出し、前記移動に伴って前記吐出口から吐出された樹脂に接触して前記樹脂に筋を形成する筋形成部と、
を有する、
請求項1記載の造形装置。 - 前記塗布部は、
前記台に対し樹脂を吐出する吐出口が端面に形成された吐出部と、
前記端面に形成された凹凸部とされ、前記移動に伴って前記吐出口から吐出された樹脂に接触して前記樹脂に筋を形成する筋形成部と、
を有する、
請求項1記載の造形装置。 - 前記塗布部を、前記台に対して、前記台に沿う複数の方向に相対的に移動させる移動部を備え、
前記筋形成部は、前記吐出口を囲んで複数個配置されている、
請求項2記載の造形装置。 - 請求項1〜4何れか1項記載の造形装置を用いて、
前記台上に樹脂により造形物を製造する工程で、樹脂を吐出しながら前記台に対して相対的に移動されて前記台に前記樹脂を塗布し、前記吐出又は前記移動に伴って前記樹脂に筋を形成する、
造形物の製造方法。 - 請求項1〜4何れか1項記載の造形装置に用いる塗布部であって、
樹脂を吐出する吐出口が形成された吐出部と、
前記吐出口を囲んで複数個配置され、前記吐出口よりも前記吐出口が樹脂を吐出する方向に突出した突出部と、
を備えた塗布部。
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