JP2019025760A - 造形方法及び造形装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】溶剤を用いないで隙間やボイドの形成を抑えることができる造形方法を提供すること。【解決手段】本造形方法は、移動するノズル22aから樹脂を押し出しつつ堆積させて3次元形状を形成するものであって、ノズル22aのノズル吐出口22cの輪郭が直線部SSを有する形で構成され、ノズル22から押し出された樹脂は、直線部SSに対応する平坦性面FS同士が正対するよう吐出される。【選択図】図1

Description

本発明は、立体物を形成するための造形方法及び造形装置に関し、特に造形材料を順次積み重ねることによって立体物を形成する造形方法及び造形装置に関する。
造形材料を順次積み重ねるタイプの造形方法として、ワイヤー状の熱可塑性の材料を予熱器で加熱し吐出用ノズルから下方に位置する基台に押し出すものがある(特許文献1〜3等参照)。この際、吐出用ノズルを基台に平行な面に沿って相対的に走査することにより、基台上の規定領域内を熱可塑性の材料で一様に塗りつぶすように硬化させて単位層を形成することができ、その後基台を一定ピッチ分降下させて、同様に吐出用ノズルから熱可塑性の材料を基台に押し出しつつ吐出用ノズルを相対走査することで次の単位層を形成する。このような処理を繰り返すことで、所望断面形状を有する積層体としての3次元物体を作製することができる。
しかし、上記のような造形方法では、吐出用ノズルの軌跡の制御によって間接的に単位層の塗りつぶしを行うので、単位層又は積層体内部において隣接する材料同士が密着せず隙間ができる可能性がある。このような隙間の存在により、材料間の密着面積が下がり、加えて隙間に応力集中が起きやすい。この結果、積層体の機械強度が射出成形によって製造された樹脂成形品より劣ったものとなるという問題がある。
単位層に相当する積層樹脂間の隙間を埋めるため、積層樹脂の各層に溶剤を噴霧させて樹脂を溶かすことで隙間を埋めていくという方法がある(特許文献3参照)。溶剤の噴霧ノズルは、押出ノズルと連動して同時に走査され、或いは、押出ノズルの走査後にその押出ノズルの軌跡をトレースするように移動する。噴霧ノズルによって硬化した樹脂の最上段層の上面に溶剤を供給することで材料を溶解させ、溶解した材料の上面に対して更に溶融した材料を押出ノズルから押し出すことで隙間を埋めることができる。
溶剤を噴霧する方法は、溶かした樹脂の上に押出ノズルからの溶融樹脂を重ねていくことを繰り返すため、行き場を失った空気が内部に閉じこもり隙間を作ってしまう可能性がある。また、溶剤が積層された樹脂の下で気化することでボイドを作りやすいという問題もある。さらに、使用する樹脂によって溶剤も変える必要があり、溶剤によって使用できる樹脂も限定され汎用性に乏しい。それ以外にも、溶剤が一部残留し物質を変質させる可能性や、引火性の高い溶剤の場合は高温になる樹脂溶融発熱体の近くで使用することは危険であり回避したいという事情もある。
特表2000―500709号公報 特開2013−43338号公報 特開2006−192710号公報
本発明は、上記背景技術に鑑みてなされたものであり、溶剤を用いないで隙間やボイドの形成を抑えることができる造形方法及び造形装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る造形方法は、移動するノズルから樹脂を押し出しつつ堆積させて3次元形状を形成する造形方法であって、ノズルのノズル吐出口の輪郭が直線部を有する形で構成され、ノズルから押し出された樹脂は、直線部に対応する平坦性面同士が正対するよう吐出される。
上記造形方法によれば、ノズルのノズル吐出口の輪郭が直線部を有する形で構成され、ノズルから押し出された樹脂は、直線部に対応する平坦性面同士が正対するよう吐出されるので、隙間の発生を抑えつつ密度の高い樹脂層又は造形物を形成でき、密着面積の増加によって造形物の引張強度を改善することができる。
本発明の具体的な側面では、上記造形方法において、平坦性面は、略水平方向に延びる。この場合、樹脂層を安定して積み上げることができる。なお、平坦性面は、水平方向だけでなく、例えば鉛直方向、傾斜方向等に延びるものを含んでいてもよい。
本発明の別の側面では、ノズル吐出口の輪郭は、直線部を有する多角形状である。この場合、溶融樹脂を多角形柱状の供給要素として供給でき、その供給要素の側面を正対させるような層形成及び積層が可能になる。
本発明のさらに別の側面では、ノズル吐出口の輪郭が矩形又は三角形であり、樹脂を押し出す際に、輪郭を構成する1つの直線部とノズルの軌跡とが直交するようにするノズル駆動部を有する。この場合、隣接する供給要素間の平坦性面同士を正対させることが容易になり、隙間の発生を確実に抑えることができる。
本発明のさらに別の側面では、ノズルを装置に取り付ける際、ノズル吐出口の輪郭が矩形の場合、当該輪郭を構成する1つの直線部が樹脂を供給する装置部分の正面に対して正対し、ノズル吐出口の輪郭が三角形の場合、当該輪郭を構成する1つの頂点部若しくは1つの直線部が装置部分の正面に対して正対する。この場合、隣接する供給要素間の平坦性面同士を正対させることが容易になり、隙間の発生を確実に抑えることができる。
本発明のさらに別の側面では、ノズルは、樹脂を供給する装置部分に対して脱着可能である。この場合、ノズルの形状やサイズの変更が可能になる。
上記目的を達成するため、本発明に係る造形装置は、樹脂を押し出すノズルを有する樹脂吐出部と、樹脂を堆積させ3次元形状を形成させるため、樹脂吐出部を移動させるノズル駆動部とを備え、ノズルのノズル吐出口の輪郭が直線部を有する形状で構成され、ノズル駆動部は、ノズルから押し出された樹脂に関して直線部に対応する平坦性面同士が正対するように樹脂吐出部を移動させる。
上記造形装置によれば、ノズルのノズル吐出口の輪郭が直線部を有する形で構成され、ノズル駆動部が、ノズルから押し出された樹脂に関して直線部に対応する平坦性面同士が正対するよう樹脂吐出部を移動させるので、隙間の発生を抑えつつ密度の高い樹脂層又は造形物を形成でき、密着面積の増加によって造形物の引張強度を改善することができる。
(A)は、実施形態の造形装置の概略構成を示すブロック図であり、(B)は、造形装置の一部を模式的に示す断面図である。 (A)は、樹脂吐出部の構造を説明する正面方向から見た断面の概念図であり、(B)は、樹脂吐出部の裏面の概念図であり、(C)は、樹脂吐出部の正面の概念図である。 (A)は、ノズル吐出口を示し、(B)は、ノズル吐出口による樹脂の積層例を示す。 (A)〜(C)は、ノズルの取付けに関する許容範囲を説明する図である。 (A)及び(B)は、ノズルの固定に際しての回転姿勢の設定を説明する図である。 (A)、(C)、及び(E)は、図2(A)に示すノズル吐出口の変形例を示し、(B)、(D)、及び(F)は、変形例のノズルによる樹脂の積層例を示す。 (A)は、樹脂吐出部の変形例を説明する正面方向から見た断面の概念図であり、(B)は、変形例の樹脂吐出部の裏面の概念図である。 (A)及び(B)は、角型のノズル吐出口と移動方向との配置関係を説明する図である。 (A)は、三角形のノズルを利用した場合であって、単位層の下側部分の形成段階を説明する図であり、(B)は、単位層の上側部分の形成段階を説明する図である。 (A)及び(B)は、変形例の樹脂吐出部の構造を説明する側方断面及び裏面の概念図である。 (A)及び(B)は、試作した造形品の形状を説明する平面図及び正面図であり、(C)は、実施例の断面構造を示し、(D)は、比較例の断面構造を示す。 (A)は、試作したノズルの先端部を示す図であり、(B)は、(A)のノズルから吐出された樹脂の断面形状を説明する図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る造形物の造形方法、造形装置等の実施形態について説明する。
図1(A)に示すように、立体造形物の造形装置100は、造形材料取扱部20と、3次元駆動部30と、制御部80とを有する。
造形材料取扱部20は、造形材料を層単位で順次積み重ねることによって立体物を造形する造形部である。この造形材料取扱部20は、造形材料の供給源である造形材料供給部21と、造形材料を所定状態の流体として吐出する樹脂吐出部22と、造形材料を所定温度に加熱する加熱部23とを有する。
図1(B)に示すように、造形材料取扱部20において、造形材料供給部21は、熱可塑性の樹脂フィラメントを収納したカートリッジ21aを有し、カートリッジ21aからの樹脂フィラメントを樹脂吐出部22に所望の速さで送り出すことができる。樹脂吐出部22は、後述するテーブル又はステージ38に対して3次元的に相対移動可能になっており、ステージ38上の任意の位置に所望の高さから溶融樹脂を供給することを可能にする。加熱部23は、樹脂吐出部22に供給された樹脂を適度な粘度に溶融させて後述するノズル22aから吐出させる。ノズル22aから溶融樹脂を押し出しつつノズル22aを2次元的に走査することで、目的とする造形物FOを構成する単位層を形成することができ、このように形成した単位層を積層するように順次堆積させて3次元形状を有する造形物FOを形成することができる。
3次元駆動部30は、造形材料取扱部20、すなわち材料吐出用のノズル22aを支持するヘッド部20aを水平面に沿って2次元的に移動させるヘッド駆動部31と、ヘッド駆動部31の下方に配置されて造形物を支持するステージ38を上下方向に移動させて造形物の高さ位置を調整するステージ駆動部32とを有する。3次元駆動部30は、制御部80から取得した移動制御情報に基づきヘッド部20aをステージ38に対して相対的に任意の3次元位置に移動させる。
3次元駆動部30によって所望の位置に移動させることができる造形材料取扱部20又は樹脂吐出部22は、流体状の造形材料である溶融樹脂MRを吐出するノズル22aを有し、ノズル22は、加熱部23に設けたヒーター23aによって材料吐出時に加熱される。造形材料取扱部20は、制御部80の制御下で動作し、ノズル温度、溶融樹脂MRの吐出量等を調整する。
図2(A)〜2(C)に示すように、ノズル22aのノズル吐出口22cの輪郭は、四角形であり、4つの直線部SSからなる。
図2(B)又は図3(A)に示す四角形タイプ又は矩形タイプのノズル22aを用いた場合、例えば図3(B)に示すように、YZ断面で四角形の供給要素REを縦横に積み重ねるように充填することができる。ここで、溶融樹脂MRは、直線部SSに対応する供給要素REの平坦性面FS1,FS2同士が正対するよう吐出されている。特に単位層間の平坦性面FS1は、水平方向又はXY方向に延びている。また、単位層内の平坦性面FS2は、鉛直方向(具体的にはXZ方向又はYZ方向)に延びている。なお、ノズル22aによって積層する供給要素REは、縦のZ方向に整列して配置する必要はなく、横方向又はY方向に関する位置を上下層間で1ピッチ以下の適当な割合でずらすことができる。
ノズル22aは、樹脂吐出部22に設けた支持部材22sに対してねじ込みによって着脱可能に固定されている。ノズル22aは、ねじ込み又はねじ止めに限らず、磁気接着、エアー吸着、圧入、クランプによって固定することができる。ノズル22aは、例えば真鍮、ステンレス鋼、ハイス鋼、セラミックス等の材料で形成される。
図4(A)に示すように、ノズル22aの軸心AX1の支持部材22sの開口22kの中心軸AX又は支持部材22sの下面22jに対する傾きφは、0.1°以上3°以下になっている。また、図4(B)に示すように、ノズル22aの軸心AX1の支持部材22sの開口22kの中心軸AXに対する偏芯量dは、0.01mm以上0.4mm以下になっている。図4(C)に示すように、ノズル22aのノズル吐出口22cの一辺22tに平行な直線部L1が支持部材22sの前方進行方向に対応する基準面S1に対して成す角(回転誤差角θ)が±10°以下となるようにすることが望ましい。回転誤差角θは、ノズル22aと基準面S1とに不図示のマーキング61,62を施すことで、簡易にチェックすることができる(図2(C)参照)。
図5(A)に示すように、ノズル22aの基部22pに複数のピン孔22nを設け、支持部材22s側に設けた複数のピン22mと嵌合させることによっても、ノズル22aの回転姿勢に関する位置決めを行うことができる。この際、ノズル22aの基部22pの上面と支持部材22sの下面22jとを当接させることで、ノズル22aの意図しない傾きを防止できる。
図5(B)に示すように、ノズル22aの基部22pに位置決め用の角部22rを設け、支持部材22s側に設けた当接部材22qと嵌合させることによっても、ノズル22aの回転姿勢に関する位置決めを行うことができる。この際、ノズル22aの基部22pの上面と支持部材22sの下面22jとを当接させることで、ノズル22aの意図しない傾きを防止できる。
ノズル22aのノズル吐出口22cは、例えば一辺が0.07mm〜6mmとなっており、ノズル吐出口22cの開口面積は、例えば0.005mm以上36mm以下となっている。ノズル吐出口22cにおいて、4隅の部分には、曲率又はRを設けることができ、この際の曲率半径は、例えばノズル吐出口22cの一辺22tの長さの5%以上30%以下とすることができる。
図1(B)に戻って、造形材料取扱部20又はヘッド部20aは、ヘッド駆動部31に設けたガイド31aや駆動機構31bによって略水平のXY面内で移動する。一方、上部に造形物FOを支持するステージ38は、ステージ駆動部32に駆動されて略鉛直のZ方向に昇降する。つまり、ヘッド駆動部31及びステージ駆動部32によって、ノズル22aのノズル吐出口22cのステージ38に対する3次元的配置を精密に調整でき、ステージ38上方の狙いの位置に造形材料である溶融樹脂MRを供給することができるとともに、任意の方向に所望の速度で移動させることができる。
図6(A)は、図2(A)に示すノズル吐出口の変形例を示す。図6(A)に示す三角形タイプのノズル122aを用いた場合、三角形のノズル吐出口22cからの溶融樹脂MRの吐出により、例えば図6(B)に示すように、上に尖った状態の三角形断面の供給要素RE(RE11)を横一列に並べ、次に下に尖った状態の三角形断面の供給要素RE(RE12)を隙間を埋めるように横一列に並べる。このように、単位層内又は単位層間の平坦性面FS同士が正対するような状態で溶融樹脂MRの吐出を行うとともに、断面形状の上下反転を伴う積層を繰り返すことで、隙間の無い積層が可能になる。ノズル吐出口22cは、正三角形に限らず、二等辺三角形その他の三角形とすることができる。
図6(C)は、図2(A)に示すノズル吐出口の別の変形例を示す。図6(C)に示す長方形タイプのノズル322aを用いた場合、長方形のノズル吐出口22cからの溶融樹脂MRの吐出により、例えば図6(D)に示すように、横長の矩形断面の供給要素REを縦横に積み重ねるように充填することができる。この際、単位層内又は単位層間の平坦性面FS同士が正対するような状態で溶融樹脂MRの吐出が行われる。図6(E)は、図6(C)に示すノズル吐出口の変形例を示す。図6(E)に示す縦長矩形タイプのノズル322aを用いた場合、長方形のノズル吐出口22cにからの溶融樹脂の吐出より、例えば図6(F)に示すように、縦長の矩形断面の供給要素REを縦横に積み重ねるように充填することができる。この際、単位層内又は単位層間の平坦性面FS同士が正対するような状態で溶融樹脂MRの吐出が行われる。
図7(A)及び7(B)は、図2(A)及び2(B)に示す樹脂吐出部22の変形例を示す。図示の樹脂吐出部22では、ノズル22a,122a,322aに付帯して回転装置25を設けている。回転装置25は、3次元駆動部30と協働してノズル駆動部の一部として機能し、ノズル22a,122a,322aの軌跡に沿った各点でノズル22a,122a,322aの回転位置、つまりノズル吐出口22cの回転角を調整する。回転装置25は、モーターや伝達機構を含んで構成され、ノズル22a,122a,322aを軸心AXのまわりに例えば360°回転させる。これにより、三角形や矩形のノズル吐出口22cであっても、ノズル吐出口22cの進行方向前方又は進行方向後方の一辺22tが、供給要素REの延びる移動方向に対して直交するように配置することができる。
図8(A)は、ノズル22aを用いる場合であって、ノズル吐出口22cが矩形の場合を示す。この場合において、ノズル吐出口22cの軌跡T1がX方向に延びるように設定したとき、ノズル駆動部としての回転装置25及び制御部80によってノズル吐出口22cの一辺22t(1つの直線部SS)が軌跡T1又はX方向に垂直なY方向に延びるように調整する。このとき、ノズル吐出口22cの輪郭を構成する1つの直線部SSは、樹脂を供給する装置部分としての樹脂吐出部22又は支持部材22sの正面に対して正対する。また、ノズル吐出口22cの軌跡T2がX方向に対して所定の角度を成して延びるように設定したとき、回転装置25によってノズル吐出口22cの一辺22tが軌跡T2に垂直な方向に延びるように調整する。軌跡T1に対する軌跡T2の角度をαとして、軌跡の変更に伴ってノズル吐出口22cの一辺22tも角度αだけ回転する。これにより、ノズル吐出口22cの直線部SSのうちの一辺22tがいかなるときも常にノズル22aの進行方向を向くような走査が可能になり、溶融樹脂MRや供給要素REを所期の断面形状又は姿勢で供給することができるので、造形物FOを構成する単位層UL(図10(A)参照)の充填状態を良好なものとできる。なお、ヘッド部20aを鉛直軸のまわりに回転させることで同様の効果が得られるが、回転装置25を用いることで回転後の位置決めが容易となる。
図8(B)は、ノズル122aを用いる場合であって、ノズル吐出口22cが三角形の場合を示す。この場合において、ノズル吐出口22cの軌跡T1がX方向に延びるように設定したとき、ノズル駆動部としての回転装置25及び制御部80によってノズル吐出口22cの一辺22tがX方向に垂直なY方向に延びるように調整する。このとき、ノズル吐出口22cの輪郭を構成する1つの直線部SS又は輪郭を構成する1つの頂点部VPは、樹脂を供給する装置部分としての樹脂吐出部22又は支持部材22sの正面に対して正対する。また、ノズル吐出口22cの軌跡T2がX方向に対して所定の角度を成して延びるように設定したとき、回転装置25によってノズル吐出口22cの一辺22tが軌跡T2に垂直な方向に延びるように調整する。
図9(A)及び9(B)は、三角形のノズル吐出口22cを用いた積層方法を説明する図である。図8(B)等に示す三角形のノズル吐出口22cを用いた場合、単位層ULの下側と上側とで、ノズル吐出口22cの向きを180°変化させる必要がある。図9(A)の場合、単位層ULの下側部分RE11(図4(B)参照)を形成する軌跡TLを示している。ノズル吐出口22cは、始点IP1から延びる軌跡TLに沿って移動する。ここで、ノズル吐出口22cにおいて軌跡TLに垂直な一辺22tは、常に進行方向前方側となるように配置されており、軌跡TLのコーナーでは、ノズル吐出口22cが90°回転する。つまり、逆行する際には、ノズル吐出口22cは、合計180°回転することになる。一方、図9(B)の場合、単位層ULの上側部分RE12(図4(B)参照)を形成する軌跡THを示している。ノズル吐出口22cは、始点IP2から延びる軌跡THに沿って移動する。ここで、ノズル吐出口22cにおいて軌跡THに垂直な一辺22tは、常に進行方向後方側となるように配置されており、軌跡THのコーナーでは、ノズル吐出口22cが90°回転する。
図1(A)に戻って、制御部80は、オペレーターとのインターフェースである入出力部81と、プログラムに基づいてデータ等に対する演算処理、外部装置の制御等を行う演算処理部82と、外部からのデータ、演算処理結果等を保管する記憶部83とを備える。制御部80は、3次元駆動部30と協働してノズル駆動部として機能し、樹脂を堆積させ3次元形状を形成させるべく樹脂吐出部22を移動させる。
入出力部81は、造形物FOの3次元的な目標形状の形状データ(3Dデータ)を入力することができるようになっている。入出力部81は、目標形状の3Dデータを外部のコンピュータ装置等から通信回線を介して取得する構成であってもよいし、制御部80に接続された記録媒体から目標形状の3Dデータを読み取る構成であってもよい。入出力部81は、キーボード等の操作部を利用して目標形状の3Dデータを直接入力できるものであってもよい。入出力部81に入力された3Dデータは、演算処理部82に転送される。
演算処理部82は、CPU(Central Processing Unit)等の演算部、インターフェース回路等の付属回路を有しており、造形制御プログラムを実行する。すなわち、演算処理部82は、入出力部81から転送された3Dデータに基づいて、造形材料を3次元で造形するための単位層ごとのデータを作成(構築)する。この際、単位層ごとのデータは、ノズル吐出口22cをステージ38に対して2次元的に移動させるとともに、ノズル吐出口22cから押し出される所定断面の溶融樹脂MRを、軌跡又は走査パスとして単位層の外縁内に密に配置するようなものとする。さらに、単層ごとのデータは、軌跡上でのノズル吐出口22cの向き又は回転角に関する情報を含むものとできる。
単位層形成のため溶融樹脂MRを供給する軌跡又は走査パスは、一筆書きのような単一のパスからなるものとできるが、これに限らず、複数の分離されたパス部分からなるものとすることができる。走査パスは、直線的な走査をシフトさせながら繰り返すものに限らず、曲線的な走査を繰り返すものであってもよい。
制御部80又は演算処理部82は、造形材料取扱部20のノズル吐出口22cの相対的走査に際しての形成条件の設定を行う。形成条件は、ノズル形状及び造形条件を含む。ここで、ノズル形状は、図2(B)等に示すノズル吐出口22cの形状やサイズを意味し、演算処理部82は、ノズル22a,122a,322aを交換した場合にその形状やサイズを識別可能にすることができ、或いは手動での形状やサイズの入力を受け付ける。
制御部80は、切替部又は条件変更部として、走査パスの作成と走査に際しての形成条件の設定とを行う際に、造形物FOを構成する単位層UL内の局所的な部分領域について、その周囲に対して形成条件(ノズル形状及び造形条件)を変更する。すなわち、制御部80は、走査条件設定部として、造形物FOの形状データからノズル吐出口22cによる走査パスの作成と走査に際しての成形条件の設定とを行うとともに、切替部又は条件変更部として、所定の単位層内の部分領域について、その周囲に対してノズル形状及び造形条件を変更する。
以下、図1(A)に示す造形装置100を用いた立体造形物の製造方法、つまり造形方法について説明する。
まず、制御部80の演算処理部82は、入出力部81を介して造形物FOの3次元的な目標形状の形状データ(3Dデータ)の入力を受け付ける。次に、演算処理部82は、入出力部81を介して受け取った形状データから、立体的な造形物FOを造形するための、造形物FOを構成する造形材料の単位層ULごとの初期データを作成し、結果をユーザー又はオペレーターに提示する。演算処理部82は、この初期データを記憶部83に保管する。初期データには、2次元の走査パス、走査に付帯する基本条件等の情報が含まれる。基本条件には、ノズル形状も含まれ、例えばノズル形状によっては走査パスに沿ったノズル吐出口22cの向き又は回転角が規定される。強度向上・時短モードで動作させる場合は、詳細を省略するが、充填率を高めるためノズル形状として矩形や三角形が選択される。強度向上・時短モードで動作させない場合は、ノズル形状として円形等が選択される。以上の基本条件は、ユーザーが入出力部81を操作することで修正又は調整することができる。
図10(A)及び10(B)に示すように、変形例の樹脂吐出部22は、溶融樹脂MRを吐出する複数のノズル22a,22bを有し、これらのノズル22a,22bは、複数のカートリッジ(不図示)から樹脂フィラメントの供給をそれぞれ受け、ヒーター(不図示)によって材料吐出時に選択的に加熱される。造形材料取扱部20は、制御部80の制御下で動作し、複数のノズル22a,22bの1つのみを択一的に動作させて吐出を行わせるノズルの切り換えが可能になっている。造形材料取扱部20は、制御部80に制御されてノズル22a,22bの一方から吐出される溶融樹脂MRの吐出量、ノズル温度等を調整する。
一方のノズル22aのノズル吐出口22cの形状と、他方のノズル22bのノズル吐出口22cとは、形成条件を途中で切り替えることができるように、互いに異なるものとなっている。具体的には、一方のノズル22aのノズル吐出口22cの輪郭は、四角形であり、他方のノズル22bのノズル吐出口22cの輪郭は、円形である。なお、複数のノズル22a,22bの組合せは、四角形と円形とに限るものではなく、矩形と三角形とを組み合わせたもの、3種以上のノズルを組み合わせたもの等が可能である。
以上で説明した実施形態の造形方法によれば、ノズル22aのノズル吐出口22cの輪郭が直線部SSを有する形で構成され、ノズル22aから押し出された樹脂は、直線部に対応する平坦性面FS同士が正対するよう吐出されるので、隙間の発生を抑えつつ密度の高い樹脂層又は造形物を形成でき、密着面積の増加によって造形物の引張強度を改善することができる。
以下、具体的な実施例について説明する。
図11(A)及び11(B)は、試作した造形物の具体的形状を説明する平面図及び正面図である。試作した造形物FOは、中心軸AX5方向の長さが220mmで、厚みが4mmである。使用した樹脂はABSであり、基本的な成形条件は、吐出量0.9g/min、積層ピッチ0.2mm、ノズル温度245℃、ステージ温度110℃、造形スピード32mm/s、フィラメント径φ1.75、オーバーラップ量100である。
得られた造形物FOの中心軸AX5を通る縦断面でカットされ、中央部P1を断面方向D11から幅5mm高さ2mmの範囲を顕微鏡にて観察し、堆積樹脂間の隙間を評価した。
図11(C)は、造形物FOの実施例の断面構造を説明する概念図であり、堆積樹脂DR間又は供給要素RE間に殆ど隙間が生じなかった。実施例は、ノズル吐出口22cの輪郭を0.4mm×0.4mmの四角形とした。図11(D)は、造形物FOの比較例の断面構造を説明する概念図であり、堆積樹脂DR間又は供給要素RE間に隙間が生じている。比較例は、ノズル吐出口22cの輪郭を直径0.4mmの円形とした。
以下の表1は、隙間の評価結果をまとめたものである。ここで、隙間が明らかに存在する場合を「×」とし、隙間はあるが「×」の場合に比べ隙間の数が減少若しくは個々のサイズが小さくなっている場合を「△」とし、隙間が実質的に無くなった場合を「○」とした。
Figure 2019025760
実施例の場合、明らかに隙間がなくなり、比較例の場合、隙間が明らかに存在した。実施例の場合、先行技術のように溶剤を使わないことで、環境負荷が無く、隙間を埋めることができる。加えて溶剤で溶解して堆積させていないため設計形状からの崩れも抑制できる。また溶剤が積層界面に存在しないため、機械強度も向上する。装置構成も従来通りでコストアップにならず、使用可能な樹脂材料も限定されない効果がある。
図12(A)は、実施例の製造に用いたノズル先端の写真であり、図12(B)は、実施例の製造に用いたノズルを用いて形成した線状の樹脂の断面写真である。
本発明は、上記実施形態や実施例に限定されるものではない。例えば、造形物FOの形状は任意に設定することができ、内部に空洞を有するような形状であっても、支持材を利用することで形成することができる。
ノズル22aの開口形状又はノズル吐出口22cの輪郭は、矩形や三角形といった多角形に限らず、例えば台形等であってもよく、直線部SSを有する各種多角形とすることができる。
2a…外縁部、 2b…内側部分、 3a,3b…走査パス、 3d,3e,3f…追加部分、 4a,4b,4g…隙間、 5a…変曲点、 5b…隅部分、 20…造形材料取扱部、 20a…ヘッド部、 21…造形材料供給部、 22…樹脂吐出部、 22a,22b…ノズル、 22c…ノズル吐出口、 22s…支持部材、 22t…一辺、 23…加熱部、 25…回転装置、 30…3次元駆動部、 31…ヘッド駆動部、 32…ステージ駆動部、 38…ステージ、 80…制御部、 81…入出力部、 82…演算処理部、 83…記憶部、 100…造形装置、 122a,322a…ノズル、 AX…軸心、 FO…造形物、 FS…平坦性面、 MR…溶融樹脂、 RE…供給要素、 SS…直線部、 T1,T2,TH,TL…軌跡、 UL…単位層、 VP…頂点部、 DR…堆積樹脂

Claims (7)

  1. 移動するノズルから樹脂を押し出しつつ堆積させて3次元形状を形成する造形方法であって、
    前記ノズルのノズル吐出口の輪郭が直線部を有する形状で構成され、
    前記ノズルから押し出された樹脂は、前記直線部に対応する平坦性面同士が正対するよう吐出されることを特徴とする造形方法。
  2. 前記平坦性面は、略水平方向に延びることを特徴とする請求項1に記載の造形方法。
  3. 前記ノズル吐出口の輪郭は、前記直線部を有する多角形状であることを特徴とする請求項1及び2のいずれか一項に記載の造形方法。
  4. 前記ノズル吐出口の輪郭が矩形又は三角形であり、
    樹脂を押し出す際に、前記輪郭を構成する1つの直線部と前記ノズルの軌跡とが直交するようにするノズル駆動部を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の造形方法。
  5. ノズルを装置に取り付ける際、前記ノズル吐出口の輪郭が矩形の場合、当該輪郭を構成する1つの直線部が樹脂を供給する装置部分の正面に対して正対し、前記ノズル吐出口の輪郭が三角形の場合、当該輪郭を構成する1つの頂点部若しくは1つの直線部が前記装置部分の正面に対して正対することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の造形方法。
  6. 前記ノズルは、樹脂を供給する装置部分に対して脱着可能であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の造形方法。
  7. 樹脂を押し出すノズルを有する樹脂吐出部と、
    樹脂を堆積させ3次元形状を形成させるため、前記樹脂吐出部を移動させるノズル駆動部とを備え、
    前記ノズルのノズル吐出口の輪郭が直線部を有する形状で構成され、
    前記ノズル駆動部は、前記ノズルから押し出された樹脂に関して前記直線部に対応する平坦性面同士が正対するように前記樹脂吐出部を移動させることを特徴とする造形装置。
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