JP2016054849A - ロック機構及び車椅子 - Google Patents

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Abstract

【課題】車椅子の利用者の安全性を向上させるとともに利用者の快適性にも配慮したロック機構を提供する。【解決手段】車椅子10の主車輪11の回転をロックするロック機構は、車椅子利用者が車椅子10に座乗したことを検知するセンサ16と、アクチュエータ19の駆動によって主車輪11の回転をロック及びロック解除可能に構成されたロック部100と、センサ16及びロック部100に電気的に接続され、センサ16の信号に基づいてアクチュエータ100の動作を制御する制御部100と、を備える。センサ16が車椅子利用者の車椅子10への座乗を検知しない場合、ロック部100で主車輪11をロックした状態を維持し、センサ16が車椅子利用者の車椅子10への座乗を検知した場合、ロック部100が主車輪11のロックを解除することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、車椅子の主車輪の回転をロックするためのロック機構及び該ロック機構を搭載した車椅子に関する。より具体的には、車椅子の乗り降りに際し、車椅子の利用者が乗降するときには動かないように主車輪をロックすると共に、利用者が車椅子に座すると主車輪のロックが解除される車椅子のロック機構に関する。
介助者がいない場合に、体の不自由な車椅子利用者が車椅子に乗降しようとした時、突然車椅子が動き出して、乗降しようとする車椅子利用者が転倒して負傷する事故が屡々起こる。このような事故を防止するために、車椅子の乗降時に主車輪に予めブレーキを掛けて、車椅子が突然動き出さないようにして、車椅子の乗降時に転倒する等の事故を防止するための工夫が種々なされている。
例えば、特許文献1は、車椅子の自動ロッキング機構を開示する。該ロッキング機構(100)は、車椅子の主車輪(14)の車軸に着設する歯車部(32)と、該歯車部(32)に当接して回転を阻止する噛合部(33)を有する可動部(35)と、クッションの下に敷いて車椅子利用者の体重を感知する感知プレート(20)よりなる。ロック状態では、歯車部(32)と噛合部(33)が噛み合うことにより、主車輪(14)の回転が規制されている。そして、感知プレート(20)は間に摺動部材(23)を着設した押圧板(21)と支持板(22)よりなる。車椅子利用者が座部(16)に座ったときに車椅子利用者の体重負荷により押圧板(21)が下降して、ワイヤ(25)が接続された摺動部材(23)が摺動する。そして、摺動部材(23)にワイヤ(25)が牽引され、ワイヤ(25)に接続された可動部(35)が傾動して、該歯車部(32)に係合する噛合部(33)が歯車部(32)から離脱する。こうして、噛合部(33)と歯車部(32)との噛合が解除され、車椅子の主車輪(14)が回転可能となる。
特開2010−187982号公報
しかしながら、従来の自動ロッキング機構(以下、ロック機構)は、機械的に作動する構造を有する感知プレートを車椅子の座部に配置するものであり、以下の改善が求められている。特許文献1のロック機構で用いられる感知プレートは、機械的に作動すべく各機械部品が組み立てられたものであり、ある程度の大きさ(厚み)と重さを有して構成される。それ故、この感知プレートを座部のカバー内に配置すると、座部(クッション)の厚みが一般的な車椅子よりも厚くなり、あるいは、クッション材(弾性部材)の厚みを犠牲にして座部の厚みを維持することが必要である。また、車椅子に感知プレートを搭載することにより、車椅子全体の重量が増大し、その取り扱いに不便となることが考えられる。つまり、特許文献1のロック機構は、車椅子利用者の安全性を向上させるが、車椅子利用者の快適性が損われることが問題であった。
本発明は、上記課題を解消するためになされたものであり、その目的は、車椅子の利用者の安全性を向上させるとともに利用者の快適性にも配慮したロック機構及び車椅子を提供することにある。
請求項1に記載のロック機構は、車椅子の主車輪の回転をロックするロック機構であって、
車椅子利用者が車椅子に座乗したことを検知するセンサと、
センサに電気的に接続され、センサ情報に基づいて車椅子利用者の座乗の有無を判断する制御部と、
該制御部に電気的に接続され、制御部によって動作制御されるアクチュエータと、
アクチュエータの駆動によって主車輪の回転をロック及びロック解除可能に構成されたロック部と、を備え、
センサが車椅子利用者の車椅子への座乗を検知しない場合、ロック部で主車輪をロックした状態を維持し、センサが車椅子利用者の車椅子への座乗を検知した場合、ロック部が主車輪のロックを解除することを特徴とする。
請求項2に記載のロック機構は、請求項1のロック機構において、センサは、車椅子の座面に配置され、車椅子利用者の臀部が座面に当接したことを検知可能に構成されており、
車椅子利用者が座面に座ったときにロック部が主車輪のロックを解除することを特徴とする。
請求項3に記載のロック機構は、請求項1又は2のロック機構において、センサは、車椅子のフットレストの載置面に配置され、利用者の脚部が載置面に当接したことを検知可能に構成されており、
車椅子利用者がフットレストの載置面に脚を乗せたときにロック部が主車輪のロックを解除することを特徴とする。
請求項4に記載のロック機構は、請求項1のロック機構において、センサが、車椅子の座面に配置され、利用者の臀部が座面に当接したことを検知可能に構成された座部センサと、車椅子のフットレストの載置面に配置され、利用者の脚部が載置面に当接したことを検知可能に構成された脚部センサとからなり、
車椅子利用者が座面に座り、且つ、フットレストの載置面に脚を乗せたときにロック部が主車輪のロックを解除することを特徴とする。
請求項5に記載のロック機構は、請求項1から4のいずれかのロック機構において、センサは、シート状の感圧センサであることを特徴とする。
請求項6に記載のロック機構は、請求項1から5のいずれかのロック機構において、ロック部は、
支持フレームに回動不能に取り付けられる支持部材と、
基端側で支持部材に回動可能に軸支されるとともに、その表面の先端側部分で円弧状に形成された係合部を備えるロックプレートと、
ロックプレートの裏面と支持部材との間に配置され、ロックプレートの先端側部分を表面側に回動させるように付勢する弾性部材と、
ロックプレートの表面側に配置される主車輪のハブであって、その一部が係合部に対向する環状の被係合部を有するハブと、
アクチュエータに連結され、ロックプレートの先端側部分を裏面側に回動させるように牽引可能に構成された牽引部材と、を備え、
ロック状態では、弾性部材がロックプレートの先端側部分を表面側に回動させ、係合部が被係合部の一部と噛み合うことにより、主車輪の回転がロックされ、
ロック解除状態では、牽引部材が弾性部材を収縮させるとともにロックプレートの先端側部分を裏面側に回動させ、係合部が被係合部から離脱したことにより、主車輪が回転自在であることを特徴とする。
請求項7に記載のロック機構は、請求項1から6のいずれかのロック機構において、アクチュエータは、キープソレノイドであることを特徴とする。
請求項8に記載の車椅子は、請求項1から7のいずれかのロック機構を搭載したことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、センサを利用して制御部で主車輪のロック及びロック解除を制御する。すなわち、本発明のロック機構は、センサで車椅子利用者の座乗の有無を検知し、電気信号を利用してロック部の制御を行い、車椅子の乗降時に主車輪をロックして、車椅子の乗降時に転倒する等の事故を防止する。このようなセンサを含む電気的な構成を採用したことにより、従来のような機械式の感知プレートを車椅子の座部に組み込むことを必要とせずに、従来と比べて、車椅子の座部容量や重量を増大させずにロック機構を車椅子に導入することができる。したがって、本発明のロック機構は、車椅子利用者の快適性を犠牲にすることなく、安全性を担保したものである。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の発明の効果に加え、センサで利用者が車椅子の座部に座乗したことを確実に検知して主車輪のロック解除を行うことで、車椅子の乗降時に主車輪ロックして、車椅子の乗降時に転倒する等の事故を防止する。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2の発明の効果に加え、センサで利用者が車椅子のフットレストの載置面に脚部を乗せたことを確実に検知して主車輪のロック解除を行うことで、車椅子の乗降時に主車輪ロックして、車椅子の乗降時に転倒する等の事故を防止する。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1の発明の効果に加え、座部センサで利用者が車椅子の座部に座乗したことを検知し、尚且つ、脚部センサで利用者が車椅子のフットレストの載置面に脚部を乗せたことを検知して主車輪のロック解除を行うことで、車椅子の乗降時に主車輪ロックして、車椅子の乗降時に転倒する等の事故をより確実に防止する。
請求項5に記載の発明によれば、請求項1から4のいずれかの発明の効果に加え、センサがシート状の感圧センサであることにより、車椅子利用者の体の一部が該センサに接触して荷重(圧力)がかかったときに該感圧センサに電気的変化(例えば、抵抗値の低下)が生じる。そして、この電気的変化を制御部が読み取ることにより、制御部がアクチュエータを作動してロック部を制御する。すなわち、感圧センサを車椅子利用者が座乗時に触れる箇所(例えば、車椅子の座面又はフットレストの載置面等)に敷くことで簡単にロック機構を構成することができる。さらに、本発明では、感圧センサがシート状であるため、車椅子の座部又はフットレストの厚みをほとんど変更させることなく、車椅子にロック機構を導入することが可能となる。
請求項6に記載の発明によれば、請求項1から5のいずれかの発明の効果に加え、ロックプレートは、その一端を支点として表面側及び裏面側に回動(傾動)自在に支持部材に支持されている。そして、弾性部材の弾性復帰力がロックプレートの先端側部分を表面側に回動させるように付勢している。この付勢力によって、ロックプレート表面の円弧状の係合部と、主車輪のハブ内面に環状に形成された被係合部の一部とがしっかりと面で噛み合う。したがって、本ロック機構は、主車輪の回転を安定的に規制することが可能である。さらに、本ロック機構では、ロックプレートの基端側を支点として先端側部分が回動するので、先端側部分に位置する係合部の円弧面が被係合部の環状面に対して優先的に面接触する。この構成により、弾性部材による付勢力がロックプレートの面全体に分散することを防ぎ、ロックプレートの係合部をハブの被係合部に強く押し付けることが可能である。他方、ロック解除するには、牽引部材の(アクチュエータによる)牽引力が、ロックプレートの先端側部分を裏面側に回動させる。つまり、牽引部材を作動させることにより、係合部と被係合部とを離隔させてロック状態を簡単に解除することができる。したがって、本発明のロック機構は、簡素な構造でロック状態及びロック解除状態を安定的に形成可能である。
請求項7に記載の発明によれば、請求項1から6のいずれかの発明の効果に加え、アクチュエータがキープソレノイドであることにより、省電力でロック機構を動作させることができる。すなわち、制御部がキープソレノイドを作動してロック状態からロック解除状態へ又はその逆に移行するときに、制御部が一時的に電流又は逆電流をキープソレノイドに供給するだけでキープソレノイドがその状態を維持する。これにより、ロック状態又はロック解除状態を維持するためにアクチュエータに電力を定常的に供給する必要がない。
請求項8に記載の発明によれば、請求項1から7のいずれかの発明の効果を車椅子として発揮することができる。すなわち、本発明の車椅子は、ロック機構を搭載することにより、車椅子利用者の快適性を犠牲にすることなく、安全性を担保したものである。
本発明の一実施形態のロック機構を備えた車椅子の概略斜視図。 図1の車椅子の座部を示す分解図。 図1のロック機構のセンサ構造を示す概略図。 図1の車椅子のロック機構の構成を示すブロック図。 本発明の別実施形態のロック機構を備えた車椅子の概略斜視図。 図5の車椅子のフットレストの部分拡大図。 一実施形態のロック機構の部分分解斜視図。 図7のロック部の一方から見た分解斜視図。 図7のロック部の他方から見た分解斜視図。 図7及び8のロック部のロックプレートの(a)平面図、(b)正面図、(c)側面図、(d)背面図。 図10のロックプレートの(a)A―A断面図、(b)B−B断面図。 図7及び8のロック部のハブの(a)背面図、(b)側面図。 一実施形態のロック機構のロック部の(a)ロック状態、(b)ロック解除状態を示す概略斜視図。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明において参照する各図の形状は、好適な形状寸法を説明する上での概念図又は概略図であり、寸法比率等は実際の寸法比率とは必ずしも一致しない。つまり、本発明は、図面における寸法比率に限定されるものではない。
図1は、一実施形態の車椅子10の概略斜視図である。図1に示すとおり、車椅子10は、該車椅子10を走行させるための一対の主車輪11と、車椅子利用者の臀部を受ける座部12と、車椅子利用者の背中を受ける背もたれ部13と、車椅子利用者の脚部を受けるフットレスト14と、座部11の垂直下方に延びて一対の主車輪11を支持する支持フレーム15と、車椅子利用者の座乗(着座)を検知する座部センサ16と、座部センサ16に電気的に接続され、座部センサ16の電気信号を受ける制御部18と、該制御部18に電気的に接続され、該センサ情報に基づいて制御部18によって動作制御されるアクチュエータ19と、該アクチュエータ19の駆動によって主車輪11の回転をロックするロック部100と、を備える。そして、本実施形態のロック機構は、少なくともセンサ16(17)、制御部18、アクチュエータ19及びロック部100を含む概念である。
本実施形態では、一対の座部センサ16が座部12の座面に配置されている。図2に示すとおり、座部センサ16が配置される座部12には、矩形板状の緩衝材12aと、該緩衝材12aを被覆するカバー材12bとが設けられている。緩衝材12aは、ウレタン等を含む衝撃吸収材料から選択されてもよい。他方、カバー材12bは、合成繊維等を含む繊維材料から選択されてもよい。そして、一対の座部センサ16が緩衝材12aとカバー材12bとの間に配置され、その検知面が上方を向いている。該座部センサ16は、車椅子10の利用者の臀部が座部12の座面に当接したことを検知するように機能する。
本実施形態では、座部センサ16は、薄いシート状の感圧センサであり、その検知面にかかる圧力を測定することが可能である。そして、座部センサ16がシート状であることにより、座部12内部に容易に導入することが可能である。以下、該センサの構造及び動作原理について説明する。
図3は、座部センサ16の構造を示す概略分解図である。ここでは、座部センサ16について説明するが、後述の脚部センサ17も同様の構造を有する。図3に示すとおり、座部センサ16は、面内に電極パターン16a1を有する電極シート16a、該電極パターン16a1を覆うカーボンシート16b、及び、該カーボンシート16bと電極シート16aとの間に配置された枠状のスペーサ16cと、カーボンシート16bの外面を保護する透明な保護シート16dを貼り合わせてなる。電極シート16aは、リード線に接続される2つの端子16a2,16a2を備え、これら端子16a2,16a2は面内で導通していない。そして、検知面に圧力がかからない状態では、スペーサ16cを介して、カーボンシート16bと電極シート16aとが離隔しており、両端子16a2,16a2間が導通されない状態が維持される。そして、検知面に押圧力がかかると、スペーサ16cを介して、カーボンシート16bと電極シート16a(電極パターン16a1)とが部分的に接触し、その接触箇所で電極パターン16a1の一部が電気的に架橋され、電極シート16aの両端子16a2,16a2が導通する。さらに強い押圧力が検知面にかかると、カーボンシート16bと電極パターン16a1との接触(導通)面積が増大し、抵抗値が低くなる。すなわち、該座部センサ16では、押圧力に応じて端子16a2,16a2間の抵抗値が変動し、この抵抗値(電気的情報又は信号)を制御部18で測定することにより、車椅子利用者の座乗の有無を判断することができる。
本実施形態のセンサ16,17に採用した感圧センサは、簡易な機構を有しているため、耐久性及びコストの点で他のセンサよりも有利である。しかしながら、本発明のセンサは、車椅子利用者の座乗を検知可能であれば、感圧センサに限定されす、種々のセンサを選択可能である。例えば、本発明のセンサとして、ピエゾ抵抗式のひずみセンサや、静電容量式の接触センサやリミットスイッチ等を採用してもよい。あるいは、本発明のセンサとして、車椅子利用者の座乗の有無を光学的に検知する赤外線センサを採用してもよい。
制御部18は、図1に示すように、車椅子10の背もたれ部13背後のポケット(図示せず)に配置されている。ただし、該制御部18は、車椅子10のいずれの場所に設置されてもよい。該制御部18は、座部センサ16及びアクチュエータ19に電気的に接続されており、センサ情報に基づいて車椅子利用者の座乗の有無を判断するとともに、アクチュエータ19の動作を制御可能に構成されている。
本実施形態では、1つの制御部18に対し、アクチュエータ19及びロック部100は、車椅子の一対の主車輪11に対応して対で設置されている。制御部18は、センサ情報に基づいて同時に一対の主車輪11をロックするように、一対のアクチュエータ19を同時に制御することが安全性の観点から好ましい。また、一対のセンサ16,16の両方が車椅子利用者の座乗を検知したときに、制御部18がロック解除を行うようにアクチュエータ19を制御することが安全性の観点から好ましい。しかしながら、本発明は、上記形態に限定されず、片方のセンサ16の情報に基づいて片方のアクチュエータ19のみを制御するように制御部18を設定することも可能である。
本制御部18と、センサ16,17及びアクチュエータ19との関係について図4に示したロック機構のブロック図を参照して、より詳細に説明する。図4に示すとおり、制御部18は、電源部18aと制御回路18bとからなる。本実施形態では、電源部18aは、例えば、充電式乾電池のような小型バッテリであり、車椅子10に容易に搭載可能である。
また、該制御部18は、リード線を介して座部センサ16に電気的に接続されている。制御回路18bが該座部センサ16から信号又は電気的情報(抵抗値変化)を受け取り、車椅子利用者の座乗の有無を判断することができる。つまり、座部センサ16から制御回路18bに出力される抵抗値が(制御部18で予め定められた)閾値以下になると、制御部18が車椅子利用者の座乗を判断する。あるいは、座部センサ16から制御回路18bに出力される抵抗値が閾値を超えると、制御部18が車椅子利用者の不在を判断する。より具体的には、制御部18は、複数の検出された抵抗値に対して演算を行う。すなわち、複数回測定された抵抗値に対して、一定回数以上、閾値以下の抵抗値が検出されたとき、制御部18が車椅子利用者の座乗を判断する。この一定回数を下回るときには、制御部18が車椅子利用者が座乗していないと判断する。これにより、ノイズ等の影響により、車椅子10が誤作動することを防止することができる。
さらに、制御部18は、リード線を介してアクチュエータ19に電気的に接続されている。すなわち、図4に示すとおり、制御部18は、センサ情報に基づく判断に応じて、アクチュエータ19に電流又は電気的信号を出力することにより、アクチュエータ19を駆動し、結果として、ロック部100を作動させて主車輪11のロックを制御する。
すなわち、本実施形態の車椅子10(ロック機構)では、座部センサ16が車椅子利用者の車椅子10への座乗を検知しない場合(つまり、座部センサ16からの抵抗値が閾値より大きい場合)、制御部18によってロック部100が主車輪11をロックした状態を維持し、座部センサ16が車椅子利用者の車椅子10への座乗を検知した場合(つまり、座部センサ16からの抵抗値が閾値以下の場合)、制御部18によってロック部100が主車輪11のロックを解除するように動作する。
図1の形態では、車椅子10の座部12のみにセンサ16が配置されているが、本発明はこれに限定されず、車椅子10の様々な位置にセンサを導入することができる。
例えば、本発明の別実施形態の車椅子10は、図5に示すように、座部センサ16に加えて、フットレスト14の載置面14aに脚部センサ17を配置したものである。該脚部センサ17は、テープや接着剤によって載置面14aに貼着され、その検知面が上方を向いている。該脚部センサ17は、車椅子10の利用者の脚部がフットレスト14の載置面14aに当接したことを検知するように機能する。
該脚部センサ17は、座部センサ16と同様に制御部18に接続されており、該脚部センサ17の信号に基づいてアクチュエータ19(ロック部100の動作)を制御可能である。そして、図5の車椅子10は、センサとして座部センサ16及び脚部センサ17の両方を有しているため、これらセンサを組み合わせて設定することにより、車椅子利用者のニーズに応じた車椅子10の安全な運用を実現することができる。
例えば、車椅子利用者は、使い勝手や障がいの重度に応じて、座部センサ16、脚部センサ17のいずれか一方を選択的に作動させるように制御部18を介して設定することができる。また、脚部センサ17のうちの片足のみを作動するように設定することができる。さらに、座部センサ16、脚部センサ17の両方を作動させるように設定することが可能である。すなわち、両方のセンサ16,17が車椅子利用者の座乗を検知したとき(具体的には、車椅子利用者が座部12の座面に座り、且つ、フットレスト14の載置面14aに脚を乗せたとき)にのみ、ロック部100が主車輪11のロックを解除するように制御部18を設定してもよい。これにより、車椅子10が車椅子利用者の着座の際に不意に移動することを防止し、より高い安全性を実現することができる。
なお、ここで説明した以外に、背もたれ部13の内面やアームレスト等にもセンサを配置することも可能であり、本発明は、上記形態に限定されない。
次に、図7乃至図13を参照して、本実施形態の車椅子10のロック部100を説明する。
図7は、本実施形態の車椅子10の主車輪11の車軸11a、支持フレーム15(車軸支持部15a及び係止金具15b)、アクチュエータ19、及び、ロック部100の分解斜視図である。
図7に示すとおり、支持フレーム15に設けられた車軸支持部15aの貫通孔15a1に主車輪11の車軸11aが貫通することで、主車輪11が支持フレーム15に支持される。そして、ロック部100は、車軸11a先端(又は主車輪11)と車軸支持部15aとの間に配置されている。より具体的には、係止金具15bによって車軸支持部15aに対して回動不能にロック部100の支持プレート(支持部材)110が取り付けられている。本実施形態では、一対の主車輪11の両方に対して、ロック部100及びアクチュエータ19がそれぞれ設置されている。
係止金具15bは、車軸11aを遊挿可能な孔15b1と、車軸支持部15aの両側面に当接可能に延びる一対の突部15b2とを有する。該一対の突部15b2が後述の支持プレート110の嵌合溝115に嵌合し、且つ、車軸支持部15aの両側面に係合してロック部100の支持プレート110を回転防止に支持することができる。
また、アクチュエータ19が支持フレーム15に取り付けられている。該アクチュエータ19は、軸方向前後に駆動される駆動軸19aと、該駆動軸19aを保持する筐体19bと、該アクチュエータ19に電源を供給するためのリード線19cとを備える。該アクチュエータ19の筐体19bがネジ止め又は溶接等の固着手段(図示せず)によって車軸支持部15aの外面に固定されている。そして、該アクチュエータ19の駆動軸19aが、ロック部100の牽引部材150(連結部153)に連結されている。さらに、該アクチュエータ19のリード線19cが制御部18の制御回路18aに接続されている。
本実施形態では、好ましくは、アクチュエータ19はキープソレノイドである。これにより、省電力でロック機構を動作させることができる。すなわち、制御部18がキープソレノイドを作動してロック状態からロック解除状態へ又はその逆に移行するときに、制御部18が一時的に電流をキープソレノイドに供給するだけでキープソレノイドがその状態を維持する。これにより、ロック状態又はロック解除状態を維持するためにアクチュエータ19に電力を定常的に供給する必要がない。しかしながら、本発明のアクチュエータは、キープソレノイドに限定されず、種々のアクチュエータを採用することができる。例えば、アクチュエータとして、ステッピングモータ、エアシリンダ、電動シリンダ、ボイスコイルアクチュエータ等を採用してもよい。
図8及び図9に示すとおり、ロック部100は、支持フレーム15に回動不能に取り付けられる支持プレート(支持部材)110と、その基端側で支持プレート110に回動可能に軸支されるロックプレート120と、該ロックプレート120の裏面120bと支持プレート110の表面110aとの間に配置され、ロックプレート120の先端側部分を表面120a側に回動させるように付勢する弾性部材(バネ)140と、ロックプレート120の表面120a側に配置される主車輪11のハブ130と、アクチュエータ19の駆動軸19aに連結され、ロックプレート120の先端側部分を裏面120b側に回動させるように牽引可能に構成された牽引部材150と、を備える。以下、各構成要素について、より詳細に説明する。
支持プレート110は、図8,9に示すとおり、表面110a及び裏面110bを有する平板状の支持部材である。該支持プレート110には、その表面110aから上端近傍で突出する回動軸保持部111が設けられている。該回動軸保持部111は、ボルト状の回動軸116をプレート平面に沿って保持し、該回動軸116がロックプレート120の基端(上端)を軸支する。また、該支持プレート110には、その略中央で穿設され、車軸11aを遊挿可能な車軸貫通孔112が設けられている。そして、該支持プレート110には、該車軸貫通孔112の両脇で穿設された牽引ロッド151を貫通配置するための2つの牽引軸貫通孔113が設けられている。片方の牽引軸貫通孔113の裏面110b周縁には、嵌合部113aが形成されている(図9参照)。この嵌合部113aは、解除レバー152の先端に嵌合して解除レバー152を保持可能に構成されている。さらに、該支持プレート110には、弾性部材(バネ)140を保持するように筒状の突出した第1バネ保持部114と、係止金具15bの突部15b2が嵌合可能に穿設された嵌合溝115とが設けられている。
ロックプレート120は、表面120a及び裏面120bを有し、且つ、正面視略扇状のホタテ貝殻のような形状を有する。該ロックプレート120の基端(上端)には、側方に貫通した回動軸貫通部121が設けられている。該回動軸貫通部121を回動軸116が貫通することで、支持プレート110にロックプレート120が軸支される。つまり、支持プレート表面110aとロックプレート裏面120bが対面するように、ロックプレート120が支持プレート110に対して回動軸116で吊り下げられる。すなわち、ロックプレート120の基端側を軸として、ロックプレート裏面120bの先端側部分が支持プレート表面110aから離隔又は接近する方向(換言すると、ロックプレート表面120aがハブ内面130aに接近又は離隔する方向)に傾動又は回動可能である。
該ロックプレート120の表面120aには、図10(b)に示すように、その先端(下端)の縁部に沿って、円弧状に延在する係合部122が形成されている。この係合部122は、ロックプレート表面120aから突出するとともに、車軸11a(又は車軸貫通孔123)を中心とした帯状の円弧領域に沿って並列した複数の係合歯122a(凹凸)からなる(図11(b)参照)。各係合歯122aは、ロックプレート120の外周近傍で車軸11aを中心とした放射状に延びている。つまり、係合歯122aの長幅部分が半径方向に整列し、短幅部分が径方向に整列している。そして、ロックプレート120の基端を軸として、ロックプレート120の先端側部分に設けられた円弧状の係合部122が前後に移動するように構成されている。本実施形態では、この係合部122の円弧領域の中心角度は、約90度である。なお、本実施形態の「先端側部分」とは、正面視においてロックプレートの車軸貫通孔中心よりも下半分の領域を示す。
また、ロックプレート120の略中央には、車軸11aを遊挿可能に車軸貫通孔123が穿設されている。該車軸貫通孔123は、支持プレート110の車軸貫通孔112と連通するように配置されている。また、該車軸貫通孔123は、ハブ130の円筒状の車軸固着部133を内挿可能な径を有する。そして、該車軸貫通孔123の両脇で牽引ロッド151によって裏面120b側に牽引される被牽引部124が設けられている。該被牽引部124は、牽引ロッド151が貫通可能な孔124aと、該孔124aの周縁で牽引ロッド151先端の鍔部151aに係合可能な係合縁部124bとを有する(図11(b)参照)。該係合縁部124bは、牽引ロッド151の鍔部151aを収容可能にロックプレート表面120aから凹んでいる。
さらに、ロックプレート120の裏面120bには、弾性部材(バネ)140を保持するように筒状の突出した第2バネ保持部125が設けられている(図9及び図10(d)参照)。ロックプレート120の第2バネ保持部125は、支持プレート110の第1バネ保持部114と対応する位置に配置されており、弾性部材140の両端を協働して保持する。該弾性部材140は、押圧して短縮(弾性変形)した状態で第1及び第2バネ保持部114,125間に保持される。これにより、弾性部材140は、支持プレート110とロックプレート120とを弾性的に連結し、その弾性復帰力によってロックプレート120を支持プレート110から離隔する方向に付勢するように作用する。
ハブ130は、該支持プレート110及びロックプレート120の前面に配置され、ロックプレート120を外部に露出しないように内包する。該ハブ130は、主車輪11の中心に一体的に形成されており、車軸11aを中心に主車輪11とともに回転する。すなわち、支持プレート110及びロックプレート120が支持フレーム14に回転不能に取り付けられているのに対し、ハブ130は、該支持プレート110及びロックプレート120に対して回転可能である。そして、ハブ130の外面130bには、複数のスポーク孔134が穿設されており、該スポーク孔134からスポークが放射状に延びてホイール(タイヤ)が取着される(図1参照)。なお、説明の便宜上、ロック部100の説明においてスポークの描写を省略する。
ハブ130は、ロックプレート120を内部に保持するように構成されたカップ状の収容部131を有する。このハブ130は、該収容部131の内部にロックプレート表面120aに対向する内面130aと、該収容部131の外部に露出する外面130bとを有する。該ハブ130の内面130aには、ロックプレート120の係合部122に対向するように環状の被係合部132が設けられている。また、ハブ130の収容部131内には、車軸11a先端を螺着(固定)するための車軸固着部133がハブ130の中心に設けられている。
被係合部132は、図12(a)に示すとおり、内面130aの外周近傍において、その一部が係合部122の円弧領域に対向するように帯状の円環領域に延在している。この被係合部132は、ハブ内面130aから突出するとともに、車軸11a(又は車軸固着部133)を中心とした円環領域に沿って並列した複数の被係合歯132a(凹凸)からなる。該複数の被係合歯132aの形状及び間隔は、ロックプレート120の複数の係合歯122aの形状及び間隔とほぼ等しく、互いに凹凸嵌合可能に配置されている。すなわち、各被係合歯132aは、ハブ内面130aの外周近傍で車軸11aを中心とした放射状に延びている。つまり、被係合歯132aの長幅部分が半径方向に整列し、短幅部分が径方向に整列している。そして、ハブ130及びロックプレート120が相対回転しても、この被係合部132は、ロック状態で常に係合部122と噛み合い可能である。すなわち、本実施形態のロック部100では、係合部122の円弧領域と被係合部132の円環領域が共通の中心(車軸11a)を有し、且つ、その各領域の中心から歯までの距離が対応するように構成されている。それ故、主車輪11(ハブ130)の回転に依らず、係合部122の円弧領域が被係合部132の円環領域の一部に対向(対面)し、係合部122及び被係合部132が常に面接触可能に配置される。
牽引部材150は、アクチュエータ19に連結され、ロックプレート120の先端側部分を裏面120b側に回動させるように牽引可能に構成されている。図8及び図9に示すとおり、牽引部材150は、一端に円形の鍔部151aを有する牽引ロッド151と、該牽引ロッド151を手動可能に接続された解除レバー152と、該牽引ロッド151の他端に設けられたアクチュエータ19の駆動軸19aを連結するための連結部153と、を備える。
該牽引部材150の牽引ロッド151は、支持プレート110の牽引軸貫通孔113及びロックプレート120の被牽引部124(孔124a)の両方を貫通するように配置される。そして、牽引ロッド151の一端の鍔部151aがロックプレート表面120aから被牽引部124の係合縁部124bに係合するように配置される。他方、支持プレート110の裏面110b側に突出した牽引ロッド151の他端側に、解除レバー152が連結される。解除レバー152基端が支持プレート110の嵌合部113aに嵌合することにより、該解除レバー152が支持プレート110に保持される。そして、該解除レバー152を引くことにより、ロックプレート120を牽引可能である。そして、該牽引ロッド151他端には、連結部153が取り付けられている。該連結部153は、アクチュエータ19の駆動軸19aを牽引ロッド151他端に連結するように構成されている。すなわち、アクチュエータ19の駆動軸19aの後退に連動して、牽引ロッド151が後退して、ロックプレート120を牽引可能である。
続いて、図13の概略斜視図を参照して、本ロック機構におけるロック部100のロック動作及びロック解除動作について説明する。なお、図13において、説明の便宜上、説明に不要な要素を省略した。
図13(a)は、主車輪11の回転が規制されたロック状態を示すロック部100の概略斜視図である。このロック状態では、センサ16,17が車椅子利用者の座乗を検知していない。このような車椅子利用者の座乗が検知されない状態では、制御部18がセンサ信号に基づいて、アクチュエータ19(キープソレノイド)に電流を供給しない。あるいは、車椅子利用者が車椅子10から降りて、検知状態から非検知状態に切り替わったときに、制御部18がアクチュエータ19に逆電流を一時的に供給し、アクチュエータ19の動作を停止させる。このとき、アクチュエータ19が動作せずに駆動軸19aが自由な状態にある。そして、弾性部材140の弾性復帰力がロックプレート120に作用することにより、ロックプレート120表面(係合部122)がハブ130内面(被係合部132)に押し付けられる。その結果、該ロック状態では、弾性部材140がロックプレート120の先端側部分を表面120a側に回動させ、係合部122全体がハブ130の被係合部132の一部と噛み合うことにより、主車輪110の回転が規制される。特に、ロックプレート表面120aのうち先端側部分の円弧領域がハブ内面130aの円環領域に優先的に当接することにより、弾性部材140の弾発力を集中的又は局所的に伝達し、係合部122を被係合部132に強く押し付けることが可能である。すなわち、ロック状態では、円弧状の係合部122と円環状の被係合部132が強く面接触し、安定したロック状態が維持されている。
なお、本実施形態では、係合部122の円弧領域の中心角度が約90度である。この係合部122において、その円弧中央がロックプレート120先端に位置し、且つ、その中心角度が60度〜120度程度であることが好ましい。この範囲内であれば、係合部122と被係合部132との接触面積を十分に確保するとともに、弾性部材140による付勢力が集中し、ロックプレート120の係合部122をハブ130の被係合部132により一層強く押し付けることが可能である。
図13(b)は、主車輪11が回転可能なロック解除状態を示すロック部100の概略斜視図である。このロック解除状態では、センサ16,17が車椅子利用者の座乗を検知している。ロック状態からロック解除状態に移行するには、センサ16,17が車椅子利用者の座乗を検知したときに制御部18がセンサ情報に基づきアクチュエータ19(キープソレノイド)に電流を一時的に供給してアクチュエータ19を駆動する。すると、アクチュエータ19の駆動軸19aが軸方向に後退し、牽引ロッド151をアクチュエータ19が引き寄せる。このとき、牽引ロッド151の鍔部151aがロックプレート表面120aに係合することで、牽引ロッド151の後退とともにロックプレート120がその基端を軸として裏面120b側に回動する。その結果、牽引部材150が弾性部材140を収縮させるとともにロックプレート120の先端側部分を裏面120b側に回動させ、係合部122が被係合部132から離脱したことにより、主車輪11が回転自在となる。なお、アクチュエータ19を操作する代わりに解除レバー152を操作することにより、ロックプレート120を裏面120b側に回動させた状態で維持し、ロック解除することも可能である。
すなわち、アクチュエータ(キープソレノイド)19の駆動軸19aが自由な状態にあるときに、弾性部材140の付勢力によって駆動軸19aが付勢位置まで伸びて、ロック状態を形成する。他方、制御部18によって、アクチュエータ19の駆動軸19aが牽引位置まで後退(短縮)し、牽引位置を維持するときに、牽引部材150でロックプレート120を牽引してロック解除状態を形成する。
以下、本実施形態のロック機構及び車椅子10の作用効果について説明する。
本実施形態のロック機構は、センサ16,17を利用して制御部18で主車輪11のロック及びロック解除を制御するものである。すなわち、本実施形態のロック機構は、センサ16,17で車椅子利用者の座乗の有無を検知し、電気信号を利用してロック部100の制御を行い、車椅子10の乗降時に主車輪11をロックして車椅子10の乗降時に転倒する等の事故を防止する。このようなセンサ16,17を利用して電気的な構成を採用したことにより、従来のような機械式の感知プレートを車椅子の座部に組み込むことを必要とせずに、車椅子の座部体積や重量の点で有利である。特に、センサ16,17がシート状の感圧センサであることにより、車椅子利用者の体の一部が該センサ16,17に接触して荷重(圧力)がかかったときに該感圧センサに電気的変化(例えば、抵抗値の低下)が生じる。そして、この電気的変化を制御部18が読み取ることにより、制御部18がアクチュエータ19を作動してロック部100を制御する。すなわち、センサ16,17を車椅子利用者が座乗時に触れる座部11、背もたれ部12、フットレスト14等に敷くことで簡単にロック機構を車椅子10に導入することができる。また、センサ16,17がシート状の感圧センサであるため、車椅子の座部又はフットレストの厚みや外観をほとんど変更させることなく、ロック機構を車椅子10に導入可能である。したがって、本実施形態のロック機構は、車椅子利用者の快適性を犠牲にすることなく、安全性を担保したものである。
本実施形態のロック機構によれば、ロックプレート120は、その一端を支点として表面120a側及び裏面120b側に回動(傾動)自在に支持プレート110に支持されている。そして、弾性部材140の弾性復帰力がロックプレート120の先端側部分を表面120a側に回動させるように付勢している。この付勢力によって、ロックプレート表面120aの先端側部分に位置する円弧状の係合部122全体と、主車輪11のハブ130の内面130aに環状に形成された被係合部132の一部とがしっかりと面で噛み合う。したがって、本ロック機構は、主車輪11の回転を安定的に規制することが可能である。さらに、本ロック機構では、ロックプレート120の基端側を支点として先端側部分が回動するので、先端側部分の係合部122の円弧面が被係合部132の環状面に対して優先的に面接触する。この構成により、弾性部材140による付勢力がロックプレート120の面全体に分散することを防ぎ、ロックプレート120の係合部122をハブ130の被係合部132に強く押し当てることが可能である。他方、ロック解除するには、牽引部材150のアクチュエータ19による牽引力が、ロックプレート120の先端側部分を裏面120b側に回動させる。つまり、牽引部材150でロックプレート120を牽引することにより、係合部122と被係合部132とを離隔させてロック状態を簡単に解除することができる。したがって、本ロック機構は、簡素な構造でロック状態及びロック解除状態を安定的に形成可能である。
(変形例)
本発明のロック機構及び車椅子は、上記実施形態に限定されずに、例えば、以下のように変形可能である。
(1)本発明のロック部は、上記実施形態に限定されず、種々の態様を取り得る。例えば、アクチュエータで電気的に制御可能であれば、特許文献1のようなロック構造を有してもよい。この場合、センサ信号に基づいて、ワイヤをアクチュエータが牽引することにより、本発明の課題を解決することができる。
(2)上記説明では、ハンドブレーキとロック部との関係を省略したが、ハンドブレーキによってロック部をワイヤ操作できるようにしてもよい。例えば、ハンドブレーキと解除レバーをワイヤ連結することにより、ハンドブレーキによってもロック部の制御が可能となる。
本発明は上述した実施形態や変形例に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限りにおいて種々の態様で実施しうるものである。
10 車椅子
11 主車輪
11a 車軸
12 座部
12a 緩衝材
12b カバー
13 背もたれ部
14 フットレスト
14a 載置面
15 支持フレーム
15a 車軸支持部
15b 係止金具
15b1 孔
15b2 突部
16 座部センサ(センサ)
17 脚部センサ(センサ)
18 制御部(制御回路、電源)
19 アクチュエータ(キープソレノイド)
19a 駆動軸
19b 筐体
19c リード線
100 ロック部
110 支持部材(支持プレート)
111 回動軸保持部
112 車軸貫通孔
113 牽引軸貫通孔
113a 嵌合部
114 第1バネ保持部
115 嵌合溝
116 回動軸(ボルト)
120 ロックプレート
120a 表面
120b 裏面
121 回動軸貫通部
122 係合部
122a 係合歯
123 車軸貫通孔
124 被牽引部
124a 孔
124b 係合縁部
125 第2バネ保持部
130 ハブ
130a 内面
131 収容部
132 被係合部
132a 被係合歯
133 車軸固着部
134 スポーク用孔
140 弾性部材(バネ)
150 牽引部材
151 牽引ロッド
151a 鍔部
152 解除レバー
153 連結部

Claims (8)

  1. 車椅子の主車輪の回転をロックするロック機構であって、
    車椅子利用者が車椅子に座乗したことを検知するセンサと、
    前記センサに電気的に接続され、センサ情報に基づいて車椅子利用者の座乗の有無を判断する制御部と、
    前記制御部に電気的に接続され、前記制御部によって動作制御されるアクチュエータと、
    前記アクチュエータの駆動によって前記主車輪の回転をロック及びロック解除可能に構成されたロック部と、を備え、
    前記センサが車椅子利用者の車椅子への座乗を検知しない場合、前記ロック部で前記主車輪をロックした状態を維持し、前記センサが車椅子利用者の車椅子への座乗を検知した場合、前記ロック部が前記主車輪のロックを解除することを特徴とするロック機構。
  2. 前記センサは、前記車椅子の座面に配置され、車椅子利用者の臀部が前記座面に当接したことを検知可能に構成されており、
    車椅子利用者が座面に座ったときに前記ロック部が前記主車輪のロックを解除することを特徴とする請求項1に記載のロック機構。
  3. 前記センサは、前記車椅子のフットレストの載置面に配置され、利用者の脚部が前記載置面に当接したことを検知可能に構成されており、
    車椅子利用者が前記フットレストの載置面に脚を乗せたときに前記ロック部が前記主車輪のロックを解除することを特徴とする請求項1又は2に記載のロック機構。
  4. 前記センサが、前記車椅子の座面に配置され、利用者の臀部が前記座面に当接したことを検知可能に構成された座部センサと、前記車椅子のフットレストの載置面に配置され、利用者の脚部が前記載置面に当接したことを検知可能に構成された脚部センサとからなり、
    車椅子利用者が座面に座り、且つ、前記フットレストの載置面に脚を乗せたときに前記ロック部が前記主車輪のロックを解除することを特徴とする請求項1に記載のロック機構。
  5. 前記センサは、シート状の感圧センサであることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のロック機構。
  6. 前記ロック部は、
    前記支持フレームに回動不能に取り付けられる支持部材と、
    基端側で前記支持部材に回動可能に軸支されるとともに、その表面の先端側部分で円弧状に形成された係合部を備えるロックプレートと、
    前記ロックプレートの裏面と前記支持部材との間に配置され、前記ロックプレートの先端側部分を表面側に回動させるように付勢する弾性部材と、
    前記ロックプレートの表面側に配置される前記主車輪のハブであって、その一部が前記係合部に対向する環状の被係合部を有するハブと、
    前記アクチュエータに連結され、前記ロックプレートの先端側部分を裏面側に回動させるように牽引可能に構成された牽引部材と、を備え、
    ロック状態では、前記弾性部材が前記ロックプレートの先端側部分を表面側に回動させ、前記係合部が前記被係合部の一部と噛み合うことにより、前記主車輪の回転がロックされ、
    ロック解除状態では、前記牽引部材が前記弾性部材を収縮させるとともに前記ロックプレートの先端側部分を裏面側に回動させ、前記係合部が前記被係合部から離脱したことにより、前記主車輪が回転自在であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のロック機構。
  7. 前記アクチュエータは、キープソレノイドであることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のロック機構。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載のロック機構を搭載したことを特徴とする車椅子。
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