JP2016054382A - 車両駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両を遠隔操作する技術における操作者の負担低減。
【解決手段】遠隔操作システムは、車載システムと、携帯機器とを備えている。車載システムが実行する車両操作処理では、近接無線通信部を介して取得した携帯IDが、予め登録された識別情報と一致し、かつ、携帯機器の操作受付部82を介して入力された規定操作情報を取得している場合には(S120:YES)、自車両を駆動する。その自車両の駆動は、近接無線通信が、フロントに設置されたアンテナを介して実行されていれば、リア方向に移動させるように(S180〜S200)、近接無線通信が、リアに設置されたアンテナを介して実行されていれば、フロント方向に移動させるように実現される(S210〜S230)。一方、携帯機器との間の近接無線通信に不成功である場合や、規定操作情報を取得していなければ、自車両の駆動を停止する(S240)。
【選択図】図3

Description

本発明は、車両を駆動する車両駆動装置に関する。
従来、車両に搭載される車載装置と、利用者が所持するリモコン装置とを備え、リモコン装置での操作により車両を遠隔操作する遠隔操作システムが知られている(特許文献1参照)。
特許文献1に記載された遠隔操作システムにおいては、車載装置が遠隔操作による車両の駆動を許可する操作許可条件を、リモコン装置が車両から所定距離の範囲内に存在し、かつ、操作者と車両との間に視界を遮るほどの障害物が非存在であることとしている。
特許文献1には、操作許可条件の具体例として、リモコン装置に設けられた撮像装置にて、車両に設けられた二次元コードを撮像した結果、その撮像した二次元コードが所定サイズであることが挙げられている。撮像装置での二次元コードの撮像は、予め規定された倍率などの撮像条件に従う。
特開2007−265288号公報
ところで、特許文献1に記載された遠隔操作システムにおいては、操作許可条件を満たすために二次元コードの撮像が必要であり、車両の遠隔操作に必要となる操作者の手間が大きいという課題がある。
つまり、従来の技術では、車両の遠隔操作に必要となる操作者の負担を低減することが求められている。
そこで、本発明は、車両を遠隔操作する技術において、操作者の負担を低減することを目的とする。
上記目的を達成するためになされた本発明は、車両に搭載され、携帯機器(80)との間の通信結果に従って車両を駆動する車両駆動装置(5,10)である。本発明の車両駆動装置は、情報取得手段(20,30,70)と、駆動制御手段(10,S120〜S240)とを備える。
このうち、情報取得手段は、車両に搭載されたアンテナ(22,32,72,74)を介した近接無線通信によって、携帯機器との間で情報通信を実行する。駆動制御手段は、情報取得手段により携帯機器から特定情報を取得すれば、車両を駆動し、情報取得手段により携帯機器から特定情報を取得できなければ、車両の駆動を停止する。
このような車両駆動装置では、携帯機器から特定情報を取得すれば、車両を駆動することができる。一方、車両駆動装置では、携帯機器から特定情報を取得できない場合には、車両の駆動を停止する。
したがって、車両を駆動するために車両駆動装置の利用者が行う操作は、アンテナ(情報取得手段)との間で近接無線通信可能な距離の範囲に、携帯機器を近づけるだけで良い。
このため、本発明の車両駆動装置によれば、車両の遠隔操作に必要となる操作者の負担を低減することができる。
本発明の車両駆動装置においては、車両の駆動を継続するためには、アンテナ(情報取得手段)との間で近接無線通信可能な距離の範囲内に、アンテナと携帯機器との位置関係を維持し続ける必要がある。近接無線通信によって情報取得手段が情報通信可能な範囲は狭い。このため、本発明の車両駆動装置において、車両を継続的に駆動するためには、アンテナとの間で近接無線通信可能な距離の範囲内に携帯機器が位置し続けるように、車両の移動に併せて利用者自身も移動する必要がある。
本発明の車両駆動装置によれば、上述したように利用者自身も移動し、かつアンテナとの間で近接無線通信可能な距離の範囲内に携帯機器の位置を維持し続けることにより、利用者が手で押しているような感覚で、車両の駆動を実現することができる。
なお、「特許請求の範囲」及び「課題を解決するための手段」の欄に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
第1実施形態の遠隔操作システムを例示する説明図である。 第1実施形態の遠隔操作システムの概略構成を示すブロック図である。 第1実施形態の車両操作処理の処理手順を示すフローチャートである。 第2実施形態の遠隔操作システムを例示する説明図である。 第2実施形態の遠隔操作システムの概略構成を示すブロック図である。 第2実施形態におけるアンテナの配置例を説明する説明図である。 変形例における車両操作処理の処理手順を示すフローチャートである。 変形例における車両操作処理の処理手順を示すフローチャートである。 第3実施形態の遠隔操作システムの概略構成を示すブロック図である。 第3実施形態におけるアンテナの配置例を説明する説明図である。 第3実施形態の車両操作処理の処理手順を示すフローチャートである。
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
[第1実施形態]
<遠隔操作システム>
図1に示すように、遠隔操作システム1は、四輪自動車AMに搭載される車載システム5と、利用者が所持する携帯機器80とを備えている。遠隔操作システム1における車載システム5は、携帯機器80を介して入力された情報に従って、車載システム5自身が搭載された四輪自動車AMを駆動する。
図2に示すように、携帯機器80は、操作受付部82と、無線通信部84と、近接無線通信部86と、報知部88と、制御部90とを備えている。
このうち、操作受付部82は、携帯機器80に設けられた入力機構(図示せず)を介して情報の入力を受け付ける。ここで言う入力機構とは、外部からの情報の入力を受け付ける周知の構造である。入力機構には、例えば、メカニカルなキー(図示せず)や、タッチパネル、マイクロホン、カメラなどを含む。
無線通信部84は、携帯電話網を介した情報通信や音声通信、無線通信回線を介した情報通信を実行する。この無線通信部84は、制御部90からの情報(即ち、通信データや音声信号)を携帯電話網へ送信し、携帯電話網からの情報を受信して制御部90に出力する。また、無線通信部84は、制御部90からの通信データを無線通信回線に送出し、無線通信回線からの通信データを受信して制御部90に出力する。ここで言う無線通信回線とは、例えば、周知の無線LANである。
近接無線通信部86は、近接無線通信を利用して情報を出力する。本実施形態においては、近接無線通信(NFC:Near Field Communication)として、ISO/IEC18092にて規定される方式の通信や、ISO/IEC21418にて規定される方式の通信を用いれば良い。
報知部88は、制御部90からの信号に基づいて、各種情報を出力する周知の装置である。この報知部88は、例えば、画像を表示する表示装置や、情報を音声で出力するスピーカなどである。なお、表示装置は、タッチパネルと兼用されていても良い。
制御部90は、ROM,RAM,CPUを有した周知のマイクロコンピュータを中心に構成された周知の制御装置である。この制御部90のROMには、携帯機器80を識別する識別情報(以下、「携帯ID」と称す)が格納されている。
すなわち、本実施形態における携帯機器80は、周知の携帯型の無線通信端末である。この携帯型の無線通信端末には、例えば、周知の携帯情報端末としてのスマートフォンやタブレット端末が含まれる。
<車載システム>
次に、車載システム5は、車両操作電子制御装置10と、近接無線通信部20,30と、パワトレ系電子制御装置40と、ステアリング電子制御装置45と、ボデー電子制御装置50と、周辺監視電子制御装置60とを備えている。各電子制御装置40,45,50,60は、少なくともROM、RAM、CPUを備えた周知のマイクロコンピュータを中心に構成され、少なくともLAN通信バス100を介して通信を実施するためのバスコントローラを備えている。以下では、電子制御装置をECU(Electronic Control Unit)とも称す。
パワトレ系ECU40は、自動車の駆動機関やパワートレイン機構、制動機構を制御する。ここで言う駆動機関とは、自動車の駆動に必要な駆動力を発生する周知の機関である。駆動機関には、例えば、内燃機関や電動機、燃料電池などを含む。
また、パワートレイン機構とは、駆動機関で発生した駆動力を駆動輪に伝達する周知の機構である。本実施形態において、駆動機関が内燃機関である場合には、パワートレイン機構としてトランスミッションを含んでも良い。また、本実施形態において、駆動機関が電動機である場合には、パワートレイン機構は電動機そのものを含んでも良い。ここで言う制動機構とは、自動車における制動力を発生する周知の機構である。この制動機構として、例えば、周知のブレーキ機構を採用できる。
ステアリングECU45は、自動車に搭載された周知のステアリング機構を制御する。
ボデーECU50は、自動車に搭載されたボデー系を制御する。ここで言うボデー系には、自車両の車載機器を駆動するアクチュエータ52や、警報音を出力するブザー54などを含む。アクチュエータ52が駆動する車載機器には、電動ミラーや電動シートを含む。さらに、アクチュエータ52が駆動する車載機器には、自車両に設けられた開閉機構を施錠解錠するロック機構が含まれる。ここで言う開閉機構には、運転席や助手席に設けられたドアや背面ドアなどを含む。
周辺監視ECU60は、自車の周辺の情報を取得し、自車両に搭載された各種装置を制御する。本実施形態における周辺監視ECU60には、少なくとも、無線通信部62と、周辺監視装置64とが接続されている。このうち、無線通信部62は、無線通信回線を介した情報通信を実行する。
また、本実施形態における周辺監視装置64は、自車両の周辺の状況を監視する周知の装置である。この周辺監視装置64は、自車の周辺の状況を撮像する撮像装置であっても良いし、自車の周辺の状況をセンシングするセンシング装置であっても良い。ここで言うセンシング装置には、探査波を送受信した結果に基づいて物体の位置を検出するレーダ装置を含む。なお、本実施形態における探査波は、電波であっても良いし、光波であっても良いし、音波であっても良い。
近接無線通信部20は、アンテナ22と、RF回路24と、制御部26とを備えている。
このうち、アンテナ22は、近接無線通信によって情報を受信する。このアンテナ22は、自車のフロントグリルに設けられた自車のエンブレムの背面に配置される(図1参照)。RF回路24は、アンテナ22にて受信した通信データを制御部26へと伝送する。制御部26は、アンテナ22を介して近接無線通信のトリガー信号を出力すると共に、アンテナ22を介して受信した通信データを車両操作ECU10に出力する。
近接無線通信部30は、アンテナ32と、RF回路34と、制御部36とを備えている。
このうち、アンテナ32は、近接無線通信によって情報を受信する。このアンテナ32は、自車のリアフレームに設けられた自車のエンブレムの背面に配置される。RF回路34は、アンテナ32にて受信した通信データを制御部36へと伝送する。制御部36は、アンテナ32を介して近接無線通信のトリガー信号を出力すると共に、アンテナ32を介して受信した通信データを車両操作ECU10に出力する。
車両操作ECU10は、少なくともROM12、RAM14、CPU16を備えた周知のマイクロコンピュータを中心に構成され、LAN通信バス100を介して通信を実施するためのバスコントローラを備えている。
車両操作ECU10のROM12には、近接無線通信部20,30を介した近接無線通信の結果に基づいて、自車の駆動を制御する車両操作処理を車両操作ECU10が実行するための処理プログラムが格納されている。
すなわち、本実施形態の車両操作ECU10が、特許請求の範囲に記載された車両駆動装置として機能する。
なお、車載システム5には、図示しない車載バッテリーが接続されており、発電機(例えば、オルタネーター)からの電力供給が遮断されても駆動するように構成されている。
<車両操作処理>
次に、車両操作ECU10が実行する車両操作処理について説明する。なお、本実施形態においては、駆動機関が内燃機関であるものとして説明する。本実施形態の車両操作処理は、規定タイミングごとに起動される処理である。
この車両操作処理が起動されると、図3に示すように、車両操作ECU10は、まず、内燃機関(E/G)が停止しているか否かを判定する(S110)。このS110での判定の結果、内燃機関が動作していれば(S110:NO)、車両操作ECU10は、本車両操作処理を終了して、次の起動タイミングまで待機する。
一方、S110での判定結果、内燃機関が停止していれば(S110:YES)、車両操作ECU10は、予め規定された操作条件を満たしているか否かを判定する(S120)。本実施形態における操作条件とは、携帯機器80との間で近接無線通信に成功していること、かつ、近接無線通信に成功している携帯機器80から、予め規定された規定操作の操作内容を表す規定操作情報を受信していることである。
具体的には、本実施形態のS120では、近接無線通信部20及び近接無線通信部30からトリガー信号(搬送波)を送信する。そのトリガー信号を受信した携帯機器80は、近接無線通信により携帯IDを送信する。そして、車両操作ECU10は、携帯機器80から受信した携帯IDが、予め登録された識別情報と一致していれば、携帯機器80との間で近接無線通信に成功しているものと判定する。
さらに、本実施形態のS120では、携帯機器80の操作受付部82を介して入力された操作内容を表す操作情報を取得する。この操作情報の取得は、近接無線通信部20または近接無線通信部30のいずれかを介した近接無線通信によって実現しても良いし、無線通信部62を介した無線通信によって実現しても良い。
そして、その取得した操作情報が、予め規定された規定操作を表す規定操作情報に一致していれば、携帯機器80から規定操作情報を受信しているものと判定する。なお、規定操作とは、特定のキーを操作し続けることでも良いし、予め規定された複数のキーを規定された順序で操作することであっても良いし、その他の操作であっても良い。
なお、本実施形態における携帯IDや操作情報は、特許請求の範囲に記載された特定情報の一例である。
そして、S120での判定の結果、操作条件を満たしていなければ(S120:NO)、車両操作ECU10は、本車両操作処理を終了して、次の起動タイミングまで待機する。一方、S120での判定の結果、操作条件を満たしていれば(S120:YES)、車両操作ECU10は、開閉機構を施錠する施錠指令を、ボデーECU50に出力する(S130)。この施錠指令を受信したボデーECU50は、ロック機構を制御して、四輪自動車AMに設けられた開閉機構を施錠する。
さらに、車両操作処理のS130では、車両操作ECU10は、パワトレ制御機構を介した操作の受け付けを停止する。ここで言うパワトレ制御機構とは、パワートレイン系に対する制御の操作を自車両の内部から受け付ける機構である。ここで言うパワトレ制御機構には、例えば、アクセルペダルやシフトレバー、イグニッションスイッチ、ブレーキペダルなどを含む。また、実施形態における「操作の受け付けを停止」とは、パワトレ制御機構を介した操作が入力されても、その入力された操作を、パワートレイン系の制御に用いないことを含むものであり、その実現手法はどのようなものであっても良い。
続いて、車両操作処理では、車両操作ECU10は、パワートレインを始動させる(S140)。具体的には、S140では、車両操作ECU10は、パワトレ系ECU40に対して始動指令を出力する。その始動指令を受信したパワトレ系ECU40は、内燃機関を始動させると共に、自車両が停止した状態を維持する制動力を発揮するように制動機構を制御する。
さらに、車両操作ECU10は、自車両のステアリング角が、予め規定された直進許容範囲内であるか否かを判定する(S150)。ここで言う直進許容範囲とは、自車両が直進しているものとみなせるステアリング角(舵角)の範囲として規定されたものである。
このS150での判定の結果、自車両のステアリング角が直進許容範囲を超えていれば(S150:NO)、車両操作ECU10は、ステアリング修正指令をステアリングECU45に出力する。そのステアリング修正指令を受信したステアリングECU45は、ステアリング角が直進許容範囲内となるように、ステアリングを修正する(S160)。車両操作ECU10は、車両操作処理をS170へと移行させる。
一方、S150での判定の結果、自車両のステアリング角が直進許容範囲内であれば(S150:YES)、車両操作ECU10は、S160を実行することなく、車両操作処理をS170へと移行させる。
そのS170では、車両操作ECU10は、近接無線通信部20または近接無線通信部30のいずれかを介して、近接無線通信が実行されているのかを判定する。すなわち、S170では、近接無線通信が、フロントに設置されたアンテナ22を介して実行されているのか、リアに設置されたアンテナ32を介して実行されているのかを判定する。
このS170での判定の結果、フロントに設置されたアンテナ22を介して、近接無線通信が実行されていれば、車両操作ECU10は、車両操作処理を詳しくは後述するS210へと移行させる。
一方、S170での判定の結果、リアに設置されたアンテナ32を介して、近接無線通信が実行されていれば、車両操作ECU10は、周辺情報を携帯機器80に送信する(S180)。ここで言う周辺情報とは、自車両の前方(フロント方向)の状況を表す情報である。この周辺情報には、周辺監視装置64としての撮像装置で撮像した画像や、センシング装置にてセンシングした結果を含む。そして、周辺情報を受信した携帯機器80は、報知部88としての表示装置に画像を表示したり、センシングの結果を表示したりする。
続いて、車両操作ECU10は、自車両が前進する方向に駆動されるようにパワトレ系ECU40に駆動指令を出力する(S190)。この駆動指令を受信したパワトレ系ECU40は、自車両が前進する方向に駆動されるように、駆動機関やパワートレイン機構、制動機構を制御する。具体的には、パワトレ系ECU40は、自車両が前進するようにパワートレイン機構を接続し、制動力が解除されるように制動機構を制御する。
さらに、車両操作ECU10は、操作条件を満たしているか否かを判定する(S200)。このS200での判定の結果、操作条件を満たしていなければ(S200:NO)、車両操作ECU10は、詳しくは後述するS240へと車両操作処理を移行させる。
一方、このS200での判定の結果、操作条件を満たしていれば(S200:YES)、車両操作ECU10は、パワトレ制御機構を介した操作を受け付けたか否かを判定する(S205)。具体的にS205では、車両操作ECU10は、アクセルペダルやシフトレバー、ブレーキペダルなどを介した操作を受け付けた場合に、パワトレ制御機構を介した操作を受け付けたものと判定する。
このS205での判定の結果、パワトレ制御機構を介した操作を受け付けていれば(S205:YES)、車両操作ECU10は、車両操作処理をS240へと移行させる。一方、S205での判定の結果、パワトレ制御機構を介した操作を受け付けていなければ(S205:NO)、車両操作ECU10は、車両操作処理をS180へと移行させる。すなわち、操作条件を満たし、かつ、パワトレ制御機構を介した操作を受け付けていなければ、車両操作ECU10は、S180からS205を繰り返す。
ところで、S170での判定の結果、フロントに設置されたアンテナ22を介して近接無線通信が実行されている場合に移行するS210では、車両操作ECU10は、周辺情報を携帯機器80に送信する。ここで言う周辺情報とは、自車両の後方(リア方向)の状況を表す情報である。この周辺情報には、周辺監視装置64としての撮像装置で撮像した画像や、センシング装置にてセンシングした結果を含む。この周辺情報を受信した携帯機器80は、報知部88としての表示装置に画像を表示したり、センシングの結果を表示したりする。
続いて、車両操作ECU10は、自車両が後進する方向に駆動されるようにパワトレ系ECU40に駆動指令を出力する(S220)。この駆動指令を受信したパワトレ系ECU40は、自車両が後進する方向に駆動されるように、駆動機関やパワートレイン機構、制動機構を制御する。具体的には、パワトレ系ECU40は、自車両が後進するようにパワートレイン機構を接続し、制動力が解除されるように制動機構を制御する。
さらに、車両操作ECU10は、操作条件を満たしているか否かを判定する(S230)。このS230での判定の結果、操作条件を満たしていれば(S230:YES)、パワトレ制御機構を介した操作を受け付けたか否かを判定する(S235)。具体的にS235では、車両操作ECU10は、アクセルペダルやシフトレバー、ブレーキペダルなどを介した操作を受け付けた場合に、パワトレ制御機構を介した操作を受け付けたものと判定する。
このS235での判定の結果、パワトレ制御機構を介した操作を受け付けていなければ(S235:NO)、車両操作ECU10は、車両操作処理をS210へと移行させる。すなわち、操作条件を満たし、かつ、パワトレ制御機構を介した操作を受け付けていなければ、車両操作ECU10は、S210からS235を繰り返す。
一方、S230での判定の結果、操作条件を満たしていなければ(S230:NO)、車両操作ECU10は、車両操作処理をS240へと移行させる。また、S235での判定の結果、パワトレ制御機構を介した操作を受け付けていれば(S235:YES)、車両操作ECU10は、車両操作処理をS240へと移行させる。
そのS240では、車両操作ECU10は、自車両の駆動が停止されるように、停止指令をパワトレ系ECU40に出力する。その停止指令を受信したパワトレ系ECU40は、自車両の駆動が停止するように、駆動機関やパワートレイン機構、制動機構を制御する。
なお、S205またはS235を経てS240へと移行した場合、そのS240では、車両操作ECU10は、携帯機器80の操作者が自車両の周辺に存在することを報知しても良い。この報知は、ブザー54を鳴動することで実現しても良いし、自車両に搭載されたナビゲーション装置やインジケータなどに表示することで実現しても良い。また、報知の内容は、操作者が存在する位置であっても良い。この操作者の位置は、周辺監視装置64にて検出した結果を用いれば良い。
その後、車両操作ECU10は、本車両操作処理を終了し、次の起動タイミングまで待機する。
つまり、車両操作処理では、次の2つの条件を満たし、かつ、パワトレ制御機構を介した操作を受け付けていなければ、継続して自車両を駆動する。
その条件とは、近接無線通信部20または近接無線通信部30のいずれかを介して取得した携帯IDが、予め登録された識別情報と一致していること(条件1)、かつ、携帯機器80の操作受付部82を介して入力された、規定操作を表す操作情報を取得していること(条件2)である。
すなわち、本実施形態の車両操作処理では、携帯機器80との間の近接無線通信に成功しており、利用者が自車両を駆動するための操作を、携帯機器80を介して入力している期間中は、自車両を駆動する。
しかも、自車両の駆動は、近接無線通信が、フロントに設置されたアンテナ22を介して実行されていれば、自車両をリア方向に移動するように実現される。また、近接無線通信が、リアに設置されたアンテナ32を介して実行されていれば、自車両をフロント方向に移動させるように実現される。
一方、本実施形態の車両操作処理では、携帯機器80との間の近接無線通信に不成功である場合には、自車両の駆動を停止する。また、本実施形態の車両操作処理では、携帯機器80との間の近接無線通信に成功していたとしても、利用者が自車両を駆動するための操作を、携帯機器80を介して入力していなければ、自車両の駆動を停止する。
[第1実施形態の効果]
以上説明したように、遠隔操作システム1における車載システム5によれば、上述した条件1,2を満たした場合に、車両を駆動することができる。一方、車載システム5では、携帯機器80からの情報を取得できない場合には、自車両の駆動を停止する。
したがって、自車両を駆動するために遠隔操作システム1の利用者が行う操作は、アンテナ22またはアンテナ32との間で近接無線通信可能な距離の範囲に、携帯機器80を近づけるだけで良い。
このため、遠隔操作システム1によれば、自車両の遠隔操作に必要となる操作者の負担を低減することができる。
特に、遠隔操作システム1においては、自車両の駆動を継続するためには、アンテナ22またはアンテナ32との間で近接無線通信可能な距離の範囲内に携帯機器80を維持し続ける必要がある。近接無線通信部20,30が近接無線通信によって情報通信可能な範囲は狭い。このため、遠隔操作システム1において、自車両を継続的に駆動するためには、アンテナ22またはアンテナ32との間で近接無線通信可能な距離の範囲内に携帯機器80が位置し続けるように、車両の移動に併せて利用者自身も移動する必要がある。
したがって、遠隔操作システム1によれば、上述したように利用者自身も移動し、かつアンテナ22またはアンテナ32との間で近接無線通信可能な距離の範囲内に携帯機器80の位置を維持し続けることにより、利用者が手で押しているような感覚で、車両の駆動を実現することができる。
車両操作処理における自車両の駆動は、近接無線通信が、フロントに設置されたアンテナ22を介して実行されていれば、自車両をリア方向に移動するように実現される。近接無線通信が、リアに設置されたアンテナ32を介して実行されていれば、自車両をフロント方向に移動させるように実現される。このため、遠隔操作システム1の利用者は、携帯機器80を近づけるアンテナ22,32によって車両の駆動方向を変更することができる。
しかも、遠隔操作システム1においては、携帯機器80を近づけるアンテナ22,32の設置位置とは反対側に車両を駆動するため、利用者の感覚に合致した駆動態様を実現できる。特に、遠隔操作システム1では、携帯機器80を近づけるアンテナ22,32の設置位置とは反対側に車両を駆動することで、車両を駆動する際の利用者の安全をより高めることができる。
なお、遠隔操作システム1におけるアンテナ22,32は、自車両のフロントグリルに設けられたエンブレムや、車両のリアフレームに設けられたエンブレムの背面に配置されている。
このため、遠隔操作システム1の利用者は、フロントグリルに設けられたエンブレムに携帯機器80を接近させれば、自車両を後方へと駆動することができ、リアフレームに設けられたエンブレムに携帯機器80を接近させれば、自車両を前方へと駆動することができる。
ところで、本実施形態の車両操作処理では、自車両のステアリング角が直進許容範囲を超えている場合、ステアリング角が直進許容範囲内となるように、ステアリングを修正している。このため遠隔操作システム1によれば、自車両の駆動方向を直進方向に限定することができる。
また、本実施形態の車両操作処理では、操作条件を満たしていれば、開閉機構を施錠状態としている。この結果、遠隔操作システム1によれば、自車両の駆動中に、その車両に外部から人が乗り込むことを防止できる。
また、本実施形態の車両操作処理では、操作条件を満たしていれば、パワトレ制御機構を介した操作の受け付けを停止する。つまり、車両操作ECU10では、自車両の駆動中に、携帯機器80を介した外部からの操作と矛盾した乗員による操作に従って車両を駆動することを防止できる。この結果、車両操作ECU10によれば、車両の駆動の安全性をより向上させることができる。
なお、車両操作処理では、操作条件を満たした場合には車両を駆動する前に、携帯機器80に対して周辺情報を送信し、携帯機器80に周辺情報を表示させている。このため、遠隔操作システム1の利用者は、車両の周辺の状況を車両が駆動される前に認識できる。
[第2実施形態]
第2実施形態の遠隔操作システムは、第1実施形態の遠隔操作システム1とは、主として、近接無線通信部の構造が異なる。このため、本実施形態においては、第1実施形態と同様の構成及び処理には、同一の符号を付して説明を省略し、第1実施形態とは異なる近接無線通信部を中心に説明する。
<遠隔操作システム>
本実施形態の遠隔操作システム3は、図4に示すように、車載システム5と、携帯機器80とを備えている。遠隔操作システム3における車載システム5は、携帯機器80を介して入力された情報に従って、車載システム5自身が搭載された四輪自動車AMを駆動する。
図5に示すように、携帯機器80は、操作受付部82と、無線通信部84と、近接無線通信部86と、報知部88と、制御部90とを備えている。すなわち、本実施形態における携帯機器80は、周知の携帯型の無線通信端末である。この携帯型の無線通信端末には、例えば、周知の携帯情報端末としての、スマートフォンやタブレット端末が含まれる。
次に、車載システム5は、車両操作ECU10と、近接無線通信部70と、パワトレ系ECU40と、ステアリングECU45と、ボデーECU50と、周辺監視ECU60とを備えている。
近接無線通信部70は、アンテナ72と、アンテナ74と、スイッチング(SW)部76と、RF回路24と、制御部26とを備えている。
このうち、アンテナ72は、近接無線通信によって情報を受信する。このアンテナ72は、図6に示すように、自車両のBピラー内部に配置される。アンテナ74は、近接無線通信によって情報を受信する。このアンテナ74は、自車両のBピラー内部において、アンテナ72より自車両の全長方向に沿った後方に配置される。
SW部76は、携帯機器80との近接無線通信の対象を、アンテナ72とアンテナ74との間で切り替えるスイッチング回路である。すなわち、SW部76は、規定された時間間隔(例えば、数十[μs])で、RF回路24と接続する対象をアンテナ72とアンテナ74とで順次切り替える。
RF回路24は、アンテナ72またはアンテナ74のいずれかにて受信した情報を制御部26へと伝送する。制御部26は、アンテナ72またはアンテナ74を介して近接無線通信のトリガー信号を出力すると共に、アンテナ72またはアンテナ74を介して受信した通信データを車両操作ECU10に出力する。
本実施形態の車両操作処理は、第1実施形態の車両操作処理における「近接無線通信部20及び近接無線通信部30」を「近接無線通信部70」と、「近接無線通信部20または近接無線通信部30のいずれか」を「近接無線通信部70」と、「アンテナ22」を「アンテナ72」と、「アンテナ32」を「アンテナ74」と読み替えることを除けば、第1実施形態の車両操作処理と同様である。このため、本実施形態の車両操作処理についての詳しい説明を省略する。
[第2実施形態の効果]
以上説明したように、本実施形態の車載システム5においては、アンテナ72,アンテナ74が、自車両側方のBピラー内部に配置されている。
このため、本実施形態の遠隔操作システム3の利用者は、自車両の側方にて当該車両の駆動を操作できる。この結果、遠隔操作システム3の利用者は、例えば、自車両に乗り降りする際に、当該自車両の停止位置を微調整することができる。
[第3実施形態]
第3実施形態の遠隔操作システムは、第1実施形態の遠隔操作システム1及び第2実施形態の遠隔操作システム3とは、主として、近接無線通信部の構造及び車両操作処理の処理内容が異なる。このため、本実施形態においては、第1実施形態及び第2実施形態と同様の構成及び処理には、同一の符号を付して説明を省略し、第1実施形態及び第2実施形態とは異なる近接無線通信部及び車両操作処理を中心に説明する。
<遠隔操作システム>
図9に示すように、本実施形態の遠隔操作システム4は、車載システム5と、携帯機器80とを備えている。
携帯機器80は、操作受付部82と、無線通信部84と、近接無線通信部86と、報知部88と、制御部90とを備えている。すなわち、本実施形態における携帯機器80は、周知の携帯型の無線通信端末である。この携帯型の無線通信端末には、例えば、周知の携帯情報端末としての、スマートフォンやタブレット端末が含まれる。
次に、車載システム5は、車両操作ECU10と、近接無線通信部98と、パワトレ系ECU40と、ステアリングECU45と、ボデーECU50と、周辺監視ECU60とを備えている。
近接無線通信部98は、アンテナ92と、RF回路94と、制御部96とを備えている。
このうち、アンテナ92は、近接無線通信によって情報を受信する。このアンテナ92は、図10に示すように、自車両のBピラー内部に配置される。
RF回路94は、アンテナ92にて受信した情報を制御部26へと伝送する。制御部96は、アンテナ92を介して近接無線通信のトリガー信号を出力すると共に、アンテナ92を介して受信した通信データを車両操作ECU10に出力する。
<車両操作処理>
本実施形態の車両操作処理が起動されると、図11に示すように、車両操作ECU10は、まず、内燃機関(E/G)が停止しているか否かを判定する(S110)。
以下、S120〜S160までの各ステップにおいては、「近接無線通信部20及び近接無線通信部30」を「近接無線通信部98」と、「近接無線通信部20または近接無線通信部30のいずれか」を「近接無線通信部98」と読み替えることを除けば、第1実施形態の車両操作処理におけるS120〜S160と同様である。このため、本実施形態の車両操作処理におけるS120からS160までの各ステップについての詳しい説明を省略する。
本実施形態の車両操作処理におけるS175では、車両操作ECU10は、携帯機器80から取得した操作情報によって表される自車両の進行方向が、リア方向であるかフロント方向であるかを判定する。
このS175へは、S150での判定の結果、自車両のステアリング角が直進許容範囲を超えている場合(S150:NO)には、ステアリング角が直進許容範囲内となるようにステアリングを修正した後(S160)移行する。また、S175へは、S150での判定の結果、自車両のステアリング角が直進許容範囲内であれば(S150:YES)、S160を実行することなく移行する。
そして、S175での判定の結果、操作情報によって表される自車両の進行方向がリア方向であれば、車両操作ECU10は、車両操作処理をS210へと移行させる。一方、S175での判定の結果、操作情報によって表される自車両の進行方向がフロント方向であれば、車両操作ECU10は、車両操作処理をS180へと移行させる。
以降、本実施形態の車両操作処理におけるS180〜S240までの各ステップは、第1実施形態におけるS180〜S240までの各ステップと同様であるため、ここでの詳しい説明は省略する。
[第3実施形態の効果]
本実施形態の遠隔操作システム4の利用者は、第2実施形態の遠隔操作システム3と同様の効果を得ることができる。しかも、遠隔操作システム4によれば、近接無線通信のアンテナの個数を最小限の個数(即ち、1つ)とすることができる。
[その他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、様々な態様にて実施することが可能である。
上記実施形態における車両操作処理は、図3,図11に示す処理内容にて実施されていたが、本発明における車両操作処理は、図3,図11に示す処理内容に限るものではない。例えば、本発明の車両操作処理は、S130,S150,S160,S180,S210,S205,S235のうちの少なくとも1つのステップが省略されていても良いし、図7に示すように、S130,S150,S160,S180,S210,S205,S235の全てのステップが省略されていても良い。
上記実施形態における車両操作処理は、図3,図11に示す処理内容にて実施されていたが、本発明における車両操作処理は、図3,図11に示す処理内容に限るものではない。例えば、本発明の車両操作処理においては、S205,S235が省略されていても良い。
また、上記実施形態の車両操作処理では、自車両のステアリング角が直進許容範囲を超えていれば(S150:NO)、ステアリング修正指令をステアリングECU45に出力し(S160)、その後、S170またはS175へと移行していた。しかしながら、本発明の車両操作処理においては、図8に示すように、自車両のステアリング角が直進許容範囲を超えている場合に(S150:NO)、ステアリング修正指令を出力することなく、車両操作処理を終了しても良い。
さらには、上記実施形態の車両操作処理では、操作条件を満たしていなければ(S200:NO,S230:NO)、自車両の駆動を停止していたが(S240)、本発明における車両操作処理では、S240が省略されていても良い。この場合、本発明の車両操作処理におけるS190やS220では、車両操作ECU10は、予め規定された規定時間(例えば、数[ms])だけ、自車両が駆動されるように、駆動機関やパワートレイン機構、制動機構を制御すれば良い。図3、図7,図11に示す車両操作処理においては、S180からS200までのサイクル、またはS210からS230までのサイクルが、規定時間の間に実行されるように構成しても良い。
また、上記実施形態における携帯機器80は、周知の携帯型の無線通信端末として構成されていたが、本発明における携帯機器は、これに限るものではない。本発明における携帯機器は、例えば、携帯キーと車載装置との間で無線通信による認証に成功すると、ドアの施解錠や内燃機関の始動を受け付ける電子キーシステムを構成する携帯キーとして構成されていても良い。この場合の携帯機器においては、報知部88が省略されていても良い。
また、携帯機器が電子キーとして構成される場合、規定操作は、電子キーに設けられたスイッチを規定時間以上継続して押下することであっても良いし、その他の操作であっても良い。
上記実施形態においては、車載システム5を搭載する対象を四輪自動車AMとしていたが、本発明において、車載システム5を搭載する対象は、四輪自動車AMに限るものではない。例えば、オートバイなどの二輪自動車であっても良いし、六輪以上の車輪を有した特殊自動車であっても良い。つまり、車載システム5が搭載される対象は、駆動機関を有した車両であればどのようなものであっても良い。
また、上記実施形態においては、駆動機関が内燃機関であるものとして車両操作処理の説明を行ったが、本発明における駆動機関は、電動機であっても良いし、燃料電池であっても良いし、その他の機関であっても良い。
なお、上記実施形態の構成の一部を省略した態様も本発明の実施形態である。また、上記実施形態と変形例とを適宜組み合わせて構成される態様も本発明の実施形態である。また、特許請求の範囲に記載した文言によって特定される発明の本質を逸脱しない限度において考え得るあらゆる態様も本発明の実施形態である。
上記実施形態の説明で用いる符号を特許請求の範囲にも適宜使用しているが、各請求項に係る発明の理解を容易にする目的で使用しており、各請求項に係る発明の技術的範囲を限定する意図ではない。
また、本発明は、前述した車両制御装置の他、車両を遠隔操作するためにコンピュータが実行するプログラム、車載装置を制御する制御方法等、種々の形態で実現することができる。
1,3…遠隔操作システム 5…車載システム 10…車両操作ECU 12…ROM 14…RAM 16…CPU 20,30,70,98…近接無線通信部 22,32,72,74,92…アンテナ 24,34,94…RF回路 26,36,96…制御部 40…パワトレ系ECU 45…ステアリングECU 50…ボデーECU 52…アクチュエータ 54…ブザー 60…周辺監視ECU 62…無線通信部 64…周辺監視装置 76…SW部 80…携帯機器 82…操作受付部 84…無線通信部 86…近接無線通信部 88…報知部 90…制御部

Claims (16)

  1. 車両に搭載され、携帯機器(80)との間の通信結果に従って車両を駆動する車両駆動装置(5,10)であって、
    前記車両に搭載されたアンテナ(22,32,72,74,92)を介した近接無線通信によって、前記携帯機器との間で情報通信を実行する情報取得手段(20,30,70,98)と、
    前記情報取得手段により前記携帯機器から特定情報を取得すれば、前記車両を駆動し、前記情報取得手段により前記携帯機器から前記特定情報を取得できなければ、前記車両の駆動を停止する駆動制御手段(10,S120〜S240)と
    を備えることを特徴とする車両駆動装置。
  2. 前記情報取得手段は、前記携帯機器を識別する識別情報を前記近接無線通信によって情報通信し、
    前記駆動制御手段は、
    前記識別情報による認証を実行する認証手段(10,S120)を備え、
    前記認証手段での認証に成功すると、前記特定情報を取得できたものとし、前記認証手段での認証に不成功であれば、前記特定情報を取得できなかったものとする
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両駆動装置。
  3. 前記駆動制御手段は、
    前記携帯機器にて受け付けた操作内容を表す操作情報を取得し、その取得した操作情報が、予め規定された規定操作を表す規定操作情報であるか否かを判定する操作判定手段(10,S120)を備え、
    前記操作判定手段での判定の結果、前記操作情報が前記規定操作情報であれば、前記特定情報を取得できたものとし、前記操作情報が前記規定操作情報でなければ、前記特定情報を取得できなかったものとする
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両駆動装置。
  4. 前記アンテナは、前記車両の全長方向に沿って少なくとも2つ配置されており、
    前記駆動制御手段は、
    前記情報取得手段が前記特定情報を取得したアンテナが、前記車両の全長方向に沿って前方に配置されていれば、前記車両を全長方向に沿った後方へと駆動し、前記情報取得手段が前記特定情報を取得したアンテナが、前記車両の全長方向に沿って後方に配置されていれば、前記車両を全長方向に沿った前方へと駆動する
    ことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の車両駆動装置。
  5. 前記駆動制御手段は、
    前記操作情報が前記車両の後退方向への駆動を表していれば、前記車両を全長方向に沿った後方へと駆動し、前記操作情報が前記車両の前進方向への駆動を表していれば、前記車両を全長方向に沿った前方へと駆動する
    ことを特徴とする請求項3に記載の車両駆動装置。
  6. 前記アンテナは、前記車両に設けられたエンブレムの背面に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の車両駆動装置。
  7. 前記アンテナは、前記車両の側方に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の車両駆動装置。
  8. 前記駆動制御手段は、
    前記情報取得手段により前記携帯機器から特定情報を取得すると、前記車両の周辺の状況を表す周辺情報を前記携帯機器に送信する周辺情報送信手段(10,S180,S210)
    を備えることを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の車両駆動装置。
  9. 前記駆動制御手段は、
    前記車両の周辺の状況を撮像する撮像装置(64)にて撮像した画像を、前記周辺情報の1つとして取得することを特徴とする請求項8に記載の車両駆動装置。
  10. 前記駆動制御手段は、
    前記車両の周辺の状況をセンシングするセンサ(64)での検知結果を、前記周辺情報の1つとして取得することを特徴とする請求項8または請求項9に記載の車両駆動装置。
  11. 前記車両には、開閉機構を施錠解錠するロック機構(52)が設けられ、
    前記駆動制御手段は、
    前記情報取得手段により前記携帯機器から特定情報を取得すると、前記開閉機構を施錠状態とするように前記ロック機構を制御するロック制御手段(10,S130)
    を備えることを特徴とする請求項1から請求項10までのいずれか一項に記載の車両駆動装置。
  12. 前記車両は、パワートレイン系を有した自動車であり、前記パワートレイン系に対する制御の操作を当該車両の内部から受け付けるパワトレ制御機構が設けられ、
    前記駆動制御手段は、
    前記情報取得手段により前記携帯機器から特定情報を取得すると、前記パワトレ制御機構を介した操作の受け付けを停止する受付停止手段(10,S130)
    を備えることを特徴とする請求項1から請求項11までのいずれか一項に記載の車両駆動装置。
  13. 前記車両は、パワートレイン系を有した自動車であり、前記パワートレイン系に対する制御の操作を当該車両の内部から受け付けるパワトレ制御機構が設けられ、
    前記パワトレ制御機構を介した操作を受け付けると、前記駆動制御手段による前記車両の駆動を停止する駆動停止手段(10,S205,S235,S240)を備える
    ことを特徴とする請求項1から請求項12までのいずれか一項に記載の車両駆動装置。
  14. 前記駆動制御手段は、
    前記車両に搭載された駆動機関が停止していれば、前記情報取得手段による前記携帯機器からの特定情報の取得の成否を判定することを特徴とする請求項1から請求項13までのいずれか一項に記載の車両駆動装置。
  15. 前記車両には、舵角を制御する舵角制御機構(45)が設けられ、
    前記駆動制御手段は、
    前記車両の舵角が、前記車両が直進しているものとみなせる舵角の範囲として規定された直進許容範囲内であれば、前記舵角が前記直進許容範囲内となるように前記舵角制御機構を制御する舵角制御手段(10,S150,S160)
    を備えることを特徴とする請求項1から請求項14までのいずれか一項に記載の車両駆動装置。
  16. 前記駆動制御手段は、
    前記情報取得手段により前記携帯機器から前記特定情報を取得できた場合であっても、前記車両の舵角が、前記車両が直進しているものとみなせる舵角の範囲として規定された直進許容範囲を超えていれば、前記車両の駆動を停止することを特徴とする請求項1から請求項14までのいずれか一項に記載の車両駆動装置。
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