JP2016054232A - インプリント装置 - Google Patents

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坂本 英治
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  • Shaping Of Tube Ends By Bending Or Straightening (AREA)
  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

【課題】置換ガスの消費量を抑えながらテンプレートと基板との間の空間を置換ガスで高純度に満たすことの出来るインプリント装置を提供すること。【解決手段】テンプレートを囲う壁部材とテンプレートと基板とに囲まれた空間の体積を拡大する工程を経たのちに押印を行う。置換ガスは空間の体積を拡大する時に空間内に供給される。【選択図】図1

Description

本発明は、一般には、加工装置に係り、特に、原版となるテンプレートの微細パターンを基板等へ転写する加工装置に関する。本発明は、特に、インプリント技術を利用する加工装置に好適である。
紫外線やX線、あるいは、電子ビームによるフォトリソグラフィーを用いた半導体デバイスへの微細パターンの形成方法に代わる技術としてインプリントがある。インプリントとは、電子ビーム露光等によって、微細なパターンを形成した雛型(テンプレート)を、樹脂材料(レジスト)を塗布した基板等の基板に押し付ける(押印する)ことによって、レジスト上にパターンを転写するものである。既に10nm程度の微細な形状の転写が可能であることが示されており、特に、磁気記録媒体の微細な周期構造の作成手段として注目されており、各地で盛んに研究開発が行われている。
インプリント方式としては、紫外線硬化型の樹脂をレジストとして使用し、透明なテンプレートで押印した状態で感光、硬化させてからテンプレートを剥離する方法(光硬化法)が知られている。半導体集積回路パターンは最小線幅が100nm以下であり、テンプレートの微細な構造に確実にレジストが入り込むためには低粘度のレジスト材を使用する必要がある。
また、インプリント装置は、通常、ステップアンドリピート方式でウエハ面に逐次パターンを転写する。ここで、「ステップアンドリピート方式」は、ウエハのショットの一括転写ごとにウエハをステップ移動して、次のショットの転写領域に移動する方法である。この際、樹脂の粘度が低いことから露光装置のように基板全面に樹脂を予め塗布して搬送、装着することは困難である。このため、ショット毎、もしくは複数ショット毎に適量の樹脂をショット又は複数ショットに滴下して塗布する方法が提案されている。
また、レジストを塗布した基板にテンプレートを押印する時に、テンプレートと基板表面のレジストとの間に気泡が残留すると、形成されるパターンが歪むことが知られている。その対策方法として、テンプレートと基板との間にレジストに対して溶解性が高いヘリウムや二酸化炭素等のガス(以下「置換ガス」という)を流し込み、基板とテンプレートとの隙間の空気を置換する技術が特許文献1で開示されている。
さらに、テンプレートを囲う様に壁部材を設け、テンプレートと基板との間の置換ガス濃度や圧力を制御する技術が特許文献2で開示されている。
特表2007−509769号公報 米国特許出願公開第2007/0065532号明細書
しかしながら、特許文献1に示された方法では、置換ガスは基板とテンプレートの間の空間を満たすにとどまらず装置全体に拡散してしまうことになる。また、基板を搭載し、テンプレートとの位置合わせをするためのステージがあるが、このステージの位置を計測するための変位センサの計測値誤差を生じさせる可能性がある。特に変位センサとしてレーザー干渉変位計を用いた場合には、置換ガスが計測レーザー光の光路に侵入し、光路雰囲気の屈折率を変化させ計測誤差を生じさせる結果となる。このステージの位置誤差は、テンプレートと基板の相対位置差になるため、微細パターンの製造方法としては好ましくない。
これに対し特許文献2に示された方法は、テンプレートを保持するインプリントヘッドから基板方向に延びる壁部材によってテンプレートを囲み、テンプレートと基板と壁とに囲まれた空間に置換ガスを供給するようにしている。
しかしながら、特に複数ショットの樹脂に連続して押印を繰り返すインプリント方法の場合、ステージの移動中に壁部材と基板との隙間から外部気体が侵入するため、この空間の置換ガス濃度を高純度に保つためは大量の置換ガスを消費することになる。置換ガスが高価な場合、半導体装置の製造コストを上げることになり好ましくない。
そこで、本発明は、置換ガスの消費量を抑えながらテンプレートと基板との間の空間を置換ガスで高純度に満たすことの出来るインプリント装置を提供する事を目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、テンプレートに形成されたパターン部を基板上に塗布された樹脂に押印し離型するインプリント装置において、前記テンプレートを保持してヘッド駆動手段により前記基板方向に上下可能なヘッドと、前記基板を載置して移動するステージと、前記テンプレートと前記基板との間の空間にガスを供給する第1のガス供給手段と、前記第1のガス供給手段の動作を制御する第1のガス供給制御手段とを有し、前記テンプレートと前記基板との向き合う距離を離す工程と前記距離を近付ける工程を含み、前記距離を離す工程中の前記第1のガス供給手段からのガス供給流量は、前記距離を近づける工程中の前記ガスの供給流量よりも大きくするよう前記第1のガス供給制御手段により制御することを特徴とする。
本発明のインプリント装置によれば、置換ガスの消費量を抑えることが出来、尚且つテンプレートと基板との間の空間を置換ガスで高純度に満たすことが出来る。
本発明のインプリント装置の概略断面図 本発明のインプリントヘッドユニットの概略図 本発明の第1実施形態のインプリント装置の動作を示す図 本発明の別のインプリントヘッドユニットの概略図 本発明のさらに別のインプリントヘッドユニットの概略図 本発明の第2実施形態のインプリント装置の動作を示す図 インプリント装置における押印、離型を説明する図
以下に、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
本発明の第1実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において、同一の部材については、同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、本発明のインプリント装置24の概略断面図である。樹脂7が塗布された基板2は、ウエハステージ1に搭載されている。ウエハステージ1には、ミラー9が搭載され、レーザー干渉計8によって正確に基板2の位置を計測することが可能となっている。ウエハステージ1は、レーザー変位干渉計8の値を用いて位置制御する構成となっている。ウエハステージ1の位置計測方法は、本実施例で示すレーザー干渉計8に限らず、リニアスケールなど他の方式を用いてもよい。また、ウエハステージ1は、位置決めだけではなく、基板2の表面の姿勢を調整する手段も有しており、基板2の表面の姿勢を調整する役割を有する。
転写パターン4が形成されたテンプレート3は、それを保持するためのインプリントヘッド6と一体に構成されるチャック5に真空吸着などの手段にて搭載されている。インプリントヘッド6は、上下動作をするための駆動手段(不図示)と、転写パターン4と基板2とが密着するように姿勢のかわし機構(不図示)や姿勢制御、回転方法の位置合わせ手段(不図示)とを有する。
チャック5にはモールド3を通して基板2上の樹脂7に露光光がその背面の光源(不図示)および照明系10から照射できるよう、穴30が設けてある。
光源は、UV光を発生するハロゲンランプなどからなり、照明系10は、レンズ、アパーチャ、照射か遮光かを切り替えるためのシャッタなどを含む。樹脂7は、別に設けた塗布装置16によって基板2上に塗布される。
図7に一般的なインプリント動作の概略を示す。図7(a)は、基板2に樹脂7が塗布されたインプリント前の状態。図7(b)は、テンプレート3を樹脂7に押し付け、その後露光した状態。図7(c)は、テンプレート3と基板2を離型した状態である。
ここで、テンプレート3を押し付ける際、樹脂7がテンプレート3上の転写パターン4の凹部に十分に充填される必要がある。空気の泡などが捕捉された状態で樹脂が露光硬化されると、形成される樹脂パターンの不備となり、半導体装置の不良を生じさせることになる。転写パターン4の細部にわたり良好に樹脂7を充填させるためには、テンプレート3と基板2の間を樹脂7に対して溶解性が高いヘリウムや二酸化炭素などの置換ガスで置換するのが有効であることが知られている。
図2を用い本発明のインプリント装置に用いられるインプリントヘッドユニット30について詳細に説明する。図2(a)はインプリントヘッドユニット30と基板2の概略断面図である。図2(b)はインプリントヘッドユニット30を基板方向から見た底面図である。
前述のとおりインプリントヘッド6はウエハチャック5と一体的に構成されている。17は第1の壁部材で、インプリントヘッド6の側面に気密性良く設けられ、インプリントヘッド6とは独立して基板方向に上下動作するための駆動手段を有する。18は第2の壁部材で、第1の壁部材17と締結されており、第1の壁部材17とともに上下可動である。21はインプリントヘッド6と第1の壁部材17と基板2とに囲まれた第1の空間である。22は第1の壁部材17の下端と基板2との間の第2の空間である。23は第1の壁部材17と第2の壁部材18と基板2とに囲まれた第3の空間である。29はインプリントヘッドユニット30が置かれる外部空間である。
d1はテンプレート3のパターン面と基板2上面との距離、d2は第1の壁部材17下端と基板2上面との距離、d3は第2の壁部材18下端と基板2上面との距離である。本発明ではインプリントヘッド6の上下駆動時に第1の空間21に置換ガスを高純度に充填するので、少なくともインプリントヘッド6の上下駆動時にはd2を狭くして第3の空間23からのガスの侵入を少なくしている。したがって、距離d2と距離d3の関係はd2≦d3となるよう第1の壁部材17と第2の壁部材18は構成される。hはテンプレート3のパターン面からパターン4の下端までの距離である。パターン4はテンプレート3に直接形成されるか、厚さ数十μmの別の材料に形成されたのちテンプレート3に貼り合わされる。したがって距離hは0〜数十μmの範囲となる。
12は第1のガス供給手段であり、不図示の置換ガス供給源から第1のガス供給口25を通して第1の空間21に前記置換ガスを供給する。第1のガス供給口25は一つでも良いし、図2(b)に示すように複数配置しても良い。
13は第1のガス供給手段12の置換ガス供給量を制御するための第1のガス供給制御手段である。第1のガス供給制御手段13は、流量制御弁やマスフローコントローラー等を使用する事が出来る。前記第1のガス供給制御手段13の流量制御方法は、第1の空間21と外部空間29との差圧を検出する不図示の圧力検出手段を持ち、例えば前記差圧が小さくなるように制御する。また前記第1のガス供給制御手段13の流量制御方法は、インプリント装置に具備されインプリント装置の動作全てを制御している不図示の中央制御装置からの指令により制御しても良い。
14は第1のガス排出手段であり、第1の空間21内のガスを第1のガス排出口26を通してインプリントヘッドユニット30の外部へ排出する。前記排出されたガスが、前記レーザー変位干渉計8の測定誤差の原因になる場合には、外部空間29のさらに外部へ排出すれば良い。第1のガス排出口26は一つでも良いし、図2(b)に示すように複数配置しても良い。
15は第1のガス排出手段14のガス排出量を制御するための第1のガス排出制御手段である。第1のガス排出制御手段15は、流量制御弁やマスフローコントローラー等を使用する事が出来る。前記第1のガス排出制御手段15の流量制御方法は、第1の空間21と外部空間29との差圧を検出する不図示の圧力検出手段を持ち、例えば前記差圧が小さくなるように制御する。本実施例では、第1のガス排出制御手段15として第1の空間21から外部方向へガスが流れるよう設置した逆止弁により前記流量制御を実現している。また、圧力検出器等を用いなくても、予め決めたシーケンスに基づいて一連の流量制御を行っても良い。また、前記第1のガス排出制御手段15の流量制御方法は、インプリント装置に具備されインプリント装置の動作全てを制御している不図示の中央制御装置からの指令により制御しても良い。
19は第2のガス供給手段であり、不図示の置換ガス供給源から第2のガス供給口27を通して第2の空間22と第3の空間23に前記置換ガスを供給し、前記置換ガスの供給量は不図示の第2のガス供給制御手段により制御される。第2のガス供給口27は一つでも良いし、図2(b)に示す様に複数配置しても良い。
20は第2のガス排出手段であり、第2のガス排出口28と通して第3の空間23からガスを排出し、前記ガスの排出量は不図示の第2のガス排出制御手段により制御される。
前記第2のガス供給制御手段および前記第2のガス排出制御手段のガス給排気制御方法は、第3の空間23と外部空間29との差圧を検出する不図示の圧力検出手段を持ち、例えば前記差圧が小さくなるように制御する。
次に図3を用いて本発明のインプリント装置の動作を詳細に説明する。図中、矢印はガスの流れる向き、白抜き矢印はステージ1またはヘッド6およびチャック5の移動する向きを示している。図3(a)から図3(h)までの一連の工程は1ショット分の工程を示している。
図3(a)は、樹脂7を塗布した基板2を樹脂7にパターン4が押印される所定の位置へステージ1を移動する工程を示す。この時、樹脂7とパターン4が接触しない範囲で第1の空間21の体積が小さくなるような位置に距離d1は保たれる(例えば100〜200μm)。また、樹脂7と第1の壁部材17の下端が接触しない範囲で距離d2は最小に保たれる(例えば数十μm〜100μm)。ステージ1の移動中、第2の空間22から第1の空間21へガスが流入するが、第1の空間21における置換ガスの濃度を高く保ちたい場合、第2のガス供給手段19を動作させても良い。また第2のガス供給手段19を動作させた場合、第3の空間23から外部空間29へ置換ガスを含むガスが流れ出す可能性があるが、ステージ位置精度が低下するなど不都合な場合は第2のガス排出手段20を動作すれば良い。
図3(b)は、樹脂7にパターン4が押印される所定の位置にステージ1の移動が完了した事を示す。この時のテンプレート3と基板2との間隔を添え字(b)を付けた距離d1(b)とする。
図3(c)は、第1の空間21に置換ガスを導入するために、インプリントヘッド6およびチャック5を上昇させ距離d1を大きくして第1の空間21の体積を増大させる工程を示す。距離d1の増加とともに第1の空間21の圧力は下がるので第1のガス供給制御手段の差圧検知結果に基づき第1のガス供給手段19により置換ガスが第1の空間21に供給される。供給される置換ガス流量は、概ねインプリントヘッド6のウエハ面への投影面積Sと距離d1の増加速度との掛け算になる。この時、距離d2を小さくして空間21へ流れるガスのコンダクタンスを下げているが、僅かながら第2の空間22を通して第3の空間23から第1の空間21へガスの流入がある。本発明では第1の空間21の体積を増加する前に第2のガス供給手段19により第3の空間23を置換ガス雰囲気にしているので、第3の空間23から流入するガスはほぼ置換ガスであり、第1の空間21の置換ガス濃度を高純度に保つことが出来る。
図3(d)は、インプリントヘッド6およびチャック5の上昇が完了した事を示し、同時に第1のガス供給手段12および第2のガス供給手段19からの置換ガスの供給を停止する。この時のテンプレート3と基板2との距離d1(d)は、パターン4と樹脂7との空間の設定置換ガス濃度により決定される。設定置換ガス濃度をc[%]以上とした場合、下記の数式1によって定義されるようにd1(d)を決定すれば良い。
(数1)
d1(d)≧100×d1(b)/(100−c)
図3(e)は、インプリントヘッド6およびチャック5を下降させる工程を示す。インプリントヘッド6およびチャック5の下降により第1の空間21の体積が減少し第1の空間21の圧力が上がるので第1のガス排出制御手段15の差圧検知結果に基づき第1の空間21内のガスは第1のガス排出手段14により外部へ排出される。この時、距離d2を小さくして空間23へ流れるガスのコンダクタンスを下げているが、僅かながら第2の空間22を通して第1の空間21から第3の空間23へガスが流出する。前述同様、第3の空間23から外部空間29に置換ガスを含むガスが流出しステージ位置精度が低下するなど不都合な場合は第2のガス排出手段20を動作すれば良い。また、第1の空間21の体積が減少する間、第1の空間21の圧力は外部空間29および第3の空間の圧力に対し陽圧になるため、第1の空間21の置換ガス濃度はほぼc%に保つことが出来る。
図3(f)は、インプリントヘッド6およびチャック5の下降がパターン4と樹脂7とをアライメントするための所定の位置に停止した事を示す。前記アライメントは通常十数m秒で完了するため、第1の空間21とその他の空間とのガスの移動は少なく、従って第1の空間21の置換ガス濃度は、ここでもほぼc%に保つことが出来る。
図3(g)は、前記アライメント後、パターン3を樹脂7に押印し、露光が終了した様子を示す。ここで第2のガス排出手段20を停止する。
図3(h)は、テンプレート3を基板2から引き上げ、パターン4と樹脂7とを離型する工程を示す。離型時、第1の空間21の圧力は下がるので、第1の空間21と外部空間23との差圧が小さくなる様に第1のガス供給手段12から置換ガスが第1の空間21内に供給される。図3(h)の工程の後、複数ショット分の樹脂が塗布されており連続してショットを行う場合は、図3(a)の工程にもどり図3(h)までの工程を繰り返す。一ショット毎に樹脂を塗布する場合は、塗布装置16の下の所定の位置にステージ1を移動する。
以上説明したとおり、本発明のインプリント装置は、インプリントヘッドと基板との距離を離す時にテンプレートと樹脂との空間に置換ガスを供給するので、置換ガスの消費量を抑え、少ない量の置換ガスでテンプレートと樹脂との空間を高純度の置換ガスで満たす事が出来る。
なお、本発明で使用出来るインプリントヘッドユニット30は図2に示されるものに限られず、例えば図4、図5に示す様なインプリントヘッドユニットを使用する事も出来る。
図4は、本発明で使用可能な別のインプリントヘッドユニット31を示す。図4(a)はインプリントヘッドユニット31と基板2の概略断面図である。図4(b)はインプリントヘッドユニット31の底面図である。
インプリントヘッドユニット31では、インプリントヘッド6とは独立に上下可動な第1の壁部材17の中に第2のガス供給手段19と第2のガス排出手段20を設けている。本構成によれば、第1の空間21から第2の空間22を通り外部空間29へ流出しようとするガスを第2のガス排出手段20により排出する事で置換ガスが外部空間29へ漏れ出すのを抑止する事が出来る。また、外部空間29から第2の空間22を通り第1の空間21へ流入しようとするガスを第2のガス排出手段20により排出する事で、第1の空間21の置換ガス濃度を高く保つ事が出来る。
より確実に第2の空間22からガスを排出するために、第2のガス排出手段20の排出口28は図4(b)に示す様に第1の壁部材17の下面の全周に渡って設けられた溝でも良いし、前記溝に多孔質体をはめ込んだものでも良い。多孔質体を用いる事で第1の壁部材17の下面の全周における排出口28の排気圧力むらを軽減できる。
第2のガス供給手段19に関しても、供給口27を図4(b)に示す様に第1の壁部材17の下面全周に渡って設けられた溝としても良い。
本発明のインプリント装置では置換ガスの消費量が少ないため、置換ガスが有毒ガスで無い場合やステージの位置制御が外部空間29の屈折率変化の影響を受けない場合、第2のガス排出手段20を省略しても良い。
図5は、置換ガスが外部空間29に漏れ出しても良い場合に使用可能な本発明の別のインプリントヘッドユニット32を示す。図5(a)はインプリントヘッドユニット32と基板2の概略断面図である。図5(b)はインプリントヘッドユニット32の底面図である。
インプリントヘッドユニット32は、主にテンプレート3と基板2との空間に置換ガスを供給するためのノズル33と第1のガス供給手段12とヘッド6とチャック5とパターン4が形成されたテンプレート3から成る。ノズル33はヘッド6下面の全周に渡って形成されている。第1のガス供給手段12のガス供給口25はノズル33の全周に渡って形成されている。ガス供給口25には、全周から均一に置換ガスを吹き出すため多孔質体がはめ込まれている。
インプリントヘッドユニット32と基板2との距離d1を大きくする時に第1の空間21へ第1のガス供給手段12から置換ガスを供給する。この時、供給口25が全周に渡って形成されているため、供給される置換ガスがガスカーテンの役割を果たし、外部空間29から第1の空間21へガスの侵入を小さくする事が出来、第1の空間21に置換ガス濃度を高純度に導入する事が出来る。その後、距離d1を小さくする時は第1の空間21の圧力は外部空間29に対し陽圧になり、外部空間29から第1の空間21にガスは入り難くなるため、押印時まで第1の空間21の置換ガス濃度を高く保つことが出来る。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。前記実施例1では、テンプレートを樹脂に押印する位置までステージを移動した後にインプリントヘッドの上昇・下降工程を行ってテンプレートと基板との空間に置換ガスを高濃度に導入していた。この方式は、ウエハ上どの位置のショットにおいても確実にテンプレートと基板との空間に置換ガスを導入出来るのが利点であるが、インプリントヘッドの上昇・下降時間の分、処理時間が増加し、スループットが低下することが課題であった。
本実施例2では当該課題に対しスループットの低下を最小限に抑えるための方法を提案する。
図6は、本発明の実施例2におけるインプリント装置の動作を示す。インプリントヘッドユニットおよびステージ構成については、実施例1と同じなので説明は省略する。
図6(a)は、樹脂7を塗布した基板2を樹脂7にパターン4が押印される所定の位置へステージ1を移動開始した様子を示す。ステージ1の移動中、第1の空間21の置換ガス濃度を高く保つため、ステージ1の移動開始前に第2のガス供給手段19を動作させる。外部空間29に置換ガスが流出する事に問題が無ければ、第2のガス排出手段20の動作については任意である。
図6(b)は、ステージ1の移動中にインプリントヘッド6およびチャック5を上昇させ距離d1を大きくして第1の空間21の体積を増大させる工程を示す。距離d1の増加とともに第1の空間21の圧力は下がるので第1のガス供給制御手段の差圧検知結果に基づき第1のガス供給手段19により置換ガスが第1の空間21に供給される。この時、距離d2を小さくして空間21へ流れるガスのコンダクタンスを下げているが、僅かながら第2の空間22を通して第3の空間23から第1の空間21へガスの流入がある。本実施例でも第1の空間21の体積を増加する前に第2のガス供給手段19により第3の空間23を置換ガス雰囲気にしているので、第3の空間23から流入するガスはほぼ置換ガスであり、第1の空間21の置換ガス濃度を高純度に保つことが出来る。
図6(c)は、ステージ1の移動中にインプリントヘッド6およびチャック5の上昇が完了した事を示し、同時に第1のガス供給手段12および第2のガス供給手段19からの置換ガスの供給を停止する。
図6(d)は、ステージ1の移動中にインプリントヘッド6およびチャック5を下降させる工程を示す。図6(c)に示される工程の後、時間を置かずに第1の空間21の体積を減少させる工程に入るため、第1の空間21の圧力は陽圧となり外部からのガスの侵入は抑えられるので第1の空間21の置換ガス濃度は高く保たれる。
図6(e)から図6(g)に示される工程は、実施例1の図3(f)から図3(h)に示されるそれぞれの工程と同じである。
本実施例2の方法は、インプリントヘッドユニット30の下全体に基板2が存在する場合に有効である。それ以外の例えばインプリントヘッドユニット30の下がウエハ領域外の状態からステージ1を移動しウエハの周辺ショットを行う場合は前記実施例1が有効である。
以上説明したとおり、本発明の実施例2ではステージの移動中にテンプレートと基板との間に高濃度の置換ガス雰囲気をつくる事が出来るので、スループットを向上する事が出来る。
1 ステージ、2 基板、3 テンプレート、4 転写パターン、5 チャック、
6 インプリントヘッド、7 樹脂、10 照明系、12 第1のガス供給手段、
14 第1のガス排出手段、17 第1の壁部材、18 第2の壁部材、
19 第2のガス供給手段、20 第2のガス排出手段、21 第1の空間、
22 第2の空間、23 第3の空間、24 インプリント装置、29 外部空間、
30 インプリントヘッドユニット、31 インプリントヘッドユニット、
32 インプリントヘッドユニット、33 ノズル

Claims (6)

  1. テンプレートに形成されたパターン部を基板上に塗布された樹脂に押印し離型するインプリント装置において、
    前記テンプレートを保持してヘッド駆動手段により前記基板方向に上下可能なヘッドと、
    前記基板を載置して移動するステージと、
    前記テンプレートと前記基板との間の空間にガスを供給する第1のガス供給手段と、
    前記第1のガス供給手段の動作を制御する第1のガス供給制御手段と、
    を有し、
    前記テンプレートと前記基板との距離を大きくする第1の工程と前記距離を小さくする第2の工程を含み、
    前記第1のガス供給制御手段は、前記第1の工程での前記第1のガス供給手段からのガス供給流量を、前記第2の工程での前記ガスの供給流量よりも大きくなるように制御することを特徴とするインプリント装置。
  2. 前記ヘッド部から前記テンプレートを囲い前記基板方向に延びる第1の壁部材と、前記第1の壁部材の外側に設けられ、前記壁部材と前記基板と間の第2の空間および前記第2の空間の外側近傍にガスを供給する第2のガス供給手段と、前記第2のガス供給手段のガス供給量を制御するための第2のガス供給制御手段と、を有することを特徴とする請求項1に記載のインプリント装置。
  3. 前記第1の壁部材もしく前記第2の壁部材を駆動する壁部材駆動部と前記壁部材の駆動を制御する壁駆動制御手段とを有し、前記壁部材駆動部は、前記ヘッドと独立して前記基板方向に上下可動可能であり、前記壁駆動制御手段は、少なくとも前記第1の工程から押印完了までの間、前記壁部材の下端と前記基板との距離を一定に保つように制御することを特徴とする請求項2に記載のインプリント装置。
  4. 前記第1の空間からガスを排出するための第1のガス排出手段と、前記第1のガス排出手段によるガス排出量を制御するための第1のガス排出制御手段と、前記第1の空間の圧力を検出するための圧力検出手段と、を有し、前記第1のガス供給制御手段と前記第1のガス排出制御手段の一方または両方により、前記第1の空間を所定の圧力に保つように制御することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のインプリント装置。
  5. 前記第1のガス排出制御手段は、前記ガスが前記第1の空間から外部へ流れ、前記ガスが外部から前記第1の空間へ流れないよう設置した逆止弁を有することを特徴とする請求項4に記載のインプリント装置。
  6. 前記第1の壁部材の外側に設置した第2の壁部材と、前記第1および前記第2の壁部材により形成され基板側に開口する第3の空間と、前記第3の空間からガスを排出するための第2のガス排出手段と、前記第2のガス排出手段のガス排出量を制御するための第2のガス排出制御手段と、を有することを特徴とする請求項2乃至請求項5の何れか一項に記載のインプリント装置。
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