JP2016053192A - 蒸着マスクの寸法測定方法、蒸着マスクの張力付与装置および蒸着マスクの寸法測定装置 - Google Patents

蒸着マスクの寸法測定方法、蒸着マスクの張力付与装置および蒸着マスクの寸法測定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】蒸着マスクの姿勢を精度良く矯正して、寸法測定の精度を向上させることができる蒸着マスクの寸法測定方法を提供する。【解決手段】本発明による蒸着マスクの寸法測定方法においては、まず、ベース51上に蒸着マスク20が載置されて、蒸着マスク20のマスク孔27の各々に、ピン64が挿入される。続いて、一方のピン64を他方のピン64から遠ざける方向に移動させ、蒸着マスク20に張力が付与される。蒸着マスク20に張力を付与した状態で、蒸着マスク20の寸法が測定される。【選択図】図10

Description

本発明は、基板に蒸着材料を蒸着するために使用される蒸着マスクの寸法を測定するために使用される蒸着マスクの寸法測定方法および蒸着マスクの寸法測定装置に係り、とりわけ、蒸着マスクの姿勢を精度良く矯正して、寸法測定の精度を向上させることができる蒸着マスクの寸法測定方法および蒸着マスクの寸法測定装置に関する。また、本発明は、上記蒸着マスクに張力を付与する蒸着マスクの張力付与装置に係り、とりわけ、蒸着マスクの姿勢を精度良く矯正して、寸法測定の精度を向上させることができる蒸着マスクの張力付与装置に関する。
従来、所望のパターンで配列された貫通孔を含む蒸着用のマスク(メタルマスクと呼ぶこともある)を用い、所望のパターンで薄膜を形成する方法が知られている。そして、昨今においては、例えば有機EL表示装置の製造時において有機材料を基板上に蒸着する場合等、極めて高価な材料を成膜する際に蒸着が用いられることがある。なお、蒸着用のマスクは、一般的に、フォトリソグラフィー技術を用いたエッチングによって金属板に貫通孔を形成することにより、製造され得る。
蒸着用のマスクを用いて蒸着材料を基板に成膜する場合、蒸着材料は、貫通孔を通過して基板上に蒸着され、基板上に画素が形成される。すなわち、貫通孔の形状および位置によって基板上に形成される画素の形状および位置が画定されるため、貫通孔の形状および位置が不良である場合には、画素の形状精度が損なわれ得るという問題がある。
そこで、貫通孔の形状および位置が不良であるか否かを調べるために、製造された蒸着用のマスクの検査として寸法測定が行われている。一般的には、寸法測定装置のステージ上に蒸着用のマスクを載置して、各部の寸法を測定している。
しかしながら、蒸着用のマスクは、高精細化に伴って薄板化が進んでいる。このことにより、蒸着用のマスクに、その厚さ方向や幅方向において反りや歪みが形成され、厚さ方向に反りや歪みが形成された場合には、蒸着用のマスクの一部がステージから浮き、さらにはこの浮いた部分の一部が撓んで波打つようになるおそれがあり、正確な寸法測定が困難になり得る。また、オペレータによる蒸着用のマスクの載置位置がずれることも考えられ、この場合においても正確な寸法測定が困難になり得る。
ところで、特許文献1には、メタルマスク取付方法が開示されている。ここでは、メタルマスクの長手方向両端部をクランプして長手方向に引っ張ることによってメタルマスクに張力を付与し、張力が付与された状態でメタルマスクをフレームに溶接している。このことにより、メタルマスクを、姿勢を矯正してフレームに架張することができる。このようにして架張されたメタルマスクの寸法測定を行う場合、寸法測定精度の向上が期待できる。
特開2013−206570号公報
しかしながら、特許文献1に示す取付方法では、上述したようにメタルマスクの両端部をクランプしてメタルマスクに張力を付与している。このことにより、張力が偏って付与されて、メタルマスクが歪んだ状態でフレームに架張され得る。この場合、メタルマスクの矯正が不十分になり、寸法測定精度の向上が困難になる可能性がある。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、蒸着マスクの姿勢を精度良く矯正して、寸法測定の精度を向上させることができる蒸着マスクの寸法測定方法、蒸着マスクの張力付与装置および蒸着マスクの寸法測定装置を提供することを目的とする。
本発明は、
長手方向の両端部に設けられた一対のマスク孔を有し、基板に蒸着材料を蒸着するために使用される蒸着マスクの寸法を測定する蒸着マスクの寸法測定方法であって、
ベース上に前記蒸着マスクを載置して、前記蒸着マスクの前記マスク孔の各々に、ピンを挿入する工程と、
一方の前記ピンを他方の前記ピンから遠ざかる方向に移動させる工程であって、前記蒸着マスクに張力を付与する工程と、
前記蒸着マスクに張力を付与した状態で、前記蒸着マスクの寸法を測定する工程と、を備えたことを特徴とする蒸着マスクの寸法測定方法、
を提供する。
本発明による蒸着マスクの寸法測定方法において、前記ピンを移動させる工程において、前記ベースの少なくとも一部分が下降して前記蒸着マスクから離間する、ようにしてもよい。
本発明による蒸着マスクの寸法測定方法において、下降した前記ベースの部分は、前記ピンの移動が終了した後に上昇して前記蒸着マスクを支持する、ようにしてもよい。
本発明による蒸着マスクの寸法測定方法において、前記ピンを挿入する工程において、前記ベース上に前記蒸着マスクが載置された後に、前記ピンが前記蒸着マスクの前記マスク孔に挿入される、ようにしてもよい。
本発明による蒸着マスクの寸法測定方法において、前記ピンは、先細状に形成され、前記ピンの先細状の端部から前記蒸着マスクの前記マスク孔に挿入される、ようにしてもよい。
本発明による蒸着マスクの寸法測定方法において、前記ピンは、挿入方向に直交する断面において円形状に形成されて、円形状の前記マスク孔に挿入される、ようにしてもよい。
本発明による蒸着マスクの寸法測定方法において、前記蒸着マスクの前記マスク孔は、当該蒸着マスクの長手方向に延びる中心軸線上に配置されており、張力は、前記蒸着マスクの中心軸線に沿って付与される、ようにしてもよい。
本発明は、
長手方向の両端部に設けられた一対のマスク孔を有し、基板に蒸着材料を蒸着するために使用される蒸着マスクに張力を付与する蒸着マスクの張力付与装置であって、
前記蒸着マスクが載置されるベースと、
前記ベースの両側に設けられた一対の張力付与部であって、一方の前記張力付与部が他方の前記張力付与部から遠ざかる方向に移動可能な一対の張力付与部と、
前記張力付与部の各々に取り付けられたピンであって、前記蒸着マスクの前記マスク孔に挿入されて、前記蒸着マスクに張力を付与する一対のピンと、
一対の前記張力付与部のうち移動可能な一方の前記張力付与部を移動させる駆動部と、を備えたことを特徴とする蒸着マスクの張力付与装置、
を提供する。
本発明による蒸着マスクの張力付与装置において、前記ベースの少なくとも一部分を、前記蒸着マスクを支持する支持位置と、前記蒸着マスクから離間する離間位置との間で昇降させる昇降駆動部を更に備える、ようにしてもよい。
本発明による蒸着マスクの張力付与装置において、前記ピンは、前記張力付与部に着脱可能に取り付けられている、ようにしてもよい。
本発明による蒸着マスクの張力付与装置において、前記ピンは、先細状に形成され、前記ピンの先細状の端部から前記蒸着マスクの前記マスク孔に挿入される、ようにしてもよい。
本発明による蒸着マスクの張力付与装置において、前記ピンは、挿入方向に直交する断面において円形状に形成されている、ようにしてもよい。
本発明による蒸着マスクの張力付与装置において、移動可能な一方の前記張力付与部は、一対の前記ピンを結ぶ直線に沿う方向に移動可能である、ようにしてもよい。
本発明は、
上述した蒸着マスクの張力付与装置と、
前記張力付与装置が取り付けられたステージと、
前記ステージの上方に設けられ、蒸着マスクを撮像する撮像部と、
寸法を算出する寸法算出部と、を備え、
前記ステージおよび前記撮像部のうちの少なくとも一方は、互いに対して移動可能になっており、
前記寸法算出部は、前記撮像部により撮像された画像または前記ステージ若しくは前記撮像部の移動量に基づいて、寸法を算出することを特徴とする蒸着マスクの寸法測定装置、
を提供する。
本発明によれば、蒸着マスクの姿勢を精度良く矯正して、寸法測定の精度を向上させることができる。
図1は、本発明の一実施の形態を説明するための図であって、蒸着マスクを含む蒸着マスク装置の一例を示す概略平面図である。 図2は、図1に示す蒸着マスク装置を用いて蒸着する方法を説明するための図である。 図3は、図1に示す蒸着マスクを示す平面図である。 図4は、図3に示す蒸着マスクの部分拡大平面図である。 図5は、図4のI−I線に沿った断面に相当する図である。 図6は、図3に示す蒸着マスクの寸法測定装置の一例を示す概略斜視図である。 図7は、図6に示す蒸着マスクの張力付与装置を示す上面図である。 図8は、図7に示す蒸着マスクの張力付与装置の側面図である。 図9は、図7に示す蒸着マスクの張力付与装置のピンを示す拡大断面図である。 図10は、図6に示す蒸着マスクの寸法測定装置における蒸着マスクの寸法測定方法を示すフローチャートである。 図11は、弓なり状の蒸着マスクを示す概略平面図である。 図12は、図11の蒸着マスクに張力を付与する際の作用を説明するための図である。 図13は、図9に示すピンの変形例を示す拡大断面図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
図1〜図12は本発明による一実施の形態を説明するための図である。以下の実施の形態およびその変形例では、有機ELディスプレイ装置を製造する際に有機発光材料などの蒸着材料を、後述する複数の貫通孔を通過させて所望のパターンでガラス基板上に蒸着するために使用される蒸着マスクを例にあげて説明する。ただし、このような適用に限定されることなく、種々の用途に用いられる蒸着マスクに対し、本発明を適用することができる。
なお、本明細書において、「板」、「シート」、「フィルム」の用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。例えば、「板」はシートやフィルムと呼ばれ得るような部材も含む概念であり、したがって、例えば「金属板」は、「金属シート」や「金属フィルム」と呼ばれる部材と呼称の違いのみにおいて区別され得ない。
さらに、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「直交」、「平行」、「同時」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
まず、蒸着マスクを含む蒸着マスク装置の一例について、主に図1〜図5を参照して説明する。ここで、図1は、蒸着マスクを含む蒸着マスク装置の一例を示す概略平面図であり、図2は、図1に示す蒸着マスク装置の使用方法を説明するための図であり、図3は、図1に示す蒸着マスクを示す平面図である。図4は、蒸着マスクの部分拡大平面図であり、図5は、図4のI−I線に沿った断面に相当する図である。
図1および図2に示された蒸着マスク装置10は、フレーム開口部15aを有し、枠状に形成された金属製のフレーム(金属枠体)15と、フレーム15のフレーム開口部15a上に蒸着マスク20の幅方向(長手方向に直交する方向、横方向)に並列配置された帯状の複数の蒸着マスク20と、を備えている。このうち蒸着マスク20は、概略的にはシート状に形成された金属板21を有している(図5参照)。このような蒸着マスク20には、多数の貫通孔25が設けられている。この蒸着マスク装置10は、図2に示すように、蒸着マスク20が蒸着対象物である基板、例えばガラス基板92に対面するようにして蒸着装置90内に支持され、ガラス基板92への蒸着材料の蒸着に使用される。
蒸着装置90内では、フレーム15のフレーム開口部15a内にガラス基板92が配置され、不図示の磁石からの磁力によって、蒸着マスク20と、ガラス基板92とが密着するようになる。蒸着装置90内には、この蒸着マスク装置10を挟んだガラス基板92の下方に、蒸着材料(一例として、有機発光材料)98を収容するるつぼ94と、るつぼ94を加熱するヒータ96とが配置されている。るつぼ94内の蒸着材料98は、ヒータ96からの加熱により、気化または昇華してガラス基板92の表面に付着するようになる。上述したように、蒸着マスク20には多数の貫通孔25が形成されており、蒸着材料98はこの貫通孔25を介してガラス基板92に付着する。この結果、蒸着マスク20の貫通孔25の位置に対応した所望のパターンで、蒸着材料98がガラス基板92の表面に成膜される。
図1および図3に示すように、本実施の形態において、蒸着マスク20は、平面視において帯状の略四角形形状、さらに正確には平面視において帯状の略矩形状の輪郭を有している。蒸着マスク20は、蒸着マスク20の長手方向に一列状に配置された複数の有効領域22であって、規則的な配列で複数の貫通孔25が形成された複数の有効領域22と、各有効領域22を取り囲む周囲領域23と、を含んでいる。このうち周囲領域23は、基板へ蒸着されることを意図された蒸着材料が通過する領域ではない。例えば、有機ELディスプレイ装置用の有機発光材料の蒸着に用いられる蒸着マスク20においては、有効領域22は、有機発光材料が蒸着して画素を形成するようになる基板(ガラス基板92)上の区域、すなわち、作製された有機ELディスプレイ装置用基板の表示面をなすようになる基板上の区域に対面する、蒸着マスク20内の領域のことである。ただし、種々の目的から、周囲領域23に貫通孔や凹部が形成されていてもよい。図1に示された例において、各有効領域22は、平面視において略四角形形状、さらに正確には平面視において略矩形状の輪郭を有している。
図示された例において、複数の有効領域22は、蒸着マスク20の長手方向に沿って所定の間隔を空けて配置されている。このような複数の有効領域22を含む蒸着マスク20が、その幅方向に配列されて、図1に示す蒸着マスク装置10が構成されている。一つの有効領域22が一つの有機ELディスプレイ装置に対応するようになっており、図1に示す蒸着マスク装置10においては、多面付蒸着が可能となっている。
蒸着マスク20に形成された貫通孔25の一例について、図4および図5を主に参照して更に詳述する。ここで図4は、蒸着マスク20を第1面20a側から示す部分平面図である。また、図5は、図4のI−I線に沿った断面に相当する図である。
図4に示すように、図示された例において、各有効領域22に形成された複数の貫通孔25は、当該有効領域22において、互いに直交する二方向に沿ってそれぞれ所定のピッチで配列されている。図4には、各貫通孔25が、平面視で、略四角形形状、さらに正確には平面視において略矩形状の輪郭を有している例を示している。より具体的には、後述する基材穴30が、平面視で、略四角形形状あるいは略矩形形状の輪郭を有し、各貫通孔25に、基材穴30が一つずつ形成されている。
図4および図5に示すように、蒸着マスク20は、第1面21aと、第1面21aとは反対側に設けられた第2面21bと、を含む金属板(金属基材)21を有している。金属板21の第2面21bは、蒸着時(すなわち、蒸着装置90内に取り付けられた際)には、ガラス基板92の側に配置される。
金属板21は、36%Niインバー材により形成することができ、金属板21の厚さは、例えば、10μm〜100μmとすることが好適である。
複数の貫通孔25は、蒸着マスク20の法線方向に沿った一方の側となる第1面20aと、蒸着マスク20の法線方向に沿った他方の側となる第2面20bと、の間を延びている。すなわち、貫通孔25は蒸着マスク20を貫通している。
図示された例では、金属板21に基材穴30が設けられている。すなわち、蒸着マスク20の法線方向における一方の側となる金属板21の第1面21aの側から金属板21にエッチングによって基材穴30が形成されている。図4および図5には、貫通孔25を構成する基材穴30が、第1面21aの側から第2面21bの側へ向けて、断面積(蒸着マスク20の平面視における面積)が次第に小さくなるように形成されている例が示されている。そして、基材穴30の壁面31と、金属板21の第2面21bとが、周状の接続部35を介して接続されている。接続部35は、蒸着マスク20の法線方向に対して傾斜した基材穴30の壁面31と、第2面21bとが合流する合流線によって画成されている。この接続部35において、貫通孔25の断面積が最も小さくなっている。
基材穴30は、金属板21の第1面21aをエッチングすることにより形成される。エッチングによって形成される穴(または凹部)の壁面は、一般的に、浸食方向に向けて凸となる曲面状となる。したがって、エッチングによって形成された穴の壁面は、エッチングの開始側となる領域において切り立ち、エッチングの開始側とは反対側となる領域、すなわち穴の最も深い側においては、金属板21の法線方向に対して比較的に大きく傾斜するようになる。
図2に示すようにして蒸着マスク装置10が蒸着装置90に収容された場合、図5に二点鎖線で示すように、蒸着マスク20の金属板21の第1面20aが蒸着材料98を保持したるつぼ94側に位置し、金属板21の第2面20bがガラス基板92に対面する。したがって、蒸着材料98は、次第に断面積が小さくなっていく基材穴30を通過してガラス基板92に付着する。
上述したように、本実施の形態では、貫通孔25が各有効領域22において所定のパターンで配置されている。一例として、蒸着マスク20(蒸着マスク装置10)が携帯電話やデジタルカメラ等のディスプレイ(2〜5インチ程度)を作製するために用いられる場合、貫通孔25の配列ピッチPは、58μm(440ppi)以上254μm(100ppi)以下程度とすることができる。なお、カラー表示を行いたい場合には、貫通孔25が配列されている方向に沿って蒸着マスク20(蒸着マスク装置10)とガラス基板92とを少しずつ相対移動させ、赤色用の有機発光材料、緑色用の有機発光材料および青色用の有機発光材料を順に蒸着させていってもよい。また、蒸着マスク20(蒸着マスク装置10)が携帯電話のディスプレイを作製するために用いられる場合、各貫通孔25が配列されている方向に沿った幅(スリット幅)Wは、28μm以上84μm以下程度とすることができる。
なお、蒸着マスク装置10は、高温雰囲気となる蒸着装置90の内部に保持される。したがって、蒸着マスク20およびフレーム15は、蒸着マスク20やフレーム15に撓みや熱応力が発生することを防止するため、熱膨張率が低い同一の材料によって形成されていることが好ましい。このような材料として、例えば、36%Niインバー材を用いることができる。
ところで、図3に示すように、蒸着マスク20は、長手方向の両端部に設けられた一対のマスク孔27を有している。より具体的には、一対のマスク孔27は、複数の有効領域22よりも長手方向の両端側に配置されている。すなわち、図3に示すように、マスク孔27は、5つの有効領域22の両側に配置されている。また、一対のマスク孔27は、蒸着マスク20の長手方向に延びる中心軸線X上に配置されている。図3においては、マスク孔27は、蒸着マスク20の金属板21を貫通する平面視で円形状の孔として形成されている。なお、蒸着マスク20は、図3において有効領域22とマスク孔27との間に示された二点鎖線に沿って切断されて、図1に示す蒸着マスク装置10に取り付けられる。
次に、上述した蒸着マスク20の寸法測定を行うための蒸着マスクの寸法測定装置40および蒸着マスクの張力付与装置50について説明する。ここで、寸法測定装置40は、蒸着マスク20の寸法を測定するための装置である。
図6に示すように、寸法測定装置40は、ステージ41と、ステージ41の上方に設けられ、蒸着マスク20を撮像して画像を作成する測定カメラ(撮像部)42と、寸法を算出する寸法算出部43と、を備えている。このうちステージ41および測定カメラ42のうちの少なくとも一方は、互いに対して移動可能になっている。本実施の形態においては、ステージ41が静止し、測定カメラ42が、ステージ41に平行で互いに直交する2方向と、ステージ41に垂直な方向に移動可能になっている。このことにより、測定カメラ42を、所望の位置に移動させることが可能に構成されている。なお、測定カメラ42が静止し、ステージ41が移動可能に構成してもよい。
蒸着マスク20の寸法の測定は、測定対象の寸法の大小に応じて異なる方法で行うことができる。
測定対象の寸法が比較的小さい場合(例えば、数μm〜数百μm)には、測定カメラ42の視野内に測定対象を収めることができるため、測定カメラ42を移動させることなく、測定対象の寸法を測定する。すなわち、寸法算出部43は、測定カメラ42により作成された一つの画像に基づいて、当該画像を処理して測定対象の寸法を算出する。
一方、測定対象の寸法が比較的大きい場合(例えば、mmオーダ以上)には、測定カメラ42の視野内に測定対象を収めることが困難になるため、測定カメラ42を移動させて測定対象の寸法を測定する。すなわち、寸法算出部43は、測定カメラ42により撮像された画像と、測定カメラ42の移動量(ステージ41が移動する場合にはその移動量)とに基づいて、測定対象の寸法を算出する。この場合、測定カメラ42は、測定対象の位置決めに用いられる。例えば、互いに隣接する有効領域22の各々において、有効領域22内の同じ位置(例えば、図3における右上角部)に形成された貫通孔25の中心位置をそれぞれ求めて個別ピッチを算出し、また、蒸着マスク20の両端側にある有効領域22の各々において、有効領域22内の同じ位置(例えば、図3における右上角部)に形成された貫通孔25の中心位置をそれぞれ求めて累積ピッチを算出する。
ステージ41上には、張力付与装置50が取り付けられている。測定対象となる蒸着マスク20は、この張力付与装置50に取り付けられる。すなわち、張力付与装置50によって所定の張力が付与されて緊張された状態で蒸着マスク20は寸法測定される。
続いて、張力付与装置50について図7乃至図9を用いて説明する。ここで、張力付与装置50は、蒸着マスク20の寸法測定を行う際に、蒸着マスク20に所定の張力を付与して蒸着マスク20を緊張状態にさせるための寸法測定治具として使用するためのものである。
図7に示すように、張力付与装置50は、蒸着マスク20が載置される、例えばガラス板により形成されるベース51と、ベース51の両側(図7における左側および右側)に設けられた一対の張力付与部(第1張力付与部52および第2張力付与部53)と、を備えている。このうちベース51は、ベース51上に蒸着マスク20の全ての有効領域22が収まるように形成されており、蒸着マスク20の寸法検査を行う際に、ベース51の下方から照射される光を、ベース51を透過させて各有効領域22に照射可能になっている。本実施の形態においては、一対の張力付与部52、53のうち一方の第1張力付与部52は、ベース51に対して移動不能に設けられており、他方の第2張力付与部53は、ベース51から遠ざかる方向、すなわち第1張力付与部52から遠ざかる方向に移動可能に構成されている。より具体的には、第2張力付与部53は、後述するアダプタ55から蒸着マスク20の長手方向に延びるガイドレール54によってガイドされ、当該長手方向に移動可能になっている。
図7および図8に示すように、ベース51と第2張力付与部53との間にはアダプタ55が介在されており、ベース51の両側方(図7における上側および下側)には、ベース51を支持する一対のステー56が設けられている。各ステー56には、ベース51の側面(図7における上面および下面)を押圧する押圧部材57が設けられている。押圧部材57は、ステー56に設けられたねじ孔に螺合されており、押圧部材57をねじ込むことによりベース51の側面を押圧可能になっている。各ステー56の一端は第1張力付与部52に取り付けられ、他端はアダプタ55に取り付けられている。なお、図8においては、図面を明瞭にするために、ステー56等の一部の部材を省略している。
第2張力付与部53に、L字状に形成されたアーム58を介してエアシリンダ(駆動部)59が連結されており、このエアシリンダ59によって、第2張力付与部53が移動可能に構成されている。圧縮空気供給源60から圧縮空気をエアシリンダ59に供給することによって、エアシリンダ59は第2張力付与部53を移動させることができる。エアシリンダ59は、ベース51に対して移動不能になっている。
エアシリンダ59に供給される圧縮空気の圧力は、圧力調整弁61によって調整可能になっており、これにより、蒸着マスク20に付与される張力が調整可能になっている。図7に示すように、第2張力付与部53にはロードセル66が設けられている。ロードセル66は、第2張力付与部53とアーム58との間に介在されており、蒸着マスク20に付与される張力を検出して表示するようになっている。このロードセル66に表示される張力の値を見ながら、圧力調整弁61の開度を調整して、蒸着マスク20に付与される張力を所定の値に容易に調整可能になっている。蒸着マスク20に付与される所定の張力とは、蒸着マスク20を、伸長させない程度に緊張させることができる張力を意味し、蒸着マスク20の幅寸法や厚さ寸法に応じて適宜設定されることが好ましい。一例として、蒸着マスク20の幅が70mm、厚さが0.03mmである場合には、蒸着マスク20に付与される張力は、約50gf(約490N)〜約350gf(約3430N)であることが好適であり、とりわけ約100gf(約980N)であることが好適である。
本実施の形態においては、ベース51の少なくとも一部分(より具体的には、第2張力付与部53の側の部分)は、昇降駆動部62によって、蒸着マスク20を支持する支持位置と、蒸着マスク20から離間する離間位置との間で昇降可能になっている。昇降駆動部62は、図7および図8に示すように、ベース51の第2張力付与部53の側の部分において、ベース51の下方に設けられた、ベース51の幅方向(図7における上下方向)に延びるシャフト62aと、このシャフト62aに設けられたカム部材62bと、を有している。図7においては、2つのカム部材62bが設けられている例を示しているが、カム部材62bの個数はこれに限られることはない。シャフト62aは、ステー56に回動可能に取り付けられており、カム部材62bは、シャフト62aを回動させることによって、ベース51を支持位置に位置付ける第1位置(図8の実線状態)と、離間位置に位置付ける第2位置(図8の二点鎖線状態)と、の間で回動するようになっている。シャフト62aの端部に、レバー62cなどを取り付けることにより、シャフト62aは容易に回動させることが可能となる。なお、昇降駆動部62は、寸法測定の際に、ベース51の下方から蒸着マスク20の各有効領域22への光の照射を遮らない位置に配置されている。また、図8に示すように、ステージ41と張力付与装置50との間に、かさ上げ部材63が介在されていてもよい。
第1張力付与部52および第2張力付与部53には、ピン64が着脱可能に取り付けられている。ピン64は、ベース51に載置された蒸着マスク20のマスク孔27に挿入されて、蒸着マスク20に張力を付与する。マスク孔27は、蒸着マスク20の長手方向に延びる中心軸線X上に形成されているため、マスク孔27に挿入されたピン64は、蒸着マスク20の中心軸線X上に位置付けられる。そして、第2張力付与部53は、一対のピン64を結ぶ直線に沿う方向、すなわち蒸着マスク20の長手方向に移動可能になっている。各張力付与部52、53の上面には、付与部孔65が設けられており、ピン64は、蒸着マスク20のマスク孔27を介して付与部孔65に挿入される。このようにして、ピン64は、対応する張力付与部52、53に取り付けられる。
本実施の形態においては、上述したように、蒸着マスク20のマスク孔27は円形状に形成されている。ピン64は、挿入方向に直交する断面において円形状に形成されており、より具体的には、図9に示すように円柱状に形成されている。ピン64の直径は、マスク孔27に挿入可能であれば特に限られることはない。例えば、マスク孔27の直径を3.5mmとした場合には、ピン64の直径は3.4mmとすることができる。なお、図7においては、各張力付与部52、53に、複数のピン64が設けられ、第2張力付与部53の移動方向に直交する方向に配列されている例が示されている。この場合、蒸着マスク20の大きさに応じて、複数の蒸着マスク20を取り付けて同時に張力を付与して寸法測定を行うこともできる。
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用、すなわち、蒸着マスク20の寸法測定方法について、主に図10を用いて説明する。ここで、図10は、蒸着マスク20の寸法測定方法を示すフローチャートである。
まず、寸法測定装置40のベース41上に設置された張力付与装置50のベース51上に蒸着マスク20が載置される(ステップS1)。
続いて、蒸着マスク20の各マスク孔27に、ピン64が挿入される(ステップS2)。この場合、ピン64は、マスク孔27を介して、第1張力付与部52の付与部孔65と、第2張力付与部53の付与部孔65にそれぞれ挿入される。これにより、ピン64が張力付与装置50に取り付けられると共に、蒸着マスク20が張力付与装置50に取り付けられる。
次に、ベース51の少なくとも一部分が下降して蒸着マスク20から離間する離間位置(図8の二点鎖線参照)に位置付けられる(ステップS3)。この場合、まず、ベース51の側面を押圧していた押圧部材57のうち、第2張力付与部53の側の押圧部材57が緩められ、ベース51の第2張力付与部53の側の部分の側面が押圧部材57による押圧から開放される。続いて、シャフト62aが回動されて、第1位置に位置付けられていたカム部材62bが、第2位置(図8の二点鎖線参照)に位置付けられる。このことにより、ベース51の第2張力付与部53の側の部分が自重によって下降し、蒸着マスク20から離間するようになる。この場合、第1張力付与部52の側の押圧部材57がねじ込められてベース51の側面を押圧しているため、ベース51の第1張力付与部52の側の部分は下降することなく、ベース51は蒸着マスク20に対して傾斜する。
次に、蒸着マスク20に張力が付与される(ステップS4)。この場合、圧縮空気供給源60からエアシリンダ59に圧縮空気が供給されてエアシリンダ59が駆動される。このことにより、第2張力付与部53が、第1張力付与部52から遠ざかる方向に移動する。すなわち、第2張力付与部53に取り付けられたピン64が、第1張力付与部52に取り付けられたピン64から遠ざかる方向に移動する。この際、蒸着マスク20のマスク孔27が、蒸着マスク20の中心軸線X上に配置されているため、張力は、蒸着マスク20の中心軸線Xに沿って付与される。また、上述したように、ベース51の第1張力付与部52の側の部分が、蒸着マスク20から離間しているため、ベース51と蒸着マスク20との間の摩擦が低減される。
ところで、蒸着マスク20のマスク孔27は、本実施の形態では円形状に形成され、マスク孔27に挿入されるピン64は、円柱状に形成されている。このことにより、例えば図11に示すように、張力が付与されていない場合に幅方向で弓なり状(バナナ状)に歪んでいる蒸着マスク20であっても、ピン64を介して張力を付与した場合に、蒸着マスク20を直線状(図3参照)に矯正することができる。すなわち、弓なり状の姿勢の蒸着マスク20に張力を付与する場合、図12に示すように、初期段階では、ピン64とマスク孔27の縁との接触点P1は、蒸着マスク20の中心軸線Xからずれた位置に形成されるが、ピン64の移動に伴って徐々に直線状の姿勢に矯正されていく過程で、接触点は、マスク孔27の縁と中心軸線Xに向って徐々に移動する。そして、最終段階では、ピン64とマスク孔27の縁との接触点P2は、中心軸線X上に形成され、これにより、中心軸線Xに沿う張力を蒸着マスク20に付与することができる。このようにして、弓なり状の姿勢から直線状の姿勢に蒸着マスク20を精度良く矯正することができる。ここで、図12は、一対のマスク孔27のうち図11における右側のマスク孔27とピン64との関係を示している。
第2張力付与部53の移動が終了した後、下降したベース51の部分は、上昇して、蒸着マスク20を支持する支持位置(図8の実線参照)に位置付けられる(ステップS5)。この場合、シャフト62aが反対方向に回動されて、第2位置に位置付けられていたカム部材62bが、第1位置(図8の実線参照)に位置付けられ、ベース51の第2張力付与部53の側の部分が上昇する。そして、第2張力付与部53の側の押圧部材57がねじ込められて、ベース51の側面を押圧する。このことにより、ベース51は蒸着マスク20を支持するようになる。この場合、第1張力付与部52の上面と、ベース51の上面と、アダプタ55の上面と、第2張力付与部53の上面とが、面一になる。
次に、蒸着マスク20の寸法が測定される(ステップS6)。この場合、蒸着マスク20は張力付与装置50に取り付けられて、張力が付与された状態となっている。蒸着マスク20の寸法測定は、ベース51の下方から光を照射させて、ベース51を透過した光で蒸着マスク20を照らして行う。測定対象の寸法が比較的小さい場合には、測定カメラ42により測定対象の2つの点を含む領域が撮像されて一つの画像が作成され、その後、寸法算出部43が、当該画像を処理して測定対象の寸法を算出する。一方、測定対象の寸法が比較的大きい場合には、まず、測定カメラ42を測定対象の一方の点に位置決めし、続いて、測定カメラ42を移動させて測定対象の他方の点に位置決めする。そして、寸法算出部43が、測定カメラ42の移動量に基づいて、測定対象の寸法を算出する。
寸法測定が終了した後、蒸着マスク20の張力が除去される(ステップS7)。この場合、まず、エアシリンダ59に供給された圧縮空気を排出する。このことにより、エアシリンダ59によって第2張力付与部53に付与されていた力が除去される。続いて、第2張力付与部53を、アダプタ55の側に向って移動させる。すなわち、第2張力付与部53に取り付けられたピン64を、第1張力付与部52に取り付けられたピン64に近づく方向に移動させる。このことにより、第2張力付与部53がアダプタ55に当接し、蒸着マスク20に付与されていた張力が取り除かれる。
次に、蒸着マスク20の各マスク孔27および各張力付与部52、53の付与部孔65に挿入されていたピン64が取り外される(ステップS8)。
その後、蒸着マスク20が、張力付与装置50から取り出される(ステップS9)。
このようにして、蒸着マスク20の寸法測定が終了する。
このように本実施の形態によれば、蒸着マスク20のマスク孔27にピン64が挿入されて、一方のピン64を他方のピン64から遠ざける方向に移動させて、蒸着マスク20に所定の張力が付与される。この場合、ピン64を介して蒸着マスク20に所定の張力を付与することができ、蒸着マスク20を均等に緊張させて、蒸着マスク20の姿勢を精度良く矯正することができる。そして、このようにして張力が付与された状態で、蒸着マスク20の寸法が測定される。このため、蒸着マスク20の寸法測定を、姿勢が精度良く矯正された状態で行うことができ、蒸着マスク20の寸法測定の精度を向上させることができる。また、上述したようにピン64を介して蒸着マスク20に張力を付与するため、一度寸法測定した蒸着マスク20を再度寸法測定するような場合に、前回の寸法測定時と同様に蒸着マスク20に張力を付与することができ、前回の寸法測定時の緊張状態を再現させることができる。このため、繰り返し寸法測定の精度を向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、第2張力付与部53に取り付けられたピン64を移動させる際、ベース51の少なくとも一部分が下降して蒸着マスク20から離間される。このことにより、ピン64を移動させている間、ベース51と蒸着マスク20との間の摩擦を低減することができ、蒸着マスク20の緊張状態を均等化させることができる。また、本実施の形態によれば、下降したベース51の部分は、ピン64の移動が終了した後に上昇して蒸着マスク20を支持する。このことにより、寸法測定時には、蒸着マスク20を安定して支持することができる。
また、本実施の形態によれば、ピン64は、対応する張力付与部52、53に着脱可能になっている。このことにより、蒸着マスク20をベース51上に載置した後に、蒸着マスク20のマスク孔27にピン64を挿入することができ、ベース51上に載置する作業とマスク孔27にピン64を挿入する作業とを別々に行うことができ、蒸着マスク20が、変形したり破損したりすることを防止できる。
さらに、本実施の形態によれば、蒸着マスク20のマスク孔27が、中心軸線X上に配置されており、蒸着マスク20には、この中心軸線Xに沿って張力が付与される。このことにより、蒸着マスク20の緊張状態を均等化させることができ、蒸着マスク20の姿勢をより一層精度良く矯正することができる。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明してきたが、本発明による蒸着マスクの寸法測定方法、蒸着マスクの張力付与装置および蒸着マスクの寸法測定装置は、上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
例えば、上述した本実施の形態においては、ピン64が、図9に示すように、円柱状に形成されている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、ピン64は、図13に示すように、先細状に、より具体的には円錐状に形成されていてもよい。この場合、ピン64は、先細状の端部(図13に示す下端部)から、蒸着マスク20のマスク孔27を介して各張力付与部52、53の付与部孔65に挿入される。このことにより、蒸着マスク20に張力を付与した場合に、蒸着マスク20に、ベース51から浮くような上方に向く力が発生した場合であっても、蒸着マスク20がベース51から浮くことを防止できる。
また、上述した本実施の形態においては、第1張力付与部52が、ベース51に対して移動不能に設けられ、第2張力付与部53がベース51から移動することによって蒸着マスク20に張力が付与される例について説明した。しかしながらこのことに限られることはなく、第2張力付与部53だけではなく、第1張力付与部52も、ベース51から遠ざかる方向に移動可能に構成されていてもよい。この場合、第1張力付与部52は、第2張力付与部53と同様にしてエアシリンダによって駆動することができ、また、図7および図8に示すようなアダプタ55が、第1張力付与部52とベース51との間に介在されていることが好ましい。
また、上述した本実施の形態においては、ベース51の第2張力付与部53の側の部分が、蒸着マスク20を支持する支持位置と、蒸着マスク20から離間する離間位置との間で昇降可能になっている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、昇降可能な部分は、第2張力付与部53の側の部分ではなく、第1張力付与部52の側の部分であってもよい。また、ベース51が、全体的に、支持位置と離間位置との間で昇降可能になっていてもよい。この場合、例えば、図7および図8に示すシャフト62aおよびカム部材62bが、ベース51のうち第1張力付与部52の側の部分にも設けられていることが好適である。また、昇降駆動部62の構成は、このようなシャフト62aとカム部材62bによらない構成とすることもできる。さらには、蒸着マスク20の緊張状態を均等化させることが可能であれば、ベース51は、昇降可能になっていなくてもよい。
また、上述した本実施の形態においては、蒸着マスク20がベース51上に載置された後に、ピン64が蒸着マスク20のマスク孔27に挿入される例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、各張力付与部52、53の付与部孔65にピン64が取り付けられた後に、蒸着マスク20がベース51上に載置されると共にピン64がマスク孔27に挿入されるようにしてもよい。この場合、ピン64は、各張力付与部52、53に、一体に形成されていてもよい。
さらに、上述した本実施の形態においては、蒸着マスク20のマスク孔27が、蒸着マスク20の中心軸線X上に配置されている例について説明した。しかしながら、蒸着マスク20の緊張状態を均等化させることができれば、マスク孔27は、中心軸線X上に配置されることに限られることはない。
20 蒸着マスク
27 マスク孔
50 張力付与装置
51 ベース
52 第1張力付与部
53 第2張力付与部
59 エアシリンダ
62 昇降駆動部
64 ピン

Claims (14)

  1. 長手方向の両端部に設けられた一対のマスク孔を有し、基板に蒸着材料を蒸着するために使用される蒸着マスクの寸法を測定する蒸着マスクの寸法測定方法であって、
    ベース上に前記蒸着マスクを載置して、前記蒸着マスクの前記マスク孔の各々に、ピンを挿入する工程と、
    一方の前記ピンを他方の前記ピンから遠ざかる方向に移動させる工程であって、前記蒸着マスクに張力を付与する工程と、
    前記蒸着マスクに張力を付与した状態で、前記蒸着マスクの寸法を測定する工程と、を備えたことを特徴とする蒸着マスクの寸法測定方法。
  2. 前記ピンを移動させる工程において、前記ベースの少なくとも一部分が下降して前記蒸着マスクから離間することを特徴とする請求項1に記載の蒸着マスクの寸法測定方法。
  3. 下降した前記ベースの部分は、前記ピンの移動が終了した後に上昇して前記蒸着マスクを支持することを特徴とする請求項2に記載の蒸着マスクの寸法測定方法。
  4. 前記ピンを挿入する工程において、前記ベース上に前記蒸着マスクが載置された後に、前記ピンが前記蒸着マスクの前記マスク孔に挿入されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の蒸着マスクの寸法測定方法。
  5. 前記ピンは、先細状に形成され、
    前記ピンの先細状の端部から前記蒸着マスクの前記マスク孔に挿入されることを特徴とする請求項4に記載の蒸着マスクの寸法測定方法。
  6. 前記ピンは、挿入方向に直交する断面において円形状に形成されて、円形状の前記マスク孔に挿入されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の蒸着マスクの寸法測定方法。
  7. 前記蒸着マスクの前記マスク孔は、当該蒸着マスクの長手方向に延びる中心軸線上に配置されており、
    張力は、前記蒸着マスクの中心軸線に沿って付与されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の蒸着マスクの寸法測定方法。
  8. 長手方向の両端部に設けられた一対のマスク孔を有し、基板に蒸着材料を蒸着するために使用される蒸着マスクに張力を付与する蒸着マスクの張力付与装置であって、
    前記蒸着マスクが載置されるベースと、
    前記ベースの両側に設けられた一対の張力付与部であって、一方の前記張力付与部が他方の前記張力付与部から遠ざかる方向に移動可能な一対の張力付与部と、
    前記張力付与部の各々に取り付けられたピンであって、前記蒸着マスクの前記マスク孔に挿入されて、前記蒸着マスクに張力を付与する一対のピンと、
    一対の前記張力付与部のうち移動可能な一方の前記張力付与部を移動させる駆動部と、を備えたことを特徴とする蒸着マスクの張力付与装置。
  9. 前記ベースの少なくとも一部分を、前記蒸着マスクを支持する支持位置と、前記蒸着マスクから離間する離間位置との間で昇降させる昇降駆動部を更に備えたことを特徴とする請求項8に記載の蒸着マスクの張力付与装置。
  10. 前記ピンは、前記張力付与部に着脱可能に取り付けられていることを特徴とする請求項8または9に記載の蒸着マスクの張力付与装置。
  11. 前記ピンは、先細状に形成され、
    前記ピンの先細状の端部から前記蒸着マスクの前記マスク孔に挿入されることを特徴とする請求項10に記載の蒸着マスクの張力付与装置。
  12. 前記ピンは、挿入方向に直交する断面において円形状に形成されていることを特徴とする請求項8乃至11のいずれか一項に記載の蒸着マスクの張力付与装置。
  13. 移動可能な一方の前記張力付与部は、一対の前記ピンを結ぶ直線に沿う方向に移動可能であることを特徴とする請求項8乃至12のいずれか一項に記載の蒸着マスクの張力付与装置。
  14. 請求項8乃至13のいずれか一項に記載の蒸着マスクの張力付与装置と、
    前記張力付与装置が取り付けられたステージと、
    前記ステージの上方に設けられ、蒸着マスクを撮像する撮像部と、
    寸法を算出する寸法算出部と、を備え、
    前記ステージおよび前記撮像部のうちの少なくとも一方は、互いに対して移動可能になっており、
    前記寸法算出部は、前記撮像部により撮像された画像または前記ステージ若しくは前記撮像部の移動量に基づいて、寸法を算出することを特徴とする蒸着マスクの寸法測定装置。
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