JP2016053148A - ポリ乳酸系樹脂組成物、それからなるシート状成形体およびポリ乳酸系樹脂組成物用マスターバッチペレット - Google Patents

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Abstract

【課題】透明性と耐衝撃性に優れ、透明性が求められる食品用フィルムなどにも用いることが可能なポリ乳酸系樹脂組成物およびシート状成形体の提供。【解決手段】ポリ乳酸樹脂(A)と数平均分子量が1200以上であるポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)とを含有する樹脂組成物であって、ポリ乳酸樹脂(A)100質量部に対して、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)を0.1〜5.0質量部含有するポリ乳酸系樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、透明性と耐衝撃性に優れるポリ乳酸系樹脂組成物、該樹脂組成物からなるシート状成形体およびポリ乳酸系樹脂組成物用マスターバッチペレットに関するものである。
新聞・雑誌・食品などの包装材料として使用されるフィルムは、近年の環境保全に関する社会的要求の高まりに伴い、生分解性樹脂にて形成されることが望まれている。生分解性樹脂の中でもポリ乳酸樹脂は、自然界に広く存在し、動植物や人畜に対してほとんど害がなく、融点が140〜175℃であって十分な耐熱性を有し、非常に高い透明性を有するとともに、比較的安価な熱可塑性樹脂であり、また植物由来原料から製造できるため、大きな注目を集めている。
しかしながら、ポリ乳酸樹脂からなるシートやフィルムは、そのままでは非常に固く脆い性質をもつために、耐衝撃性が必要とされる分野に使用することは困難であった。
ポリ乳酸樹脂の耐衝撃性や耐屈曲性を改良するために、種々の研究が行われている。例えば、特許文献1には、ポリ乳酸樹脂とシリコーン−アクリル複合ゴムを含有した混合樹脂からなる熱収縮フィルムが開示されている。さらに特許文献2には、ポリ乳酸樹脂にエポキシ化天然ゴムを添加することで、低温での耐衝撃性が改善されることが開示されている。
しかしながら、特許文献1、2記載の樹脂組成物は、耐衝撃性は向上するものの、ポリ乳酸の長所である透明性が損なわれるため、透明性が求められる食品用フィルムや工業用フィルムなどの用途に用いることは困難であった。
さらに、特許文献3には、ポリ乳酸樹脂と多層構造重合体とを含有する樹脂組成物が開示されている。この樹脂組成物は、耐衝撃性、柔軟性、耐屈曲性を向上させるために、実質的には一種類の多層構造重合体が少なくとも10質量%添加されている。しかしながら、この樹脂組成物は多層構造重合体の含有量が多く、耐衝撃性は向上するものの、透明性が低下するという問題があった。
特開2007−177140号公報 米国特許第6495631号明細書 特開2003−286396号公報
本発明は、上記の問題点を解決するものであって、透明性と耐衝撃性に優れ、透明性が求められる食品用フィルムなどにも用いることが可能なポリ乳酸系樹脂組成物およびシート状成形体を提供することを技術的な課題とする。
本発明者らは上記課題を解決するために研究を重ねた結果、ポリ乳酸樹脂(A)に、特定の分子量のポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)を特定量添加することにより、透明性を損なうことなく、耐衝撃性に優れたポリ乳酸系樹脂組成物が得られることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は次のとおりである。
(1)ポリ乳酸樹脂(A)と数平均分子量が1200以上であるポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)とを含有する樹脂組成物であって、ポリ乳酸樹脂(A)100質量部に対して、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)を0.1〜5.0質量部含有することを特徴とするポリ乳酸系樹脂組成物。
(2)さらに、アクリル系重合体(C)を、ポリ乳酸樹脂(A)100質量部に対して0.1〜3質量部含有する、(1)記載のポリ乳酸系樹脂組成物。
(3)さらに、グリセリン脂肪酸エステル(D)とポリアルキレンエーテル(E)から選ばれる少なくとも1種を、ポリ乳酸樹脂(A)100質量部に対して0.1〜3質量部含有する、(1)または(2)に記載のポリ乳酸系樹脂組成物。
(4)(1)〜(3)のいずれかに記載のポリ乳酸系樹脂組成物からなるシート状成形体。
(5)ポリ乳酸樹脂(A)と数平均分子量が2000以上であるポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)とを含有する樹脂組成物であって、ポリ乳酸樹脂(A)100質量部に対して、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)を2〜30質量部含有することを特徴とするポリ乳酸系樹脂組成物用マスターバッチペレット。
本発明のポリ乳酸系樹脂組成物は、ポリ乳酸樹脂(A)に、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)が特定量添加されたものであるため、ポリ乳酸樹脂が本来有する高い透明性を維持したうえで、耐衝撃性が向上している。よって、本発明のポリ乳酸系樹脂組成物は、特にフィルム、シート等の用途に用いることが好適である。そして、本発明のシート状成形体は、本発明のポリ乳酸系樹脂組成物より成形されるものであるため、透明性と耐衝撃性に優れており、透明性が求められる食品用や工業用フィルムの用途にも用いることが可能となる。
以下、本発明を詳細に説明する。まず、ポリ乳酸樹脂(A)について説明する。
本発明におけるポリ乳酸樹脂(A)としては、乳酸の構造単位がL−乳酸であるポリL−乳酸、構造単位がD−乳酸であるポリD−乳酸、L−乳酸とD−乳酸との共重合体であるポリDL−乳酸、またはこれらの混合体が挙げられる。
本発明において、ポリ乳酸樹脂(A)として、結晶性ポリ乳酸樹脂および非晶性ポリ乳酸樹脂のいずれを用いてもよいが、成形体を得る際の操業性、さらに成形体に耐熱性を付与することを考慮すると、結晶性ポリ乳酸樹脂を使用することが好ましい。
なお、ここでいう結晶性ポリ乳酸樹脂とは、140〜175℃の範囲の融点を有するポリ乳酸樹脂を指し、非晶性ポリ乳酸樹脂とは、実質的に融点を有しないポリ乳酸樹脂を指す。
ポリ乳酸樹脂(A)を結晶性ポリ乳酸樹脂とするためには、ポリ乳酸樹脂(A)中のD体含有量を5モル%以下とすることが好ましく、中でもD体含有量を4モル%以下とすることが好ましく、さらにはD体含有量を2モル%以下とすることが好ましい。D体含有量が5モル%を超えると、ポリ乳酸樹脂の結晶性が低下して、結晶核剤を添加する必要があったり、結晶核剤を含有しない場合は、熱処理を施しても十分に結晶化しなくなり、成形体を得る際の操業性が低下し、得られる成形体は耐熱性に劣るものとなりやすい。
ポリ乳酸樹脂(A)に、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)を添加すると、ポリ乳酸樹脂(A)の結晶化を阻害することがある。しかしながら、ポリ乳酸樹脂(A)が結晶性ポリ乳酸樹脂であると、その阻害作用は小さくなり、さらには、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)を添加することによる耐衝撃性付与効果はより向上したものとなる。
ポリ乳酸樹脂(A)の重量平均分子量は、10万〜30万であることが好ましく、12万〜20万であることがより好ましい。樹脂組成物の主成分であるポリ乳酸樹脂(A)の重量平均分子量が10万未満であると、得られる成形体は機械的特性に劣るものになりやすい。一方、重量平均分子量が30万を超えると溶融粘度が高くなりすぎて、成形体を得る際の溶融押出が困難となりやすい。
また、ポリ乳酸樹脂(A)中の残留ラクチド量は、0.5質量%以下であることが好ましく、0.3質量%であることがより好ましく、0.1質量%以下であることが最も好ましい。残留ラクチド量が0.5質量%を超えると、成形体を得る際、例えばシートやフィルム製膜時に、発煙が著しく、ダイス近辺の装置が汚染されて、製品の品位が低くなったり、操業性も低下しやすい。さらに、得られた成形体は、耐久性などが劣ることがある。
本発明のポリ乳酸系樹脂組成物は、ポリ乳酸樹脂(A)を主成分とするものであり、ポリ乳酸樹脂(A)の含有量は、樹脂組成物全体の80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、さらには。95質量%以上であることが最も好ましい。ポリ乳酸樹脂(A)の含有量が少ないと、樹脂組成物の透明性が低下し、また生分解性樹脂の使用量が少なくなるため、環境配慮型樹脂組成物と言えないものとなる。
本発明においては、ポリ乳酸樹脂(A)として、市販の各種ポリ乳酸樹脂を用いることができ、異なる種類のものを組み合わせて用いることもできる。また、乳酸の環状2量体であるラクチドを原料に用い、公知の溶融重合法で、あるいは、さらに固相重合法を併用して製造したものを用いることができる。
次に、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)について説明する。
本発明において、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)は、数平均分子量が1200以上のものを用いる必要があり、中でも数平均分子量は、1500以上であることが好ましく、中でも、2000以上であることがより好ましい。数平均分子量が1200未満である場合、耐衝撃性の向上効果が不十分となりやすく、またブリードアウトしたり、加工性が低下することがある。
ポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)の含有量は、ポリ乳酸樹脂(A)100質量部に対して、0.1〜5.0質量部であることが必要であり、中でも0.2〜4.0質量部であることが好ましい。ポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)の含有量が0.1質量部未満では、上記したような耐衝撃性の向上効果が不十分となる。一方、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)の含有量が5.0質量部を超えると、得られる樹脂組成物の透明性が低下する。
さらに、本発明のポリ乳酸系樹脂組成物において、後述するアクリル系重合体(C)を含有しない場合は、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)の含有量は、ポリ乳酸樹脂(A)100質量部に対して、0.5〜4.0質量部であることが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、ポリ乳酸樹脂(A)、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)に加えて、アクリル系重合体(C)、グリセリン脂肪酸エステル(D)及びポリアルキレンエーテル(E)から選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましい。これらは、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)と併用することにより、さらに耐衝撃性を向上させる効果がある。中でも耐衝撃性向上効果に優れるため、アクリル系重合体(C)を含有することが好ましい。
特に、アクリル系重合体(C)は耐衝撃性が向上するだけでなく、原理はわからないが、ポリ乳酸樹脂(A)とポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)との相溶性を向上させるようである。そのため、本発明の樹脂組成物において、非常に重要な役割を果たしている。
したがって、本発明のポリ乳酸系樹脂組成物において、アクリル系重合体(C)を含有する場合は、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)の含有量は、ポリ乳酸樹脂(A)100質量部に対して、0.1〜3.0質量部であることが好ましく、中でも0.2〜2.5質量部であることが好ましい。
まず、アクリル系重合体(C)について説明する。
アクリル系重合体(C)は、コアシェル型グラフト共重合体(C1)および(メタ)アクリル酸エステル系重合体(C2)の少なくとも一方であることが好ましい。
まず、コアシェル型グラフト共重合体(C1)について説明する。コアシェル型グラフト共重合体(C1)は、コア層とそれを覆うシェル層から構成され、隣接し合う層は異種の重合体から構成される。コア層とシェル層は、それぞれ複数の層を有してもよい。コアシェル型グラフト共重合体(C1)は、コア層成分の存在下に、シェル層成分がグラフト重合されることにより得られるものであることが好ましい。
本発明において、コアシェル型グラフト共重合体(C1)は、耐衝撃性向上の面から、コア層は、アクリル系ゴム、シリコーン系ゴムのいずれかであることが好ましく、中でも透明性の面からアクリル系ゴムが特に好ましい。
コア成分を形成するアクリル系ゴムは、主構成単位のアクリル酸エステルを50〜100質量%含有することが好ましく、中でも70〜100質量%含有することがより好ましい。アクリル系ゴムにおける、アクリル酸エステル以外の他の成分は、アクリル酸エステルと共重合可能なビニル系単量体であることが好ましい。
アクリル系ゴムを構成するアクリル酸エステルとしては、アルキル基の炭素数が2〜8であるアクリル酸アルキルエステルが挙げられ、例えば、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等が挙げられる。
アクリル酸エステルと共重合可能なビニル系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート等のメタクリル酸アルキルエステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル、塩化ビニル、臭化ビニル等のハロゲン化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデン、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、エチレングリコールグリシジルエーテル等のグリシジル基を有するビニル系単量体などが挙げられる。
コア成分を形成するシリコーン系ゴムとは、オルガノシロキサン結合の単位が数千以上の線状重合体であるポリオルガノシロキサンを含有するゴムであり、ポリオルガノシロキサンとアルキル(メタ)アクリレートゴムとを含有するシリコーン・アクリル系ゴムも含む。上記ゴムはどのような方法で製造されてもよいが、乳化重合法が最適である。
またポリオルガノシロキサンの構造には特に制限はないが、ビニル重合性官能基を含有するポリオルガノシロキサンであることが好ましい。ポリオルガノシロキサンの製造に用いられるジメチルシロキサンとしては、3員環以上のジメチルシロキサン系環状体が挙げられ、3〜7員環のものが好ましい。具体的にはヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等が挙げられ、これらは単独でまたは二種以上混合して用いられる。
本発明においてコアシェル型グラフト共重合体(C1)を構成するシェル成分は、不飽和カルボン酸アルキルエステル系単位、グリシジル基含有ビニル系単位、脂肪族ビニル系単位、芳香族ビニル系単位、シアン化ビニル系単位、マレイミド系単位、不飽和ジカルボン酸系単位、不飽和ジカルボン酸無水物系単位および/またはその他のビニル系単位などを含有する重合体により形成されていることが好ましい。中でも、不飽和カルボン酸アルキルエステル系単位、グリシジル基含有ビニル系単位および/または不飽和ジカルボン酸無水物系単位を含有する重合体が好ましく、さらに不飽和カルボン酸アルキルエステル系単位を含有する重合体がより好ましい。
シェル成分の重合体を構成する不飽和カルボン酸アルキルエステル系単位としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく使用される。具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸クロロメチル、(メタ)アクリル酸2−クロロエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸2,3,4,5−テトラヒドロキシペンチル、アクリル酸アミノエチル、アクリル酸プロピルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸エチルアミノプロピル、メタクリル酸フェニルアミノエチル、メタクリル酸シクロヘキシルアミノエチルなどが挙げられ、樹脂への分散性を向上する効果が大きいという観点から、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸n−ブチルが好ましく使用される。これらの単位は単独ないし2種以上を用いることができる。
シェル成分の重合体を構成するグリシジル基含有ビニル系単位としては、特に限定されるものではなく、(メタ)アクリル酸グリシジル、イタコン酸グリシジル、イタコン酸ジグリシジル、アリルグリシジルエーテル、スチレン−4−グリシジルエーテル、4−グリシジルスチレンなどが挙げられ、耐衝撃性を向上する効果が大きいという観点から、(メタ)アクリル酸グリシジルが好ましく使用される。これらの単位は単独ないし2種以上を用いることができる。
シェル成分の重合体を構成する脂肪族ビニル系単位としては、エチレン、プロピレン、ブタジエンなどが挙げられる。芳香族ビニル系単位としては、スチレン、α−メチルスチレン、1−ビニルナフタレン、4−メチルスチレン、4−プロピルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン、4−ドデシルスチレン、2−エチル−4−ベンジルスチレン、4−(フェニルブチル)スチレン、ハロゲン化スチレンなどが挙げられる。シアン化ビニル系単位としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリルなどが挙げられる。マレイミド系単位としては、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−(p−ブロモフェニル)マレイミド、N−(クロロフェニル)マレイミドなどが挙げられる。不飽和ジカルボン酸系単位として、マレイン酸、マレイン酸モノエチルエステル、イタコン酸、フタル酸などが挙げられる。
シェル成分の重合体を構成するその他のビニル系単位としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、ブトキシメチルアクリルアミド、N−プロピルメタクリルアミド、N−ビニルジエチルアミン、N−アセチルビニルアミン、アリルアミン、メタアリルアミン、N−メチルアリルアミン、p−アミノスチレン、2−イソプロペニル−オキサゾリン、2−ビニル−オキサゾリン、2−アクロイル−オキサゾリン、2−スチリル−オキサゾリンなどが挙げられる。これらの単位は単独ないし2種以上を用いることができる。
上記したようなコア層とシェル層を組み合わせたコアシェル型グラフト共重合体(C1)の中でも、コア層がアクリル系ゴム、シェル層が不飽和カルボン酸アルキルエステル系単位を含有する重合体からなるものは、耐衝撃性の向上効果が優れるため好ましい。中でも、シェル層が、コア層のアクリル系ゴムの存在下に、1種または2種以上の不飽和カルボン酸アルキルエステル系単位、中でも(メタ)アクリル酸メチルを、コア層のアクリル系ゴムにグラフト重合させることにより得られるものであることが好ましい。
上記のような組み合わせのコアシェル型グラフト共重合体(C1)の市販品として、ロームアンドハース社製パラロイドBPM−500、パラロイドBPM−515、三菱レイヨン社製メタブレンW−450A、メタブレンW−600Aなどが挙げられる。
次に、(メタ)アクリル酸エステル系重合体(C2)について説明する。(メタ)アクリル酸エステル系重合体を構成する単量体としては、例えば、アクリル酸およびそのエステル、メタクリル酸およびそのエステルが挙げられる。これらの単量体を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。共重合体としては、例えば、ブロック共重合体、ランダム共重合体、グラフト共重合体、またはこれらの組み合わせが挙げられる。
(メタ)アクリル酸およびそのエステルの具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸エチルヘキシル、アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸クロロエチル、(メタ)アクリル酸トリフルオロエチル、(メタ)アクリル酸ヘプタデカフルオロオクチルエチル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸アダマンチルおよび(メタ)アクリル酸トリシクロデシニル等が挙げられる。また、スチレン、α−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、クロロスチレンのような置換スチレン等の単量体を共重合させてもよい。
(メタ)アクリル酸エステル系共重合体は公知の手法を用いて作製すればよい。
(メタ)アクリル酸エステル系重合体(C2)の第1の好ましい態様としては、重量平均分子量が50万以上1000万未満である超高分子量の(メタ)アクリル酸エステル系重合体が挙げられる。上記範囲の重量平均分子量を有する超高分子量の(メタ)アクリル酸エステル系重合体を用いることによって、耐衝撃性が顕著に向上し、かつ柔軟性が向上する。重量平均分子量が50万未満であると、耐衝撃性や柔軟性の向上効果が十分に得られない。一方、重量平均分子量が1000万を超えると、得られる樹脂組成物の相溶性が損なわれたり、溶融粘度が高くなりすぎて取り扱い難くなったりするという問題が生じる。
このような(メタ)アクリル酸エステル系重合体の重量平均分子量は、より好ましくは80万〜800万、さらに好ましくは100万〜500万である。
上記の第1の好ましい態様の(メタ)アクリル酸エステル系重合体の市販品としては、例えば、三菱レイヨン社製のメタブレンPシリーズ、ローム・アンド・ハース社製のPARALOID Kシリーズ、カネカ社製のカネエースPAシリーズが挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル系重合体の第2の好ましい態様としては、メタクリル酸メチルとアクリル酸n−ブチルとのブロック共重合体(以下、ブロック共重合体Pと表す)が挙げられる。このブロック共重合体Pを用いることにより、耐衝撃性が顕著に向上し、かつ柔軟性と落球衝撃や落錘衝撃に対する耐衝撃性も向上する。
柔軟性や耐衝撃性の向上効果が十分に得られるため、ブロック共重合体Pを構成する単量体のうちアクリル酸n−ブチルの単量体が占める割合は、60質量%以上が好ましく、75質量%以上がより好ましい。
ブロック共重合体Pは、1〜5個のメタクリル酸メチル単位からなる硬質ブロックと、1〜5個のアクリル酸n−ブチル単位からなる軟質ブロックとで構成される分子鎖を有するものであることが好ましい。
ブロック共重合体Pの分子鎖中におけるメタクリル酸メチル単位からなる硬質ブロックは、ポリ乳酸樹脂(A)やポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)との良好な相溶性に寄与する。ブロック共重合体Pの分子鎖中におけるアクリル酸n−ブチル単位からなる軟質ブロックは、柔軟性や耐衝撃性の向上に寄与する。
第2の好ましい態様のブロック共重合体Pの市販品としては、例えば、クラレ社製の商品名「クラリティLA2140e」(アクリル酸n−ブチルの含有量が77質量%)、クラレ社製の商品名「クラリティLA2250」(アクリル酸n−ブチルの含有量が67質量%)が挙げられる。
本発明のポリ乳酸系樹脂組成物中におけるアクリル系重合体(C)の含有量は、樹脂組成物に耐衝撃性を付与する効果を考慮すると、ポリ乳酸樹脂(A)100質量部に対して、0.1〜3.0質量部が好ましく、0.3〜2.8質量部がより好ましく、0.5〜2.5質量部が特に好ましい。
アクリル系重合体(C)の含有量が0.1質量部未満であると、耐衝撃性の向上効果を得ることができない。一方、アクリル系重合体(C)の含有量が3.0質量部を超えると、透明性が低下し、コスト面でも不利である。
次に、グリセリン脂肪酸エステル(D)について説明する。
グリセリン脂肪酸エステル(D)としては、モノグリセライド、ジグリセライド、トリグリセライド、ジグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルなどが挙げられる。
モノグリセライド、ジグリセライド、トリグリセライド、ジグリセリン脂肪酸エステルにおける脂肪酸としてはラウリン酸、ウンデシレン酸、ミリスチン酸グリセリル、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸などが挙げられる。
また、ポリグリセリン脂肪酸エステル類としては、モノステアリン酸ポリグリセリル、モノオレイン酸ポリグリセリル、モノラウリン酸ポリグリセリル、モノイソステアリン酸ポリグリセリル、モノカプリル酸ポリグリセリル、モノカプリン酸ポリグリセリル、モノミリスチン酸ポリグリセリル、縮合リシノレイン酸ポリグリセリル、ジステアリン酸ポリグリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリステアリン酸ポリグリセリル、(ジイソステアリン酸/ポリヒドロキシステアリン酸/セバシン酸)ポリグリセリル、モノラウリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル等、ポリヒドロキシステアリン酸、ヒマシ油脂肪酸縮合物、1,2−ヒドロキシステアリン酸縮合物等の高級脂肪酸誘導体が挙げられる。
中でもジグリセリンフルステアリン酸エステルおよび、カプリル酸・カプリン酸・ラウリン酸の混合物によるポリグリセリン脂肪酸エステルが好ましい。
本発明のポリ乳酸系樹脂組成物中におけるグリセリン脂肪酸エステル(D)の含有量は、樹脂組成物に耐衝撃性を付与する効果を考慮すると、ポリ乳酸樹脂(A)100質量部に対して、0.1〜3.0質量部が好ましく、0.3〜2.8質量部がより好ましく、0.5〜2.5質量部が特に好ましい。
グリセリン脂肪酸エステル(D)の含有量が0.1質量部未満であると、耐衝撃性の向上効果を得ることができない。一方、グリセリン脂肪酸エステル(D)の含有量が3.0質量部を超えると、透明性が低下し、さらに溶融粘度が低下しすぎる。
次に、ポリアルキレンエーテル(E)について説明する。
本発明において、ポリアルキレンエーテル(E)としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられ、ポリ乳酸樹脂(A)との相溶性が良好であり、透明性を維持する効果も高いことから、ポリエチレングリコールが好ましい。
本発明において、ポリアルキレンエーテル(E)の数平均分子量は、5000以上であることが好ましく、中でも、7000以上であることがより好ましく、8000〜30000であることがさらに好ましい。数平均分子量が5000未満である場合、耐衝撃性の向上効果が不十分となりやすく、またブリードアウトしたり、加工性が低下することがある。一方、数平均分子量が30000を超える場合、ポリ乳酸樹脂(A)との相溶性が低下し、耐衝撃性の向上効果が不十分になることがある。
ポリアルキレンエーテル(E)の含有量は、ポリ乳酸樹脂(A)100質量部に対して、0.1〜3質量部であることが好ましく、中でも0.3〜2.8質量部であることが好ましく、0.5〜2.5質量部であることがより好ましい。ポリアルキレンエーテル(E)の含有量が0.1質量部未満では、耐衝撃性の向上効果を得ることができない。一方、ポリアルキレンエーテル(B)の含有量が3質量部を超えると、得られる樹脂組成物の透明性が低下し、溶融粘度が低くなりすぎる。
なお、本発明のポリ乳酸系樹脂組成物において、アクリル系重合体(C)、グリセリン脂肪酸エステル(D)、ポリアルキレンエーテル(E)を組み合わせて用いる場合、これらの合計の含有量は、ポリ乳酸樹脂(A)100質量部に対して、0.1〜3質量部であることが好ましく、中でも0.3〜2.8質量部であることが好ましく、0.5〜2.5質量部であることがより好ましい。これらの合計の含有量が0.1質量部未満では、耐衝撃性の向上効果を得ることができない。一方、これらの合計の含有量が3質量部を超えると、得られる樹脂組成物の透明性が低下し、溶融粘度が低下しすぎる。
なお、本発明のポリ乳酸系樹脂組成物は、成形性よくシートやフィルムを得ることを可能とするために、適度な溶融粘度を有するものとすることが好ましい。つまり、メルトフローレート(以下、MFRと称することがある)が0.1〜100g/10分であることが好ましく、中でも1.0〜20g/10分であることがより好ましく、2.5〜8.5g/10分であることがもっとも好ましい。
MFRが0.1g/10分未満であると、成形加工時に混練する際、あるいはシート化する際に押出が困難となる。一方、MFRが100/10分を超えるものであると、溶融粘度が低すぎてドローダウンしてしまい、シート化が困難となる。
本発明のポリ乳酸系樹脂組成物を用いると、透明性、耐衝撃性に優れた成形体を得ることができる。本発明の樹脂組成物より得られる成形体のうち、厚み100〜500μmのシートの場合、透明性を示す指標であるヘイズ値(後述する実施例において測定方法を記載)を10%以下とすることが可能である。中でもヘイズ値は7%以下であることが好ましく、さらには6%以下であることが好ましい。ヘイズ値が10%を超えるシートは、透明性に劣り、例えば包装材として使用した場合、内容物を確認することが難しくなる。
また、厚み10〜100μmの延伸フィルムの場合、ヘイズ値を5%以下とすることが可能である。中でもヘイズ値は4%以下であることが好ましく、さらには3%以下であることが好ましい。ヘイズ値が4%を超えるフィルムであると、透明性に劣り、例えば包装材で使用した場合、内容物の確認が難しくなる。
本発明の樹脂組成物より得られる成形体のうち、厚み100〜500μmの未延伸シートの場合、耐衝撃性を示す指標である衝撃強度(後述する実施例において測定方法を記載)を0.3J以上とすることが可能である。中でも衝撃強度は、0.4J以上であることが好ましく、さらには、0.5J以上であることが好ましい。
なお、本発明のポリ乳酸系樹脂組成物においては、効果を損なわない範囲であれば、ポリ乳酸樹脂(A)以外の他の樹脂を含有してもよい。
このような他の樹脂としては、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリ(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)共重合体、液晶ポリマー、ポリアセタールなどが挙げられる。
ポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、などが挙げられる。
ポリアミドとしては、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド6T、ポリアミド9T、ポリアミド10Tなどが挙げられる。
ポリエステルとしては、各種脂肪族ポリエステル、各種芳香族ポリエステルをはじめ多くのものが挙げられる。脂肪族ポリエステルとしては、ポリブチレンサクシネート、ポリ(ブチレンサクシネート−乳酸)共重合体、ポリヒドロキシ酪酸などが挙げられる。芳香族ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレート、ポリブチレンアジペートテレフタレートなどが挙げられ、さらに、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレートコテレフタレート、ポリブチレンイソフタレートコテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、シクロヘキシレンジメチレンイソフタレートコテレフタレート、p−ヒドロキシ安息香酸残基とエチレンテレフタレート残基からなるコポリエステル、植物由来の原料である1,3−プロパンジオールからなるポリトリメチレンテレフタレート等などが挙げられる。
ポリ乳酸樹脂(A)とこれらの樹脂を混合する方法は特に限定されない。
また、本発明のポリ乳酸系樹脂組成物中には、本発明の効果を損なわない範囲であれば、以下に示すような添加剤がさらに含有されていてもよい。例えば末端封鎖剤、紫外線防止剤、光安定剤、防曇剤、防霧剤、帯電防止剤、可塑剤、難燃剤、着色防止剤、酸化防止剤、充填材、顔料、離型剤、防湿剤、酸素バリア剤、結晶核剤等の各種添加剤が挙げられる。ただし、エポキシ基やアリル基等の反応性を有する官能基を含有する添加剤は好ましくない。樹脂組成物中にこのような添加剤が含まれると、その官能基がポリ乳酸樹脂(A)と反応し、ポリ乳酸樹脂(A)がゲル化しやすくなる。ポリ乳酸樹脂(A)がゲル化すると、得られる成形体にゲル化した部分が生じ、品位が低下するとともに透明性も低下しやすくなる。
次に、本発明のポリ乳酸系樹脂組成物の製造方法について説明する。
本発明の樹脂組成物を製造する方法は、特に限定されないが、例えば、工業的に最も簡便である溶融混練法が挙げられる。ポリ乳酸樹脂(A)とポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)とを溶融混練する場合について説明する。溶融混練に際しては、単軸押出機、二軸押出機、ロール混練機、ブラベンダーなどの一般的な混練機を使用することができ、混練状態の向上のため、二軸の押出機を使用することが好ましい。ポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)は、溶融させて液注添加するか、粉砕して別フィーダーから添加してもよく、またポリ乳酸樹脂(A)とドライブレンドをしてホッパーから添加してもよい。シリンダー温度180〜230℃、ダイス温度190〜240℃に加熱し、これらの成分を溶融混練して押出して、ストランドを冷却後、ペレットサイズにカットする方法が好ましい。
また、本発明の樹脂組成物の製造に際しては、ポリ乳酸樹脂(A)中にポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)が高濃度に添加されたマスターバッチペレットを作製し、このマスターバッチペレットをポリ乳酸樹脂(A)で希釈することにより、樹脂組成物を得る方法を採用することもできる。具体的には、マスターバッチペレットとポリ乳酸樹脂(A)をドライブレンドした後、1軸押出機あるいは2軸押出機で溶融混練を行うことが好ましい。
次に、本発明の成形体について説明する。
本発明の成形体は、本発明のポリ乳酸系樹脂組成物を用いて成形されるものである。成形方法として、押出成形、射出成形、ブロー成形、インフレーション成形、インジェクションブロー成形、発泡シート成形、および、シート加工後の真空成形、圧空成形、真空圧空成形等が挙げられる。
本発明の成形体として、押出成形してなるフィルムやシート、これらフィルムやシートを加工してなる成形体、射出成形してなる成形体、ビーズ発泡や押出発泡してなる成形体、ブロー成形してなる中空体、この中空体を加工してなる成形体などが挙げられる。
中でも本発明の成形体は、本発明の樹脂組成物の透明性に優れるという利点を生かして、シート状成形体であることが好ましい。シート状成形体の具体例としては、押出成形してなるシート(未延伸シート)や、このシートを延伸してなるフィルムが挙げられる。押出成形してなるシートは、厚みが100〜500μm程度であることが好ましく、シートを延伸してなるフィルムは、厚みが100μm以下であることが好ましい。
次に、シートやフィルムの製造方法について説明する。
シートの製造方法としては、Tダイ法、インフレーション法、カレンダー法等が挙げられる。中でも、Tダイ法、インフレーション法が好ましい。Tダイ法によりポリ乳酸系シートを製造する場合、製膜装置の押出機ホッパーに、予め作製したポリ乳酸系樹脂組成物を供給してよく、また、マスターバッチペレットとポリ乳酸樹脂(A)とを供給してもよい。押出機のシリンダー温度は150〜250℃、Tダイ温度は160〜250℃であることが好ましい。また、キャストロールは20〜50℃に制御されていることが好ましい。
次に、フィルムの製造方法としては、上記方法で製造したポリ乳酸系シートを、一軸もしくは二軸延伸して製造する方法が好ましい。延伸方法としては、ロール法、テンター法等が挙げられ、一軸延伸法、逐次二軸延伸法あるいは同時二軸延伸法のいずれかを採用することが好ましい。延伸での面倍率は4〜16倍であることが好ましい。面倍率が4倍未満であると、得られるフィルムの機械物性、特に引張強度が低く、実用に耐えないことがある。また、面倍率が16倍を超えると、フィルムが延伸途中で延伸応力に耐えきれず破断してしまうことがある。延伸時のシート温度は、50〜110℃が好ましく、60〜90℃がさらに好ましい。延伸温度が50℃未満であると、延伸のための熱量不足により、フィルムが延伸初期で破断する傾向がある。また110℃を超えると、フィルムに熱が加わりすぎてドロー延伸となり、延伸斑を多発する傾向がある。
また、延伸フィルムに寸法安定性を付与する目的で、延伸後、熱弛緩処理を施してもよい。熱弛緩処理の方法としては、熱風を吹き付ける方法、赤外線を照射する方法、マイクロ波を照射する方法、ヒートロール上に接触させる方法等が選択でき、均一に精度良く加熱できる点で、熱風を吹き付ける方法が好ましい。その際、80〜160℃の範囲で1秒以上であることが好ましく、かつ、2〜8%のリラックス率の条件下で実施することが好ましい。
次に、本発明のポリ乳酸系マスターバッチペレット(以下、マスターバッチペレットと
略することがある)について説明する。本発明のマスターバッチペレットは本発明のポリ
乳酸系樹脂組成物を製造する際に用いることが好ましいものである。
ポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)は塊状であることが多く、粉砕して添加するか、溶融させて液注添加となり、装置に付着するなどして厳密な量を添加することが困難である。このため、本発明のポリ乳酸系樹脂組成物の製造に際しては、ポリ乳酸樹脂(A)中にポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)が高濃度に添加されたマスターバッチペレットを作製し、このマスターバッチペレットをポリ乳酸樹脂(A)で希釈することによりポリ乳酸系樹脂組成物を得る方法を採用することが好ましい。
そこで、本発明のマスターバッチペレットは、ポリ乳酸樹脂(A)と、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)を含有する樹脂組成物にて構成される。
ポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)の含有量は、ポリ乳酸樹脂(A)100質量部に対して、2〜30質量部であり、中でも4〜28質量部であることが好ましい。
ポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)の含有量が、上記範囲より少ないと、本発明のポリ乳酸系樹脂組成物を得る際にマスターバッチペレットの使用量が多くなり、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)を高濃度に含有するマスターバッチペレットとは言えないものとなる。一方、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)の含有量が、上記範囲より多いと、マスターバッチペレット作製時の操業性が低下し、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)の分散性が低くなり、得られたマスターバッチペレットに濃度むらが生じる。
次に、上記したような本発明のマスターバッチペレットを製造した後、ポリ乳酸樹脂(A)で希釈して、本発明のポリ乳酸系樹脂組成物を製造する方法について説明する。
まず、本発明のマスターバッチペレットの製造方法について説明する。押出機中に、ポ
リ乳酸樹脂(A)と、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)を添加し、溶融混練する。このとき、1軸押出機あるいは2軸押出機で溶融混練を行い、シリンダー温度180〜230℃、ダイス温度190〜240℃に加熱し、樹脂組成物を溶融混練して押出して、ストランドを冷却後、ペレットサイズにカットする方法が好ましい。用いる押出機は混練能力から2軸押出機が好ましい。また、ポリ乳酸樹脂(A)はホッパーから供給し、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)は、加熱しながら液注添加することが好ましい。ポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)を1軸押出機あるいは2軸押出機中に添加する際には、混練部全体の2分の1より供給部側から行うことが好ましい。例えば、混練部がC1部(供給側)〜C11部(ダイス側)までの11の部分に分かれている場合、C1部〜C5部の間でポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)を添加することが好ましい。ポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)は分散性が低くないが、混練部全体の2分の1以降から添加した場合、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)の分散性が低くなり、得られたマスターバッチペレットに濃度むらができやすくなる。このようなマスターバッチペレットを用いると、得られるポリ乳酸系樹脂組成物も濃度むらが生じ、得られる成形体の物性にばらつきが生じやすくなる。
そして、本発明のポリ乳酸系樹脂組成物は、上記のようにして得られたマスターバッチペレットを用い、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)が所望の濃度となるように、ポリ乳酸樹脂(A)で希釈することにより得ることができる。
本発明のマスターバッチペレットは、ポリ乳酸樹脂(A)、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)に加えて、アクリル系重合体(C)、グリセリン脂肪酸エステル(D)及びポリアルキレンエーテル(E)の少なくとも1種を含有していてもよい。
アクリル系重合体(C)、グリセリン脂肪酸エステル(D)及びポリアルキレンエーテル(E)のマスターバッチペレット中の含有量は、これらのいずれか1種を用いる場合、2種以上を併用する場合ともに、ポリ乳酸樹脂(A)100質量部に対して、5〜60質量部含有することが好ましい。
アクリル系重合体(C)、グリセリン脂肪酸エステル(D)及びポリアルキレンエーテル(E)の少なくとも1種を添加する場合、上記の製造方法において、アクリル系重合体(C)とポリアルキレンエーテル(E)は、それぞれ別フィーダーで計量して添加することが好ましい。グリセリン脂肪酸エステル(D)については、液状物や低融点物である場合が多いため、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)と混合して液注添加を行うか、別途液注添加を行うことが好ましい。
次に実施例により本発明を具体的に説明する。実施例における各種の特性値の測定および評価は以下のように行った。
(1)ポリ乳酸樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)
示差屈折率検出器(島津製作所社製、RID−10A)を備えたゲル浸透クロマトグラフィ装置(島津製作所社製)を用い、テトラヒドロフラン(THF)を溶離液として、流速1.0ml/min、40℃で測定した。カラムは、SHODEX KF−805L、KF−804L(昭和電工社製)を連結して用いた。ポリ乳酸樹脂(A)10mgをクロロホルム0.5mlに溶解後、THF5mlで希釈し、0.45μmのフィルターでろ過したサンプルを測定に供した。重量平均分子量はポリスチレン(Waters社製)を標準試料として換算した。
(2)ポリ乳酸樹脂(A)の融点
示差走査型熱量計(パーキンエルマー社製DSC装置 DSC7)を用い、ポリ乳酸樹脂(A)を20℃から250℃まで20℃/分で昇温させ、5分間保持した後、250℃から0℃まで20℃/分で冷却して、0℃で5分間保持し、さらに0℃から250℃まで20℃/分で再昇温して測定される融解ピーク温度(Tm)を融点とした。
(3)ポリ乳酸樹脂(A)のD体含有量
ポリ乳酸樹脂(A)約0.3gを1N−水酸化カリウム/メタノール溶液6mlに加え、65℃にて充分撹拌し、ポリ乳酸樹脂を分解させた後、硫酸450μlを加えて、65℃にて撹拌し、乳酸メチルエステルとした。このサンプル5ml、純水3ml、および、塩化メチレン13mlを混合して振り混ぜた。静置分離後、下部の有機層を約1.5ml採取し、HPLC用ディスクフィルター(孔径0.45μm)でろ過し、ガスクロマトグラフィーで測定した。
ガスクロマトグラフィー(Hewlett Packard社製、HP−6890)は、ヘリウム(He)をキャリアガスとして、流速1.8ml/minで、オーブンプログラムは90℃で3分間保持し、50℃/minで220℃まで昇温し、1分間保持する条件で行った。カラムは、J&W社製DB−17(30m×0.25mm×0.25μm)を用い、検出器はFID(温度300℃)、内部標準法で測定した。乳酸メチルエステルの全ピーク面積に占めるD−乳酸メチルエステルのピーク面積の割合(%)を算出し、これをD体含有量(モル%)とした。
(4)ポリ乳酸樹脂(A)の残留ラクチド量
ポリ乳酸樹脂(A)0.5gにジクロロメタン10ml、100ppmの2,6−ジメチル−γ−ピロン内部標準液を0.5ml加えてシェーカー(150rpm×40分)により攪拌し溶解させて測定用試料溶液を作成した。そこへシクロヘキサンを添加し、ポリマーを析出させ、HPLC用ディスクフィルター(孔径0.45μm)でろ過し、ガスクロマトグラフィーで測定した。標準物質は東京化成工業製のL−ラクチドを用いた。
ガスクロマトグラフィー(Hewlett Packard社製、HP−6890)は、ヘリウム(He)をキャリアガスとして、流速2.5ml/minで、オーブンプログラムは80℃で1分間保持し、20℃/minで200℃まで昇温し、30℃/minで280℃まで昇温し、5分間保持する条件で行った。カラムは、J&W社製DB−17(30m×0.25mm×0.25μm)を用い、検出器はFID(温度300℃)、内部標準法で測定した。
(5)ポリ乳酸系樹脂組成物のMFR
東洋精機製作所社製メルトインデクサーF−B01を用いて、JIS K7210に準拠して測定した。試験温度190℃、試験荷重2.16kgfの条件で測定した。
(6)ヘイズ(透明性)
得られたシートについて、JIS−K7105により、日本電色工業社製ヘーズメーターNDH2000を用いて測定した。このとき、それぞれサンプル数を5とし、これらの測定値の平均値をヘイズとした。
(7)耐衝撃性
得られたシートを用い、ASTM−2794に従って落錘衝撃試験をおこない、耐衝撃強度を測定した。すなわち、落下重錘300gf、撃心を1/8インチとして落錘高さ(cm)を変更しながら、試験回数5回毎の破壊状態を目視観察した。
全く破壊されない時の落錘高さ(m)×落下重錘0.3(kg)×9.8(m/s)=仕事量(J)の式により、仕事量を算出し、それを耐衝撃強度とした。
次に、実施例、比較例において用いた各種原料を示す。
(1)ポリ乳酸樹脂(A)
A−1:ネイチャーワークス社製 4042D、D体含有量4.0モル%、残留ラクチド量0.2質量%、重量平均分子量(Mw)16万、融点150℃
A−2:ネイチャーワークス社製 4032D、D体含有量1.2モル%、残留ラクチド量0.2質量%、重量平均分子量(Mw)16万、融点165℃
(2)ポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)
B−1:三菱化学社製 PTMG3000、数平均分子量(Mn)3000
B−2:三菱化学社製 PTMG2000、数平均分子量(Mn)2000
B−3:三菱化学社製 PTMG1000、数平均分子量(Mn)1000
(3)アクリル系重合体(C)
C1−1:ロームアンドハース社製 パラロイドBPM−515、コアシェル型グラフト共重合体(コア成分:アクリル系ゴム、シェル成分:(メタ)アクリル酸メチル重合体)
C1−2:三菱レイヨン社製 メタブレンW−600A、コアシェル型グラフト共重合体(コア成分:アクリル系ゴム、シェル成分:メチルメタクリレート系共重合体)
C2−1:三菱レイヨン社製 メタブレンP−531A、重量平均分子量450万
C2−2:三菱レイヨン社製 メタブレンP−530A、重量平均分子量310万
(4)グリセリン脂肪酸エステル(D)
D−1:理研ビタミン社製 リケマールS−74、ジグリセリンフルステアリン酸エステル
D−2:太陽化学社製 チラバゾールVR−017、ポリグリセリン脂肪酸エステル 数平均分子量(Mn)=1300
(5)ポリアルキレンエーテル(E)
E−1:ポリエチレングリコール、三洋化成工業社製 PEG−20000、数平均分子量(Mn)=20000
実施例1
〔ポリ乳酸系樹脂組成物〕
ポリ乳酸樹脂(A−1)100質量部をホッパーより供給し、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(B−1)1質量部を溶融させて液注添加し、二軸押出機(池貝社製「PCM−30」、スクリュー径:29mm、L/D(押出機のシリンダーの長さLと直径Dの比):30、ノズル直径:4mm、孔数:3、温度:220℃)にて溶融混練した後、押出し、ペレット状に加工し、乾燥して、ポリ乳酸系樹脂組成物を得た。
〔シート〕
上記のように得られたポリ乳酸系樹脂組成物を、口径90mmの単軸押出機にてTダイ温度230℃で溶融押出し、20℃に温度制御されたキャストロールに密着させて冷却し、本発明のポリ乳酸系樹脂組成物で成形された厚さ400μmのシート(未延伸シート)を得た。
実施例2〜21、比較例1〜12
ポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)、アクリル系重合体(C)、グリセリン脂肪酸エステル(D)及びポリアルキレンエーテル(E)の種類や含有量を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして、ポリ乳酸系樹脂組成物を得た。
そして、得られたポリ乳酸系樹脂組成物を用いて、実施例1と同様にして厚さ400μmのシート(未延伸シート)を得た。
実施例22
ポリ乳酸(A−1)80質量部とアクリル重合体(C2−2)12質量部をドライブレンドしてホッパーから供給し、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(B−1)8質量部を溶融させて液注添加し、二軸押出機(池貝社製「PCM−30」、スクリュー径:29mm、L/D(押出機のシリンダーの長さLと直径Dの比):30、ノズル直径:4mm、孔数:3、温度:220℃)にて溶融混練した後、押出し、ペレット状に加工し、乾燥して、マスターバッチペレット(M−1)を得た。
上記で得られたマスターバッチペレット(M−1)とポリ乳酸(A−1)とを、質量比〔(M−1)/(A−1)〕10/90でドライブレンドして、表1に示す樹脂組成物を製造した。つまり、この樹脂組成物の組成は、ポリ乳酸(A−1)の含有量が98質量部、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(B−1)の含有量が0.8質量部、アクリル系重合体(C2−2)の含有量が1.2質量部であった。
Figure 2016053148
Figure 2016053148
実施例1〜22および比較例1〜12で得られたポリ乳酸系樹脂組成物の組成、溶融粘度およびシートの特性値を表1に示す。
表1から明らかなように、実施例1〜22で得られたポリ乳酸系樹脂組成物は、本発明で規定する組成を満足するものであったため、得られたシートは透明性、耐衝撃性に優れたものであった。
一方、比較例1で得られたポリ乳酸系樹脂組成物は、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)の数平均分子量が本発明の範囲外であったため、得られたシートは耐衝撃性に劣るものであった。比較例2〜4で得られたポリ乳酸系樹脂組成物は、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)の含有量が少なすぎたため、得られたシートは耐衝撃性に劣るものであった。比較例5で得られたポリ乳酸系樹脂組成物は、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)の含有量が多すぎたため、得られたシートは透明性に劣るものであった。また、比較例6〜12で得られたポリ乳酸系樹脂組成物はポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)を含有していなかったため、得られたシートは、耐衝撃性に劣るものであった。

Claims (5)

  1. ポリ乳酸樹脂(A)と数平均分子量が1200以上であるポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)とを含有する樹脂組成物であって、ポリ乳酸樹脂(A)100質量部に対して、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)を0.1〜5.0質量部含有することを特徴とするポリ乳酸系樹脂組成物。
  2. さらに、アクリル系重合体(C)を、ポリ乳酸樹脂(A)100質量部に対して0.1〜3質量部含有する、請求項1記載のポリ乳酸系樹脂組成物。
  3. さらに、グリセリン脂肪酸エステル(D)とポリアルキレンエーテル(E)から選ばれる少なくとも1種を、ポリ乳酸樹脂(A)100質量部に対して0.1〜3質量部含有する、請求項1または2に記載のポリ乳酸系樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のポリ乳酸系樹脂組成物からなるシート状成形体。
  5. ポリ乳酸樹脂(A)と数平均分子量が1200以上であるポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)とを含有する樹脂組成物であって、ポリ乳酸樹脂(A)100質量部に対して、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)を2〜30質量部含有することを特徴とするポリ乳酸系樹脂組成物用マスターバッチペレット。
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