JP2009269991A - 結晶性ポリ乳酸樹脂組成物およびそれからなる成形体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ポリ乳酸樹脂(A)と結晶核剤(B)とを含有する樹脂組成物であって、ポリ乳酸樹脂(A)と結晶核剤(B)の質量比(A/B)が90/10〜99.9/0.1であり、ポリ乳酸樹脂(A)が(メタ)アクリル酸エステル化合物(C)と過酸化物(D)とともに溶融混練されてなり、結晶核剤(B)がスルホイソフタル酸カリウムジメチルおよび/またはスルホイソフタル酸ナトリウムジメチルであることを特徴とする結晶性ポリ乳酸樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
すなわち本発明の要旨は、下記の通りである。
(1)ポリ乳酸樹脂(A)と結晶核剤(B)とを含有する樹脂組成物であって、ポリ乳酸樹脂(A)と結晶核剤(B)の質量比(A/B)が90/10〜99.9/0.1であり、ポリ乳酸樹脂(A)が(メタ)アクリル酸エステル化合物(C)と過酸化物(D)とともに溶融混練されてなり、結晶核剤(B)がスルホイソフタル酸カリウムジメチルおよび/またはスルホイソフタル酸ナトリウムジメチルであることを特徴とする結晶性ポリ乳酸樹脂組成物。
(2)ポリ乳酸樹脂(A)が、その100質量部に対して、(メタ)アクリル酸エステル化合物(C)0.01〜20質量部と、過酸化物(D)0.02〜20質量部とともに溶融混練されてなることを特徴とする(1)記載の樹脂組成物。
(3)ポリ乳酸樹脂(A)100質量部に対して、カルボジイミド化合物、エポキシ化合物およびオキサゾリン化合物から選ばれる1種以上の反応性化合物(E)0.1〜10質量部を含有することを特徴とする(1)または(2)に記載の樹脂組成物。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載の樹脂組成物を成形してなる成形体。
本発明に使用されるポリ乳酸樹脂(A)としては、主成分としてポリ(L−乳酸)、ポリ(D−乳酸)、および、これらの混合物または共重合体を用いることが望ましい。生分解性の観点からは、ポリ(L−乳酸)を主体とすることが好ましい。
本発明において、D体含有量が0.6%以下であるポリ乳酸樹脂(A)を使用する際に、ポリ乳酸樹脂として、D体含有量が0.08%未満のものを入手あるいは作製することが困難になることがあるが、本発明においては、D体含有量が0.08%未満のポリ乳酸樹脂も使用することもできる。同様に、D体含有量が99.4%以上であるポリ乳酸樹脂(A)を使用する際に、ポリ乳酸樹脂として、D体含有量が99.92%を超えるものを入手あるいは作製することが困難になることがあるが、本発明においては、D体含有量が99.92%を超えるポリ乳酸樹脂も使用することもできる。
なお、本発明においては、ポリ乳酸樹脂(A)として、2種以上のポリ乳酸樹脂を組み合わせてもよい。たとえば、D体含有量が0.6%を超えるポリ乳酸樹脂と、D体含有量が0.6%以下のポリ乳酸樹脂とを併用してもよく、この場合にも、併用して得られるポリ乳酸樹脂(A)において、そのD体含有量が0.6%以下であることが好ましい。同様に、D体含有量が99.4%未満のポリ乳酸樹脂と、D体含有量が99.4%以上のポリ乳酸樹脂とを併用してもよく、この場合にも、併用して得られるポリ乳酸樹脂(A)において、そのD体含有量が99.4%以上であることが好ましい。
メルトフローレートを所定の範囲に調節する方法として、メルトフローレートが大きすぎる場合は、少量の鎖長延長剤、例えば、ジイソシアネート化合物、ビスオキサゾリン化合物、エポキシ化合物、酸無水物などを用いて樹脂の分子量を増大させる方法が挙げられる。逆に、メルトフローレートが小さすぎる場合はメルトフローレートの大きなポリエステル樹脂や低分子量化合物と混合する方法が挙げられる。
例えば、酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、メチルテレフタル酸、4,4′−ビフェニルジカルボン酸、2、2′−ビフェニルジカルボン酸、4,4′−ビフェニルエーテルジカルボン酸、4,4′−ジフェニルメタンジカルボン酸、4,4′−ジフェニルスルフォンジカルボン酸、4,4′−ジフェニルイソプロピリデンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アゼライン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、アイコサン二酸、水添ダイマー酸などの飽和脂肪族ジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、メサコン酸、シトラコン酸、ダイマー酸等の不飽和脂肪族ジカルボン酸およびこれらの無水物、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、2,5−ノルボルネンジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸などの脂環式ジカルボン酸などが挙げられる。
また、ジオール成分として、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール等の脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール等の脂環式ジオール、ビスフェノールAやビスフェノールS等のビスフェノール類又はそれらのエチレンオキサイド付加体、ハイドロキノン、レゾルシノール等の芳香族ジオール等が共重合されていても構わない。
さらには、p−ヒドロキシ安息香酸、p−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸、6−ヒドロキシカプロン酸、3−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ吉草酸、等のヒドロキシカルボン酸や、δ−バレロラクトン、γ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトン等のラクトン化合物が共重合されていても構わない。
また、難燃性を付与するために有機リン化合物が共重合されていてもよい。
具体的な化合物としては、ポリ乳酸樹脂(A)との反応性が高く、モノマーが残りにくく、かつ、毒性が少なく、樹脂の着色も少ないことから、分子内に2個以上の(メタ)アクリル基を有するか、または、1個以上の(メタ)アクリル基と1個以上のグリシジル基もしくはビニル基を有する化合物が好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル化合物(C)の具体例としては、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリセロールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、アリロキシポリエチレングリコールモノアクリレート、アリロキシ(ポリ)エチレングリコールモノメタクリレート、(ポリ)エチレングリコールジメタクリレート、(ポリ)エチレングリコールジアクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジメタクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジアクリレート、(ポリ)テトラメチレングリコールジメタクリレート、または、これらのアルキレングリコール部が様々な長さのアルキレンの共重合体、ブタンジオールメタクリレート、ブタンジオールアクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル化合物(C)の添加量は、ポリ乳酸樹脂(A)100質量部に対して、0.01〜20質量部であることが好ましく、0.05〜1質量部であることがより好ましい。添加量が0.01質量部未満では、目的とする耐熱性が得られず、また、添加量が20質量部を超えると、混練時の操業性が低下する。
過酸化物(D)の具体例としては、ベンゾイルパーオキサイド、ビス(ブチルパーオキシ)トリメチルシクロヘキサン、ビス(ブチルパーオキシ)シクロドデカン、ブチルビス(ブチルパーオキシ)バレレート、ジクミルパーオキサイド、ブチルパーオキシベンゾエート、ジブチルパーオキサイド、ビス(ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジメチルジ(ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジメチルジ(ブチルパーオキシ)ヘキシン、ブチルパーオキシクメンなどが挙げられる。
過酸化物(D)の添加量は、ポリ乳酸樹脂(A)100質量部に対して、0.02〜20質量部であることが好ましく、0.1〜10質量部であることがより好ましい。添加量が0.02質量部未満では、目的とする効果が得られず、また、添加量が20質量部を超えると、混練時の操業性が低下する場合がある。
本発明において反応性化合物(E)としては、カルボジイミド化合物、エポキシ化合物、およびオキサゾリン化合物から選ばれる1種以上を使用することができる。
カルボジイミド化合物を製造する方法としては、特に限定されず、イソシアネート化合物を原料に製造する方法など、多くの方法が挙げられる。
カルボジイミド化合物としては、イソシアネート基を分子内に有するカルボジイミド化合物、およびイソシアネート基を分子内に有していないカルボジイミド化合物のどちらも区別無く用いることができる。
カルボジイミド化合物のカルボジイミド骨格としては、N,N′−ジ−o−トリルカルボジイミド、N,N′−ジオクチルデシルカルボジイミド、N,N′−ジ−2,6−ジメチルフェニルカルボジイミド、N−トリル−N′−シクロヘキシルカルボジイミド、N−トリル−N′−フェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−p−ニトロフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−p−ヒドロキシフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−シクロヘキシルカルボジイミド、N,N′−ジ−p−トリルカルボジイミド、p−フェニレン−ビス−ジ−o−トリルカルボジイミド、4,4′−ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド、テトラメチルキシリレンカルボジイミド、N,N−ジメチルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミドなど、多くのカルボジイミド骨格が挙げられる。
カルボジイミド化合物の具体例としては、多くのものが挙げられるが、例えば、前記分類の脂環族モノカルボジイミドとしては、ジシクロヘキシルカルボジイミドなどが挙げられ、また、前記分類の脂環族ポリカルボジイミドとしては、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートに由来するポリカルボジイミドなどが挙げられ、また、前記分類の芳香族モノカルボジイミドとしては、N,N′−ジフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミドなどが挙げられ、また、前記分類の芳香族ポリカルボジイミドとしては、フェニレン−p−ジイソシアネートに由来するポリカルボジイミド、1,3,5−トリイソプロピル−フェニレン−2,4−ジイソシアネートに由来するポリカルボジイミドなどが挙げられる。
なお、ポリカルボジイミドにおいては、その分子の両端あるいは分子中の任意の部位が、イソシアネート基等の官能基を有する、あるいは、分子鎖が分岐しているなど他の部位と異なる分子構造となっていても構わない。
これらのエポキシ化合物の中から1種または2種以上の化合物を任意に選択すればよいが、反応性の点でエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、フェニルグリシジルエーテル、オルソフェニルフェニルグリシジルエーテル、p−t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、N−グリシジルフタルイミド、ヒドロキノンジグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールA−ジグリシジルエーテルなどが好ましい。
さらには、上記した化合物をモノマー単位として含むポリオキサゾリン化合物など、例えばスチレン・2−イソプロペニル−2−オキサゾリン共重合体などが挙げられる。これらのオキサゾリン化合物の中から1種または2種以上の化合物を任意に選択すればよい。耐熱性および反応性や樹脂との親和性の点で2,2′−m−フェニレンビス(2−オキサゾリン)や2,2′−p−フェニレンビス(2−オキサゾリン)が好ましい。
ポリ乳酸樹脂(A)と(メタ)アクリル酸エステル化合物(C)と過酸化物(D)とを溶融混練したり、ポリ乳酸樹脂(A)と結晶核剤(B)とを混合したり、さらにこれらに反応性化合物(E)とを混合する手段は、特に限定されないが、一軸あるいは二軸の押出機を用いて溶融混練する方法を挙げることができる。混練状態をよくする意味で二軸の押出機を使用することが好ましい。混練温度は(ポリ乳酸樹脂(A)の融点+5℃)〜(ポリ乳酸樹脂(A)の融点+100℃)の範囲が、また、混練時間は20秒〜30分が好ましい。この範囲より低温や短時間であると、混練や反応が不充分となったり、逆に、高温や長時間であると樹脂の分解や着色が起きる場合があり、ともに好ましくない。
無機充填材としては、例えば、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、ワラストナイト、アルミナ、マグネシア、ケイ酸カルシウム、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カルシウム、アルミノ珪酸ナトリウム、珪酸マグネシウム、ガラスバルーン、カーボンブラック、酸化亜鉛、三酸化アンチモン、ゼオライト、ハイドロタルサイト、金属繊維、金属ウイスカー、セラミックウイスカー、チタン酸カリウム、窒化ホウ素、グラファイト、炭素繊維、層状珪酸塩などが例示される。層状珪酸塩を配合することにより、樹脂組成物のガスバリア性を改善することができる。
植物繊維としては、例えば、ケナフ繊維、竹繊維、ジュート繊維、その他のセルロース系繊維などが例示される。
強化繊維としては、例えば、アラミド繊維、ポリアリレート繊維、液晶ポリマー繊維などの有機強化繊維などが挙げられる。
可塑剤としては、例えば、脂肪族エステル誘導体または脂肪族ポリエーテル誘導体から選ばれた1種以上の可塑剤などが挙げられる。具体的な化合物としては、例えば、グリセリンジアセトモノカプレート、グリセリンジアセトモノラウレートなどが挙げられる。可塑剤を配合することにより、結晶核剤(B)のポリ乳酸樹脂(A)への分散を促進することができる。
滑剤としては、各種カルボン酸系化合物を用いることができ、中でも、各種脂肪酸金属塩、特に、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムなどが好ましい。
離型剤としては、各種カルボン酸系化合物、中でも、各種脂肪酸エステル、各種脂肪酸アミドなどが、好適に用いられる。
耐衝撃剤としては、特に限定されず、コアシェル型構造を持つ(メタ)アクリル酸エステル系耐衝撃剤など、種々のものを用いることが出来る。具体的な市販の商品としては、例えば、三菱レイヨン製メタブレンシリーズなどが挙げられる。
相溶化剤としては、特に限定されないが、例えば、オレフィン系共重合樹脂を主鎖に持つグラフト共重合体が挙げられ、具体的な化合物としては、例えば、ポリ(エチレン/グリシジルメタクリレート)−ポリメチルメタクリレートグラフト共重合体、あるいは、ポリ(エチレン/グリシジルメタクリレート)−ポリ(アクリロニトリル/スチレン)グラフト共重合体などが挙げられる。具体的な市販の商品としては、例えば、日本油脂製モディパーシリーズなどが挙げられる。
ポリ乳酸樹脂(A)のアロイ相手材となる樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリ(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)共重合体、液晶ポリマー、ポリアセタールなどが挙げられる。
ポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、などが挙げられる。
ポリアミドとしては、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド6Tなどが挙げられる。
ポリエステルとしては、各種芳香族ポリエステル、各種脂肪族ポリエステルをはじめ多くのものが挙げられる。芳香族ポリエステルとしては、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレート、ポリブチレンアジペートテレフタレートなどが挙げられ、脂肪族ポリエステルとしては、具体的には、ポリブチレンサクシネート、ポリ(ブチレンサクシネート−乳酸)共重合体、ポリヒドロキシ酪酸などが挙げられる。
この他のポリエステル系のものとしては、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレートコテレフタレート、ポリブチレンイソフタレートコテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、シクロヘキシレンジメチレンイソフタレートコテレフタレート、p−ヒドロキシ安息香酸残基とエチレンテレフタレート残基からなるコポリエステル、植物由来の原料である1,3−プロパンジオールからなるポリトリメチレンテレフタレート等などが挙げられる。
また本発明の樹脂組成物は、フィルム、シート、パイプ等の押出成形品、中空成形品等とすることもできる。その例としては、農業用マルチフィルム、工事用シート、各種ブロー成形ボトルなど多数挙げられる。
(1)D体含有量:
ポリ乳酸樹脂(A)または樹脂組成物の約0.3gを1N−水酸化カリウム/メタノール溶液6mLに加え、65℃にて充分撹拌した後、硫酸450μLを加えて、65℃にて撹拌し、ポリ乳酸を分解させた。このサンプル5mL、純水3mL、および、塩化メチレン13mLを混合して振り混ぜた。静置分離後、下部の有機層を約1.5mL採取し、孔径0.45μmのHPLC用ディスクフィルターでろ過後、HewletPackard製HP−6890SeriesGCsystemでGC測定した。乳酸メチルエステルの全ピーク面積に占めるD−乳酸メチルエステルのピーク面積の割合(%)を算出し、これをD体含有量(%)とした。
(2)メルトフローレート(MFR):
ポリ乳酸樹脂(A)または樹脂組成物をJIS K7210に準拠し、190℃において測定した。
(3)成形サイクル:
射出成形機(東芝IS−80G)でASTMダンベル型試験片の成形試験を実施した。成形温度190℃で溶融し、溶融樹脂を金型に充填した。成形サイクルは、樹脂組成物が金型内に射出(充填、保圧)、冷却された後、成形体が金型に固着、または、抵抗なく取り出すことができ、突き出しピンによる変形がなく、良好に離型できるまでの時間(秒)とした。成形サイクル80秒以下であるのが好ましく、より好ましいのは60秒以下である。
(4)曲げ強度、弾性率、破断歪:
ISO準拠の試験片を射出成型機において所定の成形条件で成形し、ISO 178に準拠して測定した。
(5)シャルピー衝撃値:
ISO準拠の試験片を射出成型機において所定の成形条件で成形し、ISO 179に準拠して測定した。
(6)熱変形温度:
ISO準拠の試験片を射出成型機において所定の成形条件で成形し、ISO 75に準拠し、熱変形温度を荷重0.45MPaで測定した。
(7)耐久性:
成形したISO試験片を50℃50%RHの高温高湿度環境に100h曝して、ISO 178に準拠して曲げ強度を測定した。暴露前の値に対する保持率が、95%以上のものを◎、80%以上、95%未満を○、50%以上、80%未満を△、50%未満を×として評価した。
(1)ポリ乳酸樹脂(A)
・S−06:トヨタ社製、D体含有量=0.2%、MFR=4
・S−12:同社製、D体含有量=0.1%、MFR=8
・A−1:同社製、D体含有量=0.6%、MFR=2
・TE−4000:ユニチカ社製、D体含有量=1.4%、MFR=10
・TP−4000:同社製、D体含有量=1.4%、MFR=2
・合成例1:
D体含有量0.08%のL−ラクチド2,000g、ヘキサンジオール1.4gをガラス製重合管内に入れ、窒素気流下、加熱融解した後、ジオクチル錫0.4gを加え、撹拌しながら180℃で1時間反応させた。30分後、5hPaにした後、生成したポリL−乳酸樹脂を払い出した。得られたポリL−乳酸樹脂について、前記の測定方法によって測定したところ、D体含有量は0.08%、MFRは15であった。
・5−スルホイソフタル酸カリウムジメチル:竹本油脂社製
・5−スルホイソフタル酸ナトリウムジメチル:東京化成工業社製
・5−スルホイソフタル酸バリウムジメチル:竹本油脂社製
・N,N′−エチレンビス(12−ヒドロキシステアリン酸)アミド:川研ファインケミカル社製WX−1
・N,N′,N″−トリシクロヘキシルトリメシン酸アミド:新日本理化社製TF−1
・エチレングリコールジメタクリレート:日本油脂社製ブレンマーPDE−50
(4)過酸化物(D)
・ジ−t−ブチルパーオキサイド:日本油脂社製パーブチルD
(5)反応性化合物(E)
・イソシアネート変性カルボジイミド:日清紡社製LA−1(イソシアネート基含有率1〜3%)
・カルボジイミド:松本油脂製薬社製EN−160
ポリ乳酸樹脂(A)としてS−12を99.5質量部、結晶核剤(B)として5−スルホイソフタル酸カリウムジメチルを0.5質量部用いて、これらをドライブレンドして二軸押出機(東芝機械社製TEM37BS型)の根元供給口から供給し、また、混練機途中から(メタ)アクリル酸エステル化合物(C)0.1質量部、過酸化物(D)0.2質量部を混合した溶液を注入し、バレル温度180℃、スクリュー回転数200rpm、吐出15kg/hの条件で、ベントを効かせながら押出しを実施し、樹脂組成物ペレットを得た。
得られたペレットを70℃×24時間真空乾燥したのち、東芝機械社製IS−80G型射出成形機を用いて、金型表面温度を80℃に調整し、一般物性測定用試験片(ISO型)を成形した。
試験片作製の際、成形サイクルを測定した。その後、作製した試験片を各種測定に供した。また、試験片の一部は、50℃50%RHの高温高湿度環境に100h曝し、曲げ物性を測定した。
ポリ乳酸樹脂、結晶核剤、(メタ)アクリル酸エステル化合物、過酸化物、反応性化合物の配合の有無、種類、量や、金型温度を変えた以外は実施例1と同様にして樹脂組成物ペレットを得た。
得られたペレットを乾燥後、射出成形によって、一般物性測定用試験片(ISO型)を成形し、同時に、成形サイクルを測定した。作製した試験片を各種測定に供した。
比較例1、6においては、結晶核剤(B)の量が本発明で規定する量を満たしていないため、成形性、柔軟性に劣る結果となった。比較例2において、結晶核剤(B)が本発明の規定量を超え、本発明の効果が飽和する結果となった。比較例3〜5においては、本発明で規定する結晶核剤(B)を使用しなかったため、柔軟性に劣る結果となった。比較例7〜9においては、ポリ乳酸樹脂(A)を(メタ)アクリル酸エステル化合物(C)と過酸化物(D)とともに溶融混練しなったため、柔軟性に劣る結果となった。
Claims (4)
- ポリ乳酸樹脂(A)と結晶核剤(B)とを含有する樹脂組成物であって、ポリ乳酸樹脂(A)と結晶核剤(B)の質量比(A/B)が90/10〜99.9/0.1であり、ポリ乳酸樹脂(A)が(メタ)アクリル酸エステル化合物(C)と過酸化物(D)とともに溶融混練されてなり、結晶核剤(B)がスルホイソフタル酸カリウムジメチルおよび/またはスルホイソフタル酸ナトリウムジメチルであることを特徴とする結晶性ポリ乳酸樹脂組成物。
- ポリ乳酸樹脂(A)が、その100質量部に対して、(メタ)アクリル酸エステル化合物(C)0.01〜20質量部と、過酸化物(D)0.02〜20質量部とともに溶融混練されてなることを特徴とする請求項1記載の樹脂組成物。
- ポリ乳酸樹脂(A)100質量部に対して、カルボジイミド化合物、エポキシ化合物およびオキサゾリン化合物から選ばれる1種以上の反応性化合物(E)0.1〜10質量部を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂組成物。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物を成形してなる成形体。
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