JP2016052154A - 回転電機のステータコア - Google Patents

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智 笠舞
浩也 豊田
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浩也 豊田
敬子 那須
Keiko Nasu
敬子 那須
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Abstract

【課題】コア鋼板を積層して形成される回転電機のステータコアにおいて、コア鋼板、特にその内周縁の振動を防止する。【解決手段】円環形状のコア鋼板10は、外周部分に設けられた貫通孔18を貫通するボルト24とボルト24のねじ部にねじ結合するナット26により結束される。コア鋼板10は、積層される前、その内周縁22が、外周縁20の規定する平面に対してずれて位置している。コア鋼板10は、内周縁22のずれが、ステータコアの軸線Dの方向において中央に向くように配置されて積層される。ボルト24を締め付けることで、内周縁22が密着する力が働き、内周縁の振動が抑制される。【選択図】図3

Description

本発明は、コア鋼板を積層して形成された回転電機のステータコアの構造に関する。
電気エネルギを回転の運動エネルギに変換する電動機、回転の運動エネルギを電気エネルギに変換する発電機、さらに電動機と発電機どちらにも機能する電気機器が知られている。以下において、これらの電気機器を回転電機と記す。回転電機は、同軸に配置されて相対的に回転する二つの部材を有する。通常は、一方が固定され、他方が回転する。固定された部材(ステータ)にコイルを配置し、このコイルに電力を供給することにより回転する磁界を形成する。この磁界との相互作用により他方の部材(ロータ)が回転する。
ステータの一例として、ステータコアと、ステータコアのティースに導線を巻いて形成されたコイルを有するものが知られている。特許文献1には、円環板形状のコア鋼板(鉄心材(1))を積層したステータコア(積層体(5))が示されている。各コア鋼板(1)の内周には、周方向に歯が配列され、これらの歯に導線が巻かれてコイルが形成される。導線が巻かれたそれぞれの歯は磁極となる。また、外周部に貫通孔(3)が形成されている。貫通孔(3)に結束筒体(6)を挿入し、その両端を圧潰して積層されたコア鋼板(1)が結束されている。なお、( )内の符号は、特許文献1で用いられている符号であり、本願の実施形態で用いられる符号とは関連しない。
特開2011−19400号公報
ステータコアを構成する各コア鋼板は、一般的にこれらの外周部で互いに結束されている。これは、内周部には、磁極およびコイルが形成されるため、ボルト等の結束のため部材を配置するスペースがないこと、またコア以外の部材を配置すると磁気特性に影響を与えてしまうためである。上記特許文献1においても、外周部が結束筒体により結束され、内周部には結束のための部材は設けられていない。よって、コア鋼板の外周部は強固に結束されるが、一方で内周部は十分に結束されていない場合がある。ステータコアに振動が加わると、コア鋼板の内周部が振動し、隣接するコア鋼板同士がぶつかったり擦れたりする場合がある。
本発明は、コア鋼板の内周部に発生する振動を抑制することを目的とする。
本発明は、円環形状のコア鋼板を積層し、コア鋼板の外周に設けられた孔を貫通するボルトにより積層されたコア鋼板同士を結束して形成される回転電機のステータコアに関する。ステータコアの軸線方向両端部に配置されるコア鋼板は、積層される前、当該コア鋼板の内周縁が、外周縁が規定する平面に対してずれて位置しており、内周縁のずれがステータコアの軸線方向における中央に向くよう配置されている。
内周縁のずれによって、結束されたコア鋼板には、内周縁をステータコアの軸線方向中央に向けて押すように作用する内部応力が発生する。これにより、コア鋼板の内周縁が中央側のコア鋼板に密着し、振動の発生が抑制される。
コア鋼板を示す図である。 コア鋼板の断面図である。 コア鋼板を積層し、かつボルト締め付け前の状態を示す図である。
以下、本発明の実施形態を、図面に従って説明する。図1は、積層されて回転電機のステータコアを形成するコア鋼板10を示す図である。コア鋼板10は、概略円環板形状を有し、積層されたときにステータコアのヨークとなる外周側の円環部12と、円環部12の内側に周方向に配列された、ステータコアのティースとなる歯部14とを有する。コア鋼板10を積層した後、隣接する歯部14の間の隙間を通すようにして、導線が歯部14に巻き付けられてコイルが形成される。コア鋼板10の外周には、外周縁から外側に延びた3個の突片16が設けられている。突片16には貫通孔18が開けられている。これらの貫通孔18には、ボルトが貫通して、積層された鋼板を結束する。突片16および貫通孔18の数は、3個以外であってもよい。
図2は、図1に示すC−C線における断面図である。図示されるように、コア鋼板10は積層される前は平板でなく、円環部12の外周縁20で規定される平面に対して、歯部14の先端、つまり内周縁22が寸法hだけずれて位置している。内周縁22が、外周縁20から最も大きくずれている。また、ずれ量は、外周縁20から内周縁22に向けて単調に増加(一定の区間を含んでよい)するようにできる。より具体的には、コア鋼板の外周側が一つの平面内に位置し、この部分より内側の部分が円錐側面内に位置するようにできる。図1,2に示すコア鋼板10においては、円環部12の全体または円環部12の外周側の部分が一つの平面内に位置し、この部分より内側の部分が円錐側面内に位置している。この円錐の中心軸線は、コア鋼板10の円環形状の中心軸線、したがってステータコアの中心軸線Dと一致している。突片16は、円環部12の一平面内に位置する部分と同じ平面内に位置するようにできる。
図3は、コア鋼板10を積層方向にそろえて重ねた状態を示す図である。各コア鋼板10の貫通孔18はそろえられており、ねじ付きのボルト24が貫通している。ボルト24のねじ部にはナット26がねじ結合されている。ボルト24は、六角ボルトとして図示されているが、六角穴付きボルトなど他の種類のボルトであってもよい。ナット26は、1個の六角ナットとして図示されているが、袋ナットなどの他の種類のナットであってもよい。また、緩み止めの機能を有するロックナットを用いてもよい。
図3は、ボルト24とナット26を締め付ける前の状態を示している。図3において上側のコア鋼板10Aは内周縁22のずれが下に向いて配置されており、下側のコア鋼板10Bは逆に内周縁22のずれが上に向くよう配置されている。言い換えれば、ステータコアの軸線Dの方向における両端部に位置するコア鋼板10A,10Bは、内周縁の外周縁に対するずれがステータコアの軸線Dの方向における中央に向くように配置されている。なお、コア鋼板10A,10Bは、個々のコア鋼板の形状に差異はなく、互いに裏返しになるように配置されたものである。締め付け前の状態では、コア鋼板10Aで構成される上側の群と、コア鋼板10Bで構成される下側の群の互いに隣接するコア鋼板の内周縁22が接している。また、外周縁20側では、上側の群と下側の群の間に間隔がある。
図3の状態から、ボルト24とナット26を締め付けると、上下の群の間隔は詰まり、各コア鋼板10A,10Bは、内周縁22のずれが小さくなるように変形される。最終的には、隣接するコア鋼板10A,10Bの間の隙間がなくなるまでボルト24とナット26が締め付けられる。この変形に抗する力として、各コア鋼板10A,10Bには、内周縁22を軸線方向の中央に向かわせる内部応力が発生する。これにより、コア鋼板10A,10Bの内周縁22同士が密着した状態が維持され、各コア鋼板10A,10Bの内周側の部分、特に歯部14のばたつきを抑制することができる。
上述の実施の形態においては、ステータコアを構成する全てのコア鋼板10が、内周縁が外周縁の規定する平面に対してずれたものであったが、内周縁のずれがないコア鋼板(平坦なコア鋼板)を含めてステータコアを形成してもよい。具体的には、ステータコアの軸線方向の中央部に平坦なコア鋼板を配置し、その両側を所定枚数の内周縁のずれがあるコア鋼板で挟むようにする。内周縁のずれの方向は、図3と同様、ステータコアの軸線方向において中央に向かう方向である。ステータコアの軸線方向両端部に配置されたコア鋼板の内周縁が、平坦なコア鋼板の内周縁に押し付けられて、互いに密着してばたつきが抑制される。また、平坦なコア鋼板の内周縁も両側から挟まれることにより、ばたつきが抑制される。
10 コア鋼板、12 円環部、14 歯部、16 突片、18 貫通孔、20 外周縁、22 内周縁、24 ボルト、26 ナット。

Claims (1)

  1. 円環形状のコア鋼板を積層し、コア鋼板の外周に設けられた孔を貫通するボルトにより積層されたコア鋼板同士を結束して形成される回転電機のステータコアであって、
    ステータコアの軸線方向両端部に配置されるコア鋼板は、積層される前、当該コア鋼板の内周縁が、外周縁が規定する平面に対してずれて位置しており、前記内周縁のずれがステータコアの軸線方向における中央に向くよう配置されている、
    回転電機のステータコア。

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