JP2012050226A - 永久磁石形回転電機の回転子 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来構造の非磁性端板を省略して部品の種類を削減し、その代わりに回転子コアのネジ締結体を利用して埋め込み磁石を抜け止め保持できるようにた永久磁石形回転電機の回転子組立構造を提供する。
【解決手段】コアプレート2の積層ブロックになる回転子コア1の周域に沿って各極の永久磁石3を埋め込み、かつ前記積層ブロックをボルト締結した上で、回転子軸8にマウントした構成になる永久磁石形回転機の回転子であって、その回転子コアには磁石挿入穴、回転子軸穴、およびボルト挿通穴を軸方向に打ち抜き形成したものにおいて、永久磁石3の各極と個々に対応してその磁石挿入穴の近接位置に締結ボルト5を挿通した上で、該ボルトを両端から締め付けるボルト頭部5a,ナット6の周縁部が磁石挿入穴の端面に懸かるように迫り出して永久磁石3を軸方向に抜け止め保持する。
【選択図】図1
【解決手段】コアプレート2の積層ブロックになる回転子コア1の周域に沿って各極の永久磁石3を埋め込み、かつ前記積層ブロックをボルト締結した上で、回転子軸8にマウントした構成になる永久磁石形回転機の回転子であって、その回転子コアには磁石挿入穴、回転子軸穴、およびボルト挿通穴を軸方向に打ち抜き形成したものにおいて、永久磁石3の各極と個々に対応してその磁石挿入穴の近接位置に締結ボルト5を挿通した上で、該ボルトを両端から締め付けるボルト頭部5a,ナット6の周縁部が磁石挿入穴の端面に懸かるように迫り出して永久磁石3を軸方向に抜け止め保持する。
【選択図】図1
Description
本発明は、永久磁石形回転電機の回転子構造に関する。
永久磁石形回転電機の回転子として、コアプレート(電磁鋼板)の積層体になる回転子コアに永久磁石を埋め込み、その両端に端板を重ねて一体にボルト締結した上で、回転子コアの組立体を回転子軸にマウントした磁石埋め込み型の回転子構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
次に、磁極数が6極の磁石埋め込み型回転子を例に、従来の組立構造を図7(a)〜(c)に示す。図において、1は円盤状のコアプレート2を軸方向に積層した積層ブロック1Aと1Bからなる回転子コア、3は積層ブロック1A,1Bの周域に沿って各ブロックに埋め込んだ永久磁石、4は回転子コア1の両端に重ねて永久磁石3を抜け止め保持する端板、5は回転子コア1と端板4を一体に締結するボルト、5aはボルト頭部、6はナット、7はナット6と端板4の間に介挿した座金(スプリングワッシャー)、8は回転子軸、8aはキーである。なお、図示例の回転子では、コギングトルク対策として、軸方向に並ぶ積層ブロック1Aと1Bとの間にスキュー角θ=2.5°を設定している。
ここで、回転子コア1の軸中心を基準として、電磁鋼板のコアプレート2には磁極数(6極)に対応する磁石挿入穴(長方形の角穴)、締結ボルト5(4本)の挿通穴、回転子軸8を嵌め込む回転子軸穴、および回転子軸穴の周上に外接するキー溝2aが打ち抜き形成されている。なお、磁石挿入穴については、永久磁石3の外形に対応する長方形の穴が正六角形の各辺を形成するようにコアプレート2の外周に沿って割り付け、その内周側でボルト通し穴が90°間隔で4箇所に穿孔されている。
一方、コア積層ブロック1の両端に配して磁石挿入穴の端面を塞ぐ磁石抜け止め用の端板4は、永久磁石3の漏れ磁束を防ぐために、真鍮,銅,ステンレスなどの非磁性材製として端板4自身が漏れ磁束の磁路を形成しないようにしている。
前記した従来の回転子構造では、永久磁石3の抜け防止用としてコア積層ブロック1の両端に配した端板4は、永久磁石の漏れ磁束を防ぐようにステンレスなどの非磁性材で構成している。このために、回転子の構成部品の種類が増え、端板4の製作費,組立工数も加わって製造コストがアップする。
なお、先記の特許文献1には、非磁性材の端板を用いる代わりに、回転子コア全体を樹脂モールドして永久磁石を抜け止め保持するようにした構成が開示されているが、組立ラインに樹脂モールド設備を要するなど、製造コストの低減化が困難である。
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、製造コストの低減化を狙いに先記した従来構造(図7参照)の非磁性端板を省略して部品の種類を削減し、その代わりに回転子コアのネジ締結体を利用して埋め込み磁石を抜け止め保持できるようにした永久磁石形回転電機の回転子組立構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明によれば、コアプレートの積層ブロックになる回転子コアの周域に沿って各極の永久磁石を埋め込み、かつ前記積層ブロックをボルト締結した上で、回転子軸にマウントした構成になる永久磁石形回転機の回転子であって、その回転子コアには磁石挿入穴、回転子軸穴、およびボルト挿通穴を軸方向に打ち抜き形成したものにおいて、
前記永久磁石の各極と個々に対応してその磁石挿入穴の近接位置に締結ボルトを挿通した上で、該ボルトを両端から締め付ける締結部品をその周縁一部が磁石挿入穴の端面に懸かるように迫り出して永久磁石を抜け止め保持するものとし(請求項1)、具体的にはボルト挿通穴を磁石挿入穴の中央内周縁に近接して穿設し(請求項2)、ここに挿通した締結ボルトのボルト頭部,ナット、ないしボルト頭部,ナットに組合せた座金を締結部品としてその周縁一部が磁石挿入穴に懸かるようにして回転子コアをボルト締結する(請求項3)。
前記永久磁石の各極と個々に対応してその磁石挿入穴の近接位置に締結ボルトを挿通した上で、該ボルトを両端から締め付ける締結部品をその周縁一部が磁石挿入穴の端面に懸かるように迫り出して永久磁石を抜け止め保持するものとし(請求項1)、具体的にはボルト挿通穴を磁石挿入穴の中央内周縁に近接して穿設し(請求項2)、ここに挿通した締結ボルトのボルト頭部,ナット、ないしボルト頭部,ナットに組合せた座金を締結部品としてその周縁一部が磁石挿入穴に懸かるようにして回転子コアをボルト締結する(請求項3)。
また、永久磁石の漏洩磁束を抑制するために、前記ボルト,およびその締結部品を非磁性材製とする(請求項4)。
上記の構成によれば、従来構造のように回転子コアの両端に永久磁石の抜け止め用の非磁性端板を省略した端板レス構造で、回転子コアのコアプレートを軸方向に締結するボルト締結体を利用して回転子コアに埋め込んだ永久磁石を抜け止め保持することができ、これにより部品の種類を減らして製作コストの低減化が図れる。
また、経年変化で磁気特性が劣化した永久磁石を取り替える場合でも、前記ボルト締結体を外すことで、回転子から埋め込み磁石を簡単に取り外して新品と交換することが可能である。さらに、ボルト締結体を非磁性材製とすることで、永久磁石の漏れ磁束を従来の非磁性端板と同等に抑制できる。
以下、本発明の実施の形態を図1〜図6に示す実施例に基づいて説明する。なお、各実施例の図中で図7に対応する部材には同じ符号を付してその説明は省略する。
まず、本発明の基本的な実施例を図1,図2で説明する。図示実施例の回転子構造は、図7に示した従来の組立構造から端板4を省略した端板レス構造であり、端板を用いずに回転子コア1に埋め込んだ永久磁石3が軸方向に抜け出るのを防ぐために、締結ボルト5を次記のように配置し、その締結ボルト5のボルト頭部5a,およびナット6を利用して永久磁石3を抜け止め保持するようにしている。
まず、本発明の基本的な実施例を図1,図2で説明する。図示実施例の回転子構造は、図7に示した従来の組立構造から端板4を省略した端板レス構造であり、端板を用いずに回転子コア1に埋め込んだ永久磁石3が軸方向に抜け出るのを防ぐために、締結ボルト5を次記のように配置し、その締結ボルト5のボルト頭部5a,およびナット6を利用して永久磁石3を抜け止め保持するようにしている。
すなわち、図7の従来構造では、磁極数が6極である回転子コア1に対して締結ボルト5は90°間隔で永久磁石3の内周側に4本配置しているのに対し、図示実施例の構造では、締結ボルト5の本数を永久磁石3の磁極数と同じ6本とした上で、各本の締結ボルト5が各極の永久磁石3と個々に対応してその中央の内周側寄りに近接して回転子コア1に嵌挿し、この嵌挿位置でボルト頭部5aと、反対側からボルト5のねじ軸部に螺合して締め付けたナット6とで回転子コア1を締結している。そして、このボルト締結状態でボルト頭部5a,およびナット6は、その周縁一部が回転子コア1に穿設した永久磁石挿入穴の端面に懸かるように迫り出して永久磁石3の両端を軸方向に抜け止め保持している(図2(a),(b)参照)。
上記の回転子組立構造によれば、従来構造の端板4(図7参照)を用いずに、永久磁石挿入穴の端面に迫り出した締結ボルト5のボルト頭部5a,およびナット6の周縁が回転子コア1に埋め込んだ永久磁石3の抜け出しを防ぐガードの役目を果たして各極の永久磁石3を所定位置に保持しており、これにより回転子の組立部品の種類を減らして製作コストの低減化が図れる。また、永久磁石3に対して締結ボルト5を磁石挿入穴の略中央位置でその内周縁寄りに挿通することで、偏荷重なしに永久磁石3を安定よく抜け止め保持できる。
なお、上記の構造で回転子コア1の永久磁石挿入穴に迫り出して永久磁石3の端面に対峙するボルト頭部5a,ナット6の面積は小面積であり、永久磁石の漏れ磁束に及ぼす影響も小さいが、締結ボルト5,ナット6(ボルト5の締結部品)を非磁性材製とすれば漏れ磁束の影響が皆無となるので、従来の非磁性端板を用いた回転子構造と同等な磁気特性を確保できる。
次に、図1に示した実施例の変形例として、ボルト締結体の組合せを一部変更した応用実施例1〜4の構造を図3〜図6に示す。
図3は図1のボルト締結構造に対して、ボルト頭部5a,ナット6の内側に座金7を組合せ、この座金7の周縁一部を永久磁石挿入穴の端面に迫り出して永久磁石3を抜け止め保持するようにしている。この構造では、座金7の外径サイズをボルト頭部5a,ナット6の外径サイズより一回り大きいサイズに選定することで、永久磁石3の端面に対峙する抜け止めガード幅が拡大する。
図4は、図3に示した座金7をナット6にのみ組合せ、ボルト頭部5aは座金を介さずに永久磁石挿入穴に懸かるようにしており、その他は図3の応用実施例1と同様である。
図5は、回転子コア1の締結ボルトとして、ボルトの両端にねじ部9a切った両ねじボルト9を用い、そのボルト9の両端ねじ部9aに螺合して締め付けたナット6の周縁部で永久磁石3抜け止め保持するようにしている。
図6は、図5におけるナット6の内側に座金7を組合せ、この座金7で永久磁石3を抜け止め保持するようにしている。
1 回転子コア
2 コアプレート(電磁鋼板)
3 永久磁石
5 締結ボルト
5a ボルト頭部
6 ナット
7 座金
8 回転軸
9 両ねじボルト
2 コアプレート(電磁鋼板)
3 永久磁石
5 締結ボルト
5a ボルト頭部
6 ナット
7 座金
8 回転軸
9 両ねじボルト
Claims (4)
- コアプレートの積層ブロックになる回転子コアの周域に沿って各極の永久磁石を埋め込み、かつ前記積層ブロックをボルト締結した上で、回転子軸にマウントした構成になる永久磁石形回転機の回転子であって、その回転子コアには磁石挿入穴、回転子軸穴、およびボルト挿通穴を軸方向に打ち抜き形成したものにおいて、
前記永久磁石の各極と個々に対応してその磁石挿入穴の近接位置に締結ボルトを挿通した上で、該ボルトを両端から締め付ける締結部品の周縁一部が磁石挿入穴の端面に懸かるように迫り出して永久磁石を軸方向に抜け止め保持することを特徴とする永久磁石形回転電機の回転子。 - 請求項1に記載の回転子において、ボルト挿通穴を磁石挿入穴の中央内周縁に近接して穿設したことを特徴とする永久磁石形回転電機の回転子。
- 請求項1または2に記載の回転子において、締結ボルトのボルト頭部,ナット、ないしボルト頭部,ナットに組合せた座金を締結部品として、その締結部品の周縁一部が磁石挿入穴に懸かるようにして回転子コアをボルト締結したことを特徴とする永久磁石形回転電機の回転子。
- 請求項1ないし3に記載の回転子において、締結ボルト,およびその締結部品が非磁性材であることを特徴とする永久磁石形回転電機の回転子。
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