JP2016051728A - 活性炭、活性炭の炭素原料およびこれらの製造方法 - Google Patents

活性炭、活性炭の炭素原料およびこれらの製造方法 Download PDF

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正利 西田
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政喜 藤井
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慶三 猪飼
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正剛 小関
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Abstract

【課題】 電気二重層キャパシタおよびリチウムイオンキャパシタに使用する際、低温条件下でも十分に高い静電容量を発揮することができる活性炭を提供する。【解決手段】 ナトリウムの含有量が20ppm以上4000ppm未満であり、リンの含有量が100ppm以上2000ppm未満であり、レーザー散乱式粒度分布計で測定した平均粒子径が1μm以上50μm未満であり、BET比表面積が1400m2/g以上3300m2/g未満であるキャパシタ用活性炭。【選択図】 図1

Description

本発明は、活性炭および活性炭の炭素原料、特に電気二重層キャパシタやリチウムイオンキャパシタの電極に使用するのに最適な活性炭および活性炭の炭素原料に関する。
電気二重層キャパシタ(EDLC)やリチウムイオンキャパシタ(LIC)は、一般的な二次電池と比較して、出力密度および充放電のサイクル寿命に優れているという特徴を有し、近年、自動車のアイドリングストップシステムに採用されるなど、その用途は拡大している。
電気二重層キャパシタは、正極および負極として、活性炭で構成された一対の分極性電極を、セパレータを介して対向させた構造を有している。各分極性電極には水溶性電解質溶液や非水溶媒電解質溶液が含浸されており、各分極性電極はそれぞれ集電極と接触している。
電気二重層キャパシタの特性の中でも抵抗、低温特性や寿命等の性能は、分極性電極として用いられる活性炭の性能に左右される。電気二重層キャパシタの分極性電極用の炭素材としては、通常、大きな比表面積を有する活性炭が用いられる。
活性炭は、通常、800℃以下の温度で炭素質材料を炭化した後、賦活処理することにより製造される。ここで、賦活処理は、例えば、水蒸気、二酸化炭素などの雰囲気中で加熱する方法(ガス賦活法)、塩化亜鉛、水酸化カリウム等を混合して不活性雰囲気で加熱する方法(薬品賦活法)などにより行われる(例えば特許文献1、2)。この賦活過程では、炭素化過程で生じた炭素材の表面に、吸着に適した多数の細孔が生成する。そして、分極性電極は、活性炭に導電剤および結合剤を加えて混練圧延する方法や、活性炭に未炭化樹脂類を混合して焼結する方法などにより作製される。
国際公開第2012/074054号パンフレット 特開2011−136856号公報 特開2005−104148号公報
近年、電気二重層キャパシタやリチウムイオンキャパシタの用途拡大に伴い、キャパシタには出力特性だけでなく容量が求められるようになってきた。これは、自動車などのアプリケーションにおいて、設置場所の制約があるため同じ体積で容量が高いキャパシタ、もしくは、同じ容量で体積が小さいキャパシタが所望されるためである。そして、自動車のような輸送機器に用いられる場合、外部環境温度が氷点下から70℃程度までの広い温度域にさらされるため、電解液の粘度が高くなる低温度でも室温と同様の容量を発揮する必要がある。
電気二重層キャパシタもしくはリチウムイオンキャパシタの容量は、活性炭電極の電気二重層容量により決定される。従来のアルカリ賦活法を用いた場合に、活性炭の静電容量を大きくすることはできた。しかしながら、水酸化カリウムを主に用いて賦活するアルカリ賦活法によって製造した活性炭を用いた場合、キャパシタは室温で高い静電容量を発揮するものの、低温条件下では静電容量を十分に発揮できないという課題があった。
本発明は、電気二重層キャパシタ、およびリチウムイオンキャパシタにおいて、低温条件下でも十分に高い静電容量を発揮することができる活性炭、活性炭の炭素原料およびこれらの製造方法を提供することを目的とする。
電気二重層キャパシタやリチウムイオンキャパシタの静電容量を、低温条件下でも維持することのできる活性炭について、鋭意検討を行った。その結果、石油系ディレードコークスを炭化した後、リン化合物を加えて酸化した炭素原料、または、酢酸セルロースとリン化合物の混合物を不活性雰囲気下で加熱して炭化した炭素原料を、賦活剤として水酸化ナトリウムを用いて賦活処理して得られる活性炭であれば、低温条件下でも十分に高い静電容量を発揮するキャパシタとすることができることを見出し、本発明に想到するに至った。
すなわち、本発明に係る活性炭は、ナトリウムの含有量が20ppm以上4000ppm未満であり、リンの含有量が100ppm以上2000ppm未満であり、レーザー散乱式粒度分布計で測定した平均粒子径が1μm以上50μm未満であり、BET比表面積が1400m/g以上3300m/g未満であるキャパシタ用活性炭である。
本発明は、別の側面で活性炭の炭素原料であり、当該炭素原料は、リンの含有量が0.3質量%〜2.0質量%以下であり、酸素の含有量が10質量%以上30質量%未満であり、水素原子と炭素原子とのモル比H/Cが0.05〜0.54であり、BET比表面積が100m/g以上600m/g未満である活性炭製造用の炭素原料である。
本発明は、別の側面で活性炭の炭素原料の製造方法であり、当該製造方法は、易黒鉛化性炭素材料を不活性雰囲気下で加熱して炭化コークスとする炭化工程と、前記炭化コークスにリン化合物を加えて加熱して酸化物とする酸化工程と、前記酸化物を洗浄する洗浄工程とを少なくとも含む製造方法である。
本発明は、別の側面で上記とは異なる活性炭の炭素原料の製造方法であり、当該製造方法は、酢酸セルロースとリン化合物を少なくとも含む混合物を不活性雰囲気下で加熱して炭化する炭化工程を少なくとも含む製造方法である。
本発明は、別の側面で活性炭の製造方法であり、当該製造方法は、上記炭素原料と水酸化ナトリウムとの混合物を不活性雰囲気下で賦活処理する賦活処理工程を少なくとも含み、前記混合物の前記炭素原料と前記水酸化ナトリウムの質量比は1:1.5〜3.5であり、前記活性炭は、ナトリウムの含有量が20ppm以上4000ppm未満であり、リンの含有量が100ppm以上2000ppm未満であり、レーザー散乱式粒度分布計で測定した平均粒子径が1μm以上50μm未満であり、BET比表面積が1400m/g以上3300m/g未満である活性炭の製造方法である。
本発明は、別の側面で上記活性炭を電極に用いた電気二重層キャパシタである。
本発明は、別の側面で上記活性炭を電極に用いたリチウムイオンキャパシタである。
本発明によれば、電気二重層キャパシタ、およびリチウムイオンキャパシタに使用する際、低温条件下でも十分に高い静電容量を発揮することができる活性炭を提供することができる。
ラミネートセルの構造を説明する斜視図である。 ラミネートセルの充放電の関係を示すグラフである。
以下に、本発明の実施の形態について、その一態様を説明する。ただし、本発明は、以下に説明する実施の形態によって限定されるものではない。
まず、活性炭について説明する。キャパシタ用の活性炭は、ナトリウムの含有量が20ppm以上4000ppm未満であり、リンの含有量が100ppm以上2000ppm未満であり、レーザー散乱式粒度分布計で測定した平均粒子径が1μm以上50μm未満であり、BET比表面積が1400m/g以上3300m/g未満である。
活性炭のナトリウム含有量が20ppm以上4000ppm未満の場合には、キャパシタに使用した際に低温条件下でも十分に高い静電容量を発現することができる。ナトリウムは、賦活時に炭素結晶内に侵入して活性炭の結晶間を押し広げることができ、その結果、電解液の粘度が高くなる低温時においても、イオンの出入りが容易になるものと考えられる。活性炭のナトリウム含有量が20ppm未満の場合、活性炭の結晶間を押し広げる効果が十分でないため、低温条件下の静電容量が減少する傾向にある。また、ナトリウム含有量が4000ppmより大きい場合は、過剰量のナトリウムによって細孔が閉塞し、比表面積そのものが低下して静電容量が減少してしまう傾向にある。活性炭のナトリウム含有量が、40ppm〜3500ppmであれば、低温条件下でより高い静電容量を発現することができる。
活性炭のリンの含有量が100ppm以上2000ppm未満の場合には、キャパシタに使用した際に低温条件下でも十分に高い静電容量を発現することができる。リン含有量が100ppm未満の場合には、低温条件下の静電容量が減少する傾向がある。また、リン含有量が2000ppm以上の場合は、比表面積が低下して静電容量が減少する傾向がある。活性炭のリンの含有量が、200ppm以上1500ppm未満であれば、低温条件下でより高い静電容量を発現することができる。
活性炭の平均粒子径が、1μm以上50μm未満の場合には、キャパシタに使用した際に、低温条件下でも十分に高い静電容量を発揮することができる。活性炭の平均粒子径が1μmより小さい場合は、キャパシタ電極として加工することが難しくなる。また、平均粒子径が50μmより大きい場合は、薄い電極を製造することが困難になるため好ましくない。活性炭の平均粒子径が、2μm以上20μm未満であれば、低温条件下でより高い静電容量を発現することができる。活性炭の平均粒子径は、レーザー散乱式粒度分布計で測定する。
活性炭のBET比表面積が、1400m/g以上3300m/g未満であることにより、キャパシタに使用した際に、低温条件下でも十分に高い静電容量を発揮することができる。BET比表面積が1400m/g未満の場合、細孔容積そのものが小さいためキャパシタにした際の低温条件下において静電容量が低下する傾向にある。また、BET比表面積が3300m/g以上の場合、細孔容積が大きすぎるため、体積当りで十分な静電容量が得られないため、好ましくない。
上記したナトリウム、およびリンの含有量、平均粒子径、およびBET比表面積の条件を満たす活性炭であれば、キャパシタに使用した際に、低温条件下でも十分に高い静電容量を発揮することができる。これらの条件のいずれかが上記範囲から外れると、キャパシタに使用した際に、低温条件下にて静電容量を十分に発揮することができない。
次に、活性炭製造用の炭素原料について説明する。活性炭の炭素原料は、リンの含有量が0.3質量%〜2.0質量%であり、酸素の含有量が10質量%以上30質量%未満であり、水素原子と炭素原子とのモル比H/Cが0.05〜0.54であり、BET比表面積が100m/g以上600m/g未満である。
炭素原料のリンの含有量、H/C、および酸素の含有量が上記範囲内であれば、アルカリ賦活剤、特に水酸化ナトリウムの賦活活性を高めることができる。また、賦活工程での噴きこぼれや膨張を防ぐことができるため、活性炭の生産効率を高めると共に、キャパシタに使用した際に、十分な静電容量を得ることができる。特に、キャパシタに使用した際に、低温条件下でも十分に高い静電容量を発揮することができる活性炭を提供することができる。
炭素原料中のリンの含有量が0.3質量%〜2.0質量%である場合、アルカリ賦活剤、特に水酸化ナトリウムの賦活活性を高め、キャパシタに使用した際に、低温条件下でも十分に高い静電容量を発揮することができる活性炭を提供することができる。リンの含有量が0.3質量%未満の場合、賦活工程において、噴きこぼれが生じやすく、かつ上記範囲のリンを含む原料を用いた場合と比較して、比表面積が小さい活性炭しか得ることができない。また、リンの含有量が2.0%を超える場合は、アルカリ賦活反応が十分に進行しないため、目的の活性炭を得ることができない。
炭素原料中の水素原子と炭素原子とのモル比H/Cが0.05〜0.54である場合、キャパシタに使用した際に、低温条件下でも十分に高い静電容量を発揮することができる活性炭を提供することができる。一方、H/C比が0.05未満の場合、炭素原料の炭化度が高すぎることにより、キャパシタが低温条件下で高い静電容量を発現するための細孔を十分に得ることができない。また、H/C比が0.54より大きい場合、アルカリ賦活中に激しく発泡し噴きこぼれるため、目的の活性炭を得ることができない。
炭素原料中の酸素の含有量が10質量%以上30質量%未満である場合、キャパシタに使用した際に、低温条件下でも十分に高い静電容量を発揮することができる活性炭を提供することができる。酸素の含有量が10質量%より小さい場合、アルカリ賦活剤、特に水酸化ナトリウムとの反応性が悪く、キャパシタに使用した際に大きな静電容量が得られる比表面積の大きい活性炭を得ることができない。酸素の含有量が30質量%以上の場合、目的とする活性炭より比表面積が大きい活性炭となるため、好ましくない。また、賦活反応収率が極端に低下するため、工業生産性に著しく劣る。
炭素原料のBET比表面積が、100m/g以上600m/g未満であることにより、キャパシタに使用した際に、低温条件下でも十分に高い静電容量を発揮することができる活性炭を提供することができる。炭素原料のBET比表面積が、100m/g未満の場合、アルカリ賦活剤、特に水酸化ナトリウムとの反応性が悪く、キャパシタに使用した際に低温条件下でも充分に静電容量を発現する活性炭を得ることが難しい。また、炭素原料のBET比表面積が、600m/g以上の場合、炭素原料の大部分において炭化が過度に進行しているため、微細な細孔が生じにくく、キャパシタに使用した際に高い静電容量を発現する活性炭を得ることが難しい。
上記したリンおよび酸素の含有量、およびBET比表面積の条件を満たす炭素原料であれば、所定量の水酸化ナトリウムを用いて当該炭素原料を賦活処理することにより、キャパシタに使用した際に、低温条件下でも十分に高い静電容量を発揮することができる活性炭を提供することができる。これらの条件のいずれかが上記範囲から外れると、キャパシタに使用した際に、低温条件下にて静電容量を十分に発揮することができない。
次に、炭素原料の製造方法について説明する。炭素原料の製造方法は、炭化工程と、酸化工程と、洗浄工程とを少なくとも含む。
前記炭化工程は、易黒鉛化性炭素材料を不活性雰囲気下で加熱して炭化コークスとする工程である。易黒鉛化性炭素材料を炭化するのは、揮発分を減少させるためである。揮発分が除去されると、後工程である酸化工程にて炭化コークスとリン化合物とがより接触し、酸化され易くなる。易黒鉛化性炭素材料の炭化は、本工程にてコークスが酸化しないよう不活性ガスによる不活性雰囲気下で加熱して行う。不活性ガスとしては、窒素ガスや希ガス等を用いることができる。また、加熱は、500℃〜900℃、より好ましくは500℃〜800℃の温度範囲で行うことができる。その際、昇温速度については特に制限はないが、あまり遅すぎても処理工程に時間がかかり、逆にあまり急激な温度上昇は揮発分の爆発的な揮散を招き、結晶構造を破壊することがある。これらの点を考慮して、加熱していない状態(例えば気温約25℃)から、通常は30℃/時〜600℃/時、より好ましくは60℃/時〜300℃/時程度の昇温速度とすることが望ましい。目標の温度に達した後は、一定時間その温度を保持する。この保持時間は、たとえば10分〜2時間程度である。これらの炭化条件により、揮発分の除去が容易となる。
出発原料として用いる易黒鉛化性炭素材料は、高温熱処理により黒鉛化し得る炭素材料である。易黒鉛化性炭素材料としては、泥炭、草炭、亜炭、褐炭、瀝青炭、無煙炭などの石炭、コールタール、石油又は石炭ピッチ、コークスなどの鉱物系原料などを利用することができる。ピッチは等方性ピッチであってもよく異方性ピッチ(メソフェーズピッチなど)であってもよい。これらの炭素材料は単独で又は二種以上組み合わせて使用することができる。易黒鉛化性炭素材料は、黒鉛化の容易な炭素材料であり、上記炭素材料のうち、石油コークスや石炭コークス等が挙げられ、また、メソフェーズピッチやそれを紡糸したメソフェーズピッチ繊維を不融化・炭素化したもの等を挙げることができる。これらの中では石油コークスが好ましい。易黒鉛化性炭素材料を使用することにより、得られる活性炭の静電容量が大きくなり、ニードルコークスであれば、高純度で賦活が容易となる。
石油コークスは、石油の重質留分を、例えば温度450℃〜550℃、圧力0.01〜1.00MPaの条件で熱分解(コーキング)して得られる固形の炭素を主成分とする製品であり、通常の石炭系のコークスに対して石油コークスと呼ぶ。石油コークスにはディレード・コーキング法によるものとフルイド・コーキング法によるものとがあり、現在においては前者によるものが大半を占めている。炭素原料の出発原料としては、この石油コークスでコーカーから取り出されたままの状態である石油生コークス(生コークス)を用いるのが好ましい。ディレード・コーキング法により生産される生コークスは揮発分が通常6質量%〜13質量%であり、フルイド・コーキング法により生産される生コークスは揮発分が通常4質量%〜7質量%である。いずれの方法による生コークスを用いてもよいが、容易に入手が可能でかつ品質の安定したディレード・コーキング法により生産される生コークスが特に好適である。
上記石油の重質留分としては、特に限定されないが、石油類を減圧蒸留したときに残渣油として得られる重質油、石油類を流動接触分解した際に得られる重質油、石油類を水素化脱硫した際に得られる重質油、およびこれらの混合物等が挙げられる。減圧蒸留の条件としては、例えば、10〜30Torrの減圧下で原油を加熱炉出口温度320〜360℃の範囲で変化させる方法が挙げられる。そして、流動接触分解の条件としては、例えば、常圧蒸留残油を流動接触分解装置にて、リアクター反応温度510〜540℃、触媒/残油比率6〜8の範囲で変化させて反応させる方法が挙げられる。また、水素化脱硫の条件としては、例えば、触媒存在下で硫黄分2.0〜5.0%の残渣油を触媒存在下、全圧180MPa、水素分圧160MPa、温度380℃で反応させる方法が挙げられる。
炭素原料の製造方法における酸化工程は、前記炭化コークスにリン化合物を加えて加熱して酸化物とする工程である。炭化コークスにリン化合物を加えて酸化させ、改質させることにより、比較的安価で賦活力の弱い水酸化ナトリウムを賦活剤として用いることができる。そして、賦活後の活性炭は、キャパシタに使用した際に、低温条件下でも十分に高い静電容量を発揮することができる。
リン化合物としては、リン酸、亜リン酸、ペルオキソ一リン酸、五酸化二リン等を使用することができる。特に工業的に使用されているリン酸が望ましい。リン化合物は、炭化コークスとリン化合物との質量比が1:3〜10となるように加えることができる。加熱は、80℃〜150℃で30分〜2時間行うことができる。酸化工程の一例としては、リン化合物水溶液に炭化コークスを加え、撹拌しながら120℃で1時間加熱して、酸化させる工程が挙げられる。
炭素原料の製造方法における洗浄工程は、前記酸化物を洗浄する工程である。酸化物に不純物が残留していると、活性炭の製造やキャパシタとした場合に悪影響を及ぼすおそれがあるため、洗浄により不純物を除去する。この洗浄工程により、例えば、洗浄排水のpHが6〜7程度になるまで洗浄すれば、不純物を十分に除去することができる。酸化物の洗浄方法としては、酸化物を洗浄液により洗浄し、固液分離する方法を採用することができる。例えば、酸化物を洗浄液に浸漬し、必要に応じて撹拌、加熱を行い、洗浄液と混合した後、洗浄液を除去する方法を挙げることができる。
炭素原料の製造方法は、上記工程の他、炭化工程の前に石油系ディレードコークスを粉砕し易いように2mm以下に粒度調整する粒度調整工程や、炭化工程の後にリン化合物との混合を容易とするべく平均粒子径が5μm〜10μmとなるように炭化コークスを粉砕する粉砕工程等を含むことができる。平均粒子径の調整は、通常の方法により行うことができ、例えば、ジェットミル、ボールミル、高圧粉砕ロールによる粉砕のほか、ディスクミル、ビーズミル等といった方法により行うことができる。
次に、上記とは異なる炭素原料の製造方法について、説明する。炭素原料の製造方法は、酢酸セルロースとリン化合物を少なくとも含む混合物を不活性雰囲気下で加熱して炭化する炭化工程を少なくとも含む。炭化させた炭素原料を用いて製造した活性炭は、キャパシタに使用した際に、低温条件下でも十分に高い静電容量を発揮することができる。
炭素原料の製造方法において、酢酸セルロースとリン化合物を少なくとも含む混合物を出発原料とする。出発原料の一例としては、酢酸セルロースに、可塑剤としてリン化合物が加えられた、酢酸セルロースを主とする混合物(例えばフィルム)が挙げられる。酢酸セルロースは、酢酸の置換度が2〜3の範囲にあるものが、工業的に入手可能であるため、好ましい。酢酸で置換されていないセルロースは、加熱溶融しないため、出発原料としては好ましくない。また、酢酸セルロースの形態には特に制限はなく、例えば、フレーク、ペレット、繊維、織布、トウ、フィルム等の形態をとることができる。出発原料中の酢酸セルロース量は、炭化物や活性炭へ余分な不純物が混入することを考慮すると、純度の高いことが好ましい。出発原料中の酢酸セルロース量としては、50質量%以上であれば出発原料として使用可能であり、80質量%以上であることがより好ましい。
また、出発原料中に含まれるリン化合物の例としては、リン酸、リン酸塩、およびリン酸エステル等が挙げられる。リン酸としては、例えばオルトリン酸および縮合リン酸が挙げられる。リン酸塩としては、例えば、アンモニウム塩、アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩が挙げられる。リン酸エステルとしては、例えば、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジフェニルビフェニルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェートが挙げられる。リンは、リン化合物として酢酸セルロース中に分子分散していることが好ましい。出発原料中にリンが存在することにより、炭素材料中のリン量を適切に制御することができる。好ましいリンの量は、炭化温度と時間により異なるが、0.1%〜5%である。0.1%より少ないと、炭素材料中に必要なリン量を得ることができず、5%より多いと、炭素材料中のリン量が過剰になる。炭素材料中のリン量としては、0.1質量%〜2.0質量%であることが、炭化温度と時間を広範囲に設定できるため特に好ましい。
出発原料には、酢酸セルロースとリン化合物の他、これら以外の成分が含まれていてもよく、加熱によって酢酸セルロースと共に溶融する成分であることが好ましい。このような成分としては、例えば、可塑剤、劣化防止剤、紫外線吸収剤(UV剤)、光学異方性コントロール剤、レタデーション制御剤、染料、マット剤、剥離剤、剥離促進剤等が挙げられる。なお、酢酸セルロースの詳細については、特許文献3の段落0140〜0195に記載されている。また、溶媒及び可塑剤、劣化防止剤、紫外線吸収剤(UV剤)、光学異方性コントロール剤、レタデーション制御剤、染料、マット剤、剥離剤、剥離促進剤等の添加剤についても、同じく、特許文献3の段落0196〜0516に詳細に記載されている。
出発原料としては、酢酸セルロースを含む工業製品の生産時に発生する不具合品や使用済み品として廃棄された廃棄物を用いることができる。このような工業製品の例としては、写真フィルム、偏光板、煙草のフィルター、浄水用のろ過膜を挙げることができる。これらの酢酸セルロースを含む工業製品には、例えば写真フィルムに可塑剤としてリン酸エステルが含まれている等、リンが含まれている場合がある。酢酸セルロースを含む工業製品の廃棄物を出発原料に用いる場合は、洗浄、分別、分離等の手段により、廃棄物から予め酢酸セルロースやリン化合物以外の不要な成分を除去することが好ましい。例えば、煙草の廃棄物の場合、巻紙や刻みタバコ等のフィルター以外の部分は予め除去することが好ましい。廃棄物等にリン化合物が含まれていない場合には、廃棄物等にリン化合物を加えることにより、出発原料とすることができる。また、リン化合物が含まれる廃棄物等とリン化合物が含まれていない廃棄物等を適宜混合し、所定のリン量に調整して出発原料として用いることができる。
出発原料は、炭化工程で加熱する前に、破砕または裁断等により適切な大きさや形状に調整しておくことで、炭化の均一化や炭化工程の短縮を図ることができる。
炭化工程では、上記混合物を250℃〜600℃の温度で加熱して、酢酸セルロースを溶融させた後に炭化させる。酢酸セルロースが溶融することにより、混合物中でリン化合物が均一に分散する。不活性雰囲気下とするために用いる不活性ガスとしては、例えば窒素ガスおよびアルゴンガス、ヘリウムガス、キセノンガス、ネオンガス等の希ガスを挙げることができる。加熱時間は、通常は5分〜600分の範囲で、例えば加熱温度が500℃程度であれば5分〜30分、加熱温度が300℃程度であれば30分〜500分と、加熱温度条件に併せて、混合物が炭化するまで行えばよい。加熱温度は、300℃〜500℃が好ましく、350℃〜450℃が特に好ましい。加熱温度が低い炭素材料は、賦活時に賦活原料混合物に膨張が生じ易く、加熱温度が高い炭素材料は賦活時に混合物が容器から吹きこぼれ、いずれの場合も活性炭を得ることが困難になる。
混合物の炭化は、撹拌をせずに静置状態で加熱処理することが、細孔が発達した炭化物が得られるため、好ましい。そのため、炭化工程は、炉内での加熱対象物の搬送方式がローラー式もしくはベルトコンベア式の連続式加熱炉を用いて行うことが好ましい。連続式加熱炉には、加熱対象物の搬送方式がローラー式のローラーハースキルンを用いることが、炉内での温度の制御が容易であるので、より好ましい。
炭素原料の製造方法は、必要に応じて、前記炭化工程後の炭化物を加熱して酢酸を除去する酢酸除去工程を含むことができる。例えば、炭化工程の加熱温度が250℃〜350℃である場合、炭化工程後の炭化物中に酢酸が残留することがある。酢酸が残留すると、アルカリ賦活時に酢酸ガスを発生し、吹きこぼれを起こしやすいこと、及びアルカリ賦活剤の活性を低下させること等の弊害があるため好ましくない。酢酸の除去は、前記炭化物を380℃〜700℃、好ましくは500℃〜650℃の温度で加熱することにより行う。これにより、酢酸が揮発して除去される。炭化物から酢酸が揮発する際の通路が、細孔として炭化物内に多数形成される。炭化物の加熱は、不活性ガスを用いて不活性雰囲気下により行うことが好ましい。不活性ガスとしては、窒素ガスおよびアルゴンガス、ヘリウムガス、キセノンガス、ネオンガス等の希ガス等が挙げられる。また、炭化工程中に発生するCOガスも不活性ガスとして使用することができる。酢酸の除去のための加熱時間は、一般に10分〜10時間の範囲、好ましくは30分〜5時間の範囲である。
酢酸の除去は、撹拌をせずに静置状態で行うことが、細孔が発達した炭化物が得られるため、好ましい。そのため、酢酸除去工程は、炉内での加熱対象物の搬送方式がローラー式もしくはベルトコンベア式の連続式加熱炉を用いて行うことが好ましい。連続式加熱炉には、加熱対象物の搬送方式がローラー式のローラーハースキルンを用いることが、炉内での温度の制御が容易であるので、より好ましい。
次に、活性炭の製造方法について説明する。活性炭の製造方法は、賦活処理工程を少なくとも含む。賦活処理工程では、炭素原料と水酸化ナトリウムとの混合物を不活性雰囲気下で賦活処理する工程である。
水酸化ナトリウムは、賦活反応に使用するアルカリ金属水酸化物として用いる。水酸化ナトリウムは、他のアルカリ金属水酸化物と比べて安価であるものの、賦活力が弱く、通常のアルカリ賦活処理に用いる場合には、過剰量が必要となるため好ましくない。しかしながら、リンにより酸化させて改質させた炭素原料の場合、安価な水酸化ナトリウムを賦活剤として用いることで、賦活後の活性炭は、キャパシタに使用した際に、低温条件下でも十分に高い静電容量を発揮することができる。
前記混合物の前記炭素原料と前記水酸化ナトリウムの質量比は1:1.5〜3.5である。この範囲であれば、賦活後の活性炭は、キャパシタに使用した際に、低温条件下でも十分に高い静電容量を発揮することができる。質量比が上記範囲よりも小さいと、賦活後の活性炭のBET比表面積が小さくなり、低温条件下で十分に高い静電容量を発揮することができない。また、質量比が上記範囲よりも大きいと、賦活後の活性炭のBET比表面積が大きくなり、キャパシタの電極密度が小さくなってしまう。
また、反応条件として不活性雰囲気下とするのは、賦活処理中に炭素原料が酸化することを防ぐためである。不活性雰囲気下とするためには、不活性ガスを用い、例えば、窒素ガスおよびアルゴンガス、ヘリウムガス、キセノンガス、ネオンガス等の希ガス等を用いることができる。
賦活処理工程は、炭素材料と水酸化ナトリウムの混合物を不活性雰囲気下に密閉し、かつ当該混合物を加熱することのできる設備であれば、如何なる設備でも処理可能な工程である。例えば、ヒータを備えた管状炉等を用いることにより、賦活処理を実施することができる。
混合物の加熱は、加熱の無い状態(例えば気温約25℃)から当該混合物の温度を700℃〜900℃まで昇温する昇温段階と、その後、前記混合物の温度を保持する温度保持段階を含む加熱とすることができる。水酸化ナトリウムは、700℃〜900℃程度の高温領域にて、その賦活活性が高まる。そこで、室温の混合物を、アルカリ賦活剤の活性が高まる温度まで昇温する昇温段階を設けることができる。
昇温段階の昇温条件は、賦活処理に用いられる通常の条件とすることが可能であり、1℃/分〜50℃/分の範囲内であれば、賦活処理に問題は生じない。賦活処理の効率や賦活処理に用いる設備にかかる負荷等を考慮すれば、昇温条件を5℃/分〜30℃/分とすることができる。
700℃〜900℃程度の高温領域まで昇温後、混合物の温度を10分〜2時間程、より好ましくは30分〜1時間保持することにより、賦活処理が十分に進行する。
炭素原料の平均粒子径は、水酸化ナトリウムと混合する前に、予め調整することができる。例えば、炭素原料の平均粒子径を1μm〜50μmに調整することにより、均一な賦活処理が容易となる。平均粒子径の調整は、通常の方法により行うことができ、例えば、ジェットミル、ボールミル、高圧粉砕ロールによる粉砕のほか、ディスクミル、ビーズミル等といった方法により行うことができる。
炭素原料と水酸化ナトリウムの混合物は、例えばボールミルヘンシェルミキサー等の機械的に混合する方法やアルカリ賦活剤を溶融状態にして混合する方法を用いて、得ることができる。特に好ましい方法としては、水酸化ナトリウムを炭素原料に配合し、その後、これらの混合物をボールミルで粉砕して混合する方法である。水酸化ナトリウムは、粉体として炭素原料と混合することが好ましい。炭素材料と水酸化ナトリウムを十分に混合すれば、均一な賦活処理が容易となる。この混合工程は、賦活処理が開始することを避けるべく、水酸化ナトリウムの賦活活性が低い室温(例えば25℃)にて行うことが好ましい。
以上のとおり説明した活性炭は、電気二重層キャパシタやリチウムイオンキャパシタの電極に使用される。
次に、電気二重層キャパシタについて説明する。電気二重層キャパシタは、本発明の活性炭を含む電極を備える。この電極は、例えば、本発明の活性炭と結着剤、さらに好ましくは導電剤を加えて構成され、またさらに集電体と一体化した電極であっても良い。
結着剤としては、公知のものを使用することができ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、フルオロオレフィン/ビニルエーテル共重合体架橋ポリマー等のフッ素化ポリマー、カルボキシメチルセルロース等のセルロース類、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等のビニル系ポリマー、ポリアクリル酸等が挙げられる。電極中における結着剤の含有量は特に限定されないが、本発明の活性炭と結着剤の合計量に対して、通常0.1質量%〜30質量%程度の範囲内で適宜選択される。
導電剤としては、カーボンブラック、粉末グラファイト、酸化チタン、酸化ルテニウム等の粉末が用いられる。電極中における導電剤の配合量は、配合目的に応じて適宜選択されるが、本発明の活性炭、結着剤及び導電剤の合計量に対して、通常1質量%〜50質量%、好ましくは2質量%〜30質量%程度の範囲内で適宜選択される。
本発明の活性炭、結着剤、および導電剤を混合する方法としては、公知の方法を適宜適用することができる。例えば、結着剤を溶解する性質を有する溶媒を上記活性炭、結着剤、および導電剤に加えてスラリー状としたものを集電体上に均一に塗布する方法がある。また、溶媒を加えないで上記活性炭、結着剤、および導電剤を混練し、その後に常温または加熱下で加圧成形する方法がある。
集電体としては、公知の材質および形状のものを使用することができる。例えば、アルミニウム、チタン、タンタル、ニッケル等の金属、あるいはステンレス等の合金を用いることができる。
電気二重層キャパシタの単位セルは、一般に上記電極を正極及び負極として一対用い、セパレータ(ポリプロピレン繊維不織布、ガラス繊維不織布、合成セルロース紙等)を介して対向させ、電解液中に浸漬することによって形成される。
電解液としては、公知の水系電解液、有機系電解液を使用することができる。電解液として、有機系電解液を用いることがより好ましい。このような有機系電解液としては、電気化学の電解液の溶媒として使用されているものを用いることができる。例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、スルホラン、スルホラン誘導体、3−メチルスルホラン、1,2−ジメトキシエタン、アセトニトリル、グルタロニトリル、バレロニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、メチルフォルメート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、およびエチルメチルカーボネート等を挙げることができる。なお、これらの電解液は混合して使用することができる。
また、有機電解液中の支持電解質としては、特に限定されないが、電気化学の分野又は電池の分野で通常使用される塩類、酸類、アルカリ類等の各種のものが使用できる。例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等の無機イオン塩、4級アンモニウム塩、環状4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩等が挙げられ、(CNBF、(C(CH)NBF、(CPBF、および(C(CH)PBF等が好ましいものとして挙げられる。
電解液中のこれらの塩の濃度は、通常0.1mol/l〜5mol/l、好ましくは0.5mol/l〜3mol/l程度の範囲内で適宜選択される。電気二重層キャパシタのより具体的な構成は特に限定されないが、例えば、厚さ10μm〜500μmの薄いシート状またはディスク状の一対の電極(正極と負極)の間にセパレータを介して金属ケースに収容したコイン型、一対の電極を、セパレータを介して捲回してなる捲回型、セパレータを介して多数の電極群を積み重ねた積層型等が挙げられる。
次に、リチウムイオンキャパシタについて説明する。リチウムイオンキャパシタは、本発明の活性炭を含む正極とリチウムイオンを吸放出可能な負極を備える。正極は、例えば、本発明の活性炭と結着剤、さらに好ましくは導電剤を加えて構成される。負極は、例えば、ハードカーボンと結着材、導電剤を加えて構成される。正極および負極ともに、集電体と一体化した電極であっても良い。
正極結着剤としては、公知のものを使用することができ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、フルオロオレフィン/ビニルエーテル共重合体架橋ポリマー等のフッ素化ポリマー、カルボキシメチルセルロース等のセルロース類、スチレンブダジエンゴム類、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等のビニル系ポリマー、ポリアクリル酸等が挙げられる。電極中における結着剤の含有量は、特に限定されないが、本発明の活性炭と結着剤の合計量に対して、通常0.1質量%〜30質量%程度の範囲内で適宜選択される。
正極導電剤としては、カーボンブラック、粉末グラファイト、酸化チタン等の粉末が用いられる。電極中における導電剤の配合量は、配合目的に応じて適宜選択される。本発明の活性炭、結着剤及び導電剤の合計量に対して、通常1質量%〜50質量%、好ましくは2質量%〜30質量%程度の範囲内で適宜選択される。
本発明の活性炭、結着剤、および導電剤を混合する方法としては、公知の方法を適宜適用することができる。例えば、結着剤を溶解する性質を有する溶媒を上記活性炭、結着剤、および導電剤に加えてスラリー状としたものを集電体上に均一に塗布する方法がある。また、溶媒を加えないで上記活性炭、結着剤、および導電剤を混練し、その後に常温または加熱下で加圧成形する方法がある。
正極集電体としては、公知の材質および形状のものを使用することができる。例えば、アルミニウム、チタン、タンタル、ニッケル等の金属、あるいはステンレス等の合金を用いることができる。
負極活物質としては、リチウムイオンを吸放出可能な公知のものを使用することができる。例えば、ハードカーボン、コークス、黒鉛、ポリオレフィン等の有機化合物もしくはチタン酸リチウム等の構造にリチウムを含む無機化合物などである。粒子径としては、電極成形の都合から0.01μm〜100μm程度が望ましく、より好ましくは0.1μm〜30μmである。
負極結着剤としては、公知のものを使用することができ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、フルオロオレフィン/ビニルエーテル共重合体架橋ポリマー等のフッ素化ポリマー、カルボキシメチルセルロース等のセルロース類、スチレンブダジエンゴム類、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等のビニル系ポリマー、ポリアクリル酸等が挙げられる。電極中における結着剤の含有量は特に限定されないが、本発明の活性炭と結着剤の合計量に対して、通常0.1質量%〜30質量%程度の範囲内で適宜選択される。
負極導電剤としては、カーボンブラック、粉末グラファイト、酸化チタン等の粉末が用いられる。負極への導電助剤添加は必須ではなく、電極中における導電剤の配合量は、配合目的に応じて適宜選択されるが、負極活物質、結着剤及び導電剤の合計量に対して、1質量%〜50質量%、好ましくは2質量%〜30質量%程度の範囲内で適宜選択される。
負極活物質、結着剤、および導電剤を混合する方法としては、公知の方法を適宜適用することができる。例えば、結着剤を溶解する性質を有する溶媒を上記活性炭、結着剤、および導電剤に加えてスラリー状としたものを集電体上に均一に塗布する方法がある。また、溶媒を加えないで上記活性炭、結着剤、および導電剤を混練し、その後に常温または加熱下で加圧成形する方法がある。
負極集電体としては、公知の材質および形状のものを使用することができる。例えば、銅、チタン、タンタル、ニッケル等の金属、あるいはステンレス等の合金を用いることができる。
リチウムイオンキャパシタに用いる負極の場合、初めて充電する前に、予めリチウムイオンを負極へプレドーピングしておく必要がある。プレドーピングの方法は、不活性雰囲気においてリチウム金属等のリチウム源と負極を接触させる方法と、リチウムが存在する溶液中で電気化学的にプレドーピングを行う方法がある。本発明の実施においては、特に限定されるものではなく、いずれの方法も用いることができる。また、プレドーピングを行う工程については、正極、電解液およびセパレータをケースに収めるセル組立前と、セル組立後の、どちらに実施してもよい。例えば、チタン酸リチウムのような、予め構造にリチウムを含む化合物を負極に用いる場合は、プレドーピングは必須ではない。
リチウムイオンキャパシタの単位セルは、一般に上記の正極及び負極を一対用い、セパレータを介して対向させ、電解液中に浸漬することによって形成される。セパレータの素材としては、ポリプロピレン繊維不織布、ガラス繊維不織布、合成セルロース紙等を用いることができる。
電解液としては、公知の水系電解液、有機系電解液を使用することができる。電解液として、有機系電解液を用いることがより好ましい。このような有機系電解液としては、電気化学の電解液の溶媒として使用されているものを用いることができる。例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、スルホラン、スルホラン誘導体、3−メチルスルホラン、1,2−ジメトキシエタン、アセトニトリル、グルタロニトリル、バレロニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、メチルフォルメート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、およびエチルメチルカーボネート等を挙げることができる。なお、これらの電解液は混合して使用することができる。
また、有機電解液中の支持電解質としては、特に限定されないが、一般的には各種リチウム塩を使用することができる。リチウム塩としては、LiClO、LiBF、LiPF、LiAlCl、LiSbF、LiSCN、LiCl、LiCFSO、LiCFCO、LiN(CFSO、LiN(CSO等がある。
電解液中のこれらの塩の濃度は、通常0.1mol/l〜5mol/l、好ましくは0.5mol/l〜3mol/l程度の範囲内で適宜選択される。リチウムイオンキャパシタのより具体的な構成は、特に限定されないが、例えば、厚さ10μm〜500μmの薄いシート状またはディスク状の一対の電極(正極と負極)の間にセパレータを介して金属ケースに収容したコイン型、一対の電極を、セパレータを介して捲回してなる捲回型、セパレータを介して多数の電極群を積み重ねた積層型等が挙げられる。
以下、実施例及び比較例に基づき本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
実施例において用いた分析方法は、下記のとおりである。
<酸素含有量、水素原子/炭素原子比>
元素分析装置((株)住化分析センター製、NCH−22F型)を用いて試料の炭素含有量(質量%)、水素含有量(質量%)および窒素含有量(質量%)を求めた残りから、蛍光X線分析装置((株)テクノエックス製、WED−100)を用いて、蛍光X線法により各々の元素の検量線から含有量を算出したリン量を差し引いたものを、酸素含有量(質量%)とした。また、上記の炭素含有量、水素含有量から、水素原子と炭素原子とのモル比(H/C)を算出した。
<比表面積>
自動比表面積測定装置(日本ベル(株)製、BELSORP−miniII型)を用いて、窒素ガス吸着より求めた吸着等温線からBET法で算出した。
<平均粒子径>
レーザー回折式粒度分布測定装置((株)堀場製作所製、LA−950型)を用いて、水を分散媒として少量の界面活性剤を添加し超音波を照射した後、測定した。得られた体積基準の粒度積分曲線より50%粒子径(平均粒子径)を求めた。
<ナトリウム、リン含有量>
蛍光X線分析装置((株)テクノエックス製、WED−100)を用いて、蛍光X線法によりナトリウムおよびリンの検量線から、それぞれの含有量を算出した。
[活性炭の製造]
[実施例1]
出発原料として石油生コークスを使用し、活性炭の炭素原料を製造した。石油生コークスを粉砕し易いように2mm以下に粒度調整し、ロータリーキルンを用いて窒素ガスによる不活性雰囲気にて600℃で1時間加熱し、炭化処理して炭化コークスとした(炭化工程)。得られた炭化コークスを、ジェットミルで平均粒子径が8μmとなるように粉砕した。炭化コークスと85質量%濃度のリン酸水溶液の質量比が1:5となるように、85質量%濃度のリン酸水溶液に炭化コークスを加え、撹拌しながら120℃で1時間加熱して酸化物を得た(酸化工程)。得られた酸化物を、純水で数回洗浄し(洗浄工程)、その後100℃で乾燥させて活性炭の炭素原料を得た。続いて、得られた活性炭の炭素原料を用いて、活性炭を製造した。活性炭の炭素原料と水酸化ナトリウムの質量比が1:2.8となるように、得られた炭素原料に対して水酸化ナトリウムを加えてボールミルで30分間混合し、混合物を得た(混合工程)。得られた混合物をニッケル製の容器に充填してセラミック電気炉内に設置し、炉内に窒素ガスをパージして不活性雰囲気下とした後、20℃/分の昇温条件にて、電気炉を室温から750℃まで昇温し、炉内温度が750℃となった時間から30分間750℃を保持し、賦活処理を行った(賦活処理工程)。賦活処理後、電気炉の加熱を停止し、窒素ガス雰囲気下にて自然冷却した。170℃未満まで冷却後、賦活物を電気炉から取り出し、賦活物を水洗および塩酸水による酸洗浄を繰り返して、残存する不純物を除去後、乾燥することにより、実施例1の活性炭を得た。
[実施例2]
トリフェニルホスフェートを12質量%含有し、残部が酢酸セルロースである混合物のフレーク状粉砕品を出発原料とし、活性炭の炭素原料を製造した。混合物中のリン量は、約1質量%である。出発原料を耐熱容器に入れ、その容器を温度計、酸素ガス検出器、窒素ガス導入口、およびガス排気口を具備するバッチ式電気炉に入れた。次いで、窒素ガス導入口に窒素ガスを2.0L/分の供給量で供給して、電気炉内および耐熱容器内を不活性雰囲気下とし、耐熱容器の内部温度が350℃となるまで昇温し、その温度のまま3時間45分保持して混合物を炭化させた(炭化工程)。加熱処理後、室温まで放冷して炭化物を耐熱容器より取り出した。得られた炭化物を、サイクロンミルで平均粒子径が8μmとなるように粉砕し、活性炭の炭素原料を得た。続いて、得られた活性炭の炭素原料を用いて、活性炭を製造した。炭素原料と水酸化ナトリウムの混合比率が質量比で1:2.8となるように、ボールミルで30分間混合し、混合物を得た(混合工程)。得られた混合物を用いて、実施例1と同様の条件により賦活処理工程、洗浄、および乾燥を行い、実施例2の活性炭を得た。
[実施例3]
炭素原料と水酸化ナトリウムの混合比率を質量比で1:2.4とした他は、実施例2と同様の製造条件により、実施例3の活性炭を得た。
[実施例4]
炭素原料と水酸化ナトリウムの混合比率を質量比で1:2.0とした他は、実施例2と同様の製造条件により、実施例4の活性炭を得た。
[実施例5]
炭素原料と水酸化ナトリウムの混合比率を質量比で1:1.6とした他は、実施例2と同様の製造条件により、実施例5の活性炭を得た。
[実施例6]
炭素原料と水酸化ナトリウムの混合比率を質量比で1:2.2とし、賦活処理工程の温度を800℃とした他は、実施例2と同様の製造条件により、実施例6の活性炭を得た。
[比較例1]
活性炭の炭素原料の出発原料として、リン化合物を添加することなく、酢酸セルロースのフレーク状粉砕品を用いた他は、実施例2と同様の製造条件により、比較例1の活性炭を得た。
[比較例2]
リン化合物を添加することなく、東南アジア原産の椰子系セルロース炭化物を活性炭の炭素原料とした。セルロース炭化物を粉砕し易いように2mm以下に篩を用いて粒度調整し、ボールミルを用いて平均粒子径が7μm程度まで粉砕した。水酸化ナトリウムとの混合工程以降の工程は、実施例2と同様の製造条件により、比較例2の活性炭を得た。
[比較例3]
実施例2と同様の活性炭の炭素原料と水酸化ナトリウムの混合物を使用し、活性炭を製造した。混合物をアルミナボートに充填してセラミック管状電気炉内に設置して密閉した。管状電気炉に、毎分1000cmの炭酸ガスを流通させ、4℃/分の昇温条件にて、電気炉を室温から900℃まで昇温し、炉内温度が900℃となった時間から60分間900℃を保持し、賦活処理を行った。賦活処理後、電気炉の加熱を停止し、窒素ガス雰囲気に切り替えて室温となるまで自然冷却した。得られた賦活物を45μmの篩でふるって、比較例3の活性炭を得た。
[比較例4]
リン化合物を加える酸化工程を実施することなく、炭化コークスを活性炭の炭素原料とし、実施例1と同様の製造条件により活性炭を製造し、比較例4の活性炭を得た。
[比較例5]
水酸化ナトリウムに代えて水酸化カリウムを賦活剤とし、炭素原料と水酸化カリウムの混合比率を質量比で1:2.4とした他は、実施例2と同様の製造条件により、比較例5の活性炭を得た。
[比較例6]
炭素原料と水酸化ナトリウムの混合比率を質量比で1:1.2とした他は、実施例2と同様の製造条件により、比較例6の活性炭を得た。
[比較例7]
炭素原料と水酸化ナトリウムの混合比率を質量比で1:4.0とした他は、実施例2と同様の製造条件により、比較例7の活性炭を得た。
[比較例8]
出発原料の炭化工程において、耐熱容器の内部温度が310℃となるまで昇温した後に保持し、炭素原料とアルカリの混合工程において炭素原料と水酸化ナトリウムの混合比率を質量比で1:2.2とした他は、実施例2と同様の製造条件により、比較例8の活性炭を得た。
実施例1〜6、および比較例1〜8において活性炭を製造した際の、出発原料、製造した活性炭の炭素原料の物性、賦活条件、活性炭の物性を表1に示す。
[ラミネートセルの作製]
実施例1〜6および比較例1〜8で製造した活性炭を使用して電気二重層キャパシタを作製した。活性炭86重量部に対して導電助材としてカーボンブラック(ライオン(株)製、ECP600JD)7重量部、結着材として顆粒状ポリテトラフルオロエチレン(ダイキン工業(株)製、PTFEポリフロンF−104)7重量部、および水を加えてメノウ乳鉢を用いて混合し、ロールプレス機を用いて厚みが150μmになるまで混合物をプレスしてシート化し、炭素電極シートを作製した。この炭素電極シートを14mm×20mmの寸法に切り出し、アルミニウム集電体に貼りつけて電極とした。図1に示すように、作製した2枚の電極を正極2、負極3とし、これらの電極に集電体4を貼り付け、セルロースセパレータ5(ニッポン高度紙工業(株)製、TF40−50)を挟んで対向させ、外側をラミネートフィルム6で被覆して電解液を注液し、ヒートシーラーで封口することで、ラミネートセル1を作製した。電解液として1.5Mのトリエチルメチルアンモニウムテトラフルオロボレート(TEMA−BF)のプロピレンカーボネート(PC)溶液を用いた。
[キャパシタの静電容量評価]
ラミネートセルのキャパシタ性能を評価するべく、電極密度、20℃および−30℃での静電容量を測定した。電極密度は、シート重量と縦横寸法×厚さを測定して求めた。静電容量(C)は、キャパシタに蓄えられる全放電エネルギー量(U)を測定し、その値からエネルギー換算法により求めた。静電容量の算出式として、式(1)を下記に示す。キャパシタの全放電エネルギー量は、キャパシタを0Vから2.8Vまで3.6mA/cmの電流で定電流定電圧充電し、所定時間の休止後、3.6mA/cmの電流で0Vまで定電流放電させることによって求めた。また、充放電の関係について、縦軸を電圧(V)、横軸を時間(S)とするグラフを図2に示す。
実施例1〜6、および比較例1〜8の活性炭を用いて作成したラミネートセルの電極密度および静電容量の結果を表2に示す。
実施例1〜実施例6の活性炭を使用したラミネートセルは、−30℃の低温条件下でも20℃条件下の90%以上の静電容量を発揮した(表2)。
比較例1、比較例2および比較例8の場合は、賦活処理の際に混合物が容器から噴きこぼれてしまい、活性炭を得ることができなかった。比較例3〜比較例6の活性炭を使用したラミネートセルは、−30℃条件下の静電容量が20℃条件下の静電容量よりも劣る結果となった。また、比較例7の活性炭を使用したラミネートセルは、−30℃の低温条件下でも20℃条件下の96%の静電容量を発揮したものの、活性炭の比表面積が大きいことに起因して、電極密度が実用的な水準(約0.40g/cm)よりも小さくなった。
本発明によれば、低温条件下でも十分に高い静電容量を発揮することができるキャパシタ電極を提供することができるため、産業上有用である。
1 ラミネートセル
2 正極
3 負極
4 集電体
5 セパレータ
6 ラミネートフィルム

Claims (8)

  1. ナトリウムの含有量が20ppm以上4000ppm未満であり、
    リンの含有量が100ppm以上2000ppm未満であり、
    であり、
    レーザー散乱式粒度分布計で測定した平均粒子径が1μm以上50μm未満であり、
    BET比表面積が1400m/g以上3300m/g未満であるキャパシタ用活性炭。
  2. リンの含有量が0.3質量%〜2.0質量%であり、
    酸素の含有量が10質量%以上30質量%未満であり、
    水素原子と炭素原子とのモル比H/Cが0.05〜0.54であり、
    BET比表面積が100m/g以上600m/g未満である請求項1記載の活性炭製造用の炭素原料。
  3. 請求項2に記載の炭素原料の製造方法であって、
    易黒鉛化性炭素材料を不活性雰囲気下で加熱して炭化コークスとする炭化工程と、
    前記炭化コークスにリン化合物を加えて加熱して酸化物とする酸化工程と、
    前記酸化物を洗浄する洗浄工程と
    を少なくとも含む製造方法。
  4. 請求項2に記載の炭素原料の製造方法であって、
    酢酸セルロースとリン化合物を少なくとも含む混合物を不活性雰囲気下で加熱して炭化する炭化工程
    を少なくとも含む製造方法。
  5. 前記炭化工程後の炭化物を加熱して酢酸を除去する酢酸除去工程を含む請求項4に記載の製造方法。
  6. 活性炭の製造方法であって、
    請求項2に記載の炭素原料と水酸化ナトリウムとの混合物を不活性雰囲気下で賦活処理する賦活処理工程を少なくとも含み、
    前記混合物の前記炭素原料と前記水酸化ナトリウムの質量比は1:1.5〜3.5であり、
    前記活性炭は、ナトリウムの含有量が20ppm以上4000ppm未満であり、
    リンの含有量が100ppm以上2000ppm未満であり、
    レーザー散乱式粒度分布計で測定した平均粒子径が1μm以上50μm未満であり、
    BET比表面積が1400m/g以上3300m/g未満である活性炭の製造方法。
  7. 請求項1に記載の活性炭を電極に用いた電気二重層キャパシタ。
  8. 請求項1に記載の活性炭を電極に用いたリチウムイオンキャパシタ。
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