JP2012174369A - リチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】リチウムイオン二次電池用負極として、電極密度が高く、電解液保持性および電解液浸透性に優れ、リチウムイオン二次電池とした時に優れた電池特性が得られるものを提供する。
【解決手段】炭素材料からなる活物質と、線状で、直径が1.0μm超3.0μm以下の範囲にある炭素繊維と、結合剤とを含有した材料で、負極活物質層を形成する。前記炭素繊維は、溶液法または溶融法により紡糸する工程を経て製造したものである。
【選択図】図1

Description

この発明は、炭素繊維を含有する負極活物質層を有するリチウムイオン二次電池用負極と、これを有するリチウムイオン二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池は、作動電圧、電池容量、サイクル寿命などの電池特性に優れ、環境汚染の少ない電源として、従来主流であったニッケル・カドミウム電池およびニッケル水素電池に代わって広範な分野・用途で用いられるようになってきている。近年、携帯用端末やモバイル通信機器の電源として、リチウムイオン電池が広く普及している。リチウムイオン電池は、現存する二次電池の中でも最もエネルギー密度が高いため、リチウムイオン電池をハイブリッド自動車や燃料電池自動車の補助電源として、あるいは定置用大型電源として使用することも検討されている。これら電子機器の高性能・高機能化、あるいは用途の拡大にともなって、これらに搭載されるリチウムイオン二次電池のさらなる高性能化が求められている。
また、小型携帯機器に用いられる二次電池としては、よりコンパクトなものが要求され、質量あたりのエネルギー密度だけでなく、容積あたりのエネルギー密度も高いことが要求されている。そこで、電極の密度を高くすることにより、電池容器内に多量の電極を封入し、電極および電池としての容積あたりのエネルギー密度を高める検討が開始されている。すなわち、負極活物質として多用されている黒鉛の真密度は2.2g/cm3 程度であるが、これを使用した負極の現状の電極密度は1.5g/cm3 程度であるため、容積あたりのエネルギー密度を高めることを目的として、電極密度を1.7g/cm3 以上とする検討が進められている。
ところが、電極を高密度化すると電極内の空孔が減少するため、空孔内に存在して電極反応に寄与する電解液が不足したり、電解液の電極への浸透速度が遅くなる。電解液が不足すると電極反応が遅くなり、エネルギー密度および高速充放電性能が低下し、サイクル特性が低下する問題が生じる。また、電解液の電極への浸透速度が遅くなると電池製造時間が長くなるため、製造コストのアップに繋がる。
これらの問題を解決する技術として、特許文献1には、電極活物質材料に、直径1〜1000nmの炭素繊維を添加して、空隙率が25%以下の高密度電極を得ることが開示されている。しかし、特許文献1には、実施例として、球状黒鉛粒子(電極活物質材料)、平均繊維径が20〜150nmの気相成長炭素繊維(VGCF)、アセチレンブラック(導電助剤)、および結合剤からなる負極活物質層を有するリチウムイオン二次電池用負極が記載されているだけである。
特許文献2には、平均粒子径が10μm以上30μm以下の二次粒子を形成する繊維状炭素を黒鉛材料に含有させたものを、リチウムイオン二次電池用負極材料として用いる旨の記載がある。特許文献2には、前記繊維状炭素として、気相成長炭素繊維やPAN系、ピッチ系の炭素繊維を用いてもよい旨の記載があるが、実施例で用いられているのは気相成長炭素繊維のみである。
特許文献2には、また、繊維径が0.05μm以上0.5μm以下で繊維長が5μm以上50μm以下である気相成長炭素繊維を結合剤と溶剤とともに予備混練した後に、球状黒鉛を加えてさらに混練したものを層状にすることで、前記炭素繊維の二次粒子を含有する負極活物質層を形成することが記載されている。
なお、特許文献3には、リチウムイオン二次電池用負極材料として、直径が1〜5μmでアスペクト比が5〜10である炭素繊維と、平均粒径が5〜40μmである粒状炭素との混合物であって、比表面積が4m2 /g以下である粒状炭素−炭素繊維混合物を主成分とするものが記載されている。
これにより、負極の充填密度を増加して、容積当たりのエネルギー密度もしくは放電容量を向上させるとともに、導電性を高め、サイクル特性、負荷特性、安全性に優れた二次電池の負極を提供するとの記載がある。特に、気相成長炭素繊維を用いることで、サイクル特性に特に優れたものとなるとの記載がある。ただし、実施例での電極密度(塗工密度)は1.4〜1.5g/cm3 程度である。
特許文献4には、リチウムイオン二次電池用負極の活物質層に、平均直径が0.01μm以上10μm以下でアスペクト比が5よりも大きい炭素繊維を加えることで、サイクル特性を向上させることが記載されている。炭素繊維としては気相成長炭素繊維のみが例示されている。また、炭素繊維のアスペクト比は50以上であることが特に望ましいとの記載がある。この活物質層を有する負極の電極密度は記載されていないが、特許文献3と同程度と推定される。
特許3930002号公報 特開2000−133267号公報 特開平10−149833号公報 特開2006−318759号公報
特許文献1および2に記載されたリチウムイオン二次電池用負極には、電解液保持性、電解液浸透性、リチウムイオン二次電池とした時の電池特性の点で改善の余地がある。また、上述のように、特許文献3および4に記載されたリチウムイオン二次電池用負極の電極密度は1.4〜1.5g/cm3 程度である。
この発明の課題は、リチウムイオン二次電池用負極として、電極密度が高く、電解液保持性および電解液浸透性に優れ、リチウムイオン二次電池とした時に優れた電池特性が得られるものを提供することである。
上記課題を解決するために、この発明のリチウムイオン二次電池用負極は、炭素材料からなる活物質と、炭素繊維と、結合剤と、を含有する負極活物質層を有するリチウムイオン二次電池用負極であって、前記炭素繊維が、炭素を含有する原料を溶液法または溶融法により紡糸する紡糸工程を経て得られ、線状で、直径が1.0μm超3.0μm以下の範囲にあることを特徴とする。
この発明のリチウムイオン二次電池用負極は、また、炭素材料からなる活物質と、炭素繊維と、結合剤と、を含有する負極活物質層を有するリチウムイオン二次電池用負極であって、前記炭素繊維が、ピッチを溶液法または溶融法により紡糸してピッチ繊維を得る紡糸工程と、ピッチ繊維の不融化工程(ピッチ繊維を酸素含有雰囲気中で加熱する工程)と、不融化されたピッチ繊維を不活性ガス雰囲気で熱処理する工程(炭素化工程または炭素化工程と黒鉛化工程)を経て得られ、線状で、直径が1.0μm超3.0μm以下の範囲にあることを特徴とする。
この発明のリチウムイオン二次電池用負極は、負極活物質層に、前記紡糸工程または前記各工程を経て得られた、線状で、直径が1.0μm超3.0μm以下の範囲にある炭素繊維を含有する。
これにより、気相成長法で得られた直径1〜1000nmの炭素繊維を含有する特許文献1のリチウムイオン二次電池用負極、および気相成長法で得られた炭素繊維を予備混練して得られた平均粒子径が10μm以上30μm以下の二次粒子を含有する、特許文献2のリチウムイオン二次電池用負極と比較して、電極特性(電解液保持性および電解液浸透性)およびこれを負極としたリチウムイオン二次電池の特性が向上する。
また、この発明のリチウムイオン二次電池用負極は、気相成長法で得られた直径が1〜5μmでアスペクト比が5〜10である炭素繊維を含有する活物質層を有する負極(特許文献3)、および気相成長法で得られた平均直径が0.01μm以上10μm以下でアスペクト比が5よりも大きい炭素繊維を含有する活物質層を有する負極(特許文献4)よりも、電極密度が高くなる。
前記紡糸工程または前記各工程を経て得られた炭素繊維は、結晶性は必ずしも高くないが、適度な太さの繊維径を有し、構造欠陥が極めて少ないため、活物質層の形成時に活物質および結合剤と均一に混合・混練する均一分散工程で損傷しにくい。また、前記紡糸工程または前記各工程により、直径1.0μm超3.0μm以下の炭素繊維が容易に得られる。線状で、直径が1.0μm超3.0μm以下の範囲にある炭素繊維は、通常の活物質(直径が数十μmである球状物)の間隙に上手く入り込み、極端な体積膨張が生じない。
これらのことから、前記紡糸工程または前記各工程を経て得られた、線状で、直径が1.0μm超3.0μm以下の範囲にある炭素繊維は、炭素繊維の添加による電極密度の向上効果が高くなる。
これに対して、気相成長法で得られた炭素繊維は、結晶性は良好であるが、構造欠陥が存在するため、活物質層の形成時に活物質および結合剤と均一に混合・混練する均一分散工程で損傷し易い。また、気相成長法の場合、通常の工業的な製造方法では直径1〜3μmの炭素繊維が得られない。これらのことから、気相成長法で得られた炭素繊維は、前記均一分散工程で、繊維長が著しく短くなったり、毛玉状の二次粒子になったりするため、炭素繊維の添加による電極密度の向上効果が低くなると推測される。
前記紡糸工程または前記各工程を経て得られた、線状の炭素繊維であっても、直径が1.0μm超3.0μm以下の範囲外のものは、以下の理由で使用しない。直径が1.0μm以下であると、電解液浸透性の向上に必要な、微細繊維による活物質粒子間の適度な空隙が確保できなくなることがあり、直径が3.0μmを超えると、逆に空隙が大きくなって高密度の電極が得られなくなる。使用する炭素繊維の直径の好ましい範囲は1.1μm以上2.6μm以下である。
前記炭素繊維の長さは3μm以上50μm以下であることが好ましい。また、前記炭素繊維のアスペクト比(長さ/直径)は3以上45以下であることが好ましく、3以上15以下がより好ましく、3.5以上8.0以下がさらに好ましい。
この発明のリチウムイオン二次電池用負極において、前記負極活物質層は、前記炭素繊維を、前記活物質100質量部に対して0.5質量部以上20質量部以下の割合で含有することが好ましい。前記炭素繊維の含有量が前記活物質100質量部に対して0.5質量部未満であると、前記炭素繊維を添加したことによる効果が実質的に得られず、20質量部を超えると、相対的に炭素材料からなる活物質の含有量が減少するため、却って電池容量が低下する。
この発明のリチウムイオン二次電池用負極は、電極密度を1.8〜2.0g/cm3 としても、良好な電極特性(電解液保持性および電解液浸透性)が得られる。
この発明のリチウムイオン二次電池用負極を有するリチウムイオン二次電池は、エネルギー密度が高く、高速充放電性能に優れたものとなる。
この発明のリチウムイオン二次電池用負極は、電極密度が高く、電解液保持性および電解液浸透性に優れ、リチウムイオン二次電池とした時に優れた電池特性が得られる。
実施例で作製したNo.1〜No.5の試験用電池のサイクル特性を調べた結果を示すグラフである。
以下、この発明を実施するための形態について説明する。
この発明のリチウムイオン二次電池用負極は、炭素材料からなる活物質と、炭素繊維と、結合剤と、を含有する負極活物質層を有し、前記炭素繊維の製法、形状、および直径が特定されている。前記炭素繊維の製法は、炭素を含有する原料を溶液法または溶融法により紡糸する紡糸工程を備えた方法である。先ず、この製法について説明する。
前記紡糸工程で使用する炭素を含有する原料としては、炭化収率が高い縮合多環芳香族化合物が好ましい。特に、ピッチは、多数の縮合多環芳香族化合物を含有しているため好ましい。ピッチを得る方法としては、次のような方法がある。
一つは、石油系タールまたは石炭タールを常圧蒸留および減圧蒸留して重質留分と軽質留分に分離し、得られた重質留分をそのまま熱処理し、重縮合させて所定の軟化点に調整する方法である。この方法で得られたピッチ(無水添ピッチ)は、光学的等方性を有し、「General Purpose ピッチ」と称される。もう一つは、得られた重質留分を水添分解することで熱安定性を高めた後に熱処理し、所定の軟化点に調整する方法である。この方法で得られたピッチ(水添ピッチ)は、光学的異方性を有し、「High Peformance ピッチ」、「液晶ピッチ」と称され、高強度、高弾性率の炭素繊維の原料とされる。
ピッチを原料とした炭素繊維は、紡糸工程、不融化工程、不活性ガス雰囲気での熱処理工程をこの順に行うことで製造される。紡糸工程では、原料のピッチを溶液法または溶融法により紡糸することで繊維状にする。紡糸工程で得られたピッチ繊維(繊維状のピッチ)をそのまま高温で熱処理すると、ピッチ繊維が互いに融着するため、これを避ける目的で不融化工程が行われる。
紡糸工程としては、炭素を含有する原料を溶液にして紡糸する溶液法と、炭素を含有する原料を溶融状態にして紡糸する溶融法のいずれを採用してもよい。ピッチを溶融法により紡糸すると、ピッチに含まれている縮合多環芳香族化合物の縮合環に起因する分子配向が進み、後段の焼成(不活性ガス雰囲気での熱処理工程)の際にも更に配向が進むことで、得られる炭素繊維が高強度になるという利点がある。
また、線状で、直径が1.0μm超3.0μm以下の範囲にある炭素繊維を得ることができる紡糸方法としては、以下に示す、溶液エレクトロスピニング法、メルトブローン法、溶融エレクトロスピニング法が挙げられる。メルトブローン法と溶融エレクトロスピニング法を組み合わせて実施することもできる。
<溶液エレクトロスピニング法:溶液法>
この方法では、先ず、ピッチを、二硫化炭素、テトラヒドロフラン、ピリジン、キノリン等の溶剤に溶かして、ピッチ濃度が1〜30質量%、好ましくは10〜20質量%であるピッチ溶液を調製する。
使用する紡糸装置は、ピッチ溶液が貯蔵される容器と、ピッチ溶液を吐出するノズルと、前記ノズルを通して吐出されるピッチ溶液を帯電させるために電圧を印加する高電圧発生部と、前記ノズルより吐出されて紡糸されたピッチ繊維を集積する前記紡糸部と異なる極性に帯電されたコレクタと、を備えたものである。
ノズルとコレクタの間には電圧がかけられ、コレクタにて捕集される。電圧のかけ方は任意であり、コレクタ側が正極、負極、アースのいずれでもよいが、通常は、コレクタをグランドしてノズルを正電圧にする方法が、安全性の観点から好ましい。ノズルとコレクタの間にかけられる電圧は0.5〜100kVである。これは、ノズルとコレクタの間の距離によって適宜変更される。0.5kV以上とすることで、ピッチ溶液がノズルから離脱しやすくなり、100kV以下とすることで、ノズルとコレクタの間の放電が抑制される。
コレクタの形態としては、単純な静的平板、回転ドラム、回転ベルト(ベルトコンベア)などが代表的であるが、生産効率の観点からは、静的平板よりも回転式の捕集装置が好ましい。ノズルとコレクタでの繊維接地部位との距離は10〜200mmであることが好ましい。繊維接地部位とは、コレクタに含まれ、繊維が実質的に最初に接触した部分のことである。
この距離を10mm以上とすることにより、ノズルとコレクタの間に生じる放電等を防止して、安定した電位環境を保って繊維を製造することができる。また、この距離が200mmを超えると、電場による繊維の引きが弱くなり、ノズルから吐出したピッチ溶液が細い繊維に紡糸され難い。
ピリジンやキノリン等の高沸点溶剤を用いるときは、溶剤が揮散しやすくなるように、ノズルの下流側の雰囲気を暖める、あるいは減圧にすることが必要である。
<メルトブローン法:溶融法>
メルトブローン法では、ピッチを溶融することで得られたピッチ融液を、ガスノズルに供給される空気、窒素等の加熱ガスとともに、紡糸ノズルを通じてコレクタに吐出することで、ピッチ繊維を紡糸する。ガスノズルから噴射される加熱ガスは、紡糸ノズルから吐出するピッチ融液に剪断力を付与している。その結果、細い繊維が得られる。メルトブローン法では、電圧の印加を行わない。
コレクタの形態としては、単純な静的平板、回転ドラム、回転ベルト(ベルトコンベア)などが代表的であるが、生産効率の観点からは、静的平板よりも回転式の捕集装置が好ましい。
<溶融エレクトロスピニング法:溶融法>
この方法では、ピッチ融液が貯蔵される容器と、ピッチ融液を吐出するノズルと、前記ノズルを通して吐出されるピッチ融液を帯電させるために電圧を印加する高電圧発生部と、前記ノズルより吐出されて紡糸されたピッチ繊維を集積する前記紡糸部と異なる極性に帯電されたコレクタと、を備えた紡糸装置を使用する。ピッチ融液が貯蔵されている容器は、電熱ヒーター、熱風、熱媒等により加熱する。
ノズルとコレクタの間には電圧がかけられ、コレクタにて捕集される。電圧のかけ方は任意であり、コレクタ側が正極、負極、アースのいずれでもよいが、通常は、コレクタをグランドしてノズルを正電圧にする方法が、安全性の観点から好ましい。ノズルとコレクタの間にかけられる電圧は0.5〜100kVである。これは、ノズルとコレクタの間の距離によって適宜変更される。0.5kV以上とすることで、ピッチ融液がノズルから離脱しやすくなり、100kV以下とすることで、ノズルとコレクタの間の放電が抑制される。
コレクタの形態としては、単純な静的平板、回転ドラム、回転ベルト(ベルトコンベア)などが代表的であるが、生産効率の観点からは、静的平板よりも回転式の捕集装置が好ましい。ノズルとコレクタでの繊維接地部位との距離は10〜200mmであることが好ましい。繊維接地部位とは、コレクタに含まれ、繊維が実質的に最初に接触した部分のことである。
この距離を10mm以上とすることにより、ノズルとコレクタの間に生じる放電等を防止して、安定した電位環境を保って繊維を製造することができる。また、この距離が200mmを超えると、電場による繊維の引きが弱くなり、ノズルから吐出したピッチ融液が細い繊維に紡糸され難い。
<不融化工程と熱処理工程>
不融化工程の加熱温度は、使用したピッチ系物質の軟化点に応じて、例えば100〜350℃とする。
不活性ガス雰囲気での熱処理工程は、炭素化工程の場合は500℃以上1500℃以下で行い、黒鉛化工程の場合は、炭素化工程の後に2000℃以上3200℃未満の温度で行う。不融化工程後のピッチ繊維を500〜1500℃で加熱すると揮発性物質が大量に発生するため、炭素化工程は、揮発性物質を除去できる構造になっている炉(炭素化炉)を使用して行う。黒鉛化工程は、炭素化工程で揮発性物質が除去された炭素繊維を、熱効率が高く、酸化性物質の混入がない構造の炉(黒鉛化炉)に移し換えて行う。
<その他の処理>
上述の方法で得られた炭素繊維に対し、必要に応じて、粉砕や裁断等の処理を行って繊維長を調整してもよい。この繊維長を調整する処理は、紡糸工程後の不融化工程前に行ってもよいし、不融化工程後の熱処理工程(炭素化工程)前に行ってもよい。あるいは、熱処理工程(炭素化工程、黒鉛化工程)の後に行ってもよい。
次に、炭素繊維以外の負極活物質層の構成材料と、負極活物質層の形成方法について説明する。
<炭素繊維以外の負極活物質層の構成材料>
炭素材料からなる活物質としては、天然黒鉛、人造黒鉛を使用することができる。人造黒鉛としては、ピッチを加熱して黒鉛化したもの、ピッチを加熱して得られるメソカーボン小球体、バルクメソフェーズ、コークスなどを黒鉛化したもの、これらの黒鉛化物の表面をピッチ、フェノール樹脂で被覆後、焼成したものなどが例示できる。また、これらの複数の炭素材料を混合して用いてもよい。さらに、粉状、球状、リン片状の炭素材料を使用することもできる。
結合剤としては、電解質に対して化学的安定性、電気化学的安定性を有するものが好ましく、有機溶媒に溶解および/または分散させる有機系結合剤、水系溶媒に溶解および/または分散する水系結合剤のいずれを用いてもよい。
具体的には、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素系樹脂、ポリエチレン、ポリビニルアルコールなどの樹脂、さらにはカルボキシメチルセルロース、スチレンブタジエンゴムなどのゴムなどが挙げられる。このうち、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、スチレンブタジエンゴムなどの水系結合剤を用いることが好ましい。これらを併用することもできる。結合剤の含有率は、例えば、0.5〜20質量%とする。
<負極活物質層の形成方法>
活物質と炭素繊維と結合剤を混合して得た混合物を溶媒に分散させて、ペースト状の負極材料を調製し、これを集電体の表面に塗布して溶媒を乾燥させた後、電極密度が1.8〜2.0g/cm3 となるようにプレスして更に乾燥させることにより、負極活物質層を形成することができる。溶媒としては、Nーメチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、水、アルコールなどが挙げられる。
以下、具体的な実施例および比較例を挙げてこの発明を説明する。
[サンプルNo.1]
先ず、以下の方法で、ピッチをメルトブローン法(溶融法)により紡糸してピッチ繊維を得た。
コールタールを原料として調製した、軟化点が202℃のピッチを用意し、これをステンレス製の容器(容量10mL)に入れて密封した。この容器の下端には、ステンレス製の27G(内径0.20mm、外径0.42mm)のノズルが取り付けてあり、このノズルの外側に、予熱ガスが流通できるように外筒が取り付けてある。容器の外側と外筒の外側に、それぞれ別系統の温度制御ができる電熱ヒーターを巻いた。各ヒーターに温度調節器を接続して、容器内のピッチ温度とノズル内のピッチの温度が330℃になるように制御した。
また、330℃に予熱した窒素ガスを、ノズルの先端の間隙で100m/sの線速度となるように外筒内に流した。さらに、ノズルの先端から下方120mmの位置にコレクタを設置した。この状態で、密閉してある容器内に0.2〜0.3MPaの加圧窒素を導入し、容器内の溶融ピッチをノズルからコレクタに吐出させて紡糸を行った。これにより、紡糸が良好に進み、細いピッチ繊維が得られた。
次に、得られたピッチ繊維を、大気中において、先ず200℃で24時間、次に250℃で12時間、さらに300℃で5時間と、段階的に加熱することで不融化工程を行った。
次に、不融化工程を行った炉内に窒素ガスを導入して窒素ガス雰囲気とし、3℃/minの速度で1400℃まで昇温した後、1400℃に10時間保持する熱処理(炭素化工程)を行った。
これにより、最小直径が1.1μmで最大直径が1.3μmである炭素繊維が得られた。
このようにして得られた炭素繊維を、めのう製乳鉢で粉砕して、平均繊維長が10μmとなるようにした。この炭素繊維をX線回折装置にかけて、(002)面間隔を測定したところ、0.3468nmであった。なお、この面間隔は(002)面のピークトップのθ角より算出した。
上述のようにして製造した炭素繊維を、メソフェーズ小球体の黒鉛化品(活物質)100質量部に対して3質量部となるように混合した。この混合物とバインダーであるポリビニリデンフルオロライド(PVdF)を、質量比で混合物:PVdF=90: 10となるように混合した。この混合物にN−メチルピロリドンを添加することでPVdFを溶解し、ペースト状炭素材を得た。
このペースト状炭素材の一部を取り、含まれている炭素繊維の部分を分離・回収してSEM画像解析を行った。その結果、炭素繊維は凝集して二次粒子を形成することなく、ほぼ線状の形態で存在しており、炭素繊維の平均長さは8μmであった。
このペースト状炭素材を、クリアランスを200μmに設定したドクターブレード塗布器具を用いて、集電体である銅箔の片面に塗布して電極板を作製した。この電極板を100℃で12分間乾燥した後、電極密度が1.8〜2.0g/cm3 になるようにプレスした。これを130℃で一昼夜、真空乾燥することで、集電体の表面に負極活物質層が形成されている試験電極を得た。
得られた試験電極のうち電極密度が1.9g/cm3 のものについて、以下の方法で空隙率と浸透速度を測定した。
空隙率Kは、嵩密度Aと真密度Bと質量Mと空隙を含めた体積Vとを用いて下記の(1) 式で算出される。K=M(1/A−1/B)/V‥‥(1)
そのため、電極の嵩密度Aを電極の寸法と質量から算出し、電極の真密度Bを、活物質、炭素繊維、バインダーそれぞれの材料の真密度から、混合比率で比例計算することによって算出した。このようにして算出されたAおよびBと電極の寸法から算出されたVを(1) 式に代入して、空隙率Kを算出した。その結果、この試験電極の空隙率Kは0.128(12.8%)であった。
電極の浸透速度を測定するために、得られた試験電極のうち電極密度が1.9g/cm3 のものを直径18mmの円板状に切り出して試験片とした。また、各種電解液とほぼ同等の粘度を有する揮発性の低いプロピレンカーボネート(PC)を用意した。そして、25℃の大気中で、試験片の円形の面の中心にPCを一滴(3μl)滴下し、この試験片の全体にPCが浸透するまでにかかる時間を調べて、この時間を浸透速度とした。その結果、この試験電極の浸透速度は230秒であった。
また、得られた試験電極のうち電極密度が1.9g/cm3 のものと、対極として用いたリチウム箔との間に多孔質のセパレーターを介在させ、非水系電解液に浸漬させることで、試験用電池を作製した。非水系電解液としては、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)を、体積比でEC:EMC=1: 2の割合で混合した溶媒に、LiPF6 を1mol/kgの濃度となるように溶解させたものを用いた。
この試験用電池の電池特性を調べたところ、初回充放電時の放電容量は345mAh/gであり、不可逆容量は20mAh/gであった。これらの値から算出された初回充放電効率は94.5%であった。また、充電受入れ性は1.0Cの充電で35.5%、放電率は2.0Cの放電で92.1%であった。
なお、「C」は、定電流放電(充電)時の電流値の時間率を示す係数であって、「1.0Cの充電(放電)」は、1時間で充電(放電)が終了する電流値で定電流充電(放電)を行うことを意味する。「2.0Cの放電(充電)」は、0.5時間で放電(充電)が終了する電流値で定電流放電(充電)を行うことを意味する。
[サンプルNo.2]
先ず、以下の方法で、ピッチを溶融エレクトロスピニング法(溶融法)により紡糸してピッチ繊維を得た。
No.1と同じ軟化点が202℃のピッチを用意し、これをステンレス製の容器(容量10mL)に入れて密封した。この容器の下端には、ステンレス製の24G(内径0.31mm、外径0.57mm)のノズルが取り付けてある。容器の外側とノズルの外側に、それぞれ別系統の温度制御ができる電熱ヒーターを巻いた。各ヒーターに温度調節器を接続して、容器内のピッチ温度とノズル内のピッチの温度が350℃になるように制御した。
ノズルの直下120mmの位置にアース電極(コンベア式コレクタ)を置き、高電圧発生機で発生した25kVの電圧を、コレクタとノズルとの間に印加した。この状態で、容器内に0.1MPaの加圧窒素を導入して、容器内の溶融ピッチをノズルからコレクタに吐出させて紡糸を行った。これにより、紡糸が良好に進み、細いピッチ繊維が得られた。
次に、得られたピッチ繊維に対する不融化工程と、炭素化工程を、No.1と同じ方法で行った。これにより、最小直径が1.2μmで最大直径が1.3μmである比較的均一な炭素繊維が得られた。
このようにして得られた炭素繊維を、めのう乳鉢で粉砕して、平均繊維長が10μmとなるようにした。この炭素繊維をX線回折装置にかけて、(002)面間隔を測定したところ、0.3471nmであった。
この炭素繊維を、No.1で使用したものと同じメソフェーズ小球体の黒鉛化品100質量部に対して3質量部となるように混合した。この混合物とバインダーであるポリビニリデンフルオロライド(PVdF)を、質量比で混合物:PVdF=90: 10となるように混合した。この混合物にN−メチルピロリドンを添加することでPVdFを溶解し、ペースト状炭素材を得た。
このペースト状炭素材の一部を取り、含まれている炭素繊維の部分を分離・回収してSEM画像解析を行った。その結果、炭素繊維は凝集して二次粒子を形成することなく、ほぼ線状の形態で存在しており、炭素繊維の平均長さは8μmであった。
このペースト状炭素材を用い、No.1と同じ方法で試験電極を得た。そして、得られた試験電極のうち電極密度が1.9g/cm3 のものを用い、No.1と同じ方法で、空隙率と浸透速度を測定したところ、空隙率Kは0.125(12.5%)であり、浸透速度は230秒であった。
また、得られた試験電極のうち電極密度が1.9g/cm3 のものと、対極として用いたリチウム箔との間に多孔質のセパレーターを介在させ、非水系電解液に浸漬させることで、試験用電池を作製した。非水系電解液はNo.1と同じものを用いた。
この試験用電池の電池特性を調べたところ、初回充放電時の放電容量は345mAh/gであり、不可逆容量は20mAh/gであった。これらの値から算出された初回充放電効率は94.5%であった。また、充電受入れ性は1.0Cで35.5%、放電率は2.0Cの放電で92.3%であった。
[サンプルNo.3]
先ず、以下の方法で、ピッチを溶液エレクトロスピニング法により紡糸してピッチ繊維を得た。
コールタールを原料として調製した、軟化点が250℃のピッチを用意し、これをピリジン(溶剤)に溶解して濃度が10質量%のピッチ溶液を得た。このピッチ溶液を、ステンレス製の容器(容量10mL)に入れて密封した。この容器の下端には、ステンレス製の27G(内径0.20mm、外径0.42mm)のノズルが取り付けてある。
ノズルの直下60mmの位置にアース電極(コンベア式コレクタ)を置き、高電圧発生機で発生した20kVの電圧を、コレクタとノズルとの間に印加した。この状態で、容器内に0.1MPaの加圧窒素を導入して、容器内のピッチ溶液をノズルからコレクタに吐出させて紡糸を行った。これにより、紡糸が良好に進み、細いピッチ繊維が得られた。
次に、得られたピッチ繊維に対する不融化工程と、炭素化工程を、No.1と同じ方法で行った。これにより、最小直径が1.3μmで最大直径が2.5μmである炭素繊維が得られた。
このようにして得られた炭素繊維を、めのう乳鉢で粉砕して、平均繊維長が10μmとなるようにした。この炭素繊維をX線回折装置にかけて、(002)面間隔を測定したところ、0.3451nmであった。
この炭素繊維を、No.1で使用したものと同じメソフェーズ小球体の黒鉛化品100質量部に対して3質量部となるように混合した。この混合物とバインダーであるポリビニリデンフルオロライド(PVdF)を、質量比で混合物:PVdF=90: 10となるように混合した。この混合物にN−メチルピロリドンを添加することでPVdFを溶解し、ペースト状炭素材を得た。
このペースト状炭素材の一部を取り、含まれている炭素繊維の部分を分離・回収してSEM画像解析を行った。その結果、炭素繊維は凝集して二次粒子を形成することなく、ほぼ線状の形態で存在しており、炭素繊維の平均長さは9μmであった。
このペースト状炭素材を用い、No.1と同じ方法で試験電極を得た。そして、得られた試験電極のうち電極密度が1.9g/cm3 のものを用い、No.1と同じ方法で、空隙率と浸透速度を測定したところ、空隙率Kは0.126(12.6%)であり、浸透速度は240秒であった。
また、得られた試験電極のうち電極密度が1.9g/cm3 のものと、対極として用いたリチウム箔との間に多孔質のセパレーターを介在させ、非水系電解液に浸漬させることで、試験用電池を作製した。非水系電解液はNo.1と同じものを用いた。
この試験用電池の電池特性を調べたところ、初回充放電時の放電容量は345mAh/gであり、不可逆容量は20mAh/gであった。これらの値から算出された初回充放電効率は94.5%であった。また、充電受入れ性は1.0Cで35.3%、放電率は2.0Cの放電で92.2%であった。
[サンプルNo.4]
気相成長法で作製された炭素繊維(VGCF)として、直径が140nm〜160nm(平均繊維径150nm)で平均繊維長が8μmのものを入手した。このカーボンナノファイバーをX線回折装置にかけて(002)面間隔を測定したところ、0.3383nmであった。
この炭素繊維を、No.1で使用したものと同じメソフェーズ小球体の黒鉛化品100質量部に対して3質量部となるように混合した。この混合物とバインダーであるポリビニリデンフルオロライド(PVdF)を、質量比で混合物:PVdF=90: 10となるように混合した。この混合物にN−メチルピロリドンを添加することでPVdFを溶解し、ペースト状炭素材を得た。
このペースト状炭素材の一部を取り、含まれている炭素繊維の部分を分離・回収してSEM画像解析を行った。その結果、炭素繊維は平均長さが8μmから3μmに減少していた。
このペースト状炭素材を用い、No.1と同じ方法で試験電極を得た。そして、得られた試験電極のうち電極密度が1.9g/cm3 のものを用い、No.1と同じ方法で、空隙率と浸透速度を測定したところ、空隙率Kは0.123(12.3%)であり、浸透速度は280秒であった。
また、得られた試験電極のうち電極密度が1.9g/cm3 のものと、対極として用いたリチウム箔との間に多孔質のセパレーターを介在させ、非水系電解液に浸漬させることで、試験用電池を作製した。非水系電解液はNo.1と同じものを用いた。
この試験用電池の電池特性を調べたところ、初回充放電時の放電容量は345mAh/gであり、不可逆容量は22mAh/gであった。これらの値から算出された初回充放電効率は94.0%であった。また、充電受入れ性は1.0Cで29.2%、放電率は2.0Cの放電で89.0%であった。
[サンプルNo.5]
No.1で使用したものと同じメソフェーズ小球体の黒鉛化品(炭素繊維を混合しないもの)と、バインダーであるポリビニリデンフルオロライド(PVdF)を、質量比でメソフェーズ小球体の黒鉛化品:PVdF=90: 10となるように混合した。この混合物にN−メチルピロリドンを添加することでPVdFを溶解し、ペースト状炭素材を得た。
このペースト状炭素材を用いた以外はNo.1と同じ方法で、試験電極を得た。そして、得られた試験電極のうち電極密度が1.9g/cm3 のものを用い、No.1と同じ方法で、空隙率と浸透速度を測定したところ、空隙率Kは0.106(10.6%)であり、浸透速度は1500秒であった。
また、得られた試験電極のうち電極密度が1.9g/cm3 のものと、対極として用いたリチウム箔との間に多孔質のセパレーターを介在させ、非水系電解液に浸漬させることで、試験用電池を作製した。非水系電解液はNo.1と同じものを用いた。
この試験用電池の電池特性を調べたところ、初回充放電時の放電容量は345mAh/gであり、不可逆容量は20mAh/gであった。これらの値から算出された初回充放電効率は94.5%であった。また、充電受入れ性は1.0Cで25.1%、放電率は2.0Cの放電で87.4%であった。
得られたNo.1〜No.5の試験用電極の構成と電極特性および電池特性を、下記の表1にまとめて示す。
Figure 2012174369
また、No.1〜No.5の試験用電池のサイクル特性を調べたところ、図5に示すグラフが得られた。
これらの試験結果から以下のことが分かる。
負極活物質層に炭素繊維を含有しているNo.1〜No.4の試験電極は、負極活物質層に炭素繊維を含有していないNo.5の試験電極と比較して、空隙率が高く、浸透速度が早い。そして、負極活物質層に炭素繊維を含有している試験電極を負極として有するNo.1〜No.4の試験用電池は、負極活物質層に炭素繊維を含有していない試験電極を負極として有するNo.5の試験用電池と比較して、優れた電池特性が得られている。
また、No.1〜No.4の試験用電池のうちNo.1〜No.3の試験用電池は、負極活物質層に添加された炭素繊維が、ピッチの紡糸工程を経て得られ、線状で、直径が1.0μm超3.0μm以下の範囲に、アスペクト比が3〜45の範囲にあることで、特に優れた電池特性が得られている。

Claims (6)

  1. 炭素材料からなる活物質と、炭素繊維と、結合剤と、を含有する負極活物質層を有するリチウムイオン二次電池用負極であって、
    前記炭素繊維は、炭素を含有する原料を溶液法または溶融法により紡糸する紡糸工程を経て得られ、線状で、直径が1.0μm超3.0μm以下の範囲にあることを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極。
  2. 炭素材料からなる活物質と、炭素繊維と、結合剤と、を含有する負極活物質層を有するリチウムイオン二次電池用負極であって、
    前記炭素繊維は、ピッチを溶液法または溶融法により紡糸してピッチ繊維を得る紡糸工程と、ピッチ繊維の不融化工程と、不融化されたピッチ繊維を不活性ガス雰囲気で熱処理する工程を経て得られ、線状で、直径が1.0μm超3.0μm以下の範囲にあることを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極。
  3. 前記炭素繊維のアスペクト比が3以上45以下である請求項1または2記載のリチウムイオン二次電池用負極。
  4. 前記負極活物質層は、前記炭素繊維を、前記活物質100質量部に対して0.5質量部以上20質量部以下の割合で含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用負極。
  5. 電極密度が1.8〜2.0g/cm3 である請求項1〜4のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用負極。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用負極を有するリチウムイオン二次電池。
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