JP2020071947A - 導電結着材繊維及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】新規の電極材料を提供する。【解決手段】導電結着材繊維は、電極に用いられるものであって、結着材である樹脂と、樹脂の100体積部に対して20体積部以上150体積部以下の導電材である炭素材料と、を含み、体積抵抗率が100Ωcm以下であり、直径が0.03μm以上3μm以下の範囲である。【選択図】図1

Description

本明細書は、導電結着材繊維及びその製造方法を開示する。
従来、蓄電デバイスの電極に用いられる材料としては、例えば、平均粒径dAが0.1〜100μmの電極活物質粒子と、それより小さい平均粒径dxでありdx/dAが0.8以上4以下であるバインダ粒子とを有する電極用複合粒子が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この電極用複合粒子では、蓄電デバイスのレート特性やサイクル特性などの性能を向上することができる。
特開2015−69928号公報
しかしながら、上述した特許文献1の電極用複合粒子では、蓄電デバイスのレート特性やサイクル特性をより向上することができるものの、まだ十分ではなく、電極材料の更なる改良が望まれていた。
本開示は、このような課題に鑑みなされたものであり、新規の電極材料を提供することを主目的とする。
上述した目的を達成するために鋭意研究したところ、本発明者らは、炭素材料を加えて導電材の機能を付与し、結着材を繊維状にすることにより、例えば、導電性及び結着性をより向上し、電極の性能を向上することができることを見いだし、本明細書で開示する発明を完成するに至った。
即ち、本明細書で開示する導電結着材繊維は、
電極に用いられる導電結着材繊維であって、
結着材である樹脂と、
前記樹脂の100体積部に対して20体積部以上150体積部以下の導電材である炭素材料と、を含み、
体積抵抗率が100Ωcm以下であり、
直径が0.03μm以上3μm以下の範囲であるものである。
本明細書で開示する導電結着材繊維の製造方法は、
電極に用いられる導電結着材繊維の製造方法であって、
結着材である樹脂と、導電材である炭素材料とを前記樹脂の100体積部に対して前記炭素材料が20体積部以上150体積部以下の範囲となるよう溶媒と共に混合し、体積抵抗率が100Ωcm以下であり直径が0.03μm以上3μm以下の範囲となるように紡糸する紡糸工程、を含むものである。
本開示では、新規の電極材料を提供することができる。一般的に、電極材料として、例えば、粒子状の結着材を用いることがある。また、活物質の粒子の表面には凹凸がある。この場合、活物質の粒子表面の凹部に結着材粒子が入り込むことがあり、十分な結着性が得られないことがあった。また、結着性を高めるために必要量よりも多い結着材を要することがあり、電解液の入り込む空間がより希少となり、イオン伝導性を妨げることがあった。また、活物質粒子の表面に結着材の膜が形成されることがあり、イオン伝導性を妨げることがあった。このような課題があるが、本開示では、繊維状の結着材とすることによって、活物質粒子の凹部に入り込まずに粒子を結着することができる。また、繊維状の結着材が導電性を有するため、粒子状の導電材を用いた場合に生じうる導電材の凹部への入り込みも抑制することができる。このため、電解液が活物質に接触しやすくなる。このように、本開示では、例えば、結着性や導電性のほか、イオン伝導性も改善することができる。
導電結着材繊維20の構成の一例を示す模式図。 静電紡糸装置30の一例を示す説明図。 静電紡糸装置30Bによる繊維作製及び評価の説明図。 実験例1の導電結着材繊維のSEM写真。 実験例3の導電結着材繊維のSEM写真。 実験例5の導電結着材繊維のSEM写真。 実験例1〜7の炭素材料の添加比と体積抵抗率との関係図。
(導電結着材繊維)
本開示の導電結着材繊維の好適な実施形態について以下に説明する。本実施形態の導電結着材繊維は、電極に用いられるものであって、結着材である樹脂と、導電材である炭素材料とを含んでいる。また、導電結着材繊維は、体積抵抗率が100Ωcm以下である。また、導電結着材繊維は、直径が0.03μm以上3μm以下の範囲である。
樹脂は、結着材としての機能を有する。この樹脂は、例えば、電解液中でイオン伝導性を有するものであることが好ましい。このような樹脂としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、ポリフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、及びポリメタクリル酸メチルとアクリルポリマーとの共重合体のうち1以上などが挙げられる。特に、電極に用いるものであるため、この樹脂は、電位安定性の面からフッ素含有樹脂であることがより好ましい。この樹脂としては、PVdFが好ましい。
炭素材料は、結着材繊維に導電性を付与するものであり、粒子状、鱗片状、繊維状及びチューブ状の形状を有するものとしてもよい。この炭素材料としては、例えば、アセチレンブラック、カーボンブラック、ケッチェンブラック、鱗片状黒鉛及びカーボンナノチューブのうち1以上が挙げられる。このうち、アセチレンブラックが好ましい。この炭素材料は、例えば、樹脂の100体積部に対して20体積部以上150体積部以下の範囲で導電結着材繊維に含まれているものとする。この炭素材料の含有量が20体積部以上では、導電性をより高めることができ、150体積部以下では、結着性の低下をより抑制することができ好ましい。この炭素材料は、樹脂の100体積部に対して30体積部以上含まれることが好ましく、50体積部以上含まれるものとしてもよい。また、この炭素材料は、樹脂の100体積部に対して120体積部以下含まれることが好ましく、100体積部以下含まれるものとしてもよい。また、炭素材料は、例えば、樹脂の100質量部に対して20PHR以上150PHR以下の範囲で導電結着材繊維に含まれているものとしてもよい。この炭素材料の含有量が20PHR以上では、導電性をより高めることができ、150PHR以下では、結着性の低下をより抑制することができ好ましい。この炭素材料は、樹脂の100質量部に対して30PHR以上含まれることが好ましく、50PHR以上含まれるものとしてもよい。また、この炭素材料は、樹脂の100質量部に対して120PHR以下含まれることが好ましく、100PHR以下含まれるものとしてもよい。このとき、樹脂は、PVdFであるものとしてもよい。
この炭素材料は、炭素粒子である場合、一次粒子の粒径dが10nm以上100nm以下の範囲であるものとしてもよい。粒径dが10nm以上では、導電パスを形成しやすく、粒径dが100nm以下では、導電結着材繊維の直径Dが太くなるのをより抑制することができる。この粒径dは、20nm以上であることが好ましく、50nm以下であることが好ましい。また、炭素材料が鱗片状炭素である場合、長さaと幅bとは同じであってもよいし、異なっていてもよいし、厚さcは長さaや幅bと異なっているものとしてもよい。長さaや幅bは、10nm以上100nm以下の範囲であるものとしてもよい。厚さcは、長さaや幅bも短いことが好ましく、5nm以上50nm以下の範囲であるものとしてもよい。また、炭素材料が繊維状やチューブ状である場合、長さxは、導電結着材繊維の長さLより短いものとし、例えば、0.1μm以上100μm以下の範囲であるものとしてもよい。また、直径yは、長さxよりも十分短いものとし、例えば、10nm以上100nm以下の範囲であるものとしてもよい。また、チューブ状であるとき、その中空空洞の直径は、直径yより小さいものとすればよい。
導電結着材繊維は、体積抵抗率が100Ωcm以下であるが、より低いことが好ましく、10Ωcm以下であることが好ましく、1Ωcm以下であることがより好ましい。また、導電結着材繊維は、その直径Dが0.03μm以上3μm以下の範囲であるが、0.3μm以上であることが好ましく、0.4μm以上であることがより好ましい。また、導電結着材繊維の直径Dは、2μm以下であることが好ましく、1μm以下であるものとしてもよい。導電結着材繊維の直径Dは、例えば、電極に用いる活物質の粒径などに応じて適宜調整するものとすればよい。導電結着材繊維は、その長さLが1μm以上100μm以下の範囲であるものとしてもよい。導電結着材繊維の長さLは、5μm以上としてもよく、10μm以上としてもよい。また、導電結着材繊維の長さLは、80μm以下としてもよく、50μm以下としてもよい。この長さLは、例えば、電極に用いる活物質の粒径や表面に存在する凹凸の大きさなどに応じて適宜調整するものとすればよい。
図1は、導電結着材繊維20の構成の一例を示す模式図であり、図1Aが炭素粒子22を含む導電結着材繊維20、図1Bが鱗片状炭素22Bを含む導電結着材繊維20B、図1Cがカーボンナノチューブ22Cを含む導電結着材繊維20Cの一例である。図1Aに示す導電結着材繊維20は、樹脂21と、炭素粒子22とを含む。導電結着材繊維20は、上述した直径D、長さLで形成された繊維である。炭素粒子22は上述した粒径dを有する。図1Bに示す導電結着材繊維20Bは、樹脂21と、鱗片状炭素22Bとを含む。鱗片状炭素22Bは、上述した長さa、幅b、厚さcで形成された平板状の炭素である。図1Cに示す導電結着材繊維20Cは、樹脂21と、カーボンナノチューブ22Cとを含む。カーボンナノチューブ22Cは、上述した長さx、直径yで形成された中空繊維状の炭素である。これらの導電結着材繊維20,20B,20Cでは、樹脂21により結着性を有し、炭素材料により導電性を有する。
(導電結着材繊維の製造方法)
この製造方法は、電極に用いられる導電結着材繊維の製造方法である。この製造方法は、紡糸工程を含む。また、更に、紡糸工程のあと、紡糸した繊維の長さを調整する調整工程を含むものとしてもよい。
紡糸工程では、結着材である樹脂と、導電材である炭素材料とを紡糸する。この工程では、結着材である樹脂と、導電材である炭素材料とを樹脂の100体積部に対して炭素材料が20体積部以上150体積部以下の範囲となるよう溶媒と共に混合し、紡糸ペーストを得る。この工程では、樹脂の100質量部に対して炭素材料が20PHR以上150PHR以下の範囲となるよう溶媒と共に混合するものとしてもよい。このとき、樹脂はPVdFとしてもよい。また、この工程では、体積抵抗率が100Ωcm以下であり直径が0.03μm以上3μm以下の範囲となるように紡糸する。この工程では、上述した導電結着材繊維で挙げられた材料や、配合比、サイズなどを適宜採用すればよい。この工程で用いる溶媒としては、樹脂を溶解するものであれば特に限定されないが、例えば、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトン、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、アクリル酸メチル、ジエチレントリアミン、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、エチレンオキシド、テトラヒドロフランなどのうち1以上を用いることができる。この溶媒としては、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド及びアセトンのうち1以上が好ましい。
紡糸処理としては、特に限定されないが、例えば、溶融紡糸法を用いることができ、静電紡糸法などを用いるものとしてもよい。静電紡糸法では、炭素材料が連続して接続した構造になりやすいため、導電性を得られやすく好ましい。また、紡糸処理としては、回転紡糸法、乾燥紡糸法、湿式紡糸法などを採用してもよい。ここでは、静電紡糸法を主として以下説明する。例えば、静電紡糸法では、紡糸ペーストの樹脂濃度は、2質量%以上5質量%以下の範囲が好ましく、2.2質量%以上4.5質量%以下の範囲がより好ましい。このような範囲では、炭素材料を含む紡糸ペーストにおいて、静電紡糸法によって繊維形状としやすく好ましい。また、紡糸ペーストの密度は、0.9g/cm3以上1.2g/cm3以下の範囲が好ましく、0.95g/cm3以上1.0g/cm3以下の範囲がより好ましい。このような範囲では、炭素材料を含む紡糸ペーストにおいて、静電紡糸法によって繊維形状としやすく好ましい。
静電紡糸処理は、静電紡糸装置を用いて行うことができる。図2は、静電紡糸装置30の一例を示す説明図である。静電紡糸装置30は、チャンバー31と、収容部32と、吐出部33と、コレクタ34とを備えている。チャンバー31は、吐出部33やコレクタ34を収容する箱体である。収容部32は、上記紡糸ペーストを収容するものである、吐出部33へこの紡糸ペーストを一定速度で供給する。吐出部33は、紡糸ペーストをコレクタ34に向かって吐出するノズルを有している。コレクタ34は、吐出部33から吐出されて形成された導電結着材繊維20を受ける部材である。この静電紡糸装置30では、吐出部33のノズル及び紡糸ペーストは、電気的に浮いた状態で配置されており、紡糸ペーストを介してノズルが接地されないように構成されている。紡糸条件としては、ノズル径、ノズルの印加電圧、紡糸ペーストの供給速度、コレクタ形状などがある。ノズル径は、紡糸する繊維の直径Dに応じて適宜選択することができ、例えば0.1mm〜0.5mmの範囲のいずれかにしてもよい。ノズルの印加電圧は、繊維を作製する規模に応じて適宜選択することができ、例えば+10kV〜+50kVの範囲としてもよい。紡糸ペーストの供給速度は、繊維を作製する規模に応じて適宜選択することができ、例えば、0.1mL/hr〜10mL/hrの範囲としてもよい。コレクタの形状は、平板状が一般的であり、この場合、平板の上面に導電結着材繊維20が積み重なって形成される。また、コレクタを円板状として回転させれば、その円周に沿って導電結着材繊維が形成される。
(調整工程)
この工程では、紡糸した導電結着材繊維の長さLを調整する。この長さLは、上述した導電結着材繊維で説明した範囲とすることができる。また、長さLの調整は、例えば、物理的な力を加えて繊維を切断したり解砕することにより行うことができる。平板状のコレクタに静電紡糸処理を行った場合は、繊維体が塊状に得られるので、これを解砕することにより、比較的容易に長さLを変更することができる。
以上詳述した本実施形態の導電結着材繊維及びその製造方法では、新規の電極材料を提供することができる。一般的に、電極材料として、例えば、粒子状の結着材を用いることがある。また、活物質の粒子の表面には凹凸がある。この場合、活物質の粒子表面の凹部に結着材粒子が入り込むことがあり、十分な結着性が得られないことがあった。また、結着性を高めるために必要量よりも多い結着材を要することがあり、電解液の入り込む空間がより希少となり、イオン伝導性を妨げることがあった。また、活物質粒子の表面に結着材の膜が形成されることがあり、イオン伝導性を妨げることがあった。このような課題があるが、本実施形態の導電結着材繊維では、繊維状の結着材とすることによって、活物質粒子の凹部に入り込まずに粒子を結着することができる。また、繊維状の結着材が導電性を有するため、粒子状の導電材を用いた場合に生じうる導電材の凹部への入り込みも抑制することができる。このため、電解液が活物質に接触しやすくなる。このように、本実施形態の導電結着材繊維では、例えば、結着性や導電性のほか、イオン伝導性も改善することができる。
なお、本開示は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
以下には、本開示の導電結着材繊維を具体的に作製した例を実験例として説明する。なお、実験例1、7が比較例に相当し、実験例2〜6が実施例に相当する。
(実験例1〜7)
N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトン、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)を体積比として90:5:5で混合した混合溶媒に、結着材としてのポリフッ化ビニリデン(PVdF,クレハ製W7300)を溶解した溶液へ、導電材としてのアセチレンブラック(デンカ製HS−100)を添加した。アセチレンブラックは、一次粒径が20〜50nmのものを用いた。この溶液を−60℃以下の露点雰囲気で十分に拡散したものを紡糸用ペーストとして用いた。実験例1〜6の導電材(炭素材料)の添加量、結着材(樹脂)の濃度、ペースト密度及び溶媒をまとめて表1に示した。なお、PHRは、結着材の固形分の100質量部に対する導電材の質量部を示し、100PHRは、結着材と導電材とが同質量であることを表す。また、表1には、結着材の固形分の100体積部に対する導電材の体積部も示した。導電結着材繊維の紡糸は、図2に示す静電紡糸装置30を用いて行った。紡糸工程は、100mm下方に配置しアースしたCu平板のコレクタに向けて、+20kVに電圧を印加した0.4mmのノズルから紡糸用ペーストを2mL/hrの流量で吐出させる条件で行った。なお、ノズル及び紡糸ペーストは、電気的に浮いた状態で配置されており、紡糸ペーストを介してノズルが接地されないようになっている。導電材の添加比が200PHR、150PHR、100PHR、50PHR、30PHR、20PHR及び10PHRであるものをそれぞれ実験例1〜7の導電結着材繊維とした。
(走査型電子顕微鏡(SEM)観察)
実験例1〜7のSEM観察を行った。SEM観察は、日立ハイテクノロジーズ社製S−3600Nを用いて1000〜5000倍の条件で行った。また、観察結果より、導電結着材繊維の直径D(μm)を計測し、その上下限値を求めた。
(電気抵抗評価)
実験例1〜7の体積抵抗率を測定した。測定試料は、上記紡糸ペーストを用いて、図3に示す静電紡糸装置30Bを用いて紡糸した。図3は、静電紡糸装置30Bによる繊維作製及び評価の説明図であり、図3Aが静電紡糸装置30Bの説明図、図3Bが得られた導電結着材繊維の説明図、図3Cが直線状に伸ばした導電結着材繊維とそのSEM写真、図3Dが距離に対する抵抗の測定概念図である。静電紡糸装置30Bは、円周部が鋭角に形成された直径200mmの円板形状のコレクタ34Bを備えている。コレクタ34Bを回転させながら紡糸すると、その円周部に沿って導電結着材繊維が紡糸される。上述した紡糸条件により、コレクタ34Bを300rpmで回転させながら30分間紡糸した。これを直線状に伸ばしたサンプルを用いて、繊維の長手方向の抵抗を測定した。ここでは、距離を変えたときの抵抗を測定し(図3C)、その関係図(図3D)の傾きに基づいて体積抵抗率(Ωcm)を求めた。
(結着性評価)
実験例1〜7の結着性の評価を行った。この評価では、上述した電気抵抗の評価を行った導電結着材繊維の繊維束1cmを15μm角のAl箔集電体に挟んで、含まれる樹脂の融点以上である200℃でロールプレスを行った。常温に戻したあと、Al箔同士が付着しているものを「A」、Al箔が剥がれたものを「C」と評価した。
(総合判定)
また、実験例1〜78を総合判定した。この評価では、体積抵抗率が10Ωcm以下で且つ結着性「A」であるものを総合判定「A」、体積抵抗率が10Ωcm超過100Ωcm以下の範囲で且つ結着性「A」であるものを総合判定「B」、体積抵抗率が100Ωcm超過、又は結着性「C」であるものを総合判定「C」とした。
(結果と考察)
図4は、実験例1の導電結着材繊維のSEM写真であり、図4Bが図4Aの拡大写真である。図5は、実験例3の導電結着材繊維のSEM写真であり、図5Bが図5Aの拡大写真である。図6は、実験例5の導電結着材繊維のSEM写真であり、図6Bが図6Aの拡大写真である。図7は、実験例1〜6の導電材の添加比と体積抵抗率との関係図であり、図7Bが実験例2〜6の関係図である。また、実験例1〜6の導電材添加比と、結着材濃度、ペースト密度ρ及びペーストの溶媒種別をまとめて表2に示した。
図4〜6に例示するように、実験例1〜7において、紡糸条件及びペーストの粘度を適正化することにより、炭素材料を200PHRまで含む結着材樹脂を繊維状に紡糸することができることが確認された。また、得られた導電結着材繊維は、容易に解砕することができ、適宜その繊維長さLを調整することができた。また、表2に示すように、実験例1〜6では、体積抵抗率が100Ωcm以下であり好ましく、特に実験例1〜5では体積抵抗率が10Ωcm以下でありより好ましいことがわかった。また、実験例2〜7では、結着性が良好であり、繊維径Dが0.3〜3μmと好ましい範囲であった。総合評価としては、導電材が20〜150PHRであるものが好ましく、30PHR以上がより好ましいことがわかった。
実験例2〜6では、導電性、結着性の良好な導電結着材繊維を得ることができることがわかった。また、活物質粒子の直径が3〜30μmであるとすると、その表面に形成される凹凸は、0.3〜3μm程度であると見積もられる。活物質粒子の表面に凹凸が存在しても、導電結着材繊維はその凹部に埋没することが抑制されるため、導電材や結着材によりその凹部が閉塞されることがより抑制されることが容易に予想される。即ち、この導電結着材繊維によれば、電極のイオン伝導性についてもより向上することができると見込まれた。更に、繊維状の導電結着材であるため、電極の作製工程において、電極合材ペーストのように溶媒を使用せずに、活物質粒子と混合し加熱するなどして活物質を集電体に結着させることができる、即ちドライプロセスで電極を作製することができるため、ペースト作製や溶媒の回収、乾燥に関する製造設備を省略することができ、より容易な工程で電極を作製することができるものと推察された。
なお、本開示は上述した実施例に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
本明細書で開示した導電結着材繊維及びその製造方法は、二次電池などの蓄電デバイスの技術分野に利用可能である。
20,20B,20C 導電結着材繊維、21 樹脂、22 炭素粒子、22B 鱗片状炭素、22C カーボンナノチューブ、30,30B 静電紡糸装置、31 チャンバー、32 収容部、33 吐出部、34,34B コレクタ。

Claims (18)

  1. 電極に用いられる導電結着材繊維であって、
    結着材である樹脂と、
    前記樹脂の100体積部に対して20体積部以上150体積部以下の導電材である炭素材料と、を含み、
    体積抵抗率が100Ωcm以下であり、
    直径が0.03μm以上3μm以下の範囲である、導電結着材繊維。
  2. 前記樹脂は、ポリフッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、ポリフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体、ポリメタクリル酸メチル、及びポリメタクリル酸メチルとアクリルポリマーとの共重合体のうち1以上である、請求項1に記載の導電結着材繊維。
  3. 前記樹脂は、ポリフッ化ビニリデンであり、
    前記炭素材料は、前記樹脂の100質量部に対する質量部が20PHR以上150PHR以下の範囲で含まれる、請求項1又は2に記載の導電結着材繊維。
  4. 前記樹脂は、ポリフッ化ビニリデンであり、
    前記炭素材料は、前記樹脂の100質量部に対する質量部が30PHR以上100PHR以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の導電結着材繊維。
  5. 前記炭素材料は、アセチレンブラック、カーボンブラック、ケッチェンブラック、鱗片状黒鉛及びカーボンナノチューブのうち1以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電結着材繊維。
  6. 前記炭素材料は、粒子状であり、一次粒子の粒径が10nm以上100nm以下の範囲である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の導電結着材繊維。
  7. 前記導電結着材繊維は、体積抵抗率が10Ωcm以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の導電結着材繊維。
  8. 前記導電結着材繊維は、直径が0.3μm以上2μm以下の範囲である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の導電結着材繊維。
  9. 電極に用いられる導電結着材繊維の製造方法であって、
    結着材である樹脂と、導電材である炭素材料とを前記樹脂の100体積部に対して前記炭素材料が20体積部以上150体積部以下の範囲となるよう溶媒と共に混合し、体積抵抗率が100Ωcm以下であり直径が0.03μm以上3μm以下の範囲となるように紡糸する紡糸工程、
    を含む導電結着材繊維の製造方法。
  10. 前記紡糸工程では、前記樹脂としてポリフッ化ビニリデンを用い、前記炭素材料を前記樹脂の100質量部に対する質量比率が20PHR以上150PHR以下となるよう混合する、請求項9に記載の導電結着材繊維の製造方法。
  11. 前記紡糸工程では、前記樹脂としてポリフッ化ビニリデンを用い、前記炭素材料を前記樹脂の100質量部に対する質量比率が30PHR以上100PHR以下となるよう混合する、請求項9又は10に記載の導電結着材繊維の製造方法。
  12. 前記紡糸工程では、前記炭素材料として、アセチレンブラック、カーボンブラック、ケッチェンブラック、鱗片状黒鉛及びカーボンナノチューブのうち1以上を用いる、請求項9〜11のいずれか1項に記載の導電結着材繊維の製造方法。
  13. 前記紡糸工程では、粒径が20nm以上50nm以下の範囲である前記炭素材料を用いる、請求項9〜12のいずれか1項に記載の導電結着材繊維の製造方法。
  14. 前記紡糸工程では、体積抵抗率が10Ωcm以下である前記導電結着材繊維を紡糸する、請求項9〜13のいずれか1項に記載の導電結着材繊維の製造方法。
  15. 前記紡糸工程では、直径が0.3μm以上2μm以下の範囲に前記導電結着材繊維を紡糸する、請求項9〜14のいずれか1項に記載の導電結着材繊維の製造方法。
  16. 前記紡糸工程では、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド及びアセトンのうち1以上を含む前記溶媒を用いる、請求項9〜15のいずれか1項に記載の導電結着材繊維の製造方法。
  17. 前記紡糸工程では、静電紡糸法により紡糸する、請求項9〜16のいずれか1項に記載の導電結着材繊維の製造方法。
  18. 請求項9〜17のいずれか1項に記載の導電結着材繊維の製造方法であって、
    前記紡糸した導電結着材繊維の長さを調整する調整工程、を含む導電結着材繊維の製造方法。
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