JP2016050784A - 光ポンピング原子磁力計、及び金属検出装置 - Google Patents

光ポンピング原子磁力計、及び金属検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】1つの光源からのレーザー光をポンプ光とプローブ光として利用しても磁束密度の計測が可能であり、低価格でコンパクトな光ポンピング原子磁力計、及びこれを包含する金属検出装置を提供する。
【解決手段】アルカリ金属のガスを封入したガス容器32と、前記ガス容器32に向けてレーザー光を照射するレーザー光源14と、前記レーザー光源14と前記ガス容器32との間に配置され、前記レーザー光を楕円偏光に変換して前記ガス容器に入射させる偏光制御部18と、前記ガス容器32透過後の前記楕円偏光の直線偏光成分の偏光角度の変化量に関する信号を出力する光計測部36と、を有し、前記変化量に関する信号により前記ガス容器32を通過する磁束密度を算出可能とする光ポンピング原子磁力計10において、前記偏光角度の変化量の前記レーザー光の波長依存性において極大値またはその近傍となるときの前記レーザー光の波長に設定するための信号を前記レーザー光源14に出力する制御部56が設けられていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は異物である金属が被検査体に混入しているかどうかを検査する金属検出装置用の磁気センサーとして用いる光ポンピング原子磁力計、及びこれを包含する金属検出装置に関する。
既存の金属検出装置には、被検査体に所定の周波数の交流磁界を与え、混入されている金属による磁界の変化を検出することによって、金属の有無を判断する渦電流コイル式と、アモルファス金属ワイヤーの磁気インピーダンス効果を応用したMI(Magneto−Impeadance)センサー式の2つの代表的な方法がある。どちらの方式でも検出できる粒子の直径の下限は300μm程度である。しかし、このような技術を用いた金属検出装置では、リチウムイオン電池の異常発熱や信頼性低下を招くセパレーターフィルムに混入した数10μmの金属の検出は困難という問題があった。
一方、SQUIDはジョセフソン接合を用いた高感度の磁気センサーである。しかしながら、SQUIDは超伝導状態が必要な為に、液体ヘリウム、もしくは液体窒素での冷却や断熱部が必要であり、装置全体の大型化、運転コストが高くなる。また、素子が静電気や熱サイクルで壊れやすく、検査装置として信頼性が低いことが知られている。
これに対して、低温にする必要がない高感度の磁気センサーとして光ポンピング原子磁力計がある(特許文献1参照)。光ポンピング原子磁力計は最外殻に電子を1個持つアルカリ金属が封入されたガス容器に吸収波長の円偏光成分のポンプ光を照射すると、光子のスピンが電子に移譲し原子をスピン偏極させることができる。この状態の原子を磁場中に置くと歳差運動をし、これに直線偏光成分のプローブ光を透過させると偏光の変化となって磁場を検出することができる。
特開2009−236598号公報
しかしながら、従来の光ポンピング磁力計ではポンプ光とプローブ光の2つの光源を用いる為、光路が複雑になり、多チェンネル化にも不適であるとともに、価格が高くなり、検査装置が大型になる問題が生じていた。
そこで、本発明は、上記問題点に着目し、1つのレーザー光源からのレーザー光をポンプ光とプローブ光として利用しても磁束密度の計測が可能であり、低価格でコンパクトな光ポンピング原子磁力計、及びこれを包含する金属検出装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る光ポンピング原子磁力計は、第1には、アルカリ金属のガスを封入したガス容器と、前記ガス容器に向けてレーザー光を照射するレーザー光源と、前記レーザー光源と前記ガス容器との間に配置され、前記レーザー光を楕円偏光に変換して前記ガス容器に入射させる偏光制御部と、前記ガス容器透過後の前記楕円偏光の直線偏光成分の偏光角度の変化量に関する信号を出力する光計測部と、を有し、前記変化量に関する信号により前記ガス容器を通過する磁束密度を算出可能とする光ポンピング原子磁力計において、前記偏光角度の変化量の前記レーザー光の波長依存性において極大値またはその近傍となるときの前記レーザー光の波長に設定するための信号を前記レーザー光源に出力する制御部が設けられていることを特徴とする。
上記構成において、前記偏光角度の変化量の前記レーザー光の波長依存性において極大値またはその近傍となるときの前記レーザー光の波長は、ガスの吸収帯の波長範囲からやや離れた波長である。よって、制御部により特定の波長に設定・制御されたレーザー光は、ガスに対して、ある程度光吸収されるものの一定の割合で透過する。このため、楕円偏光の円偏光成分をポンプ光として、直線偏光成分をプローブ光として利用することができる。したがって、1つの光源からのレーザー光をポンプ光とプローブ光として利用することにより、低価格でコンパクトな光ポンピング原子磁力計となる。また、ガスの吸収帯の波長範囲が変化しても、また波長範囲が未知であっても出力信号の大きさの低下を抑制し、ガス容器を通過する磁束密度を高感度に検出することができる。
第2には、前記ガス容器内には、2種類以上のアルカリ金属が封入されていることを特徴とする。
上記構成により、光吸収をしたアルカリ金属原子がスピン偏極するが、これが周囲の原子とスピン交換衝突を起こすことにより、他の種類のアルカリ金属原子にもスピンが移譲し、全体としてスピン緩和時間が長くなる。これにより、ガスの磁気に対する感度を向上させることができる。
本発明に係る金属検出装置は、第1には、前述の光ポンピング原子磁力計を備えた金属検出装置であって、被検査体を前記光ポンピング原子磁力計の検査対象空間に搬送する搬送部と、前記検査対象空間を通過する前記被検査体に変調磁場を印加する磁場変調手段と、前記光計測部が出力する信号を前記変調磁場に係る基準周波数により同期検波して前記変化量となる同期検波出力信号を出力する第1同期検波増幅手段と、を有することを特徴とする。
上記構成により、光計測部から出力される信号のノイズを低減して、直線偏光の偏光角度の変化を高感度に検出することにより、被検査体中の極微細な金属を高感度に検出することができる。
第2には、前記制御部は、前記同期検波出力信号の位相の直交成分の正負を判別することにより前記ガス容器を通過する磁場の方向を検知することを特徴とする。
上記構成により、ガス容器を通過する磁場の大体の方向を電気的手段のみにより検知することができる。
第3には、前記偏光制御部は、直線偏光の偏光角度を回転する1/2波長板と、前記1/2波長板を透過した直線偏光が透過する1/4波長板と、を有し、前記制御部は、前記1/2波長板の基準軸、前記1/4波長板の基準軸が任意の角度となるようにそれぞれ回転制御可能とするとともに、前記同期検波出力信号の位相の直交成分の正負の入れ替わる角度の情報とに基づいて前記ガス容器を通過する磁場の方向を検知することを特徴とする。
上記構成により、楕円偏光における円偏光成分と直線偏光成分との割合、及び楕円偏光の長軸の角度を容易に変化させることができる。そして、ガス容器を通過する磁場の方向を電気的手段及び光学的手段により検知することができる。
第4には、前記偏光制御部は、直線偏光の偏光角度を回転する1/2波長板と、前記1/2波長板を透過した直線偏光が透過する1/4波長板と、を有し、前記制御部は、前記1/2波長板の基準軸と前記1/4波長板の基準軸の角度差を一定の角度差に保ったまま、前記1/2波長板及び前記1/4波長板をそれぞれ高速で回転させる回転制御により前記同期検波出力信号の時間変化情報を生成し、前記時間変化情報と、予め記憶された複数の登録情報と、を照合し、前記複数の登録情報のうち、前記時間変化情報に対応する登録情報に係る磁場の発生要因に関する情報を出力することを特徴とする。
上記構成により、楕円偏光の長軸を回転させることができる。そして、時間変化情報は、磁場の発生要因ごとに固有の曲線を描くので、時間変化情報と予め登録した登録情報とを照合することにより、検査中における磁場の発生要因を容易に特定することができる。
第5には、前記被検査体を帯磁させるための磁場を印加する帯磁部を有し、前記搬送部は、帯磁後の前記被検査体を前記検査対象空間に通過させることを特徴とする。
上記構成により、ガス容器を通過する磁場の磁束密度を高め、磁場の検知を容易に行なうことができる。
第6には、前記搬送部を介して前記被検査体に変調振動を印加する振動印加手段と、前記同期検波出力信号を前記変調振動に係る基準周波数により同期検波した信号を前記同期検波信号として出力する第2同期検波増幅手段と、を有することを特徴とする。
上記構成により、光計測部から出力された信号を二重に同期検波することになるので、直線偏光の偏光角度の変化をさらに高感度に検出することができる。また、搬送部を介して被検査体に変調振動を印加するので、効率的に変調振動を被検査体に印加することができる。
第7には、前記光ポンピング原子磁力計は一対で配置され、前記光ポンピング原子磁力計を構成する前記ガス容器は、前記被検査体を中心として対称に配置され、一方の前記光ポンピング原子磁力計が出力した前記同期検波出力信号と他方の前記光ポンピング原子磁力計が出力した前記同期検波出力信号の差分を出力する差動増幅回路を有することを特徴とする。
上記構成により、2つのガス容器の間に挟まれる位置以外の遠方の位置にある金属の影響等を軽減することができる。
第8には、前記搬送部は、傾斜した状態、または直立した状態で配置され前記被検査体が通過する筒状体であることを特徴とする。
上記構成により、筒状体を介して変調振動が被検査体に伝播するため、二重の同期検波による金属検知を容易に行なうことができる。また被検査体を移動させながら帯磁できるので、作業効率を向上させることができる。
第9には、前記被検査体が液体である場合において、前記搬送部は、前記被検査体を流通させるパイプであることを特徴とする。
上記構成により、パイプを介して変調振動が被検査体に伝播するため、二重の同期検波による金属検知を容易に行なうことができる。また被検査体を移動させながら帯磁できるので、作業効率を向上させることができる。
本発明に係る光ポンピング原子磁力計によれば、制御部により特定の波長に設定・制御されたレーザー光は、ガスに対して、ある程度光吸収されるものの一定の割合で透過する。このため、楕円偏光の円偏光成分をポンプ光として、直線偏光成分をプローブ光として利用することができる。したがって、1つの光源からのレーザー光をポンプ光とプローブ光として利用することにより、低価格でコンパクトな光ポンピング原子磁力計となる。また、ガスの吸収帯の波長範囲が変化しても、また波長範囲が未知であっても出力信号の大きさの低下を抑制し、ガス容器を通過する磁束密度を高感度に検出することができる。
また、本発明に係る金属検出装置によれば、上述の光ポンピング原子磁力計を備えるとともに、光計測部から出力される信号のノイズを低減して、直線偏光の偏光角度の変化を高感度に検出することにより、被検査体中の極微細な金属を高感度に検出することができる。また、磁場の発生要因が被検査体中の金属以外のものであったとしても、時間変化情報は磁場の発生要因ごとに固有の曲線を描くので、時間変化情報と予め登録した登録情報とを照合することにより、検査中における磁場の発生要因を容易に特定することができる。
第1実施形態の金属検出装置を構成する磁気センサー部等の模式図である。 第1実施形態の金属検出装置の模式図である。 第1実施形態の金属検出装置のブロック図である。 レーザーの発振波長と、出力信号の大きさと、の関係を表すグラフである。 金属原子のガスを封入するガス容器の温度変化に対する1/2波長板の基準軸の角度と出力信号の関係を示すグラフである。 レーザー光源の楕円率と出力信号との関係(交流磁場の向きがY方向)を示す図である。 レーザー光源の楕円率と出力信号との関係(交流磁場の向きがZ方向)を示す図である。 第2実施形態の金属検出装置の模式図である。 第3実施形態の金属検出装置の模式図である。 回転シリンダーの形態を有する金属検出装置を模式図(その1)である。 回転シリンダーの形態を有する金属検出装置を模式図(その2)である。
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
図2に第1実施形態の金属検出装置の模式図を示す。また図3に、第1実施形態の金属検出装置のブロック図を示す。本実施形態の金属検出装置100は、光ポンピング原子磁力計となる磁気センサー部10と、金属を帯磁させる帯磁部102(永久磁石、または電磁石)と、被検査体12を、帯磁部102に近接する位置、ガス容器32に対向する位置(磁気センサー部10の検査対象空間)を通過するように搬送する搬送部104と、を有する。また、磁気センサー部10が前述の検査対象空間を包含する内部空間を有し、その内部空間において外乱の磁気ノイズをキャンセルする磁気シールド部106と、その内部空間において環境磁場制御および変調磁気信号を発生するコイル部108と、を有する。また磁気センサー部10等からの信号を処理する信号処理部48と、金属検出装置100全体を制御する制御部56と、を有する。
詳細は後述するが、本実施形態に係る磁気センサー部10(図1)は、アルカリ金属のガスを封入したガス容器32と、前記ガス容器32に向けてレーザー光を照射するレーザー光源14と、前記レーザー光源14と前記ガス容器32との間に配置され、前記レーザー光32を楕円偏光に変換して前記ガス容器32に入射させる偏光制御部18と、前記ガス容器32透過後の前記楕円偏光の直線偏光成分の偏光角度の変化量に関する信号を出力する光計測部36と、を有し、前記変化量に関する信号により前記ガス容器32を通過する磁場の磁束密度を算出可能とする光ポンピング原子磁力計10である。
そして、前記偏光角度の変化量の前記レーザー光の波長依存性において極大値またはその近傍となるときの前記レーザー光の波長(図4参照)に設定するための信号を前記レーザー光源14に出力する制御部56が設けられていることが特徴となっている。
上記特徴は、アルカリ金属のガスの吸収線の波長が未知の場合、または変化する場合に適用できるものである。しかし、吸収線の波長が既知の場合、または既知であって不変の場合、制御部56は前述の極大値を見つける制御は不要となる。この場合は、後述のように、制御部56は、ガスの光の吸収線から0.006nm長い波長を包含する一定範囲(±0.0015nm)の波長、または前記吸収線から0.006nm短い波長を包含する一定範囲(±0.0015nm)の波長で前記レーザー光を発振するための信号を前記レーザー光源14に出力すればよい。
磁気シールド部106は、3軸(X軸、Y軸、Z軸)方向に独立に磁場を発生させるヘルムホルツコイルにより構成されるものである。そして、磁気シールド部106は、ガス容器32及び磁気センサー部10の検査対象空間を磁気シールド部106の内部空間として包含し、その内部空間における環境磁界をキャンセルすることができる。
コイル部108(磁場変調手段)は、磁気シールド部106同様にヘルムホルツコイルにより構成され、前述の内部空間(または被検査体12)に対して基準周波数の変調磁場を印加するものである。被検査体12に金属が混入した場合、この変調磁場を印加することにより被検査体12から発生する磁場を変調磁場に同調する成分として後述の第1同期検波増幅器52が検知することができる。なお、コイル部108は、ガス容器32を収容する形態をとっているが、磁気シールド部106とともに前述の環境磁界をキャンセルする働きをすることも可能である。
搬送部104はコンベアの形態、若しく回転シリンダーの形態(図10、図11)をなしている。コンベアの形態による搬送部104は、コンベアベルト104aを有している。コンベアベルト104aは、モーター、減速機、伝導装置等によって、図2に記載のA方向に駆動され、被検査体12を一定の間隔で連続的に搬送する。搬送部104の搬送途中となる位置には帯磁部102が取り付けられ、被検査体12に金属が混入した場合、帯磁部102を通過した際に被検査体12中の金属は帯磁部102の磁力により磁化される。磁化することにより、被検査体12から発生する磁場が大きくなるので金属の有無が判定しやすくなる。
また搬送部104には、被検査体12とガス容器32の相対的な距離を変化させる装置(振動印加手段)が取り付けられている。具体的な構成の一例としては、エアバイブレーター110をコンベアベルト104a下部よりあててコンベアベルト104aを所定の基準周波数(被検査体12が共振しやすい周波数)で振動させる。すると、被検査体12にコンベアベルト104aからの変調振動が伝播して振動し、ガス容器32との相対的な位置が変化する。これにより、ガス容器32を通過する磁場を所定の基準周波数(コイル部108が発生する変動磁場の基準周波数とは異なる)により変動(振動)させることができる。そして、被検査体12から発生する磁場を変調振動に同調する成分として後述の第2同期検波増幅器54が検知することができる。
制御部56は、例えばPC(パーソナルコンピュータ)にインストールされたアプリケーションであり、インターフェースを介して磁気センサー部10、信号処理部48、搬送部104、コイル部108等に接続され、さまざまな信号や情報の送受信を行うことができる。本実施形態の金属検出装置100では、制御部56による制御に基づき、被検査体12を連続的に搬送し、被検査体12が磁気センサー部10の検査対象空間を通過するたびに当該被検査体12の金属の有無を判断することになる。
図1に、第1実施形態の金属検出装置を構成する磁気センサー部等の模式図を示す。磁気センサー部10は、レーザー光源14、偏光制御部18、ガス容器32、光計測部36、信号処理部48、制御部56により構成されている。
磁気センサー部10においては、レーザー光源14が発するレーザー光の光軸に沿って、偏光制御部18(偏光ビームスプリッター20、1/2波長板24、1/4波長板28等)、ガス容器32、光計測部36(1/2波長板38、偏光ビームスプリッター42、光電変換器44A(P偏光成分受光用)等)が配置されている。また光計測部36は、偏光ビームスプリッター42から反射されるS偏光成分を受光する光電変換器44B、差動増幅回路46を有する。信号処理部48は、発振器50、第1同期検波増幅器52、第2同期検波増幅器54を有する。
レーザー光源14は、例えば半導体レーザー等の発振源(不図示)と、発振源からのレーザー光を分光する分光手段(グレーティング、スリット)(不図示)を有している。発振源は、アルカリ金属の吸収線の波長付近を包含する一定の範囲(±0.006nmの範囲)で発振特性を有するものである。グレーティングは、発振源からのレーザー光を分光するものである。スリットは、分光されたレーザー光のうち、磁気センサー部10の光軸に一致するレーザー光を偏光制御部18に向けて通過させるものである。
レーザー光源14では、グレーティングの角度を調整することによりスリットを通過するレーザー光の波長を調整し、スリットの幅を調整することにより、スリットを通過するレーザー光の半値幅を調整することができる。これにより、レーザー光源は、アルカリ金属の吸収線の波長付近を包含する一定の範囲(±0.006nmの範囲)において、アルカリ金属の吸収帯幅よりも十分小さい半値幅でレーザー光を出力することができる。なお、制御部56は、波長測定器22(分光器)からの波長の情報を入力し、レーザー光の波長をモニターしながら、フィードバック制御により出力波長を制御するための信号(グレーティングの角度を調整する信号)を送信することもできる。
偏光ビームスプリッター20は、レーザー光から一方向に振幅する直線偏光(P偏光)のみを透過するものである。また偏光ビームスプリッター20は、直線偏光(S偏光)を90度反射する。この直線偏光(S偏光)は波長測定器22に入射され、その波長が計測される。
1/2波長板24は、偏光ビームスプリッター20を透過した直線偏光の偏光角度を任意の方向に変化させるものであり、直線偏光の偏光角度を、1/2波長板24の基準軸を中心として回転させる。
1/4波長板28は、1/2波長板24を透過した直線偏光を円偏光等に変換するものである。1/4波長板28は、直線偏光の偏光角度と1/4波長板28の基準軸の角度のなす角が0度のときは直線偏光のままであるが、なす角を0度からずらすと、直線偏光の振幅方向を長軸とする楕円偏光となり、なす角を広げていくほど長軸と短軸の差が小さくなり、なす角を22.5度にすると完全な円偏光となる。そして、さらになす角を広げていくと、長軸と短軸が入れ替わった楕円偏光となり、45度にすると、直線偏光となるが、もとの直線偏光に直交する。
1/2波長板24には、制御部56により制御される自動回転装置26が取り付けられ、1/4波長板28には、制御部56により制御される自動回転装置30が取り付けられている。よって、自動回転装置26,30により各波長板の基準軸の角度を調整することにより、長軸(短軸)の角度、及び楕円率(長軸と短軸との割合)を任意に設定した楕円偏光をガス容器32に入射させることができる。
ガス容器32は、レーザー光を透過する材料で形成された容器であり、アルカリ金属(Na、K、Rb、Cs)のガス、またはアルカリ金属のガスとバッファガスとの混合ガスが封入されたものである。アルカリ金属としてカリウム(K)を適用すると、その吸収線(D1)は、770.11nmである。バッファガスは、窒素、および/または、ヘリウム、アルゴン、ネオン、キセノンである。また、ガス容器32にはヒータ(不図示)が取り付けられ、制御部56により制御される温度制御部34によりヒータ(不図示)の出力が制御され、ガスの温度を一定の温度に維持することができる。
このガス容器32に、前述の楕円偏光が入射されると、楕円偏光の円偏光成分がポンプ光として作用し、アルカリ金属原子がスピン偏極する。これを実現するためのレーザー光の波長については後述する(図4)。そして、この状態で、ガス容器32に磁束が通過すると、アルカリ金属原子が歳差運動を行う。一方、楕円偏光の直線偏光成分は、ガスに対してポンプ光としては作用せずプローブ光としてガス容器32内を透過するが、前述のアルカリ金属原子の歳差運動によりその偏光角度が変化する。そして、その変化量(回転角度)は、ガス容器32を通過する磁束密度に比例する。したがって、前述の変化量を算出することにより、ガス容器32を通過する磁束密度を算出することができる。
1/2波長板38は、ガス容器32を通過した楕円偏光の直線偏光成分(円偏光成分はガスに吸収される)の振幅方向を任意の角度となるように回転させるものである。偏光ビームスプリッター42は、前述の直線偏光成分を直線偏光(P波)と直線偏光(S波)に分離するものである。
光電変換器44A,44Bは、例えばフォトダイオードや光電子増倍管等を適用することができ、入射された光の強度に応じて電圧または電流を出力するものである。差動増幅回路46は、光電変換器44A,44Bからの出力の差分を増幅するものである。
1/2波長板38は、前述同様に制御部56により制御される自動回転装置40により直線偏光成分の偏光角度を任意の角度に変更することができる。特に、被検査体12の検査前、すなわち被検査体12に起因する磁場がガス容器32に印加される前において、差動増幅回路46の出力がゼロ(若しくは最小の出力)になるようにする必要がある。このため、偏光ビームスプリッター42から得られる直線偏光(P波)と直線偏光(S波)の光強度が互いに一致するように、光電変換器44A,44Bの出力が互いに一致するように、1/2波長板38の基準軸の角度が制御部56の制御により設定される。
発振器50は、基準周波数の参照信号をコイル部108及び第1同期検波増幅器52に出力するものである。これにより、コイル部108は前述のように、基準周波数により変調磁場を発生させる。
第1同期検波増幅器52は、差動増幅回路46の出力を発振器50からの基準周波数の参照信号により同期検波して、同期検波出力信号を出力するものである。第2同期検波増幅器54は、同期検波出力信号を搬送部104(エアーバイブレーター110)からの基準周波数(発振器50の基準周波数とは周波数が異なる)の参照信号により同期検波した信号を同期検波出力信号(以下、単に出力信号と称す)として出力するものである。この出力信号は、ガス容器32を通過した楕円偏光の直線偏光成分の偏光角度の変化量を表すものであり、ガス容器32を通過する磁束密度に対応するものである。そして、出力信号は、制御部56に入力され解析される。制御部56は、出力信号をPCに付属するディスプレイに出力し、またPCに付属する記憶領域に記憶することもできる。また出力信号は、測定中(被検査体12の搬送中)は常時生成され制御部56に入力される。
制御部56は、その解析信号(出力信号)と予め用意された閾値とを比較し、解析信号の値が閾値を超えた場合には、被検査体12において金属があると判断し、搬送部104(コンベアベルト104a)の搬送を停止、及び/または、当該被検査体12の排出処理、及び/または、検出ランプ(不図示)の点灯を行う。
ところで、出力信号は、搬送部104(エアバイブレーター110)からの参照信号と同相になる同相成分と、位相が直交する(90度ずれる)直交成分を有する。よって、制御部56は、この直交成分の正負を判別することにより、ガス容器32を通過する磁場の大体の方向を判別することができる(図6、7参照)。
制御部56は、自動回転装置26,30を制御して、1/2波長板24の基準軸と1/4波長板28の基準軸の角度差を一定の角度差(例えば10度)に保ったまま、1/2波長板24の基準軸と1/4波長板28の基準軸を回転させることにより、楕円偏光の長軸の向きを回転させるための回転制御を行うことができる。また、このとき、図示は省略するが、制御部56は、偏光ビームスプリッター42及び光電変換器44A,44Bからなる一体物と、1/2波長板38(自動回転装置40)を1/4波長板28の基準軸を回転に連動して回転制御している。これにより、偏光ビームスプリッター42から分離するS偏光成分及びP偏光成分の大きさを一定に保ち、差動増幅回路46から出力をゼロもしくは最小の値に維持することができる。
そして、制御部56は、前述の回転制御をしながら、第2同期検波回路54の出力信号の直交成分をモニターし、その正負が入れ替わったときの1/4波長板28の基準軸の角度の情報に基づいて、ガス容器32を通過する磁場の方向(レーザー光の光軸に垂直な面方向)を算出することができる。詳細は後述するが(図6、図7)、前述の直交成分がゼロになるときは、磁場の方向と楕円偏光の長軸の方向のなす角は45度となる。そして、出力信号の初期位相を適切に設定することにより、例えば、直交成分が正から負に入れ替わるときは、磁場の方向は長軸の回転方向に45度回転した向きであると判断し、逆に負から正に入れ替わるときは、磁場の方向は長軸の回転方向の反対方向に45度回転した向きであると判断することができる。
本実施形態では、一つの被検査体12が検査対象空間に近づいて遠ざかる間出力信号を随時出力している。そこで、制御部56は、1/2波長板24の基準軸と1/4波長板28の基準軸の角度差を一定の角度差(例えば10度)に保ったまま、1/2波長板24及び1/4波長板28をそれぞれ高速で回転(自転)させる回転制御により出力信号の時間変化情報を生成することができる。さらに制御部56は、前記時間変化情報と、予め記憶された複数の登録情報と、を照合し、前記複数の登録情報のうち、前記時間変化情報に対応する登録情報に係る磁場の発生要因に関する情報を出力することができる。
磁場の発生要因が被検査体12中にある金属である場合、例えば出力信号が周期的に最大(または最小)となるときの楕円偏光の長軸の向きが時間変化とともに変化する。また、磁場の発生要因が、ガス容器32を通過する磁気ノイズである場合、あるいは塩水による等方的な渦電流であっても出力信号は前述同様に変化する。しかし、これらの変化の仕方は磁場の発生要因ごとに固有のパターンを有している。
そこで、本実施形態の金属検査装置100では、これらの固有のパターンに係る複数の情報を登録情報として付属するPCの記憶領域等に記憶しておく。そして、前述の時間変化情報と、予め登録された登録情報と、を照合し、前記複数の登録情報のうち、前記時間変化情報に対応する登録情報を抽出する。さらに抽出した登録情報に係る磁場の発生要因に関する情報をPC付属のモニター等に出力する。以上より、当該被検査体12の測定の際に検出された磁場の発生要因を特定することが可能となり、当該被検査体12に金属があるか否か(または他の材料や、磁場ノイズであるか)を容易に判別することができる。
なお、時間変化情報(出力信号)は、1/2波長板24及び1/4波長板28の回転制御により変調されている。この場合、前述のように偏光ビームスプリッター42及び光電変換器44A,44Bからなる一体物と、1/2波長板38を回転制御する必要はなく、時間変化情報をその変調周波数を参照信号として同期検波すればよい。
図4に、レーザーの発振波長と、出力信号の大きさと、の関係を表すグラフを示す。図4は、第2同期検波増幅器54(差動増幅回路46、第1同期検波増幅器52)からの出力信号、すなわち、ガス容器32を透過した楕円偏光の直線偏光成分の偏光角度の変化量の、レーザー光の波長依存性となっている。
図4に示すように、レーザーの発振波長がアルカリ金属の吸収線を包含する吸収帯(下限がW2、上限がW3)の波長範囲にある場合は、出力信号の大きさはゼロである。しかし、レーザーの発振波長が吸収帯の波長範囲から離れるにつれて立ち上がり、周波数がW1とW4となるところで極大値となり、その後減少していく。よって、本実施形態では、制御部56からの信号によりレーザー光源14の出力波長を変化させ、これが極大値またはその近傍(ガスの吸収帯の波長範囲外)となる波長となるようにフィードバック制御することが好適である。これにより、ガスの吸収帯の波長範囲が変化しても、波長範囲が未知であっても出力信号の大きさの低下を抑制し、ガス容器32を通過する磁束密度を高感度に検出することができる。なお、
W1=W2−0.004[nm](吸収線の波長−0.006[nm])
W4=W3+0.004[nm](吸収線の波長+0.006[nm])
であるが、W1〜W4の波長が既知(または変化しない)である場合は、制御部56からレーザー光源14に発振波長がW1またはW4となる信号を初めから出力すればよい。なお、W1は、W2から0.004nm短い波長を包含する一定範囲(±0.0015[nm])の波長とすることも可能であり、W4は、W3から0.004nm長い波長を包含する一定範囲(±0.0015「nm」)の波長とすることも可能である。
ところで、ガス容器32には、2種類以上のアルカリ金属を封入する場合がある。この場合、温度制御部34により、融点が高い方のアルカリ金属が十分な蒸気圧になる温度に昇温し、一つのアルカリ金属種のみの吸収帯(W2〜W3)に対して波長がW1またはW4となるレーザー光を照射すればよい。
これにより、光吸収した種のアルカリ金属原子がスピン偏極し、周囲の原子と、スピン交換衝突することによって、他の種のアルカリ金属原子へもスピンを移譲し、全体としてスピン緩和時間が長くなり、感度を向上させる(極大値をさらに大きな値にする)ことができる。
図5に、金属原子のガスを封入するガス容器の温度変化に対する1/2波長板の基準軸の角度と出力信号の関係を示す。図5は、ガス容器の温度、すなわちカリウムの金属原子のガスの温度(設定温度:100℃、110℃、120℃、130℃、140℃)を変化させた場合の関係を表すグラフとなっている。ここで、横軸は、1/4波長板28の基準軸と1/2波長板24の角度差となっているが、実際には1/4波長板28を固定して1/2波長板24を回転させている。前述のように角度差がゼロの場合は直線偏光となり、22.5度の場合は完全な円偏光となる。ゼロ度の場合は、ポンプ光成分(円偏光成分)がなく、また、22.5度の場合は、プローブ光成分(直線偏光成分)がないため、出力信号は得られない。
しかし、図5に示すように、ゼロ度より高く、かつ18度以下となる範囲では出力信号が得られる。また、金属原子の温度を高くするほど、金属原子の蒸気圧が高くなる(ガスの濃度が高くなる)ため出力信号は大きくなる。また、ほとんどの温度において角度差を10度とすることにより、出力信号が最大となる。よって、制御部56は、1/4波長板28の基準軸と1/2波長板24の基準軸の角度差が例えば10度となるように、自動回転装置26,30により各波長板の基準軸の角度を調整すればよい。なお、レーザーパワーが大きくすることにより、円偏光成分を少なくしても(角度差を10度以下にしても)、ポンプ光成分が十分な光強度となるので、十分な出力の出力信号が得られることを本願発明者は見出している。
図6、図7に、レーザー光源の楕円率と出力信号との関係(交流磁場の向きがY方向、Z方向)を示す。図6、7は、X軸、Y軸、Z軸の直交座標系を考え、レーザー光がX軸方向(水平方向)に伝播している場合において、レーザー光の楕円偏光の楕円率を変化させた場合の出力信号の振幅を表している。
図6、図7において、横軸は、1/4波長板の基準軸の向き(水平)を固定して1/2波長板の基準軸を回転させた場合の両者のなす角を表している。なす角がゼロ度のときはY軸方向を振幅方向とする直線偏光となり、45度のときはZ軸を振幅方向とする直線偏光となる。また、なす角が22.5度のときは完全な円偏光となる。そして、それ以外の角度では楕円偏光となるが、なす角を変化させることによりその楕円率が連続的に変化する。なお図6,7では、左回転の楕円偏光であるが、なす角を45度以上にすると右回転の楕円偏光になる。図6、図7においてRは、出力信号の同相成分(同期検波に用いた参照信号と同相)の二乗と直交成分の二乗の和の平方根(出力信号)、Yは直交成分を表している。図6では、磁場をY軸方向(水平方向)に印加し、図7では、磁場をZ軸方向(鉛直方向)に印加している。図4でも説明したように、なす角が0度及び45度の場合(直線偏光の状態)、22.5度の場合(完全な円偏光の状態)では、出力信号(R、Y)はほぼゼロとなる。
そして、なす角が10度及び32.5度では出力信号(R)は極大値となっているが、図6、図7に示すように、磁場の向きが異なっても両者に差は見られない。しかし、出力信号(Y)はその極性が互いに相違し、例えば、なす角が10度の位置において、磁場をY軸方向に印加した場合(図6)はマイナスになっており、磁場をZ軸方向に印加した場合(図7)はプラスになっている。すなわち、楕円偏光の長軸が磁場と平行な場合はマイナスであり、垂直な場合はプラスとなっている。したがって、制御部56は出力信号(Y)の正負を判別することにより、ガス容器32を通過する磁場の大体の向き(水平であるか垂直であるか)を判断することができる。なお、出力信号(Y)の初期位相を反転ことにより、楕円偏光の長軸が磁場と平行な場合はプラスとし、垂直な場合はマイナスとすることも可能である。
また、本願発明者は、楕円偏光の長軸の方向と磁場の方向とのなす角が45度のときに出力信号(Y)がゼロになることを見出している。よって、出力信号(Y)の初期位相を図6、7のように設定することにより、磁場の方向を、直交成分が正から負に入れ替わるときは、長軸の回転方向に45度回転した向きであると判断し、逆に負から正に入れ替わるときは、長軸の回転方向の反対方向に45度回転した向きであると判断することができる。
図8に、第2実施形態の金属検出装置の模式図を示す。第2実施形態の金属検出装置100Aでは、搬送部は、傾斜した状態、または直立した状態で配置され被検査体12が通過する筒状体112(シュート)となっている。また、筒状体112の上部において被検査体12を帯磁させるための磁場を印加する帯磁部102が取り付けられている。また、ガス容器32(磁気センサー部10)は、筒状体112の帯磁部102よりも下方となる位置に対向するように配置されている。そして、エアバイブレーター110等の振動印加手段(図8では不図示)が、筒状体112に取り付けられ、筒状体112に変調振動を印加する構成となっている。
また、第1実施形態と同様に、ガス容器32及び磁気センサー部10の検査対象空間(筒状体112の一部を含む)は、磁気シールド部106の内部空間に収容され、ガス容器32はコイル部108に収容されている。本実施形態の金属検出装置100Aは、被検査体12が粉末状である場合に有効な構成となっているが、必ずしも粉末状である必要はない。また、筒状体112に変調振動を印加することにより被検査体12に変調振動が伝播する。
筒状体112が直立している場合、筒状体112の上端の開口部から被検査体12を導入すると、被検査体12はそのまま筒状体112内を落下(図中のA方向)するが、その途中で帯磁部102により帯磁し、帯磁した被検査体12は、磁気センサー部10の検査対象空間を通過するときに検査対象となる。
筒状体112が傾斜している場合、筒状体112の上端の開口部から被検査体12を導入すると、被検査体12は筒状体112内の内壁を傾斜面として斜め下方に滑っていくことになるが、その途中で帯磁部102により帯磁し、帯磁した被検査体12は、磁気センサー部10の検査対象空間を通過するときに検査対象となる。
図9に、第3実施形態の金属検出装置の模式図を示す。第3実施形態の金属検出装置100Bは、被検査体12が液体である場合に好適な構成となっており、搬送部は、被検査体12を流通させるパイプ114となっている。また、パイプ114の上流側において被検査体12を帯磁させるための磁場を印加する帯磁部102が取り付けられている。また、ガス容器32(磁気センサー部10)は、パイプ114の帯磁部102よりも下流となる位置に対向するように配置されている。そしてエアバイブレーター110等の振動印加手段(図9では不図示)が、パイプ114に取り付けられ、パイプ114に変調振動を印加する構成となっている。
また、第1実施形態と同様に、ガス容器32及び磁気センサー部10の検査対象空間(パイプ114の一部を含む)は、磁気シールド部106の内部空間に収容され、ガス容器32は、コイル部108に収容されている。パイプ114に変調振動を印加することによりパイプ114中を流れる被検査体12に変調振動が伝播する。
本実施形態において、被検査体12をパイプ114の上流側から導入すると、被検査体12はその途中で帯磁部102により帯磁し、帯磁した被検査体12は、磁気センサー部10の検査対象空間を通過するときに検査対象となる。
また、本実施形態では、金属検出装置を構成する磁気センサー部10は一対で配置されており、磁気センサー部10のガス容器32(不図示)は、被検査体12(被検査体12を流通させるパイプ114)を挟むように配置されている。そして一方の磁気センサー部10(信号処理部48)が出力した出力信号(同期検波出力信号)と他方の磁気センサー部10(信号処理部48)が出力した出力信号(同期検波出力信号)の差分を出力する差動増幅回路116を有する構成となっている。これにより、差動増幅回路116からの出力信号において、2つのガス容器32の間に挟まれる位置以外の位置にある遠方の金属の影響等を軽減することができる。
いずれの実施形態においても、搬送部104(第1実施形態)、筒状体112(第2実施形態)、パイプ114(第3実施形態)を介して変調振動が被検査体12に伝播するため、二重の同期検波による金属検知を容易に行なうことができる。また被検査体12を移動させながら帯磁できるので、作業効率を向上させることができる。
しかし、被検査体12によっては、変調振動を印加することが困難な場合がある。この場合は、エアバイブレーター110(振動印加手段)、第2同期検波増幅器54を省略して、第1同期検波増幅器52から出力される同期検波出力信号を解析してもよい。
また、レーザー光に対して基準周波数により光学的な変調を印加して同期検波することも可能である。例えば、レーザー光源14における発振源に対する注入電流を変調するための電流源(光学変調手段)を設け、レーザー光の強度、または波長を変調することができる。また、レーザー光源14から発振したレーザー光を音響光学変調器(光学変調手段)に透過させてその光強度を変調することができる。さらに、レーザー光をファラデー変調器(光学変調手段)に透過させてその偏光角度を変調することもできる。よって、本発明では、磁場による変調、被検査体12に対する振動による変調、レーザー光に対する光学的な変調、のうちのいずれか1つ、いずれか2つ、または全てを印加して(ただし、各変調はその周波数が互いに異なるようにする)、同期検波増幅器による同期検波により出力信号を得ることにより、ガス容器32を通過する磁束密度を高感度に検出することが可能となる。
10………磁気センサー部、12………被検査体、14………レーザー光源、18………偏光制御部、20………偏光ビームスプリッター、22………波長測定器、24………1/2波長板、26………自動回転装置、28………1/4波長板、30………自動回転装置、32………ガス容器、34………温度制御部、36………光計測部、38………1/2波長板、40………自動回転装置、42………偏光ビームスプリッター、44A,44B………光電変換器、46………差動増幅回路、48………信号処理部、50………発振器、52………第1同期検波増幅器、54………第2同期検波増幅器、56………制御部、100………金属検出装置、102………帯磁部、104………搬送部、104a………コンベアベルト、106………磁気シールド部、108………コイル部、110………エアバイブレーター、112………筒状体、114………パイプ、116………差動増幅回路。

Claims (11)

  1. アルカリ金属のガスを封入したガス容器と、
    前記ガス容器に向けてレーザー光を照射するレーザー光源と、
    前記レーザー光源と前記ガス容器との間に配置され、前記レーザー光を楕円偏光に変換して前記ガス容器に入射させる偏光制御部と、
    前記ガス容器透過後の前記楕円偏光の直線偏光成分の偏光角度の変化量に関する信号を出力する光計測部と、を有し、
    前記変化量に関する信号により前記ガス容器を通過する磁束密度を算出可能とする光ポンピング原子磁力計において、
    前記偏光角度の変化量の前記レーザー光の波長依存性において極大値またはその近傍となるときの前記レーザー光の波長に設定するための信号を前記レーザー光源に出力する制御部が設けられていることを特徴とする光ポンピング原子磁力計。
  2. 前記ガス容器内には、2種類以上のアルカリ金属が封入されていることを特徴とする請求項1に記載の光ポンピング原子磁力計。
  3. 請求項1または2に記載の光ポンピング原子磁力計を備えた金属検出装置であって、
    被検査体を前記光ポンピング原子磁力計の検査対象空間に搬送する搬送部と、
    前記検査対象空間を通過する前記被検査体に変調磁場を印加する磁場変調手段と、
    前記光計測部が出力する信号を前記変調磁場に係る基準周波数により同期検波して前記変化量となる同期検波出力信号を出力する第1同期検波増幅手段と、を有することを特徴とする金属検出装置。
  4. 前記制御部は、前記同期検波出力信号の位相の直交成分の正負を判別することにより前記ガス容器を通過する磁場の方向を検知することを特徴とする請求項3に記載の金属検出装置。
  5. 前記偏光制御部は、
    直線偏光の偏光角度を回転する1/2波長板と、
    前記1/2波長板を透過した直線偏光が透過する1/4波長板と、を有し、
    前記制御部は、
    前記1/2波長板の基準軸、前記1/4波長板の基準軸が任意の角度となるようにそれぞれ回転制御可能とするとともに、前記同期検波出力信号の位相の直交成分の正負の入れ替わる角度の情報とに基づいて前記ガス容器を通過する磁場の方向を検知することを特徴とする請求項3に記載の金属検出装置。
  6. 前記偏光制御部は、
    直線偏光の偏光角度を回転する1/2波長板と、
    前記1/2波長板を透過した直線偏光が透過する1/4波長板と、を有し、
    前記制御部は、
    前記1/2波長板の基準軸と前記1/4波長板の基準軸の角度差を一定の角度差に保ったまま、前記1/2波長板及び前記1/4波長板をそれぞれ高速で回転させる回転制御により前記同期検波出力信号の時間変化情報を生成し、前記時間変化情報と、予め記憶された複数の登録情報と、を照合し、前記複数の登録情報のうち、前記時間変化情報に対応する登録情報に係る磁場の発生要因に関する情報を出力することを特徴とする請求項3に記載の金属検出装置。
  7. 前記被検査体を帯磁させるための磁場を印加する帯磁部を有し、
    前記搬送部は、帯磁後の前記被検査体を前記検査対象空間に通過させることを特徴とする請求項3乃至6のいずれか1項に記載の金属検出装置。
  8. 前記搬送部を介して前記被検査体に変調振動を印加する振動印加手段と、
    前記同期検波出力信号を前記変調振動に係る基準周波数により同期検波した信号を前記同期検波信号として出力する第2同期検波増幅手段と、
    を有することを特徴とする請求項3乃至7のいずれか1項に記載の金属検出装置。
  9. 前記光ポンピング原子磁力計は一対で配置され、
    前記光ポンピング原子磁力計を構成する前記ガス容器は、前記被検査体を中心として対称に配置され、
    一方の前記光ポンピング原子磁力計が出力した前記同期検波出力信号と他方の前記光ポンピング原子磁力計が出力した前記同期検波出力信号の差分を出力する差動増幅回路を有することを特徴とする請求項3乃至8のいずれか1項に記載の金属検出装置。
  10. 前記搬送部は、
    傾斜した状態、または直立した状態で配置され前記被検査体が通過する筒状体であることを特徴とする請求項3乃至9のいずれかに記載の金属検出装置。
  11. 前記被検査体が液体である場合において、
    前記搬送部は、
    前記被検査体を流通させるパイプであることを特徴とする請求項3乃至9のいずれか1項に記載の金属検出装置。
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