JP2016050444A - 排水管継手 - Google Patents
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Abstract
【課題】複雑な形状の排水管継手においても、加熱することなく、且つ防水処理を必要とせずに、容易に防音機能を付与する。
【解決手段】排水管を接続する継手本体13と、該継手本体13の外面を被覆する防音カバー71とを備える。防音カバー71は、多孔質ゴムからなる防音層を主体とし、継手本体13の外形に対応して継手本体13に沿う立体形状に形成されており、防音層の弾性により継手本体13の外面に密着している。
【選択図】図2
【解決手段】排水管を接続する継手本体13と、該継手本体13の外面を被覆する防音カバー71とを備える。防音カバー71は、多孔質ゴムからなる防音層を主体とし、継手本体13の外形に対応して継手本体13に沿う立体形状に形成されており、防音層の弾性により継手本体13の外面に密着している。
【選択図】図2
Description
本発明は、排水管継手に関する。
建造物の排水設備では、排水が向きを変えたり合流したりする排水管継手内において、特に音が発生しやすい。そこで、従来、高層住宅等においては、居住空間へ音が漏れるのを防ぐために、防音作用を有する材料で被覆された排水管継手が用いられていた。
例えば、特許文献1には、グラスウール又はグラスファイバーシートからなる吸音層と、樹脂製のシートからなる遮音層との2層構造の防音部材を備える排水管継手が開示されている。この排水管継手では、防音部材が継手本体に巻回され、熱収縮フィルムによって継手本体に締め付け固定されている。ここで、立て管系統に横枝管排水を合流させるための排水管継手は、立て管排水が流下する胴部から横枝管接続口が張り出しており、複雑な外形となっているため、予め防音部材を分割形成しておき、継手本体の各部に装着される。すなわち、継手本体の各部に対し、対応する形状の防音部材を巻回したうえで、熱収縮フィルムで覆い、加熱して熱収縮フィルムを収縮させることで、継手本体の外周全体を防音部材で隙間無く被覆することができる。
しかし、防音部材を予め分割形成すると、部品点数が増え、継手本体への装着作業が煩雑になりやすい。しかも、グラスウール等の繊維の集合体からなる吸音層は、吸水すると膨潤するため、建造物の建設中に吸音層が雨に晒されるのを防ぐために、継手本体に被覆された防音部材の端面に防水テープを巻いて封止していた。かかる防水処理よっても、継手本体への防音部材の装着作業が一層煩雑になっていた。また、熱収縮フィルムを収縮させるために加熱することで、作業環境が高温になり易い。
そこで、本発明の課題は、複雑な形状の排水管継手においても、加熱することなく、且つ防水処理を必要とせずに、容易に防音機能を付与することを可能とすることにある。
本発明は、排水管を接続する継手本体と、該継手本体の外面を被覆する防音カバーとを備える。前記防音カバーは、多孔質ゴムからなる防音層を主体とし、前記継手本体の外形に対応して該継手本体に沿う立体形状に形成されており、前記防音層の弾性により前記継手本体の外面に密着している。
そのため、複雑な形状の排水管継手においても、継手本体に対して、加熱することなく、容易に防音カバーを装着して防音機能を付与することができる。ここで、防音カバーの防音層は多孔質ゴムからなり、水に晒されても殆ど膨潤しないため、端面の封止等の防水処理を施す必要がない。したがって、継手本体に防音カバーを装着しさえすればよい。
前記防音カバーは、前記継手本体の外形に対応する管状に形成されており、前記継手本体を通すことで該継手本体に装着されるのが好ましい。この場合、継手本体に対する防音カバーの装着が一層容易である。
前記防音カバーは、好ましくは、前記防音層の内面又は外面のうち少なくとも一方の面に、伸縮性を有する表皮材からなる保護層を有する。これにより、防音層に引っかき傷等が生じるのを防ぐことができる。また、内面に保護層を有する場合、継手本体との摩擦を低減して、防音カバーをより装着しやすくすることも可能である。
防音層を構成する前記多孔質ゴムは、好ましくは、クロロプレンゴムである。
本発明によれば、複雑な形状の排水管継手においても、加熱することなく、且つ防水処理を必要とせずに、容易に防音機能を付与することができる。
<実施形態1>
(排水管継手11)
以下、図面を参照しながら本発明の一実施形態について説明する。図1、図2に示されるように、排水管継手11は、排水管を接続して排水流路を形成する継手本体13と、この継手本体13を被覆する防音カバー71と、を備える。図2に示されるように、防音カバー71は、継手本体13の全体の外形に沿う管状に形成されている。防音カバー71は、後述するように弾性を有しており、弾性に抗して伸ばされながら内部に継手本体13が通されることで、継手本体13の全体を包み込む。つまり、この排水管継手11は、まるで服を着せるように、防音カバー71が継手本体13に装着されて成る。そして、防音カバー71は、それ自体の弾性により継手本体13に密着している。
(排水管継手11)
以下、図面を参照しながら本発明の一実施形態について説明する。図1、図2に示されるように、排水管継手11は、排水管を接続して排水流路を形成する継手本体13と、この継手本体13を被覆する防音カバー71と、を備える。図2に示されるように、防音カバー71は、継手本体13の全体の外形に沿う管状に形成されている。防音カバー71は、後述するように弾性を有しており、弾性に抗して伸ばされながら内部に継手本体13が通されることで、継手本体13の全体を包み込む。つまり、この排水管継手11は、まるで服を着せるように、防音カバー71が継手本体13に装着されて成る。そして、防音カバー71は、それ自体の弾性により継手本体13に密着している。
図3に示されるように、排水管継手11は、一配管形態において、複数層を有する建物の排水設備H1を構成する。排水設備H1は、垂直に配管された排水立て管91,93と、横方向に配管された排水横枝管95,97と、これらを接続する排水管継手11とを備える。排水管継手11は、各層を仕切る床スラブCに貫通して設置されており、床スラブCの上側で、上層に配管された排水立て管91及び3本の排水横枝管95,97(3本のうち1本は図示外)と接続されており、床スラブCの下側で下層に配管された排水立て管93と接続されている。これにより、上層の排水立て管91に導かれて流下する排水に、上層の排水器具から排水されて排水横枝管95,97に導かれた排水を合流させて、下層の排水立て管93へ流下させる。
(継手本体13)
図2に示されるように、継手本体13は、概ね筒状の胴部15を備えるとともに、胴部15の上方に形成された上部受け口17、胴部15の下方に形成された下部接続口19、及び胴部15の上部の外周に形成された3つの横枝管受け口21,23,25を備えている。排水管継手11は、上部受け口17及び横枝管受け口21,23,25が床スラブCの上側に位置し、下部接続口19が床スラブCから下方へ突出するように、胴部15が床スラブCに埋設されている。
図2に示されるように、継手本体13は、概ね筒状の胴部15を備えるとともに、胴部15の上方に形成された上部受け口17、胴部15の下方に形成された下部接続口19、及び胴部15の上部の外周に形成された3つの横枝管受け口21,23,25を備えている。排水管継手11は、上部受け口17及び横枝管受け口21,23,25が床スラブCの上側に位置し、下部接続口19が床スラブCから下方へ突出するように、胴部15が床スラブCに埋設されている。
胴部15は、円筒部15aとテーパ部15bとからなり、円筒状の円筒部15aの下に、下方に向かって漸次縮径するテーパ部15bが連続して設けられている。
上部受け口17は、胴部15の上端に連続して設けらており、排水立て管91の直管状の下端部が上方から挿入されて接続される。図4に示されるように、上部受け口17は円筒状であり、奥部に、排水立て管91の通過は許容しないが、排水立て管91を流下する排水には干渉しないように径方向内方へ張り出す受け部17aが設けられている。上部受け口17の内部には、概ね円筒状のパッキン18が内嵌されている。パッキン18は、径方向内方に張り出して、排水立て管91の外周に密着して排水立て管91と排水管継手11とを水密に接続する襞状のシール部18aを有する。また、パッキン18は、上部受け口17の受け部17aと排水立て管91の下端面との間に介在する緩衝部18bを有する。上部受け口17の上端部には、パッキン18の脱落を防止するためのパッキン保持リング17rが装着されている。
図2に示されるように、横枝管受け口21,23,25は、胴部15の外周に90°間隔で設けられている。図4に示されるように、横枝管受け口23は、胴部15の周壁から突き出た状態で設けられており、排水横枝管97の直管状の端部が挿入されて接続される。横枝管受け口23は円筒状であり、奥部に、排水横枝管97の通過は許容しないが、排水横枝管97に導かれる排水の流れを妨げないように径方向内方に張り出す受け部23aが設けられている。排水横枝管97が横枝管受け口23に挿入され、排水横枝管97と排水管継手11とが接続される。他の横枝管受け口21,25も横枝管受け口23と同じ形状である。
下部接続口19は、胴部15の下端(テーパ部15bの下端)に連続して設けられており、排水立て管93の直管状の上端部が下方から挿入されて接続される。下部接続口19は、円筒状であり、奥部に、排水立て管93の通過を許容しないストッパ部19sを備える。ストッパ部19sは、下部接続口19の径方向内方且つ下方に張り出して、テーパ部15bの延長線上に形成されている。建物の下層に立設された排水立て管93に対して排水管継手11を相対変位させ、排水立て管93の上端部を下部接続口19に挿入し、排水立て管93の上端面がストッパ部19sに当接することで、排水立て管93に排水管継手11が積み上げられた状態で、排水立て管93と排水管継手11とが接続される。
継手本体13の内部には、横枝管受け口25を挟んで左右両側に逆流防止壁27a、27bが形成されている。逆流防止壁27a、27bは、上下方向に延びる畝状に形成されており、旋回しながら流下してくる排水や、他の横枝管受け口21,23に接続された排水横枝管95,97から流入した排水が、横枝管受け口25に接続された排水横枝管(図示外)に流れ込むのを防止する。横枝管受け口21,23の左右両側にも同様の逆流防止壁が形成されている。
継手本体13は、内部に、排水の流れを制御する第1ガイド31と第2ガイド33とを備える。第1ガイド31と第2ガイド33は、横枝管受け口21,23,25が形成されている位置よりも下側に、胴部15の円筒部15aとテーパ部15bとに跨って設けられている。第1ガイド31と第2ガイド33は、それぞれ扁平半円形をした羽根状であり、胴部15の相対向する内壁面から径方向内方に張り出して、傾斜して設けられている。この第1ガイド31と第2ガイド33に流下する排水が当たることにより、排水を減速させるとともに旋回させて流下させることができる。胴部15の第1ガイド31と第2ガイド33の形成箇所は、床スラブCに埋設されている。
この継手本体13は、硬質塩化ビニル製であり、胴部15を円筒部15aにて上下に分割する上側パーツ41及び下側パーツ51と、下側パーツ51の内部に嵌め込まれる内装パーツ61とで構成されている。
上側パーツ41は、上部受け口17及び横枝管受け口21,23,25を含む胴部15の上側を形成し、その下端は円筒形状となっている。下側パーツ51は、下部接続口19及び胴部胴部15のテーパ部15bを含む胴部15の下側を形成し、その上部は円筒形状となっており、その内側に内装パーツ61が内嵌されるとともに、下側パーツ51の円筒形状の下端が嵌め込まれている。上側パーツ41の下端の外周面には、上下方向に延びる突条41tが形成されており、下側パーツ51の上部には、上側パーツ41の突条41tが嵌合する溝51mが形成されている。突条41tと溝51mとを嵌合させることで、下側パーツ51に対して上側パーツ41を周方向に位置決めしながら、上側パーツ41と下側パーツ51とが接続される。
内装パーツ61は、下側パーツ51の上部の円筒形状部分に内嵌される筒状部63と、第1ガイド31と、第2ガイド33と、筒状部63に第1ガイド31を支持する第1ガイド支持部65と、筒状部63に第2ガイド33を支持する第2ガイド支持部67とを有する。第1ガイド支持部65と第2ガイド支持部67は、相対向して筒状部63から下側パーツ51の内周面に沿って下方へ延びて形成されており、その下端に、それぞれ第1ガイド31又は第2ガイド33が形成されている。第1ガイド31及び第2ガイド33のそれぞれには、下面に複数の補強リブ31r、33rが一体形成されている。補強リブ31r、33rは、それぞれ第1ガイド31及び第2ガイド33の張り出し方向に延びており、間隔を置いて平行に設けられた突条であり、第1ガイド31又は第2ガイド33を補強している。内装パーツ61が内嵌された下側パーツ51に上側パーツ41が接続され、内装パーツ61の筒状部63と上側パーツ41とが、隙間無く、且つ段差無く連続している。
(防音カバー71)
図2に示されるように、防音カバー71は、継手本体13の外形をそのまま模して管状に形成されており、継手本体13の外面全体を過不足無く被覆する。防音カバー71は、継手本体13の胴部15から下部接続口19を覆う身頃部位73と、上部受け口17を覆う襟部位75と、横枝管受け口21,23,25を覆う袖部位77,79,81とからなる。
図2に示されるように、防音カバー71は、継手本体13の外形をそのまま模して管状に形成されており、継手本体13の外面全体を過不足無く被覆する。防音カバー71は、継手本体13の胴部15から下部接続口19を覆う身頃部位73と、上部受け口17を覆う襟部位75と、横枝管受け口21,23,25を覆う袖部位77,79,81とからなる。
防音カバー71は、図5に示されるように、防音層85を主体とするシート状材料83で形成されている。本実施形態のシート状材料83は、多孔質ゴムからなる防音層85と、この防音層85の表裏の各面に積層された保護層87,89とからなる。
防音層85を構成する多孔質ゴムは、内部に多数の細孔(気泡)を有するゴム材料であり、防音層85は、弾性を有するスポンジ様である。防音層85は、内部に細孔を有することで、防音(吸音・遮音)作用を奏する。ゴム材料としては、クロロプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、天然ゴム等の各種のゴムを用いることができる。中でもクロロプレンゴムの多孔質体は、伸縮性や柔軟性に優れるため好適である。気泡の形態は、独立気泡でも連続気泡でもよく、連続気泡であれば、より防音性を高めやすい。
保護層87,89は、伸縮性を有する布からなる。例えば、平編みによる編物(いわゆるジャージ素材)は、適度な伸縮性があり、且つ滑らかな表面形状であるため、好適である。
図2に示されるように、防音カバー71は、シート状材料83の裁断片である複数の構成ピースを接合することで、継手本体13の外形に沿う形状に成形されている。すなわち、防音カバー71は、身頃部位73と襟部位75とを構成する中央ピースP1と、袖部位77,79,81を構成する袖ピースP2,P3,P4とからなる。中央ピースP1は、袖ピースP2,P3,P4を接合する3つの丸穴h3,h4(3つの丸穴のうち袖ピースP2と接合する丸穴は図示外)を有しており、これらの丸穴h3,h4とは干渉しない胴回りの位置で両端末が接合されて(接合箇所j1)、管状を成す。袖ピースP2,P3,P4は、それぞれ管状に丸めて相対向する端部が接合されており(接合箇所j2,j3,j4)、管状の一端が、中央ピースP1の丸穴h3,h4と接合されている(接合箇所J3,J4)。
図5に示されるように、構成ピースの接合は、シート状材料83の端面が突き合わされた状態で、接着材Bによって接合されており、接合強度を高めるために、さらに糸83f縫い合わせられている。このようにシート状材料83の端面が突き合わされて接合されていることで、段差無く接合されている。また、縫い合わせる糸83fは、防音カバー71の内面には貫通しておらず、接合箇所J1の内側はより滑らかな表面形状となっている。図5には、接合箇所J1を代表して示すが、他の接合箇所も同様の接合形態となっている。
図2に示されるように、継手本体13の下部接続口19を防音カバー71の襟部位75の開口に挿入し、継手本体13を防音カバー71の内部に通して、防音カバー71の対応箇所に継手本体13を収めることで、継手本体13に防音カバー71が装着され、排水管継手11が製作される。
(排水管継手11の作用効果)
排水管継手11によれば、継手本体13が、多孔質ゴムからなる防音層85を主体とする防音カバー71で被覆されており、多孔質ゴムによる防音作用によって、継手本体13内で生じる音が外部に漏れるのを抑制することができる。防音カバー71は、継手本体13の外形に対応した管状であり、多孔質ゴムを主体とし、弾性により伸縮可能である。そのため、胴回りに複数の横枝管受け口21,23,25が張り出す複雑な外形の継手本体13であっても、継手本体13を防音カバー71に通すことで、防音カバー71を伸ばしながら、まるで継手本体13に服を着せるように、容易に防音カバー71で被覆することができる。そして、防音カバー71は、それ自体の弾性により継手本体13を締め付けて継手本体13の外面に密着する。これにより、継手本体13に対して、被覆と同時に固定される。したがって、継手本体13に対する防音カバー71の装着は極めて容易である。防音カバー71を継手本体13に対して固定するために、フィルムやテープ等を用いないため、資材点数も少ない。更に、グラスウール又はグラスファイバーシート等の繊維の集合体を主体とする防音部材を用いた従来の排水管継手では、グラスウール等が建物の建設途中に雨で濡れることで膨潤するため、防音部材の端面を封止するためにテープ等が巻かれていた。これに対し、防音カバー71は、多孔質ゴムを主体とし、濡れても膨潤しない防水性を元来備えているため、端面を封止する必要もない。したがって、継手本体13に対して防音カバー71を着せるように装着しさえすればよい。
排水管継手11によれば、継手本体13が、多孔質ゴムからなる防音層85を主体とする防音カバー71で被覆されており、多孔質ゴムによる防音作用によって、継手本体13内で生じる音が外部に漏れるのを抑制することができる。防音カバー71は、継手本体13の外形に対応した管状であり、多孔質ゴムを主体とし、弾性により伸縮可能である。そのため、胴回りに複数の横枝管受け口21,23,25が張り出す複雑な外形の継手本体13であっても、継手本体13を防音カバー71に通すことで、防音カバー71を伸ばしながら、まるで継手本体13に服を着せるように、容易に防音カバー71で被覆することができる。そして、防音カバー71は、それ自体の弾性により継手本体13を締め付けて継手本体13の外面に密着する。これにより、継手本体13に対して、被覆と同時に固定される。したがって、継手本体13に対する防音カバー71の装着は極めて容易である。防音カバー71を継手本体13に対して固定するために、フィルムやテープ等を用いないため、資材点数も少ない。更に、グラスウール又はグラスファイバーシート等の繊維の集合体を主体とする防音部材を用いた従来の排水管継手では、グラスウール等が建物の建設途中に雨で濡れることで膨潤するため、防音部材の端面を封止するためにテープ等が巻かれていた。これに対し、防音カバー71は、多孔質ゴムを主体とし、濡れても膨潤しない防水性を元来備えているため、端面を封止する必要もない。したがって、継手本体13に対して防音カバー71を着せるように装着しさえすればよい。
ここで、本実施形態の防音カバー71は、継手本体13に対向する内面が布(保護層89)で形成されており、継手本体13に対して滑りやすく、一層装着が容易となっている。また、防音カバー71は、中央ピースP1を管状に形成するための接合箇所j1と、中央ピースP1に対して袖ピースP2,P3,P4を接合するための接合箇所J3,J4とが交差しないように設定されており、継ぎ目による弱体化が抑制されている。そのため、防音カバー71は、袖部位77,79,81に横枝管受け口21,23,25を通すための引っ張り操作に耐えることができる。
<変更例1>
図6に示されるように、排水管継手111は、上記実施形態1と同じ構成の継手本体13と、継手本体13を部分的に被覆する防音カバー171で構成されている。防音カバー171は、排水管継手111の床スラブCから突出する部分にのみ設けられており、床スラブCの上方に突出する部分に設けられる管状の上側カバー173と、床スラブCの下方に突出する部分に設けられる管状の下側カバー175とからなる。防音カバー171は、上記実施形態1の防音カバー71と同様の材料からなり、継手本体13の外形に対応した形状であり、継手本体13に被せ付けられている。かかる排水管継手111によっても、効果的に継手本体13からの空気伝播音を低減することができる。
図6に示されるように、排水管継手111は、上記実施形態1と同じ構成の継手本体13と、継手本体13を部分的に被覆する防音カバー171で構成されている。防音カバー171は、排水管継手111の床スラブCから突出する部分にのみ設けられており、床スラブCの上方に突出する部分に設けられる管状の上側カバー173と、床スラブCの下方に突出する部分に設けられる管状の下側カバー175とからなる。防音カバー171は、上記実施形態1の防音カバー71と同様の材料からなり、継手本体13の外形に対応した形状であり、継手本体13に被せ付けられている。かかる排水管継手111によっても、効果的に継手本体13からの空気伝播音を低減することができる。
<変更例2>
図7に示されるように、排水管継手211は、上記実施形態1と同じ構成の継手本体13と、継手本体13の外面全体を被覆する防音カバー271で構成されている。この防音カバー271は、上記実施形態1の防音カバー71と同様の材料からなり、継手本体13の外形に対応した形状であり、胴回りの一箇所がファスナー273によって開閉可能とされている。図8に示されるように、ファスナー273を開放し、防音カバー271で継手本体13を包み込むようにして被覆し、ファスナー273を閉じることで、継手本体13に対して防音カバー271が装着される。なお、ファスナー273による開閉可能部分は、上下方向の全長に亘って設けてもよいし、部分的に設けてもよい。部分的に設ける場合は、継手本体13の外形がより複雑な横枝管受け口21,23,25の設けられている上下位置を含んで開閉可能部分を設定するのが好ましい。
図7に示されるように、排水管継手211は、上記実施形態1と同じ構成の継手本体13と、継手本体13の外面全体を被覆する防音カバー271で構成されている。この防音カバー271は、上記実施形態1の防音カバー71と同様の材料からなり、継手本体13の外形に対応した形状であり、胴回りの一箇所がファスナー273によって開閉可能とされている。図8に示されるように、ファスナー273を開放し、防音カバー271で継手本体13を包み込むようにして被覆し、ファスナー273を閉じることで、継手本体13に対して防音カバー271が装着される。なお、ファスナー273による開閉可能部分は、上下方向の全長に亘って設けてもよいし、部分的に設けてもよい。部分的に設ける場合は、継手本体13の外形がより複雑な横枝管受け口21,23,25の設けられている上下位置を含んで開閉可能部分を設定するのが好ましい。
<他の実施形態>
本発明は、上記実施形態およびその変更例に限定されるものではない。例えば、継手本体の材質は樹脂に限らない。樹脂と膨張黒鉛等の耐火性を有する熱膨張性の材料等を組み合わせた材料を含むもの等でもよいし、鋳鉄製でもよい。また、継手本体は、延焼防止装置の組み込まれたものや、耐火性を付与する被覆等が施されたものであってもよい。また、上記実施形態では、胴回りに3つの横枝管受け口を有する排水管継手を例示したが、横枝管受け口の数は限定されず、胴回りに1つ、2つ、或いは4つあってもよい。また、本発明は、排水立て管と排水横主管とを接続する脚部継手に適用することもできる。
本発明は、上記実施形態およびその変更例に限定されるものではない。例えば、継手本体の材質は樹脂に限らない。樹脂と膨張黒鉛等の耐火性を有する熱膨張性の材料等を組み合わせた材料を含むもの等でもよいし、鋳鉄製でもよい。また、継手本体は、延焼防止装置の組み込まれたものや、耐火性を付与する被覆等が施されたものであってもよい。また、上記実施形態では、胴回りに3つの横枝管受け口を有する排水管継手を例示したが、横枝管受け口の数は限定されず、胴回りに1つ、2つ、或いは4つあってもよい。また、本発明は、排水立て管と排水横主管とを接続する脚部継手に適用することもできる。
また、防音カバーは、少なくとも多孔質ゴムからなる防音層を備えていればよい。防音層の外面が伸縮性を有する表皮材で被覆されていれば、防音層を傷等から保護することができる。内面が伸縮性を有し、且つ継手本体との摩擦の小さい表皮材で被覆されていれば、継手本体に対して防音カバーを装着しやすい。表皮材は、防音カバーの全体又は部分的に設けることができる。例えば、防音カバーの開口部周辺においては内面に表皮材を設けずに、防音カバーの継手本体に対する密着性を高めれば、継手本体と防音カバーの間に水が入り込みにくくなる。
また、防音カバーを継手本体に対して部分的に設ける実施形態の一例として、上記変更例1を示したが、他の実施形態として、排水管継手の床スラブに埋設される部分に防音カバーを設けることもできる。この場合、防音カバーを構成する多孔質ゴムからなる防音層が排水管継手の振動を緩衝することによっても、床スラブを伝って音が拡がるのを防ぐことができる。また、継手本体において、積極的に排水を案内して流れを制御するガイドが突起している部分では、ガイドへ排水が衝突して音が発生やすいため、この部分の外周に防音カバーを設けることで、効率よく吸音して音が拡がるのを防ぐこともできる。
11 排水管継手
13 継手本体
71 防音カバー
85 防音層
87,89 保護層
111 排水管継手
171 防音カバー
173 上側カバー
175 下側カバー
211 排水管継手
271 防音カバー
C 床スラブ
13 継手本体
71 防音カバー
85 防音層
87,89 保護層
111 排水管継手
171 防音カバー
173 上側カバー
175 下側カバー
211 排水管継手
271 防音カバー
C 床スラブ
Claims (4)
- 排水管を接続する継手本体と、該継手本体の外面を被覆する防音カバーとを備え、
前記防音カバーは、多孔質ゴムからなる防音層を主体とし、前記継手本体の外形に対応して該継手本体に沿う立体形状に形成されており、前記防音層の弾性により前記継手本体の外面に密着している、排水管継手。 - 請求項1に記載の排水管継手であって、
前記防音カバーは、前記継手本体の外形に対応する管状に形成されており、前記継手本体を通すことで該継手本体に装着されている、排水管継手。 - 請求項1又は請求項2に記載の排水管継手であって、
前記防音カバーは、前記防音層の内面又は外面のうち少なくとも一方の面に、伸縮性を有する表皮材からなる保護層を有する、排水管継手。 - 請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の排水管継手であって、
前記多孔質ゴムは、クロロプレンゴムである、排水管継手。
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JP2014177084A JP2016050444A (ja) | 2014-09-01 | 2014-09-01 | 排水管継手 |
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JP2014177084A JP2016050444A (ja) | 2014-09-01 | 2014-09-01 | 排水管継手 |
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JP2021038829A (ja) * | 2019-09-05 | 2021-03-11 | 株式会社クボタケミックス | 排水配管部材および防火区画構造 |
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-
2014
- 2014-09-01 JP JP2014177084A patent/JP2016050444A/ja active Pending
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