JP2016050411A - 開閉体駆動制御装置 - Google Patents

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敬一郎 岩田
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優搾 平野
健志 松村
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健志 松村
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Abstract

【課題】ラッチなどの機構の回転角をより正確に検知して、開閉体駆動制御装置をより精度よく制御する。
【解決手段】開閉体駆動制御装置100は、開閉体1と、ラッチ機構3と、開閉体駆動部5と、制御部7と、を備える。ラッチ機構3は、ストライカ9をラッチ31に係脱させて開閉体1を閉状態または開状態とする。開閉体駆動部5は、開閉体1を駆動させる。制御部7は、ラッチ機構3と開閉体駆動部5との駆動を制御する。また、制御部7は、ラッチ機構3が開作動の際に半ドア状態となる情報を検知できないときに、電圧により所定の回転角となるようにラッチ31を回動させる。
【選択図】図6

Description

本発明は、ドアなどの開閉体を駆動して、ドアの開閉動作を行う開閉体駆動制御装置に関する。
従来、車両のドアなどの開閉体を駆動して開閉体の開閉動作を行う開閉体駆動制御装置が知られている。例えば、特許文献1には、車両ボデーに移動自在に支持された車両ドアを駆動することで、乗降口を開閉する開閉操作装置が開示されている。特許文献1の開閉操作装置においては、車両ドアの開閉動作は、電動モータにより自動的に行われる。
特開2002−256768号公報
特許文献1の開閉操作装置においては、車両ドアを閉状態から開状態するために、ラッチ機構がラッチ状態からアンラッチ状態に切り換えられる。アンラッチ状態になったことを判断するために、ポールスイッチがオンからオフに切り替わったことが用いられる。これに加え、電動モータの駆動を開始してから所定時間経過したことも、アンラッチ状態になったことを判断するのに用いられる。つまり、特許文献1の開閉操作装置においては、ポールスイッチからのオフ信号がない場合でも、電動モータの駆動を開始してから経過した時間を考慮することによって、アンラッチ状態を確実に検出できる。
特許文献1の開閉操作装置のように、電動モータの駆動開始からの経過時間に基づいてラッチの状態を検出する場合、本来は、設定した経過時間以内であってもラッチの状態が所望の状態となるにも関わらず、設定した経過時間まで無条件に待つことになる。この場合、ラッチの状態が所望の状態となったと判断されるまでに、より長い時間がかかる。
また、電動モータへの供給電力の変化など、ラッチ機構などを駆動させる条件が異なった場合、上記のように設定した経過時間まで無条件に待つと、ラッチ機構が実際に所望のラッチ状態となる前にラッチ機構が所望のラッチ状態となったと判断される場合や、逆に、実際には所望のラッチ状態となっているにも関わらず、ラッチ機構が所望のラッチ状態となっていない場合もある。
本発明の課題は、ラッチの回転をより精度よく制御することにある。
以下に、課題を解決するための手段として複数の態様を説明する。これら態様は、必要に応じて任意に組み合せることができる。
本発明の一見地に係る開閉体駆動制御装置は、開閉体と、ラッチ機構と、開閉体駆動部と、制御部と、を備える。ラッチ機構は、ストライカをラッチに係脱させて開閉体を閉状態または開状態とする。開閉体駆動部は、開閉体を駆動させる。制御部は、ラッチ機構と開閉体駆動部との駆動を制御する。また、制御部は、ラッチ機構が開作動の際に半ドア状態となる情報を検知できないときに、電圧により所定の回転角となるようにラッチを回動させる。
上記の装置において開閉体の開動作が実行される際、まず、制御部が、ラッチ機構を駆動して、ラッチとストライカの係合状態を、完全係合の状態から、ストライカをラッチから脱離可能な状態へ遷移させる。ラッチ機構を駆動する間、制御部は、ラッチ機構が半ドア状態であるかどうかの情報を検知する。
ラッチ機構を駆動する間にラッチ機構が半ドア状態である情報を検知できないとき、制御部は、電圧により所定の回転角となるようにラッチを回動させる。すなわち、ラッチ機構が半ドア状態である情報を検知できないとき、制御部は、ラッチの回転角を電圧により検知し、電圧により検知したラッチの回転角が所定の角度になるまでラッチを回動させる。
上記の装置において、ラッチの回転角を決定するのに電圧が用いられ、上記の開閉体駆動制御装置においては、ラッチ機構の半ドア状態を検知する手段の異常などにより半ドア状態が検知できない場合であっても、制御部は、電圧に基づいて、ラッチ機構をより正確に制御できる。
その結果、制御部は、より正確にラッチを所定の回転角まで回動できる。すなわち、制御部は、ラッチ機構をより正確に半ドア状態にできる。
制御部は、ラッチが所定の回転角で回動した後に、開閉体を全開位置までに開動作させる作動速度よりも遅い速度で、開閉体駆動部をストライカがラッチから脱離するまで駆動させてもよい。これにより、開閉体駆動部が動作することによりストライカとラッチとが衝突することが回避され、そのため、ストライカがより安全にラッチから脱離できる。
開閉体駆動部は、スピンドルと、モータと、ナット部と、付勢部材と、を有していてもよい。モータは、スピンドルを長さ方向の軸周りに回転させる。ナット部は、スピンドルと螺合する。その結果、ナット部は、スピンドルの回転により長さ方向に沿って進退可能である。付勢部材は、ナット部に対して長さ方向の付勢力を与える。
付勢部材により長さ方向の付勢力がナット部に与えられることにより、ナット部とスピンドルとの螺合状態によって生じる「遊び」を抑制できる。その結果、制御部から出力される開閉体駆動部の駆動信号に対して、遅れなどの制御ロスを生じることなく、開閉体駆動部を駆動できる。また、開閉体駆動制御装置は、このスピンドルとナット部を開閉体駆動部が前記遊びを有していないために生じるラッチとストライカとの衝突を、上記のようなより遅い速度で開閉することで衝突を回避することができる。
本発明に係る開閉体駆動制御装置では、制御部が電圧によりラッチ機構が半ドア状態であるかどうかを判断するので、開閉体をより精度よく制御できる。
本発明の一実施形態である開閉体駆動制御装置の概略を示す図。 図1の実施形態でのラッチ機構(全閉状態)の構成を示す概略図。 図1の実施形態での脱離状態のラッチ機構を示す概略図。 図1の実施形態での全閉状態から全開状態への遷移時のポールとラッチの当接状態を模式的に示す図。 図1の実施形態での開閉体駆動部の構成を示す図。 図1の実施形態での制御部の構成を示す図。 図1の実施形態についての一の制御の例における開閉体駆動制御装置の開動作を示すフローチャート。 図6の制御における開動作時のタイミングチャート。 図1の実施形態についての他の制御の例における開閉体駆動制御装置の開動作を示すフローチャート。
(1)開閉体駆動制御装置の概略
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。まず、開閉体駆動制御装置100の概略について、図1を用いて説明する。図1は、開閉体駆動制御装置の概略を示す図である。
開閉体駆動制御装置100は、開閉体1と、ラッチ機構3と、開閉体駆動部5と、制御部7と、を備える。
開閉体1は、図1に示す例においては、車両Vの後部を開閉するためのバックドアである。これに限られず、開閉体1は、例えば、車両Vの少なくとも1つの側面に配置され、車両Vの側面の開閉を行うスライドドアであってもよいし、自動開閉窓などの窓であってもよい。その他、1つの空間を他の空間から隔てる開閉式の壁(ドア)を開閉体1とできる。
ラッチ機構3は、ストライカ9をラッチ31(例えば、図2A〜図3を参照)に係脱させて、開閉体1を閉状態または開状態とする。ラッチ31は、ラッチ機構3により回動される部材である。ストライカ9は、例えば車両Vの後部下側に設けられた、ラッチ31と係合する部材である。ラッチ31とストライカ9とが係合されることにより、開閉体1を閉状態にできる。また、ラッチ31とストライカ9との係合を解除することにより、開閉体1を閉状態から開状態にできる。
開閉体駆動部5は、開閉体1を駆動する。開閉体駆動部5は、例えば、長さ方向に伸縮可能なアクチュエータである。開閉体駆動部5は、長さ方向の一端が車両Vの内部の後部端に接続され、他端が開閉体1の車両Vの内部側に接続される。または、長さ方向の一端が開閉体1の車両Vの内部側に接続され、他端が車両Vの内部の後部端に接続される。これにより、開閉体駆動部5は、長さ方向の伸縮により開閉体1を駆動可能となり、開閉体1を全開位置または全閉位置に移動できる。
開閉体駆動部5は、例えば、スピンドル51と、スピンドル51を長さ方向の軸周りに回転させる第2モータ53と、スピンドル51と螺合しスピンドル51の回転により長さ方向に沿って進退可能なナット部55と、ナット部55に対して長さ方向の付勢力を与える付勢部材57と、を有していてもよい(具体例は、後ほど説明する図4を参照)。
制御部7は、ラッチ機構3と開閉体駆動部5との駆動を制御する。ラッチ機構3と開閉体駆動部5との駆動を制御するため、制御部7は、ラッチ機構3と開閉体駆動部5とに電気的に接続されている。
また、制御部7は、ラッチ機構3が開動作の際に半ドア状態である情報を検知できないとき、電圧により所定の回転角となるようにラッチ31を回動させる。すなわち、開動作の実行中にラッチ機構3が半ドア状態である情報を検知できないとき、制御部7は、電圧によりラッチ31の回転角が所定の回転角となるまでラッチ31を回動させる。
なお、上記の半ドア状態とは、例えば、ラッチ31とストライカ9とが完全に係合した状態(全閉状態又は完全係合状態とも呼ばれる)からストライカ9がラッチ31から開放された状態(脱離した状態を含み、脱離状態とも呼ばれる)へ遷移する方向へ、ラッチ31が所定の回転角だけ回転した完全係合状態と脱離状態との中間の状態であり、ラッチ31とストライカ9とが、完全係合状態におけるラッチ31とストライカ9との係合力よりも小さな所定の係合力にて係合している。
これにより、ラッチ機構3の半ドア状態を検知する手段の異常などにより半ドア状態が検知できない場合であっても、制御部7は、電圧により検知されたラッチの回転角に基づいて、ラッチ機構が半ドア状態であるかどうかを検知できる。
つまり、半ドア状態が検知できない場合であっても、制御部7は、ラッチ31を所定の回転角まで正確に回動できる。すなわち、ラッチ機構3をより正確に半ドア状態にできる。
制御部7において電圧によりラッチ31の回転角を検出する方法として、例えば、ラッチ機構3を駆動するための駆動電圧の積算値に基づいて回転角を算出する方法を用いてもよい。これにより、比較的簡単な計算により回転角を算出できる。
その他、入力としての駆動電圧と出力としてのラッチ31の回転角との関係を示した所定の関係式から、回転角を算出してもよい。上記の所定の関係式を用いて回転角を算出する場合、所定の関係式は、駆動電圧(又はモータ制御信号)の信号特性を表すラプラス変換式、ラッチ31回転角の特性を表すラプラス変換式、及び、駆動電圧を入力としラッチ31の回転角を出力とした場合の伝達関数と、を用いた関係式であってもよい。
上記のように、駆動電圧(又はモータ制御信号)を入力とし、ラッチ31の回転角を出力とした所定の関係式からラッチ31の回転角を算出することにより、開閉体駆動制御装置100の汎用性を向上できる。
制御部7は、ラッチ31が所定の回転角で回動した後に、開閉体1を全開位置までに開動作させる作動速度よりも遅い速度で、開閉体駆動部5をストライカ9がラッチ31から脱離するように駆動させてもよい。これにより、ストライカ9をラッチ31からより安全に脱離できる。
開閉体1を全開位置まで開動作させる作動速度は、開閉体1の位置に基づいて決定してもよい。この場合、開閉体1の全閉位置及び/又は全開位置の近傍の所定の範囲においては、開閉体1の作動速度を他の範囲における作動速度よりも低減してもよい。これにより、より安全に開閉体1を全開位置又は全閉位置まで作動できる。
(2)開閉体駆動制御装置の具体的な構成
次に、一の実施形態に係る開閉体駆動制御装置100の具体的な構成について説明する。以下に説明する開閉体駆動制御装置100の具体的な構成及び動作は、いくつか考えられる実施形態の一例であり、本発明の範囲を超えない範囲にて、必要などに応じて適宜変更したり他の形態と任意に組み合わせたりできる。
なお、開閉体駆動制御装置100の全体構成については、上記の開閉体駆動制御装置の概略と同じであるため、ここでは説明を省略する。従って、以下においては、開閉体駆動制御装置100の各構成要素の具体的な構成及び動作について説明する。
(i)ラッチ機構の詳細構成
まず、ラッチ機構3の構成について、図2Aを用いて説明する。図2Aは、ラッチ機構(全閉状態)の構成を示す図である。ラッチ機構3は、ラッチ31と、第1モータ32と、ポール33と、第1スイッチ35と、第2スイッチ37と、を備える。
ラッチ31は、例えば、U字形状(またはフォーク形状)の部材である。ラッチ31は、ラッチ機構基体(図示せず)に回動可能に取り付けられている。
また、ラッチ31は、付勢部材(図示せず)などにより付勢され、ラッチ31の回動がポール33(後述)などにより制限されていない場合には、付勢力により脱離状態(図2B)となる角度まで回動される。図2Bは、脱離状態のラッチ機構を示す図である。ラッチ31が離脱状態の回動角度にあるとき、ストライカ9は、ラッチ31のU字形状に出入り自由となる。すなわち、開閉体1が開閉自由に回動可能となる。
一方、ラッチ機構3が図2Aに示す完全係合状態(または全閉状態)にあるとき、ラッチ31は、ポール33により、ラッチ31のU字の曲線底部311の近傍にストライカ9を係合した状態にて、ストライカ9がラッチ31のU字の開口側から離脱しない回動角度に、上記の付勢力に逆らって固定される。これにより、ストライカ9とラッチ31との完全係合が達成され、仮に開閉体1の開閉動作が行われたとしても、開閉体1を閉位置に固定できる。すなわち、開閉体1を全閉状態にできる。
第1モータ32は、回転出力軸に固定されたピニオンギア321を回転させて、セクタギア323を回転させる。セクタギア323の(図2A及び図2Bに示す場合には、反時計回りの)回転により、ポール回動機構325を介してポール33が時計回り(図2A及び図2Bの場合)回動する。
また、第1モータ32は、セクタギア323を、上記とは逆方向(すなわち、図2A及び図2Bに示す場合には、時計回り)にも回転可能である。第1モータ32がセクタギア323を上記の逆方向に回転すると、ラッチ回動機構(図示せず)により、ラッチ31が上記の付勢力に逆らう方向(図2A及び図2Bに示す場合は、反時計回り)に回動される。すなわち、ラッチ31が完全係合状態の時の回動角度方向へ回動される。
ポール33は、ラッチ機構基体などに回動可能に取り付けられている。ポール33は、全閉状態の時には、ラッチ31のU字形状の第1アーム313に当接してラッチ31の全開状態の方向への回動を制限する。一方、開動作したいとき、すなわち、開閉体1を閉状態から開状態にしたい場合、ポール33は第1モータ32により時計回りに、ポール33と第1アーム313との当接が解除される方向に回転される。その結果、ラッチ31は時計回り(図2A及び図2Bの場合)に回転されて、ラッチ31とストライカ9との係合状態が、完全係合状態から脱離状態へと遷移する。
完全係合状態から脱離状態へ遷移する際、ポール33は、図3の(ii)及び(iii)に示すポール33とラッチ31との当接状態を経る。図3は、完全係合状態から脱離状態への遷移時のポールとラッチの当接状態を模式的に示す図である。なお、図3の(i)は全閉状態(完全係合)時のポール33とラッチ31の当接状態を示し、図3の(iv)は脱離状態時のポール33とラッチ31の当接状態を示す。
図3の(ii)の当接状態は、ポール33がラッチ31の第1アーム313に当接しているが、ラッチ31に働く付勢力により第1アーム313がポール33を押す力は、完全係合時よりも小さくなった状態である。すなわち、ラッチ31とストライカ9とが上記の完全係合してはいないが(全閉状態でないが)、ラッチ31とストライカ9が、ラッチ31のU字の内部にて完全係合状態のときよりも弱い所定の係合力にて係合している状態である。
ポール33が図3の(ii)の状態からさらに回動すると、図3の(iii)に示す当接状態へと遷移する。図3の(iii)の当接状態においては、ポール33はラッチ31のU字の第1アーム313とは反対側の第2アーム315と当接する。
このような当接状態においては、ストライカ9とラッチ31との係合力(第2アーム315がポール33を押す力)は、図3の(ii)の当接状態の時よりも小さい。このような当接状態になると、開閉体1への比較的小さな力により、ストライカ9がラッチ機構3(ラッチ31)から離脱できる。すなわち、後述するように、開閉体駆動部5を開動作させる作動速度にて駆動しても、ストライカ9をラッチ機構3から離脱できる。従って、図3の(iii)に示す状態を「脱離可能状態」と呼ぶことにする。
第1スイッチ35は、カーテシ−スイッチ(Courtesy Switch)とも呼ばれるスイッチである。第1スイッチ35は、ラッチ31とポール33との当接状態が上記の半ドア状態(リリーシング状態)となったことを、ラッチ31の回動に基づく入力から検知する。
第1スイッチ35としては、例えば、ラッチ31の回動角度が所定の回動角度となった時にON状態となるメカニカルスイッチなどを用いることができる。第1スイッチ35をメカニカルスイッチとする場合、例えば、ラッチ31の所定の位置に設けた突起が上記のメカニカルスイッチに当接したときに第1スイッチ35がON状態となるように、ラッチ31や第1スイッチ35を配置できる。
第2スイッチ37は、ハーフラッチスイッチ(Half Latch Switch)とも呼ばれるスイッチである。第2スイッチ37は、ラッチ31とポール33との当接状態が図3の(iii)に示す脱離可能状態となったことを、ラッチ31の回動角度から検知する。
第2スイッチ37としては、第1スイッチ35と同様、例えば、ラッチ31の回動角度が脱離可能状態となった時にON状態となるメカニカルスイッチなどを用いることができる。第2スイッチ37をメカニカルスイッチとする場合、例えば、ラッチ31の所定の位置に設けた突起が上記のメカニカルスイッチに当接したときに第2スイッチ37がON状態となるように、ラッチ31や第2スイッチ37を配置できる。なお、ラッチスイッチである第1スイッチ35またはハーフラッチスイッチである第2スイッチ37がON状態となったときの、ラッチ31とストライカ9とが半ドア状態の当接状態となったときのラッチ31の回動を、ラッチ機構3が半ドア状態となる情報として検知することができる。
(ii)開閉体駆動部の構成
次に、開閉体駆動部5の構成の詳細について図4を用いて説明する。図4は、開閉体駆動部の構成を示す図である。本実施形態の開閉体駆動部5は、モータなどの回転運動を長さ方向の伸縮運動に変換するものである。そのため、開閉体駆動部5は、スピンドル51と、第2モータ53と、ナット部55と、付勢部材57と、を有する。
スピンドル51は、表面にねじ山が形成された棒状の部材であり、第1容器52の内部空間に固定されたベアリングなどに挿通されて、長さ方向の軸Lの周りに回動可能に支持されている。第1容器52のナット部55(後述)が挿入される開口Oが設けられた側とは反対側には、第1取付部材521が設けられている。第1取付部材521は、車両Vの後部又は開閉体1に設けられた取付部材と接続される。その結果、開閉体駆動部5の長さ方向の一端を、車両Vの後部又は開閉体1に接続できる。
第2モータ53は、その出力回転軸にスピンドル51が接続されている。これにより、第2モータ53は、制御部7(図5)からの第2モータ制御信号(後述)に基づいて、スピンドル51を長さ方向の軸Lの周りに回転できる。なお、第2モータ53の出力回転軸にスピンドル51が直接接続されてもよいし、第2モータ53の出力回転軸は、減速機構などを介して、スピンドル51と接続されてもよい。
ナット部55は、設けられた開口の内部にねじ山が形成された部材である。ナット部55の開口O2の内側に設けられたねじ山に、スピンドル51に設けられたねじ山を螺合することにより、ナット部55は、スピンドル51に螺合できる。これにより、ナット部55は、スピンドルの長さ方向の軸Lの周りの回転により、長さ方向に沿って進退可能となる。
また、第1容器52の開口Oから入れ子状態に第2容器56が挿入され、第2容器56の内壁に、開口O2とは長さ方向において反対側のナット部55の一端が接続される。これにより、第2容器56は、第1容器52の長さ方向に対して進退可能に移動できる。
また、第2容器56のナット部55の一端が接続された側には第2取付部材561が設けられている。第2取付部材561は、第1容器52の第1取付部材521が車両Vの後部と接続される場合には、開閉体1の取付部材と接続される。一方、第1取付部材521が開閉体の取付部材と接続される場合には、車両Vの後部と接続される。その結果、開閉体駆動部5の長さ方向の他端を、開閉体1又は車両Vの後部に接続できる。
付勢部材57は、バネなどの付勢力を発生する部材である。付勢部材57は、長さ方向に所定の付勢力を生じるように(例えば、付勢部材57が元の長さよりも圧縮された状態にて)、一端が第1容器52の内壁の第2モータ53が設けられた側に配置され、他端が第2容器56の内壁のナット部55が接続された側に配置される。これにより、付勢部材57は、ナット部55及び第2容器56に対して、長さ方向の付勢力を与える。
なお、付勢部材57は、長さ方向に所定の付勢力を生じるように、一端が第1容器52の所定の位置に固定され、他端が第2容器56の所定の位置に固定されてもよい。この場合であっても、付勢部材57は、ナット部55(及び第2容器56)に対して、長さ方向の付勢力を与えることが可能である。
また、例えば、バネである付勢部材57に代えて、又は、バネである付勢部材57に加えて、ナット部55の所定の位置に蓋部を取り付け、当該蓋部と第1容器52の第2モータ53が取り付けられた側の内壁との間の密封空間に所定の圧力のガス(窒素など)を封入することによっても、上記の付勢部材57と同様に、ナット部55(及び第2容器56)に対して、長さ方向の付勢力を与えることができる。
付勢部材57により長さ方向の付勢力がナット部55(及び第2容器56)に与えられることにより、ナット部55とスピンドル51との螺合状態によって生じる「遊び」を抑制できる。その結果、例えば、第2モータ53の回転開始からナット部55の長さ方向の進退動作の開始までのタイムラグなどを抑制できる。すなわち、制御部7から出力される開閉体駆動部5の駆動信号に対して、遅れなどの制御ロスを生じることなく、開閉体駆動部5を駆動できる。
なお、開閉体駆動部5は、車両V及び開閉体1の左右両側に1つずつ配置されてもよいし、車両V及び開閉体1の中央に1つ配置されていてもよい。さらに、開閉体駆動部5は2以上配置されていてもよい。
(iii)制御部の構成
次に、制御部7の構成の詳細について図5を用いて説明する。図5は、制御部の構成を示す図である。制御部7は、車両Vの電子制御ユニット(Electronic Control Unit、ECU)のような、CPUと、RAM及びROMなどの記憶装置と、各種インターフェースなどとを備えたマイコンシステムである。以下の各要素の機能は、上記のマイコンシステム(ECU)上において実行可能なプログラムとして実現されていてもよい。制御部7は、ラッチ機構制御部71と、開閉体制御部73と、を有する。
ラッチ機構制御部71は、ラッチ機構3の第1スイッチ35に接続され、第1スイッチ35のスイッチ状態(すなわち、ON状態かOFF状態か)を確認できる。これにより、ラッチ機構制御部71は、第1スイッチ35のスイッチ状態から、ラッチ31が図3の(ii)に示す半ドア状態であるかを確認できる。また、ラッチ機構制御部71は、開閉体1に設けられたスイッチ(図示せず)及び/又は開閉体1の開閉を無線にて指令できるカギなどから出力される、開閉体1の開動作又は閉動作を要求する信号を受信可能となっている。なお、第2スイッチ37についても同様である。
ラッチ機構制御部71は、さらに、第1モータ32と電気的に接続され、第1モータ32に対して、第1モータ制御信号を駆動電圧として供給し、第1モータ32の回転を制御する。また、ラッチ機構制御部71が第1モータ32に対して第1モータ制御信号を出力しているとき、ラッチ機構制御部71は、第1モータ制御信号の積算値を、駆動電圧の積算値として算出し、算出した駆動電圧の積算値に基づいて第1モータ32の回転量、すなわち、ラッチ31の回転角を算出する。
第1モータ制御信号としては、例えば、一定の電圧値を有する電圧や、パルス幅変調(Pulse Width Modulation、PWM)された電圧などを用いることができる。
一定の電圧値を有する電圧を用いる場合、第1モータ制御信号(駆動電圧)の積算値は、例えば、上記の一定の電圧値と、第1モータ制御信号の出力開始(第1モータ32の回転開始)からの経過時間との積として算出できる。
一方、パルス幅変調された電圧を第1モータ制御信号として用いる場合、第1モータ制御信号(駆動電圧)の積算値は、例えば、電圧値と、駆動電圧の出力開始からの経過時間と、さらにデューティー比との積として算出できる。または、駆動電圧の出力開始時から出力されたパルス数に、1パルス分の電圧の積算値(例えば、電圧値とパルス幅との積)を掛けることによっても、駆動電圧の積算値を算出できる。
なお、上記の駆動電圧の積算値は、ラッチ機構制御部71から第1モータ32に実際に出力した電圧値やパルス幅(パルス波形)を用いて算出してもよい。
実際に出力した電圧値やパルス幅(パルス波形)を用いて駆動電圧の積算値を算出することにより、第1モータ32の経時劣化や第1モータ32との接続状態の変化により、第1モータ32への出力電圧がラッチ機構制御部71における設定値からずれても、駆動電圧の積算値から精度よく第1モータ32の回転量(ラッチ31の回転角)を算出できる。
開閉体制御部73は、ラッチ機構3の第2スイッチ37に接続され、第2スイッチ37のスイッチ状態(すなわち、ON状態かOFF状態か)を確認できる。従って、開閉体制御部73は、第2スイッチ37のスイッチ状態から、ラッチ31が脱離可能状態であるかどうかを確認できる。また、開閉体制御部73は、ラッチ機構制御部71から開閉体駆動開始信号を受信したときに、開閉体駆動部5の駆動を開始する。
開閉体制御部73は、さらに、第2モータ53と電気的に接続され、第2モータ53に対して第2モータ制御信号を駆動電圧として供給し、第2モータ53の回転を制御する。また、開閉体制御部73が第2モータ53を駆動中、開閉体制御部73は、例えば制御部7などに装備された時刻機能やクロック信号などを用いて、第2モータ53の駆動が開始されてからの経過時間を計数する。
本実施形態において、開閉体制御部73から第2モータ53に出力される第2モータ制御信号(駆動電圧)は、パルス幅変調された電圧である。しかし、これに限られず、一定の電圧値を有する電圧を駆動電圧としてもよい。
なお、開閉体駆動部5が車両Vの後部の左右に取り付けられている場合、開閉体駆動部5は、同一の駆動電圧を2つの開閉体駆動部5に対して出力する。これにより、2つの開閉体駆動部5を同一の速度にて伸縮できる。
なお、制御部7は、1つの電子制御ユニットなどのマイコンシステムにより構成されていてもよいし、複数の電子制御ユニット(マイコンシステム)により構成されていてもよい。複数の電子制御ユニット(マイコンシステム)により制御部7が構成されている場合、例えば、ラッチ機構制御部71と開閉体制御部73とをそれぞれ個別の電子制御ユニット(マイコンシステム)としてもよい。
(3)開閉体駆動制御装置の具体的な動作
次に、第1実施形態に係る開閉体駆動制御装置100の具体的な動作について、図6及び図7を用いて説明する。図6は、第1実施形態に係る開閉体駆動制御装置の開動作を示すフローチャートである。図7は、開動作時のタイミングチャートである。
開閉体駆動制御装置100が動作を開始すると、まず、制御部7は、開動作を要求する信号を受信したかどうかを確認する(ステップS1)。
例えば、ラッチ機構制御部71が、開閉体1に設けられたスイッチが押されたことを検知する、又は、開動作を要求する信号を開閉体1の開閉を無線にて指令できるカギから受信すると、制御部7は開動作を要求する信号を受信したと判断できる。
制御部7が開動作を要求する信号を受信していないと判断した場合(ステップS1において「No」の場合)、制御部7は開動作を要求する信号を受信するまで待機する。
一方、制御部7が開動作を要求する信号を受信したと判断した場合(ステップS1において「Yes」の場合)、ラッチ機構制御部71は、第1モータ32に対して第1モータ制御信号を駆動電圧として出力し、ラッチ機構3を駆動する(ラッチ31を回動させる)(ステップS2)。
なお、図7のタイミングチャートに示すように、開動作要求の立ち上がり(図7の(a)のタイミング)後に、ブザーなどにより音を鳴らす、及び/又は、ランプを点灯(点滅)させて、開動作の開始を車両Vの運転手などに知らせてもよい。図7に示すように、開動作の開始を知らせる場合、開動作の開始を知らせた後(図7の(b)のタイミング)に、ラッチ機構3の駆動を開始する。
ラッチ31の回動中、ラッチ機構制御部71は、第1スイッチ35のスイッチ状態(ON状態かOFF状態か)を監視する(ステップS3)。また、ラッチ31の回動中、ラッチ機構制御部71は、第1モータ制御信号の出力開始(すなわち、ラッチ機構3(ラッチ31)の駆動開始)からの第1モータ制御信号(駆動電圧)の積算値(例えば、図7のタイミングチャートにおいては、「第1モータ制御信号」の網掛け面積部分に対応)を算出する。ラッチ機構制御部71が、第1スイッチ35のON状態を検出した場合(ステップS3において「Yes」の場合)、すなわち、図7のタイミングチャートの(c)のタイミングにおいて、プロセスはステップS5に進む。
一方、ラッチ機構制御部71が、第1スイッチ35のON状態を検出できないとき(すなわち、ラッチ機構3が開作動の際に半ドア状態となる情報を検知できないとき)(ステップS3において「No」の場合)、ラッチ機構制御部71は、第1モータ制御信号(又は駆動電圧)の積算値から、現在のラッチ31が所定の回転角以上となっているかどうかを確認する(ステップS4)。
なお、上記の「ON状態を検出できないとき」は、ラッチ機構制御部71が第1スイッチ35のOFF状態を検知したときだけでなく、第1スイッチ35のスイッチ状態が不明となるときも含み、第1スイッチ35からの入力情報の変化が受信されていないときを意味する。
第1スイッチ35のスイッチ状態が不明となる場合としては、例えば、ラッチ機構制御部71と第1スイッチ35の間の配線の異常や、第1スイッチ35の異常などにより、ラッチ31が半ドア状態となっても、第1スイッチ35のON状態において検出されるべき電気信号(例えば、第1スイッチ35の抵抗値など)をラッチ機構制御部71が検知しない場合である。
または、ラッチ機構制御部71が、第1スイッチ35のON状態において検出されるべき電気信号とOFF状態において検出されるべき電気信号との中間の信号値を有する電気信号を、第1スイッチ35から受信したために、スイッチ状態が不明となってしまう場合もある。
上記のように第1スイッチ35のON状態が検知できなくなった場合に、ラッチ機構制御部71は、第1スイッチ35からのラッチ31の回転角が不明であっても、現在のラッチの回転角を検知できる。具体的には、ラッチ機構制御部71は、第1モータ制御信号(駆動電圧)の積算値の算出結果から、現在のラッチ31の回転角を算出する。
現在のラッチ31の回転角は、例えば、第1モータ制御信号(駆動電圧)の積算値と所定の定数との積として算出できる。上記のラッチ31の回転角を決定する所定の定数は、例えば、所定の駆動電圧値の第1モータ制御信号を所定時間出力したときの、駆動電圧の積算値とラッチ31の回転角度から決定でき、ラッチ機構制御部71の記憶部に予め記憶させておいてもよい。
また、ラッチ機構制御部71は、開動作及び/又は閉動作毎、又は、開動作及び/又は閉動作を所定の回数実行した後に、上記の所定の定数を更新してもよい。例えば、ある開動作を実行した時に出力した第1モータ制御信号と、当該第1モータ制御信号の出力時間と、当該開動作時のラッチ31の実際の回転角とから、上記の方法により新たな所定の定数を算出することにより、所定の定数を更新できる。これにより、経時変化などの変化により、ラッチ機構3の状態やラッチ機構3とラッチ機構制御部71との接続状態が変化しても、精度よくラッチ31の回転角を、第1モータ制御信号(駆動電圧)の積算値から算出できる。
ラッチ機構制御部71が第1モータ制御信号(駆動電圧)の積算値からラッチ31の回転角を算出後、ラッチ機構制御部71は、算出したラッチ31の回転角が所定の回転角となっているかどうかを確認する。すなわち、ラッチ31が電圧(駆動電圧の積算値)により所定の回転角以上となっているかどうか確認する。
駆動電圧の積算値から算出されたラッチ31の回転角が所定の回転角よりも小さい場合(ステップS4において「No」の場合)、すなわち、ラッチ31の回転角が、全閉状態から図3の(ii)に示す半ドア状態になるための回転角より小さいと判断された場合、ステップS3に戻り、ラッチ機構制御部71は、ラッチ機構3の駆動(ラッチ31の回動)を継続する。
一方、駆動電圧の積算値から算出されたラッチ31の回転角が所定の回転角以上である場合(ステップS4において「Yes」の場合)、すなわち、ラッチ31とストライカ9の係合状態が図3の(ii)に示す半ドア状態になったと判断された場合、図7に示すタイミングチャートの(c)のタイミングとなったと判断し、プロセスはステップS5に進む。
なお、上記のステップS4において、駆動電圧の積算値から算出されたラッチ31の回転角が所定の回転角以上となるタイミングは、常に同じタイミングになるとは限らない。例えば、駆動電圧が小さく(大きく)なった場合には上記のタイミングは、より遅い(より早い)時間となる。なぜなら、上記のように、駆動電圧の積算値は駆動電圧の電圧値と駆動電圧を出力してからの経過時間との積であり、駆動電圧が変動すると、駆動電圧の積算値が所定の値となる時間も変動するからである。
上記は、駆動電圧が変動すると、ラッチ31の回転速度(第1モータ32の回転速度)が変動するため、ラッチ31の角度が所定の角度となるまでの時間が変動することに対応している。
一方、ラッチ機構3の駆動開始、すなわち、第1モータ制御信号(駆動電圧)の出力開始からある時間経過後にラッチ31が所定の角度となると判断した場合、駆動電圧の変動により、ラッチ31が実際に所定の角度となる前に停止したり、あるいは、ラッチ31の回転角が所定の角度となったのにラッチ31の回動が継続したりする(特に、第1スイッチ35の異常などにより、第1スイッチ35のON状態を検知できないとき)。なぜなら、上記のように、駆動電圧が変動すると、ラッチ31の回転速度が変動するからである。
従って、第1モータ制御信号(駆動信号)の積算値に基づいて算出された回転角が所定の角度以上となった時にラッチ31が所定の角度以上となったと判断することにより、駆動電圧の変動によりラッチ31の回転速度が変動しても、より正確にラッチ31が所定の回転角以上回転したことを判断できる。
ステップS3において第1スイッチ35がON状態となったと判断された場合、又は、ステップS4においてラッチ31を駆動させる電圧に基づく(駆動電圧の積算値による)回転角が所定の角度以上となったと判断された場合、制御部7は、ラッチ31とストライカ9との係合状態が半ドア状態となったと判断する。このとき、ラッチ機構制御部71が開閉体制御部73に開閉体駆動開始信号を出力する。次に、開閉体制御部73が、開閉体駆動部5の第2モータ53に第2モータ制御信号を出力し、開閉体駆動部5を駆動する(ステップS5)。
また、開閉体駆動部5の駆動開始とほぼ同時に、ラッチ機構制御部71は第1モータ制御信号の出力を停止し、ラッチ機構3の第1モータ32を停止する(ステップS6)。これにより、制御部7(ラッチ機構制御部71)は、(第1スイッチ35により半ドア状態となる情報を検知できないときに、電圧(駆動電圧の積算値)により)所定の回転角となるようにラッチ31を回動できる。
すなわち、ストライカ9とラッチ31との係合状態が図3の(ii)に示す半ドア状態となった後は、開閉体駆動部5の開閉体1の開動作により、ストライカ9とラッチ31との係合を解除する。
このように、開閉体駆動部5の駆動によりストライカ9とラッチ31との係合を解除することによって、ラッチ機構3の第1モータ32への第1モータ制御信号(駆動電圧)の供給を停止できる。
上記のステップS5において(すなわち、ラッチ31が所定の回転角で回動した後に)、制御部7の開閉体制御部73は、開閉体1を全開位置までに開動作させる作動速度よりも遅い速度で、開閉体駆動部5をストライカ9がラッチ31から脱離するまで駆動させている。これは、以下の理由による。
上記のように、本実施形態の開閉体駆動部5は、付勢部材57による長さ方向の付勢力により、ナット部55(第2容器56)の「遊び」を低減している。その結果、開閉体駆動部5は、制御部7からの制御信号(第2モータ制御信号)に対する応答性が改善されている。すなわち、制御ロスの低減がなされている。
この場合、開閉体制御部73から急激に駆動電圧を上昇すると、制御ロスが低減されているために、開閉体駆動部5は急激な駆動電圧上昇に応じて、急激にその作動速度を上昇させる。
ストライカ9とラッチ31との係合状態が図3の(ii)の半ドア状態であるときに急激に開閉体駆動部5(開閉体1)の作動速度が上昇すると、衝突などによりストライカ9とラッチ31とに強い衝撃を与えることになる。
また、半ドア状態のようにストライカ9とラッチ31が未だに比較的強い係合力にて係合している状態にて、開閉体駆動部5(開閉体1)を速い作動速度にて動作させようとすると、開閉体駆動部5の第2モータ53へ出力される駆動電圧も上昇する。その結果、第2モータ53のトルクが上昇し、第2モータ53による上昇したトルクが、開閉体1を介して、ほとんどロスすることなくストライカ9とラッチ31とに働く。なぜなら、開閉体駆動部5の制御ロスは小さいからである。
すなわち、開閉体駆動部5(開閉体1)を速い作動速度にて動作させようとすると、ストライカ9とラッチ31とに無理な力が比較的長時間働いた状態にて、速い速度にてストライカ9がラッチ31から脱離する。このようにストライカ9とラッチ31とに強い衝撃や長時間の無理な力が働くと、ストライカ9、ラッチ31、及び/又はラッチ機構3のラッチ31の回動機構などにダメージが生じる場合がある。
上記のような衝撃や長時間の強い力がストライカ9及びラッチ31に働くことを回避するため、ステップS5においては、開閉体1を全開位置までに開動作させる作動速度よりも遅い速度で、開閉体駆動部5をストライカ9がラッチ31から脱離するまで駆動するように、上記の全開位置までに開動作させる作動速度にて動作させるための信号値よりも低い信号値(電圧値)を有する第2モータ制御信号(駆動電圧)を出力する(図7の(d)を参照)。
従って、半ドア状態の係合状態からストライカ9をラッチ31から脱離する際に開閉体制御部73から第2モータ53へ出力する第2モータ制御信号(駆動電圧)は、例えば、ラッチ31とストライカ9との間に所定の係合力を働かせた状態でラッチ31とストライカ9との係合を維持できる速度又はトルクにて、ラッチ31を係合解除方向(図2A及び図2Bにおいては、時計回り方向)に回動可能な信号値(電圧値)を有する信号である。
上記の半ドア状態の係合状態からラッチ31を上記の脱離状態へ時計回り方向に回動する第2モータ制御信号(駆動電圧)は、ストライカ9、ラッチ31、及び/又はラッチ機構3(の回動機構)などの強度を考慮して、最適な信号(値)を選択できる。
ステップS5においてラッチ31を時計回りに回動する間、開閉体制御部73は、第2スイッチ37のスイッチ状態を監視する(ステップS7)。また、開閉体制御部73は、第2モータ制御信号の出力開始(すなわち、開閉体駆動部5の駆動開始)からの経過時間を計数する。
開閉体制御部73が第2スイッチ37のON状態を検知した場合(ステップS7において「Yes」の場合)、すなわち、図7に示すタイミングチャートにおいては図7の(e)のタイミングにおいて、ラッチ31とストライカ9との係合状態が図3の(iii)に示す脱離可能状態になったと判断し、プロセスはステップS9に進む。
一方、開閉体制御部73が第2スイッチ37のON状態を検知できないとき、すなわち,第2スイッチ37のOFF状態を検知したか、又は、第2スイッチ37のスイッチ状態が不明なとき、開閉体制御部73は、開閉体駆動部5の駆動開始からの経過時間が所定の経過時間となったかどうかを判断する(ステップS8)。なお、開閉体制御部73が第2スイッチ37の入力状況が変化しないときの判定については、前記経過時間に替えて、ステップS5のように電圧の積算値に基づいて判定してもよい。
開閉体駆動部5の駆動開始からの経過時間が所定の経過時間以下であると判断された場合(ステップS8において「No」の場合)、ステップS7に戻り、開閉体駆動部5は、開閉体駆動部5の駆動(第2モータ制御信号の出力)を継続する。
一方、開閉体駆動部5の駆動開始からの経過時間が所定の経過時間であると判断された場合(ステップS8において「Yes」の場合)、ラッチ31とストライカ9との係合状態が図3の(iii)に示す脱離可能状態になったと判断し、プロセスはステップS9に進む。
なお、上記のように、開閉体制御部73は、ラッチ31とストライカ9との係合状態が脱離可能状態になったと判断するのに、開閉体駆動部5の駆動開始からの経過時間が所定の経過時間となったことを検出していたが、これに限られない。制御部7において、ラッチ31とストライカ9との係合状態が脱離可能状態になることを、制御部7の内部にて扱う電気信号などにより検知してもよい。
例えば、上記の半ドア状態を検知するときと同様に、開閉体制御部73においても第2モータ制御信号(駆動電圧)の積算値から第2モータ53の回転角(すなわち、開閉体1の位置)を算出し、算出された第2モータ53の回転角が第2角度(開閉体1が所定の開位置)となったときに、ラッチ31とストライカ9との係合状態が脱離可能状態になったと判断してもよい。
ステップS7において第2スイッチ37のON状態を検知した場合、または、ステップS8において開閉体駆動部5の駆動開始からの経過時間が所定の経過時間以上となったと判断された場合、すなわち、ラッチ31とストライカ9との係合状態が図3の(iii)に示す脱離可能状態となったと判断された場合、開閉体制御部73は、開閉体駆動部5の動作速度を、開閉体1を全開位置まで開動作させる作動速度に上昇させる第2モータ制御信号を、第2モータ53へ出力する(ステップS9)。例えば、図7に示すように、タイミング(e)において、第2モータ制御信号の信号値(駆動電圧)を増加させる。その他、パルス幅変調された第2モータ制御信号の場合、パルスの周期を小さく(周波数を大きく)してもよい。
その結果、図7に示すように、開閉体1の位置を示すタイミングチャートにおいて、図7の(d)における傾きよりも、図7の(e)のタイミング以降の傾きの方が大きくなっている。すなわち、開閉体1の動作速度が、図7の(d)における動作速度よりも大きくなっている。
ラッチ31とストライカ9との係合状態が脱離可能状態となっている場合は、上記のように、ラッチ31とストライカ9との係合力が小さく、大きな力を必要とすることなくストライカ9をラッチ31から脱離できる。すなわち、開閉体1を上記の全開位置まで開動作させる作動速度にて動作させても、ストライカ9、ラッチ31、及び/又はラッチ機構3などにダメージをほとんど与えることなく安全に、ストライカ9をラッチ31から脱離できる。
なお、図7に示すタイミングチャートにおいて、図7の(e)のタイミング後に、負値の第1モータ制御信号が出力されている。これは、第1モータ32に接続されたセクタギア323を、ラッチ31とストライカ9との係合を解除する回転方向とは逆(図2A及び図2Bにおいては、時計回り)に回転し、セクタギア323を基準位置(図2A及び図2B)に復帰するための動作である。
開閉体駆動部5を全開位置まで動作させる作動速度にて動作させる間、開閉体制御部73は、開閉体1が全開位置に到達したかどうかを確認する(ステップS10)。例えば、開閉体制御部73は、開閉体1が全開位置に到達したことを通知する信号を検知することにより、開閉体1が全開位置に到達したか判断できる。具体的には、例えば、車両Vの所定の位置に設置されたスイッチを用いて、開閉体1が全開位置に到達したときに開閉体1と当該スイッチのスイッチ部が当接してON状態になることを開閉体制御部73が検知することにより、開閉体1が全開位置に到達したと判断できる。
または、第2モータ53の出力回転軸に取り付けられた回転数を計数する装置(例えば、ロータリーエンコーダ)から出力される信号(ロータリーエンコーダの場合はパルス数)に基づいて、開閉体1が全開位置に到達したかを判断できる。
さらに、開閉体制御部73は、開閉体制御部73内部において用いられる各種パラメータに基づいて開閉体1の位置を算出して、算出された位置が開閉体1の全開位置以上となる場合に、開閉体1が全開位置に到達したと判断してもよい。この場合、例えば、上記の全開位置まで開動作するときの作動速度と、開閉体制御部73が動作速度の上昇を開始したタイミング(図7のタイミングチャートにおいては(e)のタイミング)からの経過時間との積から開閉体1の位置を算出できる。
また、開閉体制御部73は、上記の半ドア状態の回転角を確認する場合と同様に、開閉体制御部73が動作速度の上昇を開始したタイミングからの第2モータ制御信号(駆動電圧)の積算値から、開閉体1の位置を算出できる。
上記に示した方法により、開閉体1が全開位置に到達していない(または、開閉体1の位置が全開位置以下である)と判断された場合(ステップS10において「No」の場合)、開閉体制御部73は第2モータ制御信号の出力を継続する。すなわち、開閉体駆動部5の駆動を継続する。
一方、開閉体1が全開位置に到達したと判断された場合(ステップS10において「Yes」の場合)、図7のタイミングチャートにおいて(f)のタイミングにて、開閉体制御部73は、第2モータ制御信号の出力を停止することで、開閉体駆動部5の駆動を停止する(ステップS11)。そして、開閉体駆動制御装置100は、開動作を終了する。
上記の開閉体駆動制御装置100の動作においては、ステップS3においてラッチ機構制御部71が第1スイッチのON状態を検知できないときに、ステップS4において、ラッチ機構制御部71は、第1モータ制御信号(駆動電圧)の積算値に基づいて現在のラッチ31の回転角を算出し、算出したラッチ31の回転角が所定の角度以上となったときに、ラッチ31とストライカ9との係合状態が半ドア状態であると判断している。
これにより、ラッチ機構3の半ドア状態を検知する手段(第1スイッチ35)の異常などにより半ドア状態が検知できない場合であっても、制御部7(ラッチ機構制御部71)は、電圧により検知されたラッチの回転角に基づいて、より正確にラッチ機構3が半ドア状態であるかどうかを検知できる。その結果、制御部7(ラッチ機構制御部71)は、より正確にラッチ31を所定の回転角まで回動できる。すなわち、制御部7(ラッチ機構制御部71)は、ラッチ機構3をより正確に半ドア状態にできる。
また、上記の開閉体駆動制御装置100の動作においては、ステップS5において、開閉体駆動部5を駆動して開閉体1を駆動することにより係合状態を半ドア状態から図3の(iii)に示す脱離可能状態へ遷移する際、開閉体制御部73は、開閉体1を全開位置までに開動作させる作動速度よりも遅い速度で、開閉体駆動部を駆動している。これにより、開閉体駆動部5が急激に動作することによりストライカ9とラッチ31とが衝突することなど、ストライカ9、ラッチ31、及び/又はラッチ機構3にダメージを与えるような動作を行うことを回避して、ストライカ9をラッチ31からより安全に脱離できる。
なお、図6及び図7を用いて説明した上記の開閉体駆動制御装置100の動作に対しては、本発明の範囲を超えない範囲にて、各ステップの動作の変更及び/又は各ステップの順番を入れ替えるなどの変更を行ってもよい。また、ハーフラッチスイッチを第1スイッチとし、ステップS6からステップS8へと移行するように制御することもできる。
(4)実施形態の効果
上記実施形態の効果は、下記のように記載できる。
開閉体駆動制御装置(例えば、開閉体駆動制御装置100)は、開閉体(例えば、開閉体1)と、ラッチ機構(例えば、ラッチ機構3)と、開閉体駆動部(例えば、開閉体駆動部5)と、制御部(例えば、制御部7)と、を備える。ラッチ機構は、ストライカ(例えば、ストライカ9)をラッチ(例えば、ラッチ31)に係脱させて開閉体を閉状態または開状態とする。開閉体駆動部は、開閉体を駆動させる。制御部は、ラッチ機構と開閉体駆動部との駆動を制御する。また、制御部は、ラッチ機構が開作動の際に半ドア状態となる情報を検知できないとき(例えば、ステップS3において「No」の場合)に、電圧により所定の回転角となるようにラッチを回動させる(例えば、ステップS4)。
本実施形態の開閉体駆動制御装置において開閉体の開動作が実行される際(例えば、ステップS1〜S11)、まず、制御部が、開閉体が閉状態から開状態になるように、ラッチ機構を駆動する(例えば、ステップS2)。ラッチ機構を駆動する間、制御部は、ラッチ機構が半ドア状態であるかどうかの情報を検知する(例えば、ステップS3)。
ラッチ機構を駆動する間にラッチ機構が半ドア状態である情報を検知できないとき、制御部は、電圧により所定の回転角となるようにラッチを回動させる。すなわち、ラッチ機構が半ドア状態である情報を検知できないとき、制御部は、ラッチの回転角を電圧により検知し、電圧により検知したラッチの回転角が所定の角度になるまでラッチを回動させる。
上記の開閉体駆動制御装置において、ラッチの回転角を決定するのに電圧が用いられ、上記の開閉体駆動制御装置においては、ラッチ機構の半ドア状態を検知する手段の異常などにより半ドア状態が検知できない場合であっても、制御部は、電圧に基づいて、ラッチ機構をより正確に制御できる。
その結果、制御部は、より正確にラッチを所定の回転角まで回動できる。すなわち、制御部は、ラッチ機構3をより正確に半ドア状態にできる。
制御部は、ラッチが所定の回転角で回動した後(例えば、ステップS3又はS4の後)に、開閉体を全開位置までに開動作させる作動速度よりも遅い速度で、開閉体駆動部をストライカがラッチから脱離するまで駆動させている(例えば、ステップS5)。これにより、開閉体駆動部が動作することによりストライカとラッチとが衝突することなどを回避して、より安全にストライカをラッチから脱離できる。
開閉体駆動部は、スピンドル(例えば、スピンドル51)と、モータ(例えば、第2モータ53)と、ナット部(例えば、ナット部55)と、付勢部材(例えば、付勢部材57)と、を有している。モータは、スピンドルを長さ方向の軸周りに回転させる。ナット部は、スピンドルと螺合する。その結果、ナット部は、スピンドルの回転により長さ方向に沿って進退可能である。付勢部材は、ナット部に対して長さ方向の付勢力を与える。
付勢部材により長さ方向の付勢力がナット部に与えられることにより、ナット部とスピンドルとの螺合状態によって生じる「遊び」を抑制できる。その結果、制御部から出力される開閉体駆動部の駆動信号に対して、遅れなどの制御ロスを生じることなく、開閉体駆動部を駆動できる。また、開閉体駆動制御装置は、このスピンドルとナット部を開閉体駆動部が前記遊びを有していないために生じるラッチとストライカとの衝突を、上記のようなより遅い速度で開閉することで衝突を回避することができる。
(5)他の実施形態
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
(A)ラッチなどの回転角の検知の他の実施形態
上記の第1実施形態において、ラッチ機構制御部71は、第1モータ制御信号(駆動電圧)の積算値からラッチ31の回転角を算出していた。しかし、これに限られず、ラッチ31などの回転角と第1モータ制御信号などの駆動電圧との間に成立する任意の関係式から、ラッチ31の回転角を駆動電圧から算出してもよい。
例えば、ラプラス変換を用いた方法を上記のラッチ31などの回転角の算出に適用できる。具体的には、ラプラス変換されたラッチ31などの回転角をθ(s)とし、ラプラス変換された駆動電圧(モータ制御信号)をV(s)とし、s=σ+jω(j:虚数(すなわち、j=−1)、ω:角周波数、σ:定数)とした場合に、θ(s)=G(s)*V(s)と記載できることを利用して、ラッチ31などの回転角を算出できる。なお、上記の式のG(s)は伝達関数と呼ばれるものであり、駆動電力(モータ制御信号)V(s)を入力、回転角θ(s)を出力とした「ブラックボックス」の特性を表すものである。
上記の伝達関数G(s)は、例えば、所定の駆動電圧(モータ制御信号)(簡単にラプラス変換可能な信号波形を有することが好ましい)に対する回転角θの特性から決定できる。また、上記の伝達関数G(s)は、ラッチ機構3、ラッチ31、ストライカ9などの特性や、伝達関数に影響を及ぼすパラメータ(気温などの気象条件や、上記の各要素の経時変化など)により決定でき、また、これらの特性やパラメータを用いて更新できる。
ラプラス変換を用いた回転角θの算出は、例えば、以下のようにしてできる。まず、駆動電圧をラプラス変換し(ラプラス変換された駆動電圧(モータ制御信号)の具体的な式は、典型的には、制御部7などに記憶されている。なぜなら、駆動電圧の波形は制御部7において決まっているからである)、上記の式からラプラス変換された回転角θ(s)を算出する。
次に、ラプラス変換された回転角θ(s)を、ラプラス変換表などを用いて逆ラプラス変換して、回転角の時間の関数θ(t)を算出し、t=0から現在時までのθ(t)の積算値(積分値)を算出することにより、t=0(駆動電圧又はモータ制御信号の出力開始)から現在までの回転角θを算出できる。
上記のラプラス変換を用いた回転角の算出は、例えば、同一の開閉体駆動制御装置を、駆動電圧(モータ制御信号)が異なる制御部を有する他の車両に用いる場合に、駆動電圧(モータ制御信号)に対する回転角の応答をそれぞれの車両において実際に調べることを必要としない点で有利となる。つまり、開閉体駆動制御装置の汎用性を拡大できる。なぜなら、車両毎に予め信号波形が決まっている駆動電圧(モータ制御信号)のラプラス変換の式を算出し記憶しておくだけで、回転角を算出できるからである。
(B)第1スイッチ及び第2スイッチの他の実施形態
上記の第1実施形態においては、カーテシ−スイッチである第1スイッチ35及びハーフラッチスイッチである第2スイッチ37が、ラッチ機構3に設けられていた。しかし、これに限られず、上記の第1スイッチ35又は第2スイッチ37のいずれが無くてもよいし、両方のスイッチがなくてもよい。
第1スイッチ35がラッチ機構3に設けられていない場合は、上記のステップS3を省略して、ステップS4のみにより、すなわち、駆動電圧の積算値から算出された回転角のみから、ラッチ31が所定の回転角となったかどうかを判断する。一方、第2スイッチ37がラッチ機構3に設けられていない場合は、上記のステップS7を省略して、ステップS8のみにより、すなわち、開閉体駆動部5の駆動開始からの経過時間が所定の経過時間(以上)となったかどうかなどにより、ラッチ31とストライカ9との係合状態が図3の(iii)に示す状態となったかどうかを確認する。
なお、第1スイッチ35及び第2スイッチ37が両方ない場合には、ステップS3とステップS7の両方を省略する。
上記のようにラッチ機構3からスイッチを省略することにより、上記のスイッチが故障したときにスイッチを交換する必要がなくなる。すなわち、開閉体駆動制御装置のメンテナンス性を向上できる。
(C)開閉体駆動装置における開動作の他の実施形態
次に、他の制御の例における開閉体駆動制御装置の開動作を、図8を用いて説明する。図8は、図1の実施形態についての他の制御の例における開閉体駆動制御装置の開動作を示すフローチャートである。他の制御の例では、第1スイッチとしてラッチの回動角度が脱離可能状態となったこと、すなわち、ラッチとストライカとが半ドア状態の当接状態となったことを検知するスイッチを用いるものであり、例えば、ハーフラッチスイッチを第1スイッチとして用いてもよい。
図8において、ステップS101、S102、S107、及び、S108については、第1実施形態のステップS1、S2、S10、及び、S11と対応しているため説明を省略する。
ラッチ機構制御部71が、第1スイッチとしてのハーフラッチスイッチのON状態を検出できないとき(ステップS103において「No」の場合)、ラッチ機構制御部71は、第1モータ制御信号(又は駆動電圧)の積算値から、現在のラッチ31が所定の回転角以上となっているかどうかを確認する(ステップS104)。
ステップS104において、ラッチ31を駆動させる電圧に基づく(駆動電圧の積算値による)回転角が所定の角度以上となっていないと判断された場合(ステップS104において「No」の場合)、ステップS103に戻り、第1スイッチとしてのハーフラッチスイッチのON状態の検知と、ステップS104における第1モータ制御信号(又は駆動信号)の積算値による現在のラッチ31の回転角の確認とを継続する。
一方、ステップS103において第1スイッチがON状態となったと判断された場合(ステップS103において「Yes」の場合)、又は、ステップS104においてラッチ31を駆動させる電圧に基づいて(駆動電圧の積算値による)回転角が所定の角度以上となったと判断された場合(ステップS104において「Yes」の場合)、制御部7は、ラッチ31とストライカ9との係合状態が半ドア状態となったと判断する。
次に、ラッチ機構制御部71は第1モータ制御信号の出力を停止し、ラッチ機構3の第1モータ32を停止する(ステップS105)。このとき、ラッチ機構制御部71が開閉体制御部73に開閉体駆動開始信号を出力する。次に、開閉体制御部73が、開閉体駆動部5の第2モータ53に第2モータ制御信号を出力し、開閉体駆動部5を駆動する(ステップS106)。これにより、第2モータ53の駆動により、ストライカ9がラッチ31から離脱する際のストライカ9による負荷がラッチ31を介して第1モータ32に作用することを防止することができる。
この際、開閉体制御部73は、開閉体駆動部5の動作速度が、開閉体1を全開位置まで開動作させる作動速度である第2モータ制御信号を、第2モータ53へ出力する。これにより、開閉体駆動部5の駆動を、低速駆動を介さずに初めから開閉体1を全開位置まで開動作させる作動速度で作動させることができる。そのため、第1の実施形態と比べて開閉体駆動部5の駆動時間を短くすることができる。
本発明は、ドアなどの開閉体を駆動して、ドアの開閉動作を行う開閉体駆動制御装置に広く適用できる。
100 開閉体駆動制御装置
1 開閉体
3 ラッチ機構
31 ラッチ
311 曲線底部
313 第1アーム
315 第2アーム
32 第1モータ
321 ピニオンギア
323 セクタギア
325 ポール回動機構
33 ポール
35 第1スイッチ
37 第2スイッチ
5 開閉体駆動部
51 スピンドル
52 第1容器
521 第1取付部材
53 第2モータ
55 ナット部
56 第2容器
561 第2取付部材
57 付勢部材
7 制御部
71 ラッチ機構制御部
73 開閉体制御部
9 ストライカ
V 車両

Claims (3)

  1. 開閉体と、ストライカをラッチに係脱させて前記開閉体を閉状態または開状態とするラッチ機構と、前記開閉体を駆動させる開閉体駆動部と、前記ラッチ機構と前記開閉体駆動部との駆動を制御する制御部を備え、
    前記制御部は、前記ラッチ機構が開作動の際に半ドア状態となる情報を検知できないときに、電圧により所定の回転角となるように前記ラッチを回動させることを特徴とする、
    開閉体駆動制御装置。
  2. 前記制御部は、前記ラッチが所定の回転角で回動した後に、前記開閉体を全開位置までに開動作させる作動速度よりも遅い速度で、前記開閉体駆動部をストライカが前記ラッチから脱離するように駆動させることを特徴とする請求項1に記載の開閉体駆動制御装置。
  3. 前記開閉体駆動部は、スピンドルと、前記スピンドルを長さ方向の軸周りに回転させるモータと、前記スピンドルと螺合し前記スピンドルの回転により前記長さ方向に沿って進退可能なナット部と、前記ナット部に対して前記長さ方向の付勢力を与える付勢部材と、を有する、請求項1又は2に記載の開閉体駆動制御装置。
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