JP2016050279A - ポリビニルアルコール水溶液 - Google Patents

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泰享 家田
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Abstract

【課題】表面に皮張りが生じることを抑制することができ、優れた延伸性及び透明性を有するフィルムを作製することが可能なポリビニルアルコール水溶液を提供する。
【解決手段】ポリビニルアルコール混合物及び水を含有するポリビニルアルコール水溶液であって、前記ポリビニルアルコール混合物は、アセタール変性量が4〜10モル%であるアセタール変性ポリビニルアルコールを0.1〜8重量%含有し、前記アセタール変性ポリビニルアルコールは、アセタール基がアセトアセタール基及び/又はブチラール基であるポリビニルアルコール水溶液。
【選択図】なし

Description

本発明は、表面に皮張りが生じることを抑制することができ、優れた延伸性及び透明性を有するフィルムを作製することが可能なポリビニルアルコール水溶液に関する。
ポリビニルアルコール(以下、PVAともいう)は、透明性、耐油性、耐薬品性、及び酸素等のガスバリア性に優れていることから、包装材料として広く用いられている。近年、酸化による劣化が特性に大きな影響を与える食品、医薬品、工業薬品、農薬などの包装材料には、より高度な酸素バリア性が要求されている。
また、PVA系樹脂を各種包装材料として用いる場合は、PVA系樹脂を水中に溶解させてPVA系水溶液を得た後、PVA系水溶液を流延し、製膜する方法や、PVA系水溶液を支持部材に塗布する方法が一般的に採用されている。
PVA系水溶液に使用されるPVA系樹脂には、一般的には鹸化度98モル%程度のいわゆる「完全鹸化PVA」と、鹸化度88モル%程度の「部分鹸化PVA」とがある。
「完全鹸化PVA」は、耐水性及び流動性(高速塗工性)が比較的良好であるものの、低温時にPVA系水溶液の粘度が上昇したり、PVA系水溶液の表面に皮張りが生じたりするという欠点があった。
「部分鹸化PVA」は、PVA系水溶液とした場合に、低温時に粘度が上昇したり、ゲルしたりすることは回避できるものの、耐水性が低いため塗工速度に因る複雑な条件設定を行う必要性があった。更には、高速塗工時の飛び散りによって塗工速度が抑制される等の問題点を有していた。
これに対して、耐水性、粘度安定性、高速塗工性、耐皮張り性を改善することを目的として、特許文献1には、尿素系化合物、チオシアン酸塩からなる化合物を添加することが挙げられている。このような方法を用いることで、紙用、木工用およびプラスチック用の各種接着剤、含浸紙用および不織製品用などの各種バインダー、混和剤、打継ぎ材、塗料、紙加工および繊維加工の用途には、好適に用いることができる。
しかしながら、食品、医薬品、工業薬品、農薬等の包装材料や延伸加工用のPVAフィルムに、尿素系化合物、チオシアン酸塩等の窒素を含有する化合物を添加すると、PVAフィルムの透明性が損なわれるという問題があった。また、延伸加工用のPVAフィルムにPVA系樹脂とは異なる化合物を添加すると延伸ムラや延伸工程中に破断を起す恐れがある。
特開平11−181297号公報
本発明は、表面に皮張りが生じることを抑制することができ、優れた延伸性及び透明性を有するフィルムを作製することが可能なポリビニルアルコール水溶液を提供することを目的とする。
本発明は、ポリビニルアルコール混合物及び水を含有するポリビニルアルコール水溶液であって、前記ポリビニルアルコール混合物は、アセタール変性量が4〜10モル%であるアセタール変性ポリビニルアルコールを0.1〜8重量%含有し、前記アセタール変性ポリビニルアルコールは、アセタール基がアセトアセタール基及び/又はブチラール基であるポリビニルアルコール水溶液である。
以下、本発明を詳述する。
本発明者は、ポリビニルアルコール水溶液の成分であるポリビニルアルコールを、アセタール変性ポリビニルアルコールを含有する混合物とし、かつ、アセタール変性ポリビニルアルコールのアセタール変性量及び含有比率を所定の範囲内とすることで、ポリビニルアルコール水溶液の表面に皮張りが生じることを抑制することができ、優れた延伸性及び透明性を有するフィルムを作製することが可能となることを見出し、本発明を完成させるに至った。
以下、本発明に係るPVA水溶液に用いられる各成分の詳細を説明する。
(ポリビニルアルコール混合物(PVA混合物))
本発明のポリビニルアルコール水溶液は、ポリビニルアルコール混合物を含有する。
上記ポリビニルアルコール混合物は、アセタール変性ポリビニルアルコールを含有する。
なお、上記ポリビニルアルコール混合物とは、アセタール変性ポリビニルアルコールを含むポリビニルアルコール全体のことをいう。本発明では、上記アセタール変性ポリビニルアルコール以外のポリビニルアルコールのことを、単にポリビニルアルコールという。
本発明のポリビニルアルコール水溶液100重量%中、上記ポリビニルアルコール混合物の含有量は好ましくは5重量%以上、より好ましくは6重量%以上であり、好ましくは13重量%以下、より好ましくは10重量%以下である。
上記ポリビニルアルコール混合物の含有量が上記下限以上であると、ポリビニルアルコール水溶液の粘度が適度に高くなり、乾燥時間がより一層短くなり、PVAフィルムの厚みがより一層均一になり、より一層良好な品質のPVAフィルムが得られる。上記ポリビニルアルコール混合物の含有量が上記上限以下であると、ポリビニルアルコール水溶液の粘度が適度に低くなり、PVA水溶液の塗布が容易になる。
(アセタール変性ポリビニルアルコール(アセタール変性PVA))
本発明のポリビニルアルコール水溶液は、アセタール変性ポリビニルアルコールを含有する。
本発明では、上記アセタール変性PVAを含有することで、皮張りの発生を防止することができる。
上記アセタール変性PVAは、従来公知の方法に従って、ビニルエステルを重合してポリマーを得た後、ポリマーを鹸化、すなわち加水分解することにより変性前PVAを作製し、更にアセタール変性することで得られる。鹸化には、一般に、アルカリ又は酸が用いられる。鹸化には、アルカリを用いることが好ましい。上記ポリビニルアルコールとしては、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記ビニルエステルとしては、酢酸ビニル、ギ酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサティック酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル及び安息香酸ビニル等が挙げられる。
上記ビニルエステルの重合方法は特に限定されない。この重合方法として、溶液重合法、塊状重合法及び懸濁重合法等が挙げられる。
上記ビニルエステルを重合する際に用いる重合触媒としては、例えば、2−エチルヘキシルペルオキシジカーボネート(Tianjin McEIT社製「TrigonoxEHP」)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、t−ブチルペルオキシネオデカノエート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルペルオキシジカーボネート、ジ−n−ブチルペルオキシジカーボネート、ジ−セチルペルオキシジカーボネート及びジ−s−ブチルペルオキシジカーボネート等が挙げられる。上記重合触媒は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
鹸化度を好適な範囲に制御しやすいので、上記ビニルエステルを重合して得られるポリマーは、ポリビニルエステルであることが好ましい。また、上記ビニルエステルを重合して得られるポリマーは、上記ビニルエステルと他のモノマーとの共重合体であってもよい。すなわち、上記変性前PVAは、ビニルエステルと他のモノマーとの共重合体を用いて形成されていてもよい。上記他のモノマーすなわち共重合されるコモノマーとしては、例えば、オレフィン類、(メタ)アクリル酸及びその塩、(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリルアミド誘導体、N−ビニルアミド類、ビニルエーテル類、ニトリル類、ハロゲン化ビニル類、アリル化合物、マレイン酸及びその塩、マレイン酸エステル、イタコン酸及びその塩、イタコン酸エステル、ビニルシリル化合物、並びに酢酸イソプロペニル等が挙げられる。上記他のモノマーは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記オレフィン類としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン及びイソブテン等が挙げられる。上記(メタ)アクリル酸エステル類としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸i−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、及び(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等が挙げられる。上記(メタ)アクリルアミド誘導体としては、アクリルアミド、n−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、及び(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸及びその塩等が挙げられる。上記N−ビニルアミド類としては、N−ビニルピロリドン等が挙げられる。上記ビニルエーテル類としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテル及びn−ブチルビニルエーテル等が挙げられる。上記ニトリル類としては、(メタ)アクリロニトリル等が挙げられる。上記ハロゲン化ビニル類としては、塩化ビニル及び塩化ビニリデン等が挙げられる。上記アリル化合物としては、酢酸アリル及び塩化アリル等が挙げられる。上記ビニルシリル化合物としては、ビニルトリメトキシシラン等が挙げられる。
上記変性前PVAが上記他のモノマーを共重合したものである場合には、上記他のモノマーの含有量は好ましくは10モル%以下、より好ましくは7モル%以下である。すなわち、変性前PVAにおけるビニルエステルに由来する構造単位と上記他のモノマーに由来する構造単位との合計100モル%中、上記ビニルエステルに由来する構造単位は好ましくは85モル%以上、より好ましくは95モル%以上であり、上記他のモノマーに由来する構造単位は好ましくは10モル%以下、より好ましくは7モル%以下である。
上記アセタール変性PVAのアセタール変性量(アセタール化度)は、4〜10モル%である。上記アセタール化度が4モル%未満であると、フィルム表面に皮張りが生じることがある。逆にアセタール化度が10モル%を超えると、PVA混合物が白濁することがある。上記アセタール化度の好ましい下限は5モル%、好ましい上限は7モル%である。
上記アセタール変性PVAはアセタール基を有し、上記アセタール基は、アセトアセタール基及び/又はブチラール基である。このようなアセタール基は、生産性と特性バランス等の点で好適である。
上記アセタール変性の方法としては特に限定されず、従来公知の方法を用いることができ、例えば、塩酸等の酸触媒の存在下で上記変性前PVAの水溶液にアセトアルデヒド、ブチルアルデヒドを添加する方法等が挙げられる。
上記アセタール変性PVAは、水酸基量の好ましい下限が75モル%、好ましい上限が95モル%である。水酸基量が75モル%未満であると、PVA混合物が白濁することがある。水酸基量が95モル%を超えると、ポリビニルアルコール(アセタール未変性PVA)との相溶性が高くなり、皮張り抑制効果が低くなることがある。
なお、上記アセタール化度及び水酸基量は、例えば、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠して測定できる。
上記アセタール変性PVAの重合度は特に限定されない。上記アセタール変性PVAの重合度は好ましくは300以上、より好ましくは500以上であり、好ましくは3400以下、より好ましくは3000以下である。上記重合度が上記下限以上及び上記上限以下であると、より一層透明性の高いPVAフィルムになる。上記重合度が上記上限以下であると、PVAフィルムの皮膜強度がより一層高くなり、PVAフィルムの延伸がより一層容易になる。なお、上記重合度は、JIS K6726に準拠して測定される。
上記ポリビニルアルコール混合物100重量%中、上記アセタール変性PVAの含有量は0.1〜8重量%である。
上記アセタール変性PVAの含有量が0.1重量%未満であると、フィルム表面に皮張りが生じることとなり、8重量%を超えると、PVA混合物が白濁することでフィルムの透透明性を損なうことになる。
上記アセタール変性PVAの含有量の好ましい下限は1重量%、好ましい上限は5重量%である。
(ポリビニルアルコール(PVA))
ポリビニルアルコール混合物中の上記アセタール変性PVA以外のポリビニルアルコールについては、特に限定されないが、鹸化度は、好ましくは90モル%以上、より好ましくは94モル%以上、好ましくは99.9モル%以下、より好ましくは99モル%以下である。上記鹸化度が上記下限以上及び上記上限以下であると、PVAフィルムの耐水性及び延伸性がより一層高くなる。耐水性と延伸性との双方をバランスよく高める観点からは、上記PVAの鹸化度は94モル%以上、98.5モル%以下であることが特に好ましい。
上記鹸化度は、JIS K6726に準拠して測定される。鹸化度は、鹸化によるビニルアルコール単位に変換される単位のうち、実際にビニルアルコール単位に鹸化されている単位の割合を示す。
上記鹸化度の調整方法は特に限定されない。鹸化度は、鹸化条件、すなわち加水分解条件により適宜調整可能である。
上記ポリビニルアルコール混合物100重量%中、上記ポリビニルアルコールの含有量は92〜99.9重量%であることが好ましい。
上記ポリビニルアルコールの含有量が92重量%未満であると、PVAフィルムの耐水性が悪くなることがあり、99.9重量%を超えると、延伸性が悪くなり延伸途中で破断することがある。
上記ポリビニルアルコールの含有量の好ましい下限は93重量%、好ましい上限は99重量%である。
上記ポリビニルアルコールの鹸化度、含有量、アセタール変性以外の構成については、上記アセタール変性PVAと同様とすることが好ましい。
(水)
上記PVA水溶液は、上記PVA混合物とともに水を含む。上記PVAは、主として、上記水中に溶解されている。
上記PVA水溶液において、上記PVA混合物100重量部に対して、上記水の含有量は500重量部以上、好ましくは566重量部以上、より好ましくは669重量部以上である。
また、上記水の含有量は10000重量部以下、好ましくは1900重量部以下、より好ましくは1566重量部以下である。上記水の含有量が上記下限以上であると、PVA水溶液の粘度が適度に低くなり、PVA水溶液の塗布が容易になる。上記水の含有量が上記上限以下であると、PVA水溶液の粘度が適度に高くなり、PVA水溶液の塗布が容易になり、乾燥時間がより一層短くなり、PVAフィルムの厚みがより一層均一になり、より一層良好な品質のPVAフィルムが得られる。
上記PVA水溶液100重量%中、上記水の含有量は好ましくは85重量%以上、より好ましくは87重量%以上、更に好ましくは90重量%以上、好ましくは99重量%以下、より好ましくは95重量%以下、更に好ましくは94重量%以下である。上記水の含有量が上記下限以上であると、PVA水溶液の粘度が適度に低くなり、PVA水溶液の塗布が容易になる。上記水の含有量が上記上限以下であると、PVA水溶液の粘度が適度に高くなり、PVA水溶液の塗布が容易になり、乾燥時間がより一層短くなり、PVAフィルムの厚みがより一層均一になり、より一層良好な品質のPVAフィルムが得られる。
(添加剤)
本発明のポリビニルアルコール水溶液は、添加剤として、ポリエーテルシリコーン系化合物、グリセリン系化合物、環式炭化水素化合物、プロピレングリコール系化合物及び脂肪酸エステル系化合物からなる群より選択される少なくとも1種を添加してもよい。
上記ポリエーテルシリコーン系化合物としては、エーテル構造を有するシリコーン界面活性剤が好ましい。
上記エーテル構造を有するシリコーン界面活性剤としては、シリコーンの両末端がポリエーテル構造を有するシリコーン界面活性剤(信越化学工業社製「X−224952」、「X−22−4272」及び「X22−6266」)、シリコーンの側鎖にポリエーテル構造を有するシリコーン界面活性剤(信越化学工業社製「KF−351A」、「KF−352A」、「KF−353」、「KF−354L」、「KF−355A」、「KF−615A」、「KF−945」、「KF−640」、「KF−642」、「KF−643」、「KF−6020」、「KS−604」、「X−50−1039A」、「X−50−1105G」、「X−22−6191」、「X−22−4515」、「KF−6011」、「KF−6012」、「KF−6015」及び「KF−6017」)、並びにシリコーンの両末端にポリエーテル構造を有する界面活性剤(信越化学工業社製「KF−6004」、「KF−889」、「X−22−4741」、「KF−1002」、「X−22−4952」、「X−22−4272」及び「X−22−6266」)等が挙げられる。気泡を効果的に取り除くことができるので、上記シリコーン界面活性剤は、シリコーンの側鎖にポリエーテル構造を有するシリコーン界面活性剤であることがより好ましい。
上記エーテル構造を有するシリコーン界面活性剤のHLBは好ましくは0以上、好ましくは12.0以下である。
上記HLB(Hydrophile Lipophile Balance)とは、親水性と疎水性との強さのバランスを数字として表したものであり、グリフィン式は親水性部分の原子団質量を分子量で除した親水親油バランス(HLB)で表される。このHLBの値は、数字が小さいほど疎水性が強く、大きいほど親水性が強いことを意味する。
従って、適切なHLBを有し、かつエーテル構造を有するシリコーン界面活性剤を選択することにより、得られるPVAフィルムにおいて気泡痕及び液滴がより一層含まれ難くなる。エーテル構造を有するシリコーン界面活性剤のHLBは好ましくは0以上、より好ましくは1.0以上、更に好ましくは1.5以上、好ましくは12.0以下、より好ましくは10以下、更に好ましくは9.0以下である。エーテル構造を有するシリコーン界面活性剤のHLBが上記下限以上及び上限以下であると、得られるPVAフィルムにおいて気泡痕及び液滴がより一層含まれ難くなる。
上記グリセリン系化合物としては、例えば、ポリグリセリンアルキルエステル構造を有する界面活性剤が好ましい。
上記ポリグリセリンアルキルエステル構造を有する界面活性剤の好ましい例としては、下記式(1)で表される界面活性剤が挙げられる。下記式(1)で表される界面活性剤以外の、ポリグリセリンアルキルエステル構造を有する界面活性剤を用いてもよい。気泡を効果的に取り除くことができるので、上記ポリグリセリンアルキルエステル構造を有する界面活性剤は、下記式(1)で表される界面活性剤であることが好ましい。
Figure 2016050279
上記式(1)中、R1は炭素数12〜17のアルキル基を表し、nは1〜8の整数を表す。
上記ポリグリセリンアルキルエステル構造を有する界面活性剤としては、特に限定されないが、グリセリン脂肪酸モノエステル(日油社製「モノグリD」及び「モノグリM」)、グリセロールモノステアレート(日油社製「モノグリI」及び「モノグリMB」)、ポリグリセリンオレイン酸エステル(日油社製「ユニグリGO−102」)、ポリグリセリンラウリン酸エステル(日油社製「ユニグリGL−106」)、並びにポリグリセリンステアリン酸エステル(日油社製「ユニグリGS−106」)等が挙げられる。気泡を効果的に取り除くことができるので、上記ポリグリセリンアルキルエステル構造を有する界面活性剤は、ポリグリセリンラウリン酸エステル又はポリグリセリンステアリン酸エステルであることが好ましい。
上記環式炭化水素化合物は、環式構造を有する炭化水素化合物である。上記環状構造を有する炭化水素化合物における環状構造としては、脂環式骨格及び芳香族骨格が挙げられる。上記環状構造は、脂環式骨格であってもよく、芳香族骨格であってもよい。上記環状構造は脂環式骨格であることが好ましい。
上記環式炭化水素化合物の好ましい例としては、ヘキサン、トルエン、1−メチルシクロヘキサノール、ベンゼン、キシレン、エチルベンゼン、クメン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン及びシクロヘキセン等が挙げられる。溶解度パラメータが低く、かつ気泡痕の発生をより一層抑えることができることから、上記環式炭化水素化合物は、ヘキサン、トルエン又はシクロヘキサンであることが好ましい。
上記プロピレングリコール系化合物としては、エーテル構造を有するものが好ましく、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングルコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングルコールモノプロピルエーテル、プロピレングルコールブチルエーテル、プロピレングルコールブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、及びトリプロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。気泡を効果的に取り除くことが可能であることから、上記プロピレングリコール系化合物としては、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングルコールモノメチルエーテルアセテート、又はプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートであることが好ましい。
上記脂肪酸エステル系化合物としては、下記式(2)で表される構造を有する化合物を用いることが好ましい。
Figure 2016050279
式(2)中、R2は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、R3は水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
上記脂肪酸エステル系化合物としては、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、ギ酸イソブチル、ギ酸ペンチル、酢酸、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、酢酸sec−ヘキシル、プロピオン酸、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、酪酸メチル、酪酸エチル、イソ酪酸、イソ酪酸イソブチル等が挙げられる。その中でも、水と近い沸点を有することから、上記脂肪酸エステル系化合物は、ギ酸ブチル、ギ酸イソブチル、酢酸プロピル、又はプロピオン酸エチルであることが好ましい。
(防腐剤)
上記PVA水溶液は、更に防腐剤を含むことが好ましい。上記防腐剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
PVAを用いてPVAフィルムを作製する際に、一般に、PVAを溶剤に溶解させる。従来、PVAと溶剤とを含むPVA水溶液中には、防腐剤は配合されていなかった。従来、防腐剤が腐食を抑えること自体は公知であるが、包装用フィルム又は延伸加工用フィルムを得るための、PVAと溶剤とを含むPVA水溶液中には、防腐剤を配合することは一切行われていなかった。このため、仮に、従来のPVAと溶剤とを含むPVA水溶液が長期間保管されたり、高温条件や高湿条件などに晒されたりすると、溶液において腐食が生じるという問題があった。この結果、良好なPVAフィルムが得られなかったり、複数のPVAフィルムの品質にばらつきが生じたりしやすかった。
これに対して、PVAと防腐剤とを配合することで、PVA水溶液の腐食を効果的に抑制できる。さらに、良好かつ均質なPVAフィルムを得ることができる。
上記防腐剤としては、イソチアゾロン化合物、グルタルアルデヒド及び第四級アンモニウム化合物等が挙げられる。これら以外の防腐剤を用いてもよい。
腐食がより一層効果的に抑えられることから、上記防腐剤は、複素環を有する化合物であることが好ましい。腐食がより一層効果的に抑えられることから、上記複素環は、環内に、窒素原子及び硫黄原子を含むことが好ましい。
腐食がより一層効果的に抑えられることから、上記防腐剤は、イソチアゾロン化合物であることが好ましい。上記イソチアゾロン化合物としては、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−3−メチルイソチアゾール−3−オン、及び2−メチルイソチアゾール−3−オン等が挙げられる。上記第四級アンモニウム化合物としては、塩化ベンジルデシルジメチルアンモニウム、塩化ジデシルジメチルアンモニウム及び塩化セチルピリジニウム等が挙げられる。
上記PVA水溶液100重量%中、上記防腐剤の含有量は好ましくは0.01重量%以上、より好ましくは0.03重量%以上、好ましくは1重量%以下、より好ましくは0.3重量%以下である。上記防腐剤の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、PVA水溶液の腐食がより一層抑えられ、より一層良好かつ均質なPVAフィルムが得られる。
(PVAフィルム及び積層フィルム)
本発明に係るPVA水溶液をフィルム化することでPVAフィルムが得られる。上記PVAフィルムは、包装用フィルム又は延伸加工用フィルムを得るために好適に用いられる。また、上記PVAフィルムは、農業包装フィルム、水溶性フィルムとしても好適に使用することができる。
上記PVAフィルムの製造方法としては、特に限定されないが、本発明に係るPVA水溶液を流涎し、乾燥する方法を用いることができる。具体的には、溶液流延法(キャスト法)、ロールコーティング法、スピンコーティング法、スクリーンコーティング法、ファウンテンコーティング法、ディッピング法及びスプレー法が挙げられる。
上記積層フィルムは、支持部材と、該支持部材上に積層されたポリビニルアルコール樹脂層とを備える。本発明に係る積層フィルムでは、上記PVAフィルムが、上述したPVA水溶液を塗布し、乾燥することで得られる。このように、上記PVAフィルムは、支持部材上に積層された状態で提供されてもよい。
上記支持部材上に、本発明のポリビニルアルコール水溶液を用いて形成されたポリビニルアルコール樹脂層が積層された積層フィルムもまた本発明の1つである。
上記積層フィルムの製造方法としては、特に限定されないが、支持部材上に、上記PVA水溶液を塗布して、乾燥する方法等が挙げられる。支持部材上に、上記PVA水溶液を塗布する方法としては特に限定されないが、ダイレクトグラビアコーター法、3本リバースロールコーター法、スロットダイ法、エアードクターコーター法、ロールコーティング法、スピンコーティング法、スクリーンコーティング法、ファウンテンコーティング法、ディッピング法及びスプレー法等が挙げられる。上記ロールコーティング法としては、ワイヤーバーコーティング法、リバースコーティング法及びグラビアコーティング法等が挙げられる。
上記支持部材は、PVA水溶液の塗布時に、PVA水溶液を表面上に維持し、かつ得られるPVAフィルムを支持可能であることが好ましい。上記支持部材の材料としては、例えば、ポリオレフィン、ポリエステル及びアクリル樹脂等が挙げられる。これら以外の材料により形成された支持部材を用いてもよい。上記ポリオレフィンとしては、エチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びエチレン−ビニルアルコール共重合体等が挙げられる。上記ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレート等が挙げられる。上記支持部材の材料は、PVAではないことが好ましい。
上記支持部材上に上記PVA水溶液を塗布した後の乾燥方法は、適宜の方法を用いることができ、特に限定されない。乾燥方法としては、自然乾燥する方法、及びPVAのガラス転移温度以下の温度での加熱乾燥する方法等が挙げられる。
本発明に係るPVA水溶液は、厚さが30μm以下である包装用フィルム又は延伸加工用フィルムを得るために用いられることが好ましく、厚さが20μm以下である包装用フィルム又は延伸加工用フィルムを得るために用いられることがより好ましい。厚さが30μm以下である薄い包装用フィルム又は延伸加工用フィルムを得る場合には特に、フィルムおける気泡又は液滴が、延伸時のフィルムの破断を引き起こしやすい。これに対して、本発明に係るPVAフィルムの使用によって、厚さが30μm以下の包装用フィルム又は延伸加工用フィルムを得る場合であっても、フィルムに気泡又は液滴が含まれるのを充分に抑えることができる。
上記PVAフィルムの厚さは、好ましくは30μm以下、より好ましくは20μm以下、更に好ましくは15μm以下、特に好ましくは10μm以下である。上記PVAフィルムの厚さは好ましくは2μm以上である。上記PVAフィルムの厚さが上記下限以上であると、厚み精度の優れたフィルムを得られる。上記PVAフィルムの厚さが上記上限以下であると、透明性と延伸性が両立したフィルムを得ることができる。
上記PVA樹脂フィルム及び上記積層フィルムの延伸方法としては、特に限定されないが、テンター延伸法、ロール延伸法、及びその他の延伸装置を用いた延伸法や、チューブラー延伸法等が挙げられる。延伸は、フィルムの一軸のみに行われてもよく、フィルムの2軸にわたって行われてもよい。また、使用する装置に関して、複数の装置が併用されてもよい。例えば、ロール縦一軸延伸の後工程として、テンター横軸延伸を行う逐次延伸法が採られてもよい。さらに必要であれば、延伸後にフィルムを熱固定して残存応力を低下させることもできる。
本発明によれば、表面に皮張りが生じることを抑制することができ、優れた延伸性及び透明性を有するフィルムを作製することが可能なポリビニルアルコール水溶液を提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1)
PVA(重合度2500、鹸化度98.5モル%、セキスイスペシャリティケミカルズ社製「CELVOL C350」)99.9重量部と、アセタール変性PVA(重合度600、水酸基量79モル%、アセタール化度[ブチラール化度]9モル%)0.1重量部と、水1150重量部とを配合した後、95℃で90分加熱して、PVA混合物を8重量%含むポリビニルアルコール水溶液を得た。
(実施例2)
PVA(重合度2500、鹸化度98.5モル%、セキスイスペシャリティケミカルズ社製「CELVOL C350」)95重量部と、アセタール変性PVA(重合度600、水酸基量84モル%、アセタール化度[ブチラール化度]4モル%)5重量部と、水1150重量部とを配合した後、95℃で90分加熱して、PVA混合物を8重量%含むポリビニルアルコール水溶液を得た。
(実施例3)
PVA(重合度2500、鹸化度93モル%、セキスイスペシャリティケミカルズ社製「CELVOL C443」)99重量部と、アセタール変性PVA(重合度2700、水酸基量81モル%、アセタール化度[アセトアセタール化度]7モル%)1重量部と、水1150重量部とを配合した後、95℃で90分加熱して、PVA混合物を8重量%含むポリビニルアルコール水溶液を得た。
(実施例4)
PVAの添加量を93重量部、アセタール変性PVAの添加量を7重量部に変更した以外は、実施例3と同様にしてPVA混合物を8重量%含むポリビニルアルコール水溶液を得た。
(比較例1)
PVA(重合度2500、鹸化度98.5モル%、セキスイスペシャリティケミカルズ社製「CELVOL C350」)100重量部と水1150重量部とを配合した後、95℃で90分加熱して、PVAを8重量%含むポリビニルアルコール水溶液を得た。
(比較例2)
PVA(重合度2500、鹸化度98.5モル%、セキスイスペシャリティケミカルズ社製「CELVOL C350」)96重量部と、アセタール変性PVA(重合度3500、水酸基量84モル%、アセタール化度[ベンズアセタール化度]4モル%)4重量部と、水1150重量部とを配合した後、95℃で90分加熱して、PVA混合物を8重量%含むポリビニルアルコール水溶液を得た。
(比較例3)
PVA(重合度2500、鹸化度98.5モル%、セキスイスペシャリティケミカルズ社製「CELVOL C350」)95重量部と、アセタール変性PVA(重合度600、水酸基量58モル%、アセタール化度[アセトアセタール化度]30モル%)5重量部と、水1150重量部とを配合した後、95℃で90分加熱して、PVA混合物を8重量%含むポリビニルアルコール水溶液を得た。
(比較例4)
PVA(重合度2500、鹸化度98.5モル%、セキスイスペシャリティケミカルズ社製「CELVOL C350」)99.9重量部と、アセタール変性PVA(重合度2700、水酸基量94モル%、アセタール化度[アセトアセタール化度]1モル%)0.1重量部と、水1150重量部とを配合した後、95℃で90分加熱して、PVA混合物を8重量%含むポリビニルアルコール水溶液を得た。
(比較例5)
PVA(重合度2500、鹸化度98.5モル%、セキスイスペシャリティケミカルズ社製「CELVOL C350」)99.9重量部とアセタール変性PVA(重合度2700、水酸基量87モル%、アセタール化度[ブチラール化度]0.05モル%)0.1重量部と、水1150重量部とを配合した後、95℃で90分加熱して、PVA混合物を8重量%含むポリビニルアルコール水溶液を得た。
(比較例6)
PVA(重合度2500、鹸化度98.5モル%、セキスイスペシャリティケミカルズ社製「CELVOL C350」)90重量部とアセタール変性PVA(重合度2700、水酸基量80モル%、アセタール化度[ブチラール化度]10モル%)10重量部と、水1150重量部とを配合した後、95℃で90分加熱して、PVA混合物を8重量%含むポリビニルアルコール水溶液を得た。
(比較例7)
PVA(重合度2500、鹸化度98.5モル%、セキスイスペシャリティケミカルズ社製「CELVOL C350」)100重量部とチオシアン酸アンモニウム7重量部、水1150重量部とを配合した後、95℃で90分加熱して、PVAを8重量%含むポリビニルアルコール水溶液を得た。
(評価)
(1)延伸性
実施例及び比較例で得られたPVA水溶液を支持部材であるポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ50μm)上に、オートフィルムアプリケーター(テスター産業社製「PI−1210」)を用いて塗布し、80℃で5分間乾燥させ、次に100℃で20分間乾燥させ、支持部材上にPVAフィルム(厚さ30μm)が積層された積層フィルムを得た。
積層フィルムから支持部材を剥がして得られたPVAフィルムについて、24時間50%RHの環境下に24時間放置した後、引張試験(島津製作所社製、オートグラフAGS−J)を用いて、温度50℃の雰囲気下、延伸速度5mm/分、延伸倍率3倍で一軸延伸を行った。延伸性を下記の基準で判定した。
○○:延伸ムラなし
○:僅かに延伸ムラあり
×:延伸ムラあり、または、延伸途中で破断
(2)耐皮張り性
実施例及び比較例で得られたPVA水溶液を支持部材であるポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ50μm)上に、オートフィルムアプリケーター(テスター産業社製「PI−1210」)を用いて塗布し、120℃で15分間乾燥させ、支持部材上にPVAフィルム(厚さ30μm)が積層された積層フィルムを得た。
得られた積層フィルムを針先で刺し、針先表面へのPVA水溶液の付着具合を下記の基準で判定した。
○○:針先表面にPVA水溶液が付着しない
○:針先表面にPVA水溶液が極僅かに付着する
×:針先表面にPVA水溶液が付着する
(3)耐水性
得られた積層フィルムから支持部材を剥離してPVAフィルムを得た後、温度23℃、相対湿度50%RHの環境下に24時間暴露した。
その後、PVAフィルムを35mm×40mmのサイズにカットして治具に固定し、500mlビーカーに水(500ml)を入れてスターラーにより撹拌(400mlの印に渦巻の下が到達)しながら、水温を23℃に保ちつつ、治具に固定したフィルムをかかる水中に浸漬した。治具からフィルムの残査が視認できなくなった時間を測定した。
○:30秒以上
×:30秒未満
(4)透明性
実施例及び比較例で得られたPVA水溶液を支持部材であるポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ50μm)上に、オートフィルムアプリケーター(テスター産業社製「PI−1210」)を用いて塗布し、80℃で5分間乾燥させ、次に100℃で20分間乾燥させ、支持部材上にPVAフィルム(厚さ15μm)が積層された積層フィルムを得た。
積層フィルムから支持部材を剥がすることにより得られたPVAフィルムについて、ヘイズメーター(東京電色社製、TC−H3DPK)を用いて20℃でのヘイズを測定した。
○:ヘイズが1.8%未満
×:ヘイズが1.8%以上
Figure 2016050279
本発明によれば、表面に皮張りが生じることを抑制することができ、優れた延伸性及び透明性を有するフィルムを作製することが可能なポリビニルアルコール水溶液を提供することができる。

Claims (4)

  1. ポリビニルアルコール混合物及び水を含有するポリビニルアルコール水溶液であって、
    前記ポリビニルアルコール混合物は、アセタール変性量が4〜10モル%であるアセタール変性ポリビニルアルコールを0.1〜8重量%含有し、
    前記アセタール変性ポリビニルアルコールは、アセタール基がアセトアセタール基及び/又はブチラール基である
    ことを特徴とするポリビニルアルコール水溶液。
  2. アセタール変性ポリビニルアルコールは、重合度が300〜3400であることを特徴とする請求項1記載のポリビニルアルコール水溶液。
  3. アセタール変性ポリビニルアルコールは、水酸基量が75〜95モル%であることを特徴とする請求項1又は2記載のポリビニルアルコール水溶液。
  4. 支持部材上に、請求項1、2又は3記載のポリビニルアルコール水溶液を用いて形成されたポリビニルアルコール樹脂層が積層されていることを特徴とする積層フィルム。
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