JP2016047866A - ポリウレタン樹脂製造における高イソシアネートインデックス下でのカシューナッツ殻液の使用 - Google Patents

ポリウレタン樹脂製造における高イソシアネートインデックス下でのカシューナッツ殻液の使用 Download PDF

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Abstract

【課題】ポリウレタン樹脂の製造に適した、植物由来原料の使用方法を提供する。
【解決手段】再生可能資源材料である工業用カシューナッツ殻液(CNSL)を、ポリウレタン樹脂のポリオール原料として使用する。
A)工業用カシューナッツ殻液を含むポリオール成分、
B)ポリイソシアネート成分
を含み、イソシアネートインデックスを110〜170とするポリウレタン樹脂。
【選択図】なし

Description

本発明は、植物由来の再生可能資源材料を使用するポリウレタン樹脂に関する。
ポリウレタン樹脂の製造法は、当業者によく知られている技術である。
現在のポリウレタン樹脂の製造に使用されるポリオールは、典型的に石油化学製品に由来している。
近年になり、地球環境問題の観点から、再生可能資源から得られる成分による石油由来ポリオールの置換を達成するための試みが当業者によってなされている。ヒマシ油、ヒマワリ油、菜種油、亜麻仁油、綿実油、コーン油、ケシ油、ピーナッツ油および大豆油ならびにこれらの誘導体を含む植物油由来の脂肪酸トリグリセリドを使用して製造されるプラスチックおよび発泡体が開発されている。また、再生可能な環境に優しい資源への関心が高まるにつれて、カシューナッツ殻液(Cashew Nut Shell Liquid,CNSLとも記載する)は、プラスチック製造のための潜在的成分として注目を集めている。
カシューナッツ殻液は非可食な植物由来であること、また比較的供給が安定しており、価格も汎用ポリオールと比べても低いという大きな利点がある。
これまでカシューナッツ殻液は、樹脂原料として以下のような用途に検討または使用されてきた。
例えば昭和23年に発明され、現在も著名なカシュー塗料は、カシューナッツ殻液の主成分であるカルダノールを高分子量化したものである。
ポリウレタン原料に関するものであれば、
特公昭48−029530号公報(特許文献1)に、カシューナッツ殻液またはカルダノールのアルデヒド縮合物またはアルデヒド共縮合物と、エチレンオキシドまたはプロピレンオキシドとを反応させて、ポリオール化合物を形成することを開示している。
特開2008−144171号公報(特許文献2)では、カシューナッツ殻液の成分を元にしてアルコキシル化したポリエーテルポリオールを軟質ウレタン樹脂の原料とすることが示されている。
特公昭48−029530号公報 特開2008−144171号公報
これらのようにポリウレタン原料に関しての使用は、何れもカシューナッツ殻液に何らかの変性を加えて使用されるものであった。
カシューナッツ殻液(CNSL)は、カシューナッツツリーの実の殻に含まれる油状の液体である。カシューナッツ殻液は、その成分として、アナカルド酸、カルダノール、カルドール、メチルカルドールを主に含む。カシューナッツ殻液の調製法としては加熱法と溶剤抽出法があるが、通常、工業用カシューナッツ殻液はカシューナッツ生産地にて加熱処理(脱炭酸)されることにより、アナカルド酸をカルダノールに変換して使用されている。
工業用カシューナッツ殻液は加熱法によるものであり、カルダノールとカルドール(カードルとも呼ぶ)、メチルカルドール(メチルカードルとも呼ぶ)が主成分である。工業用カシューナッツ殻液の組成比率は、一般的に次のとおりである。
構造式、また構造式から算出したイソシアネート反応性の官能基数(F)を合わせて示す。
カルダノール(水酸基価187, F1) 70〜90重量%、特に75〜85重量%
カルドール(水酸基価355, F2) 8〜25重量%、特に15〜20重量%
メチルカルドール(水酸基価340, F2) 0.2〜10重量%、特に1〜5重量%
アナカルド酸(水酸基価164, F1) 1重量%以下、特に0.2重量%以下
平均水酸基価:180〜260、特に約220 (mgKOH/g)
モル平均官能基数:1.08〜1.35、特に約1.18
平均分子量:250〜350、特に約303
Figure 2016047866

Figure 2016047866

[上記式中、Rは、二重結合を0、1、2または3個有する直鎖の炭素数15のアルキル基(およびアルケニル基)の組み合わせ、特にC1527である。]
カシューナッツ殻液の主成分であるカルダノールは、フェノール性水酸基を1つ有する、イソシアネート反応性の官能基数(F)が1の化合物である。また副成分のカルドール、メチルカルドールは、フェノール性水酸基を2つ有する、イソシアネート反応性の官能基数(F)が2の化合物である。これらのフェノール性水酸基がポリイソシアネートとウレタン化反応しポリウレタン樹脂を形成できる。
通常、有用な物性のポリウレタン樹脂を得るためには、イソシアネート反応性の活性水素を1分子中に2つ以上(官能基数2以上)持つことが必要とされる。官能基数2以上であれば、ポリイソシアネートと反応させた際にウレタン架橋が繋がり高分子量物が形成されるからである。官能基数が2未満の場合は高分子量化が途中で止まってしまうため、ポリウレタン樹脂として期待される有効な物性が発現しないことが多い。
カシューナッツ殻液の主成分であるカルダノールは、フェノール性水酸基を1つ有する、イソシアネート反応性の官能基数が1の化合物である。通常このような材料を原料に使用することは上記の理由で物性低下をまねくため敬遠される。さらにフェノール性水酸基はその活性が低いため、反応性においても不利である。これらの理由がこれまで工業用カシューナッツ殻液がそのままの化学組成でポリウレタン樹脂の原料としてほとんど検討されてこなかった原因と推察される。
今回、発明者らは検討をすすめ、工業用カシューナッツ殻液が以下に示す特定の条件で、ポリウレタン樹脂用原料として有効に使用できることを示す。
本発明者は、工業用カシューナッツ殻液が、変性しなくともそのままの化学組成で、ポリウレタン樹脂用原料として高イソシアネートインデックスの条件下で有効に使用できることを見いだした。
本発明は、
A)工業用カシューナッツ殻液を含むポリオール成分、
B)ポリイソシアネート成分
を含むポリウレタン樹脂に関する。
本発明は、
A)工業用カシューナッツ殻液を含むポリオール成分、および
B)ポリイソシアネート成分
を反応させて製造されており、成分A)と成分B)を反応させる際のイソシアネートインデックスを110〜170とするポリウレタン樹脂を提供する。
本発明は、
A)工業用カシューナッツ殻液を含むポリオール成分、
B)ポリイソシアネート成分、および
C)場合により存在する、無機充填材及び/又は強化材
からなるポリウレタン樹脂を提供し、
成分A)はa),b),c),d)からなり、
成分A)−a)は、成分A)100重量部につき10〜95重量部の工業用カシューナッツ殻液(CNSL)、
成分A)−b)は、成分A)100重量部につき 0〜85重量部のヒドロキシ基を含むイソシアネート反応性成分、
成分A)−c)は、成分A)100重量部につき0〜20重量部の水、または発泡剤、
成分A)−d)は、場合により存在する添加剤
であり、成分A)、B)、C)を混合反応させる際のイソシアネートインデックスを110〜170とする。
低価格で、供給が安定している非可食な植物由来の再生可能資源材料を、ポリウレタン樹脂用原料として高含有量で使用することができる。
ポリウレタン樹脂は、非発泡でも発泡していてもよい。発泡は化学的発泡であっても、あるいは物理的発泡であってもよい。
成分A)は、A)−a)工業用カシューナッツ殻液、A)−b)イソシアネート反応性成分、A)−c)水または発泡剤、ならびにA)−d)場合により存在する、添加剤を含むことが好ましい。
成分A)−a)は 前述した工業用カシューナッツ殻液(CNSL)である。工業用カシューナッツ殻液(CNSL)の量は、成分A)100重量部につき20〜95重量部、例えば25〜90重量部、特に30〜80重量部であってよい。
A)−b)ヒドロキシ基を含むイソシアネート反応性成分は、 1)比較的高分子量な化合物と、2)架橋剤と呼ばれる低分子量の化合物の2種類に分けられる。
A)−b)−1)の比較的高分子量な化合物とは、当業界で汎用に用いられるポリウレタン樹脂製造用のベースポリオールである。
例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルエーテルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリマーポリオールなどがあげられるが、これらに限定されない。また、CNSL由来ではない他の再生可能資源ベースのポリオールも使用することができる。
これらポリオールは、平均分子量約500〜10000、約20〜800のOH価、および約2〜8の官能基数を有することが好ましい。平均官能基数は、2であることが好ましいが、3〜8であってもよい。
成分A)−b)−1)の量は、成分A)100重量部につき0〜85重量部、好ましくは20〜70重量部、特に40〜70重量部であってよい。
A)−b)−2)の架橋剤と呼ばれる低分子量の化合物とは、分子量約30〜499の、イソシアネート基と反応することが可能な少なくとも2個の基を含む化合物が挙げられる。利用可能な化合物の例としては、多価アルコール類、ポリアミン類およびこれらのアルキレンオキシド付加物などが挙げられる。
架橋剤として、例えば、エチレングリコール(EG)、ジエチレングリコール(DEG)、トリエチレングリコール(TEG)、プロピレングリコール(PG)、ジプロピレングリコール(DPG)、トリプロピレングリコール(TPG)、ブタンジオール、ヘキサンジオール等のアルコール類、トリエタノールアミンやジエタノールアミンなどのアルカノールアミン類が用いられる。
さらに、例えば、エチレンジアミン、ジアミノトルエン[2,4−及び2,6−ジアミノトルエン(80/20重量部の混合物含む)]、2,4'−および4,4'−ジアミノジフェニルメタン、ポリフェニルポリメチレンポリアミン、ジエチルトルエンジアミン、t−ブチルトルエンジアミン、ジエチルジアミノベンゼン、トリエチルジアミノベンゼン、テトラエチルジアミノジフェニルメタンなどで、これらにアルキレンオキシドを付加した短鎖ポリエーテルポリオールなども用いられる。
本発明では、これら既述した架橋剤が使用できるが、高い反応性を必要とする場合は、アミン、すなわち、ポリアミン、特にジアミンである架橋剤がより好ましい。例えばジアミノトルエン、ジアミノジフェニルメタン、ジエチルトルエンジアミン、エチレンジアミンにアルキレンオキシドを付加した短鎖ポリエーテルポリオールなどである。
A)−b)−2)の量は、成分A)100重量部につき0〜20重量部、好ましくは1〜20重量部、特に2〜10重量部である。
成分A)−b)の量は、成分A)100重量部につき0〜85重量部、好ましくは20〜80重量部、特に40〜70重量部であってよい。
成分A)−c)は発泡剤としての水、または他の発泡剤である。ただし発泡剤を含まなくともよい。
水以外の発泡剤としては、当該分野で公知に用いられる種々の発泡剤が使用できる。例示すれば、クロロフルオロカーボン(CFC)やハイドロクロロフロロカーボン(HCFC)、ハイドロフロロカーボン(HFC)、ハイドロフルオロオレフィン(HFO)、ノルマルペンタン、シクロペンタン、アミン炭酸塩、蟻酸、液状炭酸ガスなどである。
成分A)−c)の量は、成分A)100重量部につき0〜20重量部、例えば1〜10重量部であってよい。
成分A)−d)は各種の添加剤である。この分野で公知の重合反応触媒、界面活性剤、気泡調節剤、有機及び無機顔料、着色剤、UV及び熱安定剤、可塑剤又は制カビもしくは制菌効果をもつ物質などが使用できる。
成分A)−d)の量は、成分A)100重量部につき0〜30重量部、例えば1〜10重量部であってよい。
ポリオール成分A)の平均官能基数は、2.0〜8.0、例えば2.0〜6.0、特に3.0〜4.0であることが好ましい。
成分B)のポリイソシアネートとしては、ポリウレタン樹脂の製造に通常使用されているものが用いられる。このようなイソシアネートとしては、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、これらの変性物(例えば、ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、イソシヌアレート基、またはオキサゾリドン基含有変性物など)およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、1,3−および/または1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−および/または2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、ポリメリックTDI(粗製TDIあるいはクルードTDIともいう。)、2,4’−および/または4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート(粗製MDIあるいはポリメリックMDIともいう。)、ポリアリールポリイソシアネート(PAPI)などが挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、炭素数2〜18の脂肪族ジイソシアネートなどが挙げられる。具体例としては、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどが挙げられる。
脂環式ポリイソシアネートとしては、炭素数4〜16の脂環式ジイソシアネートなどが挙げられる。具体例としては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネートなどが挙げられる。
成分B)の量は、イソシアネートインデックスが110〜170になるような量であることが好ましい。
本発明においてイソシアネートインデックスとは、ポリイソシアネート中のイソシアネート基の総数を、ポリオールの水酸基や架橋剤等のアミノ基、水等のイソシアネート基と反応する活性水素の総数で除した値を100倍した数値である。即ち、イソシアネート基と反応する活性水素数とポリイソシアネート中のイソシアネート基が化学量論的に等しい場合に、そのイソシアネートインデックスは100となる。本発明においてイソシアネートインデックスは、110〜170であることが重要であり、より好ましくは130〜170である。イソシアネートインデックスが上記範囲であることにより、好ましい物性を有する樹脂を得ることができ、本発明の目的を達成できる。
通常ポリウレタン樹脂製造のためのイソシアネートインデックスは100前後、例えば97〜103で成形することが多い。一般的にこれはこのインデックス範囲域では水酸基とイソシアネート基がほぼ当量で反応するために、物性が最も優れるからである。理論上、イソシアネートインデックスが100未満であれば未反応の水酸基が残り、イソシアネートインデックスが100超であれば未反応のイソシアネート基が残るため、ゲルタイムなどに表れる反応性低下や樹脂としての性能が低下することが多い。
しかしCNSLを使用する場合はこの考えは必ずしも当てはまらず、本発明で、イソシアネートインデックス110〜170とすることでも好ましい特性を有するポリウレタン樹脂を得ることが見出された。
この理由としてはCNSLを使用する場合、その官能基数が1であることからイソシアネートインデックス100近辺の成形条件では樹脂の架橋度が不足するためと思われ、本発明ではそれを補うために、ポリイソシアネートを過剰量反応させることで架橋度が上がり、必要な物性を得ることができたと考えられる。
成分C)は、場合により含有してもよい無機充填材及び/又は強化材である。成分C)は、当該技術分野で公知の材料であり、例えば硫酸バリウム、多孔質珪藻土、ホワイチング、雲母、特にガラス繊維、LC繊維、ガラスフレーク、ガラス球、アラミド繊維又は炭素繊維である。これらの成分は成分A)であるポリオール成分に加えるのが好ましく、連続強化剤の場合には金型にも挿入してもよい。嵩密度を低下させるために、例えば軽石や他の低密度の合成又は天然無機材料等の材料も利用してもよい。
成分C)の量は、成分A)100重量部につき0〜30重量部、例えば1〜10重量部であってよい。
ポリオール成分A)とポリイソシアネート成分B)を反応させることによって、ポリウレタン樹脂(特に、ポリウレタン成形品)を得る。反応は20〜60℃の温度で行うことが好ましい。反応は、成形型の中で行うことが好ましい。成形後にポリウレタン成形品を型から取り出す。
以下、実施例により本発明の方法を更に詳細に説明する。
特に指定しない限り、温度は摂氏であり、百分率は重量%である。
実施例では以下の成分を使用した。
工業用カシューナッツ殻液(CNSL)
外観:暗褐色液体
比重:0.96
粘度:550mPa・s/30℃
水分:0.05%
ヨウ素価:250(ウィイス法)
水酸基価:220(mgKOH/g)
ポリオール1:プロピレングリコールにプロピレンオキサイド(PO)とエチレンオキサイド(EO)を付加した水酸基価45mgKOH/gのポリエーテルポリオール、F2(官能基数2)、平均分子量2500
架橋剤1:ジエチルトルエンジアミン、F2(官能基数2)、分子量178
触媒1:DABCO 33LV(Air Product社製)
触媒2:ジブチルチンジラウレート
ポリイソシアネート1:ポリメリックMDI(住化バイエルウレタン社製 スミジュール44V20 NCO%=31.5)
評価については以下の方法で行った。
表中の反応混合液の反応性指標は、以下の通りである。
・ゲルタイム:イソシアネートとポリオール混合物の混合後から、その混合物が樹脂化するまでの時間(秒)
・タックフリータイム:イソシアネートとポリオール混合物の混合後から、立ち上がってくるフォーム表面を指先で触れたとき、混合物が指先に付着しなくなるまでに要するまでの時間(秒)
RIM成形機は、CANNON社の高圧発泡機Asystem 40std型を使用し、金型、成形条件は表1.中に示した。
物性評価は、それぞれ以下の方法により評価を行った。
密度(JIS K 7222:1999準拠)、
伸び率(JIS K 6400−5:2004準拠)、
引張強度(JIS K 6400−5:2004準拠)、
引裂強度(JIS K 6400−5:2004準拠)
硬度(アスカーC)
JIS K6253−3準拠のタイプCデュロメータを用い、JIS K6253−3に準拠する方法により測定を行った。
評価方法は、基準となる配合と比べて、物性値が大きく低下しないこと、外観に問題がないことで判断し、問題なければ○、問題個所があれば× と判定した。
参考例1〜2および実施例1〜5(評価結果)
表1の配合に従い各成分を調合してRIM成形機により成形し、ポリウレタン成形品を製造した。
この物性を評価し、その結果を表1に示した。
参考例1のイソシアネートインデックス95での成形では、樹脂強度が十分に発生せず、物性を測定することができなかった。これはCNSLの官能基数が1であることから架橋度が不足したためと考えられた。
参考例2(イソシアネートインデックス105での成形)を基準として、実施例1〜5までイソシアネートインデックスを115〜155まで徐々に上げて成形を行った。実施例1〜5は参考例2と同等かそれ以上の反応性と物性値を示し、CNSLは非発泡ウレタンシステムでポリオール成分として、これら高イソシアネートインデックス条件下で使用可能であることが分かった。
一般的にはイソシアネートインデックスを上げていくと、反応性は徐々に遅くなる傾向があるが、CNSLを使用する場合にはその傾向はみられなかった。また物性は伸び率が低下、硬度や強度が上昇する傾向であるが、実施例1〜5のイソシアネートインデックス115〜155の成形では樹脂特性として十分実用に耐えるものと評価できた。
Figure 2016047866
以上のことから、工業用カシューナッツ殻液をポリウレタン樹脂製造におけるポリオール成分として、高イソシアネートインデックス条件下で使用できることが分かる。
本発明によれば、工業用カシューナッツ殻液をポリウレタン樹脂製造におけるポリオール成分として、高イソシアネートインデックス条件下で使用できる。

Claims (8)

  1. A)工業用カシューナッツ殻液を含むポリオール成分、および
    B)ポリイソシアネート成分
    を反応させて製造されており、成分A)と成分B)を反応させる際のイソシアネートインデックスを110〜170とするポリウレタン樹脂。
  2. A)工業用カシューナッツ殻液を含むポリオール成分、および
    B)ポリイソシアネート成分
    を反応させて製造されており、成分A)と成分B)を反応させる際のイソシアネートインデックスを130〜170とするポリウレタン樹脂。
  3. A)工業用カシューナッツ殻液を含むポリオール成分
    B)ポリイソシアネート成分、および
    C)場合により存在する、無機充填材及び/又は強化材
    からなるポリウレタン樹脂であり、成分A)はa),b),c),d)からなり、
    成分A)−a)は、成分A)100重量部につき10〜95重量部の工業用カシューナッツ殻液、
    成分A)−b)は、成分A)100重量部につき0〜85重量部のヒドロキシ基を含むイソシアネート反応性成分、
    成分A)−c)は、成分A)100重量部につき0〜20重量部の水、または発泡剤、
    成分A)−d)は、場合により存在する、添加剤であり、
    成分A),B),C)を混合反応させる際のイソシアネートインデックスを110〜170とするポリウレタン樹脂。
  4. ポリイソシアネート成分B)が、ポリメリックMDIである請求項1〜3のいずれかに記載のポリウレタン樹脂。
  5. 成分A)−b)として、多価アルコール類、ポリアミン類およびこれらのアルキレンオキシド付加物からなる群から選択された少なくとも1種である架橋剤を1〜20重量部含有する請求項1〜4のいずれかに記載のポリウレタン樹脂。
  6. 成分A)−b)として、ポリアミンである架橋剤を含有する請求項1〜5のいずれかに記載のポリウレタン樹脂。
  7. A)工業用カシューナッツ殻液を含むポリオール成分、および
    B)ポリイソシアネート成分
    を含んでなり、成分A)と成分B)を反応させる際のイソシアネートインデックスを110〜170とするポリウレタン樹脂用原料。
  8. A)工業用カシューナッツ殻液を含むポリオール成分、および
    B)ポリイソシアネート成分
    を反応させることからなり、成分A)と成分B)を反応させる際のイソシアネートインデックスを110〜170とするポリウレタン樹脂の製造方法。
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