JP2016047604A - 記録媒体および画像記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】インクジェット記録において、良好な発色性を有するとともにインク吸収性に優れた記録媒体を提供すること。【解決手段】基材と、酸解離定数pKaが2.9以上の酸を用いて酸処理をされた炭酸カルシウムと、バインダーとを含有するインク受容層とを有する記録媒体。【選択図】なし

Description

本発明は、記録媒体および画像記録方法に関する。
基材上に炭酸カルシウムを含有するインク受容層を有する記録媒体が知られている。このような記録媒体のインク吸収性を向上する方法としては、インク受容層が含有する、炭酸カルシウム粒子を微細化する方法や、比表面積を大きくする方法が挙げられる。
特許文献1に記載のインクジェット記録媒体の製造方法では、炭酸カルシウムスラリーにリン酸を混合撹拌させて、比表面積が40m2/g以上70m2/g以下の炭酸カルシウムを合成する。そして、基材上へ、合成後の炭酸カルシウムを含有する塗工液を塗工してインク受容層を形成する。特許文献1のインクジェット記録媒体では、上記のように炭酸カルシウムの比表面積を一定範囲内に規定することで、インクのフェザリングを低減し、光学濃度、乾燥時間、および耐水性を向上させることができる。
特許文献2に記載のインクジェット記録媒体の製造方法では、花弁状多孔質構造を有するリン酸カルシウム系化合物を含有する塗工液を、基材上へ塗工してインク受容層を形成する。このリン酸カルシウム系化合物は、平均粒子径が0.1μm以上20μm以下、比表面積が50m2/g以上500m2/g以下である無機粒子を核材として形成したものである。特許文献2のインクジェット記録媒体では、一定範囲内の粒子径、比表面積、およびインク受容層の細孔径とすることで、印字濃度およびインク吸収性が高く、ドットの滲みが少なく、円に近い形状のドットを得ることができる。
特許文献3には、アマニ油吸油量が50ml/100g以上400ml/100g以下のリン酸カルシウムと、アマニ油吸油量が50ml/100g未満の炭酸カルシウムを含むインク受容層が開示されている。特許文献3に開示されたインク受容層は、1m2/g以上25m2/g以下の塗工量で塗工されたものであり、リン酸カルシウム系化合物と炭酸カルシウムの平均粒子径の比が一定範囲内となっている。上記のように、特許文献3に記載のインクジェット記録媒体は、リン酸カルシウムと炭酸カルシウムのアマニ油吸油量と各々の平均粒子径の比率を一定範囲にする。これにより、インクジェット記録性を有しながらも、オフセット印刷、電子写真記録、プリントゴッコ印刷用紙、熱転写記録用紙等の各記録方式でも使用できる。
特表2008−502579号公報 特許第3623623号明細書 特開2005−186540号公報
しかしながら、上記特許文献1〜3に記載の顔料粒子を用いたインク受容層では、発色性およびインク吸収性を十分に満足できる状態ではなかった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものである。したがって、本発明は、得られる画像の発色性及びインク吸収性に優れた記録媒体を提供することを目的とする。
一実施形態は、
基材と、
酸解離定数pKaが2.9以上の酸を用いて酸処理をされた炭酸カルシウムと、バインダーとを含有するインク受容層と、
を有する記録媒体に関する。
本発明によれば、得られる画像の発色性及びインク吸収性に優れた記録媒体を提供することができる。
本実施形態の記録媒体は、基材と、炭酸カルシウム及びバインダーを含有するインク受容層とを有する。この炭酸カルシウムは、酸解離定数pKaが2.9以上の酸を用いて酸処理したものである。なお、酸が、多価酸(一分子内に、水素イオンが解離可能な基を二以上有する酸)の場合、上記酸解離定数とは第一解離定数(第一段階目の酸解離の定数)を表す。また、インク受容層は、基材の一方の面上に設けても、両方の面上に設けても良い。
このように炭酸カルシウムに対して、酸解離定数の負の常用対数値であるpKaが2.9以上の酸を用いて酸処理をすることで、炭酸カルシウムの表面に効果的にインク吸収性の構造を形成させることができる。従って、この炭酸カルシウムを含有するインク受容層を備えた記録媒体は、記録時に良好な発色性を有するとともにインク吸収性に優れたものとなる。
この一方で、pKaが2.9より小さい酸を用いて炭酸カルシウムを処理した場合、炭酸カルシウム粒子の溶解が急激に進行するため炭酸カルシウムの表面に酸のカルシウム塩が形成されず、酸のカルシウム塩単独の粒子が析出する。この結果、この原料を含有するインク受容層を備えた記録媒体にはインク吸収に好適なインク吸収性の構造を有さず、記録時の発色性およびインク吸収性が低下する。また、多価酸の場合においては、一般的には第一段階のpKaが最も小さく、この第一段階で解離した酸が炭酸カルシウム粒子の溶解作用に最も影響を与えると考えられる。なお、酸処理により炭酸カルシウムの表面に形成された構造は、酸処理前後の炭酸カルシウムの表面をSEM観察などで観察することにより確認できる。すなわち、酸処理前の炭酸カルシウムの表面と比べて、酸処理後の炭酸カルシウムの表面上で、異なる大きさ、形状の構造が新たに存在している場合には、インク吸収性の構造が形成されているものと確認できる。また、酸処理前後の炭酸カルシウムの細孔容積を測定することによっても、インク吸収性の構造を確認することができる。すなわち、BET法を用いた細孔容積の測定装置により、酸処理前後の炭酸カルシウムの総細孔容積を測定する。そして、(酸処理後の炭酸カルシウムの細孔容積)−(酸処理前の炭酸カルシウムの細孔容積)が有意に0よりも大きい場合には、インク吸収性の構造が形成されているものと判断できる。好ましくは、インク吸収性の構造は多孔質構造であるのが良い。この多孔質構造も、上記と同様の方法によって確認することができる。
また、20℃の水に対する、(酸処理後の炭酸カルシウムの溶解度)−(酸処理前の炭酸カルシウムの溶解度)は、34.7g/水100g以下であることが好ましく、0.1g/水100g以上であることが好ましい。インク受容層用塗工液を基材上に塗工、乾燥する際には、塗工液中に溶解している、炭酸カルシウムの表面上の塩が析出する。ここで、上記の酸処理前後の炭酸カルシウムの溶解度の差は、炭酸カルシウムの表面上の塩の溶解度であると考えられる。そこで、この溶解度の差が、34.7g/水100g以下の範囲であれば、インク受容層形成時の塩の析出量が少なく、該塩がインク受容層表面の細孔を塞いでインク吸収性が低下することを抑制できる。
本実施形態の記録媒体には、顔料および/または染料を含有するインクを付与して画像を形成できるが、顔料を含有するインクを付与した場合には特に優れた発色性およびインク吸収性を発現させることができる。すなわち、インク中の顔料粒子は比較的、大きな粒径を有するため、従来の記録媒体上に顔料インクを付与した場合には、記録媒体内にインクが吸収されにくく、発色性も劣ったものとなり易い。これに対して、本実施形態の記録媒体では、インク受容層中の炭酸カルシウムが特有のインク吸収性の構造を有するため、顔料インクであっても効果的にインクを吸収することができる。この結果、優れた発色性を発現させることができる。
以下では、本実施形態の記録媒体に使用する各材料、その製造方法、および画像記録方法について詳細に説明する。
<記録媒体>
(基材)
本実施形態の記録媒体の基材としては例えば、適度のサイジングを施した紙、無サイズ紙、ポリエチレンなどを用いたレジンコート紙等の紙類、熱可塑性フィルムのようなシート状物質及び布帛を挙げることができる。熱可塑性フィルムの場合はポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレート、酢酸セルロース、ポリエチレン、ポリカーボネートなどの透明フィルムを用いることができる。また、無機粒子の充填または微細な発泡による不透明化したシートを用いることもできる。繊維状物質としては、例えばセルロースパルプを用いることができる。より具体的には、広葉樹材及び針葉樹材から得られるサルファイトパルプ(SP)、アルカリパルプ(AP)、クラフトパルプ(KP)などの化学(ケミカル)パルプ、セミケミカルパルプ、セミメカニカルパルプ、機械(メカニカル)パルプ、脱墨された二次繊維である古紙パルプなどを挙げることができる。また、これ以外にも、非木材パルプである草、葉、靱皮、種毛などの繊維、藁、竹、麻、バガス、エスパルト、ケナフ、楮、三椏、コットンリンターなどのパルプも使用可能である。パルプは様々な処理をしたものを用いることができる。具体的には、嵩高パルプ、マーセル化パルプ、機械パルプ、軽叩解パルプ、微細フィブリル化パルプ、結晶化パルプ、硫酸塩パルプ、亜硫酸塩パルプ、ソーダパルプ、ヘミセルラーゼ処理パルプ及び酵素処理化学パルプ等を挙げることができる。なお、上記の材料は単独で、又は複数種を組み合わせて用いることができる。
また、基材中には、必要に応じて填料を加えることができる。填料としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウムなどの白色顔料、シリカまたはシリケート、珪酸化合物などのシリカ系材料を挙げることができる。なお、基材中に用いる炭酸カルシウムは酸処理をしたものであっても、酸処理をしていないものであっても良い。また、多孔質填料を用いることもできる。填料の添加量は灰分換算で基材全体の5質量%以上、20質量%以下が好ましい。灰分の測定はJIS P8128に従って行うことができる。基材の坪量としては特に制限はないが。例えば、坪量が50g/m2以上、300g/m2以下であることが好ましい。
(インク受容層)
本実施形態の記録媒体は、基材上にインク受容層を有する。インク受容層は、酸解離定数pKaが2.9以上の酸を用いて酸処理をされた炭酸カルシウムと、バインダーとを含有する。インク受容層は、この他に架橋剤、各種添加剤および着色用染料等を含むことができる。以下では、各材料について、詳細に説明する。
(1)炭酸カルシウム
インク受容層は、酸解離定数pKaが2.9以上の酸を用いて酸処理をされた炭酸カルシウムを含有する。炭酸カルシウムは炭酸ガス反応法などにより合成する沈降炭酸カルシウムが好ましく、これを酸処理したものを使用できる。軽質炭酸カルシウムまたは膠質炭酸カルシウムの中でも、粒子形状や粒度分布が均一であり、一次粒子の微細化により比表面積を大きくできる点で、膠質炭酸カルシウムがより好ましい。沈降性炭酸カルシウムは、石灰乳−炭酸ガス反応法、石灰乳−ソーダ灰反応法や塩化カルシウム−ソーダ灰反応法等の公知の方法により合成することができる。沈降性炭酸カルシウムの合成方法は特に限定するものではない。インク吸収性に寄与する微細な細孔を有するものを得るためには比表面積が大きなものが適しているため、一次粒子径がサブミクロンオーダーの微粒子を合成できる方法・条件とするのが好ましい。石灰乳−炭酸ガス反応法を例にとると、水酸化カルシウムスラリー中に炭酸ガスを吹き込む時の反応条件を制御することにより、微細な粒子径を得ることができる。
炭酸カルシウムを酸処理するための、酸解離定数pKaが2.9以上の酸としては、有機酸、なかでも脂肪族カルボン酸を用いることができる。脂肪族カルボン酸としては、酢酸や脂肪族オキシカルボン酸(特に、脂肪族αオキシカルボン酸(脂肪族αヒドロキシ酸))を好適に利用できる。脂肪族αオキシカルボン酸としては、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、および酢酸からなる群から選択された少なくとも一種の酸であることが好ましい。酸処理後の炭酸カルシウムにおける、コールターカウンター法で測定した二次粒子の平均粒子径は5.0μm以下が好ましく、1.0μm以下がより好ましい。
(2)その他の無機顔料
インク受容層は、上記(1)の炭酸カルシウム以外のその他の無機顔料を含有することができる。その他の無機顔料としては、アルミナ、アルミナ水和物、シリカなどを挙げることができる。
(3)バインダー
インク受容層に用いるバインダーとしては、インク受容層用塗工液の塗工時の作業環境を考慮すると水系塗工液中に使用できるものが好ましい。インク受容層に用いるバインダーは、水溶性樹脂であることが好ましい。水溶性樹脂としては例えば、ポリビニルアルコール(PVA)及びその変性物、澱粉及びその変性物、ゼラチン及びそれらの変性物、カゼイン、プルラン、アラビアゴム、カラヤゴム、アルブミン等の天然高分子樹脂又はこれらの誘導体、カチオン変性、SBRラテックス、NBRラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のラテックス類、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等のビニルポリマー、ポリエチレンイミン、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、無水マレイン酸又はその共重合体等を挙げることができ、1種もしくは2種以上を組みあわせて用いることができる。上記したバインダーの中でも、PVA又はその変性物が好ましい。変性したPVAとしては、カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール等のポリビニルアルコール誘導体等を挙げることができる。
また、インク受容層中のバインダーの含有量は、インク吸収性の点から、インク受容層に用いる無機顔料全体の質量100質量部に対して30質量部以下が好ましく、25質量部以下がより好ましい。また、インク受容層の塗膜強度の点からは、2質量部以上が好ましく、5質量部以上であることがより好ましい。無機顔料とバインダーの比率を前記範囲とすることにより、インク吸収性に必要なインク受容層中の細孔を維持することで良好なインク吸収性および高い画像濃度を容易に得ることができる。また、塗布膜に適度な強度を容易に持たせることが可能となる。
(4)その他の添加剤
上述の無機顔料やバインダー等に加えて、従来から公知の添加剤を本実施形態の効果が大きく変化しない範囲で適宜、使用することができる。添加剤としては、バインダーの架橋剤、顔料分散剤、分散安定剤、堅牢性向上剤、酸化防止剤、有機溶剤、防腐剤、pH調整剤、界面活性剤、及び消泡剤等を挙げることができる。
(記録媒体の製造方法)
本実施形態の記録媒体の製造方法として、例えば以下の方法を挙げることができる。まず、炭酸カルシウム等を含有するインク受容層用塗工液を調製する。次に、基材上にインク受容層用塗工液を塗工した後、この塗工液を乾燥してインク受容層を形成することで、本実施形態の記録媒体を得ることができる。なお、インク受容層に用いる、上記の材料(炭酸カルシウム、分散安定剤、バインダーおよび水など)の種類、使用量等は、記録媒体の特性に応じて適宜、選択することができる。
また、インク受容層用塗工液の塗工方法は特に限定されないが、例えば、下記の塗工装置を用いて、オンマシン、オフマシンで塗工することができる。
各種カーテンコーター、エクストルージョン方式を用いたコーター、スライドホッパー方式を用いたコーター。
なお、塗工液の塗工時に、塗工液の粘度調製等を目的として、塗工液を加温しても良く、コーターヘッドを加温することも可能である。また、塗工後の塗工液の乾燥には、例えば、直線トンネル乾燥機、アーチドライヤー、エアループドライヤー、サインカーブエアフロートドライヤー等の熱風乾燥機を使用できる。また、これ以外にも、赤外線、加熱ドライヤー、マイクロ波等を利用した乾燥機等を、適宜、選択して用いることができる。
(画像記録方法)
本実施形態の画像記録方法では例えば、記録媒体のインク受容層上に、インクジェット方式によりインクを付与して画像を形成する。インクジェット方式用のインクジェットデバイスとしては、例えば電気−熱変換体によりインクに膜沸騰を生じさせ気泡を形成することでインクを吐出する形態を挙げることができる。また、電気−機械変換体によってインクを吐出する形態、静電気を利用してインクを吐出する形態等を挙げることもできる。上記のように、インクジェット液体吐出技術で提案される各種インクジェットデバイスをいずれも用いることができる。これらの中でも、特に高速で高密度の印刷の観点からは、電気−熱変換体を利用したものを好適に用いることができる。
また、インクジェットデバイス全体の形態としては特に制限はない。例えば、中間転写体の進行方向と垂直にヘッドを走査しながら記録を行う、いわゆるシャトル形態のインクジェットヘッドを用いることができる。また、中間転写体の進行方向に対し略垂直(すなわちドラム形状の場合は軸方向に略平行)にインク吐出口をライン状に配列させた、いわゆるラインヘッド形態のインクジェットヘッドを用いることもできる。
画像記録方法に用いるインクは、色材として顔料及び染料の少なくとも一方を含有することができる。染料及び顔料としては、特に限定されず、インクの色材として利用し得るものから選択し、その必要量を用いることができる。例えば、インクジェット用のインクとして公知の染料やカーボンブラック、有機顔料等を用いることができる。染料及び/または顔料を液媒体に溶解および/または分散させたものを用いることができる。インクは更に、顔料分散剤、界面活性剤、溶剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、水溶性樹脂およびその中和剤、粘度調整剤など種々の添加剤を含有することができる。溶剤としては、水、水溶性有機溶剤を挙げることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。なお、下記実施例は、本発明のより一層深い理解のために示される具体例であって、本発明は、これらの具体例に何ら限定されるものではない。
(基材の作製)
下記条件にて基材を作製した。まず、下記組成の紙料を固形分濃度が3質量%となるように水で調製した。
<紙料組成>
・パルプ 100質量部
(濾水度450mlCSF(Canadian Standard Freeness)の、広葉樹晒しクラフトパルプ(LBKP)(95質量部)、
および濾水度480mlCSFの、針葉樹晒しクラフトパルプ(NBKP)(5質量部)
・カチオン化澱粉 0.50質量部
・重質炭酸カルシウム 5質量部
・アルキルケテンダイマー 0.10質量部
・カチオン性ポリアクリルアミド 0.030質量部
次に、この紙料を長網抄紙機で抄造し、3段のウエットプレスを行った後、多筒式ドライヤーで乾燥した。この後、サイズプレス装置で、固形分が1.0g/m2となるように酸化澱粉水溶液を含浸させ、乾燥させた。この後、マシンカレンダー仕上げをして、坪量150g/m2、ステキヒトサイズ度28秒、透気度25秒、ベック平滑度25秒の基材を得た。
(酸処理をした炭酸カルシウムの調整)
軽質炭酸カルシウム(平均粒子径1.5μm、BET比表面積75.0m2/g)をイオン交換水中に添加して固形分濃度25質量%とし、ROBO MICS(特殊機化工業製)を用いて、回転数2000rpmで撹拌した。この攪拌を行いながら、25質量%クエン酸水溶液を、軽質炭酸カルシウム100質量部に対してクエン酸が19.2質量部となるように10分間、滴下した。その後、回転数で6000rpm、60分間、撹拌をしながら、炭酸カルシウムとクエン酸の反応を行わせることで、酸処理をした軽質炭酸カルシウムのスラリーを得た。次に、この炭酸カルシウムのスラリーを、スプレードライを用いて乾燥し、表面を酸処理した軽質炭酸カルシウム粒子を得た。
(顔料分散液の調整)
上記のようにして酸処理した軽質炭酸カルシウム粒子100質量部に対して、ポイズ520(特殊ポリカルボン酸型高分子界面活性剤:花王ケミカル社製)5質量部をイオン交換水中に添加した。そして、ROBO MICS(特殊機化工業製)を用いて、回転数で6000rpm、120分間、撹拌して固形分濃度25質量%の顔料分散液を調整して顔料分散液を得た。
(インク受容層用塗工液の調整)
上記で調製した顔料分散液、およびポリビニルアルコール(商品名:PVA245、クラレ社製、けん化度87.0mol%、平均重合度4500)を、軽質炭酸カルシウム/ポリビニルアルコール(固形分)比(P/B比)が100/5となるように混合してインク受容層用塗工液を得た。
<実施例1>
基材上に、インク受容層用塗工液を、乾燥塗工量が16g/m2となるように塗工後、100℃で乾燥させて、記録媒体1を作製した。
<実施例2>
実施例1の酸処理に使用した25質量%クエン酸水溶液を、軽質炭酸カルシウム100質量部に対してリンゴ酸13.4質量部となる濃度のリンゴ酸水溶液に変更した。これ以外は、実施例1と同様の方法で記録媒体2を作製した。
<実施例3>
実施例1の酸処理に使用した25質量%クエン酸水溶液を、軽質炭酸カルシウム100質量部に対して乳酸9.0質量部となる濃度の乳酸水溶液に変更した。これ以外は、実施例1と同様の方法で記録媒体3を作製した。
<実施例4>
実施例1の酸処理に使用した25質量%クエン酸水溶液を、軽質炭酸カルシウム100質量部に対して酢酸9.0質量部となる濃度の酢酸水溶液に変更した。これ以外は、実施例1と同様の方法で記録媒体4を作製した。
<比較例1>
実施例1において、酸処理をしていない炭酸カルシウムを用いた以外は、実施例1と同様の方法で記録媒体5を作製した。
<比較例2>
実施例1の酸処理に使用した25質量%クエン酸水溶液を、軽質炭酸カルシウム100質量部に対して塩酸3.64質量部となる濃度の塩酸水溶液に変更した。これ以外は、実施例1と同様の方法で記録媒体6を作製した。
<比較例3>
実施例1の酸処理に使用した25質量%クエン酸水溶液を、軽質炭酸カルシウム100質量部に対してリン酸9.8質量部となる濃度のリン酸水溶液に変更した。これ以外は、実施例1と同様の方法で記録媒体6を作製した。
<比較例4>
実施例1の酸処理に使用した25質量%クエン酸水溶液を、軽質炭酸カルシウム100質量部に対してアスコルビン酸17.6質量部となる濃度のアスコルビン酸水溶液に変更した。これ以外は、実施例1と同様の方法で記録媒体7を作製した。
<評価>
酸処理に使用した各々の酸に対して、以下の評価を行った。また、各実施例及び比較例で得られた記録媒体に対して、以下の評価を行った。
その結果を表1に示す。
(評価1)酸解離定数:pKa
25℃の各酸水溶液(軽質炭酸カルシウムに滴下する前の酸溶液)に対して、0.1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を滴下した。そして、pHメータ(pH meter F−22:堀場製)によりpHを測定することによりpKaを算出した。なお、多段階に解離する多価酸の場合には、第一段階目の酸解離定数を求めた。
(評価2)酸処理後に炭酸カルシウムの表面に形成される塩の溶解度
酸処理前の炭酸カルシウムと、酸処理後の炭酸カルシウムの、20℃の水に対する溶解度を測定した。溶解度としては、まず炭酸カルシウムを20℃の水200g中に50g加え、6時間撹拌し得られた水溶液をろ過後、そのろ液を120℃、1時間乾燥させ、固形分の重量を求めた。なお、得られたろ液に対して、再度炭酸カルシウムを添加して固形分重量を求め、その数値が飽和した数値をもとに溶解度を算出した。そして、(酸処理後の炭酸カルシウムの溶解度)−(酸処理前の炭酸カルシウムの溶解度)を、炭酸カルシウムの表面に形成される塩の溶解度とした。
(評価3)発色性
インクジェット方式を用いたフォト用プリンタ(商品名:PIXUS Pro−1、キヤノン製)を用いて、写真用紙「キヤノン写真光沢用紙ゴールド」モードで、上記のように作製した記録媒体に画像を記録した。画像の記録については、ブラックの100%Dutyのベタパッチを印字した。その後、25℃、50%RH環境で3日間、印字後の記録媒体を保存した後、分光光度計スペクトロリノ(グレタグマクベス社製)を用いて測色を行い、画像濃度を評価した。尚、この際の評価基準は以下の通りとした。
A:画像濃度が1.20以上であった。
B:画像濃度が1.20未満であった。
(評価4)ベタ均一性
各記録媒体の記録面(インク受容層側の面)のインク吸収性を、それぞれ評価した。インクジェット方式を用いたフォト用プリンタ(商品名:PIXUS Pro−1 キヤノン(株)製)を用いて、写真用紙「キヤノン写真光沢用紙ゴールド」モードで作製した記録媒体に、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの100%Dutyのベタバッチを印字した。上記画像を用いて、以下の評価基準に従って目視により評価した。
A:ベタ部が均一に印字されていた。
B:ベタ部にやや色ムラがあるものの、気にならないレベルであった。
C:ベタ部に色ムラがあった。
(評価5)インク吸収性
インクジェット方式を用いたフォト用プリンタ(商品名:PIXUS MG8130、キヤノン製)を用いて、写真用紙「キヤノン写真光沢用紙ゴールド」モード(標準設定、色/濃度:マッチングなし)にて、下記(1)および(2)の画像を印刷した。
(1)画像:5cm×5cmの領域を、PhotoShop7.0のRGBモードで、(R,G,B)=(0,0,0)の黒で塗りつぶした画像と、その画像に隣接した5cm×5cmの領域を(R,G,B)=(255,255,0)の黄色で塗りつぶした画像
(2)5cm×5cmの領域を(R,G,B)=(0,255,0)の緑色で塗りつぶした画像
上記画像を用いて、以下の評価基準に従って目視により評価した。
A:黒と黄色の間に滲みだしが無く、緑色にムラが無かった。
B:黒と黄色の間に滲みだしが若干あるものの、気にならないレベルであった。
C:黒と黄色の間に滲みだしがあり、緑色にムラがあった。
Figure 2016047604

Claims (5)

  1. 基材と、
    酸解離定数pKaが2.9以上の酸を用いて酸処理をされた炭酸カルシウムと、バインダーとを含有するインク受容層と、
    を有する記録媒体。
  2. 20℃の水に対する、(酸処理後の炭酸カルシウムの溶解度)−(酸処理前の炭酸カルシウムの溶解度)が34.7g/水100g以下である請求項1に記載の記録媒体。
  3. 前記炭酸カルシウムが、表面に多孔質構造を有する請求項1または2に記載の記録媒体。
  4. 酸解離定数pKaが2.9以上の酸が、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、および酢酸からなる群から選択された少なくとも一種の酸である請求項1〜3の何れか1項に記載の記録媒体。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載の記録媒体に、インクを付与して画像を記録する画像記録方法。
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