JP2016047567A - ロボットハンド - Google Patents
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Abstract
【課題】ユーザーの作業負担を増加させることなく、可動部を回動させるモータの故障診断を適切に実行する。
【解決手段】ロボットハンドのECUは、可動部を回動させるモータのキャリブレーションが開始される場合(S100にてYES)、キャリブレーション動作を行なうための駆動制御を実行するステップ(S102)と、各モータの速度を算出するステップ(S104)と、故障と判定されるモータがある場合(S106にてYES)、故障通知処理を実行するステップ(S108)と、故障と判定されるモータがない場合(S106にてNO)、キャリブレーション動作が終了したか否かを判定するステップ(S110)とを含む、制御処理を実行する。
【選択図】図3
【解決手段】ロボットハンドのECUは、可動部を回動させるモータのキャリブレーションが開始される場合(S100にてYES)、キャリブレーション動作を行なうための駆動制御を実行するステップ(S102)と、各モータの速度を算出するステップ(S104)と、故障と判定されるモータがある場合(S106にてYES)、故障通知処理を実行するステップ(S108)と、故障と判定されるモータがない場合(S106にてNO)、キャリブレーション動作が終了したか否かを判定するステップ(S110)とを含む、制御処理を実行する。
【選択図】図3
Description
本発明は、ロボットハンドの可動部を回動させるモータの故障診断に関する。
複数のアーム構成ユニットが関節部を介して連結されたアームを備えるロボットアームや複数の指構成ユニットが関節部を介して連結された指部を備えるロボットハンドにおいては、アームや指部の位置制御は、原点位置を基準にして行なわれる。しかしながら、電源をオフした際のアームや指部の停止位置は、場合によって異なる。このため、電源をオンにした際には、アームや指部を一旦原点位置に復帰させ、そこから教示内容に従って動作を開始するようになっている。このような従来のロボット装置として、たとえば、特開昭62−63302号公報(特許文献1)および特開平3−119405号公報(特許文献2)には、ロボットのアーム等の可動部の機械原点位置を検出する技術(キャリブレーション)が開示されている。
また、従来のロボット装置では、長時間使用や高負荷状態での使用により可動部を回動させるモータが劣化または故障することがあるため、モータの不調に気づいたユーザーが任意のタイミングで故障診断を実施している。
ロボット装置の可動部を回動させるモータは、その寿命が有限であるため、故障して動かなくなる前に交換することが必要となる。このため、一定期間毎にモータを交換することが考えられるが、故障してもいないのに交換することになると手間やコストが上昇するため、各モータは故障する寸前まで利用されることが要求されている。しかしながら、従来の故障診断は、ユーザーが任意のタイミングで実行するものであるため、故障診断の作業負担が増加することやロボット装置を使用できない待ち時間が発生するなどの理由により、ユーザーによっては、適切なタイミングで故障診断が実行されない虞がある。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであって、その目的は、ユーザーの作業負担を増加させることなく、可動部を回動させるモータの故障診断を適切に実行するロボットハンドを提供することである。
この発明のある局面に係るロボットハンドは、回動可能な可動部を有する指部を複数備えるロボットハンドである。このロボットハンドは、可動部を回動させるための回転軸を有するモータと、モータの回転軸の回転量を検出するエンコーダと、エンコーダの出力に基づいてモータを制御する制御装置とを備える。制御装置は、モータに対して予め設定された制御指令値を入力して駆動させるとともにモータの回転速度を検出し、モータの回転速度が故障判定速度よりも低い場合にモータが故障していると判定する故障判定処理を、可動部の基準位置を検出するキャリブレーションの実行中、対象物の把持を行なう際の把持準備動作の実行中および把持している対象物を解放する把持解除動作の実行中のうちの少なくともいずれかで実行する。
好ましくは、複数の指部には、それぞれ、可動部が複数個設けられる。モータとエンコーダとは、複数の可動部の各々に設けられる。制御装置は、ロボットハンドの電源が投入されると、複数の可動部に対するキャリブレーションを実行するとともに複数のモータの各々に対して故障判定処理を実行する。
さらに好ましくは、複数の指部には、それぞれ、可動部が複数個設けられる。モータとエンコーダとは、複数の可動部の各々に設けられる。制御装置は、複数の指部を用いて対象物を把持する場合に、複数の指部における可動部の各々を、基準位置から対象物を把持するための把持準備位置に移動させる把持準備動作を実行するとともに、可動部を回動させるモータに対して故障判定処理を実行する。
さらに好ましくは、複数の指部には、それぞれ、可動部が複数個設けられる。モータとエンコーダとは、複数の可動部の各々に設けられる。制御装置は、複数の指部により把持されている対象物を解放する場合に、複数の指部における可動部の各々を対象物に接触する位置から離隔した位置に移動させる把持解除動作を実行するとともに、可動部を回動させるモータに対して故障判定処理を実行する。
この発明によると、可動部の基準位置を検出するキャリブレーションの実行中、対象物の把持を行なう際の把持準備動作の実行中および把持している対象物を解放する把持解除動作の実行中のうちの少なくともいずれかの実行中に故障判定処理が実行されるので、故障診断を実行するための時間を別途必要とせず、また、ユーザーが故障診断を実行するための作業を行なう必要がない。したがって、ユーザーの作業負担を増加させることなく、可動部を回動させるモータの故障診断を適切に実行するロボットハンドを提供することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号が付されている。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返されない。
図1は、本実施の形態に係るロボットハンド1の構成を模式的に示す図である。なお、図1に示すロボットハンド1の構成は例示であって、図1に示す構成に限定されるものではない。
ロボットハンド1は、対象物を把持するためのハンド部10と、ハンド部10の動きを制御するECU(Electronic Control Unit)100とを含む。
ハンド部10は、2本の指部20と、2本の指部20が所定距離を隔てて支持されるベース部30とを含む。なお、本実施の形態では、指部20の本数を2本とする例を説明するが、指部の本数は2本に限定されるものではなく、3本以上であってもよいし1本であってもよい。
各指部20は、指先部21と、第1関節部22と、指元部23と、第2関節部24とを含む。指元部23の一端は第2関節部24を介してベース部30に接続され、指元部23の他端は第1関節部22を介して指先部21に接続される。なお、本実施の形態では、指部20の関節数を2つとしているが、指部の関節数は2つに限定されるものではなく、1つであってもよいし、3つ以上としてもよい。
第1関節部22は、指先部21と指元部23との間に設けられ、指先部21を指元部23に対して可動方向αに回動可能に支持する。なお、以下では、指先部21が対象物を把持する方向(他方の指部20に近づく方向)を「閉じ方向」ともいい、指先部21が対象物を放す方向(他方の指部20から離れる方向)を「開き方向」ともいう。
第1関節部22は、指先部21を可動方向αに回動させるための第1モータ(たとえば超音波モータ)50と、第1モータ50の回転状態を検出する第1インクリメンタルエンコーダ(以下、単に「第1エンコーダ」という)40とを含む。
第2関節部24は、指元部23とベース部30との間に設けられ、指元部23をベース部30に対して可動方向βに回動可能に支持する。なお、以下では、指元部23が対象物を把持する方向(他方の指部20に近づく方向)を「閉じ方向」ともいい、指元部23が対象物を放す方向(他方の指部20から離れる方向)を「開き方向」ともいう。
第2関節部24は、指元部23を可動方向βに回動させるための第2モータ(たとえば、超音波モータ)60と、第2モータ60の回転状態を検出する第2インクリメンタルエンコーダ(以下、単に「第2エンコーダ」という)42とを含む。
ECU100は、指部20を用いて対象物を把持する場合、各指元部23を閉じ方向に回動させるとともに、各指先部21を閉じ方向に回動させて対象物を把持するように各指部20の第1モータ50および第2モータ60を制御する。
また、ECU100は、指部20が把持している対象物を解放する場合、たとえば、各指先部21を開き方向に回動させて対象物を放すように各指部20の第1モータ50を制御する。
なお、ECU100は、指部20が把持している対象物を解放する場合、各指先部21に代えてまたは加えて各指元部23を開き方向に回動させて対象物を放すように各指部20の第1モータ50または第2モータ60を制御するようにしてもよい。
ECU100は、第1エンコーダ40の検出結果に基づいて第1モータ50の回転状態(たとえば、回転位置)を把握し、その把握結果を用いて第1モータ50に対する指令信号を生成する。さらに、ECU100は、第2エンコーダ42の検出結果に基づいて第2モータ60の回転状態(たとえば、回転位置)を把握し、その把握結果を用いて第2モータ60に対する指令信号を生成する。
表示装置200は、ECU100からの制御信号に応じてロボットハンド1の状態等の情報を表示する。表示装置200は、液晶パネルであってもよいし、予め定められたマークを点灯させる点灯装置であってもよい。なお、表示装置200に代えて、たとえば、警告音や音声等によってロボットハンド1の状態等の情報を通知する通知装置を用いてもよい。本実施の形態において、表示装置200は、たとえば、各指部20の各第1モータ50や各第2モータ60の故障判定結果や故障の発生によるロボットハンド1の交換を促す旨を表示する。
以上のような構成において、ロボットハンド1の可動部を回動させる第1モータ50および第2モータ60は、その寿命が有限であるため、故障して動かなくなる前に交換することが必要となる。このため、一定期間毎に第1モータ50および第2モータ60を交換することが考えられるが、故障してもいないのに交換することになると手間やコストが上昇するため、各モータは故障する寸前まで利用されることが要求されている。しかしながら、従来の故障診断は、ユーザーが任意のタイミングで実行するものであるため、故障診断の作業負担が増加することやロボットハンド1を使用できない待ち時間が発生するなどの理由により、ユーザによっては、適切なタイミングで故障診断が実行されない虞がある。
そこで、本実施の形態に係るロボットハンド1においては、ECU100が、モータ(第1モータ50または第2モータ60)に対して予め設定された制御指令値を入力して駆動させるとともにモータの回転速度を検出し、モータの回転速度が故障判定速度よりも低い場合にモータが故障していると判定する故障判定処理を、可動部(指先部21または指元部23)の基準位置を検出するキャリブレーションの実行中、対象物の把持を行なう際の把持準備動作の実行中および把持している対象物を解放する把持解除動作の実行中のうちの少なくともいずれかで実行する点を特徴とする。
このようにすると、可動部の基準位置を検出するキャリブレーションの実行中、対象物の把持を行なう際の把持準備動作の実行中および把持している対象物を解放する把持解除動作の実行中のうちの少なくともいずれかの実行中に故障判定処理が実行されるので、故障診断を実行するための時間を別途必要とせず、また、ユーザーが故障診断を実行するための作業を行なう必要がない。そのため、ユーザーの作業負担を増加させることなく、モータの故障診断を適切に実行することができる。
本実施の形態において、ECU100は、キャリブレーションの実行中に各第1モータ50および各第2モータ60の故障判定処理を実行する。
図2に、本実施の形態に係るロボットハンド1のECU100の機能ブロック図を示す。ECU100は、キャリブレーション開始判定部102と、駆動制御部104と、速度算出部106と、故障判定部108と、通知部110と、動作終了判定部112とを含む。なお、これらの構成は、プログラム等のソフトウェアにより実現されてもよいし、ハードウェアにより実現されてもよい。
キャリブレーション開始判定部102は、キャリブレーションが開始されるか否かを判定する。キャリブレーション開始判定部102は、ロボットハンド1の電源が投入された後であって、かつ、キャリブレーションが未実施の場合には、キャリブレーションが開始されると判定する。なお、キャリブレーション開始判定部102は、たとえば、キャリブレーションの動作が完了したときにオン状態にされ、電源遮断時あるいは次回の電源投入時にオフ状態にされるキャリブレーションの実施フラグの状態に基づいてキャリブレーションが未実施であるか否かを判定する。
駆動制御部104は、キャリブレーション開始判定部102によってキャリブレーションが開始されると判定される場合には、各第1モータ50および各第2モータ60のキャリブレーション動作を開始する。
以下に、第1モータ50のキャリブレーション動作について説明する。第1モータ50によって回動される指先部21は、図示しない第1ストッパおよび第2ストッパ(いわゆる「当て止め」)によって回動範囲が規制される。すなわち、指先部21の回動可能範囲は、第1ストッパと第2ストッパとの間の範囲に物理的に制限される。そのため、第1モータ50の回転可能範囲も、指先部21が第1ストッパで制限される位置に対応する第1モータ50の回転位置(第1規制位置)と指先部21が第2ストッパで制限される位置に対応する第1モータ50の回転位置(第2規制位置)との間の範囲に物理的に制限される。
ECU100は、指部20を用いて、対象物を把持する動作または把持している対象物を解放する動作を行なう際に第1モータ50を駆動する場合には、第1規制位置と第2規制位置との間に設けられる第1制御位置と第2制御位置との間で第1モータ50を制御する。
キャリブレーション動作においては、ECU100は、第1エンコーダ40からの信号を検出して、指先部21を第1制御位置と第2制御位置との間の予め定められた基準位置に位置させるように第1モータ50を制御する。
キャリブレーション動作が開始されると、第1モータ50は、予め定められた方向、たとえば、第1規制値の側に回転される。第1エンコーダ40が、たとえば、第1規制位置の近傍に設定された原点信号を検出すると、ECU100は第1モータ50の回転を停止し、その後、第1モータ50を所定角度だけ逆方向に回転して停止するように制御する。この一連の動作により、キャリブレーション動作が完了し、指先部21が基準位置に位置することとなる。なお、キャリブレーション動作については、上述のような動作に限定されるものではなく、たとえば、第1規制位置の近傍に設定された原点信号を検出する代わりに、第1規制位置または第2規制位置を検出して第1モータ50を逆回転するように制御してもよい。
第2モータ60のキャリブレーション動作については、回動対象が指先部21に代えて指元部23である点以外については、第1モータ50のキャリブレーション動作と同様であるため、その詳細な説明は繰り返さない。
駆動制御部104は、キャリブレーション開始判定部102によってキャリブレーションが開始されると判定される場合には、各第1モータ50および各第2モータ60を予め定められた方向への回転させることによってキャリブレーション動作を開始する。このとき、駆動制御部104は、第1モータ50および第2モータ60に対して回転速度が故障判定速度V(0)以上の回転速度V(1)となるように予め定められた制御指令値を各第1モータ50および各第2モータ60に出力する。この制御指令値は、たとえば、電圧、周波数あるいは位相差等のモータを駆動させるためのパラメータを固定した値である。故障判定速度V(0)は、回転速度V(1)を要求値としてモータを制御した場合に、正常である(故障していない)と判定するための回転速度領域の下限値である。
速度算出部106は、駆動制御部104によってキャリブレーション動作が開始されると、第1エンコーダ40および第2エンコーダ42の検出結果に基づいて、各第1モータ50および各第2モータ60の回転速度を算出する。速度算出部106は、予め定められた期間の回転量に基づいて回転速度を算出するようにしてもよいし、あるいは、複数の期間の各々の回転速度を算出し、平均回転速度を算出するようにしてもよい。
故障判定部108は、速度算出部106の算出結果に基づいて各第1モータ50および各第2モータ60が故障しているか否かを判定する。具体的には、故障判定部108は、各第1モータ50および各第2モータ60の回転速度がいずれも故障判定速度V(0)以上である場合には、各第1モータ50および各第2モータ60がいずれも故障していないと判定する。一方、故障判定部108は、各第1モータ50および各第2モータ60のうちの少なくともいずれかのモータの回転速度が故障判定速度V(0)よりも低い場合には、当該モータが故障していると判定する。
通知部110は、故障判定部108によって各第1モータ50および各第2モータ60のうちの少なくともいずれかのモータが故障していると判定された場合には、ロボットハンド1に故障が発生した旨を表示装置200を用いて通知する故障通知処理を実行する。
動作終了判定部112は、キャリブレーション動作が終了したか否かを判定する。具体的には、故障判定部108によって各第1モータ50および各第2モータのいずれも故障していないと判定され、かつ、各第1モータ50および各第2モータのいずれも基準位置に対応する回転位置で停止された場合に、キャリブレーション動作が終了したと判定する。なお、動作終了判定部112は、キャリブレーション動作が終了したと判定された場合にキャリブレーションの実施フラグをオン状態にしてもよい。
図3を参照して、本実施の形態に係るロボットハンド1のECU100で実行される制御処理について説明する。
ステップ(以下、ステップをSと記載する)100にて、ECU100は、キャリブレーションが開始されるか否かを判定する。キャリブレーションが開始されると判定される場合(S100にてYES)、処理はS102に移される。もしそうでない場合(S100にてNO)、この処理は終了する。
S102にて、ECU100は、全モータに対してキャリブレーション動作を行なうための駆動制御を実行する。S104にて、ECU100は、各モータの回転速度を算出する。
S106にて、ECU100は、算出された回転速度に基づいて全モータのうち故障しているモータがあるか否かを判定する。すなわち、ECU100は、全モータのうち回転速度が故障判定速度V(0)よりも低くなるモータがあるか否かを判定する。全モータのうち故障しているモータがあると判定される場合(S106にてYES)、処理はS108に移される。もしそうでない場合(S106にてNO)、処理はS110に移される。
S108にて、ECU100は、表示装置200を用いてロボットハンド1に故障が発生している旨を通知する故障通知処理を実行する。
S110にて、ECU100は、キャリブレーション動作が終了したか否かを判定する。ECU100は、全モータにおいて基準位置に対応する回転位置で停止されている場合には、キャリブレーション動作が終了したと判定する。キャリブレーション動作が終了したと判定される場合(S110にてYES)、この処理は終了する。もしそうでない場合(S110にてNO)、処理はS104に移される。
以上のような構造およびフローチャートに基づく本実施の形態に係るロボットハンド1のECU100の動作について説明する。
たとえば、ロボットハンド1の電源が投入された場合を想定する。電源投入後にキャリブレーション動作が未実施である場合には、キャリブレーション動作が開始されると判定される(S100にてYES)。そのため、全モータに対してキャリブレーション動作が行なわれるように駆動制御が実行される(S102)。このとき、全モータに対して予め定められた制御指令値に基づく駆動制御が実行される。
各モータの回転速度が算出され(S104)、算出された回転速度がいずれのモータにおいても故障判定速度V(0)以上であることにより故障したと判定されるモータがない場合には(S106にてNO)、キャリブレーションの動作が終了するまで(S110にてNO)、各モータの回転速度の算出(S104)と、故障判定が実施される(S106)。そして、故障したモータがなければ(S106にてNO)、キャリブレーション動作は終了する(S110にてYES)。
一方、たとえば、図4に示すように、あるモータにおいて、駆動時間がN(0)である場合には、回転速度が故障判定速度V(0)以上となり故障していないと判定されたものの、駆動時間がN(1)(>N(0))である場合に、回転速度が故障判定速度V(0)よりも低くなると、当該モータが故障したと判定される(S106にてYES)。そのため、ロボットハンド1に故障が発生した旨を通知する故障通知処理が実行される(S108)。
以上のようにして、本実施の形態に係るロボットハンド1によると、キャリブレーションの実行中に故障判定処理が実行されるので、故障診断を実行するための時間を別途必要とせず、また、ユーザーが故障診断を実行するための作業を行なう必要がない。したがって、ユーザーの作業負担を増加させることなく、可動部を回動させるモータの故障診断を適切に実行するロボットハンドを提供することができる。
また、キャリブレーション動作のように全モータに対して駆動制御を実行する場合に劣化判定処理が実行されるため、ユーザーの作業負担を増加させることなく、すべてのモータに対して故障診断を実行することができる。
本実施の形態においては、キャリブレーション動作中において、モータの回転速度が故障判定速度V(0)よりも低い場合に、当該モータが故障していると判定するものとして説明したが、たとえば、前回のキャリブレーション動作時のモータの回転速度と今回のキャリブレーション動作時のモータの回転速度と差から回転速度が故障判定速度V(0)よりも低くなる駆動時間を予測し、予測された駆動時間よりも予め定められた時間だけ前の駆動時間の時点でモータが故障する可能性がある旨を通知するようにしてもよい。このようにすると、ユーザーがモータの故障を予測することができる。
<第2の実施の形態>
以下、第2の実施の形態に係るロボットハンドについて説明する。本実施の形態に係るロボットハンド1は、上述の第1の実施の形態に係るロボットハンド1の構成と比較して、ECU100の動作が異なる。それ以外の構成については、上述の第1の実施の形態に係るロボットハンド1の構成と同じ構成である。それらについては同じ参照符号が付してある。それらの機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
以下、第2の実施の形態に係るロボットハンドについて説明する。本実施の形態に係るロボットハンド1は、上述の第1の実施の形態に係るロボットハンド1の構成と比較して、ECU100の動作が異なる。それ以外の構成については、上述の第1の実施の形態に係るロボットハンド1の構成と同じ構成である。それらについては同じ参照符号が付してある。それらの機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
図5に示すように、ECU100は、各指部20を用いて対象物12を把持する場合には、たとえば、各指先部21および各指元部23を図5の実線に示す初期位置から図5の破線に示す把持準備位置に移動するように各第1モータ50および各第2モータ60を制御する(把持準備動作)。なお、把持準備位置は、各指部20が対象物12を把持する把持位置(対象物12に接触する位置)よりも少し手前の位置である。把持準備位置は、各第1モータ50の回転位置と各第2モータの回転位置とがそれぞれ予め定められた位置となることによって特定される。また、初期位置は、キャリブレーションによって検出される基準位置である。その後、ECU100は、各指先部21を把持位置に移動するように各第1モータ50を制御する(把持動作)。ECU100は、各指部20により把持している対象物12を解放する場合には、各指先部21を把持位置から把持準備位置または初期位置に移動するように各第1モータ50を制御する(把持解除動作)。
本実施の形態においては、ECU100が、上述の把持準備動作の実行中に故障判定処理を実行する点を特徴とする。
図6を参照して、本実施の形態に係るロボットハンド1のECU100で実行される制御処理について説明する。
S200にて、ECU100は、対象物12を把持する駆動指令があるか否かを判定する。ECU100は、たとえば、対象物12を把持するための動作モードが選択された場合に、対象物12を把持する駆動指令があると判定してもよいし、あるいは、ECU100は、ユーザーが操作部材を操作するなどして、ユーザーから対象物12を把持する要求を受けた場合に、対象物12を把持する駆動指令があると判定してもよい。対象物12を把持する駆動指令があると判定される場合(S200にてYES)、処理はS202に移される。もしそうでない場合(S200にてNO)、処理はこの処理は終了する。
S202にて、ECU100は、各指先部21および各指元部23を初期位置から把持準備位置に移動させるための駆動制御を実行する。なお、把持準備位置は、図5に示す位置に限定されるものではなく、動作モードの種類等に基づいて複数の把持準備位置から選択されるようにしてもよい。
ECU100は、たとえば、図5の実線に示す初期位置から図5の破線に示す把持準備位置に各指先部21および各指元部23を移動させるために、各第1モータ50または各第2モータ60を制御する。
S204は、ECU100は、駆動中のモータの回転速度を算出する。ECU100は、たとえば、第1エンコーダ40による検出結果と、第2エンコーダ42による検出結果とのうちの駆動中のモータに対応する検出結果に基づいて回転速度を算出する。
S206にて、ECU100は、算出された回転速度に基づいて駆動対象となったモータのうち故障しているモータがあるか否かを判定する。すなわち、ECU100は、駆動対象となったモータのうち回転速度が故障判定速度V(0)よりも低いモータがあるか否かを判定する。駆動対象となったモータのうち故障しているモータがあると判定される場合(S206にてYES)、処理はS208に移される。もしそうでない場合(S206にてNO)、処理はS210に移される。
S208にて、ECU100は、ロボットハンド1に故障が発生している旨を通知する故障通知処理を実行する。S210にて、ECU100は、各指先部21および各指元部23を把持準備位置まで移動させる動作が終了したか否かを判定する。ECU100は、第1エンコーダ40および第2エンコーダ42の検出結果に基づいて各指先部21および各指元部23の位置が把持準備位置である場合に、各指先部21および各指元部23を把持準備位置まで移動させる動作が終了したと判定する。各指先部21および各指元部23を把持準備位置まで移動させる動作が終了したと判定される場合(S210にてYES)、この処理は終了する。もしそうでない場合(S210にてNO)、処理はS204に移される。
以上のような構造およびフローチャートに基づく本実施の形態に係るロボットハンド1のECU100の動作について説明する。
たとえば、ロボットハンド1の各指部20を用いて対象物12を把持する駆動指令がある場合(S200にてYES)、各指先部21および各指元部23の位置が図5の実線に示す初期位置から図5の破線に示す把持準備位置になるように各第1モータ50および各第2モータ60の駆動制御が実行される(S202)。各指先部21および各指元部23が把持準備位置まで移動するまでに、駆動中のモータの回転速度が算出され(S204)、算出された回転速度がいずれの駆動中のモータにおいても故障判定速度V(0)以上であることにより、故障したと判定されるモータがない場合には(S206にてNO)、把持準備位置までの動作が終了するまで(S210にてNO)、駆動中のモータの回転速度の算出(S204)と、駆動対象となったモータの故障判定が実施される(S206)。そして、故障したと判定されるモータがないまま(S206にてNO)、各指先部21および各指元部23が把持準備位置まで移動した場合に把持準備位置まで移動させる動作が終了する(S210にてYES)。
一方、あるモータにおいて、回転速度が故障判定速度V(0)よりも低い場合に、当該モータが故障したと判定される(S206にてYES)。そのため、ロボットハンド1に故障が発生した旨を通知する故障通知処理が実行される(S208)。
以上のようにして、本実施の形態に係るロボットハンド1によると、各指先部21および各指元部23を初期位置から把持準備位置に移動させる把持準備動作の実行中に、故障判定処理が実行されるので、故障診断を実行するための時間を別途必要とせず、また、ユーザーが故障診断を実行するための作業を行なう必要がない。したがって、ユーザーの作業負担を増加させることなく、可動部を回動させるモータの故障診断を適切に実行することができる。
なお、本実施の形態においては、各指先部21および各指元部23を初期位置から把持準備位置に移動させる把持準備動作の実行中に故障判定処理を実行するものとして説明したが、たとえば、把持準備動作の実行中に代えてまたは加えて、各指先部21を把持準備位置から把持位置に移動させる把持動作の実行中に故障判定を実行してもよい。
このようにすると、各指先部21を把持準備位置から把持位置に移動させる把持動作の実行中に、故障判定処理が実行されるので、故障診断を実行するための時間を別途必要とせず、また、ユーザーが故障診断を実行するための作業を行なう必要がない。そのため、ユーザーの作業負担を増加させることなく、モータの故障診断を適切に実行することができる。
なお、把持準備位置から把持位置まで移動させる把持動作の実行中に、たとえば、フィードバック制御によって、回転速度を目標値に維持し、回転速度が急激に減少したことによって把持位置まで移動したことを検出するような制御が実行される場合には、たとえば、把持準備位置から把持位置まで移動を開始した初期期間において、予め定められた制御指令値としたフィードフォワード制御を実施し、初期期間経過後に、フィードバック制御を実施してもよい。
なお、本実施の形態においては、各指先部21および各指元部23を把持準備位置に移動させる把持準備動作の実行中に故障判定処理を実行するものとして説明したが、たとえば、把持準備動作の実行中に代えてまたは加えて、各指部を用いて把持している対象物を解放する場合に、各指先部21を対象物12から離隔した位置に移動させる把持解除動作の実行中に、各指先部21を回動させる各第1モータ50に対して故障判定処理を実行してもよい。なお、対象物12から離隔した位置とは、たとえば、把持準備位置であってもよいし、初期位置であってもよい。
このようにすると、各指先部21を対象物12から離隔した位置に移動させる把持解除動作の実行中に、故障判定処理が実行されるので、故障診断を実行するための時間を別途必要とせず、また、ユーザーが故障診断を実行するための作業を行なう必要がない。そのため、ユーザーの作業負担を増加させることなく、モータの故障診断を適切に実行することができる。
なお、本実施の形態においては、各指先部21および各指元部23を把持準備位置に移動させる把持準備動作の実行中に故障判定処理を実行するものとして説明したが、把持準備動作の実行中に加えて、上述の第1の実施の形態において説明したようにキャリブレーションの実行中に故障判定処理を実行してもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 ロボットハンド、10 ハンド部、12 対象物、20 指部、21 指先部、22 第1関節部、23 指元部、24 第2関節部、30 ベース部、40 第1エンコーダ、42 第2エンコーダ、50 第1モータ、60 第2モータ、100 ECU、102 キャリブレーション開始判定部、104 駆動制御部、106 速度算出部、108 故障判定部、110 通知部、112 動作終了判定部、200 表示装置。
Claims (4)
- 回動可能な可動部を有する指部を複数備えるロボットハンドであって、
前記可動部を回動させるための回転軸を有するモータと、
前記モータの前記回転軸の回転量を検出するエンコーダと、
前記エンコーダの出力に基づいて前記モータを制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、前記モータに対して予め設定された制御指令値を入力して駆動させるとともに前記モータの回転速度を検出し、前記モータの回転速度が故障判定速度よりも低い場合に前記モータが故障していると判定する故障判定処理を、前記可動部の基準位置を検出するキャリブレーションの実行中、対象物の把持を行なう際の把持準備動作の実行中および把持している対象物を解放する把持解除動作の実行中のうちの少なくともいずれかで実行する、ロボットハンド。 - 複数の前記指部には、それぞれ、前記可動部が複数個設けられ、
前記モータと前記エンコーダとは、複数の前記可動部の各々に設けられ、
前記制御装置は、前記ロボットハンドの電源が投入されると、複数の前記可動部に対する前記キャリブレーションを実行するとともに複数の前記モータの各々に対して前記故障判定処理を実行する、請求項1に記載のロボットハンド。 - 複数の前記指部には、それぞれ、前記可動部が複数個設けられ、
前記モータと前記エンコーダとは、複数の前記可動部の各々に設けられ、
前記制御装置は、複数の前記指部を用いて前記対象物を把持する場合に、複数の前記指部における前記可動部の各々を、前記基準位置から前記対象物を把持するための把持準備位置に移動させる前記把持準備動作を実行するとともに、前記可動部を回動させる前記モータに対して前記故障判定処理を実行する、請求項1または2に記載のロボットハンド。 - 複数の前記指部には、それぞれ、前記可動部が複数個設けられ、
前記モータと前記エンコーダとは、複数の前記可動部の各々に設けられ、
前記制御装置は、複数の前記指部により把持されている前記対象物を解放する場合に、複数の前記指部における前記可動部の各々を前記対象物に接触する位置から離隔した位置に移動させる前記把持解除動作を実行するとともに、前記可動部を回動させる前記モータに対して前記故障判定処理を実行する、請求項1〜3のいずれかに記載のロボットハンド。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2014173039A JP2016047567A (ja) | 2014-08-27 | 2014-08-27 | ロボットハンド |
Applications Claiming Priority (1)
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Publication Number | Publication Date |
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-
2014
- 2014-08-27 JP JP2014173039A patent/JP2016047567A/ja active Pending
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