JP2016046344A - 積層セラミック電子部品の製造方法およびプレス装置 - Google Patents

積層セラミック電子部品の製造方法およびプレス装置 Download PDF

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好春 久保田
Yoshiharu Kubota
好春 久保田
貴俊 末藤
Takatoshi Suefuji
貴俊 末藤
坤先 曹
Kunxian Cao
坤先 曹
大介 福井
Daisuke Fukui
大介 福井
橋本 憲
Ken Hashimoto
憲 橋本
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Abstract

【課題】セラミック積層体をプレスする際に、セラミック積層体の変形や、内部の導体膜の位置ずれを抑制、防止しつつプレスすることが可能で、効率よく積層セラミック電子部品を製造することが可能な積層セラミック電子部品の製造方法および、それに用いるのに適したプレス装置を提供する。【解決手段】第1成形型10と、第2成形型20のそれぞれを、平坦領域11,21と、その表面から突出し、平板領域上を直線的に延びる複数の凸条12,22とを備えた構成とし、かつ、第1成形型の複数の凸条のうちの一対の凸条12a,12b、および、第2成形型の複数の凸条のうちの一対の凸条22a,22bを、それぞれ互いに平行に形成し、第1成形型の一対の凸条と、第2成形型の一対の凸条とが、セラミック積層体を介して互いに対向するように、第1成形型と第2成形型とを組み合わせてプレスを行う。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、複数のセラミック層が積層され、かつ、セラミック層間に導体膜が配設された構造を有するセラミック積層体をプレスする工程を経て製造される積層セラミック電子部品の製造方法、および、セラミック積層体をプレスするために用いられるプレス装置に関する。
例えば、代表的な積層セラミック電子部品の1つである積層セラミックコンデンサは、複数の内部電極がセラミック層を介して積層された構造を有しており、一般的には、
(a)内部電極パターンが形成されたセラミックグリーンシートを積層する方法や、セラミックペーストを印刷し、乾燥した後に、内部電極ペーストを印刷する工程を繰り返す方法などにより形成した未焼成のセラミック積層体をプレスして、圧着体を形成する工程、
(b)圧縮成形された未焼成セラミック積層体をカットして、個々の未焼成素子に分割する工程、
(c)分割された個々の未焼成素子を焼成する工程、
(d)外部電極を形成する工程
などを経て製造されている。
そして、上述のセラミック積層体をプレスするにあたっては、通常、剛体プレスまたは静水圧プレスの方法が適用される。
そして、剛体プレスは、例えば、セラミック積層体を金型アセンブリ内に装填した状態で、金型アセンブリを介してセラミック積層体をプレスすることにより行われる。
上述のようなプレス方法に用いられる金型アセンブリとしては、セラミック積層体の一方主面に接する上成形型と、上成形型およびセラミック積層体1の周囲を取り囲む枠体および上成形型と対向しながらセラミック積層体の他方主面に接する下成形型とを備えるものが用いられることが多い。
ところで、セラミック積層体の内部には、内部電極となるべき導体膜が形成されている。これら導体膜は、セラミック積層体を構成する複数の特定のセラミックグリーンシート上の、主面の中央部に分布するように形成されており、例えば、積層セラミックコンデンサの製造に用いられるセラミック積層体の場合には、導体膜が、厚み方向に重なり合うように配設されている。
上述した金型アセンブリを用いたセラミック積層体のプレス工程において、セラミック積層体に含まれるセラミックは流動する。
そして、このセラミックの流動に伴って、導体膜はセラミック積層体の面方向に位置ずれを生じる。特に、セラミック積層体の周縁部に近い領域では、このような導体膜の位置ずれの程度が大きくなる傾向にある。
上述のような導体膜の位置ずれは、セラミック積層体をカットして、個々の積層チップに分割し、これを焼成する工程を経て製造される積層セラミック電子部品の特性の劣化やばらつきを生じさせる。
また、セラミック積層体をカットして、複数の積層チップに分割する際に、複数の積層セラミック電子部品のための積層チップを取り出すようにセラミック積層体をカットして、個々の積層チップに分割したときに、不所望な面に導体膜が露出してしまう場合があり、そのような不具合は、得られる積層セラミック電子部品のショート不良などの致命的欠陥に通じるものである。
このようなセラミック積層体をプレスする際における、セラミック積層体内部の導体膜の位置ずれを抑制する方法に関連すると考えられる加圧装置(プレス装置)が特許文献1に開示されている。
また、特許文献1には、配置プレートに配置された積層シートの加圧時の移動を阻止するために、矩形の枠状を示し、上方から積層シートの縁部へ切り込んで積層シートを固定する切入刃を用いた加圧装置が記載されている(段落0004参照)。
この加圧装置においては、上金型の下動によって、図10に示すように、切入刃4の、内側面2と傾斜した外側面3とから形成される刃先が、金型本体5上に設けられた配置プレート6に配置された積層シート7の縁部7aへ切り込み、その後、積層シート7が加圧される。そして、加圧後には切り込み溝に沿って縁部7aを切断することによって、一体化された積層シート7を得ることができるとされている。
しかしながら、上述のような加圧装置および方法をもってしても、積層シート7が内部に導体膜を備えたものである場合における導体膜の位置ずれを必ずしも十分に抑制することはできず、導体膜の位置ずれをさらに確実に抑制しつつ、セラミック積層体をプレスすることが可能なプレス装置が求められているのが実情である。
特開2004−291554号公報
本発明は、上記課題を解決するものであり、複数のセラミック層が積層され、かつ、セラミック層間に導体膜が配設された構造を有するセラミック積層体をプレスする際に、セラミック積層体の変形や、内部の導体膜の位置ずれを抑制、防止しつつプレスすることが可能で、効率よく積層セラミック電子部品を製造することが可能な積層セラミック電子部品の製造方法および、それに用いるのに適したプレス装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明にかかる第1の積層セラミック電子部品の製造方法は、
複数のセラミック層が積層され、かつ、セラミック層間に導体膜が配設された構造を有するセラミック積層体を形成する積層体形成工程と、
前記セラミック積層体を、その一方主面側から第1成形型、他方主面側から第2成形型で挟み込み、前記セラミック積層体を積層方向にプレスするプレス工程とを備え、
前記第1成形型と、前記第2成形型のそれぞれは、平坦領域と、前記平坦領域の表面から突出し、平板領域上を直線的に延びる複数の凸条とを備えているとともに、前記第1成形型の前記複数の凸条のうちの一対の凸条、および、前記第2成形型の前記複数の凸条のうちの一対の凸条は、それぞれ互いに平行に形成されており、かつ、
前記第1成形型の前記一対の凸条と、前記第2成形型の前記一対の凸条とが、前記セラミック積層体を介して互いに対向するような態様で、前記第1成形型と前記第2成形型とを組み合わせて前記プレス工程を実施すること
を特徴としている。
また、本発明にかかる第2の積層セラミック電子部品の製造方法は、
複数のセラミック層が積層され、かつ、セラミック層間に導体膜が配設された構造を有するセラミック積層体を形成する積層体形成工程と、
前記セラミック積層体を、その一方主面側から第1成形型、他方主面側から第2成形型で挟み込み、前記セラミック積層体を積層方向にプレスするプレス工程とを備え、
前記第1成形型は、平坦領域と、前記平坦領域の表面から突出し、平板領域上を直線的に延びる複数の凸条とを備えているとともに、前記第1成形型の前記複数の凸条のうちの一対の凸条は、それぞれ互いに平行に形成されており、かつ、
で前記第1成形型と、前記第2成形型とが、前記セラミック積層体を介して互いに対向するような態様で、前記第1成形型と、前記第2成形型を組み合わせて前記プレス工程を実施すること
を特徴としている。
本発明の積層セラミック電子部品の製造方法においては、前記平坦領域と、前記セラミック積層体との間に、弾性シートを介在させた状態で前記プレス工程を実施することが好ましい。
平坦領域とセラミック積層体との間に弾性シートを介在させることにより、セラミック積層体にかかる圧力の偏りを低減して、セラミック積層体の望ましくない変形を抑制することが可能になる。
また、導体膜の存在しない部分や重なり枚数の少ない領域と重なり枚数が多い領域との間に生じる段差部や凹凸部も確実に押圧することができるため、セラミック積層体の層間の密着力を向上させ、剥がれ不良やボイドの発生を抑制することができる。
また、本発明にかかる第1の積層セラミック電子部品の製造方法においては、前記第1成形型および前記第2成形型のそれぞれが備える前記凸条の一部は、平面的にみて閉ループを形成するように配設されており、前記閉ループを形成する前記凸条は、前記第1成形型および前記第2成形型の外周縁から所定距離だけ後退した位置に配設されていることが好ましい。
上記構成とすることにより、セラミック積層体の外縁部近傍を、閉ループを形成する凸条により加圧して、セラミック積層体の変形や、内部の導体膜の位置ずれを防止しつつ、安定したプレスを行うことが可能になる。すなわち、閉ループを形成する凸条により、セラミック積層体の外周近傍が押圧されることで、セラミック積層体の外周近傍領域が拘束を受け、プレス時のセラミック積層体の変形が効率よく抑制されるとともに、プレスの前後工程を含めたプロセス中の熱変形に関しても、それが効率よく抑制されることになる。
また、閉ループを形成する凸条が、第1成形型および第2成形型の外周縁から所定距離だけ後退した(内側に入った)位置に配設されていることから、次のような効果を得ることができる。
セラミック積層体に歪みが発生する要因には、プレス時のセラミック積層体の広がり、熱膨張、収縮などがある。そして、上記の広がりや膨張に関しては、例えばセラミック積層体の周縁部を取り囲むように枠体を設けることにより、抑制することができるが、セラミック積層体の収縮による変形には対応することができない。これに対し、閉ループを形成する凸条を、第1成形型および第2成形型の外周縁から所定距離だけ後退した(内側に入った)位置に配設して、セラミック積層体の外周より少し内側を押圧することにより、広がりと収縮の両方に対応することが可能になり、本発明をより実効あらしめることができる。
また、本発明にかかる第2の積層セラミック電子部品の製造方法においては、前記第1成形型が備える前記凸条の一部は、平面的にみて閉ループを形成するように配設されており、前記閉ループを形成する前記凸条は、前記第1成形型の外周縁から所定距離だけ後退した位置に配設されていることが好ましい。
上記構成とした場合も、セラミック積層体の外縁部近傍を、閉ループを形成する凸条により押圧して、セラミック積層体の変形を防止しつつ、安定したプレスを行うことが可能になる。
また、本発明の第1および第2の積層セラミック電子部品の製造方法においては、前記複数の凸条のうち、一部の凸条は、他の凸条と交差するように配設されていることが好ましい。
複数の凸条のうち、一部の凸条が、他の凸条と交差するように配設されている場合、プレス工程におけるセラミック積層体の保持能力を向上させることが可能になり、本発明をより実効あらしめることができる。
すなわち、凸条を他の凸条と交差するように配設することにより、例えば、分割後に、個々の積層チップとなる複数の領域の周囲を凸条により押圧することが可能になり、個々の積層チップの形状精度を向上させることが可能になるとともに、個々の積層チップにおける導体膜の周縁部を押圧して、層間の密着力を向上させ、剥がれ、ボイドなどの構造欠陥を抑制することができる。
また、前記セラミック積層体は、異なるセラミック層間に配設された導体膜が平面的にみて重なる重畳領域を複数有しており、前記プレス工程において、前記凸条が、前記重畳領域に隣り合う領域を押圧するように構成されていることが好ましい。
セラミック積層体は、通常、導体膜の重畳領域を複数有しているが、その場合において、凸条が重畳領域に隣り合う領域を押圧するように構成することより、導体膜の位置ずれを防止しつつ、安定したプレスを行うことが可能になる。
また、本発明の第1のプレス装置は、
複数のセラミック層が積層され、かつ、セラミック層間に導体膜が配設された構造を有するセラミック積層体をプレスするためのプレス装置であって、
前記セラミック積層体を、その一方主面側から前記セラミック積層体の積層方向にプレスするための第1成形型、および、他方主面側から前記セラミック積層体の積層方向にプレスするための第2成形型とを備え、
前記第1成形型、および、前記第2成形型は、平坦領域と、前記平坦領域の表面から突出し、平板領域上を直線的に延びる複数の凸条とを備えているとともに、前記第1成形型の前記複数の凸条のうちの一対の凸条、および、前記第2成形型の前記複数の凸条のうちの一対の凸条は、それぞれ互いに平行に形成され、かつ、
前記第1成形型と前記第2成形型とは、前記第1成形型の前記一対の凸条と、前記第2成形型の前記一対の凸条とが、前記セラミック積層体を介して互いに対向するような態様で組み合わせて用いられるように構成されていること
を特徴としている。
また、本発明の第2のプレス装置は、
複数のセラミック層が積層され、かつ、セラミック層間に導体膜が配設された構造を有するセラミック積層体をプレスするためのプレス装置であって、
前記セラミック積層体を、その一方主面側から前記セラミック積層体の積層方向にプレスするための第1成形型、および、他方主面側から前記セラミック積層体の積層方向にプレスするための第2成形型とを備え、
前記第1成形型は、平坦領域と、前記平坦領域の表面から突出し、平板領域上を直線的に延びる複数の凸条とを備えているとともに、前記第1成形型の前記複数の凸条のうちの一対の凸条は、それぞれ互いに平行に形成され、かつ、
前記第1成形型と、前記第2成形型とが、前記セラミック積層体を介して互いに対向するような態様で組み合わせて用いられるように構成されていること
が好ましい。
また、本発明のプレス装置においては、前記平坦領域には、前記セラミック積層体との間に介在するように、弾性シートが配設されていることが好ましい。
平坦領域とセラミック積層体との間に弾性シートを介在させることにより、セラミック積層体にかかる圧力の偏りを低減して、セラミック積層体の望ましくない変形を抑制することが可能なプレス装置を提供することができるようになる。
また、導体膜の存在しない部分や重なり枚数の少ない領域と重なり枚数が多い領域との間に生じる段差部や凹凸部も確実に押圧することができるため、セラミック積層体の層間の密着力を向上させ、剥がれ不良やボイドの発生を抑制することができる。
また、本発明の第1のプレス装置においては、前記第1成形型および前記第2成形型のそれぞれが備える前記凸条の一部は、平面的にみて閉ループを形成するように配設されており、前記閉ループを形成する前記凸条は、前記第1成形型および前記第2成形型の外周縁から所定距離だけ後退した位置に配設されていることが好ましい。
上記構成とすることにより、セラミック積層体の外縁部近傍を、閉ループを形成する凸条により加圧して、セラミック積層体の変形を防止しつつ、安定したプレスを行うことが可能なプレス装置を提供することができるようになる。
また、本発明の第2のプレス装置においては、
前記第1成形型が備える前記凸条の一部は、平面的にみて閉ループを形成するように配設されており、前記閉ループを形成する前記凸条は、前記第1成形型の外周縁から所定距離だけ後退した位置に配設されていることが好ましい。
上記構成とすることにより、セラミック積層体の外縁部近傍を、閉ループを形成する凸条により加圧して、セラミック積層体の変形を防止しつつ、安定したプレスを行うことが可能なプレス装置を提供することできるようになる。
また、本発明の第1および第2のプレス装置においては、前記複数の凸条のうち、一部の凸条は、他の凸条と交差するように配設されていることが好ましい。
複数の凸条のうち、一部の凸条が、他の凸条と交差するように配設されている場合、プレス工程におけるセラミック積層体の保持能力を向上させることが可能になり、本発明をより実効あらしめることができる。
凸条を他の凸条と交差するように配設することにより、例えば、分割後に、個々の積層チップとなる複数の領域の周囲を凸条により押圧することが可能になり、個々の積層チップの形状精度を向上させることが可能になるとともに、個々の積層チップにおける導体膜の周縁部を押圧して、層間の密着力を向上させ、剥がれ、ボイドなどの構造欠陥を抑制することができる。
本発明の積層セラミック電子部品の製造方法は、セラミック層間に導体膜が配設された構造を有するセラミック積層体を、第1成形型と第2成形型とで挟み込み、積層方向にプレスする工程を経て積層セラミック電子部品を製造するにあたって、第1成形型と、第2成形型のそれぞれを、平坦領域と、その表面から突出し、平板領域上を直線的に延びる複数の凸条とを備えた構成とし、かつ、第1成形型の複数の凸条のうちの一対の凸条、および、第2成形型の複数の凸条のうちの一対の凸条を、それぞれ互いに平行に形成し、第1成形型の一対の凸条と、第2成形型の一対の凸条とが、セラミック積層体を介して互いに対向するように、第1成形型と第2成形型とを組み合わせてプレスを行うようにしているので、セラミック積層体の変形や、内部の導体膜の位置ずれを防止しつつ、安定したプレスを行って、形状精度や導体膜の位置精度の高いセラミック積層体を形成することができる。
すなわち、平行な一対の凸条により、例えば、セラミック積層体の外周近傍が押圧されることで、セラミック積層体の2辺の外周近傍領域が拘束を受け、プレス時のセラミック積層体の変形や、内部の導体膜の位置ずれが効率よく抑制されるとともに、プレスの前後工程を含めたプロセス中の熱変形についても、効率よく抑制されることになる。例えば、セラミック積層体を加熱する前の段階で、凸条部をセラミック積層体に食い込ませることで、加熱時のセラミック積層体の変形を抑制し、歪みを抑えることができる。
そして、上記セラミック積層体をカットして個々の積層チップに分割した後、焼成、外部電極の形成などを行うことにより、内部導体の位置精度が高く、信頼性の高い積層セラミック電子部品を効率よく製造することが可能になる。
また、本発明にかかる第2の積層セラミック電子部品の製造方法では、第1成形型のみを、平板領域上を直線的に延びる複数の凸条とを備えた構成とし、かつ、複数の凸条のうちの一対の凸条を、それぞれ互いに平行に形成するようにしている。このように構成した場合も、セラミック積層体の変形や、内部の導体膜の位置ずれを防止しつつ、安定したプレスを行って、形状精度や導体膜の位置精度の高いセラミック積層体を形成することが可能になる。その結果、信頼性の高い積層セラミック電子部品を効率よく製造することが可能になる。
また、本発明の第1のプレス装置は、第1成形型および第2成形型を備え、この第1成形型と第2成形型は、平坦領域とその表面から突出し、平板領域上を直線的に延びる複数の凸条とを備えているとともに、前記第1成形型の前記複数の凸条のうちの一対の凸条、および、前記第2成形型の前記複数の凸条のうちの一対の凸条は、それぞれ互いに平行に形成され、かつ、第1成形型と第2成形型とは、第1成形型の一対の凸条と、第2成形型の一対の凸条とが、セラミック積層体を介して互いに対向するような態様で組み合わせて用いられるように構成されており、このプレス装置を用いることにより、セラミック積層体の変形や、内部の導体膜の位置ずれを防止しつつ、安定したプレスを行って、形状精度や導体膜の位置精度の高いセラミック積層体を形成することが可能になる。
そして、形成されたセラミック積層体をカットして個々の積層チップに分割した後、焼成、外部電極の形成などを行うことにより、信頼性の高い積層セラミック電子部品を効率よく製造することが可能になる。
また、本発明の第2のプレス装置では、第1成形型のみが、平坦領域と、その表面から突出し、平板領域上を直線的に延びる複数の凸条とを備え、かつ、複数の凸条のうちの一対の凸条が、それぞれ互いに平行に形成された構成とされている。このように構成された本発明の第2のプレス装置を用いた場合にも、セラミック積層体の変形や、内部の導体膜の位置ずれを防止しつつ、安定したプレスを行って、形状精度や導体膜の位置精度の高いセラミック積層体を形成することができる。その結果、信頼性の高い積層セラミック電子部品を効率よく製造することが可能になる。
本発明の一実施形態(実施形態1)にかかるプレス装置の構成を示す斜視図である。 本発明の一実施形態(実施形態1)にかかるプレス装置の構成を示す正面断面図である。 本発明の積層セラミック電子部品の製造方法により製造される積層セラミックコンデンサを示す正面断面図である。 本発明を説明するために用いる概念である、長さ方向(L方向)と幅方向(W方向)を説明するための図である。 本発明の要件を備えた実施形態1のプレス装置を用いて行ったプレス試験の結果を示す図であり、(a)は長さ方向(L方向)の位置ずれ量を示す図、(b)は幅方向(W方向)の位置ずれ量を示す図である。 本発明の要件を備えていない比較用のプレス装置を用いて行ったプレス試験の結果を示す図であり、(a)は長さ方向(L方向)の位置ずれ量を示す図、(b)は幅方向(W方向)の位置ずれ量を示す図である。 本発明の他の実施形態(実施形態2)にかかるプレス装置の要部構成を示す斜視図である。 実施形態2のプレス装置を構成する成形型の、高さの高い凸条と高さの低い凸条のそれぞれが押圧する、セラミック積層体の領域を説明する図である。 本発明の要件を備えた実施形態2のプレス装置を用いて行ったプレス試験の結果を示す図であり、(a)は長さ方向(L方向)の位置ずれ量を示す図、(b)は幅方向(W方向)の位置ずれ量を示す図である。 従来の加圧装置の要部構成を示す図である。
以下に本発明の実施形態を示して、本発明の特徴とするところをさらに詳しく説明する。
[実施形態1]
図1は本発明の一実施形態(実施形態1)にかかるプレス装置の構成を模式的に示す斜視図、図2は正面断面図である。
この実施形態1のプレス装置(図1)は、図2に示すように、複数のセラミック層51が積層され、かつ、セラミック層51間に導体膜52が配設された構造を有するセラミック積層体50をプレスするために用いられるプレス装置である。
また、このセラミック積層体50は、カットして個々の積層チップに分割した後、焼成、外部電極の形成などの工程を経て、図3に示すような積層セラミックコンデンサ60を製造するために用いられるものである。なお、図3に示す積層セラミックコンデンサ60は、複数の内部電極61(61a,61b)がセラミック層62を介して積層された構造を有する、焼結済みの積層セラミック素子(セラミックコンデンサ素子)63の両端面65(65a,65b)に、内部電極61(61a,61b)と導通する外部電極64(64a,64b)が配設された構造を有するチップ型の積層セラミックコンデンサである。
このような積層セラミックコンデンサの製造に用いられるプレス装置は、図1および2に示すように、セラミック積層体50を、その一方主面50a側からセラミック積層体50の積層方向にプレスするための第1成形型10、および、他方主面50b側からセラミック積層体50の積層方向にプレスするための第2成形型20とを備えている。
なお、第1および第2成形型の構成材料としては、ステンレス鋼や、炭素鋼など、種々の材料を用いることができる。
そして、第1成形型10は、平坦領域11と、平坦領域11の表面から突出し、平板領域11上を直線的に延びる凸条12とを備えている。そして、第1成形型10の複数の凸条12のうちの一対の凸条12(12a,12b)は互いに平行に形成され、また、他の一対の凸条12(12c,12d)は、一対の凸条12(12a,12b)と直交する方向に互いに平行に形成されており、各凸条12(12a,12b,12c,12d)は、長方形状の閉ループを形成している。
また、第2成形型20も、平坦領域21と、平坦領域21の表面から突出し、平板領域21上を直線的に延びる凸条22とを備えている。そして、第2成形型20の複数の凸条22のうちの一対の凸条22(22a,22b)は互いに平行に形成され、また、他の一対の凸条22(22c,22d)は、一対の凸条22(22a,22b)と直交する方向に互いに平行に形成されており、各凸条22(22a,22b,22c,22d)は、長方形状の閉ループを形成している。
なお、第1成形型10の各凸条12(12a,12b,12c,12d)により囲まれた領域の内側の領域(内側領域)11aは、その高さが各凸条12(12a,12b,12c,12d)により囲まれた領域の外側の領域(外側領域)11bよりも低くなるように形成されている。
また、第2成形型20の各凸条22(22a,22b,22c,22d)により囲まれた領域の内側の領域(内側領域)21aも、その高さが各凸条22(22a,22b,22c,22d)により囲まれた領域の外側の領域(外側領域)21bより低くなるように形成されている。
なお、第1成形型10および第2成形型の内側領域11a,21aよりも外側領域11b,21bの方が低い場合、第1成形型10と第2成形型20でセラミック積層体50を挟み込んでプレスした場合に、第1および第2成形型10,20の内側領域11a,21aに対応するセラミック積層体50の領域(積層体内側領域)150aの方が、第1および第2成形型10,20の内側領域11a,21aに、後述するような弾性シート15,25が配設されている分だけ、強く押圧され、第1成形型10と第2成形型20の外側領域11b,21bに対応する領域(積層体外側領域)150bよりも厚くなり、この厚みの厚い積層体外側領域150bが破損して成形屑となり、後工程で悪影響を及ぼす場合がある。そのため、この実施形態では、上述のように第1成形型10と第2成形型20の外側領域11b,21bの高さを内側領域11a,21aよりも高くし、積層体外側領域150bと積層体内側領域150aの厚みがほぼ同じか、積層体外側領域150bの方が薄くになるようにして、上述の成形屑の発生が抑制されるようにしている。
また、第1成形型10および第2成形型20の凸条12,22の形状について、第1成形型10および第2成形型20の内側領域の表面からの高さの合計がセラミック積層体50の厚みの0.1倍〜0.8倍で、凸条12,22の頂部の幅が50μm〜200μmの範囲とすることが好ましい。また、第1成形型10の内側領域の表面からの凸条12の高さと第2成形型20の内側領域の表面からの凸条22の高さが同じである場合、それぞれの高さは、セラミック積層体50の厚みの0.05倍〜0.4倍の範囲とすることが好ましい。
セラミック積層体50の厚みに対し、凸条12,22の高さの合計が上記の範囲(0.1倍〜0.8倍)を下回るとセラミック積層体50の拘束力が弱くなり、セラミック積層体50の変形が生じ好ましくない。また、凸条12,22の高さが上記の範囲(0.1倍〜0.8倍)を超えると、セラミック積層体50の周辺部が破損分離してセラミック積層体50を拘束する力が弱くなり、セラミック積層体50の変形が生じる。
また、第1成形型10の、閉ループを形成している各凸条12(12a,12b,12c,12d)は、外周縁から所定距離だけ後退した位置に配設されており、セラミック積層体50の外周縁から所定距離だけ後退した位置(外周縁より内側の位置)を押圧するように構成されている。
また、第2成形型20の、閉ループを形成している各凸条22(22a,22b,22c,22d)も、外周縁から所定距離だけ後退した位置に配設されており、セラミック積層体50の外周縁から所定距離だけ後退した位置(外周縁より内側の位置)を押圧するように構成されている。
また、第1成形型10の、平坦領域11のうち、閉ループを形成している各凸条12に囲まれた領域とセラミック積層体50との間には弾性シート15が配設されている。
また、第2成形型20の、平坦領域21のうち、閉ループを形成している各凸条22に囲まれた領域とセラミック積層体50との間にも、同様に弾性シート25が配設されている。
ただし、凸条12,22の、セラミック積層体50と当接する押圧面は、弾性シートに覆われておらず、弾性シートから露出している。これにより、凸条12,22で、セラミック積層体50が確実に押圧され、プレス時の流動を効果的に抑制して、セラミック積層体50の変形や、内部の導体膜の位置ずれが抑制されることになる。
弾性シート15,25としては、例えば、樹脂やゴムなどの材料からなるものを用いることができる。
そして、上述のように構成された第1成形型10と第2成形型20とは、第1成形型10の閉ループを形成する凸条12と、第2成形型の閉ループを形成する凸条22とが、セラミック積層体50を介して互いに対向(正対)するような態様で組み合わせて用いられるように構成されている。
次に、上述のように構成されたプレス装置を用いてセラミック積層体をプレスする工程を経て、積層セラミック電子部品(積層セラミックコンデンサ)を製造する方法について説明する。
(1)まず、誘電体セラミック粉末、バインダおよび溶剤を含むスラリーを、シート状に成形して、誘電体層となるセラミックグリーンシートを作製する。
(2)次に、作製したセラミックグリーンシートの表面に、導電性ペーストを印刷することにより、製造される積層セラミックコンデンサの内部電極となる導体膜を形成する。
(3)それから、上述のようにして導体膜を形成したセラミックグリーンシートおよび導体膜を形成していないセラミックグリーンシート(外層用のセラミックグリーンシート)を所定の順序で積み重ね、図2に示すように、複数のセラミック層(セラミックグリーンシート層)51が積層され、かつ、セラミック層51間に導体膜52が配設された構造を有するセラミック積層体50を作製する。
(4)次に、上述のプレス装置を用いて、セラミック積層体50を、積層方向にプレスし、各セラミックグリーンシート51を確実に接合させるとともに、セラミック積層体の密度を高める。
そして、セラミック積層体50をプレスするにあたっては、図1および図2に示すように、セラミック積層体50を第1成形型10および第2成形型20の間に配置する。
そして、セラミック積層体50一方主面50a側から第1成形型10を、他方主面50b側から第2成形型20を押圧して、セラミック積層体50をプレスし、セラミック積層体50の全体をプレスするとともに、第1成形型10の凸条12および第2成形型20の凸条22を、セラミック積層体50の一方主面50a,他方主面50bに食い込ませる。このときの、凸条12,22の食い込み深さは、50〜200μm程度であることが望ましい。
(5)それから、プレス後のセラミック積層体50を柔軟性を有する袋(静水圧用の袋)に収容し、真空パックする。
(6)次に、静水圧プレス装置を用いて、袋に収容したセラミック積層体を、所定の条件で静水圧プレスする。
なお、上記(4)の本発明のプレス装置を用いたプレスを、上記(5)の真空パック処理を行ってから実施することも可能である。
(7)その後、静水圧プレスが行われたセラミック積層体50を、所定の大きさにカットし、個々の積層セラミックコンデンサ60における積層セラミック素子(セラミックコンデンサ素子)63(図3)となる個々の積層体チップに分割する。
(8)それから、個々の積層体チップの焼成、外部電極の形成などを行う。これにより、図3に示すような積層セラミック電子部品(積層セラミックコンデンサ)60が得られる。
<確認試験>
上述の本発明の実施形態1にかかるプレス方法でプレスした場合の効果を確認するため、プレス後のセラミック積層体の内部の導体膜の位置を、X線を利用し
た装置(SFX)を用いて調べた。
(1)セラミック積層体および積層チップの条件
(a)セラミック積層体の厚み:1.0mm
(b)カットして得られる積層チップの寸法:
長さ(L):1.8mm、幅(W):1.0mm、厚み(T):1.0mm
(2)プレス装置およびプレス工程の条件
(a)内側領域の表面からの凸条の高さ:300μm
(b)凸条のセラミック積層体50と当接する押圧面の幅:100μm
(3)弾性シート
第1成形型および第2成形型の平坦領域に配設される弾性シートとして、厚みが200μmのラバーシートを使用した(ただし、下地シートとして、厚み100μmのPETフィルムを含む)。
(4)比較例
また、比較のため、第1成形型および第2成形型として、凸条を備えていない成形型であって、弾性シートとして、厚みが200μmのラバーシート(下地シートとして、厚み100μmのPETフィルムを含む)を備えた成形型を用いて、同じ条件でセラミック積層体のプレスを行った。
なお、この実施形態1では、図5(a),(b)に示すように、格子状の5×5点(合計25点)の導体膜について、その重心52aの位置データを採取した。
そして、長さ方向(L方向)の(各列の)一方の端部の導体膜の重心と他方の端部の導体膜の重心とを結んだ線L1と、幅方向(W方向)の(各行の)一方の端部の導体膜の重心52aと、他方の導体膜の重心52aとを結んだ線L2を想定し、上記25点のうち、端部の導体膜を除いた残りの導体膜の重心52aの位置と、上述の線L1およびL2との間の距離を調べてグラフ化した。
なお、長さ方向(L方向)とは、製品である積層セラミックコンデンサの要部分解斜視図を示す図4におけるL方向(内部電極61(61a,61b)の引き出し方向)を示す概念であり、幅方向とは、図4におけるW方向(内部電極6112および凸条22がの幅の方向であって、上記L方向に直交する方向)を示す概念である。
また、図6(a),(b)は、本発明の要件を備えていない、上述の比較用のプレス装置を用いて行ったプレス試験の結果を示す図である。
上述の本発明の要件を備えていないプレス装置を用いて行った比較例のプレス方法では、図6(a),(b)に示すように、
(a)L方向について、最大34μm、平均19μmの位置ずれが生じることが確認され、
(b)W方向について、最大54μm、平均18μmの位置ずれが生じることが確認された。
これに対し、本発明の要件を備えたプレス装置を用いてプレスを行った場合、図5(a),(b)に示すように、
(a)L方向についての位置ずれは、最大15μm、平均5μmに抑制されることが確認され、また、
(b)W方向についての位置ずれは、最大24μm、平均5μmに抑制されることが確認された。
また、第1および第2成形型の、閉ループを形成する凸条の内側領域に弾性シート(ラバーシート)を配設し、この弾性シートを介して両面側からセラミック積層体をプレスすることにより、セラミック積層体の導体膜の積層数が多い領域と、存在しないか積層数の少ない領域との間の凹凸(段差部)に均一に押圧力をかけることが可能になり、層間の剥がれなどの構造欠陥も抑制されることが確認された。
なお、凸条の設けられていない従来の成型用型の場合、成型用型とセラミック積層体の間に弾性シート(例えばラバーシート)を介在させると、ラバーシートが流動するため、セラミック積層体も平面方向に変形する。そこで、セラミック積層体の側面側から内側に向かって押圧する力を加えない場合、セラミック積層体の平面寸法は大きくなり、また、側面から内側に向かって大きな押圧力をかけた場合、セラミック積層体の平面寸法は小さくなり、いずれの場合も、セラミック積層体の変形を引き起こす。
そのため、従来は、枠体を用い、セラミック積層体が外に広がらないような工夫をしていたが、枠体とセラミック積層体の隙間をなくすことは加工上困難であり、その隙間分だけは面方向に広がる変形を許容せざるを得ないという問題点がある。また、枠体を設ける方法では、枠体によって規定される範囲を超えてセラミック積層体が面方向に広がることは抑制できるが、面方向に収縮する変形には対応できないという問題点がある。
これに対し、本発明によれば、凸条を設け、セラミック積層体の外縁から少し内側に入った領域を凸条により押圧するようにしているので、セラミック積層体の面方向に広がろうとする変形と、面方向に収縮しようとする変形の両方を抑制することが可能になるとともに、凸条の内側領域に弾性シートを配設するようにしているので、導体膜が存在せず、セラミックグリーンシートどうしが接する導体膜の周囲領域(ギャップ部)などを確実に押圧して、層間の剥がれなどを抑制することが可能な、信頼性の高いプレスを行うことができるようになり有意義である。
また、本実施形態において、凸条の長手方向に直交する方向の断面形状は矩形状であるが、成形型の内側領域の表面から凸条の頂部に向かって、弧を描くような形状とすることがより好ましい。そのようにした場合、セラミック積層体50の周辺部が破損分離しにくくなる。
[実施形態2]
図7は本発明の他の実施形態(実施形態2)にかかるプレス装置の第1成形型の構成を示す斜視図である。
なお、図7において、図1および2と同一符号を付した部分は同一または相当する部分を示す。
実施形態2のプレス装置は、図7に示すような第1成形型と、特に図示しない第2成形型を備えている。
そして、この実施形態2のプレス装置を構成する第1成形型10は、図7に示すように、閉ループを形成する凸条12(12a,12b,12c,12d)に囲まれた内側領域11aに、凸条12a,12bと同じ高さを有し、凸条12a,12bと平行に所定の間隔をおいて配設された複数の内側領域第1凸条13と、内側領域11aに、凸条12a,12b、および13より低く、凸条12c,12dと同じ高さを有し、凸条12c,12dと平行に所定の間隔をおいて配設された複数の内側領域第2凸条14とを備えている。
なお、この実施形態2のプレス装置においては、閉ループの一部を形成する凸条12a,12bを、上述の凸条13と同じ種類の凸条とみなし、また、閉ループの他の一部を形成する凸条12c,12dを、上述の凸条14と同じ種類の凸条と見なすことも可能である。
なお、この実施形態2において、
(a)上述の凸条12a,12b、および内側領域第1凸条13(高さの高い凸条)は、セラミック積層体の内部において導体膜が形成されていない領域(例えば、図8において内部電極61(61a,61b)となる導体膜のW方向の両側のギャップ部Gとなる領域)をL方向に沿って押圧する凸条として機能し、
(b)凸条12c,12d、および内側領域第2凸条14(高さの低い凸条)は、セラミック積層体の内部において導体膜が形成されている領域(例えば、図8において内部電極61(61a,61b)となる導体膜52が形成されている領域であって符号Hで表される領域(すなわち、内部電極61(61a,61b)の引き出し部となる領域))をW方向に沿って押圧する凸条として機能するように構成されている。
また、この実施形態2のプレス装置においては、特に図示しないが第2成形型も図7に示す第1成形型と同じ構造を備えている。
また、この実施形態2のプレス装置を構成する第1成形型および第2成形型は、上述のような、内側領域第1凸条(図7では符号13)および内側領域第2凸条(図7では符号14)を備えていることから、実施形態1のプレス装置を構成する第1成形型および第2成形型が備えているような弾性シートは備えていない。
この実施形態2のプレス装置のその他の構成は、上記実施形態1のプレス装置の構成と同様である。
上述のように、閉ループを形成する凸条12に囲まれた内側領域にも上述のような内側領域第1凸条(図7では符号13)および内側領域第2凸条(図7では符号14)を備えることにより、セラミック積層体の全領域に存在する、図8に示す内部電極61(61a,61b)となる導体膜のW方向の両側のギャップ部Gとなる領域に相当する領域を、上述の各凸条(図7では符号12,13,14)により確実にプレスすることが可能になり、ギャップ部におけるセラミックグリーンシートどうしの密着力を向上させ、剥がれやボイドなどの構造欠陥の発生を抑制することができる。
また、セラミック積層体の内部において導体膜が形成されている領域であって、内部電極の引き出し部となる領域も、上述の高さの低い内側領域第2凸条(図7では符号14)でプレスされるため、内部電極が引き出される端面における層間剥離などを確実に抑制することができる。
<確認試験>
この実施形態2にかかるプレス方法でプレスした場合の効果を確認するため、プレス後のセラミック積層体の内部の導体膜の位置を、X線を用いた装置(SFX)を使用して調べた。導体膜の位置を調べる方法は、実施形態1の場合と同様とした。
(1)セラミック積層体および積層チップの条件
(a)セラミック積層体の厚み:1.0mm
(b)カットして得られる積層チップの寸法:
長さ(L):1.8mm、幅(W):1.0mm、厚み(T):1.0mm
(2)プレス装置およびプレス工程の条件
(a)内側領域の表面からの凸条の高さ
上述の内側領域第1凸条13の高さ:200μm
上述の内側領域第2凸条14の高さ:200μm
(b)各凸条のセラミック積層体50と当接する押圧面の幅:100μm
(3)弾性シート
実施形態2のプレス装置においては、弾性シートを使用せず(下地シートも使用せず)。
(4)比較例
上記実施形態1の場合と同様に、第1成形型および第2成形型として、凸条を備えていない成形型であって、弾性シートとして、厚みが200μmのラバーシート(下地シートとして、厚み100μmのPETフィルムを含む)を備えたものを用いて、同じ条件でセラミック積層体のプレスを行った。
上述の本発明の要件を備えていないプレス装置を用いて行った比較例のプレス方法では、実施形態1で説明したように、
(a)L方向について、最大34μm、平均19μmの位置ずれが生じ、
(b)W方向について、最大54μm、平均18μmの位置ずれが生じることが確認された。
これに対し、実施形態2にかかる、本発明の要件を備えたプレス装置を用いてプレスを行った場合、図9(a),(b)に示すように、
(a)L方向についての位置ずれは、最大19μm、平均6μmに抑制され、また、
(b)W方向についての位置ずれは、最大17μm、平均7μmに抑制されることが確認された。
また、ギャップ部におけるセラミックグリーンシートどうしの密着力を向上させることができるため、剥がれやボイドなどの構造欠陥の発生を抑制することが可能で、信頼性の高い積層セラミックコンデンサを得ることができる。
なお、上記実施形態1および2では、第1成形型および第2成形型として、のいずれもが凸条を備えた同じ構成(面対称となる構成)を有するものを用いた場合について説明したが、第1成形型および第2成形型の一方が凸条を備えていない構成とすることも可能であり、その場合にも基本的には、上記実施形態1および2の場合と同様の作用効果を得ることができる。
また、上記実施形態1,2では、積層セラミックコンデンサを製造する場合を例にとって説明したが、本発明は、インダクタ、圧電部品、サーミスタ、バリスタなどの種々の積層セラミック電子部品を製造する場合に適用することが可能である。
なお、本発明は、さらにその他の点においても、上記実施形態に限定されるものではなく、発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
10 第1成形型
11 第1成形型の平坦領域
11a 第1成形型の内側領域
11b 第1成形型の外側領域
12 第1成形型の凸条
12a,12b 第1成形型の互いに平行な一対の凸条
12c,12d 第1成形型の互いに平行な他の一対の凸条
13 内側領域第1凸条
14 内側領域第2凸条
15,25 弾性シート
20 第2成形型
21 第2成形型の平坦領域
21a 第2成形型の内側領域
21b 第2成形型の外側領域
22 第2成形型の凸条
22a,22b 第2成形型の互いに平行な一対の凸条
22c,22d 第2成形型の互いに平行な他の一対の凸条
50 セラミック積層体
50a セラミック積層体の一方主面
50b セラミック積層体の他方主面
51 セラミック層
52 導体膜
52a 導体膜の重心
60 積層セラミックコンデンサ
61(61a,61b) 内部電極
62 セラミック層
63 積層セラミック素子(セラミックコンデンサ素子)
65(65a,65b) セラミックコンデンサ素子の一対の端面
64(64a,64b) 外部電極
150a 積層体内側領域
150b 積層体外側領域
G ギャップ部
H 内部電極の引き出し部となる領域
L1 長さ方向一方の端部の導体膜の重心と他方の端部の導体膜の重心とを結んだ線
L2 幅方向の一方の端部の導体膜の重心と他方の導体膜の重心とを結んだ線

Claims (13)

  1. 複数のセラミック層が積層され、かつ、セラミック層間に導体膜が配設された構造を有するセラミック積層体を形成する積層体形成工程と、
    前記セラミック積層体を、その一方主面側から第1成形型、他方主面側から第2成形型で挟み込み、前記セラミック積層体を積層方向にプレスするプレス工程とを備え、
    前記第1成形型と、前記第2成形型のそれぞれは、平坦領域と、前記平坦領域の表面から突出し、平板領域上を直線的に延びる複数の凸条とを備えているとともに、前記第1成形型の前記複数の凸条のうちの一対の凸条、および、前記第2成形型の前記複数の凸条のうちの一対の凸条は、それぞれ互いに平行に形成されており、かつ、
    前記第1成形型の前記一対の凸条と、前記第2成形型の前記一対の凸条とが、前記セラミック積層体を介して互いに対向するような態様で、前記第1成形型と前記第2成形型とを組み合わせて前記プレス工程を実施すること
    を特徴とする積層セラミック電子部品の製造方法。
  2. 複数のセラミック層が積層され、かつ、セラミック層間に導体膜が配設された構造を有するセラミック積層体を形成する積層体形成工程と、
    前記セラミック積層体を、その一方主面側から第1成形型、他方主面側から第2成形型で挟み込み、前記セラミック積層体を積層方向にプレスするプレス工程とを備え、
    前記第1成形型は、平坦領域と、前記平坦領域の表面から突出し、平板領域上を直線的に延びる複数の凸条とを備えているとともに、前記第1成形型の前記複数の凸条のうちの一対の凸条は、それぞれ互いに平行に形成されており、かつ、
    前記第1成形型と、前記第2成形型とが、前記セラミック積層体を介して互いに対向するような態様で、前記第1成形型と、前記第2成形型を組み合わせて前記プレス工程を実施すること
    を特徴とする積層セラミック電子部品の製造方法。
  3. 前記平坦領域と、前記セラミック積層体との間に、弾性シートを介在させた状態で前記プレス工程を実施することを特徴とする請求項1または2記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  4. 前記第1成形型および前記第2成形型のそれぞれが備える前記凸条の一部は、平面的にみて閉ループを形成するように配設されており、
    前記閉ループを形成する前記凸条は、前記第1成形型および前記第2成形型の外周縁から所定距離だけ後退した位置に配設されていること
    を特徴とする請求項1または3記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  5. 前記第1成形型が備える前記凸条の一部は、平面的にみて閉ループを形成するように配設されており、
    前記閉ループを形成する前記凸条は、前記第1成形型の外周縁から所定距離だけ後退した位置に配設されていること
    を特徴とする請求項2または3記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  6. 前記複数の凸条のうち、一部の凸条は、他の凸条と交差するように配設されていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  7. 前記セラミック積層体は、異なるセラミック層間に配設された導体膜が平面的にみて重なる重畳領域を複数有しており、
    前記プレス工程において、前記凸条が、前記重畳領域に隣り合う領域を押圧するように構成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  8. 複数のセラミック層が積層され、かつ、セラミック層間に導体膜が配設された構造を有するセラミック積層体をプレスするためのプレス装置であって、
    前記セラミック積層体を、その一方主面側から前記セラミック積層体の積層方向にプレスするための第1成形型、および、他方主面側から前記セラミック積層体の積層方向にプレスするための第2成形型とを備え、
    前記第1成形型、および、前記第2成形型は、平坦領域と、前記平坦領域の表面から突出し、平板領域上を直線的に延びる複数の凸条とを備えているとともに、前記第1成形型の前記複数の凸条のうちの一対の凸条、および、前記第2成形型の前記複数の凸条のうちの一対の凸条は、それぞれ互いに平行に形成され、かつ、
    前記第1成形型と前記第2成形型とは、前記第1成形型の前記一対の凸条と、前記第2成形型の前記一対の凸条とが、前記セラミック積層体を介して互いに対向するような態様で組み合わせて用いられるように構成されていること
    を特徴とするプレス装置。
  9. 複数のセラミック層が積層され、かつ、セラミック層間に導体膜が配設された構造を有するセラミック積層体をプレスするためのプレス装置であって、
    前記セラミック積層体を、その一方主面側から前記セラミック積層体の積層方向にプレスするための第1成形型、および、他方主面側から前記セラミック積層体の積層方向にプレスするための第2成形型とを備え、
    前記第1成形型は、平坦領域と、前記平坦領域の表面から突出し、平板領域上を直線的に延びる複数の凸条とを備えているとともに、前記第1成形型の前記複数の凸条のうちの一対の凸条は、それぞれ互いに平行に形成され、かつ、
    前記第1成形型と、前記第2成形型とが、前記セラミック積層体を介して互いに対向するような態様で組み合わせて用いられるように構成されていること
    を特徴とするプレス装置。
  10. 前記平坦領域には、前記セラミック積層体との間に介在するように、弾性シートが配設されていることを特徴とする請求項8または9記載のプレス装置。
  11. 前記第1成形型および前記第2成形型のそれぞれが備える前記凸条の一部は、平面的にみて閉ループを形成するように配設されており、
    前記閉ループを形成する前記凸条は、前記第1成形型および前記第2成形型の外周縁から所定距離だけ後退した位置に配設されていること
    を特徴とする請求項8または10記載のプレス装置。
  12. 前記第1成形型が備える前記凸条の一部は、平面的にみて閉ループを形成するように配設されており、
    前記閉ループを形成する前記凸条は、前記第1成形型の外周縁から所定距離だけ後退した位置に配設されていること
    を特徴とする請求項9または10記載のプレス装置。
  13. 前記複数の凸条のうち、一部の凸条は、他の凸条と交差するように配設されていることを特徴とする請求項8〜12のいずれかに記載のプレス装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2018173700A1 (ja) * 2017-03-24 2018-09-27 株式会社村田製作所 二次電池の製造方法および製造装置
WO2018173701A1 (ja) * 2017-03-21 2018-09-27 株式会社村田製作所 二次電池の製造方法および製造装置

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WO2018173701A1 (ja) * 2017-03-21 2018-09-27 株式会社村田製作所 二次電池の製造方法および製造装置
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