JP2016046299A - 半導体接続部封止用接着剤及びこれを用いた半導体装置、半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体接続部封止用接着剤及びこれを用いた半導体装置、半導体装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 放熱性や充填性に優れ、また、酸化物・不純物を解消し、耐リフロ性に優れた半導体接続部封止用接着剤を提供し、さらに、これを用いた半導体装置と、その製造方法を提供する。【解決手段】 半導体チップ及び配線回路基板のそれぞれの接続部が互いに電気的に接続された半導体装置、又は、複数の半導体チップのそれぞれの接続部が互いに電気的に接続された半導体装置において、前記接続部の封止に用いられる半導体接続部封止用接着剤であって、(a)エポキシ樹脂、(b)硬化剤、(c)重量平均分子量10000以上の高分子樹脂成分、(d)表面処理アルミナフィラ、を含有し、その硬化物の熱伝導率が0.5W/mK以上、260℃でのせん断接着力(5mm角)が2.5MPa以上、昇温速度10℃/min、測定範囲30〜180℃における最低溶融粘度が7000Pa・s以下、である半導体接続部封止用接着剤。【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体接続部封止用接着剤及び、これを用いた半導体装置の製造方法、それにより得られる半導体装置に関する。
これまで、半導体チップと基板を接続するには金ワイヤなどの金属細線を用いるワイヤーボンディング方式が広く適用されてきたが、半導体装置に対する高機能・高集積・高速化等の要求に対応するため、半導体チップ又は配線回路基板にバンプと呼ばれる導電性突起を形成して、半導体チップと配線回路基板間で直接接続するフリップチップ接続方式(FC接続方式)が広まっている。
フリップチップ接続方式としては、はんだ、スズ、金、銀、銅等を用いて金属接合させる方法、超音波振動を印加して金属接合させる方法、樹脂を介在させその収縮力によって機械的接触を保持する方法などが知られているが、接続部の信頼性の観点から、はんだ、スズ、金、銀、銅等を用いて金属接合させる方法が一般的である。
例えば、配線回路基板と半導体チップ間の接続においては、BGA(Ball Grid Array)、CSP(Chip Size Package)等に盛んに用いられているCOB(Chip On Board)型の接続方式もFC接続方式である。
CPU、MPU等に用いられるエリアアレイ型の半導体パッケージでは、高機能化が強く要求され、チップの大型化、ピン(バンプ、配線)数の増加、ピッチやギャップの高密度化が行われている。
また、FC接続方式は、半導体チップ上にバンプまたは配線を形成して、半導体チップ間で接続するCOC(Chip On Chip)型接続方式にも広く用いられている。
さらなる小型化、薄型化、高機能化が強く要求されパッケージでは、上述した接続方式を積層・多段化したチップスタック型パッケージやPOP(Package On Package)、TSV(Through-Silicon Via)等も広く普及し始めている(例えば特許文献1参照)。
平面状でなく立体状に配置することでパッケージを小さくできることから、上記の技術は多用され、半導体の性能向上及びノイズ低減、実装面積の削減、省電力化にも有効であり、次世代の半導体配線技術として注目されている。
上述したようにフリップチップパッケージでは高機能化、高集積化進んでいるが、高機能化、高集積化するにつれて、パッケージから熱が発生する。
熱が発生し、蓄積していくとパッケージの誤動作や劣化が加速されるため、半導体に用いる接着剤には放熱性が必要となる。
チップスタック型パッケージ等の立体的に配置されるパッケージでは、さらに高い放熱性が必要となる。
また、接続に関して、フリップチップパッケージの接続では、ある特定の粘度範囲でなければ、半導体用接着剤を介して接続することはできない。粘度が高いとバンプ間やバンプと配線回路基板間に半導体用接着剤が、充填されない部分が生じ接続不良が発生する。
さらに、上述したフリップパッケージの多くの接続部(バンプや配線)に用いられる主な金属としては、ハンダ、錫、金、銀、銅、ニッケル等があり、これらを含んだ導電材料も接続部(バンプや配線)に用いられる。特に、銅、スズ及び鉛は酸化物を生じやすい。銅等を用いた配線やバンプは酸化物を生じ易いため、OSP((Organic Solderability Preservative)処理等で知られる酸化防止膜でコーティングしてあり、この酸化防止膜によって、接続プロセス時のはんだ濡れ性の低下や、接続不良が生じる。
上述した酸化物や不純物(OSP等の良好な接続性を発現させるために除去したいもの)を除去しなければ、配線回路基板と半導体チップ間や半導体チップ間の接続性や信頼性を低下させることとあいまって、上述したパッケージや技術のメリットを低下させる。
酸化物や不純物を除去するために、フラックス剤と呼ばれる除去剤が用いられる。
また、これらの酸化物や不純物の除去方法はいくつかあるが、配線回路基板と半導体チップ間や、半導体チップ間の接続部を封止する半導体封止材料を用いて改善する方法(例えば、Pre-applied方式)は、接続前の配線回路基板や半導体チップの前処理をする方法(例えば、Capillary Flow方式)等に比べ、接続と同時に酸化物や不純物を除去でき、信頼性(前処理で生じる残存フラックスが信頼性を低下させる)、作業性、生産性を低下させないため効果的である(特許文献2〜5参照)。
特開2008−294382号公報 特開2001−223227号公報 特開2002−283098号公報 特開2005−272547号公報 特開2006−169407号公報
半導体封止材料にフラックス剤(カルボン酸)が含有されていれば、酸化物や不純物を除去する効果を付与できる。高機能化、高集積化、立体化が進むフリップチップパッケージでは放熱性が必要となっているが、一般的に使用されているフィラを含有させても放熱性が向上せず、また、放熱性の高い半導体接着剤では、充填性など接続可能となる条件や耐リフロ性を満足する条件が特定できていなかった。
本発明は、上述した課題を解決するためのものであり、放熱性や充填性に優れ、また、酸化物・不純物に対する課題を解決し、耐リフロ性に優れた半導体接続部封止用接着剤を提供し、さらにこれを用いた半導体装置と、その製造方法を提供するものである。
本発明は、上述した課題を解決するためのものであり、放熱性向上に起因するフィラの選定、また接続性向上に起因する粘度範囲、フラックス、さらに、耐リフロ性向上に起因する接着力範囲を見出した。
本発明は、以下の(1)〜(6)に関する。
(1) 半導体チップ及び配線回路基板のそれぞれの接続部が互いに電気的に接続された半導体装置、又は、複数の半導体チップのそれぞれの接続部が互いに電気的に接続された半導体装置において、前記接続部の封止に用いられる半導体接続部封止用接着剤であって、(a)エポキシ樹脂、(b)硬化剤、(c)重量平均分子量10000以上の高分子樹脂成分、(d)表面処理アルミナフィラ、を含有し、その硬化物の熱伝導率が0.5W/mK以上、260℃でのせん断接着力(5mm角)が2.5MPa以上、昇温速度10℃/min、測定範囲30〜180℃における最低溶融粘度が7000Pa・s以下である半導体接続部封止用接着剤。
(2) 前記半導体接続部封止用接着剤が、さらに(e)フラックス剤を含有する上記(1)に記載の半導体接続部封止用接着剤。
(3) 上記(1)又は(2)に記載の半導体接続部封止用接着剤が、フィルム状である半導体接続部封止用接着剤。
(4) (d)表面処理アルミナフィラの表面処理が、(メタ)アクリルシラン処理である上記(1)〜(3)のいずれか一項に記載の半導体接続部封止用接着剤。
(5) 半導体チップ及び配線回路基板のそれぞれの接続部が互いに電気的に接続された半導体装置、又は、複数の半導体チップのそれぞれの接続部が互いに電気的に接続された半導体装置の製造方法であって、前記接続部を、上記(1)〜(4)のいずれか一項に記載の半導体接続部封止用接着剤を用いて封止する工程を備える、半導体装置の製造方法。
(6) 上記(5)に記載の半導体装置の製造方法によって得られる、半導体装置。
本発明によれば、放熱性や充填性に優れ、配線やバンプなどの表面酸化物等を除去し、耐リフロ性、接着力、接続信頼性に優れた半導体接続部封止用接着剤を提供することができる。また、これを用いて、前記効果を有する半導体装置の製造方法及び半導体装置を提供することができる。
本発明の半導体装置の一実施形態を示す模式断面図である。 本発明の半導体装置の他の一実施形態を示す模式断面図である。 本発明の半導体装置の他の一実施形態を示す模式断面図である。 本発明の半導体装置の製造方法の一実施形態を模式的に示す工程断面図である。
本発明の半導体接続部封止用接着剤は、(a)成分のエポキシ樹脂、(b)成分の硬化剤、(c)成分の重量平均分子量10000以上の高分子樹脂成分及び(d)成分の表面処理アルミナフィラを含み、さらに必要により(e)成分のフラックス剤を含み構成される。そして、半導体接続部封止用接着剤は、その硬化物の熱伝導率が0.5W/mK以上、260℃でのせん断接着力(5mm角)が2.5MPa以上、昇温速度10℃/min、測定範囲30〜180℃における最低溶融粘度が7000Pa・s以下でなければならない。組成と物性の両者を満たすことにより、放熱性や充填性に優れ、また、接続部の金属酸化物の除去性、耐リフロ性に優れたものとなる。以下に、本発明で用いる、半導体接続部封止用接着剤の各成分について説明する。
<(a)エポキシ樹脂>
本発明で用いる(a)成分のエポキシ樹脂は、分子内に2個以上のエポキシ基を有するものであれば特に制限はなく、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ナフタレン型、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型、フェノールアラルキル型、ビフェニル型、トリフェニルメタン型、ジシクロペンタジエン型、各種多官能エポキシ樹脂等を使用することができる。これらは単独または2種以上の混合体として使用することができる。
エポキシ樹脂の配合量は、半導体接続部封止用接着剤の全体100質量部に対して、例えば10〜50質量部であると好ましい。
<(b)硬化剤>
本発明で用いる(b)成分の硬化剤は、主に(a)成分のエポキシ樹脂を硬化させるもので、例えば、フェノール樹脂系硬化剤、酸無水物系硬化剤、アミン系硬化剤、イミダゾール系硬化剤及びホスフィン系硬化剤が挙げられる。(b)成分がフェノール性水酸基、酸無水物、アミン類又はイミダゾール類を含むと、接続部に酸化膜が生じることを抑制するフラックス活性を示し、接続信頼性・絶縁信頼性を向上させることができる。以下、各硬化剤について説明する。
(b−i)フェノール樹脂系硬化剤
フェノール樹脂系硬化剤としては、分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有するものであれば特に制限はなく、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、クレゾールナフトールホルムアルデヒド重縮合物、トリフェニルメタン型多官能フェノール樹脂及び各種多官能フェノール樹脂を使用することができる。これらは単独で又は2種以上の混合物として使用することができる。
上記(a)成分のエポキシ樹脂に対するフェノール樹脂系硬化剤の当量比(フェノール性水酸基/エポキシ基、モル比)は、良好な硬化性、接着性及び保存安定性の観点から、フェノール性水酸基/エポキシ基=0.3〜1.5が好ましく、0.4〜1.0がより好ましく、0.5〜1.0が更に好ましい。当量比が0.3以上であると、硬化性が向上し接着力が向上する傾向があり、1.5以下であると未反応のフェノール性水酸基が過剰に残存することがなく、吸水率が低く抑えられ、絶縁信頼性が向上する傾向がある。
(b−ii)酸無水物系硬化剤
酸無水物系硬化剤としては、例えば、メチルシクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物及びエチレングリコールビスアンヒドロトリメリテートを使用することができる。これらは単独で又は2種以上の混合物として使用することができる。
上記(a)成分のエポキシ樹脂に対する酸無水物系硬化剤の当量比(酸無水物基/エポキシ基、モル比)は、良好な硬化性、接着性及び保存安定性の観点から、酸無水物基/エポキシ基=0.3〜1.5が好ましく、0.4〜1.0がより好ましく、0.5〜1.0が更に好ましい。当量比が0.3以上であると、硬化性が向上し接着力が向上する傾向があり、1.5以下であると未反応の酸無水物が過剰に残存することがなく、吸水率が低く抑えられ、絶縁信頼性が向上する傾向がある。
(b−iii)アミン系硬化剤
アミン系硬化剤としては、例えばジシアンジアミドを使用することができる。
上記(a)成分のエポキシ樹脂に対するアミン系硬化剤の当量比(アミン/エポキシ基、モル比)は、良好な硬化性、接着性及び保存安定性の観点からアミン/エポキシ基=0.3〜1.5が好ましく、0.4〜1.0がより好ましく、0.5〜1.0が更に好ましい。当量比が0.3以上であると、硬化性が向上し接着力が向上する傾向があり、1.5以下であると未反応のアミンが過剰に残存することがなく、絶縁信頼性が向上する傾向がある。
(b−iv)イミダゾール系硬化剤
イミダゾール系硬化剤としては、例えば、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノ−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾールトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2´−メチルイミダゾリル−(1´)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2´−ウンデシルイミダゾリル−(1´)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2´−エチル−4´−メチルイミダゾリル−(1´)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2´−メチルイミダゾリル−(1´)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加体、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加体、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、及び、エポキシ樹脂とイミダゾール類の付加体が挙げられる。これらの中でも、優れた硬化性、保存安定性及び接続信頼性の観点から、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノ−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾールトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2´−メチルイミダゾリル−(1´)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2´−エチル−4´−メチルイミダゾリル−(1´)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2´−メチルイミダゾリル−(1´)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加体、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加体、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール及び2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールが好ましい。これらは単独で又は2種以上を併用して用いることができる。また、これらをマイクロカプセル化した潜在性硬化剤としてもよい。
イミダゾール系硬化剤の含有量は、(a)成分のエポキシ樹脂100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましく、0.1〜10質量部がより好ましい。イミダゾール系硬化剤の含有量が0.1質量部以上であると硬化性が向上する傾向があり、20質量部以下であると金属接合が形成される前に接着剤組成物が硬化することがなく、接続不良が発生しにくい傾向がある。
(b−v)ホスフィン系硬化剤
ホスフィン系硬化剤としては、例えば、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラ(4−メチルフェニル)ボレート及びテトラフェニルホスホニウム(4−フルオロフェニル)ボレートが挙げられる。
ホスフィン系硬化剤の含有量は、(a)成分のエポキシ樹脂100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましく、0.1〜5質量部がより好ましい。ホスフィン系硬化剤の含有量が0.1質量部以上であると硬化性が向上する傾向があり、10質量部以下であると金属接合が形成される前に接着剤組成物が硬化することがなく、接続不良が発生しにくい傾向がある。
フェノール樹脂系硬化剤、酸無水物系硬化剤及びアミン系硬化剤は、それぞれ1種を単独で又は2種以上の混合物として使用することができる。イミダゾール系硬化剤及びホスフィン系硬化剤はそれぞれ単独で用いてもよいが、フェノール樹脂系硬化剤、酸無水物系硬化剤又はアミン系硬化剤と共に用いてもよい。
硬化性の観点から、フェノール樹脂系硬化剤とイミダゾール系硬化剤、酸無水物系硬化剤とイミダゾール系硬化剤、アミン系硬化剤とイミダゾール系硬化剤、イミダゾール系硬化剤単独が好ましい。短時間で接続すると生産性が向上することから、速硬化性に優れたイミダゾール系硬化剤単独がより好ましい。短時間で硬化すると低分子成分等の揮発分が抑制できることから、ボイド抑制も可能である。
<(c)重量平均分子量10000以上の高分子樹脂成分>
本発明で用いる(c)成分の重量平均分子量10000以上の高分子樹脂成分は、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカルボジイミド樹脂、シアネートエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ウレタン樹脂、アクリルゴム等が挙げられ、その中でも耐熱性およびフィルム形成性に優れるエポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、アクリルゴム、シアネートエステル樹脂、ポリカルボジイミド樹脂等が望ましく、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、アクリルゴムがより好ましい。これらの高分子樹脂成分は単独または2種以上の混合体や共重合体として使用することもできる。
(c)重量平均分子量10000以上の高分子樹脂成分と(a)成分のエポキシ樹脂の質量比は、特に制限されないが、フィルム状を保持するためには、(c)成分の重量平均分子量10000以上の高分子樹脂成分 1に対して、(a)成分のエポキシ樹脂が0.01〜5であることが好ましい。より好ましくは0.05〜4で、更に好ましくは0.1〜3である。0.01未満では硬化性が低下し、接着力が低下する恐れがあり、5を超えて大きいとフィルム形成性や膜形成性が低下する恐れがある。
(c)成分の重量平均分子量10000以上の高分子樹脂成分のガラス転移温度(Tg)は、接着剤組成物の配線回路基板や半導体チップへの貼付性に優れる観点から、120℃以下が好ましく、より好ましくは100℃以下、85℃以下が更に好ましい。Tgが120℃を超える場合には、半導体チップに形成されたバンプや、基板に形成された電極や配線パターン等の凹凸を接着剤組成物により埋め込むことができず(硬化反応が始まる恐れがある)、気泡が残存してボイドが発生しやすい傾向がある。なお、上記Tgとは、DSC(パーキンエルマー社製DSC−7型)を用いて、サンプル量10mg、昇温速度10℃/分、測定雰囲気:空気の条件で測定したときのTgである。また、Tgが室温(25℃)以下のものは、フィルム形成が良好でない。
(c)成分の重量平均分子量は、ポリスチレン換算で10000以上であるが、単独で良好なフィルム形成性を示すために、30000以上が好ましく、40000以上がより好ましく、50000以上が更に好ましい。重量平均分子量が10000未満である場合にはフィルム形成性が低下する傾向がある。なお、本明細書において、重量平均分子量とは、高速液体クロマトグラフィー(株式会社島津製作所製C−R4A)を用いて、ポリスチレン換算で測定したときの重量平均分子量を意味する。
<(d)表面処理アルミナフィラ>
表面処理アルミナフィラは、放熱性の向上、粘度や硬化物の物性制御、及び、半導体チップと配線回路基板とを接続した際のボイドの発生や吸湿率の抑制の効果がある。アルミナフィラの表面処理としては、グリシジル系(エポキシ系)、アミン系、フェニル系、フェニルアミノ系また、以下の一般式(1)の(メタ)アクリル系、以下の一般式(2)のビニル系が挙げられる。
Figure 2016046299
(一般式(1)中、Rは水素原子、メチル基又はエチル基を示し、Rは炭素数1〜30のアルキレン基を示す。)
が水素であるアクリル表面処理アルミナフィラ、メチル基であるメタクリル表面処理アルミナフィラ、エチル基であるエタクリル表面処理アルミナフィラ等が挙げられ、半導体接続部封止用接着剤に含まれる樹脂や半導体基板表面との反応性や結合形成の観点から、Rが嵩高くない、アクリル表面処理アルミナフィラ、メタクリル表面処理アルミナフィラが好ましい。
も特に制限はないが、分子量が高い方が揮発成分も少ないため好ましい。
Figure 2016046299
(一般式(2)中、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、メチル基又はエチル基を示し、Rは炭素数1〜30のアルキレン基を示す。)
例えば、R、R、Rが比較的嵩高くない置換機である方が、反応性が低下しないため、好ましい。ビニル基の反応性が向上する置換基が導入されてもよい。Rも特に制限はないが、分子量が高い方が揮発しにくいため、ボイドが低減できることから好ましい。また、R、R、R、R、共に表面処理の容易さで選定してもよい。
(メタ)アクリル系表面処理フィラ又はビニル系表面処理フィラを含有することにより、高温(例えば、200℃以上)で金属接合するフリップチップ接続方式において半導体接続部封止用接着剤として適用した場合であっても、高い耐リフロ性、接続信頼性及び絶縁信頼性を実現することができる。
接着剤組成物の耐リフロ性を向上させるためには、高温における、弾性率と吸湿後の接着力とを向上させることが必要である。フィラを含有させることにより、接着剤組成物の弾性率を向上させることが可能である。しかしながら、従来から用いられているフィラは、吸湿率及び熱膨張率の低下、高温弾性率の向上等により接続性・絶縁信頼性を向上させるためには効果的であるが、フィラ自体の接着性は通常乏しいものである。
ここで、シランカップリング剤等で表面処理をしていないフィラを、シランカップリング剤を配合した樹脂中に含有させると、フィラの表面がシランカップリング処理されてシランカップリング剤の置換基によって様々な表面状態のフィラを合成することができることが知られている。しかし、シランカップリング剤の揮発性は高く、高温接続を必要とする金属接合等の高温でのプロセスを有する半導体装置の製造工程ではボイドが発生する原因となる。同様に、従来から用いられているフィラを表面処理する場合、メタノール等の揮発性の高い有機物が発生する場合があり、ボイドが発生する原因となる。
一般に、配線回路基板上にはソルダーレジストと呼ばれる絶縁膜が形成されており、ソルダーレジストは(メタ)アクリル系材料を含んでいることが多い。本発明者らは、上記(メタ)アクリル系表面処理フィラを含有させることにより、接着剤組成物の高温における弾性率と吸湿後の接着力とを向上させ、耐リフロ性を実現できることを見出している。予め表面処理された(メタ)アクリル系表面処理フィラを用いることで、揮発性の高い物質の発生を抑制することができると共に、(メタ)アクリル系化合物はソルダーレジストとの接着性に優れるため基板との接続性を向上することができるものと、推測される。また、(メタ)アクリル系表面処理フィラは、接続部の絶縁信頼性を低下させ難く、接着剤組成物の硬化物の熱膨張率及び弾性率を低下させ難いため、接続信頼性を向上することができるものと、推測される。
上記一般式(1)で表される基を有する化合物は、下記一般式(3)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2016046299
一般式(3)中、Rは水素原子又はメチル基若しくはエチル基を示し、Rは炭素数1〜30のアルキレン基を示し、Rは炭素数1〜30のアルキル基を示す。
上記一般式(3)で表される化合物で表面処理されたフィラを含有することにより、耐リフロ性、接続信頼性及び絶縁信頼性を更に向上させることができる。Rの炭素数が増えるほど嵩高くなり、炭素数が2を超えると反応性が低下する傾向がある。Rは炭素数1〜30のアルキレン基を示し、炭素数1〜15のアルキレン基であることが好ましい。Rの炭素数が30を超えると、フィラを表面処理しにくくなる傾向がある。
上記一般式(2)で示したビニル系表面処理剤を用いて予め表面処理されたビニル系表面処理フィラを用いることで、揮発性の高い物質の発生を抑制することができる。これに加えて、フィラ表面のビニル基が他の構成成分と反応して強固な硬化物を形成することにより、硬化物の熱膨張率を低減でき、高い接続信頼性を示す。また、ビニル系表面処理フィラは、接続部の絶縁信頼性を低下させ難いため、接続信頼性を向上することができる。
上記一般式(2)で表される基を有する化合物は、下記一般式(4)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2016046299
一般式(4)中、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、メチル基又はエチル基を示し、Rは炭素数1〜30のアルキレン基を示し、Rは炭素数1〜30のアルキル基を示す。
上記一般式(4)で表される化合物で表面処理されたフィラを含有することにより、接続信頼性及び絶縁信頼性を更に向上させることができる。
アルミナフィラの形状、粒径、および配合量については、特に制限されない。また、表面処理によって物性を適宜調整してもよい。
粒径に関しては、フリップチップ接続時のかみ込み防止の観点から、平均粒径が1.5μm以下が好ましく、視認性(透明性)の観点から、平均粒径が1.0μm以下がさらに好ましい。
表面処理アルミナフィラは、表面処理のし易さから、エポキシシラン系、アミノシラン系、アクリルシラン系等のシラン処理が好ましい。
分散性、流動性、接着力の観点から、フェニル系、フェニルアミノ系、アクリル系、メタクリル系が好ましい。保存安定性の観点から、フェニル系、アクリル系、メタクリル系がさらに好ましい。
本発明の半導体接続部封止用接着剤には、粘度や硬化物の物性を制御するため、及び、半導体チップと配線回路基板とを接続した際のボイドの発生や吸湿率の抑制のために、(c)表面処理アルミナフィラ以外のフィラを配合してもよい。絶縁性無機フィラとしては、例えば、ガラス、シリカ、酸化チタン、カーボンブラック、マイカ、窒化ホウ素等が挙げられ、その中でも、シリカ、酸化チタン、窒化ホウ素等が好ましく、シリカ、窒化ホウ素がより好ましい。ウィスカーとしてはホウ酸アルミニウム、チタン酸アルミニウム、酸化亜鉛、珪酸カルシウム、硫酸マグネシウム、窒化ホウ素等が挙げられる。樹脂フィラとしては、ポリウレタン、ポリイミドなどを用いることができる。これらのフィラおよびウィスカーは単独または2種以上の混合体として使用することもできる。フィラの形状、粒径、および配合量については、特に制限されない。
樹脂フィラは無機フィラに比べて、260℃等の高温で柔軟性を付与することができるため、耐リフロ性向上に適している。また、柔軟性付与のため、フィルム形成性向上にも効果がある。
絶縁信頼性の観点から、フィラは絶縁性であることが好ましい。銀フィラ、はんだフィラ等導電性の金属フィラは、含有していない半導体接続部封止用接着剤が好ましい。
(d)成分の表面処理アルミナフィラの配合量は、半導体接続部封止用接着剤組成物の固形分全体を基準として、40〜90質量%が好ましく、50〜80質量%が更に好ましい。40質量%未満では放熱性が低く、また、接着力の向上が強く発揮されない傾向がある。90質量%を超えると粘度が高くなって接着剤組成物の流動性の低下や接続部へのフィラの噛み込み(トラッピング)が生じ、接続信頼性が低下する傾向がある。
<(e)フラックス剤>
本発明の半導体接続部封止用接着剤には(e)成分、すなわち、フラックス活性(酸化物や不純物を除去する活性)を示す化合物であるフラックス剤を含有することができる。フラックス剤としては、イミダゾール類やアミン類のように非共有電子対を有する含窒素化合物、カルボン酸類、フェノール類及びアルコール類が挙げられる。
これらの中でも、カルボン酸類はフラックス活性が強く、(a)成分であるエポキシ樹脂と反応し、接着剤組成物の硬化物中に遊離した状態で存在しないため、絶縁信頼性の低下を防ぐことができる。
カルボン酸類としては、エタン酸、プロパン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸等の脂式飽和カルボン酸;オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、ドコサヘサエン酸、エイコサペンタエン酸等の脂式不飽和カルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸等の脂式ジカルボン酸;安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ヘミメリット酸、ピロメリット酸等の芳香族カルボン酸;マレイン酸及びフマル酸、シクロペンタンカルボン酸が挙げられる。また、ヒドロキシル基を有するカルボン酸としては、乳酸、りんご酸、クエン酸及びサリチル酸等が挙げられる。
フラックス剤のカルボン酸の構造としては、カルボキシル基から2位または3位の位置に電子供与性基を1基以上有するアルキル基含有カルボン酸が好ましい。2位または3位に電子供与性基を有することで、半導体接続部封止用接着剤の吸湿前後の高温接着力の低下を軽減できる。これは、通常、カルボン酸はエポキシ樹脂や硬化剤の反応に取り込まれるが、電子供与性基をカルボキシル基付近に有することで、加水分解反応が抑制できると考える。エポキシ基とカルボン酸の結合は吸湿によって、分解することが考えられるため、接着力が低下すると考える(恐らく、エステル結合が生成し、加水分解等の分解がおきている)。電子供与性基を導入することで、エステル結合部の電子密度があがり、分解しにくくなる。また、置換基があるとカルボン酸とエポキシの反応を抑制することができ、エステルを生成しにくくする効果もあると考える。
また、モノカルボン酸は比較的揮発しやすく、ボイドの原因となり、トリカルボン酸はフィルム形成時や、ラミネート時、プレヒート時などの低温(ボンディング以下の温度、例えば100℃以下)で反応しやすいものが多いため、粘度が大きくなって接続不良が生じることがある、このため、ジカルボン酸が好ましい。
さらに、本発明の半導体接続部封止用接着剤には、酸化防止剤、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、レベリング剤、イオントラップ剤を配合してもよい。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。これらの配合量については、各添加剤の効果が発現するように適宜調整すればよい。
本発明の半導体接続部封止用接着剤はフィルム状であることが好ましい。フィルム状であると生産性が向上する。フィルム状は、フィルム又はシート形状を意味する。また、基材フィルム上に半導体接続部封止用接着剤を層状に形成した基材フィルムと半導体接続部封止用接着剤層からなるものを示す場合がある。
<熱伝導率>
本発明の半導体接続部封止用接着剤の放熱性は、熱伝導率が0.5W/mK以上である。より好ましくは0.7W/mK以上、更に好ましくは1.0W/mK以上である。熱伝導率は高いほど、立体的なスタックパッケージ等で効果的な放熱性を発現する。
例えば、熱伝導率は表面処理アルミナフィラ添加量を増加すると向上する。しかし、表面処理アルミナフィラ添加量を増加すると粘度が大きくなり、接続性が低下するので熱伝導率と粘度のバランスを考慮する。
<最低溶融粘度>
本発明の半導体接続部封止用接着剤の最低溶融粘度は、昇温速度10℃/min、測定範囲30〜180℃において7000Pa・s以下である。より好ましくは6000Pa・s以下、更に好ましくは5000Pa・s以下である。また、1000Pa・s以上であることが好ましい。最低溶融粘度が7000Pa・sを超えて大きいと半導体接続部封止用接着剤が接続部でかみ込むため、接続不良が発生する。最低溶融粘度が低いほうが、接続信頼性が良好となる。最低溶融粘度が1000Pa・sより小さいと、ボイドを発生しやすい傾向がある。
例えば、最低溶融粘度はフィラを増加すると大きくなり、減少させると小さくなる。また、(c)成分の重量平均分子量10000以上の高分子樹脂成分の配合量を増加すると大きくなり、減少させると小さくなる。
また、液状成分を増加すると最低溶融粘度が小さくなり接続性が向上する。
<せん断接着力>
本発明の半導体接続部封止用接着剤のせん断接着力は、接着剤の面積が5mm角、すなわち、縦5mm、横5mmの面積で接着させ、それを万能型ボンドテスタを用いてせん断接着力を260℃で測定した場合、2.5MPa・s以上である。さらに好ましくは、2.7MPa・s以上が好ましい。接着力が2.5MPa・s未満では、吸湿後のリフロ試験で剥離が生じ、耐リフロ性が低下する。接着力は高いほど好ましい。接着力とは、吸湿後の260℃の接着力をいう。
<半導体接続部封止用接着剤(フィルム状)の作製方法>
本発明の半導体接続部封止用接着剤(フィルム状)の作製方法を以下に示す。
(a)成分のエポキシ樹脂、(b)成分の硬化剤、(c)成分の重量平均分子量10000以上の高分子樹脂成分、(d)成分の表面処理アルミナフィラ、(e)成分のフラックス剤(カルボン酸)、を有機溶媒中に加え、攪拌混合、混錬などにより、溶解または分散させて、半導体接続部封止用接着剤ワニスを調製する。その後、離型処理を施した基材フィルム上に、ワニスをナイフコーター、ロールコーターやアプリケーター、ダイコーター、コンマコーターを用いて塗布した後、加熱により有機溶媒を減少させて、基材フィルム上にフィルム状接着剤を形成する。また、ワニスをウエハなどにスピンコートして膜を形成して、その後、溶媒乾燥を行う方法で、ウエハ上に半導体接続部封止用接着剤を形成してもよい。
基材フィルムとしては、有機溶媒を揮発させる際の加熱条件に耐え得る耐熱性を有するものであれば特に制限はなく、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンナフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム等のポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリイミドフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、メチルペンテンフィルム等が例示できる。基材フィルムは、これらのフィルムからなる単層のものに限られず、2種以上の材料からなる多層フィルムであってもよい。
さらに、塗布後のワニスから有機溶媒を揮発させる際の条件は、具体的には、50〜200℃、0.1〜90分間の加熱を行うことが好ましい、実装後のボイドや粘度調製に影響がなければ、有機溶媒が1.5質量%以下まで揮発する条件とすることが好ましい。
<半導体装置>
本実施形態の半導体装置について、図1及び2を用いて以下説明する。図1は、本発明の半導体装置の一実施形態を示す模式断面図である。図1(a)に示すように、半導体装置100は、互いに対向する半導体チップ10及び配線回路基板20と、半導体チップ10及び配線回路基板20の互いに対向する面にそれぞれ配置された配線15と、半導体チップ10及び配線回路基板20の配線15を互いに接続する接続バンプ30と、半導体チップ10及び配線回路基板20間の空隙に隙間なく充填された半導体接続部封止用接着剤40とを有している。半導体チップ10及び配線回路基板20は、配線15及び接続バンプ30によりフリップチップ接続されている。配線15及び接続バンプ30は、半導体接続部封止用接着剤40により封止されており外部環境から遮断されている。
図1(b)に示すように、半導体装置200は、互いに対向する半導体チップ10及び配線回路基板20と、半導体チップ10及び配線回路基板20の互いに対向する面にそれぞれ配置されたバンプ32と、半導体チップ10及び配線回路基板20間の空隙に隙間なく充填された半導体接続部封止用接着剤40とを有している。半導体チップ10及び配線回路基板20は、対向するバンプ32が互いに接続されることによりフリップチップ接続されている。バンプ32は、半導体接続部封止用接着剤40により封止されており外部環境から遮断されている。
図2は、本発明の半導体装置の他の一実施形態を示す模式断面図である。図2(a)に示すように、半導体装置300は、2つの半導体チップ10が配線15及び接続バンプ30によりフリップチップ接続されている点を除き、半導体装置100と同様である。図2(b)に示すように、半導体装置400は、2つの半導体チップ10がバンプ32によりフリップチップ接続されている点を除き、半導体装置200と同様である。
半導体チップ10としては、特に限定はなく、シリコン、ゲルマニウム等の同一種類の元素から構成される元素半導体、ガリウムヒ素、インジウムリン等の化合物半導体を用いることができる。
配線回路基板20としては、回路基板であれば特に制限はなく、主な成分として、ガラスエポキシ、ポリイミド、ポリエステル、セラミック、エポキシ、ビスマレイミドトリアジン等を主な成分とする絶縁基板の表面に、金属膜の不要な個所をエッチング除去して形成された配線(配線パターン)15を有する回路基板、上記絶縁基板の表面に金属めっき等によって配線15が形成された回路基板、上記絶縁基板の表面に導電性物質を印刷して配線15が形成された回路基板を用いることができる。
配線15やバンプ32等の接続部は、主成分として金、銀、銅、ハンダ(主成分は、例えばスズ−銀、スズ−鉛、スズ−ビスマス、スズ−銅)、ニッケル、スズ、鉛等を含有しており、複数の金属を含有していてもよい。
上記金属の中でも、接続部の電気伝導性・熱伝導性に優れたパッケージとする観点から、金、銀及び銅が好ましく、銀及び銅がより好ましく、銀が更に好ましい。コストが低減されたパッケージとする観点から、安価であることに基づき銀、銅及びハンダが好ましく、銅及びハンダがより好ましく、ハンダが更に好ましい。室温において金属の表面に酸化膜が形成すると生産性が低下する場合やコストが増加する場合があるため、酸化膜の形成を抑制する観点から、金、銀、銅及びハンダが好ましく、金、銀、ハンダがより好ましく、金、銀が更に好ましい。
上記配線15及びバンプ32の表面には、金、銀、銅、ハンダ(主成分は、例えばスズ−銀、スズ−鉛、スズ−ビスマス、スズ−銅)、スズ、ニッケル等を主な成分とする金属層が例えばメッキにより形成されていてもよい。この金属層は単一の成分のみで構成されていても、複数の成分から構成されていてもよい。また、上記金属層は、単層又は複数の金属層が積層された構造をしていてもよい。
また、本実施形態の半導体装置は、半導体装置100〜400に示すような構造(パッケージ)が複数積層されていてもよい。この場合、半導体装置100〜400は、金、銀、銅、ハンダ(主成分は、例えばスズ−銀、スズ−鉛、スズ−ビスマス、スズ−銅)、スズ、ニッケル等を含むバンプや配線で互いに電気的に接続されていてもよい。
半導体装置を複数積層する手法としては、図3に示すように、例えばTSV(Through−Silicon Via)技術が挙げられる。図3は、本発明の半導体装置の他の一実施形態を示す模式断面図であり、TSV技術を用いた半導体装置である。図3に示す半導体装置500では、インターポーザ50上に形成された配線15が半導体チップ10の配線15と接続バンプ30を介して接続されることにより、半導体チップ10とインターポーザ50とはフリップチップ接続されている。半導体チップ10とインターポーザ50との間の空隙には半導体接続部封止用接着剤40が隙間なく充填されている。上記半導体チップ10におけるインターポーザ50と反対側の表面上には、配線15、接続バンプ30及び半導体接続部封止用接着剤40を介して半導体チップ10が繰り返し積層されている。半導体チップ10の表裏におけるパターン面の配線15は、半導体チップ10の内部を貫通する孔内に充填された貫通電極34により互いに接続されている。なお、貫通電極34の材質としては、銅、アルミニウム等を用いることができる。
このようなTSV技術により、通常は使用されない半導体チップの裏面からも信号を取得することが可能となる。さらには、半導体チップ10内に貫通電極34を垂直に通すため、対向する半導体チップ10間や半導体チップ10及びインターポーザ50間の距離を短くし、柔軟な接続が可能である。本実施形態の半導体接続部封止用接着剤は、このようなTSV技術において、対向する半導体チップ10間や、半導体チップ10及びインターポーザ50間の半導体接続部封止用接着剤として適用することができる。
また、エリヤバンプチップ技術等の自由度の高いバンプ形成方法では、インターポーザを介さないでそのまま半導体チップをマザーボードに直接実装できる。本実施形態の半導体接続部封止用接着剤は、このような半導体チップをマザーボードに直接実装する場合にも適用することができる。なお、本実施形態の接着剤組成物は、2つの配線回路基板を積層する場合に、基板間の空隙を封止する際にも適用することができる。
<半導体装置の製造方法>
本実施形態の半導体装置の製造方法について、図4を用いて以下説明する。図4は、本発明の半導体装置の製造方法の一実施形態を模式的に示す工程断面図である。
まず、図4(a)に示すように、配線15を有する配線回路基板20上に、接続バンプ30を形成する位置に開口を有するソルダーレジスト60を形成する。このソルダーレジスト60は必ずしも設ける必要はない。しかしながら、配線回路基板20上にソルダーレジストを設けることにより、配線15間のブリッジの発生を抑制し、接続信頼性・絶縁信頼性を向上させることができる。ソルダーレジスト60は、例えば、市販のパッケージ用ソルダーレジスト用インキを用いて形成することができる。市販のパッケージ用ソルダーレジスト用インキとしては、具体的には、SRシリーズ(日立化成株式会社製、商品名)及びPSR4000−AUSシリーズ(太陽インキ製造株式会社製、商品名)等が挙げられる。
次に、図4(a)に示すように、ソルダーレジスト60の開口に接続バンプ(例えば、ハンダバンプ)30を形成する。そして、図4(b)に示すように、接続バンプ30及びソルダーレジスト60が形成された配線回路基板20上に、フィルム状の半導体接続部封止用接着剤(以下、場合により「フィルム状接着剤」という。)40を貼付する。フィルム状接着剤40の貼付は、加熱プレス、ロールラミネート、真空ラミネート等によって行うことができる。フィルム状接着剤40の供給面積や厚みは、半導体チップ10及び配線回路基板20のサイズや、接続バンプ30の高さ等によって適宜設定される。
上記のとおりフィルム状接着剤40を配線回路基板20に貼り付けた後、半導体チップ10の配線15と接続バンプ30とをフリップチップボンダー等の接続装置を用いて、位置合わせする。続いて、半導体チップ10と配線回路基板20とを接続バンプ30の融点以上の温度で加熱しながら圧着し、図4(c)に示すように、半導体チップ10と配線回路基板20とを接続すると共に、フィルム状接着剤40によって半導体チップ10及び配線回路基板20間の空隙を封止充填する。以上により、半導体装置600が得られる。
本実施形態の半導体装置の製造方法では、位置合わせをした後に仮固定し、リフロー炉で加熱処理することによって、接続バンプ30を溶融させて半導体チップ10と配線回路基板20とを接続してもよい。仮固定の段階では、金属接合を形成することが必ずしも必要ではないため、上記の加熱しながら圧着する方法に比べて低荷重、短時間、低温度による圧着でよく、生産性が向上すると共に接続部の劣化を抑制することができる。
また、半導体チップ10と配線回路基板20とを接続した後、オーブン等で加熱処理を行って、更に接続信頼性・絶縁信頼性を高めてもよい。加熱温度は、フィルム状接着剤の硬化が進行する温度が好ましく、完全に硬化する温度がより好ましい。加熱温度、加熱時間は適宜設定される。
本実施形態の半導体装置の製造方法では、フィルム状接着剤40を半導体チップ10に貼付した後に配線回路基板20を接続してもよい。また、半導体チップ10及び配線回路基板20を配線15及び接続バンプ30により接続した後、半導体チップ10及び配線回路基板20間の空隙にペースト状の半導体接続部封止用接着剤を充填してもよい。
生産性が向上する観点から、複数の半導体チップ10が連結した半導体ウェハに接着剤組成物を供給した後、ダイシングして個片化することによって、半導体チップ10上に半導体接続部封止用接着剤が供給された構造体を得てもよい。また、半導体接続部封止用接着剤組成物がペースト状の場合は、特に制限されるものではないが、スピンコート等の塗布方法により、半導体チップ10上の配線やバンプを埋め込み、厚みを均一化させればよい。この場合、樹脂の供給量が一定となるため生産性が向上すると共に、埋め込み不足によるボイドの発生及びダイシング性の低下を抑制することができる。一方、半導体接続部封止用接着剤がフィルム状の場合は、特に制限されるものではないが、加熱プレス、ロールラミネート及び真空ラミネート等の貼付方式により半導体チップ10上の配線やバンプを埋め込むようにフィルム状の半導体接続部封止用接着剤組成物を供給すればよい。この場合、樹脂の供給量が一定となるため生産性が向上し、埋め込み不足によるボイドの発生及びダイシング性の低下を抑制することができる。
接続荷重は、接続バンプ30の数や高さのばらつき、加圧による接続バンプ30、又は接続部のバンプを受ける配線の変形量を考慮して設定される。接続温度は、接続部の温度が接続バンプ30の融点以上であることが好ましいが、それぞれの接続部(バンプや配線)の金属接合が形成される温度であればよい。接続バンプ30がハンダバンプである場合は、約240℃以上であればよい。
接続時の接続時間は、接続部の構成金属により異なるが、生産性が向上する観点から短時間であるほど好ましい。接続バンプ30がハンダバンプである場合、接続時間は20秒以下が好ましく、10秒以下がより好ましく、5秒以下が更に好ましい。銅−銅、銅−金等の金属接続の場合は、接続時間は60秒以下が好ましい。
上述した様々なパッケージ構造のフリップチップ接続部においても、本発明の半導体接続部封止用接着剤は、優れた接続信頼性及び絶縁信頼性を示す。
以下、実施例を用いて本発明を説明するが、本発明はこれらによって制限されるものではない。
半導体装置の製造方法と評価方法について説明する。
(1)半導体装置の製造方法及び接続評価方法
作製した半導体接続部封止用フィルム状接着剤を切り抜き(8mm×8mm×厚み0.045mm)、予め半導体チップのバンプに対応するように回路加工したガラスエポキシ基板(ガラスエポキシ基材:420μm厚、銅配線:9μm厚、)上に貼付し、はんだバンプ付き半導体チップ(チップサイズ:7mm×7mm×厚み0.15mm、バンプ高さ:銅ピラー+はんだ計約45μm、バンプ数328)をフリップチップボンダー(FCB3、パナソニック株式会社製)で実装した(実装条件:圧着ヘッド温度350℃、5s、0.5MPa)。半導体装置断面は、図4と同様。
上記ガラスエポキシ基板とはんだバンプ付き半導体チップ(デイジーチェーン接続)をFCB3で実装後にデジタルマルチメータ(株式会社エーディーシー製、R6871E)を用いて初期導通抵抗値を測定した。初期接続抵抗値が、10.0〜13.5Ω(良好接続)を示した試料を「A」(接続良好)、13.6〜20Ω(はんだ濡れ不足、硬化性制御不足等の接続不良)を示した試料を「B」、20Ωを超えた試料を「C」(接続不良)として評価した。初期導通抵抗値は、ステージ温度を80℃として測定した。
(2)ボイド評価
上記の実装後の試料を、超音波映像診断装置(Insight−300、インサイト株式会社製)により、外観画像を撮り、スキャナGT−9300UF(セイコーエプソン株式会社製)でチップ上の半導体接続部封止用接着剤層の画像を取り込み、画像処理ソフト(Adobe Photoshop、アドビ社)を用いて、色調補正、二階調化によりボイド部分を識別し、ヒストグラムによりボイド部分の占める割合を算出した。チップ上の半導体接続部封止用接着剤部分の面積を100%とした。ボイド発生率が10%未満を「A」、10〜20%を「B」、20%を超える場合を「C」として評価した。
(3)熱伝導率(W/mK)測定
熱伝導率は以下の式から算出した。
比熱(J/gK)×熱拡散(mm/s)×密度(g/cm)=熱伝導率(W/mK)
・比熱(J/gK);DSCで測定した。
アルミパン中に半導体接続部封止用接着剤を量りとり、示差走査熱量計Pyris1(株式会社パーキン−エルマージャパン製)を用い、10℃/min、室温(25℃)〜60℃まで測定した。リファレンスとしてサファイヤを用いた。サファイヤの既知の比熱を用いて試料の25℃の比熱を算出した。
・熱拡散(mm/s);
半導体接続部封止用接着剤(1cm角、300μm厚み)をスプレーで黒色に着色して赤外光を照射し、照射側と逆面から発生する熱エネルギーを測定した。測定装置はレーザーフラッシュ法熱定数測定装置(NETZSCH Instrument, Inc.)を用いた。
・密度(g/cm);
電子比重計SD−200L(アルファーミラージュ株式会社)を用いて水温25℃で測定した。
(4)最低溶融粘度測定
レオメーターMCR301(株式会社アントンパール・ジャパン製)を用いて測定した。ステージ上に半導体接続部封止用接着剤を供給し、ボイドが入らないように測定治具を設置した。ステージと測定治具(直径8mm)の間隔は0.3mm。振り角 gamma =5%、周波数 f = 1Hz、ノーマルフォース FN =0μN、昇温速度10℃/min、測定範囲30〜180℃。粘度曲線の最低粘度を最低溶融粘度とした。
(5)せん断接着力測定(吸湿後260℃接着力測定)
半導体接続部封止用フィルム状接着剤を切り抜き(5mm×5mm×厚み0.045mm)、シリコンチップ(5mm×5mm×厚み0.725mm、酸化膜コーティング)に70℃で貼付け、熱圧着試験機(日立化成テクノプラント株式会社製)を用いてソルダーレジスト(太陽インキ製造株式会社製、AUS308)がコーティングされたガラスエポキシ基板(厚み0.02mm)に圧着した(圧着条件:250℃、5s、0.5MPa)。次に、クリーンオーブン(エスペック株式会社製)中でアフターキュアした(175℃、2h)。その後、恒温恒湿器(エスペック株式会社製、PR−2KP)に60%RH、48h放置して吸湿させ、取り出し後、260℃のホットプレート上で接着力測定装置(デージ(DAGE)社製、万能型ボンドテスタDAGE4000型)を用いて、基板からのツール高さ0.05mm、ツール速度0.05mm/sの条件でせん断接着力を測定した。
(6)耐リフロ性評価
上記(1)の半導体装置の製造方法で作製したパッケージを、封止材(日立化成株式会社製、CEL9750ZHF10)を用いて、モールドした(条件:180℃、6.75MPa、90s)。次に、クリーンオーブン(エスペック株式会社製)中で175℃で5時間アフターキュアを行った。その後、JEDEC level 2条件(85℃、60%RH、168時間)で高温吸湿後、リフロ(古河電工株式会社製、リフロはんだ付装置サラマンダ(SALAMANDER))評価(リフロ炉を3回通した)を行った。リフロ後、剥離なく、接続良好なサンプルを「A」、剥離や接続不良が生じたサンプルを「B」として評価した。
(7)絶縁信頼性試験(HAST試験:Highly Accelerated Storage Test)
作製した半導体接続部封止用フィルム状接着剤(厚み:45μm)を、くし型電極評価TEG(新藤電子工業株式会社製、perflex−S、配線ピッチ:30μm)にボイドなく貼付し、クリーンオーブン(エスペック株式会社製)中、175℃で2時間キュアした。キュア後、試料を取り出し、加速寿命試験装置(株式会社平山製作所製、商品名:PL−422R8、条件:130℃、85%RH、100時間、5V印加)に設置し、絶縁抵抗を測定した。評価方法としては、100時間を通して、絶縁抵抗が108Ωを超えた場合を「A」、10〜10Ωを「B」、10Ω未満を「C」として評価した。
実施例で使用した化合物を以下に示す。
(a)エポキシ樹脂
トリスフェノールメタン型多官能エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製、EP1032H60、以下EP1032とする)
ビスフェノールF型液状エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製、YL983U、以下YL983とする)
アルキレンオキサイド変性ビスフェノール型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製YL7175、以下YL7175とする)
(b)硬化剤
2,4−ジアミノ−6−[2´−メチルイミダゾリル−(1´)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物(四国化成工業株式会社製、2MAOK−PW)
(c)重量平均分子量10000以上の高分子樹脂成分
フェノキシ樹脂(東都化成株式会社製、ZX1356、Tg:約71℃、重量平均分子量Mw:約63000)
(d)フィラ
(d−1)表面処理アルミナフィラ
メタクリルシラン処理アルミナフィラ(株式会社アドマテックス、AE2054-SXM、平均粒径0.7μm、以下SXMとする)
(d−2)フェニルアミノシラン処理アルミナフィラ(株式会社アドマテックス、AE2054-SML、平均粒径0.7μm、以下SXLとする)
(d−3)未処理アルミナフィラ
アルミナフィラ(株式会社アドマテックス、AE2050、平均粒径0.7μm)
(d−4)無機フィラ
シリカフィラ(株式会社アドマテックス、SE2050、平均粒径0.5μm)
(d−5)樹脂フィラ
有機フィラ(ロームアンドハースジャパン株式会社製、EXL−2655:コアシェルタイプ有機微粒子、ブタジエン・メタクリル酸アルキル・スチレン共重合物)
(e)フラックス剤(カルボン酸)
2−メチルグルタル酸(シグマ アルドリッチ ジャパン合同会社、融点約77℃)
(実施例1)
半導体接続部封止用フィルム状接着剤の作製方法
(a)成分のエポキシ樹脂65g(EP1032を45g、YL983を15g、YL7175を5g)、(b)成分の硬化剤として2MAOK 2g、(e)成分のフラックス剤として2−メチルグルタル酸4g、(d)成分の表面処理アルミナフィラ 200gをNV(不揮発分)63質量%になるように有機溶媒(メチルエチルケトン)を添加した。その後、直径0.8mmと2.0mmのビーズを固形分と同質量加え、ビーズミル(フリッチュ・ジャパン株式会社、遊星型微粉砕機P−7)で30分撹拌した。その後、(c)成分の重量平均分子量10000以上の高分子樹脂成分としてZX1356を30gを加え、再度、ビーズミルで30分撹拌した。撹拌に用いたビーズをろ過によって除去し半導体接続部封止用接着剤ワニスを得た。作製したワニスを小型精密塗工装置(株式会社康井精機製)で塗工し、クリーンオーブン(エスペック株式会社製)で乾燥(70℃、10min)し、半導体接続部封止用フィルム状接着剤を得た。
(実施例2〜4及び比較例1〜6)
使用した材料と配合量を下記の表1、2に示したように変更したことを除いては、実施例1と同様にして実施例2〜4及び比較例1〜6の半導体接続部封止用フィルム状接着剤を得た。また、比較例1〜4はフィラを同体積%となるよう添加した。表中の配合量は部数(質量比)とする。
Figure 2016046299
Figure 2016046299
シリカを用いた比較例1は、熱伝導率、せん断接着力、ボイド、リフロ性に劣る。比較例2〜6は、フィラにアルミナを用いた場合で、比較例1のシリカより熱伝導率は高く、未処理アルミナの比較例2は、最低溶融粘度が高く、接続性に劣る。また、表面処理したアルミナを用いた比較例3、4は、260℃でのせん断接着力が2.5MPa未満でリフロ性に劣る。フィラの配合量を増やした比較例5、6は、最低溶融粘度が高く接続性に著しく劣り、リフロ性にも劣る。これに対し、(a)〜(d)成分を用い、熱伝導率が0.5W/mK以上、せん断接着力(5mm角)が2.5MPa以上、最低溶融粘度が7000Pa・s以下の物性を示す実施例1〜4は、接続評価、ボイド評価、耐リフロ試験、HAST試験のいずれも良好となる。
10…半導体チップ、15…配線(接続部)、20…配線回路基板、30…接続バンプ、32…バンプ(接続部)、34…貫通電極、40…半導体接続部封止用接着剤(フィルム状接着剤)、50…インターポーザ、60…ソルダーレジスト、100,200,300,400,500,600…半導体装置。

Claims (6)

  1. 半導体チップ及び配線回路基板のそれぞれの接続部が互いに電気的に接続された半導体装置、又は、複数の半導体チップのそれぞれの接続部が互いに電気的に接続された半導体装置において、前記接続部の封止に用いられる半導体接続部封止用接着剤であって、(a)エポキシ樹脂、(b)硬化剤、(c)重量平均分子量10000以上の高分子樹脂成分、(d)表面処理アルミナフィラ、を含有し、その硬化物の熱伝導率が0.5W/mK以上、260℃でのせん断接着力(5mm角)が2.5MPa以上、昇温速度10℃/min、測定範囲30〜180℃における最低溶融粘度が7000Pa・s以下、である半導体接続部封止用接着剤。
  2. 前記半導体接続部封止用接着剤が、さらに(e)フラックス剤を含有する請求項1に記載の半導体接続部封止用接着剤。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の半導体接続部封止用接着剤が、フィルム状である半導体接続部封止用接着剤。
  4. (d)表面処理アルミナフィラの表面処理が、(メタ)アクリルシラン処理である請求項1〜3のいずれか一項に記載の半導体接続部封止用接着剤。
  5. 半導体チップ及び配線回路基板のそれぞれの接続部が互いに電気的に接続された半導体装置、又は、複数の半導体チップのそれぞれの接続部が互いに電気的に接続された半導体装置の製造方法であって、
    前記接続部を、請求項1〜4のいずれか一項に記載の半導体接続部封止用接着剤を用いて封止する工程を備える、半導体装置の製造方法。
  6. 請求項5に記載の半導体装置の製造方法によって得られる、半導体装置。
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