JP2016045107A - 管の表面までの距離測定装置、及びこれを用いた管の形状測定装置 - Google Patents

管の表面までの距離測定装置、及びこれを用いた管の形状測定装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2016045107A
JP2016045107A JP2014170230A JP2014170230A JP2016045107A JP 2016045107 A JP2016045107 A JP 2016045107A JP 2014170230 A JP2014170230 A JP 2014170230A JP 2014170230 A JP2014170230 A JP 2014170230A JP 2016045107 A JP2016045107 A JP 2016045107A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
measurement
light
measured
tube
distance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014170230A
Other languages
English (en)
Inventor
本田 達朗
Tatsuro Honda
達朗 本田
伊勢居 良仁
Yoshihito Isei
良仁 伊勢居
伸一 大島
Shinichi Oshima
伸一 大島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel and Sumitomo Metal Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel and Sumitomo Metal Corp filed Critical Nippon Steel and Sumitomo Metal Corp
Priority to JP2014170230A priority Critical patent/JP2016045107A/ja
Publication of JP2016045107A publication Critical patent/JP2016045107A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)
  • Measurement Of Optical Distance (AREA)

Abstract

【課題】被測定管の外径又は内径が変動することに起因して被測定管の表面までの距離が大きく変動したとしても、被測定管の表面までの距離を効率的に精度良く測定することができる管の表面までの距離測定装置等を提供する。【解決手段】本発明に係る距離測定装置101は、時間に対して周波数が線形に変動するレーザ光を被測定管Pの表面及び所定の反射源Rに向けて投光し、被測定管Pの表面及び反射源Rで反射したレーザ光を受光することで、被測定管Pまでの距離を測定するFSFレーザ距離計102を備える。FSFレーザ距離計102は、FSFレーザ距離計102から投光され被測定管Pの表面で反射したレーザ光を測定光として受光し、FSFレーザ距離計102から投光され反射源Rで反射したレーザ光を参照光として受光して、測定光の周波数と参照光の周波数との差に基づき、被測定管Pの表面までの距離を演算する。【選択図】図1

Description

本発明は、管の表面までの距離測定装置、及びこれを用いた管の形状測定装置に関する。特に、本発明は、被測定管の外径又は内径が変動することに起因して被測定管の外面又は内面までの距離が大きく変動したとしても、被測定管の外面又は内面までの距離を効率的に精度良く測定することができる管の表面までの距離測定装置、及びこれを用いた管の形状測定装置に関する。
従来より、例えば、ラインパイプ用の管の品質として、製造される管の端部の形状の精度が要求されている。つまり、管の端部の内径分布、外径分布、肉厚分布の精度が求められている。具体的には、管の端部の内径分布、外径分布が真円に近く、肉厚分布が一定であることが要求されている。これは、管の端部同士を溶接して繋ぎ合わせたときに、目違いがあると(2つの管の端部の形状が異なっていると)、そこで応力集中が生じて管が破損するおそれがあるためである。このような目違いを小さくするため、既に施工した管の端部の形状に近似した端部の形状を有する管を選択して繋ぎ合わせている。このため、製造された管を管の施工業者に出荷する際には、管の端部の形状(内径分布、外径分布、肉厚分布)の提示が要求されている。
製造された管の端部の形状の精度を評価するため、管の形状の測定精度も要求されることになる。具体的には、管が破損するという問題が生じるおそれのある目違い(0.5mm程度)より十分高い測定精度が要求される。管の形状を測定するためには、距離測定装置から被測定管の表面(外面又は内面)までの距離を測定すると共に、距離測定装置を被測定管に対して相対的に移動させる。その結果、相対的に移動する方向の距離の分布が得られるため、管の形状が測定される。管の端部の形状を測定する場合には、距離測定装置を被測定管の周方向に沿って相対的に移動させることになる。
上記のように、被測定管の表面までの距離を計測する装置として、従来、三角測距を原理とする距離測定装置が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。従来の距離測定装置では、レーザ光が被測定管の表面に投光され、投光されたレーザ光の投光方向とは異なる方向(以下、受光方向という。)に位置する位置検出素子が被測定管の表面からの反射光を受光する。被測定管の表面までの距離の変動に応じて、投光方向と受光方向との角度差が変動する。投光方向と受光方向との角度差が変動することにより、位置検出素子での反射光の結像位置が変動する。このように、従来の距離測定装置では、位置検出素子での反射光の結像位置に基づいて、被測定管の表面までの距離を測定する。
前述のように、被測定管の形状の測定精度が要求されている。三角測距を原理とする従来の距離測定装置では、測定精度を高めるためには、例えば、投光方向と受光方向との角度差を大きくすればよい。投光方向と受光方向との角度差を大きくすれば、被測定管の表面までの距離の変動に対して、位置検出素子での反射光の結像位置の変動量も大きくなるからである。一方で、位置検出素子の長さは有限であるため、位置検出素子での反射光の結像位置の変動量が大きくなれば、測定レンジが小さくなることになる。このように、従来の距離測定装置では、要求される測定精度を得ることができたとしても、測定レンジが限定されることになる。つまり、測定レンジを大きくすると共に測定精度を上げることは困難である。具体的には、特許文献1には、測定レンジが1500mm±50mmであり(特許文献1の段落0012)、特許文献2には、測定レンジが80mm±15mmである(特許文献2の第2頁の左下欄の第2行〜第3行)ことが記載されている。このように、測定レンジの範囲が限定されることになれば、径方向に広範囲にわたって変動する被測定管の表面までの距離を測定する場合は、被測定管の表面までの距離の変動量が測定レンジに収まらないおそれがある。
被測定管は、様々な外径を有しており、例えば、60mmから1500mmまでの外径を有する。三角測距を原理とする距離測定装置を用いた場合、これらの被測定管の端部の形状を一つの距離測定装置で精度良く測定するには、径方向に距離測定装置を移動させる移動手段を設ける必要がある。そして、一つの距離測定装置の測定レンジに収まるように距離測定装置を移動手段によって移動させる手間がかかるし、移動手段を設けるためのコストが生じる。また、移動手段を設けることにより、移動手段自体の機械ガタが生じるおそれがある。移動手段の機械ガタが生じると、距離測定装置の位置ずれが生じることに起因して、演算される形状(内径分布、外径分布、肉厚分布)の精度が劣化するという問題が生じる。この機械ガタは、長期使用や多数回使用による機械磨耗によって増大するおそれがある。この様な機械磨耗は、例えば、被測定管の特定の径に対する設定位置で磨耗が大きくなる等、管理が難しい。その結果、測定精度の長期安定性や精度管理の困難さに伴う信頼性の低下が問題となる。
被測定管の表面までの距離の変動量が一つの距離測定装置の測定レンジに収まらない場合に、距離測定装置を被測定管の径方向に複数設置することも考えられる。しかしながら、複数の距離測定装置を用いることによる装置の大型化やメンテナンス性の悪化、距離測定装置の製造コストの上昇、設置位置が限られる、といった問題が生じる。
特開平7−043119号公報 特開平4−160303号公報
本発明は、斯かる従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、被測定管の外径又は内径が変動することに起因して被測定管の表面までの距離が大きく変動したとしても、被測定管の表面までの距離を効率的に精度良く測定することができる管の表面までの距離測定装置、及びこれを用いた管の形状測定装置を提供することを課題とする。
従来より、レーザ距離計の一種として、FSFレーザ距離計(周波数シフト帰還型レーザ距離計)が知られている。このFSFレーザ距離計は、内部に音響光学素子が設けられた共振器を有するレーザ光源を具備する。このため、レーザ光が共振器内を周回する毎に、音響光学素子によってレーザ光の周波数が変調される。その結果、レーザ光源から時間に対して周波数が線形に変動するレーザ光が出射されることになる。そして、FSFレーザ距離計は、レーザ光源から出射されたレーザ光を被測定物及び所定の反射源に向けて投光し、被測定物で反射したレーザ光を測定光として、反射源で反射したレーザ光を参照光として、受光素子で受光する。周波数の異なる測定光と参照光とが重なり合うことで、測定光の周波数と参照光の周波数との差であるビート周波数が発生する。このため、FSFレーザ距離計は、測定光と参照光とを受光素子で受光することで、測定光の周波数と参照光の周波数との差(ビート周波数)を検出することができる。
ここで、被測定物及び反射源が固定位置に設けられていると考えた場合、測定光の伝搬時間と参照光の伝搬時間との差は一定となる。レーザ光源から出射されるレーザ光の周波数は時間に対して線形に変動するため、受光素子で受光する測定光の周波数と参照光の周波数との差も一定となる。
一方、参照光を反射する反射源の位置を固定し、被測定物をこの固定位置から少し離れて設置した場合、参照光の伝搬時間は一定であるが、測定光の伝搬時間は(被測定物の距離変化/光速度)分だけ長くなる。そして、受光素子で受光する測定光の周波数は、参照光の周波数に対して、(周波数の単位時間当たりの変化)×(被測定物の距離変化/光速度)分だけ大きくなる。従い、受光素子で受光する測定光の周波数と参照光の周波数との差は、被測定物の距離変化に比例して変化する。
このため、測定光の周波数と参照光の周波数との差(ビート周波数)を検出することで、測定光の光路長と参照光の光路長との差(光路差)を算出することが可能である。実際の測定においても反射源は固定位置に設けられるため、参照光の光路長は一定であり、光路差と参照光の光路長とから測定光の光路長を算出することができる。従って、受光した測定光の周波数と参照光の周波数との差に基づいて被測定物までの距離を測定することが可能である。FSFレーザ距離計は受光した測定光の周波数と参照光の周波数との差に基づいて距離を測定するという原理に鑑みれば、被測定物及び反射源で反射したレーザ光が減衰して受光量が過度に小さくならない限り、距離を測定することが可能であるといえる。このため、原理的に、FSFレーザ距離計は、三角測距を原理とするレーザ距離計に比べて、一定以上の測定精度を確保しつつ、広い測定レンジが得られるといえる。
前述した課題を解決するため、本発明者らは、一定以上の測定精度を確保しつつ、広い測定レンジが得られるという利点を有するFSFレーザ距離計に着目した。そして、被測定管の表面までの距離を測定するにあたり、三角測距を原理とするレーザ距離計に代えて、FSFレーザ距離計を適用することを検討した。その結果、ラインパイプ等のように、比較的表面粗さの大きい被測定管であっても、被測定管の表面(具体的には、内面又は外面)までの距離を精度良く測定できることを知見した。
被測定管の外径分布、内径分布、肉厚分布を測定する場合には、例えば、FSFレーザ距離計を被測定管の周方向に沿って相対的に回転させながら被測定管の表面までの距離を測定することが考えられる。前述したように、FSFレーザ距離計によれば、広い測定レンジで被測定管の表面までの距離を測定することができる。このため、外径分布を測定する場合では、種々の被測定管の外面が位置する範囲よりも外方の固定位置にFSFレーザ距離計を配置することにより、同一のFSFレーザ距離計によって、種々の被測定管の外径分布を測定することができる。一方、内径分布を測定する場合では、種々の被測定管の内面が位置する範囲よりも内方の固定位置にFSFレーザ距離計を配置することにより、同一のFSFレーザ距離計によって、種々の被測定管の内径分布を測定することができる。そして、外径測定値及び内径測定値を用いることにより、肉厚分布を測定することができる。
例えば、ラインパイプのように外径や内径が大きく変わる被測定管の外径分布、内径分布、肉厚分布を測定する場合であっても、FSFレーザ距離計を径方向に移動させて、FSFレーザ距離計の位置を調整する必要がないと考えられる。このため、FSFレーザ距離計の位置を調整する手間が掛からない。
FSFレーザ距離計を径方向に移動させる必要がないため、FSFレーザ距離計を径方向に移動させる移動手段を設ける必要がない。このため、前述したように、移動手段の機械ガタが生じることに起因して、演算される形状(内径分布、外径分布、肉厚分布)の精度の劣化が生じるといったことがない。また、距離測定装置の製造コストを低減することができる。その結果、被測定管の外径又は内径が変動することに起因して被測定管の表面までの距離が大きく変動したとしても、被測定管の表面までの距離を効率的に精度良く測定することができる。
前述のように、距離測定装置を被測定管の径方向に移動させる移動手段の機械ガタは、長期使用や多数回使用による機械磨耗によって増大するおそれがある。この様な機械磨耗は、例えば、被測定管の特定の径に対する設定位置で磨耗が大きくなる等、管理が難しい。その結果、測定精度の長期安定性や精度管理の困難さに伴う信頼性の低下が問題となる。FSFレーザ距離計を用いれば、上記の問題を大幅に軽減できる。すなわち、移動手段の機械ガタやその増大のおそれが無くなる。よって、従来に比べて、長期に亘って安定して精度を維持することができる。また、被測定管の特定の径に対する機械磨耗による誤差が生じることもない。従って、特定の径を有する数点の基準サンプルを測定することで、精度の管理が可能になる。すなわち、精度維持管理が容易となり、信頼性が大きく向上する。
本発明は、上記本発明者らの知見に基づき完成したものである。
すなわち、前記課題を解決するため、本発明は、時間に対して周波数が線形に変動するレーザ光を被測定管の表面及び所定の反射源に向けて投光し、該被測定管の表面及び該反射源で反射したレーザ光を受光することで、該被測定管までの距離を測定するFSFレーザ距離計を備え、前記FSFレーザ距離計は、前記FSFレーザ距離計から投光され前記被測定管の表面で反射したレーザ光を測定光として受光し、前記FSFレーザ距離計から投光され前記反射源で反射したレーザ光を参照光として受光して、前記測定光の周波数と前記参照光の周波数との差に基づき、前記被測定管の表面までの距離を演算することを特徴とする管の表面までの距離測定装置を提供する。
本発明に係る距離測定装置によれば、FSFレーザ距離計によって、レーザ光が被測定管の表面及び所定の反射源に向けて投光される。そして、FSFレーザ距離計は、FSFレーザ距離計から投光され被測定管の表面で反射したレーザ光を測定光として受光し、FSFレーザ距離計から投光され反射源で反射したレーザ光を参照光として受光する。このため、FSFレーザ距離計は、測定光と参照光とを受光することで、測定光の周波数と参照光の周波数との差(ビート周波数)を検出することができる。その結果、前述したように、受光した測定光の周波数と参照光の周波数との差を検出することで、測定光の光路長と参照光の光路長との差(光路差)を演算することが可能である。参照光は、FSFレーザ距離計から投光され所定の反射源で反射したレーザ光である。このため、反射源が予め定められた固定位置に設けられることで、参照光の光路長は一定の値となる。つまり、参照光の光路長は既知の値であるといえる。このため、演算された測定光と参照光との光路差と、参照光の光路長とにより、測定光の光路長を算出することができる。つまり、被測定管の表面までの距離を測定することができる。
また、本発明に係る距離測定装置によれば、前述したように、被測定管の外径又は内径が変動することに起因して被測定管の表面までの距離が大きく変動したとしても、FSFレーザ距離計を適用することで、被測定管の表面までの距離を効率的に精度良く測定することができる。
なお、本発明においては、距離測定時に参照光の光路長が一定でありさえすれば良い。このため、本発明における「所定の反射源」には、例えば、両端がFSFレーザ距離計に連結された一定長さのループ状の光ファイバーも含まれる。この場合、本発明における「前記FSFレーザ距離計から投光され前記反射源で反射したレーザ光を参照光として受光」という語句は、「前記FSFレーザ距離計から投光され、該FSFレーザ距離計に両端が連結された一定長さのループ状の光ファイバーで伝送されて戻ってきたレーザ光を参照光として受光」することを意味する。
好ましくは、前記FSFレーザ距離計は、レーザ光を出射するレーザ光源と、前記被測定管の表面に対向配置され、前記レーザ光源から出射されたレーザ光を前記被測定管の表面に向けて投光すると共に、前記測定光を受光して出射する測定ヘッドと、前記測定ヘッドから出射された前記測定光と、前記参照光とを受光する受光素子と、前記レーザ光源と前記測定ヘッドとを連結し、前記レーザ光源から出射されたレーザ光を前記測定ヘッドに伝送する第1の光ファイバーと、前記測定ヘッドと前記受光素子とを連結し、前記測定ヘッドから出射された前記測定光を前記受光素子に伝送する第2の光ファイバーと、前記受光素子で受光した前記測定光の周波数と前記参照光の周波数との差に基づき、前記測定ヘッドから前記被測定管の表面までの距離を演算する距離演算手段とを具備する。
なお、第1の光ファイバーと第2の光ファイバーとは、必ずしも完全に別体にする必要はなく、第1の光ファイバーのレーザ光源側の端部と、第2の光ファイバーの受光素子側の端部とが分岐されている限り、両ファイバーを一体にすることも可能である。
斯かる好ましい構成によれば、FSFレーザ距離計は、レーザ光を出射するレーザ光源と、測定ヘッドと、受光素子と、第1の光ファイバーと、第2の光ファイバーと、距離演算手段とを具備する。測定ヘッドは、被測定管の表面に対向配置され、レーザ光源から出射されたレーザ光を被測定管の表面に向けて投光すると共に、測定光(レーザ光源から出射され、測定ヘッドから被測定管の表面に向けて投光され、なお且つ、被測定管の表面で反射したレーザ光)を受光して出射する。
第1の光ファイバーは、レーザ光源と測定ヘッドとを連結し、レーザ光源から出射されたレーザ光を測定ヘッドに伝送する。このため、レーザ光源と測定ヘッドとを連結する第1の光ファイバーの長さに応じて、レーザ光源から離間した位置に測定ヘッドを配置することができる。第2の光ファイバーは、測定ヘッドと受光素子とを連結し、測定ヘッドから出射された測定光を受光素子に伝送する。このため、測定ヘッドと受光素子とを連結する第2の光ファイバーの長さに応じて、受光素子から離間した位置に測定ヘッドを配置することができる。このように、レーザ光源及び受光素子から離間した位置に測定ヘッドを配置することができる。
斯かる好ましい構成によれば、FSFレーザ距離計は、時間に対して周波数が線形に変動するレーザ光を出射する光学系(レーザ光源)と、被測定管の表面に向けてレーザ光を投光すると共に、測定光を受光して出射する光学系(測定ヘッド)と、測定光及び参照光を受光する光学系(受光素子)とを具備する。前述したように、測定ヘッドは、レーザ光源及び受光素子から離間した位置に配置することができる。つまり、被測定管の表面に向けてレーザ光を投光すると共に、測定光を受光して出射する光学系(測定ヘッド)のみを分離することができる。このため、被測定管の周辺には測定ヘッドのみを配置することが可能となり、上記光学系の全体を一体化する場合と異なり設置スペースの制約を受け難い。特に、被測定管の内面までの距離を測定する場合に有効である。
また、レーザ光源や受光素子を備えるFSFレーザ距離計は、管の製造工場のような悪環境、すなわち、大きな振動が頻発したり、温度・湿度の比較的大きな変動があったり、粉塵や油滴・水滴が空気中に多く漂うような環境では、精度劣化や故障の危険性が増大する。また、レーザ光源や受光素子の点検・整備は、粉塵や油滴・水滴が空気中に多く漂うような環境では不可能である。上記好ましい構成のように、光ファイバーによって測定ヘッドを大きく離隔することにより、レーザ光源、受光素子、距離演算手段を、これら工場の悪環境から隔離し、適切な環境を整えた場所に設置することが可能となるため、長期安定測定、信頼性向上、メンテ性の容易化等に貢献することができる。
例えば、被測定管の内部に測定ヘッドを配置して、距離演算手段が受光素子で受光した測定光の周波数と参照光の周波数との差に基づき、測定ヘッドから被測定管の内面までの距離を演算する。具体的には、測定光の周波数と参照光の周波数との差であるビート周波数を検出することにより、測定光と参照光との光路差(測定光の光路長と参照光の光路長との差)を算出する。前述したように、参照光の光路長は一定の値となるため、測定光の光路長を算出することができる。前述したように、測定光は、レーザ光源から出射され、測定ヘッドから被測定管の表面に向けて投光され、なお且つ、被測定管の表面で反射したレーザ光である。このため、測定光の光路長は、レーザ光源から測定ヘッドまでの光路長と、測定ヘッドから被測定管の内面までの光路長の2倍の光路長と、測定ヘッドから受光素子までの光路長との和である。レーザ光源から測定ヘッドまでの光路長は、レーザ光源と測定ヘッドとを連結する第1の光ファイバーの長さに応じて決まる。また、測定ヘッドから受光素子までの光路長は、測定ヘッドと受光素子とを連結する第2の光ファイバーの長さに応じて決まる。このため、上記光路長から、測定ヘッドから被測定管の内面までの光路長を演算することができる。つまり、被測定管の内面までの距離を測定することができる。一方、測定ヘッドを被測定管の外面の外方に配置することで、上記と同様に、被測定管の外面までの距離を測定することができる。
被測定管の表面の複数の部位までの距離を測定する場合、複数のFSFレーザ距離計を用いることが考えられる。具体的には、複数のレーザ光源を用いることが考えられる。例えば、被測定管の肉厚を測定するためには、被測定管の外面及び内面の双方までの距離を測定することになる。このため、被測定管の外面までの距離を測定するためのレーザ光源と、被測定管の内面までの距離を測定するためのレーザ光源とを用いることが考えられる。しかしながら、被測定管の測定すべき複数の部位と同数のレーザ光源を用いることになれば、複数のレーザ光源を用いるという点で、コストが掛かり、メンテナンス性が悪くなるという問題が生じる。この問題は、被測定管の測定部位が両管端部であっても何ら変わらない。
上記問題点を解決するため、さらに好ましくは、前記FSFレーザ距離計は、前記被測定管の表面の異なる部位にそれぞれレーザ光を投光する複数の前記測定ヘッドと、該測定ヘッドと同数の複数の前記受光素子と、該測定ヘッドと同数の複数の前記第1の光ファイバーと、該測定ヘッドと同数の複数の前記第2の光ファイバーとを具備し、前記複数の第1の光ファイバーのそれぞれは、前記レーザ光源と前記複数の測定ヘッドのそれぞれとを連結し、前記レーザ光源から出射されたレーザ光は、前記複数の第1の光ファイバーのそれぞれを介して前記複数の測定ヘッドのそれぞれに伝送され、前記複数の第2の光ファイバーのそれぞれは、前記複数の測定ヘッドのそれぞれと前記複数の受光素子のそれぞれとを連結し、前記複数の測定ヘッドのそれぞれから出射された前記測定光は、前記複数の第2の光ファイバーのそれぞれを介して前記複数の受光素子のそれぞれに伝送され、前記距離演算手段は、前記複数の受光素子のそれぞれで受光した前記測定光の周波数と前記参照光の周波数との差に基づき、前記複数の受光素子のそれぞれに連結された前記測定ヘッドから前記被測定管の表面までの距離を演算する。
斯かる好ましい構成によれば、FSFレーザ距離計は、複数の測定ヘッドと、測定ヘッドと同数の複数の受光素子と、測定ヘッドと同数の複数の第1の光ファイバーと、測定ヘッドと同数の複数の第2の光ファイバーとを具備する。複数の第1の光ファイバーのそれぞれは、レーザ光源と複数の測定ヘッドのそれぞれとを連結する。そして、レーザ光源から出射されたレーザ光は、複数の第1の光ファイバーのそれぞれを介して複数の測定ヘッドのそれぞれに伝送される。複数の測定ヘッドのそれぞれに伝送されたレーザ光は、複数の測定ヘッドのそれぞれから被測定管の表面の異なる部位に投光される。複数の第2の光ファイバーのそれぞれは、複数の測定ヘッドのそれぞれと複数の受光素子のそれぞれとを連結する。複数の測定ヘッドのそれぞれで測定光を受光し、複数の測定ヘッドのそれぞれから出射された測定光は、複数の第2の光ファイバーのそれぞれを介して複数の受光素子のそれぞれに伝送される。このため、レーザ光源や複数の受光素子のそれぞれから離間した位置に、複数の測定ヘッドのそれぞれを配置することができる。また、複数の測定ヘッドのそれぞれから出射された測定光は、複数の第2の光ファイバーのそれぞれを介して複数の受光素子のそれぞれに伝送されるため、距離演算手段が複数の受光素子のそれぞれで受光した測定光の周波数と参照光の周波数との差を検出することができる。そして、距離演算手段は、検出した測定光の周波数と参照光の周波数との差に基づき、複数の受光素子のそれぞれに連結された測定ヘッドから被測定管の表面までの距離を演算する。このため、単一のレーザ光源を用いて、被測定管の表面(外面又は内面)の複数の箇所までの距離を測定することができる。被測定管の表面の複数の部位までの距離を測定する場合であっても、複数のレーザ光源を用いる必要がないという点で、FSFレーザ距離計を小型化することができ、FSFレーザ距離計の製造コストを抑制することができ、FSFレーザ距離計のメンテナンスを容易に行うことができる。
上記好ましい構成では、レーザ光源から出射されたレーザ光を光ファイバーで伝送することを特徴としている。ここで、測定光を伝送するための光ファイバーとは異なる光ファイバーを用いて参照光を伝送するという構成が考えられる。光ファイバーは、異なる熱膨張率を有する樹脂やガラスから形成されている。このため、光ファイバーの周囲の温度変化に起因して樹脂やガラスが熱膨張することにより、光ファイバーに歪みが生じることになる。光ファイバーの歪みに起因して、光ファイバーの屈折率が変動することが知られている。光ファイバーの屈折率と光ファイバーにより伝送されるレーザ光の速度とは一対一対応の関係にあるため、温度変化に起因して、光ファイバーで伝送されるレーザ光の速度が変動することになる。レーザ光の速度が変動すれば、レーザ光の伝搬時間が変動することになる。測定光を伝送する光ファイバーと、参照光を伝送する光ファイバーとの温度変化に起因する屈折率の変動は必ずしも一致しないため、測定光の周波数と参照光の周波数との差から測定される距離の誤差が生じることになる。
そこで、測定光を得るための光ファイバーと同じ長さや径を有する光ファイバーを用いて参照光を得ることが考えられる。しかしながら、通常、光ファイバー毎に、光ファイバーを形成する樹脂やガラスの寸法公差がある。このため、樹脂やガラスの熱膨張に起因する光ファイバーの歪みは、光ファイバー毎に異なることになる。つまり、温度変化に起因する光ファイバーの屈折率の変動は、光ファイバー毎に異なることになる。このため、温度変化による屈折率の変動が光ファイバー毎に異なることに起因して、測定光の周波数と参照光の周波数との差から測定される距離の誤差が生じるという問題が生じる。
上記問題点を解決するため、好ましくは、前記FSFレーザ距離計は、前記第1の光ファイバーを介して伝送されたレーザ光を前記被測定管の表面に向けて投光するために、少なくとも一方の端面が前記測定ヘッド内に位置し、該端面からレーザ光を投光する第3の光ファイバーと、前記第1の光ファイバーが連結された第1ポート、前記第2の光ファイバーが連結された第2ポート、及び、前記第3の光ファイバーが連結された第3ポートを具備する光サーキュレータとを備え、前記光サーキュレータは、前記第1の光ファイバーを介して前記第1ポートに伝送されたレーザ光を前記第3ポートから前記第3の光ファイバーに伝送すると共に、前記第3の光ファイバーを介して前記第3ポートに伝送された前記測定光を前記第2ポートから前記第2の光ファイバーに伝送するように構成されており、 前記測定ヘッド内に位置する前記第3の光ファイバーのレーザ光投光側の端面の近傍、又は、前記光サーキュレータの前記第3ポートと前記第3の光ファイバーの反対側の端面との間に前記反射源が設けられている。
斯かる好ましい構成によれば、FSFレーザ距離計は、第1の光ファイバーを介して伝送されたレーザ光を被測定管の表面に向けて投光するために、少なくとも一方の端面が測定ヘッド内に位置し、該端面からレーザ光を投光する第3の光ファイバーと、第1の光ファイバーが連結された第1ポート、第2の光ファイバーが連結された第2ポート、及び、第3の光ファイバーが連結された第3ポートを具備する光サーキュレータとを備える。レーザ光源から出射されたレーザ光が第1の光ファイバーを介して第1ポートに伝送される。そして、第1ポートに伝送されたレーザ光が、光サーキュレータにより、第3ポートから第3の光ファイバーに伝送される。前述のように、測定ヘッドは、レーザ光源から出射されたレーザ光を被測定管の表面に向けて投光すると共に、測定光を受光して出射する。測定ヘッドで受光した測定光は、第3の光ファイバーのレーザ光投光側の端面から第3の光ファイバーを介して第3ポートに伝送される。第3の光ファイバーを介して第3ポートに伝送された測定光は、光サーキュレータにより、第2ポートから出射されて、第2の光ファイバーに伝送される。
上記好ましい構成では、測定ヘッド内に位置する第3の光ファイバーのレーザ光投光側の端面の近傍、又は、光サーキュレータの第3ポートと第3の光ファイバーの反対側の端面との間に反射源が設けられる。例えば、この反射源としては、第3の光ファイバーのレーザ光投光側の端面の近傍に設けられた空隙、又は、光サーキュレータの第3ポートと第3の光ファイバーの反対側の端面との間に設けられた空隙を用いることが可能である。第3の光ファイバーと空隙との屈折率が異なるため、光サーキュレータの第3ポートから第3の光ファイバーに伝送されるレーザ光又は伝送されたレーザ光は、空隙と第3の光ファイバーの端面との界面で、反射するレーザ光と透過するレーザ光とに分離されることになる。その結果、レーザ光源から出射されて、空隙と第3の光ファイバーの端面との界面で反射したレーザ光は参照光となり、空隙と第3の光ファイバーの端面との界面を透過したレーザ光は被測定管の表面で反射して測定光となる。
参照光と測定光とは、共に同一の第1の光ファイバー及び第2の光ファイバーを介して伝送されることになる。また、第3の光ファイバーのレーザ光投光側の端面の近傍に反射源としての空隙を設けた場合には、参照光と測定光とは、第1の光ファイバー及び第2の光ファイバーに加えて更に同一の第3の光ファイバーを介して伝送されることになる。レーザ光が、レーザ光源から出射されてから、空隙と第3の光ファイバーの端面との界面に到達するまでの伝搬時間や、該界面又は被測定管で反射したレーザ光が、該界面から受光素子に到達するまでの伝搬時間は、測定光でも参照光でも同じである。このため、受光した測定光と参照光との伝搬時間差は、第1の光ファイバーや第2の光ファイバーに起因して変動しないことになる。つまり、受光した測定光の周波数と参照光の周波数との差は、第1の光ファイバーや第2の光ファイバーに起因して変動しない。第3の光ファイバーのレーザ光投光側の端面の近傍に反射源を設けた場合には、第1〜第3の光ファイバーの全てに起因して変動しない。第1の光ファイバーや第2の光ファイバーの寸法公差(第3の光ファイバーのレーザ光投光側の端面の近傍に反射源を設けた場合には、第3の光ファイバーの寸法公差も含む)に起因して、受光した測定光の周波数と参照光の周波数との差が変動しないため、より精度良く測定ヘッドから被測定管の表面までの距離を測定することができる。
前記課題を解決するため、本発明は、上記の何れかに記載の管の表面までの距離測定装置と、前記距離測定装置が備える前記FSFレーザ距離計を前記被測定管の周方向に沿って相対的に回転させる回転手段と、前記回転手段によって前記FSFレーザ距離計を相対的に回転させながら前記距離測定装置で測定した該被測定管の表面までの距離に基づき、前記被測定管の周方向の形状を演算する形状演算手段とを備えることを特徴とする管の形状測定装置としても提供される。
本発明によれば、回転手段は、距離測定装置が備えるFSFレーザ距離計を被測定管の周方向に沿って相対的に回転させる。ここで、FSFレーザ距離計を被測定管の周方向に相対的に回転させるとは、必ずしも被測定管が静止した状態でFSFレーザ距離計が被測定管の周方向に沿って回転することに限られるものではなく、FSFレーザ距離計が静止した状態で被測定管がその周方向に回転することも含まれる。しかしながら、被測定管を回転させる場合には、被測定管の方がFSFレーザ距離計よりも重いことや、被測定管の端部の曲りの影響により、回転中心を安定させることが難しい。このため、被測定管が静止した状態でFSFレーザ距離計が被測定管の周方向に沿って回転する方が好ましい。
形状演算手段は、回転手段によってFSFレーザ距離計を相対的に回転させながら距離測定装置で測定した該被測定管の表面までの距離に基づき、被測定管の周方向の形状を演算する。回転手段によってFSFレーザ距離計を相対的に回転させながら距離測定装置で被測定管の表面までの距離を測定するため、形状演算手段は、周方向の被測定管の表面までの距離の分布を得ることができる。距離測定装置が被測定管の外面までの距離を測定することで、被測定管の外径の分布を得ることができる。また、距離測定装置が被測定管の内面までの距離を測定することで、被測定管の内径の分布を得ることができる。被測定管の外径及び内径の分布を得ることによって、被測定管の肉厚の分布を得ることができる。形状演算手段は、被測定管の外径、内径及び肉厚の分布を得ることにより、被測定管の周方向の形状を演算することができる。
以上に説明したように、本発明によれば、被測定管の外径又は内径が変動することに起因して被測定管の表面までの距離が大きく変動したとしても、被測定管の表面までの距離を効率的に精度良く測定することができる管の表面までの距離測定装置、及びこれを用いた管の形状測定装置を提供することができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る管の形状測定装置の概略図である。 図2は、レーザ光を伝送する光ファイバーの温度の変動に応じて、測定される距離がどのように変動するかを評価するための装置の概略図である。 図3は、図2に示す装置で得られた光ファイバーの温度と測定値変動との関係を示すグラフである。 図4は、本発明の第2の実施形態に係る形状測定装置の概略図である。 図5は、本発明の第3の実施形態に係る形状測定装置の概略図である。 は、本発明の第3の実施形態に係る形状測定装置によって被測定管の端部の内径(内半径)を測定した結果の一例を示すグラフである。
<第1の実施形態>
以下、添付図面を適宜参照しつつ、本発明の第1の実施形態に係る管の形状測定装置(以下、適宜、「形状測定装置」と略称する)について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る管の形状測定装置の概略図である。
図1に示すように、本実施形態に係る形状測定装置100は、管の表面までの距離測定装置101(以下、適宜、「距離測定装置101」と略称する)と、回転手段7と、形状演算手段8とを備える。
距離測定装置101は、FSFレーザ距離計(周波数シフト帰還型レーザ距離計)102を備える。FSFレーザ距離計102は、時間に対して周波数が線形に変動するレーザ光を被測定管Pの表面及び所定の反射源Rに向けて投光し、該被測定管Pの表面及び該反射源Rで反射したレーザ光を受光することで、該被測定管Pまでの距離を測定する。具体的には、FSFレーザ距離計102は、FSFレーザ距離計102から投光され被測定管Pの表面で反射したレーザ光を測定光として受光し、FSFレーザ距離計102から投光され予め定められた固定位置に設けられた反射源Rで反射したレーザ光を参照光として受光して、測定光の周波数と参照光の周波数との差に基づき、被測定管Pの表面までの距離を演算する。なお、図1では、レーザ光を破線で示しており、破線上に示される矢印はレーザ光が伝搬する向きを意味する。
図1に示すように、本実施形態のFSFレーザ距離計102は、レーザ光を出射するレーザ光源1と、2本の第1の光ファイバー2と、2つの測定ヘッド3と、2本の第2の光ファイバー4と、2つの受光素子5と、距離演算手段6とを具備する。
レーザ光源1は、内部に音響光学素子(図示せず)が設けられた共振器(図示せず)を有する。このため、レーザ光が共振器内を周回する毎に、音響光学素子によってレーザ光の周波数が変調される。その結果、レーザ光源1は、時間に対して周波数が線形に変動するレーザ光を出射する。2本の第1の光ファイバー2のそれぞれは、レーザ光源1と2つの測定ヘッド3のそれぞれとを連結する。具体的には、本実施形態のFSFレーザ距離計102は、第1のビームスプリッタ91と、第1の集光レンズ92と、第2の集光レンズ93と、第2のビームスプリッタ94とがそれぞれ2つずつ内部に収容された筐体9を更に具備する。レーザ光源1、2つの受光素子5及び2つの反射源Rも筐体9内に収容されている。また、第1の光ファイバー2及び第2の光ファイバー4も筐体9内に収容されている。さらに、後述する2つの光サーキュレータ31も筐体9内に収容され、2本の第3の光ファイバー32の一端部が筐体9の内部に挿通されている。レーザ光源1から出射されるレーザ光は、第1のビームスプリッタ91のそれぞれに投光される。第1の集光レンズ92のそれぞれは、第1のビームスプリッタ91のそれぞれを透過したレーザ光を集光する。第1の光ファイバー2のそれぞれは、第1の集光レンズ92のそれぞれにより集光されたレーザ光を第1の光ファイバー2の端面で受光するように設けられている。そして、第1の光ファイバー2のそれぞれは、受光したレーザ光を測定ヘッド3のそれぞれに伝送する。本実施形態では、レーザ光源1から出射されたレーザ光は、2本の第1の光ファイバー2のそれぞれを介して2つの測定ヘッド3のそれぞれに伝送される。レーザ光源1から出射されたレーザ光を2本の第1の光ファイバー2のそれぞれに分岐させる(第1のビームスプリッタ91のそれぞれに分岐させる)構成としては、レーザ光源1から出射されたレーザ光をビームスプリッタ(図示せず)に投光することを例示できる。
2つの測定ヘッド3のそれぞれは、被測定管P(被測定管Pの端部)の表面に対向配置される。また、2つの測定ヘッド3のそれぞれは、レーザ光源1から出射されたレーザ光を被測定管Pの表面に向けて投光する。具体的には、2つの測定ヘッド3のそれぞれは、被測定管Pの表面の異なる部位にそれぞれレーザ光を投光する。本実施形態では、測定ヘッド3の一方がレーザ光を被測定管Pの外面に向けて投光し、測定ヘッド3の他方がレーザ光を被測定管Pの内面に向けて投光する。そして、2つの測定ヘッド3のそれぞれは、測定光を受光して出射する。
本実施形態のFSFレーザ距離計102は、光サーキュレータ31と、各測定ヘッド3内に少なくとも一方の端面が位置し、該端面からレーザ光を投光する第3の光ファイバー32とを備える。また、測定ヘッド3のそれぞれは、第3の集光レンズ33と、第1のミラー34とを備える。光サーキュレータ31は、第1の光ファイバー2が連結された第1ポート311と、第2の光ファイバー4が連結された第2ポート312と、第3の光ファイバー32が連結された第3ポート313とを具備する。光サーキュレータ31は、第1の光ファイバー2を介して第1ポート311に伝送されたレーザ光を第3ポート313から第3の光ファイバー32に伝送する。第3の光ファイバー32に伝送されたレーザ光は、被測定管Pの表面に向けて投光される。本実施形態では、第3の光ファイバー32から投光されたレーザ光は、第3の集光レンズ33により集光される。第3の集光レンズ33により集光されたレーザ光は、第1のミラー34で反射し、被測定管Pの表面に向けて投光される。
被測定管Pの表面で反射したレーザ光(測定光)は、第1のミラー34で反射し、第3の集光レンズ33により集光される。第3の集光レンズ33により集光された測定光は、第3の光ファイバー32の端面で受光される。第3の光ファイバー32は、受光した測定光を第3ポート313に伝送する。光サーキュレータ31は、第3の光ファイバー32を介して第3ポート313に伝送された測定光を第2ポート312から出射する。第2ポート312から出射された測定光は、第2の光ファイバー4に伝送される。
2本の第2の光ファイバー4のそれぞれは、2つの測定ヘッド3のそれぞれと2つの受光素子5のそれぞれとを連結する。そして、2つの測定ヘッド3のそれぞれから出射された測定光は、2本の第2の光ファイバー4のそれぞれを介して2つの受光素子5のそれぞれに伝送される。
本実施形態では、第2の集光レンズ93は、第2の光ファイバー4から出射された測定光を集光する。受光素子5は、第2の集光レンズ93により集光され、第2のビームスプリッタ94を透過した測定光を受光する。
図1に示すように、レーザ光源1から出射され、第1のビームスプリッタ91で反射したレーザ光は、反射源Rに向けて投光される。受光素子5は、反射源Rで反射し、第1のビームスプリッタ91を透過し、第2のビームスプリッタ94で反射したレーザ光を参照光として受光する。
距離演算手段6は、受光素子5で受光した測定光の周波数と参照光の周波数との差に基づき、受光素子5に連結された測定ヘッド3から被測定管Pの表面までの距離を演算する。具体的には、距離演算手段6は、受光素子5で受光した測定光と参照光とのビート周波数(測定光の周波数と参照光の周波数との差)を検出する。前述したように、測定光と参照光とのビート周波数を検出することで、測定光の光路長と参照光の光路長との差(光路差)を演算することが可能である。参照光は、レーザ光源1から出射され予め定められた固定位置に設けられた反射源Rで反射したレーザ光であるため、参照光の光路長は一定の値となる。距離演算手段6は、演算された測定光と参照光との光路差、及び参照光の光路長により、測定光の光路長を算出する。測定光の光路長は、レーザ光源1から第1のミラー34までの光路長と、第1のミラー34から被測定管Pの表面までの光路長の2倍の光路長と、第1のミラー34から受光素子5までの光路長との和である。レーザ光源1から第1のミラー34までの光路長と、第1のミラー34から受光素子5までの光路長とは、被測定管Pの位置に関係なく、不変の値となる。このため、距離演算手段6は、上記光路長から、第1のミラー34(測定ヘッド3)から被測定管Pの表面までの光路長を演算することができる。具体的には、レーザ光が第1のミラー34に照射される点(レーザ光が第1のミラー34で反射する点)から被測定管Pの表面までの距離を測定することができる。
本実施形態では、距離演算手段6は、2つの受光素子5のそれぞれで受光した測定光の周波数と参照光の周波数との差に基づき、2つの受光素子5のそれぞれに連結された2つの測定ヘッド3から被測定管Pの表面までの距離を演算する。具体的には、距離演算手段6は、2つの受光素子5のそれぞれで受光した測定光の周波数と参照光の周波数との差を検出できるように構成されている。このため、距離演算手段6は、2つの受光素子5の一方で受光した測定光の周波数と参照光の周波数との差に基づき、2つの受光素子5の一方に連結された測定ヘッド3の第1のミラー34から被測定管Pの外面までの距離を演算することができる。また、距離演算手段6は、2つの受光素子5の他方で受光した測定光の周波数と参照光の周波数との差に基づき、2つの受光素子5の他方に連結された測定ヘッド3の第1のミラー34から被測定管Pの内面までの距離を演算することができる。
回転手段7は、距離測定装置101が備えるFSFレーザ距離計102を被測定管Pの周方向に沿って相対的に回転させる。本実施形態の回転手段7は、被測定管Pを静止し、FSFレーザ距離計102の方を回転させるものである。図1に示すように、本実施形態の回転手段7は、回転モータ71と、回転モータ71に取り付けられた回転シャフト72と、回転シャフト72に取り付けられたアーム73とを有する。2つの測定ヘッド3のそれぞれは、被測定管Pの表面に対向配置されるように、アーム73に取り付けられている。本実施形態では、2つの測定ヘッド3の一方は、被測定管Pの外面に対向配置され、測定ヘッド3の他方は、被測定管Pの内面に対向配置されるように、アーム73に取り付けられている。回転モータ71は、回転シャフト72の軸を回転中心として回転シャフト72を回転させる。回転シャフト72が回転すると、アーム73が、回転シャフト72と一体的に回転シャフト72の軸を回転中心として回転する。このため、アーム73に取り付けられた2つの測定ヘッド3のそれぞれも、回転シャフト72の軸を回転中心として回転する。本実施形態では、測定ヘッド3が回転シャフト72の軸を回転中心として回転しているが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、被測定管Pが管軸を中心として回転してもよい。
回転手段7は、好ましくは、回転モータ71に取り付けられた回転角度検出手段(図示せず)を更に有する。回転角度検出手段によって、回転モータ71が回転させる回転シャフト72の回転角度(すなわち、測定ヘッド3の回転角度)が検出される。回転角度検出手段としては、エンコーダを例示できる。
形状演算手段8は、回転手段7によってFSFレーザ距離計102を相対的に回転させながら距離測定装置101で測定した被測定管Pの表面までの距離に基づき、被測定管Pの周方向の形状を演算する。まず、被測定管Pの周方向の内面形状を演算することについて説明する。本実施形態では、レーザ光が第1のミラー34に照射される点が回転中心(回転シャフト72の軸)と一致している。また、本実施形態では、回転手段7によって測定ヘッド3を回転シャフト72の軸を回転中心として回転させながら、距離測定装置101でレーザ光が第1のミラー34に照射される点から被測定管Pの内面までの距離を測定する。前述したように、レーザ光が第1のミラー34に照射される点が回転中心と一致しているため、距離測定装置101は、回転中心から被測定管Pの内面までの距離を測定することになる。その一方で、回転手段7の回転角度検出手段によって、測定ヘッド3の回転角度が検出される。このように測定された回転中心から被測定管Pの内面までの距離と検出された測定ヘッド3の回転角度とが形状演算手段8に入力される。換言すれば、形状演算手段8に、測定ヘッド3の回転角度に応じた回転中心から被測定管Pの内面までの距離が入力される。このため、形状演算手段8は、被測定管Pの内面形状(回転中心から内面までの距離の周方向分布)を算出することができる。形状演算手段8は、例えば、算出された被測定管Pの内面形状を極座標で表した場合に、この内面形状に最も近似する円を最小二乗法により求める。形状演算手段8は、求められた円の中心から被測定管Pの内面形状までの距離を算出することにより、被測定管Pの内径分布を演算することができる。本実施形態では、レーザ光が第1のミラー34に照射される点を回転中心と一致させて回転中心から被測定管Pの内面までの距離を測定しているが、本発明はこれに限られるものではなく、レーザ光が第1のミラー34に照射される点と回転中心との位置関係から幾何学的に回転中心から被測定管Pの内面までの距離を測定してもよい。同様に、形状演算手段8は、被測定管Pの外面形状や外径分布を演算することができる。形状演算手段8は、演算された被測定管Pの内径測定値及び外径測定値により、被測定管Pの肉厚分布を算出することができる。
以下、レーザ光を伝送する光ファイバーの温度変動の影響について説明する。図2は、FSFレーザ距離計102を用いた場合において、レーザ光を伝送する光ファイバーの温度の変動に応じて、測定される距離がどのように変動するかを評価するための装置の概略図である。なお、図2では、レーザ光を破線で示しており、破線上に示される矢印はレーザ光が伝搬する向きを意味する。
図2に示すように、評価用の距離測定装置101は、前述した第1の実施形態と同様の構成を有し、固定位置に設けられたサンプルまでの距離を測定する。第3の光ファイバー32、32’の長さは15mであり、その内の10mが恒温槽の内部に位置している。そして、恒温槽の温度を光ファイバーの温度としてサンプルまでの距離の測定を行った。図3は、図2に示す装置で得られた光ファイバーの温度と測定値変動との関係を示すグラフである。横軸は恒温槽の温度(光ファイバーの温度)を示し、縦軸は、恒温槽の温度が30℃のときに得られた測定値を基準としたときの各温度での測定値の変動量を示す。図3には、ch1の光ファイバー(第3の光ファイバー32)とch2の光ファイバー(第3の光ファイバー32’)とを用いて得られた測定値変動をプロットしている。具体的には、ch1の光ファイバーを用いて得られた結果を◇でプロットし、ch2の光ファイバーを用いて得られた結果を□でプロットしている。また、プロットされた結果に対して最小二乗法を用いて得られた近似直線を図示している。
図3に示すように、恒温槽の温度(光ファイバーの温度)の変動に応じて、測定値が変動していることがわかった。具体的には、ch1の光ファイバーでは0.31mm/℃、ch2の光ファイバーでは0.25mm/℃の変動が生じることがわかった。恒温槽の温度(光ファイバーの温度)が変動すると測定値が変動することから、光ファイバーの温度が変動すると受光素子5で受光する測定光の周波数と参照光の周波数との差が変動するといえる。レーザ光源1から出射されるレーザ光の周波数は、時間に対して線形に変動しているため、光ファイバーの温度が変動すると、測定光の伝搬時間と参照光の伝搬時間との差(伝搬時間差)が変動するといえる。図2に示すように、参照光は光ファイバーで伝送されていないため、伝搬時間差は、光ファイバーで伝送される測定光の伝搬時間が変動することにより生じていると考えられる。このように、光ファイバーの温度の変動が生じる場合には、測定光の伝搬時間が変動することに起因して測定誤差が生じることがわかった。
このような測定誤差を抑制するためには、光ファイバーの温度の変動を抑制することが考えられる。例えば、光ファイバーを一定温度に保った水の中に配置することが考えられる。しかしながら、水の温度を一定に保つための装置を設けることでコストが掛かることになる。
そこで、たとえ、温度変動が生じたとしても測定精度を維持するためには、参照光についても測定光と同様に光ファイバーを用いて伝送することが考えられる。測定光を伝送する光ファイバーと同じ長さや径を有する光ファイバーを用いて参照光を伝送すれば、光ファイバーの温度の変動に応じて、測定光の伝搬時間が変動したとしても、同様に参照光の伝搬時間も変動すると考えられる。そうすると、光ファイバーの温度の変動によって、測定光と参照光との伝搬時間差の変動が抑制されるため、測定精度が高まると考えられる。この考えに基づき構成されたものが、以下に説明する第2の実施形態に係る形状測定装置である。
<第2の実施形態>
以下、添付図面を適宜参照しつつ、本発明の第2の実施形態に係る形状測定装置について説明する。なお、本発明の第1の実施形態と同様の部分についての説明は省略し、主として第1の実施形態と異なる部分について説明する。
図4は、本発明の第2の実施形態に係る形状測定装置の概略図である。なお、本実施形態に係る形状測定装置も第1の実施形態と同様に、距離演算手段6、回転手段7、及び、形状演算手段8を備えているが、図4では図示を省略している。また、図4では、レーザ光を破線で示しており、破線上に示される矢印はレーザ光が伝搬する向きを意味する。図4に示すように、本実施形態のFSFレーザ距離計102Aは、第4の光ファイバー10と、第5の集光レンズ20とを更に具備する。第4の光ファイバー10の一端部は、筐体9Aの内部に挿通されている。本実施形態の筐体9Aは、第2のミラー95と、第4の集光レンズ96とをそれぞれ2つずつ更に収容している。レーザ光源1から出射され第1のビームスプリッタ91で反射したレーザ光は、第2のミラー95で反射する。第4の集光レンズ96は、第2のミラー95で反射したレーザ光を集光する。第4の光ファイバー10は、第4の集光レンズ96により集光されたレーザ光を第4の光ファイバー10の一端面で受光するように設けられている。第4の光ファイバー10に伝送されたレーザ光は、反射源Rに向けて投光される。具体的には、第4の光ファイバー10から投光されたレーザ光は、第5の集光レンズ20により集光される。第5の集光レンズ20により集光されたレーザ光は、反射源Rに向けて投光される。
レーザ光源1から出射され反射源Rで反射したレーザ光(参照光)は、第5の集光レンズ20により集光される。第5の集光レンズ20により集光された参照光は、第4の光ファイバー10の他端面で受光される。第4の光ファイバー10は、受光した参照光を伝送し、第4の集光レンズ96に向けて投光する。第4の集光レンズ96に向けて投光された参照光は、第4の集光レンズ96により集光される。受光素子5は、第4の集光レンズ96により集光され、第2のミラー95で反射し、第1のビームスプリッタ91を透過し、第2のビームスプリッタ94で反射した参照光を受光する。
このように、参照光も光ファイバーを用いて伝送することによれば、光ファイバーの温度の変動によって、測定光と参照光との伝搬時間差の変動を抑制することが可能である。このため、測定精度を高めることが可能である。図3に示すch1の光ファイバーで測定光を伝送し、ch2の光ファイバーで参照光を伝送すれば、0.06(=0.31−0.25)mm/℃の変動に抑制できると考えられる。
ただし、図3に示すように、同じ径及び長さを有する光ファイバーであっても、光ファイバーの温度変動に対する測定値変動の割合が異なっていることがわかる。このように、光ファイバー毎に、測定値変動の個体差があるため、測定光を伝送する光ファイバーと同じ径及び長さを有する光ファイバーを用いて参照光を伝送したとしても、個体差に起因する測定誤差が生じることになる。
そこで、光ファイバーの個体差に起因する測定誤差を抑制するために、測定光を伝送する光ファイバーを用いて参照光も伝送することが考えられる。同一の光ファイバーを用いて測定光及び参照光を伝送すれば、光ファイバーの温度が変動したとしても、測定光の伝搬時間の変動は、参照光の伝搬時間の変動と同一であると考えられる。そうすると、光ファイバーの個体差に起因する測定光と参照光との伝搬時間差の変動が生じないため、測定精度が高まると考えられる。この考えに基づき構成されたものが、以下に説明する第3の実施形態に係る形状測定装置である。
<第3の実施形態>
以下、添付図面を適宜参照しつつ、本発明の第3の実施形態に係る形状測定装置について説明する。なお、これまでに述べた本発明の第1の実施形態及び第2の実施形態と同様の部分についての説明は省略し、主として第1の実施形態及び第2の実施形態と異なる部分について説明する。
図5は、本発明の第3の実施形態に係る形状測定装置の概略図である。なお、本実施形態に係る形状測定装置も第1の実施形態及び第2の実施形態と同様に、距離演算手段6、回転手段7、及び、形状演算手段8を備えているが、図5では図示を省略している。また、図5では、レーザ光を破線で示しており、破線上に示される矢印はレーザ光が伝搬する向きを意味する。図5に示すように、本実施形態のFSFレーザ距離計102Bは、第1の集光レンズ92Bと、第2の集光レンズ93Bとがそれぞれ2つずつ内部に収容された筐体9Bを備える。第1の集光レンズ92Bは、レーザ光源1から出射されるレーザ光を集光する。第1の光ファイバー2は、第1の集光レンズ92Bにより集光されたレーザ光を第1の光ファイバー2の端面で受光するように設けられている。そして、第1の光ファイバー2は、受光したレーザ光を測定ヘッド3の第1ポート311に伝送する。
本実施形態では、第3の光ファイバー32のレーザ光投光側の端面の近傍(第3の集光レンズ33との間)に設けられた空隙Rが反射源とされている。光サーキュレータ31は、第1の光ファイバー2を介して第1ポート311に伝送されたレーザ光を第3ポート313から第3の光ファイバー32に伝送する。第3の光ファイバー32と空隙Rとの屈折率が異なるため、第3の光ファイバー32から出射されるレーザ光は、空隙Rと第3の光ファイバー32の端面との界面で、反射するレーザ光と透過するレーザ光とに分離されることになる。その結果、レーザ光源1から出射されて、空隙Rと第3の光ファイバー32の端面との界面で反射したレーザ光は参照光となり、空隙Rと第3の光ファイバー32の端面との界面を透過したレーザ光は被測定管Pの表面で反射して測定光となる。
測定ヘッド3は、被測定管Pの表面で反射した測定光を受光する。光サーキュレータ31は、被測定管Pの表面で反射し、第3の光ファイバー32を介して第3ポート313に伝送された測定光を第2ポート312から第2の光ファイバー4に伝送する。また、測定ヘッド3は、空隙Rと第3の光ファイバー32の端面との界面で反射し、第3の光ファイバー32を介して第3ポート313に伝送された参照光を第2ポート312から第2の光ファイバー4に伝送する。第2の集光レンズ93Bは、第2の光ファイバー4から出射された測定光及び参照光を集光する。受光素子5は、第2の集光レンズ93Bにより集光された測定光及び参照光を受光する。
受光素子5で受光する参照光及び測定光は、共に同一の第1〜第3の光ファイバー2、4、32を介して伝送されることになる。レーザ光が、レーザ光源1から出射されてから、空隙Rと第3の光ファイバー32の端面との界面に到達するまでの伝搬時間や、該界面又は被測定管Pで反射したレーザ光が、該界面から受光素子5に到達するまでの伝搬時間は、測定光でも参照光でも同じである。このため、受光素子5で受光した測定光と参照光との伝搬時間差は、第1〜第3の光ファイバー2、4、32に起因して変動しないことになる。つまり、受光素子5で受光した測定光の周波数と参照光の周波数との差は、第1〜第3の光ファイバー2、4、32に起因して変動しない。第1〜第3の光ファイバー2、4、32の寸法公差に起因して、受光素子5で受光した測定光の周波数と参照光の周波数との差が変動しないため、より精度良く、測定ヘッド3の第1のミラー34から被測定管Pの表面までの距離を測定することができる。
図6は、本発明の第3の実施形態に係る形状測定装置によって被測定管Pの端部の内径(内半径)を測定した結果の一例を示すグラフである。回転手段7によって測定ヘッド3を被測定管Pの周方向に沿って5回転させることで、被測定管Pの同一箇所を5回連続して測定したところ、測定値のバラツキは2σ=0.03〜0.04mmであった。また、3次元測定器による測定値を真値とした場合の誤差は、2σ=0.05mmであった。
このように、本実施形態に係る形状測定装置を用いれば、被測定管Pの形状を精度良く測定可能であることがわかった。
本発明は、上記第1〜第3の実施形態の構成に限られるものではなく、発明の趣旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、第1の光ファイバー2、測定ヘッド3、第2の光ファイバー4、受光素子5がそれぞれ2つの場合を説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、それぞれ1つであっても、3つ以上であってもよい。
1・・・レーザ光源
2・・・第1の光ファイバー
3・・・測定ヘッド
4・・・第2の光ファイバー
5・・・受光素子
6・・・距離演算手段
7・・・回転手段
8・・・形状演算手段
9、9A、9B・・・筐体
31・・・光サーキュレータ
311・・・第1ポート
312・・・第2ポート
313・・・第3ポート
32・・・第3の光ファイバー
33・・・第3の集光レンズ
71・・・回転モータ
72・・・回転シャフト
73・・・アーム
100・・・管の形状測定装置
101、101A、101B・・・管の表面までの距離測定装置
102、102A、102B・・・FSFレーザ距離計
P・・・被測定管
R・・・反射源、空隙

Claims (5)

  1. 時間に対して周波数が線形に変動するレーザ光を被測定管の表面及び所定の反射源に向けて投光し、該被測定管の表面及び該反射源で反射したレーザ光を受光することで、該被測定管までの距離を測定するFSFレーザ距離計を備え、
    前記FSFレーザ距離計は、前記FSFレーザ距離計から投光され前記被測定管の表面で反射したレーザ光を測定光として受光し、前記FSFレーザ距離計から投光され前記反射源で反射したレーザ光を参照光として受光して、前記測定光の周波数と前記参照光の周波数との差に基づき、前記被測定管の表面までの距離を演算することを特徴とする管の表面までの距離測定装置。
  2. 前記FSFレーザ距離計は、
    レーザ光を出射するレーザ光源と、
    前記被測定管の表面に対向配置され、前記レーザ光源から出射されたレーザ光を前記被測定管の表面に向けて投光すると共に、前記測定光を受光して出射する測定ヘッドと、
    前記測定ヘッドから出射された前記測定光と、前記参照光とを受光する受光素子と、
    前記レーザ光源と前記測定ヘッドとを連結し、前記レーザ光源から出射されたレーザ光を前記測定ヘッドに伝送する第1の光ファイバーと、
    前記測定ヘッドと前記受光素子とを連結し、前記測定ヘッドから出射された前記測定光を前記受光素子に伝送する第2の光ファイバーと、
    前記受光素子で受光した前記測定光の周波数と前記参照光の周波数との差に基づき、前記測定ヘッドから前記被測定管の表面までの距離を演算する距離演算手段とを具備することを特徴とする請求項1に記載の管の表面までの距離測定装置。
  3. 前記FSFレーザ距離計は、前記被測定管の表面の異なる部位にそれぞれレーザ光を投光する複数の前記測定ヘッドと、該測定ヘッドと同数の複数の前記受光素子と、該測定ヘッドと同数の複数の前記第1の光ファイバーと、該測定ヘッドと同数の複数の前記第2の光ファイバーとを具備し、
    前記複数の第1の光ファイバーのそれぞれは、前記レーザ光源と前記複数の測定ヘッドのそれぞれとを連結し、
    前記レーザ光源から出射されたレーザ光は、前記複数の第1の光ファイバーのそれぞれを介して前記複数の測定ヘッドのそれぞれに伝送され、
    前記複数の第2の光ファイバーのそれぞれは、前記複数の測定ヘッドのそれぞれと前記複数の受光素子のそれぞれとを連結し、
    前記複数の測定ヘッドのそれぞれから出射された前記測定光は、前記複数の第2の光ファイバーのそれぞれを介して前記複数の受光素子のそれぞれに伝送され、
    前記距離演算手段は、前記複数の受光素子のそれぞれで受光した前記測定光の周波数と前記参照光の周波数との差に基づき、前記複数の受光素子のそれぞれに連結された前記測定ヘッドから前記被測定管の表面までの距離を演算することを特徴とする請求項2に記載の管の表面までの距離測定装置。
  4. 前記FSFレーザ距離計は、
    前記第1の光ファイバーを介して伝送されたレーザ光を前記被測定管の表面に向けて投光するために、少なくとも一方の端面が前記測定ヘッド内に位置し、該端面からレーザ光を投光する第3の光ファイバーと、
    前記第1の光ファイバーが連結された第1ポート、前記第2の光ファイバーが連結された第2ポート、及び、前記第3の光ファイバーが連結された第3ポートを具備する光サーキュレータとを備え、
    前記光サーキュレータは、前記第1の光ファイバーを介して前記第1ポートに伝送されたレーザ光を前記第3ポートから前記第3の光ファイバーに伝送すると共に、前記第3の光ファイバーを介して前記第3ポートに伝送された前記測定光を前記第2ポートから前記第2の光ファイバーに伝送するように構成されており、
    前記測定ヘッド内に位置する前記第3の光ファイバーのレーザ光投光側の端面の近傍、又は、前記光サーキュレータの前記第3ポートと前記第3の光ファイバーの反対側の端面との間に前記反射源が設けられていることを特徴とする請求項2又は3に記載の管の表面までの距離測定装置。
  5. 請求項1から4の何れかに記載の距離測定装置と、
    前記距離測定装置が備える前記FSFレーザ距離計を前記被測定管の周方向に沿って相対的に回転させる回転手段と、
    前記回転手段によって前記FSFレーザ距離計を相対的に回転させながら前記距離測定装置で測定した該被測定管の表面までの距離に基づき、前記被測定管の周方向の形状を演算する形状演算手段とを備えることを特徴とする管の形状測定装置。
JP2014170230A 2014-08-25 2014-08-25 管の表面までの距離測定装置、及びこれを用いた管の形状測定装置 Pending JP2016045107A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014170230A JP2016045107A (ja) 2014-08-25 2014-08-25 管の表面までの距離測定装置、及びこれを用いた管の形状測定装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014170230A JP2016045107A (ja) 2014-08-25 2014-08-25 管の表面までの距離測定装置、及びこれを用いた管の形状測定装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016045107A true JP2016045107A (ja) 2016-04-04

Family

ID=55635792

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014170230A Pending JP2016045107A (ja) 2014-08-25 2014-08-25 管の表面までの距離測定装置、及びこれを用いた管の形状測定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016045107A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107063116A (zh) * 2017-03-07 2017-08-18 宁波钢铁有限公司 一种测量热轧钢卷卷形的装置
CN110220469A (zh) * 2018-03-01 2019-09-10 株式会社三丰 用于透明管的内径测量的方法和设备
JP2019191050A (ja) * 2018-04-26 2019-10-31 アダマンド並木精密宝石株式会社 光イメージング用プローブ及び光学式測定装置
JP2020046368A (ja) * 2018-09-20 2020-03-26 日本製鉄株式会社 距離測定方法及び距離測定装置
JP2020051892A (ja) * 2018-09-27 2020-04-02 日立金属株式会社 計測システムおよび穴付きシャフトの製造方法
CN111238386A (zh) * 2019-11-26 2020-06-05 中国航空工业集团公司北京长城计量测试技术研究所 发动机管道最小间距测量方法
JP2021067504A (ja) * 2019-10-18 2021-04-30 Jfeスチール株式会社 管端形状測定装置、管端形状測定方法、及び鋼管の製造方法

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0678886B2 (ja) * 1989-05-31 1994-10-05 川崎製鉄株式会社 管端アプセット部の長さ測定ヘッドとその測定方法
JPH0711412B2 (ja) * 1990-07-05 1995-02-08 住友金属工業株式会社 管体の形状測定装置
JPH1164220A (ja) * 1997-08-15 1999-03-05 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 光学薄膜の特性モニタ装置
JP2007147369A (ja) * 2005-11-25 2007-06-14 Yamatake Corp レーザ測長器
JP2008145188A (ja) * 2006-12-07 2008-06-26 Fujifilm Corp 光断層画像化装置
JP2013117621A (ja) * 2011-12-02 2013-06-13 Olympus Corp 測距機能付内視鏡

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0678886B2 (ja) * 1989-05-31 1994-10-05 川崎製鉄株式会社 管端アプセット部の長さ測定ヘッドとその測定方法
JPH0711412B2 (ja) * 1990-07-05 1995-02-08 住友金属工業株式会社 管体の形状測定装置
JPH1164220A (ja) * 1997-08-15 1999-03-05 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 光学薄膜の特性モニタ装置
JP2007147369A (ja) * 2005-11-25 2007-06-14 Yamatake Corp レーザ測長器
JP2008145188A (ja) * 2006-12-07 2008-06-26 Fujifilm Corp 光断層画像化装置
JP2013117621A (ja) * 2011-12-02 2013-06-13 Olympus Corp 測距機能付内視鏡

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107063116A (zh) * 2017-03-07 2017-08-18 宁波钢铁有限公司 一种测量热轧钢卷卷形的装置
CN110220469A (zh) * 2018-03-01 2019-09-10 株式会社三丰 用于透明管的内径测量的方法和设备
CN110220469B (zh) * 2018-03-01 2022-04-05 株式会社三丰 用于透明管的内径测量的方法和设备
JP2019191050A (ja) * 2018-04-26 2019-10-31 アダマンド並木精密宝石株式会社 光イメージング用プローブ及び光学式測定装置
JP7058869B2 (ja) 2018-04-26 2022-04-25 アダマンド並木精密宝石株式会社 光イメージング用プローブ及び光学式測定装置
JP2020046368A (ja) * 2018-09-20 2020-03-26 日本製鉄株式会社 距離測定方法及び距離測定装置
JP2020051892A (ja) * 2018-09-27 2020-04-02 日立金属株式会社 計測システムおよび穴付きシャフトの製造方法
JP7087885B2 (ja) 2018-09-27 2022-06-21 日立金属株式会社 計測システムおよび穴付きシャフトの製造方法
JP2021067504A (ja) * 2019-10-18 2021-04-30 Jfeスチール株式会社 管端形状測定装置、管端形状測定方法、及び鋼管の製造方法
CN111238386A (zh) * 2019-11-26 2020-06-05 中国航空工业集团公司北京长城计量测试技术研究所 发动机管道最小间距测量方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2016045107A (ja) 管の表面までの距離測定装置、及びこれを用いた管の形状測定装置
CN108152013B (zh) 光电系统跟瞄精度测量装置光路调校方法
JP4776473B2 (ja) 光軸偏向型レーザ干渉計、その校正方法、補正方法、及び、測定方法
US20190078883A1 (en) Surveying Instrument
JP5504068B2 (ja) 変位検出装置
US11566897B2 (en) Surveying instrument and method of calibrating a survey instrument
US9046349B2 (en) Method and device for contactless determination of the thickness of a web of material, including correction of the alignment error
US7889326B2 (en) Distance measuring apparatus
JP2016080409A (ja) 距離測定装置
EP4300032A1 (en) Apparatus and method for detecting radiation deflected from a rotating component
JP6043623B2 (ja) 内径測定装置
CN109799078B (zh) 利用莫尔条纹放大作用的平行光管焦距测量装置及方法
US8643831B1 (en) Distance to angle metrology system (DAMS) and method
JP6150014B2 (ja) ひずみ測定方法、及びひずみ測定システム
JP3245003B2 (ja) 距離計測装置及びその方法
US20170059686A1 (en) Systems, methods, and apparatus for optical bore sight error measurement and correction
US9891428B2 (en) Optical measurement system, measurement method for errors of rotating platform, and two dimensional sine wave annulus grating
JP2014145684A (ja) 測定装置
US20240003678A1 (en) Apparatus and method for transmitting radiation to a rotating component
JP2014085158A (ja) 透明体の平行度測定装置および透明体の平行度測定方法
RU2482448C2 (ru) Оптическая измерительная система для определения взаимного расположения элементов в пространстве, способ и устройство регистрации оптического излучения для использования в ней
JP2007303850A (ja) 光波測距装置
JP2006267085A (ja) 非球面レンズの偏心測定装置及び偏心測定方法。
JP2010230400A (ja) 光学式変位計
RU2603999C1 (ru) Лазерный измеритель непрямолинейности

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170405

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180131

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180206

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180330

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180529

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20181120