JP2016045107A - 管の表面までの距離測定装置、及びこれを用いた管の形状測定装置 - Google Patents
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Abstract
Description
被測定管の表面までの距離の変動量が一つの距離測定装置の測定レンジに収まらない場合に、距離測定装置を被測定管の径方向に複数設置することも考えられる。しかしながら、複数の距離測定装置を用いることによる装置の大型化やメンテナンス性の悪化、距離測定装置の製造コストの上昇、設置位置が限られる、といった問題が生じる。
ここで、被測定物及び反射源が固定位置に設けられていると考えた場合、測定光の伝搬時間と参照光の伝搬時間との差は一定となる。レーザ光源から出射されるレーザ光の周波数は時間に対して線形に変動するため、受光素子で受光する測定光の周波数と参照光の周波数との差も一定となる。
一方、参照光を反射する反射源の位置を固定し、被測定物をこの固定位置から少し離れて設置した場合、参照光の伝搬時間は一定であるが、測定光の伝搬時間は(被測定物の距離変化/光速度)分だけ長くなる。そして、受光素子で受光する測定光の周波数は、参照光の周波数に対して、(周波数の単位時間当たりの変化)×(被測定物の距離変化/光速度)分だけ大きくなる。従い、受光素子で受光する測定光の周波数と参照光の周波数との差は、被測定物の距離変化に比例して変化する。
このため、測定光の周波数と参照光の周波数との差(ビート周波数)を検出することで、測定光の光路長と参照光の光路長との差(光路差)を算出することが可能である。実際の測定においても反射源は固定位置に設けられるため、参照光の光路長は一定であり、光路差と参照光の光路長とから測定光の光路長を算出することができる。従って、受光した測定光の周波数と参照光の周波数との差に基づいて被測定物までの距離を測定することが可能である。FSFレーザ距離計は受光した測定光の周波数と参照光の周波数との差に基づいて距離を測定するという原理に鑑みれば、被測定物及び反射源で反射したレーザ光が減衰して受光量が過度に小さくならない限り、距離を測定することが可能であるといえる。このため、原理的に、FSFレーザ距離計は、三角測距を原理とするレーザ距離計に比べて、一定以上の測定精度を確保しつつ、広い測定レンジが得られるといえる。
被測定管の外径分布、内径分布、肉厚分布を測定する場合には、例えば、FSFレーザ距離計を被測定管の周方向に沿って相対的に回転させながら被測定管の表面までの距離を測定することが考えられる。前述したように、FSFレーザ距離計によれば、広い測定レンジで被測定管の表面までの距離を測定することができる。このため、外径分布を測定する場合では、種々の被測定管の外面が位置する範囲よりも外方の固定位置にFSFレーザ距離計を配置することにより、同一のFSFレーザ距離計によって、種々の被測定管の外径分布を測定することができる。一方、内径分布を測定する場合では、種々の被測定管の内面が位置する範囲よりも内方の固定位置にFSFレーザ距離計を配置することにより、同一のFSFレーザ距離計によって、種々の被測定管の内径分布を測定することができる。そして、外径測定値及び内径測定値を用いることにより、肉厚分布を測定することができる。
例えば、ラインパイプのように外径や内径が大きく変わる被測定管の外径分布、内径分布、肉厚分布を測定する場合であっても、FSFレーザ距離計を径方向に移動させて、FSFレーザ距離計の位置を調整する必要がないと考えられる。このため、FSFレーザ距離計の位置を調整する手間が掛からない。
前述のように、距離測定装置を被測定管の径方向に移動させる移動手段の機械ガタは、長期使用や多数回使用による機械磨耗によって増大するおそれがある。この様な機械磨耗は、例えば、被測定管の特定の径に対する設定位置で磨耗が大きくなる等、管理が難しい。その結果、測定精度の長期安定性や精度管理の困難さに伴う信頼性の低下が問題となる。FSFレーザ距離計を用いれば、上記の問題を大幅に軽減できる。すなわち、移動手段の機械ガタやその増大のおそれが無くなる。よって、従来に比べて、長期に亘って安定して精度を維持することができる。また、被測定管の特定の径に対する機械磨耗による誤差が生じることもない。従って、特定の径を有する数点の基準サンプルを測定することで、精度の管理が可能になる。すなわち、精度維持管理が容易となり、信頼性が大きく向上する。
すなわち、前記課題を解決するため、本発明は、時間に対して周波数が線形に変動するレーザ光を被測定管の表面及び所定の反射源に向けて投光し、該被測定管の表面及び該反射源で反射したレーザ光を受光することで、該被測定管までの距離を測定するFSFレーザ距離計を備え、前記FSFレーザ距離計は、前記FSFレーザ距離計から投光され前記被測定管の表面で反射したレーザ光を測定光として受光し、前記FSFレーザ距離計から投光され前記反射源で反射したレーザ光を参照光として受光して、前記測定光の周波数と前記参照光の周波数との差に基づき、前記被測定管の表面までの距離を演算することを特徴とする管の表面までの距離測定装置を提供する。
また、本発明に係る距離測定装置によれば、前述したように、被測定管の外径又は内径が変動することに起因して被測定管の表面までの距離が大きく変動したとしても、FSFレーザ距離計を適用することで、被測定管の表面までの距離を効率的に精度良く測定することができる。
なお、本発明においては、距離測定時に参照光の光路長が一定でありさえすれば良い。このため、本発明における「所定の反射源」には、例えば、両端がFSFレーザ距離計に連結された一定長さのループ状の光ファイバーも含まれる。この場合、本発明における「前記FSFレーザ距離計から投光され前記反射源で反射したレーザ光を参照光として受光」という語句は、「前記FSFレーザ距離計から投光され、該FSFレーザ距離計に両端が連結された一定長さのループ状の光ファイバーで伝送されて戻ってきたレーザ光を参照光として受光」することを意味する。
なお、第1の光ファイバーと第2の光ファイバーとは、必ずしも完全に別体にする必要はなく、第1の光ファイバーのレーザ光源側の端部と、第2の光ファイバーの受光素子側の端部とが分岐されている限り、両ファイバーを一体にすることも可能である。
第1の光ファイバーは、レーザ光源と測定ヘッドとを連結し、レーザ光源から出射されたレーザ光を測定ヘッドに伝送する。このため、レーザ光源と測定ヘッドとを連結する第1の光ファイバーの長さに応じて、レーザ光源から離間した位置に測定ヘッドを配置することができる。第2の光ファイバーは、測定ヘッドと受光素子とを連結し、測定ヘッドから出射された測定光を受光素子に伝送する。このため、測定ヘッドと受光素子とを連結する第2の光ファイバーの長さに応じて、受光素子から離間した位置に測定ヘッドを配置することができる。このように、レーザ光源及び受光素子から離間した位置に測定ヘッドを配置することができる。
斯かる好ましい構成によれば、FSFレーザ距離計は、時間に対して周波数が線形に変動するレーザ光を出射する光学系(レーザ光源)と、被測定管の表面に向けてレーザ光を投光すると共に、測定光を受光して出射する光学系(測定ヘッド)と、測定光及び参照光を受光する光学系(受光素子)とを具備する。前述したように、測定ヘッドは、レーザ光源及び受光素子から離間した位置に配置することができる。つまり、被測定管の表面に向けてレーザ光を投光すると共に、測定光を受光して出射する光学系(測定ヘッド)のみを分離することができる。このため、被測定管の周辺には測定ヘッドのみを配置することが可能となり、上記光学系の全体を一体化する場合と異なり設置スペースの制約を受け難い。特に、被測定管の内面までの距離を測定する場合に有効である。
また、レーザ光源や受光素子を備えるFSFレーザ距離計は、管の製造工場のような悪環境、すなわち、大きな振動が頻発したり、温度・湿度の比較的大きな変動があったり、粉塵や油滴・水滴が空気中に多く漂うような環境では、精度劣化や故障の危険性が増大する。また、レーザ光源や受光素子の点検・整備は、粉塵や油滴・水滴が空気中に多く漂うような環境では不可能である。上記好ましい構成のように、光ファイバーによって測定ヘッドを大きく離隔することにより、レーザ光源、受光素子、距離演算手段を、これら工場の悪環境から隔離し、適切な環境を整えた場所に設置することが可能となるため、長期安定測定、信頼性向上、メンテ性の容易化等に貢献することができる。
例えば、被測定管の内部に測定ヘッドを配置して、距離演算手段が受光素子で受光した測定光の周波数と参照光の周波数との差に基づき、測定ヘッドから被測定管の内面までの距離を演算する。具体的には、測定光の周波数と参照光の周波数との差であるビート周波数を検出することにより、測定光と参照光との光路差(測定光の光路長と参照光の光路長との差)を算出する。前述したように、参照光の光路長は一定の値となるため、測定光の光路長を算出することができる。前述したように、測定光は、レーザ光源から出射され、測定ヘッドから被測定管の表面に向けて投光され、なお且つ、被測定管の表面で反射したレーザ光である。このため、測定光の光路長は、レーザ光源から測定ヘッドまでの光路長と、測定ヘッドから被測定管の内面までの光路長の2倍の光路長と、測定ヘッドから受光素子までの光路長との和である。レーザ光源から測定ヘッドまでの光路長は、レーザ光源と測定ヘッドとを連結する第1の光ファイバーの長さに応じて決まる。また、測定ヘッドから受光素子までの光路長は、測定ヘッドと受光素子とを連結する第2の光ファイバーの長さに応じて決まる。このため、上記光路長から、測定ヘッドから被測定管の内面までの光路長を演算することができる。つまり、被測定管の内面までの距離を測定することができる。一方、測定ヘッドを被測定管の外面の外方に配置することで、上記と同様に、被測定管の外面までの距離を測定することができる。
参照光と測定光とは、共に同一の第1の光ファイバー及び第2の光ファイバーを介して伝送されることになる。また、第3の光ファイバーのレーザ光投光側の端面の近傍に反射源としての空隙を設けた場合には、参照光と測定光とは、第1の光ファイバー及び第2の光ファイバーに加えて更に同一の第3の光ファイバーを介して伝送されることになる。レーザ光が、レーザ光源から出射されてから、空隙と第3の光ファイバーの端面との界面に到達するまでの伝搬時間や、該界面又は被測定管で反射したレーザ光が、該界面から受光素子に到達するまでの伝搬時間は、測定光でも参照光でも同じである。このため、受光した測定光と参照光との伝搬時間差は、第1の光ファイバーや第2の光ファイバーに起因して変動しないことになる。つまり、受光した測定光の周波数と参照光の周波数との差は、第1の光ファイバーや第2の光ファイバーに起因して変動しない。第3の光ファイバーのレーザ光投光側の端面の近傍に反射源を設けた場合には、第1〜第3の光ファイバーの全てに起因して変動しない。第1の光ファイバーや第2の光ファイバーの寸法公差(第3の光ファイバーのレーザ光投光側の端面の近傍に反射源を設けた場合には、第3の光ファイバーの寸法公差も含む)に起因して、受光した測定光の周波数と参照光の周波数との差が変動しないため、より精度良く測定ヘッドから被測定管の表面までの距離を測定することができる。
形状演算手段は、回転手段によってFSFレーザ距離計を相対的に回転させながら距離測定装置で測定した該被測定管の表面までの距離に基づき、被測定管の周方向の形状を演算する。回転手段によってFSFレーザ距離計を相対的に回転させながら距離測定装置で被測定管の表面までの距離を測定するため、形状演算手段は、周方向の被測定管の表面までの距離の分布を得ることができる。距離測定装置が被測定管の外面までの距離を測定することで、被測定管の外径の分布を得ることができる。また、距離測定装置が被測定管の内面までの距離を測定することで、被測定管の内径の分布を得ることができる。被測定管の外径及び内径の分布を得ることによって、被測定管の肉厚の分布を得ることができる。形状演算手段は、被測定管の外径、内径及び肉厚の分布を得ることにより、被測定管の周方向の形状を演算することができる。
以下、添付図面を適宜参照しつつ、本発明の第1の実施形態に係る管の形状測定装置(以下、適宜、「形状測定装置」と略称する)について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る管の形状測定装置の概略図である。
距離測定装置101は、FSFレーザ距離計(周波数シフト帰還型レーザ距離計)102を備える。FSFレーザ距離計102は、時間に対して周波数が線形に変動するレーザ光を被測定管Pの表面及び所定の反射源Rに向けて投光し、該被測定管Pの表面及び該反射源Rで反射したレーザ光を受光することで、該被測定管Pまでの距離を測定する。具体的には、FSFレーザ距離計102は、FSFレーザ距離計102から投光され被測定管Pの表面で反射したレーザ光を測定光として受光し、FSFレーザ距離計102から投光され予め定められた固定位置に設けられた反射源Rで反射したレーザ光を参照光として受光して、測定光の周波数と参照光の周波数との差に基づき、被測定管Pの表面までの距離を演算する。なお、図1では、レーザ光を破線で示しており、破線上に示される矢印はレーザ光が伝搬する向きを意味する。
レーザ光源1は、内部に音響光学素子(図示せず)が設けられた共振器(図示せず)を有する。このため、レーザ光が共振器内を周回する毎に、音響光学素子によってレーザ光の周波数が変調される。その結果、レーザ光源1は、時間に対して周波数が線形に変動するレーザ光を出射する。2本の第1の光ファイバー2のそれぞれは、レーザ光源1と2つの測定ヘッド3のそれぞれとを連結する。具体的には、本実施形態のFSFレーザ距離計102は、第1のビームスプリッタ91と、第1の集光レンズ92と、第2の集光レンズ93と、第2のビームスプリッタ94とがそれぞれ2つずつ内部に収容された筐体9を更に具備する。レーザ光源1、2つの受光素子5及び2つの反射源Rも筐体9内に収容されている。また、第1の光ファイバー2及び第2の光ファイバー4も筐体9内に収容されている。さらに、後述する2つの光サーキュレータ31も筐体9内に収容され、2本の第3の光ファイバー32の一端部が筐体9の内部に挿通されている。レーザ光源1から出射されるレーザ光は、第1のビームスプリッタ91のそれぞれに投光される。第1の集光レンズ92のそれぞれは、第1のビームスプリッタ91のそれぞれを透過したレーザ光を集光する。第1の光ファイバー2のそれぞれは、第1の集光レンズ92のそれぞれにより集光されたレーザ光を第1の光ファイバー2の端面で受光するように設けられている。そして、第1の光ファイバー2のそれぞれは、受光したレーザ光を測定ヘッド3のそれぞれに伝送する。本実施形態では、レーザ光源1から出射されたレーザ光は、2本の第1の光ファイバー2のそれぞれを介して2つの測定ヘッド3のそれぞれに伝送される。レーザ光源1から出射されたレーザ光を2本の第1の光ファイバー2のそれぞれに分岐させる(第1のビームスプリッタ91のそれぞれに分岐させる)構成としては、レーザ光源1から出射されたレーザ光をビームスプリッタ(図示せず)に投光することを例示できる。
本実施形態のFSFレーザ距離計102は、光サーキュレータ31と、各測定ヘッド3内に少なくとも一方の端面が位置し、該端面からレーザ光を投光する第3の光ファイバー32とを備える。また、測定ヘッド3のそれぞれは、第3の集光レンズ33と、第1のミラー34とを備える。光サーキュレータ31は、第1の光ファイバー2が連結された第1ポート311と、第2の光ファイバー4が連結された第2ポート312と、第3の光ファイバー32が連結された第3ポート313とを具備する。光サーキュレータ31は、第1の光ファイバー2を介して第1ポート311に伝送されたレーザ光を第3ポート313から第3の光ファイバー32に伝送する。第3の光ファイバー32に伝送されたレーザ光は、被測定管Pの表面に向けて投光される。本実施形態では、第3の光ファイバー32から投光されたレーザ光は、第3の集光レンズ33により集光される。第3の集光レンズ33により集光されたレーザ光は、第1のミラー34で反射し、被測定管Pの表面に向けて投光される。
被測定管Pの表面で反射したレーザ光(測定光)は、第1のミラー34で反射し、第3の集光レンズ33により集光される。第3の集光レンズ33により集光された測定光は、第3の光ファイバー32の端面で受光される。第3の光ファイバー32は、受光した測定光を第3ポート313に伝送する。光サーキュレータ31は、第3の光ファイバー32を介して第3ポート313に伝送された測定光を第2ポート312から出射する。第2ポート312から出射された測定光は、第2の光ファイバー4に伝送される。
本実施形態では、第2の集光レンズ93は、第2の光ファイバー4から出射された測定光を集光する。受光素子5は、第2の集光レンズ93により集光され、第2のビームスプリッタ94を透過した測定光を受光する。
本実施形態では、距離演算手段6は、2つの受光素子5のそれぞれで受光した測定光の周波数と参照光の周波数との差に基づき、2つの受光素子5のそれぞれに連結された2つの測定ヘッド3から被測定管Pの表面までの距離を演算する。具体的には、距離演算手段6は、2つの受光素子5のそれぞれで受光した測定光の周波数と参照光の周波数との差を検出できるように構成されている。このため、距離演算手段6は、2つの受光素子5の一方で受光した測定光の周波数と参照光の周波数との差に基づき、2つの受光素子5の一方に連結された測定ヘッド3の第1のミラー34から被測定管Pの外面までの距離を演算することができる。また、距離演算手段6は、2つの受光素子5の他方で受光した測定光の周波数と参照光の周波数との差に基づき、2つの受光素子5の他方に連結された測定ヘッド3の第1のミラー34から被測定管Pの内面までの距離を演算することができる。
回転手段7は、好ましくは、回転モータ71に取り付けられた回転角度検出手段(図示せず)を更に有する。回転角度検出手段によって、回転モータ71が回転させる回転シャフト72の回転角度(すなわち、測定ヘッド3の回転角度)が検出される。回転角度検出手段としては、エンコーダを例示できる。
図2に示すように、評価用の距離測定装置101は、前述した第1の実施形態と同様の構成を有し、固定位置に設けられたサンプルまでの距離を測定する。第3の光ファイバー32、32’の長さは15mであり、その内の10mが恒温槽の内部に位置している。そして、恒温槽の温度を光ファイバーの温度としてサンプルまでの距離の測定を行った。図3は、図2に示す装置で得られた光ファイバーの温度と測定値変動との関係を示すグラフである。横軸は恒温槽の温度(光ファイバーの温度)を示し、縦軸は、恒温槽の温度が30℃のときに得られた測定値を基準としたときの各温度での測定値の変動量を示す。図3には、ch1の光ファイバー(第3の光ファイバー32)とch2の光ファイバー(第3の光ファイバー32’)とを用いて得られた測定値変動をプロットしている。具体的には、ch1の光ファイバーを用いて得られた結果を◇でプロットし、ch2の光ファイバーを用いて得られた結果を□でプロットしている。また、プロットされた結果に対して最小二乗法を用いて得られた近似直線を図示している。
以下、添付図面を適宜参照しつつ、本発明の第2の実施形態に係る形状測定装置について説明する。なお、本発明の第1の実施形態と同様の部分についての説明は省略し、主として第1の実施形態と異なる部分について説明する。
図4は、本発明の第2の実施形態に係る形状測定装置の概略図である。なお、本実施形態に係る形状測定装置も第1の実施形態と同様に、距離演算手段6、回転手段7、及び、形状演算手段8を備えているが、図4では図示を省略している。また、図4では、レーザ光を破線で示しており、破線上に示される矢印はレーザ光が伝搬する向きを意味する。図4に示すように、本実施形態のFSFレーザ距離計102Aは、第4の光ファイバー10と、第5の集光レンズ20とを更に具備する。第4の光ファイバー10の一端部は、筐体9Aの内部に挿通されている。本実施形態の筐体9Aは、第2のミラー95と、第4の集光レンズ96とをそれぞれ2つずつ更に収容している。レーザ光源1から出射され第1のビームスプリッタ91で反射したレーザ光は、第2のミラー95で反射する。第4の集光レンズ96は、第2のミラー95で反射したレーザ光を集光する。第4の光ファイバー10は、第4の集光レンズ96により集光されたレーザ光を第4の光ファイバー10の一端面で受光するように設けられている。第4の光ファイバー10に伝送されたレーザ光は、反射源Rに向けて投光される。具体的には、第4の光ファイバー10から投光されたレーザ光は、第5の集光レンズ20により集光される。第5の集光レンズ20により集光されたレーザ光は、反射源Rに向けて投光される。
以下、添付図面を適宜参照しつつ、本発明の第3の実施形態に係る形状測定装置について説明する。なお、これまでに述べた本発明の第1の実施形態及び第2の実施形態と同様の部分についての説明は省略し、主として第1の実施形態及び第2の実施形態と異なる部分について説明する。
このように、本実施形態に係る形状測定装置を用いれば、被測定管Pの形状を精度良く測定可能であることがわかった。
2・・・第1の光ファイバー
3・・・測定ヘッド
4・・・第2の光ファイバー
5・・・受光素子
6・・・距離演算手段
7・・・回転手段
8・・・形状演算手段
9、9A、9B・・・筐体
31・・・光サーキュレータ
311・・・第1ポート
312・・・第2ポート
313・・・第3ポート
32・・・第3の光ファイバー
33・・・第3の集光レンズ
71・・・回転モータ
72・・・回転シャフト
73・・・アーム
100・・・管の形状測定装置
101、101A、101B・・・管の表面までの距離測定装置
102、102A、102B・・・FSFレーザ距離計
P・・・被測定管
R・・・反射源、空隙
Claims (5)
- 時間に対して周波数が線形に変動するレーザ光を被測定管の表面及び所定の反射源に向けて投光し、該被測定管の表面及び該反射源で反射したレーザ光を受光することで、該被測定管までの距離を測定するFSFレーザ距離計を備え、
前記FSFレーザ距離計は、前記FSFレーザ距離計から投光され前記被測定管の表面で反射したレーザ光を測定光として受光し、前記FSFレーザ距離計から投光され前記反射源で反射したレーザ光を参照光として受光して、前記測定光の周波数と前記参照光の周波数との差に基づき、前記被測定管の表面までの距離を演算することを特徴とする管の表面までの距離測定装置。 - 前記FSFレーザ距離計は、
レーザ光を出射するレーザ光源と、
前記被測定管の表面に対向配置され、前記レーザ光源から出射されたレーザ光を前記被測定管の表面に向けて投光すると共に、前記測定光を受光して出射する測定ヘッドと、
前記測定ヘッドから出射された前記測定光と、前記参照光とを受光する受光素子と、
前記レーザ光源と前記測定ヘッドとを連結し、前記レーザ光源から出射されたレーザ光を前記測定ヘッドに伝送する第1の光ファイバーと、
前記測定ヘッドと前記受光素子とを連結し、前記測定ヘッドから出射された前記測定光を前記受光素子に伝送する第2の光ファイバーと、
前記受光素子で受光した前記測定光の周波数と前記参照光の周波数との差に基づき、前記測定ヘッドから前記被測定管の表面までの距離を演算する距離演算手段とを具備することを特徴とする請求項1に記載の管の表面までの距離測定装置。 - 前記FSFレーザ距離計は、前記被測定管の表面の異なる部位にそれぞれレーザ光を投光する複数の前記測定ヘッドと、該測定ヘッドと同数の複数の前記受光素子と、該測定ヘッドと同数の複数の前記第1の光ファイバーと、該測定ヘッドと同数の複数の前記第2の光ファイバーとを具備し、
前記複数の第1の光ファイバーのそれぞれは、前記レーザ光源と前記複数の測定ヘッドのそれぞれとを連結し、
前記レーザ光源から出射されたレーザ光は、前記複数の第1の光ファイバーのそれぞれを介して前記複数の測定ヘッドのそれぞれに伝送され、
前記複数の第2の光ファイバーのそれぞれは、前記複数の測定ヘッドのそれぞれと前記複数の受光素子のそれぞれとを連結し、
前記複数の測定ヘッドのそれぞれから出射された前記測定光は、前記複数の第2の光ファイバーのそれぞれを介して前記複数の受光素子のそれぞれに伝送され、
前記距離演算手段は、前記複数の受光素子のそれぞれで受光した前記測定光の周波数と前記参照光の周波数との差に基づき、前記複数の受光素子のそれぞれに連結された前記測定ヘッドから前記被測定管の表面までの距離を演算することを特徴とする請求項2に記載の管の表面までの距離測定装置。 - 前記FSFレーザ距離計は、
前記第1の光ファイバーを介して伝送されたレーザ光を前記被測定管の表面に向けて投光するために、少なくとも一方の端面が前記測定ヘッド内に位置し、該端面からレーザ光を投光する第3の光ファイバーと、
前記第1の光ファイバーが連結された第1ポート、前記第2の光ファイバーが連結された第2ポート、及び、前記第3の光ファイバーが連結された第3ポートを具備する光サーキュレータとを備え、
前記光サーキュレータは、前記第1の光ファイバーを介して前記第1ポートに伝送されたレーザ光を前記第3ポートから前記第3の光ファイバーに伝送すると共に、前記第3の光ファイバーを介して前記第3ポートに伝送された前記測定光を前記第2ポートから前記第2の光ファイバーに伝送するように構成されており、
前記測定ヘッド内に位置する前記第3の光ファイバーのレーザ光投光側の端面の近傍、又は、前記光サーキュレータの前記第3ポートと前記第3の光ファイバーの反対側の端面との間に前記反射源が設けられていることを特徴とする請求項2又は3に記載の管の表面までの距離測定装置。 - 請求項1から4の何れかに記載の距離測定装置と、
前記距離測定装置が備える前記FSFレーザ距離計を前記被測定管の周方向に沿って相対的に回転させる回転手段と、
前記回転手段によって前記FSFレーザ距離計を相対的に回転させながら前記距離測定装置で測定した該被測定管の表面までの距離に基づき、前記被測定管の周方向の形状を演算する形状演算手段とを備えることを特徴とする管の形状測定装置。
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