JP2016045003A - ゴム付着の評価方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】タイヤに対するゴム粉の付着しやすさが定量的且つ適切に評価することが可能となるゴム付着評価方法の提供。
【解決手段】タイヤ2を走行させる走行ステップと、走行後の上記タイヤ2のトレッドのプロファイルTP1を測定する第一測定ステップと、上記タイヤ2から、付着したゴムを剥がす剥離ステップと、ゴムが剥がされた後の上記タイヤ2のトレッドのプロファイルTP2を測定する第二測定ステップと、上記第一測定ステップで測定されたプロファイルTP1と、第二測定ステップで測定されたプロファイルTP2との差分から、タイヤ軸方向に沿ったゴム付着量の分布を得る評価ステップとを含んでいる。
【選択図】図3

Description

本発明は、タイヤの走行に伴ってその周面に付着するゴムの量を評価する方法に関する。
レース用タイヤのように限界走行がなされるカテゴリーのタイヤでは、グリップ性能を向上させることが重要である。この目的のために、トレッドゴムとして、一般的な車両のタイヤ(常用車用タイヤ)に較べて粘着性の高いゴムが用いられている。このようなタイヤでは、走行に伴い、路面によって削り取られた微細なゴム(ゴム粉ともいう)がトレッド表面に付着することがある。
このタイヤのトレッド表面に付着したゴム粉は、そのタイヤから削り取られたゴムのみならず、他のタイヤのゴムである場合がある。いずれの場合でも、付着するゴムは、大荷重が負荷されることにより、既に高温の状態となってその組成が変化してしまっている。このため、付着したゴムは、本来のトレッドゴムとしての機能(トラクション、グリップ等)を失っている。このようなゴムがトレッド面に付着したタイヤは、そのトレッド面と路面との間に異物が介在した状態となっている。その結果、タイヤのグリップ性能が低下する。
従来、前述のゴム付着の程度は、タイヤによって異なることが一般的に知られている。ゴム付着に対するタイヤの改善には、同一仕様のタイヤごとにゴム紛の付着しやすさを評価しておくことが必要となる。この評価のためには、実際にタイヤに付着したゴム粉の量を測定するのが望ましい。従来、走行後のタイヤのゴム粉の付着の程度は、目視によって確認されている。この結果に基づいて、ゴム紛の付着しやすさが評価されている。
従来、タイヤの摩耗の程度の測定方法は、特開2008−82709公報、特開平05−264407号公報、特表2005−507337公報等において提案されている。しかし、タイヤへのゴム粉の付着量の効果的な測定方法についての教示は無い。
特開2008−82709公報 特開平05−264407号公報 特表2005−507337公報
前述した目視によるゴム付着の確認は定量的ではない。ゴム付着の目視による確認結果からは、ゴム粉の付着しやすさを適切に評価することが困難である。
本発明の目的は、タイヤのトレッドに付着するゴムの量を定量的に評価しうる方法の提供にある。
本発明に係るゴム付着の評価方法は、
タイヤを走行させる走行ステップと、
走行後の上記タイヤのトレッドのプロファイルを測定する第一測定ステップと、
上記タイヤから、付着したゴムを剥がす剥離ステップと、
この付着したゴムが剥がされた後の上記タイヤのトレッドのプロファイルを測定する第二測定ステップと、
上記第一測定ステップで測定されたプロファイルと、第二測定ステップで測定されたプロファイルとの差分から、タイヤ軸方向に沿ったゴム付着量の分布を得る評価ステップとを含んでいる。
好ましくは、上記評価ステップにおいて、タイヤ軸方向に沿った位置とこの位置におけるゴム付着量とを特定し、タイヤ軸方向にゴム付着量を積分する積分ステップが含まれており、
この積分ステップで算出されたゴム付着量に基づいて、ゴムの付着しやすさを評価する。
好ましくは、上記走行ステップにおいて、上記タイヤがフラットベルト試験装置上で走行させられ、
この走行中に、このタイヤのスリップ角が、走行方向を0°としたときのマイナス角度とプラス角度との間、すなわち右側と左側とに繰り返し変化させられる。
好ましくは、上記剥離ステップにおいて、上記タイヤのトレッド面を加熱し、軟化した付着ゴムを剥ぎ取る。
好ましくは、上記第一測定ステップ及び第二測定ステップのそれぞれにおいて、上記タイヤをその軸回りに回転可能に支持し、このタイヤの軸方向に移動可能なセンサにより、タイヤのトレッド面までの距離を測定する。
本発明に係るゴム付着の評価方法によれば、タイヤに対するゴム粉の付着量を定量的に評価することが可能となる。これにより、タイヤに対するゴム粉の付着しやすさも定量的且つ適切に評価することが可能となる。
図1(a)は、タイヤの走行試験に用いられるフラットベルト試験装置の一例を示す正面図であり、図1(b)は、その左側面図である。 図2は、タイヤのトレッドプロファイルの測定に用いられる距離測定装置の一例を示す正面図である。 図3は、図2に示される測定装置によって測定されたタイヤのトレッドプロファイルの一例を示す断面図である。 図4は、タイヤのトレッドに付着したゴムの量の、タイヤ軸方向に沿った分布を示すグラフである。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
[走行試験装置]
図1には、フラットベルト式のタイヤ走行試験装置4が示されている。この走行試験装置4は、タイヤ2に対するゴム粉の付着しやすさを評価する際の、走行試験に用いられうる。走行試験に、特にフラットベルト試験装置を使用することには限定されない。ドラム式台上試験装置が用いられてもよい。条件が揃えば、レーシングサーキットで実車走行試験が行われてもよい。しかし、試験条件を揃え易いという点から、フラットベルト試験装置を使用するのが好ましい。このフラットベルト試験装置4は、タイヤ支持装置6と、ベルト駆動装置8とを有している。タイヤ支持装置6は、タイヤ2を回転可能に支持する。ベルト駆動装置8は、タイヤ2を回転駆動する。
ベルト駆動装置8は、一対のドラム10と、この一対のドラム10に掛け回された無端ベルト12とを有している。一方のドラム10aが、モータを含むドラム回転駆動装置14によって回転させられる。この一方のドラム10aを駆動ドラムと呼ぶ。他方ドラム10bは従動ドラムである。一対のドラム10によって無端ベルト12が旋回駆動される。
一対のドラム10同士の間の、無端ベルト12の上側部分の内側には、ベルト支持部16が設けられている。このベルト支持部16は、無端ベルト12に対し、無端ベルト12を平坦な状態に維持する力を作用する。この目的のために、ベルト支持部16には、無端ベルト12を下から支持する複数個のローラ(図示せず)、ベルトに下方から加圧水を噴射する複数個のノズル(図示せず)等が備えられてもよい。
無端ベルト12の外周面には路面12aが形成されている。上記タイヤ2は、この路面12aに押圧される。路面12aは、実路面のレプリカ路面である。レプリカ路面12aは、例えば、金属路面、アスファルト路面、コンクリート路面、砂利路面を含む、一般道、サーキット路面等を模して形成することが可能である。
タイヤ支持装置6は、タイヤ回転駆動装置18を備えている。このタイヤ回転駆動装置18は、タイヤ2を回転駆動する電動モータ等(図示せず)を含む。このタイヤ回転駆動装置18の出力軸20にタイヤ2が装着される。タイヤ回転駆動装置18は回転速度の制御が可能である。このタイヤ回転駆動装置18により、タイヤ2は、ベルト駆動装置8に依らなくても回転させられうる。タイヤ支持装置6は、タイヤ2を自由回転状態(回転自在の状態)にすることができる。タイヤ支持装置6は、タイヤ回転駆動装置18の回転を加速、減速、停止する制動機能をも有している。
タイヤ支持装置6は、昇降装置22を有している。この昇降装置22により、タイヤ2が装着されたタイヤ回転駆動装置18が上下動させられる。この昇降装置22により、タイヤ2は無端ベルト12の路面12a上に任意荷重で押圧させられうる。この昇降装置22は、タイヤ2に負荷される荷重を制御する荷重制御手段を備えている。タイヤ2が回転自在の状態で無端ベルト12に押圧され、無端ベルト12が回転すれば、タイヤ2は従動回転する。無端ベルト12が旋回自在の状態で、タイヤ2が押圧されて回転駆動されると、無端ベルト12はこれに対して従動旋回する。タイヤ2及び無端ベルト12ともに、互いに異なる所望の速度で回転駆動されると、タイヤ2にスリップを生じさせうる。
タイヤ支持装置6は、そのタイヤ回転駆動装置18の軸方向を傾斜させうるように構成されている。すなわち、タイヤ支持装置6は、支持したタイヤ2の中心軸の方向を、ドラム10の中心軸方向から上下方向に任意角度傾斜させたり、水平面内に任意角度傾斜させたり、ドラム10の中心軸方向に平行にしたりすることのできる軸線角度制御手段を備えている。この軸線角度制御手段により、タイヤ2には、任意のキャンバー角及びスリップ角を設定することができる。
タイヤ2を支持する部分には、タイヤ2に発生する少なくとも3軸方向の各力を測定するためのロードセル24が取り付けられている。ロードセル24は、無端ベルト12からタイヤ2に対し、無端ベルト12の面に垂直な方向に加わる反力(荷重ともいう)Fz、無端ベルト12とタイヤ2との接線方向の力(前後力ともいう)Fx、及び、無端ベルト12のドラム10の軸方向に加わる反力(横力ともいう)Fyの各力、並びに、セルフアライニングトルクMz、オーバーターニングモーメントMx、及び、転がり抵抗モーメントMyの各回転力を測定しうる方向に取り付けられている。このロードセル24として、6分力ロードセルが用いられてもよい。
[タイヤの走行ステップ]
この走行試験装置4によってタイヤ2が走行させられる。この走行により、タイヤ2に摩耗が生じる。この走行により、さらに、タイヤ2に対するゴム粉の付着が生じる。タイヤ2に付着するゴム粉は、タイヤ2が走行中に摩耗することによって生じるゴム粉である。
試験に供されるレース用タイヤ2が、タイヤ支持装置6のタイヤ回転駆動装置18の出力軸20に装着される。タイヤ2は、内部に空気が充填されて所定内圧とされる。この走行ステップでは、タイヤ回転駆動装置18の接続クラッチが切られており、タイヤ2は回転フリーの状態、すなわち従動状態にされている。タイヤ2は、無端ベルト12を回転させた状態で、昇降装置22によって無端ベルト12上に押圧させられる。このとき、タイヤ2に対して無端ベルト12の面に垂直な方向に加わる反力(荷重)Fzが所定の荷重(試験荷重)となるように調整される。
タイヤ2の内圧は、実使用内圧とされるのが好ましい。タイヤ2の走行速度は、100km/h以上とされるのが好ましい。上記負荷荷重Fzは、タイヤサイズに対応したJATMA規定の最大負荷荷重の70%以上100%以下の荷重とするのが好ましい。実車走行時の最大荷重とすることが、実車走行状態を再現するとの観点から、より好ましい。これらの条件はいずれも、実車走行時の負荷状況を再現させるのに好ましい条件である。
タイヤ2に対し、キャンバー角及びスリップ角が設定されるのが好ましい。実車走行時のタイヤの姿勢を再現しうるからである。かかる観点から、キャンバー角の絶対値は3°±1°の範囲に設定されるのが好ましい。スリップ角は、走行中に、走行方向(スリップ角0°)を挟んで−2°から+8°の範囲を繰り返しスイープさせられるのが好ましい。このスリップ角は、タイヤの走行方向を挟んで一方側の傾斜角が−(マイナス)で示され、他方側の傾斜角が+(プラス)で示されている。ここでは、走行方向より右側(上から見た場合の時計回り)がマイナスであり、左側(上から見た場合の反時計回り)がプラスである。上記スリップ角が繰り返しスイープさせられ、そして、スリップ角の絶対値が一方側より他方側の方が大きくされのは、ループ状のレーシングサーキットにおける実走行状態を再現するためである。かかる観点から、走行距離は、30km以上とされるのが好ましい。また、この走行中のスリップ角のスイープの繰り返し回数は、20往復以上とされるのが好ましい。
[タイヤの第一測定ステップ]
以上の走行試験後、試験に供されたタイヤ2がタイヤ支持装置6から取り外される。このタイヤ2のトレッドは摩耗しており、摩耗後のトレッド面にはゴム粉が付着している。この状態のタイヤ2のトレッドプロファイルが測定される。トレッドプロファイルとは、タイヤの周方向に垂直な断面(子午線断面)におけるトレッド面の形状を言う。このトレッドプロファイルには、摩耗したトレッド面、ゴム粉が付着した状態の表面等も含まれる。
図2には、タイヤ2のトレッドプロファイルを測定するための距離測定装置32が示されている。この距離測定装置32は、タイヤ支持部34と、センサ支持部36とを備えている。タイヤ支持部34は、タイヤ支持フレーム(単にフレームという)38とタイヤ回転駆動装置40とを有している。このフレーム38は、タイヤ2を水平姿勢で回転可能に支持する。その回転軸は鉛直方向を向いている。タイヤ回転駆動装置40は、タイヤ2を回転駆動するステッピングモータ等を含んでいる。
センサ支持部36は、非接触距離センサ(単に距離センサという)42と、センサ昇降機44とを備えている。センサ支持部36は、タイヤ支持部34におけるタイヤ2の回転軸から所定距離離間した位置に固定される。上記距離センサ42としては、レーザー検出器が採用されうる。レーザー検出器は、図示しないレーザー光源(レーザー照射部)及びレーザー受光部(反射光受光部)を有している。この距離センサ42により、タイヤ2のトレッド面からの距離センサ42の離間距離が測定される。タイヤ回転軸と距離センサ42との離間距離と、上記測定された離間距離との差が、トレッド面の半径である。接触式の距離センサも使用可能ではあるが、より正確な測定のためには非接触式が好ましい。
センサ昇降機44は、距離センサ42が螺合したボールねじ46、及び、このボールねじ46を回転駆動するボールねじ駆動装置48を有している。ボールねじ46は、タイヤ支持部34に支持されたタイヤ2の軸方向に平行に配置されている。距離センサ42は、ボールねじ46の回転により、タイヤ2の軸方向に平行な方向に昇降されうる。距離センサ42は、動作しながらボールねじ46上を移動することにより、タイヤ2のトレッド面を軸方向に走査する。この走査時には、タイヤ2は静止している。
上記走査により、タイヤ2のある周方向位置における、トレッド面のプロファイルを表す距離データが得られる。この第一測定ステップにおけるトレッド面のプロファイルは、摩耗したトレッド面にゴム粉が付着した状態のプロファイルである。上記ステッピングモータの駆動により、タイヤ2の多数の周方向位置におけるプロファイルを表す距離データを得ることができる。図3には、第一測定ステップにおいて得られたトレッド面のプロファイルTP1が実線で示されている。図3において、左右方向がタイヤ2の軸方向ADであり、上下方向がタイヤ2の径方向RDであり、紙面に垂直な方向が周方向CDである。
[付着ゴムの剥離ステップ]
次に、上記タイヤ2に対して、トレッド面に付着したゴム粉を剥離するための準備作業が行われる。この準備作業は、走行後のタイヤ2のトレッド面を加熱することである。トレッド面に付着したゴムは、走行時にタイヤ2のトレッドからちぎり取られたゴムである。この付着ゴムは、前述のとおり、ちぎり取られる前のゴムから、その組成が変化してしまっている。この付着ゴムは、100°C程度に昇温されることにより、軟化しやすくなっており、粘着力も低下している。一方、タイヤ2を構成している状態のトレッドゴム、すなわち、未だちぎり取られていない状態のゴムは、100°C程度に昇温されても付着ゴムに較べて軟化しにくい。また、粘着力は低下していない。
トレッド面を加熱して付着ゴムを100°C以上に昇温する。加熱手段としては、例えば、高温気体を噴射するヒートガン等が用いられてもよい。また、トレッド面に蒸気を吹き付けてもよい。昇温によって軟化し、且つ、粘着力の低下した付着ゴムは、スクレーパー等を用いることにより、容易に剥ぎ取ることができる。付着ゴムのみが剥ぎ取られると、摩耗したトレッド面が露出する。
[タイヤの第二測定ステップ]
付着ゴムのみが剥ぎ取られた上記タイヤ2のトレッドプロファイルが測定される。このトレッドプロファイルは、摩耗したトレッド面のプロファイルである。この摩耗したトレッド面のプロファイルの測定には、前述した距離測定装置32(図2)が用いられる。このトレッドプロファイルの測定方法は、第一測定ステップにおいて説明した方法と同じ内容であるため、ここではその説明が省略される。
図3には、第二測定ステップにおいて得られたトレッド面のプロファイルTP2が二点鎖線で示されている。図3においては、両プロファイルTP1、TP2は、互いのタイヤの中心位置が一致させられた状態で示されている。測定された両プロファイルTP1、TP2のデータの差分から、その周方向位置における、軸方向に沿った付着ゴム量の分布が得られる。また、軸方向位置における軸方向の微小距離と、その微小距離における付着ゴム量とを特定することができる。ここで、付着ゴム量は、子午線断面における面積値で表される。
[ゴムの付着しやすさの評価ステップ]
図4には、ある周方向位置における、軸方向に沿った付着ゴム量の分布が示されている。図4には、後述する3個のタイヤについて、付着ゴム量の分布が示されている。周方向の複数位置それぞれにおける付着ゴム量の分布を得ることも容易である。軸方向の微小距離と、その微小距離における付着ゴム量とを特定することができるので、付着ゴム量を軸方向に積分することが可能である。この積分によって算出された面積が、その周方向位置における付着ゴム量を表している。必要に応じて、タイヤ2の全周に付着したゴム量を容易に算出することができる。
上記のごとくして得られる付着ゴム量及びその分布から、タイヤ2のゴムの付着しやすさを定量的に評価することができる。この付着量及び付着量分布自体が、ゴムの付着しやすさを定量的に示していると言える。また、付着ゴム量及びその分布に基づき、ゴム粉の付着のメカニズムを、タイヤの構造及びプロファイルと関連づけて解析することの可能性が期待できる。これにより、ゴム粉の付着抑制手法の検討に道が開かれる。
以上説明された方法により、2種類のタイヤそれぞれについて、以下の通りゴム粉の付着しやすさが評価された。この評価のために、表1にサンプル1−5で示される5個のタイヤが用意された。2種類のタイヤのうち、タイプAは、予めの実車走行において、ゴムが付着しやすいことが確認されたタイヤである。タイプBは、予めの実車走行において、ゴムが付着しにくいことが確認されたタイヤである。サンプル1、2、4,5がタイプAのタイヤであり、サンプル3がタイプBのタイヤである。全サンプル1−5のタイヤは、トレッドパターンが形成されていないスリックタイヤである。全サンプル1−5のタイヤサイズは「330/710R18」である。
各サンプル1−5がリムに組み込まれた。各サンプルに、内圧が実使用内圧160kPaとなるように、空気が充填された。各サンプルは、順に前述の走行試験装置4に取り付けられて、走行試験が行われた。各サンプルに負荷された荷重は最大負荷荷重の70%である5.88kNであった。走行速度は100km/hであった。各サンプルにつの走行距離は、35kmであった。各サンプルに対し、−3°のキャンバー角が設定された。このキャンバー角のマイナス符号は、タイヤの走行方向に向かって鉛直(キャンバー角0°)から左に傾斜した角度を意味する。
各サンプルに対し、表1に示されるスリップ角が設定された。スリップ角は、走行方向(スリップ角0°)から左右に繰り返しスイープされた。スリップ角のスイープとは以下の通りである。すなわち、走行方向から開始して、マイナス側である右へ所定角(例えばサンプル1では2°)だけ傾斜し、引き続き走行方向を通過してプラス側である左へ所定角(例えばサンプル1では8°)だけ傾斜して走行方向に戻る。各サンプルにつき、このスリップ角のスイープが、同一速度及び同一周期で20回繰り返された。各サンプルのスリップ角は、表1に示された通りである。
走行後の各サンプルについて、従来の目視によるゴムの付着しやすさの評価が行われた。この従来の評価については後述する。走行後の各サンプルについて、前述の距離測定装置32によってトレッドプロファイルが測定された(第一測定ステップ)。トレッドプロファイルの測定後の各サンプルについて、そのトレッド面が加熱され、軟化した付着ゴムが剥ぎ取られた。付着ゴムが剥ぎ取られた後の各サンプルについて、距離測定装置32によってトレッドプロファイルが測定された(第二測定ステップ)。
各サンプルについて、第一測定ステップにおけるプロファイル測定値と、第二測定ステップにおけるプロファイル測定値との差分から、軸方向に沿った付着ゴム量の分布を得た。この付着ゴム量を軸方向に積分することにより、上記両プロファイルに囲まれた面積が算出された。この面積値が、表1に示されている。図4には、サンプル1、サンプル4及びサンプル5の各付着ゴム量の分布が例示されている。サンプル2の分布曲線は、サンプル1の分布曲線に極めて近くなるので、図4に示されていない。サンプル3の分布曲線は、サンプル4の分布曲線に極めて近くなるので、図4に示されていない。
なお、図4における左側半分(ゴムが多く付着している範囲)は、タイヤのトレッドの走行方向に向かって右側(スリップ角がマイナスの側)に対応し、右側半分(ゴムが殆ど付着していない範囲)は、タイヤのトレッドの走行方向に向かって左側(スリップ角がプラスの側)に対応している。
Figure 2016045003
表1において、前述した積分による算出面積値が、タイヤに付着したゴム量に対応しており、且つ、ゴムの付着しやすさを示している。ゴムの付着しやすさが定量的に示されている。面積値が大きいほど、ゴムが付着しやすいことを意味している。面積値が小さいほど、ゴムが付着しにくいことを意味している。面積値が小さいほど好ましい。一方、表1には、従来の目視による評価の結果が、三種類のマーク○、△、×によって示されている。○は、ゴムが付着しにくいことを示す。×は、ゴムが大変付着しやすいことを示す。△は、ゴムがやや付着しやすいことを示す。×より△が好ましく、△より○が好ましい。
従来の目視による評価方法では、ゴムの付着量及び付着しやすさの程度が明確ではない。本発明の方法によれば、ゴムの付着量及び付着しやすさの定量的な評価が可能となる。さらに、付着ゴムの分布も明らかとなる。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
以上説明された方法は、タイヤへのゴム粉の付着しやすさの評価に適している。
2・・・タイヤ
4・・・走行試験装置
6・・・タイヤ支持装置
8・・・ベルト駆動装置
10・・・ドラム
12・・・無端ベルト
32・・・距離測定装置
34・・・タイヤ支持部
36・・・センサ支持部
42・・・距離センサ

Claims (5)

  1. タイヤを走行させる走行ステップと、
    走行後の上記タイヤのトレッドのプロファイルを測定する第一測定ステップと、
    上記タイヤから、付着したゴムを剥がす剥離ステップと、
    この付着したゴムが剥がされた後の上記タイヤのトレッドのプロファイルを測定する第二測定ステップと、
    上記第一測定ステップで測定されたプロファイルと、第二測定ステップで測定されたプロファイルとの差分から、タイヤ軸方向に沿ったゴム付着量の分布を得る評価ステップとを含んでいるゴム付着の評価方法。
  2. 上記評価ステップにおいて、タイヤ軸方向に沿った位置とこの位置におけるゴム付着量とを特定し、タイヤ軸方向にゴム付着量を積分する積分ステップが含まれており、
    この積分ステップで算出されたゴム付着量に基づいて、ゴムの付着しやすさを評価する請求項1に記載の評価方法。
  3. 上記走行ステップにおいて、上記タイヤがフラットベルト試験装置上で走行させられ、
    この走行中に、このタイヤのスリップ角が、走行方向を0°としたときのマイナス角度とプラス角度との間を繰り返し変化させられる請求項1又は2に記載の評価方法。
  4. 上記剥離ステップにおいて、上記タイヤのトレッド面を加熱し、軟化した付着ゴムを剥ぎ取る請求項1から3のいずれかに記載の評価方法。
  5. 上記第一測定ステップ及び第二測定ステップのそれぞれにおいて、上記タイヤをその軸回りに回転可能に支持し、このタイヤの軸方向に移動可能なセンサにより、タイヤのトレッド面までの距離を測定する請求項1から4のいずれかに記載の評価方法。
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