JP2016044752A - 産業車両の変速制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ドージング作業中の意図しないシフトアップを防止できない【解決手段】エンジンの出力をトルクコンバータとトランスミッションを介して走行駆動力として取り出して走行する産業車両に用いられる変速制御装置は、車速および速度比の少なくともいずれか一方を算出する算出手段と、算出された車速または速度比が、各速度段に対して設定されているシフトアップ許可条件を満足しているときにトランスミッションに対してシフトアップを指示し、各速度段に対して設定されているシフトダウン許可条件を満足しているときにトランスミッションに対してシフトダウンを指示する変速指示手段とを備える。変速指示手段は、1速から2速へのシフトアップにおいては、車速および速度比のいずれか一方のシフトアップ許可条件が所定時間以上満足しているとき、トランスミッションに対してシフトアップを指示する。【選択図】図5

Description

本発明は、ホイールローダなどの産業車両に用いられる変速制御装置に関する。
車速やトルコン速度比等を用いたシフトアップ/ダウン条件に基づいてシフトアップとシフトダウンを行うホイールローダが知られている。しかしながら、特定の作業では上記シフトアップ/ダウン条件でシフトアップあるいはシフトダウンを行うと作業性能が悪化することがある。特定の作業として、バケットを地面ギリギリまで降ろして土砂中を前進するドージング作業が上げられる。ドージング作業中は土砂に対し前進するため、速度段は高トルクが得られる1速で作業するのが理想的であるが、路面の状態により負荷が短い時間間隔で変動し、シフトアップとシフトダウンが繰り返される、いわゆる変速のハンチング現象が起こりえる。
また特許文献1には、リフトアーム角度が一定値以上の場合はシフトアップ条件であるシフトアップ条件を厳しくする発明が開示されている。具体的には、シフトアップを指示する車速の閾値を大きくする発明が開示されている。
特開2009−144090
しかし、特許文献1に記載されている発明では、ドージング作業中の意図しないシフトアップを防止できない。
(1)請求項1に記載の発明は、エンジンの出力をトルクコンバータとトランスミッションを介して走行駆動力として取り出して走行する産業車両に用いられる変速制御装置に適用される。この変速制御装置は、トルクコンバータの入力と出力との比である速度比、および車速の少なくとも一方を算出する算出手段と、算出された車速または速度比が、各速度段に対して設定されているシフトアップ許可条件を満足しているときにトランスミッションに対してシフトアップを指示し、各速度段に対して設定されているシフトダウン許可条件を満足しているときにトランスミッションに対してシフトダウンを指示する変速指示手段とを備える。変速指示手段は、1速から2速へのシフトアップにおいては、車速および速度比のいずれか一方のシフトアップ許可条件が所定時間以上継続して満足しているとき、トランスミッションに対してシフトアップを指示する。
(2)請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の産業車両の変速制御装置において、算出手段は車速および速度比の双方を算出し、変速指示手段は、算出された車速と速度比の双方についてシフトアップ許可条件が所定時間以上継続して満足しているとき、トランスミッションに対してシフトアップを指示するものである。
(3)請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の産業車両の変速制御装置において、ドージング作業であることを変速指示手段に指示するドージング指示手段をさらに備える。変速指示手段は、ドージング指示手段からドージング作業であることが指示されたとき、1速走行中に1速から2速へのシフトアップ許可条件が所定時間以上継続して満足しているときにシフトアップをトランスミッションに対して指示し、1速と2速の間以外のシフトアップ、シフトダウンにあっては、それぞれの速度段に対して設定されているシフトアップ許可条件、シフトダウン許可条件が満足されるとそれぞれシフトアップおよびシフトダウンをトランスミッションに対して指示するものである。
(4)請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の産業車両の変速制御装置において、ドージング指示手段は、オペレータの操作でドージング作業モードを指示する指示操作部材を含む。
(5)請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の産業車両の変速制御装置において、ドージング指示手段は、産業車両がドージング作業による運転状態か否かを判定する判定手段と、判定手段でドージング作業による運転状態が判定されると、変速指示手段にドージング作業モードの指示を出力する出力手段とをさらに含む。
(6)請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の産業車両の変速制御装置において、産業車両は、車両本体に対して回動可能に設けられたリフトアーム、リフトアームの先端に設けられた作業アタッチメント、リフトアームを昇降するリフトアームシリンダ、作業アタッチメントを駆動する作業アタッチメントアクチュエータ、およびリフトアームシリンダと作業アタッチメントアクチュエータに圧油を供給する油圧ポンプを含む。判定手段は、リフトアームシリンダのシリンダ圧力を検出する圧力検出手段、作業アタッチメントアクチュエータの圧力を検出する圧力検出手段、および油圧ポンプの吐出圧を検出する圧力検出手段の少なくとも一つの圧力検出手段と、リフトアームの角度を検出するリフトアーム角度検出手段と、検出されたリフトアーム角度が比較的小さい所定値以下であり、かつ、検出されたいずれか一つの圧力が所定値以上であることが一定時間以上継続しているとドージング作業と認識する認識手段とを備える。
(7)請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の産業車両の変速制御装置において、ドージング作業を検出しているときにリフトアーム角度が比較的大きい所定値以上に上昇するとドージング作業モードを解除し、通常作業モードに切り替えるものである。
(8)請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の産業車両の変速制御装置において、1速から2速へのシフトアップ許可条件を変更する条件変更手段を有する。
(9)請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の産業車両の変速制御装置において、1速から2速へのシフトアップ許可条件は、シフトアップ許可車速およびシフトアップ許可速度比の少なくとも一方を含み、条件変更手段は、シフトアップ許可車速またはシフトアップ許可速度比を手動で補正可能に構成されている。
(10)請求項10に記載の発明は、請求項8または9に記載の産業車両の変速制御装置において、1速から2速へのシフトアップ許可条件は、シフトアップ許可車速判定時間およびシフトアップ許可速度比判定時間の少なくとも一方を含み、条件変更手段は、シフトアップ許可車速判定時間またはシフトアップ許可速度比判定時間を手動で補正可能に構成されている。
本発明によれば、ドージング作業中の意図しないシフトアップを防止できる。
ホイールローダの側面図 ホイールローダの全体構成図 通常モードにおけるトルコン速度比のみに注目した速度段の変更条件を表す図 通常モードにおける車速のみに注目した速度段の変更条件を表す図 第1の実施の形態における変速制御プログラムの動作を示すフローチャート 図5の一部を構成するフローチャート 第2の実施の形態における変速制御プログラムの動作を示すフローチャート 第3の実施の形態におけるホイールローダの全体構成図 第3の実施の形態におけるモード判別プログラムの動作を示すフローチャート 図9の一部を構成するフローチャート
(第1の実施の形態)
以下、図1〜6を参照して、本発明による変速制御装置をホイールローダに適用した第1の実施の形態を説明する。
図1は、建設車両の1例であるホイールローダ1の外観を示す側面図である。ホイールローダ1は、オペレータが乗り込む運転室2と、エンジンルーム3と、掘削やドージング(地ならし)を行うバケット5と、バケット5を昇降するリフトアーム4と、リフトアーム4を上下方向に回動させるリフトアームシリンダ6と、バケット5を回動させるバケットシリンダ7と、リフトアーム4の角度を測定するリフトアーム角度センサ8と、タイヤ9と、を備える。
図2は、ホイールローダ1の走行駆動系、掘削駆動系、制御系を示す図である。
ホイールローダ1は、制御の中心となるコントローラ18と、コントローラ18から回転数が制御されるエンジン11とを有し、掘削駆動系として、エンジン11により回転される油圧ポンプ16と、油圧ポンプ16から吐出される圧油により動作するリフトアームシリンダ6およびバケットシリンダ7と、運転室2に設けられオペレータにより操作される操作レバー21と、操作レバー21により操作される方向制御弁17とを備える。
ホイールローダ1はさらに、走行駆動系として、エンジン11の動力をトランスミッション13に伝達するトルクコンバータ12と、トルクコンバータ12の出力を変速するトランスミッション13と、トランスミッション13の速度段を制御するトランスミッション制御装置33と、トランスミッション13の出力でタイヤ9に駆動力を与えるアクスル15およびプロペラシャフト14とを備える。
コントローラ18には、アクセルペダル19の踏込み角度を検出するアクセルペダル角度センサ20と、前後進切り替えスイッチ22と、シフトスイッチ23と、マニュアル・自動変速手動切り替え装置24と、ドージングモードまたは通常モードを指示するドージング作業モードスイッチ25と、シフトアップ車速補正装置26と、シフトアップ速度比補正装置27と、判定時間補正装置28と、エンジン回転数センサ29と、トルコン入力軸回転数センサ30と、トルコン出力軸回転数センサ31と、車速センサ32とが信号線により接続され、これら各機器からそれぞれの信号が入力される。
コントローラ18は、CPU、ROM、フラッシュメモリ、およびRAMを備え、ROMには変速制御プログラム18aが格納される。変速制御プログラム18aは、RAMに展開して実行される。コントローラ18のフラッシュメモリには、後述するプログラムで使用される所定の閾値である、時間T1、車速Vaなどが保存され、これらはオペレータの操作によりシフトアップ車速補正装置26、シフトアップ速度比補正装置27、および判定時間補正装置28から変更される。コントローラ18は、エンジン回転数センサ29の出力がアクセルペダル角度センサ20の出力に応じた値になるようにエンジン11の回転数を制御する。コントローラ18は、ドージング作業モードスイッチ25と、トルコン入力軸回転数センサ30と、トルコン出力軸回転数センサ31と、車速センサ32の出力に基づき一定時間、たとえば1秒ごとに後述するプログラムを実行し、トランスミッション制御装置33に速度段の変更指令を出力する。
エンジン11は、コントローラ18によりその回転数を制御され、油圧ポンプ16およびトルクコンバータ12にエンジン出力を伝達する。エンジン11の回転数は、エンジン回転数センサ29により測定されて測定値がコントローラ18に出力される。
油圧ポンプ16は、エンジン11により駆動され、方向制御弁17を経由して作動油をリフトアームシリンダ6およびバケットシリンダ7に供給する。油圧ポンプ16の吐出圧力は、ポンプ圧力センサ34により測定されてコントローラ18に出力される。
方向制御弁17は、オペレータにより操作される操作レバー21により制御され、油圧ポンプ16からリフトアームシリンダ6およびバケットシリンダ7に供給する圧油の方向と流量を調整する。
リフトアームシリンダ6は、リフトアーム4を上下方向に回動させるシリンダであり、リフトアームシリンダ6の圧力はリフトアームシリンダ圧力センサ35により測定されて測定値がコントローラ18に出力される。
バケットシリンダ7は、バケット5を回動させるシリンダであり、バケットシリンダ7の圧力はバケットシリンダ圧力センサ36により測定されて測定値がコントローラ18に出力される。
トルクコンバータ12は、インペラ、タービン、ステータからなる流体クラッチであり、エンジン11の回転はトルクコンバータ12を介してトランスミッション13に伝達される。トルクコンバータ12は入力トルクに対して出力トルクを増大させる機能を有する。トルクコンバータ12の入力軸回転数Niと出力軸回転数Ntの比であるトルコン速度比e(=Nt/Ni)は0〜1の値をとり、トルコン速度比eが小さいほどトルクが増大されていることを示す。このトルコン速度比eは負荷の大きさも表しており、例えば、エンジン回転数が一定状態で坂を登り始めたことなどにより走行負荷が大きくなると、出力軸回転数、すなわち車速が減速し、トルコン速度比eが小さくなる。
入力軸回転数Niを測定するトルコン入力軸回転数センサ30、および出力軸回転数Ntを測定するトルコン出力軸回転数センサ31の検出信号は、コントローラ18に出力される。
トランスミッション13は、各速度段に対応したソレノイド弁を有する自動変速機であり、トルクコンバータ12の出力を変速してプロペラシャフト14に伝達する。これらのソレノイド弁は、トランスミッション制御装置33によって駆動され、1速〜5速、および後進の間で速度段が変更される。
プロペラシャフト14は、トランスミッション13の出力をアクスル15を介してタイヤ9に伝達し、ホイールローダ1が走行する。プロペラシャフト14の回転数、すなわち車速は車速センサ32により測定されてコントローラ18に出力される。
アクセルペダル19は、オペレータにより操作され、その踏込量はアクセルペダル角度センサ20により測定されてコントローラ18に出力される。
前後進切り替えスイッチ22は、オペレータにより操作されホイールローダ1の進行方向の変更をコントローラ18に伝達する。
シフトスイッチ23は、オペレータにより操作され、オペレータによるトランスミッション13の速度段の変更指令を、コントローラ18を通じてトランスミッション制御装置33に伝達する。
マニュアル・自動変速手動切り替え装置24は、オペレータにより操作され、トランスミッション13の速度段の変更をコントローラ18とシフトスイッチ23のいずれにより行うかを、コントローラ18に出力する。本実施の形態では、常にコントローラ18によりトランスミッション13の速度段が変更されるように設定されているとして、以下説明する。
ドージング作業モードスイッチ25は、ONとOFFの2状態をとりうるスイッチであり、オペレータにより操作される。ドージング作業モードスイッチ25は、オペレータによりONにされるとコントローラ18にドージング作業モードを指示し、OFFにされるとコントローラ18に通常モードを指示する。
シフトアップ車速補正装置26は、後述する変速制御プログラム18aで使用される車速に関する閾値Vaを変更するための装置である。シフトアップ速度比補正装置27は、変速制御用プログラムで使用されるトルコン速度比に関する閾値eaを変更するための装置である。判定時間補正装置28は、変速制御用プログラムで使用される時間に関する閾値T1を変更するための装置である。
車速閾値、速度比閾値、時間閾値は、コントローラ18のフラッシュメモリに保存されており、これらの閾値変更は、液晶パネルに表示されたメニュー画面上のソフトボタンで特定の値を選択して行うことができる。
トランスミッション制御装置33は、コントローラ18から受信する制御指令に基づきトランスミッション13の速度段を変更する。
(通常モードの変速制御)
本実施の形態におけるコントローラ18は、ドージング作業モードにおいて1速から2速へのシフトアップの条件のみが通常モードと異なり、2速以上からのシフトアップ、およびシフトダウンの条件は通常モードと同様である。そこで、まず通常モードにおける変速制御を説明する。
オペレータがドージング作業モードスイッチ25をOFF操作すると通常モードが選択される。通常モードでは、車速およびトルコン速度比の両方が所定のシフトアップの条件を満たすと、コントローラ18からトランスミッション制御装置33にシフトアップの指令が出力される。また、車速およびトルコン速度比の両方が所定のシフトダウンの条件を満たすと、コントローラ18からトランスミッション制御装置33にシフトダウンの指令が出力される。以下では、図3を用いてトルコン速度比が満たすべき速度段変更の条件を、図4を用いて車速が満たすべき速度段変更の条件を説明する。
図3は、トルコン速度比のみに注目した速度段の変更条件を表す図である。図3の横軸はトルコン速度比eを、縦軸は速度段を表している。速度段が高いほど高速な動作が可能であるが、速度段が高くなるとトルクが減少し必要な駆動力が得られない。そのため、トルコン速度比eが所定の値eu、たとえば0.8より大きいことをシフトアップの条件とする。トルコン速度比がeuよりも大きく、なおかつ車速も後述する条件を満たしていれば、コントローラ18からトランスミッション制御装置33にシフトアップの指令が出力される。速度段が上がるとトルクが減少するので、トルコン速度比eも減少する。たとえばトルコン速度比がeuである時に速度段が1段上がると、トルコン速度比はe1、たとえば0.4まで減少する。
トルコン速度比eが所定の値ed、たとえば0.3未満であることをシフトダウンの条件とする。トルコン速度比がedよりも小さく、なおかつ車速も後述する条件を満たしていれば、コントローラ18からトランスミッション制御装置33にシフトダウンの指令が出力される。速度段が下がるとトルクが増加するので、トルコン速度比eも増加する。たとえばトルコン速度比がedである時に速度段が1段下がると、トルコン速度比はe2、たとえば0.7に増加する。
変速のハンチング現象を防止するために、速度段を上げた直後のトルコン速度比e、すなわちe1と、速度段を下げる基準となる所定のトルコン速度比edとの差が小さくなりすぎないように、euとedの値が設定される。
図4は、車速のみに注目した速度段の変更条件を表す図である。図4の横軸は車速、縦軸は速度段である。図4に示すように、所定の速度に達することをシフトアップの条件とする。たとえば、速度段が1速の場合には、車速がV12を上回ることがシフトアップの条件であり、車速がV12を上回っており、なおかつトルコン速度比がeuよりも大きければ、コントローラ18からトランスミッション制御装置33にシフトアップの指令が出力される。同様に、速度段が2速、3速、4速の場合は車速がV23、V34、V45をそれぞれ上回ることがシフトアップの条件である。それぞれの速度段ごとのシフトアップの条件となっている車速には、V12<V23<V34<V45の関係が成り立つ。
図4に示すように、所定の速度を下回ることをシフトダウンの条件とする。たとえば、速度段が2速の場合には、車速がV21を下回ることがシフトダウンの条件であり、車速がV21を下回っており、なおかつトルコン速度比がedよりも小さければ、コントローラ18からトランスミッション制御装置33にシフトダウンの指令が出力される。同様に、速度段が3速、4速、5速の場合は車速がV32、V43、V54をそれぞれ下回ることがシフトダウンの条件である。それぞれの速度段ごとのシフトダウンの条件となっている車速には、V21<V32<V43<V54の関係が成り立つ。また、シフトアップの条件である車速とシフトダウンの条件である車速には、V21<V12、V32<V23、V43<V34、V54<V45の関係が成り立つ。
(ドージング作業モードの変速制御)
オペレータがドージング作業モードスイッチ25をON操作するとドージング作業モードが選択される。ドージング作業モードが選択されている場合、コントローラ18は、車速と速度比を監視し、1速走行中、これらの値が、車速閾値V12以上でかつ速度比閾値eu以上である運転状態が所定時間以上継続するとシフトアップ指令をトランスミッション制御装置33に送出する。したがって、変速ハンチングが抑制される。
なお上述したように通常モードでは、コントローラ18は、車速閾値V12以上かつ速度比閾値eu以上のときに直ちに1速から2速へのシフトアップ指令をトランスミッション制御装置33に送出する。
通常モードとドージング作業モードにおいて行われる変速制御を実行する変速制御用プログラムについて以下詳細に説明する。
(変速制御プログラム)
図5および6は、コントローラ18により所定の時間ごと、たとえば1秒ごとに実行される変速制御プログラム18aの動作を示すフローチャートである。実行ステップが多いので2つの図にわたって記載している。読みやすさのためにステップS110およびステップS111は両方の図に記載している。以下で説明する処理の実行主体は、コントローラ18のCPUである。
ステップS101において、コントローラ18は、ドージング作業モードスイッチ25から現在の作業モードを読み込み、ステップS102に進む。
ステップS102において、コントローラ18は、ドージング作業モードスイッチ25から読み込んだ作業モードがドージング作業モードであるか否か、すなわちドージング作業モードスイッチ25がオペレータによりONにされているか否かを判断する。読込んだ作業モードがドージング作業モードであると判断する場合はステップS103に進み、読込んだ作業モードが通常モードであると判断する場合はステップS112に進む。
ステップS103において、コントローラ18は、現在の速度段を読み込み、速度段が1速であるか否かを判断する。1速であると判断するとステップS104に進み、1速ではないと判断すると図6のステップS116へ進む。
ステップS104において、コントローラ18は、タイマーによる時間のカウントを開始させてステップS105に進む。
ステップS105において、コントローラ18は、車速センサ32の出力から車速信号を取り込み車速を算出する。コントローラ18はまた、トルコン入力軸回転数センサ30の出力から入力軸回転数信号を、トルコン出力軸回転数センサ31の出力から出力軸回転数を取り込み、トルコン速度比を算出する。ステップS105の処理が終了するとステップS106に進む。
ステップS106において、コントローラ18は、ステップS105において算出した車速およびトルコン速度比を、フラッシュメモリに保存されている閾値と比較する。車速が所定の閾値Vaより大きく、かつトルコン速度比eが所定の閾値eaより大きいと判断する場合はステップS107に進む。ステップS107において、コントローラ18は、ステップS104からカウントを開始したタイマーが所定の時間T1、たとえば3秒より長い時間経過しているか否かを判断する。時間T1より長い時間経過していると判断する場合はステップS109に進む。ステップS109において、コントローラ18は、ステップS104からカウントを開始したタイマーによる時間カウントを終了してステップS110に進む。ステップS110において、コントローラ18は、トランスミッション制御装置33に速度段を1段上げるシフトアップ指令を送信し、図5および6のフローチャートにより動作が表されるプログラムを終了する。
ステップS107において、時間T1以下であると判断する場合はステップS105に戻る。ステップS107では、ステップS106において判断される条件を、所定の時間T1にわたって継続して満たしているか否かを判断している。
ステップS106において、車速が所定の閾値Va以下、またはトルコン速度比eが所定の閾値ea以下であると判断する場合はステップS108に進む。ステップS108において、コントローラ18は、ステップS104からカウントを開始したタイマーによる時間カウントを終了し、ステップS111に進む。ステップS111において、コントローラ18は、速度段をそのままに維持し、その後、図5および6のフローチャートにより動作が表されるプログラムを終了する。
ステップS102でドージング作業モードではないと判定されると、ステップS112において、コントローラ18は、速度段が1速であるか否かを判断する。1速であると判断する場合はステップS113に進み、2速以上であると判断する場合は図6のステップS116へ進む。
ステップS113において、コントローラ18は、車速センサ32の出力から車速信号を取り込み車速を算出する。またコントローラ18は、トルコン入力軸回転数センサ30の出力から入力軸回転数信号を、トルコン出力軸回転数センサ31の出力から出力軸回転数信号を取り込み、トルコン速度比を算出してステップS114に進む。
ステップS114において、コントローラ18は、ステップS113において算出した車速およびトルコン速度比をフラッシュメモリに保存されている所定の閾値V12およびeuと比較する。車速が閾値V12よりも大きく、かつトルコン速度比が閾値euより大きいと判断する場合はステップS110に進んでシフトアップ指令を出力する。車速が閾値V12以下またはトルコン速度比eが閾値eu以下であると判断する場合はステップS111に進み、現在の速度段を維持する。
図6を参照してステップS116以下を説明する。
ドージング作業モード、通常モードに拘わらずステップS103またはS112において速度段が1速ではないと判定されるとステップS116に進む。ステップS116において、コントローラ18は、現在の速度段を読み込み、速度段が2速であるか否かを判断する。2速であると判断する場合はステップS117に進み、2速ではないと判断する場合はステップS120へ進む。
ステップS117において、コントローラ18は、車速センサ32の出力から車速信号を取り込み車速を算出する。またコントローラ18は、トルコン入力軸回転数センサ30の出力から入力軸回転数信号を、トルコン出力軸回転数センサ31の出力から出力軸回転数信号を取り込み、トルコン速度比を算出してステップS118に進む。
ステップS118において、コントローラ18は、ステップS117において算出した車速およびトルコン速度比をフラッシュメモリに保存されている所定の閾値V23およびeuと比較する。車速が閾値V23よりも大きく、かつトルコン速度比が閾値euより大きいと判断する場合はステップS110に進み、トランスミッション制御装置33に3速へのシフトアップ指令を出力する。車速が閾値V23以下またはトルコン速度比が閾値eu以下であると判断する場合はステップS119に進む。
ステップS119において、コントローラ18は、ステップS117において算出した車速およびトルコン速度比をフラッシュメモリに保存されている所定の閾値V21およびedと比較する。車速が閾値V21よりも小さく、かつトルコン速度比が閾値edより小さいと判断する場合はステップS130に進み、トランスミッション制御装置33に1速へのシフトダウン指令を出力する。車速が閾値V21以上またはトルコン速度比が閾値eu以上であると判断する場合はステップS111に進んで現在の速度段を維持する。
ステップS120において、コントローラ18は、現在の速度段を読み込み、速度段が3速であるか否かを判断する。3速であると判断する場合はステップS121に進み、3速ではないと判断する場合はステップS124へ進む。
ステップS121において、コントローラ18は、車速センサ32の出力から車速信号を取り込んで車速を算出する。またコントローラ18は、トルコン入力軸回転数センサ30の出力から入力軸回転数信号を、トルコン出力軸回転数センサ31の出力から出力軸回転数信号を取り込んでトルコン速度比を算出し、ステップS122に進む。
ステップS122において、コントローラ18は、ステップS121において算出した車速およびトルコン速度比をフラッシュメモリに保存されている所定の閾値V34およびeuと比較する。車速が閾値V34よりも大きく、かつトルコン速度比が閾値euより大きいと判断する場合はステップS110に進み、トランスミッション制御装置33に4速へのシフトアップ指令を出力し、車速が閾値V34以下またはトルコン速度比が閾値eu以下であると判断する場合はステップS123に進む。
ステップS123において、コントローラ18は、ステップS121において算出した車速およびトルコン速度比をフラッシュメモリに保存されている所定の閾値V32およびedと比較する。車速が閾値V32よりも小さく、かつトルコン速度比が閾値edより小さいと判断する場合はステップS130に進んで2速へのシフトダウン指令を出力する。車速が閾値V32以上またはトルコン速度比が閾値eu以上であると判断する場合はステップS111に進んで現在の速度段を維持する。
ステップS124において、コントローラ18は、現在の速度段を読み込み、速度段が4速であるか否かを判断する。4速であると判断する場合はステップS125に進み、4速ではないと判断する場合はステップS128へ進む。
ステップS125において、コントローラ18は、車速センサ32の出力から車速信号を取り込んで車速を算出する。トルコン入力軸回転数センサ30の出力から入力軸回転数信号を、トルコン出力軸回転数センサ31の出力から出力軸回転数信号を取り込んでトルコン速度比を算出し、ステップS126に進む。
ステップS126において、コントローラ18は、ステップS125において算出した車速およびトルコン速度比をフラッシュメモリに保存されている所定の閾値V45およびeuと比較する。車速が閾値V45よりも大きく、かつトルコン速度比が閾値euより大きいと判断する場合はステップS110に進み、トランスミッション制御装置33に5速へのシフトアップ指令を出力する。車速が閾値V45以下またはトルコン速度比が閾値eu以下であると判断する場合はステップS127に進む。
ステップS127において、コントローラ18は、ステップS125において算出した車速およびトルコン速度比をフラッシュメモリに保存されている所定の閾値V43およびedと比較する。車速が閾値V43よりも小さく、かつトルコン速度比が閾値edより小さいと判断する場合はステップS130に進み、トランスミッション制御装置33に3速へのシフトダウン指令を出力する。車速が閾値V43以上またはトルコン速度比が閾値eu以上であると判断する場合はステップS111に進んで現在の速度段を維持する。
ステップS128において、コントローラ18は、車速センサ32の出力から車速信号を取り込んで車速を算出する。トルコン入力軸回転数センサ30の出力から入力軸回転数信号を、トルコン出力軸回転数センサ31の出力から出力回転数信号を取り込んでトルコン速度比を算出し、ステップS129に進む。
ステップS129において、コントローラ18は、ステップS128において算出した車速およびトルコン速度比をフラッシュメモリに保存されている所定の閾値V54およびedと比較する。車速が閾値V54よりも小さく、かつトルコン速度比が閾値edより小さいと判断する場合はステップS130に進み、トランスミッション制御装置33に4速へのシフトダウン指令を出力する。車速が閾値V54以上またはトルコン速度比が閾値eu以上であると判断する場合はステップS111に進んで現在の速度段を維持する。
ステップS110、S111、S130の処理を終了すると、図5および6のフローチャートにより動作が表されるプログラムを終了する。
(動作のまとめ)
以上のフローチャートによる変速処理の動作をまとめると以下のとおりである。
ドージング作業モードスイッチ25はオペレータにより操作され、ONの場合にはドージング作業モードを、OFFの場合には通常モードをコントローラ18に指示する。
コントローラ18は、ドージング作業モードスイッチ25から指示されるモードに応じた変速制御アルゴリズムにより、トランスミッション制御装置33へ1速から2速へのシフトアップ指令を出力する。ドージング作業モードにおける1速から2速へのシフトアップの条件は、車速およびトルコン速度比がそれぞれ閾値Vaおよび閾値eaを同時に所定時間にわたって上回ることである。
閾値Va、閾値ea、および所定の時間T1は、シフトアップ車速補正装置26、シフトアップ速度比補正装置27、および判定時間補正装置28を用いてオペレータの操作により変更可能である。たとえば、通常モードにおいて1速から2速へシフトアップする条件の1つである車速の閾値V12が時速10kmである場合に、Vaは、時速9km、時速10km、時速11kmから選択できる。たとえば、通常モードにおけるシフトアップする条件の1つであるトルコン速度比の閾値euが0.8である場合に、eaは、0.7、0.8、0.9から選択できる。たとえば時間T1は、1秒、3秒、5秒、から選択できる。
これらの選択操作は、たとえば運転室2の内部に設置した液晶表示パネルに表示したメニュー画面から行うことができる。
上述した第1の実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)第1の実施の形態による変速制御装置は、エンジン11の出力をトルクコンバータ12とトランスミッション13を介して走行駆動力として取り出して走行する産業車両、たとえば、ホイールローダ1に用いられる。変速制御装置は、トランスミッション13に対してシフトアップ指令とシフトダウン指令を含む変速指示を出力するコントローラ18を備えている。コントローラ18は、トルクコンバータの入力と出力との比である速度比、および車速の双方を算出し、算出された車速および速度比が、各速度段に対して設定されているシフトアップ許可条件を満足しているときにシフトアップ、シフトダウンの指令をトランスミッション制御装置33,すなわちトランスミッション13に対して出力する。とくにドージング作業モードが設定されている1速走行中は、車速が所定時間にわたってシフトアップ許可車速、すなわち所定の車速Vaを上回ること、およびトルコン速度比が所定時間にわたってシフトアップ許可速度比、すなわち所定の速度比eaを上回ることの双方が満足するときに、トランスミッション13に対してシフトアップを指示する。
第1の実施の形態における変速制御装置によれば、車速やトルコン速度比が所定時間未満の比較的短い周期で所定の閾値付近で変動する場合にはシフトアップが指示されず、意図しないシフトアップを防止できる。意図しないシフトアップにより変速のハンチング現象が生じると、牽引力が低下して操作性が悪化するが、1速に維持されることにより牽引力を維持して操作性が維持される。
とくに第1の実施の形態のように、負荷の影響を受ける車速とトルコン速度比の両方が所定時間にわたって継続して閾値以上であることをシフトアップの条件とすることで、いずれか片方のみを指標として用いる場合よりも確実に意図しないシフトアップを防止できる。
(2)変速制御装置は、オペレータにより操作され、ドージング作業モードであることをコントローラ18に指示する指示装置、すなわちドージング作業モードスイッチ25を備える。コントローラ18は、ドージング作業モードスイッチ25からドージング作業モードであることが指示されているときは、1速から2速へのシフトアップにおいては、車速が所定時間にわたってシフトアップ許可車速を上回ること、およびトルコン速度比が所定時間にわたってシフトアップ許可速度比を上回ることの双方が満足する場合にシフトアップを指示する。ドージング作業モードスイッチ25からドージング作業モードであることが指示されていないときは、1速から2速へのシフトアップにおいては、車速がシフトアップ許可車速を上回ること、およびトルコン速度比がシフトアップ許可速度比を上回ることの双方が満足する場合にシフトアップを指示する。
そのため、ドージング作業を行うオペレータ自らがモードを変更でき、作業に適した速度段の変更制御ができる。また、車速と速度比の双方が所定時間以上継続して、シフトアップ許可車速やシフトアップ許可アーム速度比を満足しているときにシフトアップ指令を出力することができるので、確実に変速ハンチングを抑制できる。
(3)第1の実施の形態の変速制御装置は、1速から2速へのシフトアップ許可条件を変更することができる。1速から2速へのシフトアップ許可条件は、シフトアップ許可車速、シフトアップ許可速度比、条件継続時間である判定時間を含む。車速補正装置26、速度比補正装置27、および判定時間補正装置28によりシフトアップ許可車速、シフトアップ許可速度比、および判定時間を手動で補正することができる。
したがって、オペレータの操作性に対する感性に応じた車速閾値、速度比閾値、判定時間を選択することができ、操作性のよいホイールローダを提供できる。
(第2の実施の形態)
図7を参照して、本発明による変速制御装置の第2の実施の形態を説明する。以下の説明では、第1の実施の形態と同じ構成要素には同じ符号を付して相違点を主に説明する。特に説明しない点については、第1の実施の形態と同じである。本実施の形態では、コントローラ18が実行するプログラムの処理が第1の実施の形態と異なる。ホイールローダ1の構成は、コントローラ18に保存されているプログラム以外は第1の実施の形態と同様である。
第2の実施の形態の変速制御装置では、ドージング作業モードにおける1速から2速へのシフトアップ指令の生成に関して、車速がシフトアップ許可閾値を超えている時間が所定時間以上継続している間に速度比がシフトアップ許可閾値を超えるとき、または、速度比がシフトアップ許可閾値を超えている時間が所定時間以上継続している間に車速がシフトアップ許可閾値を超えるとき、コントローラ18はシフトアップ指令を生成してトランミッション制御装置33に出力するようにしたものである。車速および速度比の双方がともに所定時間以上継続しているときにシフトアップ指令を生成する第1の実施の形態とはこの点が相違する。この変速制御以外は、すべて、車速および速度比がともにシフトアップ許可閾値を満足するとシフトアップ指令を生成し、車速および速度比がともにシフトダウン許可閾値を満足するとシフトダウン指令を生成するものである。以下、説明する。
図7のフローチャートで動作が表されるプログラムは、上述した実施の形態における図5および6で動作が表されるプログラムに代わって、第2の実施の形態においてコントローラ18が実行する処理手順を示すものである。ただし、図7では車速およびトルコン速度比の算出は比較演算の直前に行われるものとし、独立したステップでは表記していない。また、コントローラ18が通常モードであると判断した場合の動作は、第1の実施の形態における図5および6のステップS112以下と同様なので記載を省略する。
ステップS101において、コントローラ18は、ドージング作業モードスイッチ25から現在の作業モードを読み込み、ステップS102に進む。
ステップS102において、コントローラ18は、ドージング作業モードスイッチ25から読み込んだ作業モードがドージング作業モードか否かを判断する。読込んだ作業モードがドージング作業モードであると判断する場合はステップS103に進む。読込んだ作業モードが通常モードであると判断する場合は、第1の実施の形態におけるステップS112以降と同様に処理する。
ステップS103において、コントローラ18は、現在の速度段を読み込み、速度段が1速であるか否かを判断する。1速であると判断するとステップS304に進み、1速ではないと判断すると第1の実施の形態におけるステップS112以降と同様に処理する。
ステップS304において、コントローラ18は、車速を算出し所定の閾値Vaと比較する。車速が閾値Vaより大きいと判断する場合はステップS305に進み、車速が閾値Va以下であると判断する場合はステップS313に進む。
ステップS305において、コントローラ18は、タイマーによる時間のカウントを開始させてステップS306に進む。
ステップS306において、コントローラ18は、ステップS304と同様に車速を算出し、所定の閾値Vaと比較する。車速が閾値Vaより大きいと判断する場合はステップS307に進み、車速が閾値Va以下であると判断する場合は終了処理のためにステップS311に進む。
ステップS307において、コントローラ18は、ステップS305からカウントを開始したタイマーの経過時間が所定の時間T5、たとえば3秒よりも長いか否かを判断する。タイマーの経過時間が時間T5よりも長いと判断する場合はステップS308に進み、時間T5以下であると判断する場合はステップS306に戻る。
ステップS308において、コントローラ18は、トルコン速度比を算出し所定の閾値eaと比較する。トルコン速度比が閾値eaより大きいと判断する場合はステップS309に進み、トルコン速度比が閾値ea以下であると判断する場合はステップS306に戻る。
これらの処理では、車速が閾値Vaより大きい状態が所定の時間T5にわたって継続しており、なおかつトルコン速度比が閾値eaよりも大きいか否かを判断している。
ステップS309において、コントローラ18は、ステップS305またはステップS314からカウントを開始したタイマーによる時間カウントを終了し、ステップS310に進む。
ステップS310において、コントローラ18は、トランスミッション制御装置33に速度段を1段上げる指令を送信し、図7のフローチャートにより動作が表されるプログラムを終了する。
ステップS311において、コントローラ18は、ステップS305またはステップS314からカウントを開始したタイマーによる時間カウントを終了し、ステップS312に進む。
ステップS312において、コントローラ18は、速度段をそのままに維持するので、トランスミッション制御装置33に速度段変更指令は出力せず、図7のフローチャートにより動作が表されるプログラムを終了する。
ステップ304において車速が閾値Va以下であると判断されたとき、ステップS313では、コントローラ18は、トルコン速度比を算出し所定の閾値eaと比較する。トルコン速度比が閾値eaより大きいと判断する場合はステップS314に進み、トルコン速度比が閾値ea以下であると判断する場合はステップS312に進む。
ステップS314において、コントローラ18は、タイマーによる時間のカウントを開始させてステップS315に進む。
ステップS315において、コントローラ18は、トルコン速度比を算出し所定の閾値eaと比較する。トルコン速度比が閾値eaより大きいと判断する場合はステップS316に進み、トルコン速度比が閾値ea以下であると判断する場合は終了処理のためにステップS311に進む。
ステップS316において、コントローラ18は、ステップS314からカウントを開始したタイマーの経過時間が所定の時間T6、たとえば3秒よりも長いか否かを判断する。タイマーの経過時間が時間T6よりも長いと判断する場合はステップS317に進み、タイマーの時間T6以下であると判断する場合はステップS315に戻る。
ステップS317において、コントローラ18は、車速を算出し所定の閾値Vaと比較する。車速が閾値Vaより大きいと判断する場合はステップS309に進み、車速が閾値Va以下であると判断する場合はステップS315に戻る。
これらの処理では、トルコン速度比が閾値eaより大きい状態が所定の時間T6にわたって継続しており、なおかつ車速が閾値Vaよりも大きいか否かを判断している。
この第2の実施の形態によれば、以下の作用効果を奏する。
(1)コントローラ18は、ドージング作業モードが選択されているとき、1速から2速へのシフトアップにおいては、車速が所定の閾値を所定時間以上継続して上回っている間にトルコン速度比が所定の閾値を上回った場合、またはトルコン速度比が所定の閾値を所定時間以上継続して上回っている間に車速が所定の閾値を上回った場合にシフトアップを指示する。
そのため、車速とトルコン速度比の両方を判断指標に用い、継続的に所定の閾値を上回る条件は車速かトルコン速度比かのいずれか一方が満たせばよいので、変速のハンチング現象を防止しつつ早期に1速から2速へシフトアップすることができる。
(第3の実施の形態)
図8〜10を参照して、本発明による変速制御装置の第3の実施の形態を説明する。以下の説明では、第1の実施の形態と同じ構成要素には同じ符号を付して相違点を主に説明する。特に説明しない点については、第1の実施の形態または第2の実施の形態と同じである。本実施の形態では、コントローラ18がドージング作業モードスイッチ25の出力を参照せず、自らドージング作業モードか通常モードを判別する点が第1および第2の実施の形態と異なる。
なお、ドージング作業モードスイッチ25は省略してもよい。
図8は、第3の実施の形態におけるホイールローダの全体構成を示す図である。第1および第2の実施の形態とは、コントローラ18の構成が異なる。
コントローラ18のROMには、変速制御プログラム18aだけでなくモード判別プログラム18bも保存される。コントローラ18のRAMには以下で説明するモード判別プログラム18bの判別結果であるドージング作業モードまたは通常モードが保存される。コントローラ18のフラッシュメモリには、モード判別プログラム18bが使用する所定の閾値である、圧力Pp、PL、Pb、時間T2、T3、T4、および角度α、βがさらに保存される。
本実施の形態では、図5のフローチャートにより動作が表される変速制御プログラム18aは、ステップS101において、RAMからモード判別プログラム18bの判別結果、すなわちドージング作業モードである旨、または通常モードである旨を読込む。ステップS102以下の処理は第1の実施の形態と同様である。
(モード判別プログラム)
図9および10は、コントローラ18により実行されるモード判別プログラム18bの動作を示すフローチャートである。モード判別プログラム18bは、第1の実施の形態で説明した変速制御プログラム18aと同様に、所定の時間ごと、たとえば1秒ごとに実行される。モード判別プログラム18bの処理結果は、RAMに保存されて変速制御プログラム18aに読み込まれる。実行ステップが多いのでフローチャートを2つの図に分割しており、読みやすさのためにステップS207およびステップS208は図9と図10の両方に設けている。以下で説明する処理の実行主体は、コントローラ18のCPUである。
ステップS201において、コントローラ18は、RAMに保存されている本プログラムの判別結果を読込み、保存されているモードが通常モードであるか否かを判断する。通常モードが保存されていると判断する場合はステップS202に進み、ドージング作業モードが保存されていると判断する場合はステップS208aに進む。ただし、コントローラ18が起動された直後など、RAMに前回の処理結果が保存されていない場合はステップS202に進む。
ステップS202において、コントローラ18は、リフトアーム角度センサ8の出力を読み込み、リフトアーム角度がフラッシュメモリに保存されている所定の角度α未満、たとえば10度未満であるかを判断する。リフトアーム角度が所定の角度α未満であると判断する場合はステップS203に進み、リフトアーム角度が所定の角度α以上であると判断する場合は本プログラムを終了するためにステップS208に進む。ドージング作業はリフトアーム角度θがα未満で行われるという経験上の知見に基づいて、閾値角度αの具体的な値が設定される。
ステップS203において、コントローラ18は、タイマーによる時間のカウントを開始させてステップS204に進む。なお、図5により動作が表される変速制御プログラム18aでもタイマーが使用されているが、そのタイマーと本タイマーは独立して動作する。
ステップS204において、コントローラ18は、ポンプ圧力センサ34の出力を読み込み、ポンプ圧力がフラッシュメモリに保存されている所定の圧力Ppよりも大きいか否かを判断する。ポンプ圧力が圧力Ppよりも大きいと判断する場合はステップS205に進み、ポンプ圧力が圧力Pp以下であると判断する場合は図10のステップS209に進む。ドージング作業中のポンプ圧力は閾値圧力Ppより大きいという経験上の知見に基づいて、閾値圧力Ppの具体的な値が設定される。
ステップS205において、コントローラ18は、ステップS203からカウントを開始したタイマーの計測時間tがフラッシュメモリに保存されている所定の時間T2、たとえば3秒より長いか否かを判断する。タイマーの計測時間tが時間T2よりも長いと判断する場合はステップS207に進み、RAMに保存されている通常モードをドージング作業モードへ変更する。タイマーの計測時間tが時間T2以下であると判断する場合はステップS206に進む。
以上の処理にあっては、ポンプ圧力が所定の圧力Ppより大きく、かつリフトアーム角度が所定の角度α未満である状態が時間T2よりも長い期間継続しているか否かを判定することによりドージング作業中か否かを判断している。
ステップS206において、コントローラ18は、ステップS202と同様にリフトアーム角度センサ8の出力を読み込み、リフトアーム角度が所定の角度α未満であるか否かを判断する。リフトアーム角度が所定の角度α未満であると判断する場合はステップS204に戻り、リフトアーム角度が所定の角度α以上であると判断する場合はステップS208に進んでタイマをリセットして本プログラムを終了する。すなわち、リフトアーム角度が閾値角度α以上の運転状態はドージング作業ではないと判断してプログラムを終了する。
所定の条件を満たしたためにドージング作業モードへ変更するステップS207では、コントローラ18は、RAMに本プログラムの判別結果としてドージング作業モードである旨を保存する。そして、ステップS208に進んでタイマをリセットして本プログラムを終了する。
コントローラ18によりドージング作業モードがRAMに保存されていると判断されるとき、すなわち、ステップS201が否定されたとき処理はステップS208aに進む。ステップS208aにおいてコントローラ18は、リフトアーム角度センサ8の出力を読み込み、リフトアーム角度が所定の角度β、たとえば15度より大きいか否かを判断する。リフトアーム角度が所定の角度βより大きいと判断する場合はステップS208bに進み、コントローラ18は、RAMに本プログラムの判別結果として通常モードである旨を保存する。そして、プログラムを終了するためにステップS208に進む。ステップS208aにおいてコントローラ18によりリフトアーム角度が所定の角度β以下であると判断される場合は、プログラムを終了するためにステップS208に進む。
ステップS204においてポンプ圧力が圧力Pp以下であると判断された場合に実行されるステップS209以下を図10を参照して説明する。
ステップS209において、コントローラ18は、ステップS203からカウントを開始したタイマーのカウント時間をリセットし、再び0秒から時間のカウントを開始させてステップS210に進む。
ステップS210において、コントローラ18は、リフトアームシリンダ圧力センサ35の出力を読み込み、リフトアームシリンダ圧力が所定の圧力PLより大きいか否かを判断する。リフトアームシリンダ圧力が圧力PLよりも大きいと判断する場合はステップS211に進む。ステップS211において、コントローラ18は、ステップS209からカウントを開始したタイマーの計測時間tが所定の時間T3、たとえば3秒より長いか否かを判断する。タイマーの計測時間tが時間T3よりも長いと判断する場合はステップS207に進み、RAMに保存されている通常モードをドージング作業モードへ変更する。タイマーの計測時間tが時間T3以下であると判断する場合はステップS212に進む。
これらの処理にあっては、リフトアームシリンダ圧力が所定の圧力PLより大きく、かつリフトアーム角度θが所定の角度α未満である状態を時間T3よりも長い期間継続しているか否かを判断している。
ステップS212において、コントローラ18は、ステップS202と同様にリフトアーム角度センサ8の出力を読み込み、リフトアーム角度が所定の角度α未満であるか否かを判断する。リフトアーム角度が所定の角度α未満であると判断する場合はステップS210に戻り、リフトアーム角度が所定の角度α以上であると判断する場合は本プログラムを終了するためにステップS208に進む。
ステップ210においてリフトアームシリンダ圧力が圧力PL以下であると判断する場合は、処理はステップS213に進む。ステップS213において、コントローラ18は、ステップS209からカウントを開始したタイマーのカウント時間をリセットし、再び0秒から時間のカウントを開始させてステップS214に進む。
ステップS214において、コントローラ18は、バケットシリンダ圧力センサ36の出力を読み込み、バケットシリンダ圧力が所定の圧力Pbより大きいか否かを判断する。バケットシリンダ圧力が圧力Pbよりも大きいと判断する場合はステップS215に進む。ステップS215において、コントローラ18は、ステップS213からカウントを開始したタイマーの計測時間tが所定の時間T4、たとえば3秒より長いか否かを判断する。タイマーの計測時間tが時間T4よりも長いと判断する場合はステップS207に進み、RAMに保存されている通常モードをドージング作業モードへ変更する。タイマーの計測時間tが時間T4以下であると判断する場合はステップS216に進む。
これらの処理にあっては、バケットシリンダ圧力Pbが所定の圧力Pbより大きく、かつリフトアーム角度が所定の角度α未満である状態を時間T4よりも長い期間継続しているか否かを判断することによりドージング作業か否かを判定している。
ステップS214おいて、バケットシリンダ圧力が圧力Pb以下であると判断する場合は本プログラムを終了するためにステップS208に進む。
ステップS216において、コントローラ18は、ステップS202と同様にリフトアーム角度センサ8の出力を読み込み、リフトアーム角度が所定の角度α未満であるか否かを判断する。リフトアーム角度が所定の角度α未満であると判断する場合はステップS214に進み、リフトアーム角度が所定の角度α以上であると判断する場合は本プログラムを終了するためにステップS208に進む。
(動作のまとめ)
コントローラ18のROMには、ドージング作業を行う際のバケット位置から設定されたリフトアーム角度閾値と、ドージング作業時に発生する各部圧力から設定される圧力閾値が予め設定されている。CPUは、モード判別プログラム18bを実行することにより、リフトアーム角度センサ8の出力に基づいて算出されたリフトアーム角度が閾値角度α以下であるか否か、すなわちドージング作業を行う際のバケット高さ位置以下であるか否かを判断する。また、CPUは、ポンプ圧力センサ34、リフトアームシリンダ圧力センサ35、またはバケットシリンダ圧力センサ36の出力から算出した各部圧力が圧力閾値よりも高いか否かを判断する。リフトアーム角度が閾値以上、かつ、圧力が圧力閾値以上の運転状態が所定時間以上継続したときにドージング作業モードであると判別し、判別結果をRAMに保存する。コントローラ18は、この条件に該当しない場合は通常モードと判別し、判別結果をRAMに保存する。
上述した第3の実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)第3の実施の形態の変速制御装置が適用されるホイールローダは、車両本体に対して回動可能に設けられたリフトアーム4、リフトアーム4の先端に設けられた作業アタッチメントであるバケット5、リフトアーム4を昇降するリフトアームシリンダ6、バケット5を駆動するバケットシリンダ7、およびリフトアームシリンダ6とバケットシリンダ7に圧油を供給する油圧ポンプ16を備えている。具体的には、リフトアームシリンダ圧力センサ35、バケットシリンダ圧力センサ36、およびリフトアームの角度を検出するリフトアーム角度センサ8を備えている。
第3の実施の形態の変速制御装置のコントローラ18は、ホイールローダがドージング作業で運転されているか否かを判定する判定機能と、判定機能でドージング作業が判定されるとドージング作業の指示を出力する出力機能と、検出されたリフトアーム角度が比較的小さい所定値以下であり、かつ、検出されたいずれか一つの圧力が所定値以上であることが一定時間以上継続しているとドージング作業と認識する認識機能とを実現するモード判別プログラム18bを備える。
コントローラ18の変速制御プログラム18aは、モード判別プログラム18bがドージング作業モードで運転中であると判別すると、1速から2速へのシフトアップにおいては、車速が所定時間にわたってシフトアップ許可車速を上回ること、またはトルコン速度比が所定時間にわたってシフトアップ許可速度比を上回ること、の少なくとも一方を満たす場合にシフトアップを指示する。
コントローラ18の変速制御プログラム18aは、モード判別プログラム18bがドージング作業モードではない、すなわち通常モードであると判別すると、1速から2速へのシフトアップにおいては、車速がシフトアップ許可車速を上回ること、またはトルコン速度比がシフトアップ許可速度比を上回ること、の少なくとも一方を満たす場合にトランスミッション制御装置33にシフトアップを指示する。
すなわち、コントローラ18のモード判別プログラム18bは、各種センサの出力からドージング作業モードであることを判断して変速制御プログラム18aに指示し、変速制御プログラム18aはドージング作業モードと通常モードで異なる条件によりシフトアップを行う。
このように第3の実施の形態の変速制御装置によれば、オペレータがモードを変更するスイッチの操作を忘れることにより変速のハッチング現象が起こることを防止し、これにより操作性が悪化することが防止される。
(2)コントローラ18のモード判別プログラム18bは、ドージング作業モードであると判別した後にリフトアーム角度が比較的大きい所定値を越えたことを検出すると、ドージング作業モードではないと判別して通常モードに変更する。
そのため、オペレータによるモード変更のためのスイッチ操作を待つことなく自動でモードが変更され、ドージング作業における牽引力を維持しつつ、ドージング作業が終了すると効果的にシフトアップを行い、燃費性能の低下を最小限に抑えることができる。
(変形例1)
上述した実施の形態では、ドージング作業モードスイッチ25を設けてコントローラ18に通常モードおよびドージング作業モードを出力し、コントローラ18はモードにより1速から2速へのシフトアップの条件を異ならせていた。しかし、ドージング作業モードスイッチ25を設けず、コントローラ18は常にドージング作業モードが指示されているとして処理を行ってもよい。
この変形例1によれば、ドージング作業モードスイッチ25が不要なだけでなく、ドージング作業をしていない場合であっても、変速のハンチングを避けることができる。
(変形例2)
上述した第1の実施の形態では、ドージング作業モードにおいて、コントローラ18は車速およびトルコン速度比が、それぞれ所定の車速および所定の速度比を所定の時間継続して上回っている場合に1速から2速へのシフトアップを指示したが、ドージング作業モードにおける1速から2速へのシフトアップ許可条件はこれに限定されない。車速が所定の車速を所定時間継続して上回る、またはトルコン速度比が所定の速度比を所定時間継続して上回る場合に、1速から2速へのシフトアップを指示してもよい。
(変形例3)
上述した実施の形態では、コントローラ18は、車速が所定の閾値未満であり、なおかつトルコン速度比が所定の閾値未満である場合にトランスミッション制御装置33にシフトダウンの指示を出したが、シフトダウンの条件はこれに限定されない。コントローラ18は、車速が所定の閾値未満であること、またはトルコン速度比が所定の閾値未満であること、のいずれかを満たす場合にトランスミッション制御装置33にシフトダウンの指示を出してもよい。
また、通常モードのシフトアップ、およびドージング作業モードにおける3速以上へのシフトアップは、車速が所定の閾値を上回り、なおかつトルコン速度比が所定の閾値を上回る場合にコントローラ18からトランスミッション制御装置33に指示が出されたが、これらの場合におけるシフトアップの条件はこれに限定されない。コントローラ18は、車速が所定の閾値を上回ること、またはトルコン速度比が所定の閾値を上回ること、のいずれかを満たす場合にトランスミッション制御装置33にシフトアップの指示を出してもよい。
(変形例4)
上述した実施の形態では、速度段の変更にアクセルペダルの操作量を考慮していなかったが、速度段の変更にアクセルペダルの操作量を考慮してもよい。たとえば、上述したそれぞれの実施の形態で示した速度段を変更する条件に、アクセルペダルを所定量以上踏み込んでいることを追加してもよい。
上述した各実施の形態および変形例は、それぞれ組み合わせてもよい。
上記では、種々の実施の形態および変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
産業車両の一例として上で説明したホイールローダには、バケット以外、種々のフロント用作業具が装着され、ドージング作業と同様に、走行中にフロント用作業具を介して発生する走行負荷の変動によって変速ハンチングが生じる場合、本発明を適用すると変速ハンチングが抑制されて作業性が向上する。
また本発明の変速制御装置はホイールローダ以外の各種産業車両に適用することができる。
要するに、本発明は、エンジンの出力をトルクコンバータとトランスミッションを介して走行駆動力として取り出して走行する産業車両に用いられる変速制御装置において、車速および速度比の少なくともいずれか一方を算出するとともに(算出機能部)、算出された車速または速度比が、各速度段に対して設定されているシフトアップ許可条件を満足しているときにトランスミッション13に対してシフトアップを指示し、各速度段に対して設定されているシフトダウン許可条件を満足しているときにトランスミッション13に対してシフトダウンの変速指示を出力する(変速指示機能部)コントローラ18とを備え、コントローラ18の変速指示機能部は、1速から2速へのシフトアップにおいては、車速および速度比のいずれか一方のシフトアップ許可条件が所定時間以上継続して満足しているとき、トランスミッション13に対してシフトアップを指示する、種々の形態で実現する産業車両の変速制御装置に適用できる。
1 … ホイールローダ
6 … リフトアームシリンダ
7 … バケットシリンダ
8 … リフトアーム角度センサ
11 … エンジン
12 … トルクコンバータ
13 … トランスミッション
16 … 油圧ポンプ
18 … コントローラ
18a … 変速制御プログラム
18b … モード判別プログラム
25 … ドージング作業モードスイッチ
29 … エンジン回転数センサ
30 … トルコン入力軸回転数センサ
31 … トルコン出力軸回転数センサ
32 … 車速センサ
34 … ポンプ圧力センサ
35 … リフトアームシリンダ圧力センサ
36 … バケットシリンダ圧力センサ
特願2009−144090

Claims (10)

  1. エンジンの出力をトルクコンバータとトランスミッションを介して走行駆動力として取り出して走行する産業車両に用いられる変速制御装置において、
    前記トルクコンバータの入力と出力との比である速度比、および車速の少なくとも一方を算出する算出手段と、
    前記算出された車速または速度比が、各速度段に対して設定されているシフトアップ許可条件を満足しているときに前記トランスミッションに対してシフトアップを指示し、各速度段に対して設定されているシフトダウン許可条件を満足しているときに前記トランスミッションに対してシフトダウンを指示する変速指示手段とを備え、
    前記変速指示手段は、1速から2速へのシフトアップにおいては、前記車速および速度比のいずれか一方の前記シフトアップ許可条件が所定時間以上継続して満足しているとき、前記トランスミッションに対してシフトアップを指示する産業車両の変速制御装置。
  2. 請求項1に記載の産業車両の変速制御装置において、
    前記算出手段は車速および速度比の双方を算出し、
    前記変速指示手段は、算出された車速と速度比の双方について前記シフトアップ許可条件が所定時間以上継続して満足しているとき、前記トランスミッションに対してシフトアップを指示する産業車両の変速制御装置。
  3. 請求項1または2に記載の産業車両の変速制御装置において、
    ドージング作業であることを前記変速指示手段に指示するドージング指示手段をさらに備え、
    前記変速指示手段は、前記ドージング指示手段から前記ドージング作業であることが指示されたとき、1速走行中に1速から2速へのシフトアップ許可条件が所定時間以上継続して満足しているときにシフトアップを前記トランスミッションに対して指示し、1速と2速の間以外のシフトアップ、シフトダウンにあっては、それぞれの速度段に対して設定されているシフトアップ許可条件、シフトダウン許可条件が満足されるとそれぞれシフトアップおよびシフトダウンを前記トランスミッションに対して指示する産業車両の変速制御装置。
  4. 請求項3に記載の産業車両の変速制御装置において、
    前記ドージング指示手段は、オペレータの操作でドージング作業モードを指示する指示操作部材を含む産業車両の変速制御装置。
  5. 請求項3に記載の産業車両の変速制御装置において、
    前記ドージング指示手段は、前記産業車両がドージング作業による運転状態か否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段で前記ドージング作業による運転状態が判定されると、前記変速指示手段にドージング作業モードの指示を出力する出力手段とをさらに含む産業車両の変速制御装置。
  6. 請求項5に記載の産業車両の変速制御装置において、
    前記産業車両は、車両本体に対して回動可能に設けられたリフトアーム、前記リフトアームの先端に設けられた作業アタッチメント、前記リフトアームを昇降するリフトアームシリンダ、前記作業アタッチメントを駆動する作業アタッチメントアクチュエータ、および前記リフトアームシリンダと前記作業アタッチメントアクチュエータに圧油を供給する油圧ポンプを含み、
    前記判定手段は、
    前記リフトアームシリンダのシリンダ圧力を検出する圧力検出手段、前記作業アタッチメントアクチュエータの圧力を検出する圧力検出手段、および前記油圧ポンプの吐出圧を検出する圧力検出手段の少なくとも一つの圧力検出手段と、
    前記リフトアームの角度を検出するリフトアーム角度検出手段と、
    前記検出された前記リフトアーム角度が比較的小さい所定値以下であり、かつ、前記検出されたいずれか一つの圧力が所定値以上であることが一定時間以上継続しているとドージング作業と認識する認識手段とを備える産業車両の変速制御装置。
  7. 請求項6に記載の産業車両の変速制御装置において、
    ドージング作業を検出しているときにリフトアーム角度が比較的大きい所定値以上に上昇するとドージング作業モードを解除し、通常作業モードに切り替える産業車両の変速制御装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の産業車両の変速制御装置において、
    1速から2速へのシフトアップ許可条件を変更する条件変更手段を有する産業車両の変速制御装置。
  9. 請求項8に記載の産業車両の変速制御装置において、
    1速から2速への前記シフトアップ許可条件は、シフトアップ許可車速およびシフトアップ許可速度比の少なくとも一方を含み、
    前記条件変更手段は、前記シフトアップ許可車速またはシフトアップ許可速度比を手動で補正可能に構成されている産業車両の変速制御装置。
  10. 請求項8または9に記載の産業車両の変速制御装置において、
    1速から2速への前記シフトアップ許可条件は、シフトアップ許可車速判定時間およびシフトアップ許可速度比判定時間の少なくとも一方を含み、
    前記条件変更手段は、前記シフトアップ許可車速判定時間またはシフトアップ許可速度比判定時間を手動で補正可能に構成されている産業車両の変速制御装置。


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