JPH06191323A - 車両用走行制御装置 - Google Patents

車両用走行制御装置

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Publication number
JPH06191323A
JPH06191323A JP35702192A JP35702192A JPH06191323A JP H06191323 A JPH06191323 A JP H06191323A JP 35702192 A JP35702192 A JP 35702192A JP 35702192 A JP35702192 A JP 35702192A JP H06191323 A JPH06191323 A JP H06191323A
Authority
JP
Japan
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throttle valve
control
vehicle speed
shift
valve opening
Prior art date
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Pending
Application number
JP35702192A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuhiko Higashiyama
康彦 東山
Yasunori Nakawaki
康則 中脇
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
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Publication of JPH06191323A publication Critical patent/JPH06191323A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 実際の車速が目標車速となるようにダウンシ
フト制御およびスロットル制御を行う車両用走行制御装
置において、制御中における騒音や燃費を改善するとと
もに、自動走行制御から通常制御へ復帰する際の走行フ
ィーリングの悪化を防止する。 【構成】 自動走行制御中において、ステップS40で
スロットル弁開度θが所定のスロットル弁開度TRLより
大きく、ステップS41でO/D変速段ではなく、ステ
ップS42で車速Vが所定の速度Veu以上であることを
判断し、ステップS43でそれらの条件が遅延時間T4
以上継続したことを判断した場合に、現在の変速段より
も1段高い変速段へアップシフトを行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両用走行制御装置に係
り、特に、所定の目標車速となるように自動走行制御す
る技術の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】少なくともアクセルがOFF状態である
ことを含む所定の走行制御条件が成立した場合に、実際
の車速が所定の目標車速となるようにダウンシフト制御
およびスロットル制御によって自動走行制御を行うこと
が、オートマチック車における自動エンジンブレーキ制
御やオートクルーズ制御等において考えられている。本
出願人が先に出願した特願平4−46111号に開示さ
れている自動エンジンブレーキ制御はその一例で、下り
坂などでアクセル操作が解除された場合に、そのアクセ
ル操作解除時の車速を目標車速として、実際の車速がそ
の目標車速となるように、必要に応じてダウンシフトし
ながらスロットル弁開度をフィードバック制御するよう
になっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな自動走行制御においては、O/D変速段等の高速段
から1回以上ダウンシフトが行われた場合、その後に路
面勾配が緩やかになってもその低速段におけるスロット
ル制御で等速状態が維持されるため、エンジンの高回転
状態が継続し、騒音や燃費の点で好ましくない。また、
その状態でアクセルが踏込み操作されると、自動走行制
御が解除されて通常の変速制御に復帰するが、例えば2
段以上ダウンシフトした状態では場合によって2nd変
速段から3rd変速段を飛び越して4thまたはO/D
変速段へアップシフトするなどの飛び越し変速が行われ
ることがあり、自動変速機内部の回転メンバの急激な回
転速度変化により、車両の飛出し感やショックを生じて
走行フィーリングが悪化する。
【0004】本発明は以上の事情を背景として為された
もので、その目的とするところは、自動走行制御中にお
ける騒音や燃費を改善するとともに、自動走行制御から
通常の制御へ復帰する際の走行フィーリングの悪化を防
止することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めには、自動走行制御中に必要に応じてアップシフトを
実行するようにすれば良く、本発明は、図1のクレーム
対応図に示すように、複数の前進変速段を有する自動変
速機を備えた車両において、少なくともアクセルがOF
F状態であることを含む所定の走行制御条件が成立した
場合に、前記自動変速機をダウンシフトするダウンシフ
ト手段およびスロットル弁を開閉制御するスロットル制
御手段により実際の車速が所定の目標車速となるように
自動走行制御を行う車両用走行制御装置において、前記
自動走行制御が行われている場合に、少なくとも現在の
変速段がアップシフトが可能な前進変速段で且つスロッ
トル弁開度が所定値以上であることを条件として、現在
の変速段よりも1段高い変速段へ前記自動変速機をアッ
プシフトするアップシフト手段を有することを特徴とす
る。
【0006】なお、好適には、前記スロットル制御手段
は、上記アップシフトが行われる際にそのアップシフト
の前後における駆動力が略等しくなるようにスロットル
制御を行うように構成される。
【0007】
【作用および発明の効果】このような車両用走行制御装
置においては、自動走行制御が行われている場合に、少
なくとも現在の変速段がアップシフトが可能な前進変速
段で且つスロットル弁開度が所定値以上であることを条
件として、現在の変速段よりも1段高い変速段へアップ
シフトが行われるため、下り坂などで1回以上ダウンシ
フトが行われた場合でも、路面勾配が緩やかになってス
ロットル弁開度が開き制御され、上記の条件を満たすと
アップシフトが行われる。これにより、エンジンが高回
転となる低速段に必要以上に維持されることが防止さ
れ、騒音や燃費が改善される。また、このようにアップ
シフトが行われることから、アクセルが踏込み操作され
るなどして通常の制御に復帰した時に、2nd→O/D
アップシフト等の飛び越し変速が行われることが回避さ
れ、車両の飛び出し感やショックが軽減されて走行フィ
ーリングが向上する。
【0008】一方、上記自動走行制御でアップシフトを
行う際に、そのアップシフトの前後における駆動力が略
等しくなるようにスロットル制御が行われるようにすれ
ば、アップシフト時にスロットル弁開度を一旦全閉とし
た後、目標車速に近づけるようにスロットル制御を行う
場合に比較して、変速時における車速低下が少なくて済
むとともに、変速後のスロットル弁開度が目標車速に応
じた所定の開度に速やかに制御される。このため、例え
ば急な下り坂などで2回以上ダウンシフトした後に路面
勾配が略零となった場合には、1回目のアップシフト以
後に次のアップシフト条件を満たすスロットル弁開度ま
でスロットル弁が速やかに開き制御され、複数段のアッ
プシフトが速やかに実行される。これにより、通常走行
時の変速段による走行状態へ迅速に移行させられるとと
もに、アクセル操作等による通常の制御への復帰時にお
ける飛び越し変速が一層効果的に回避される。
【0009】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。
【0010】図2において、ガソリンエンジン10の燃
焼室12内には、エアクリーナ14,エアフローメータ
16,吸気通路18,スロットル弁20,バイパス通路
22,サージタンク24,インテークマニホルド26,
および吸気弁28を介して空気が吸入されるとともに、
その空気には、インテークマニホルド26に設けられた
燃料噴射弁30から噴射される燃料ガスが混合されるよ
うになっている。エアフローメータ16は吸入空気量を
測定するもので、その吸入空気量を表す信号をエンジン
制御用コンピュータ32に出力する。スロットル弁20
はエンジン10に吸入される空気量を連続的に変化させ
るもので、スロットル制御用コンピュータ35から供給
されるスロットル制御信号DTAに従ってスロットル弁
開度θが制御されるようになっているとともに、そのス
ロットル弁20にはスロットルポジションセンサ36が
設けられて、スロットル弁開度θを表すスロットル弁開
度信号Sθをエンジン制御用コンピュータ32、トラン
スミッション制御用コンピュータ34、およびスロット
ル制御用コンピュータ35に出力する。スロットルポジ
ションセンサ36はアイドルスイッチ機能を備えてお
り、スロットル弁20が略全閉となったことを表すアイ
ドル信号を上記スロットル弁開度信号Sθと共に各コン
ピュータ32,34,35に出力する。バイパス通路2
2はスロットル弁20と並列に配設されているととも
に、そのバイパス通路22にはアイドル回転数制御弁3
8が設けられており、エンジン制御用コンピュータ32
によってアイドル回転数制御弁38の開度が制御される
ことにより、スロットル弁20をバイパスして流れる空
気量が調整されてアイドル時のエンジン回転数が制御さ
れる。燃料噴射弁30も、エンジン制御用コンピュータ
32によってその噴射タイミングや噴射量が制御され
る。なお、上記エアフローメータ16の上流側には吸入
空気の温度を測定する吸気温センサ40が設けられ、そ
の吸気温を表す信号をエンジン制御用コンピュータ32
に出力する。
【0011】エンジン10は、吸気弁28,排気弁4
2,ピストン44,および点火プラグ46を備えて構成
されており、点火プラグ46は、エンジン制御用コンピ
ュータ32によって制御されるイグナイタ48からディ
ストリビュータ50を介して供給される高電圧によって
点火火花を発生し、燃焼室12内の混合ガスを爆発させ
てピストン44を上下動させることによりクランク軸を
回転させる。吸気弁28および排気弁42は、クランク
軸の回転に同期して回転駆動されるカムシャフトにより
開閉されるようになっているとともに、エンジン制御用
コンピュータ32によって制御される図示しない可変バ
ルブタイミング機構により、カムシャフトとクランク軸
との回転位相が変更されて開閉タイミングが調整される
ようになっている。そして、燃焼室12内で燃焼した排
気ガスは、排気弁42からエキゾーストマニホルド5
4,排気通路56,触媒装置58を経て大気に排出され
る。エンジン10にはエンジン冷却水温を測定する水温
センサ60が設けられており、そのエンジン冷却水温を
表す信号をエンジン制御用コンピュータ32に出力する
ようになっているとともに、エキゾーストマニホルド5
4には排気ガス中の酸素濃度を検出する酸素センサ62
が設けられており、その酸素濃度を表す信号をエンジン
制御用コンピュータ32に出力する。また、ディストリ
ビュータ50にはクランク軸の回転に同期してパルスを
発生する回転角センサ51が設けられており、そのパル
ス信号すなわちエンジン回転速度NEを表すエンジン回
転速度信号SNEをエンジン制御用コンピュータ32お
よびトランスミッション制御用コンピュータ34に出力
する。
【0012】上記エンジン制御用コンピュータ32,ト
ランスミッション制御用コンピュータ34,スロットル
制御用コンピュータ35は、何れもCPU,RAM,R
OM,入出力インタフェース回路,A/Dコンバータ等
を備えて構成されており、RAMの一時記憶機能を利用
しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号
処理を行うもので、トランスミッション制御用コンピュ
ータ34には、上記各信号の他、パターンセレクトスイ
ッチ70から選択パターンを表すパターン信号SP、ブ
レーキランプスイッチ72からブレーキが踏込み操作さ
れたことを表すブレーキ信号SB、オーバードライブス
イッチ74からO/D変速段までの変速許可を表すO/
D信号SO、アクセル操作量センサ76からアクセルペ
ダルの操作量Acを表すアクセル操作量信号SAcがそ
れぞれ供給されるようになっている。アクセル操作量信
号SAcはエンジン制御用コンピュータ32およびスロ
ットル制御用コンピュータ35にも供給される。上記パ
ターンセレクトスイッチ70は、下り坂などで自動的に
エンジンブレーキを増大させる自動エンジンブレーキパ
ターンを少なくとも有するとともに、動力性能を重視し
た変速マップによって自動変速機78の変速制御を行う
パワーパターン、燃費を重視した変速マップによって変
速制御を行うエコノミーパターンなど、予め定められた
複数の走行パターンの中から運転者が好みの走行パター
ンを選択操作するものである。また、ブレーキランプス
イッチ72はブレーキペダルの近傍に配設され、ブレー
キペダルが踏込み操作されたか否かによってON,OF
Fが切り換えられるON−OFFスイッチ等により構成
されている。
【0013】自動変速機78は、例えば図3に示すよう
にトルクコンバータ110,第1変速機112,および
第2変速機114を備えて構成されている。トルクコン
バータ110のポンプ翼車は前記エンジン10のクラン
ク軸118に連結されており、タービン翼車は入力軸1
20を介して第1変速機112のキャリヤ122に連結
されている。第1変速機112は、サンギヤ124,リ
ングギヤ126,およびキャリヤ122に回転可能に配
設されてサンギヤ124,リングギヤ126と噛み合わ
されているプラネタリギヤ128から成る遊星歯車装置
を含んで構成されており、サンギヤ124とキャリヤ1
22との間にはクラッチC0 および一方向クラッチF0
が並列に設けられ、サンギヤ124とハウジング130
との間にはブレーキB0 が設けられている。
【0014】第2変速機114は、サンギヤ132,一
対のリングギヤ134,136,キャリヤ138に回転
可能に配設されてサンギヤ132,リングギヤ134と
噛み合わされているプラネタリギヤ140,およびキャ
リヤ142に回転可能に配設されてサンギヤ132,リ
ングギヤ136と噛み合わされているプラネタリギヤ1
44とから成る複合型の遊星歯車装置を含んで構成され
ており、リングギヤ136と前記第1変速機112のリ
ングギヤ126との間にはクラッチC1 が設けられ、サ
ンギヤ132とリングギヤ126との間にはクラッチC
2 が設けられ、サンギヤ132とハウジング130との
間にはブレーキB1 と、直列に配設された一方向クラッ
チF1 およびブレーキB2 とが並列に設けられ、キャリ
ヤ138とハウジング130との間にはブレーキB3
よび一方向クラッチF2 が並列に設けられている。ま
た、リングギヤ134およびキャリヤ142は出力軸1
46に一体的に連結されており、その出力軸146は差
動歯車装置等を介して駆動輪に連結されている。
【0015】上記クラッチC0 〜C2 およびブレーキB
0 〜B3 (以下、特に区別しない場合にはクラッチC,
ブレーキBという)は、多板式のクラッチやバンドブレ
ーキなど油圧アクチュエータによって係合制御される油
圧式摩擦係合装置であり、その油圧アクチュエータに
は、油圧制御回路150から作動油が供給されるように
なっている。油圧制御回路150は多数の切換バルブ等
を備えており、トランスミッション制御用コンピュータ
34からの信号に従ってソレノイドS1,S2,および
S3の励磁,非励磁がそれぞれ切り換えられることによ
り、油圧回路が切り換えられて上記クラッチCおよびブ
レーキBが選択的に係合制御され、図4に示されている
ように前進4段のうちの何れかの変速段が成立させられ
る。かかる図4におけるソレノイドの欄の「○」印は励
磁を意味し、クラッチおよびブレーキの欄の「○」印は
係合を意味する。シフトポジションの「D」,「S」,
「L」は運転席のシフトレバーの操作レンジであり、
「D(ドライブ)」レンジでは1stからO/Dまでの
4段で変速制御が行われ、「S(セカンド)」レンジで
は1stおよび2ndの2段で変速制御が行われ、「L
(ロー)」レンジでは1st変速段に固定される。変速
比i(=入力軸120の回転速度NT /出力軸146の
回転速度NO )は、1stで最も大きく、2nd,3r
d,O/Dとなるに従って小さくなり、3rdの変速比
は1.0である。また、「D」レンジでは、3rdおよ
びO/Dでエンジンブレーキが作用し、1stおよび2
ndでは一方向クラッチF2 ,F1 の作用によりエンジ
ンブレーキが効かないが、括弧書きで示されている(1
st),(2nd)では、それぞれソレノイドS3が励
磁されることによりブレーキB3 ,B1 が係合させられ
てエンジンブレーキが作用するようになる。「S」レン
ジの2ndおよび「L」レンジの1stでもエンジンブ
レーキが作用するようになっている。
【0016】かかる自動変速機78には、一対の回転速
度センサ80および82が配設されている。回転速度セ
ンサ80は入力軸120すなわちトルクコンバータ11
0のタービン翼車の回転速度NT を検出するもので、回
転速度センサ82は出力軸146の回転速度NO を検出
するものであり、それぞれその回転速度NT ,NO を表
す回転速度信号SNT ,SNO をトランスミッション制
御用コンピュータ34に出力する。また、油圧制御回路
150にはニュートラルスタートスイッチ84が配設さ
れており、シフトレバー操作によって切り換えられるマ
ニュアルシフトバルブの位置から前記「D」,「S」,
「L」,「R」等のシフトレンジを検出して、そのシフ
トレンジを表すシフトレンジ信号SRをトランスミッシ
ョン制御用コンピュータ34に出力する。油圧制御回路
150にはまた、作動油の油温(A/T油温)THOを
検出する油温センサ86が設けられ、そのA/T油温T
HOを表す油温信号STHOをトランスミッション制御
用コンピュータ34に出力するようになっている。な
お、上記制御用コンピュータ32,34,35間では必
要な情報が授受されるようになっている。
【0017】そして、上記エンジン制御用コンピュータ
32は、前記吸入空気量やスロットル弁開度θ,エンジ
ン回転速度NE,エンジン10の冷却水温度,吸入空気
温度,排気通路56内の酸素濃度,アクセル操作量Ac
などに応じて、例えば必要なエンジン出力を確保しつつ
燃費や有害排出ガスを低減するように予め定められたデ
ータマップや演算式などに基づいて、前記燃料噴射弁3
0による燃料ガスの噴射量や噴射タイミング、イグナイ
タ48による点火時期、アイドル回転数制御弁38によ
るアイドル回転数、および可変バルブタイミング機構に
よる吸排気弁28,42の開閉タイミングなどを制御す
る。トランスミッション制御用コンピュータ34は、ス
ロットル弁開度θ,エンジン回転速度NE,パターン信
号SPが表す選択パターン,ブレーキ信号SBが表すブ
レーキ操作の有無,O/D信号SOが表すO/D変速段
への変速の可否,アクセル操作量Ac,自動変速機78
の出力軸回転速度NO などに基づいて、ソレノイドS
1,S2,およびS3の励磁,非励磁をそれぞれ切り換
えることにより自動変速機78の変速段を切換制御す
る。トランスミッション制御用コンピュータ34はま
た、スロットル弁20のスロットル弁開度θをアクセル
操作量Acに応じて制御したり、アクセル操作量Acが
零の場合にスロットル弁開度θを調整してエンジンブレ
ーキ力を制御したりするため、スロットル制御用コンピ
ュータ35にスロットル指令信号SQを出力するように
なっている。スロットル制御用コンピュータ35は、基
本的に上記スロットル指令信号SQに従ってスロットル
弁開度θを制御するためのスロットル制御信号DTAを
出力するようになっている。
【0018】以下、上記トランスミッション制御用コン
ピュータ34による自動走行制御としての自動エンジン
ブレーキ制御における変速制御およびスロットル制御に
ついて、図5〜図9のフローチャートを参照しつつ具体
的に説明する。図5および図6のフローチャートは自動
変速機78の変速段を切り換える変速制御に関するもの
で、図7〜図9のフローチャートはスロットル制御に関
するものである。なお、以下の制御は、前進4段で変速
を行う「D(ドライブ)」レンジが選択されている場合
のものであり、8〜32msec程度のサイクルタイムで繰
り返し実行される。
【0019】図5のステップS1は、自動変速機78の
変速段を切り換えるか否かの通常の変速判断を行うもの
で、ステップS10がNOの場合、すなわちフラグF3
が「1」でない場合に、ステップS48でフラグF8
a,F8bを「0」とした後に実行される。フラグF3
は、図7のステップSS1〜SS5の条件を総て満足し
て自動エンジンブレーキ制御が実行される場合に「1」
とされるものである。上記ステップS1では、図10に
示すような変速マップからアクセル操作量Acに基づい
てシフトアップ車速Vuやシフトダウン車速Vdを求め
るとともに、前記回転速度信号SNO が表す出力軸回転
速度NO に対応する現在の車速Vと上記シフトアップ車
速Vuやシフトダウン車速Vdとを比較し、アップシフ
ト或いはダウンシフトを行うか否かを判断する。すなわ
ち、V>Vuであればアップシフトを行い、V≦Vdで
あればダウンシフトを行うのであり、この判断に従って
変速すべき次変速段が設定される。続くステップS2お
よびステップS3では、それぞれアップシフトかダウン
シフトかを判断し、アップシフトである場合にはステッ
プS4でフラグF1が「1」とされ、ダウンシフトであ
る場合にはステップS5でフラグF2が「1」とされる
一方、いずれも否定された場合にはステップS6におい
てフラグF1およびフラグF2がそれぞれ「0」とされ
る。
【0020】前記ステップS10がYESの場合、すな
わち自動エンジンブレーキ制御が実行されている場合に
は、ステップS10に続いてステップS40以下を実行
するが、このうちステップS40〜S53はアップシフ
トに関するもので、ステップS11〜S18はダウンシ
フトに関するものである。まず、ダウンシフトから説明
すると、ステップS11では、フラグF5が「0」か否
かを判断する。フラグF5は、自動エンジンブレーキ制
御が実行され且つブレーキが踏み込まれている場合に
「1」とされるもので、フラグF5=1の場合に実行さ
れるステップS15では、予め定められたエンジンブレ
ーキ時のダウンシフトマップからエンジンブレーキ時の
シフトダウン車速Vedを求める。このエンジンブレー
キ時のダウンシフトマップは、エンジンがオーバーラン
しない範囲で通常よりも高車速側でダウンシフトするよ
うに変速の種類毎に定められている。次のステップS1
6では、現在の車速Vと上記シフトダウン車速Vedと
を比較してダウンシフトを判断する。V>Vedであれ
ばステップS14においてフラグF2を「0」として変
速判断を終了するが、V≦Vedの場合には、ステップ
S17においてフラグF2を「1」とした後、ステップ
S18において次変速段として現在の変速段よりも低速
段側の変速段を設定する。ここで設定する変速段はエン
ジンブレーキが作用するもので、2ndまたは1stで
は図4において括弧付きで示されている変速段が設定さ
れる。
【0021】自動エンジンブレーキ制御においてブレー
キが踏込み操作されていない場合に実行されるステップ
S12では、フラグF4が「1」か否かを判断する。フ
ラグF4は、エンジンブレーキ力を増大するためにダウ
ンシフトを行う場合に図9のステップR11で「1」と
されるものであり、F4=0であればステップS14を
実行して終了するが、F4=1であればステップS13
を実行し、次変速段としてエンジンブレーキが作用する
次の低速段を設定する。上記ステップS1,S13,ま
たはS18において次変速段が設定されると、ステップ
S19において変速タイミング時間T1が設定される。
この変速タイミング時間T1は、変速判断が為された後
実際に変速段を切り換えるために変速出力を行う(図6
のステップS30)までの遅れ時間で、短時間で複数段
の変速が行われること(多重変速)を防止するととも
に、下り坂でエンジンブレーキを効かせるためにアクセ
ルペダルが速やかに放された場合にO/D変速段へのア
ップシフト判断が為されても、実際にアップシフトを行
う前にアクセル操作量Acが略零となった時には、O/
D変速段へのアップシフトを禁止するために設けられた
ものである。
【0022】次に、実際に変速段を切り換える図6のフ
ローチャートについて説明する。かかる図6は、変速判
断に従って通常制御時のアップシフトやエンジンブレー
キ制御時のダウンシフトおよびアップシフトを実行する
部分で、ステップS20では前記フラグF1が「1」か
否か、すなわちアップシフトの変速判断が為されたか否
かを判断する。フラグF1が「1」の場合にはステップ
S21以下の各ステップを実行するが、そうでない場合
にはステップS33を実行する。ステップS33ではフ
ラグF4が「1」か否か、すなわちエンジンブレーキ力
増大のためのダウンシフトか否かを判断し、フラグF4
が「1」の場合にはステップS21以下の各ステップを
実行するが、そうでない場合にはステップS34を実行
する。ステップS34ではフラグF8aが「1」か否
か、すなわち後述の自動エンジンブレーキ制御における
アップシフトか否かを判断し、否定された場合にはステ
ップS32を実行し、タイマTaをリセットして終了す
るが、フラグF8aが「1」であればステップS30以
下を実行する。
【0023】ステップS21ではシフトレンジ信号SR
が表すシフトレンジが「D(ドライブ)」であるか否か
を判断し、ステップS22では前記パターン信号SPが
表す走行パターンが「自動エンジンブレーキパターン」
であるか否かを判断し、ステップS23では現在の車速
Vが予め定められた下限車速V1より大きいか否かを判
断し、ステップS24では現在の車速Vが予め定められ
た上限車速V2以下か否かを判断し、ステップS25で
はアクセルがOFFすなわちアクセル操作量信号SAc
が表すアクセル操作量Acが略零か否か、具体的には検
出誤差などを考慮して1.5%程度以下か否かを判断
し、ステップS26では前記ステップS1で設定された
次変速段がO/D変速段か否かを判断する。上記下限車
速V1および上限車速V2は、エンジンブレーキのため
の特別な制御を行う車速範囲を定めたもので、下限車速
V1は例えば20km/h程度に設定され、上限車速V
2は例えば110km/h程度に設定される。そして、
上記ステップS21〜S26のうち1つでもNOの場合
には、ステップS28において、前記ステップS1で設
定された次変速段のステップS27による変更を無しと
するが、ステップS21〜S26の判断が総てYESの
場合には、ステップS27において次変速段を「3r
d」に変更する。
【0024】ステップS29では、タイマTaの計時内
容が前記変速タイミング時間T1以上か否かを判断す
る。変速タイミング時間T1となるまでは上記ステップ
S20以下を繰り返すが、変速タイミング時間T1に達
するとステップS30を実行し、前記ソレノイドS1,
S2,およびS3の励磁,非励磁を切り換えて自動変速
機78の変速段を前記ステップS1などにおいて設定さ
れた次変速段、或いはステップS27で変更された3r
d変速段に切り換える。その後、ステップS31におい
てフラグF1、フラグF4、およびフラグF8aをそれ
ぞれ「0」とし、ステップS32においてタイマTaを
リセットする。このタイマTaは、通常のアップシフト
判断が為されてフラグF1が「1」とされたか、エンジ
ンブレーキ力を増大するためのダウンシフト判断が為さ
れてフラグF4が「1」とされた後の経過時間を計測す
るものである。
【0025】ここで、前記ステップS1においてO/D
変速段へのアップシフト判断が為されても、ステップS
30において実際に変速段が切り換えられるまでの間、
すなわち変速判断が為されてから変速タイミング時間T
1が経過するまでの間に、アクセルOFFを含むステッ
プS21〜S26の条件を総て満足した場合には、次変
速段が3rdに変更されるため、下り坂などでこれ以上
の増速を嫌って運転者がアクセルを放した場合には、ア
クセル操作量Acの減少に伴ってアップシフトの変速判
断が為されてもO/D変速段への実際の変速が防止さ
れ、O/D変速段への変速に伴うエンジンブレーキ力の
低下が良好に回避される。例えば、図10の点Aの状態
で2nd走行の場合に運転者がアクセルを放すと、「2
→3」アップシフト線および「3→O/D」アップシフ
ト線をよぎってアクセル操作量Acは零となるため、ス
テップS1では最終的に2ndからO/Dへの変速判断
が為され、次変速段としてO/D変速段が設定される
が、「2→3」アップシフト判断が為されてから変速タ
イミング時間T1を経過する前にアクセル操作量Acが
零になると、「3→O/D」アップシフト線をよぎって
次変速段がO/Dとなっても、ステップS27において
次変速段が3rdに変更されるため、O/D変速段まで
アップシフトされることはないのである。
【0026】続いて、自動エンジンブレーキ制御中のス
ロットル制御について説明すると、先ず、図7のステッ
プSS1〜SS5においてシフトレンジ,走行パター
ン,車速V,およびアクセル操作量Acに関し前記ステ
ップS21〜S25と同じ判断を行い、総ての条件を満
たす場合にはステップSS8以下の自動エンジンブレー
キ制御を実行する。本実施例ではこれ等のステップSS
1〜SS5が所定の走行制御条件に相当する。そして、
それ等のステップSS1〜SS5の判断が何れか1つで
もNOの場合には、図8のステップSS6においてフラ
グF3、フラグF5、およびフラグF7をそれぞれ
「0」とし、ステップSS7において通常のスロットル
制御を行う。ステップSS7の通常のスロットル制御
は、アクセル操作量信号SAcが表すアクセル操作量A
cに基づいて、予め定められたマップまたは演算式から
スロットル弁開度TA(Ac)を求め、そのスロットル
弁開度TA(Ac)を目標スロットル弁開度TA* に設
定するとともに、その目標スロットル弁開度TA* を表
すスロットル指令信号SQをスロットル制御用コンピュ
ータ35に出力する。スロットル制御用コンピュータ3
5は、フィードバック制御等によりスロットル弁20の
実際のスロットル弁開度θを上記スロットル指令信号S
Qが表す目標スロットル弁開度TA* 、すなわちTA
(Ac)と一致させるように、スロットル制御信号DT
Aをスロットル弁20に出力する。
【0027】上記ステップSS1〜SS5の条件を総て
満足する場合に実行するステップSS8では、フラグF
3が「1」であるか否かを判断する。ステップSS8が
最初に実行される時にはフラグF3が「0」であるた
め、次にステップSS10を実行してその時の車速Vを
目標車速Vmに設定する。図8のステップSS14また
はSS19においてフラグF3が「1」とされた以後の
サイクルではステップSS9が実行され、目標車速Vm
から予め定められた一定値Vfを差し引いた車速(Vm
−Vf)とその時の車速Vとを比較する。V>(Vm−
Vf)であれば図8のステップSS11以下を実行する
が、V≦(Vm−Vf)であれば再びステップSS10
を実行し、目標車速Vmをその時の車速Vに変更した後
ステップSS11以下を実行する。上記一定値Vfは、
ブレーキの踏込み操作によって車速Vが比較的大きく低
下した場合にはステップSS10で目標車速Vmが更新
されるように定められている。
【0028】図8のステップSS11では、前記ブレー
キ信号SBに基づいてブレーキが踏込み操作されている
か否かを判断し、ブレーキOFFすなわち踏込み操作さ
れていない場合にはステップSS12以下を実行する
が、運転者が更に減速を希望してブレーキが踏込み操作
されるとステップSS11の判断はNOとなり、ステッ
プSS22およびSS23を実行する。ステップSS2
2では、エンジンブレーキ力を増大させるために目標ス
ロットル弁開度TA* を零とし、その目標スロットル弁
開度TA* を表すスロットル指令信号SQをスロットル
制御用コンピュータ35に出力することにより、スロッ
トル弁20を全閉とする。また、ステップSS23では
フラグF5を「1」とし、前記図5のステップS15以
下が実行されるようにする。
【0029】ブレーキOFF時に実行するステップSS
12ではフラグF5を「0」とし、ステップSS13で
はフラグF1が「1」か否か、すなわち前記ステップS
1でアップシフトの変速判断が為されたか否かを判断す
る。フラグF1=1の場合には、ステップSS14にお
いてフラグF3を「1」とした後、ステップSS15に
おいて、前記ステップSS7と同様の通常のスロットル
制御を行う。フラグF1が「0」の場合には、ステップ
SS16においてフラグF6が「0」か否かを判断す
る。フラグF6は、エンジンブレーキ力を増大するため
にダウンシフトを行う際に図9のステップR11におい
て「1」とされるもので、フラグF6=0の場合には、
ステップSS17においてフラグF3が既に「1」であ
るか否かを判断する。
【0030】自動エンジンブレーキ制御の最初のサイク
ルでフラグF3が「1」でなく、ステップSS17の判
断がNOの場合には、ステップSS19においてフラグ
F3を「1」とした後ステップSS20を実行し、前記
ステップSS7と同様の通常のスロットル制御を行う。
また、フラグF3=1の場合には、ステップSS18に
おいてクラッチCやブレーキBに滑りが生じている変速
中でないか否かを、例えば変速比iやタービン回転速度
T ,出力軸回転速度NO などに基づいて判断する。そ
して、ステップSS18の判断がYESの場合、すなわ
ち変速中でない場合にはステップSS21の自動エンジ
ンブレーキスロットル処理ルーチンを実行するが、変速
中の場合にはステップSS20を実行する。
【0031】ステップSS21の自動エンジンブレーキ
スロットル処理ルーチンは、実際の車速Vが前記図7の
ステップSS10で設定された目標車速Vmと略一致す
るようにスロットル弁開度θをフィードバック制御する
もので、具体的には図9のフローチャートに従って実行
される。かかる図9のステップR1では、スロットル弁
開度θが予め定められた判断値θ1より小さいか否かを
判断する。判断値θ1は1.5%程度以下の小さな値
で、スロットル弁20が略全閉であることを表すアイド
ル信号によって判断する。そして、θ≧θ1の場合、す
なわちスロットル弁20を閉じることによりエンジンブ
レーキ力を増大させることができる場合には、ステップ
R2でタイマTcをリセットするとともにステップR3
でフラグF7を「1」とした後、ステップR4を実行す
る。ステップR4においては、目標車速Vmと現在の車
速Vとの偏差に応じて、車速Vを目標車速Vmと略一致
させるためのスロットル弁開度TA1(%)を、例えば
図11に示すフィードバック制御のフローチャートに従
って算出する。
【0032】図11のステップSH1では、予め定めら
れたデータマップ(図示省略)からエンジン回転速度N
Eに基づいて第1補正係数f(NE)を算出する。この第1
補正係数f(NE)は、スロットル弁開度θの変化に対する
エンジン出力トルク更には駆動力の変化量がエンジン回
転速度NEの高低によって相違するため、そのエンジン
回転速度NEの高低に拘らず略一定のフィードバック制
御特性が得られるようにするためのもので、図12に示
すようなエンジン出力特性に基づいて、例えば最高回転
速度NEmax からエンジン回転速度NEが低くなるに従
って小さくなり、アイドル回転速度NEidl で最小とな
るように定められている。
【0033】続くステップSH2では、予め定められた
データマップ(図示省略)からスロットル弁開度θに基
づいて第2補正係数f(θ)を算出する。この第2補正
係数f(θ)は、スロットル弁開度θの変化に対するエ
ンジン出力トルク更には駆動力の変化量がスロットル弁
開度θの大きさによって相違するため、そのスロットル
弁開度θの大きさに拘らず略一定のフィードバック制御
特性が得られるようにするためのもので、図12に示す
ようなエンジン出力特性に基づいて、例えば最大開度θ
max からスロットル弁開度θが小さくなるに従って小さ
くなるように定められている。
【0034】また、次のステップSH3では、予め定め
られたデータマップ(図示省略)から現在の変速段に基
づいて第3補正係数f(S) を求める。この第3補正係数
f(S) は、スロットル弁開度θの変化すなわちエンジン
10の出力トルク変化に対する駆動力の変化量が自動変
速機78の変速段の種類によって相違するため、その変
速段の種類に拘らず略一定のフィードバック制御特性が
得られるようにするためのものである。自動変速機にお
いては変速比iが大きい低速段側ほど少ないスロットル
弁開度変化で大きな駆動力変化が生じるため、低速段側
程第3補正係数f(S) が小さくなるように変速段毎に定
められている。
【0035】そして、続くステップSH4において、上
記f(NE)、f(θ)、f(S) をすべて積算して補正係数
f(A) を算出し、ステップSH5で目標車速Vmに対す
る現在の車速Vの偏差f(SPD) =(Vm−V)を求め
る。また、ステップSH6においてPID(比例積分微
分)動作のフィードバック制御式により調整量ΔTAを
求め、ステップSH7においてスロットル弁開度TA1
を算出する。
【0036】図9に戻って、次のステップR5では、現
在の変速段および目標車速Vmに基づいて、平坦地走行
であれば目標車速Vmを維持できるスロットル弁開度、
すなわち走行抵抗を見込んだ駆動力が零となるスロット
ル弁開度TAm(%)を、例えば図13に示されている
ような予め記憶されたデータマップからマップ補間によ
り算出し、上記スロットル弁開度TA1がスロットル弁
開度TAmよりも小さいか否かを判断する。上記図13
のデータマップは、予め実験的に求められた図14に示
すようなデータに基づいて、駆動力が走行抵抗と一致す
るスロットル弁開度を変速段および車速毎に求めたもの
である。図14のデータは、例えば前記図12の出力特
性を有するエンジンを備えた車両において、自動変速機
78の変速段がO/Dの場合のもので、例えば車速が8
0km/hの場合のスロットル弁開度TAm(%)は、
平坦地における走行抵抗と一致する点Bのスロットル弁
開度(角度)が全開の80゜に対して約7.4゜である
から、O/D変速段で車速80km/hの場合のスロッ
トル弁開度TA45は、およそ9.3%となる。このよう
にして図13のデータマップにおけるO/D変速段での
各車速毎のスロットル弁開度TA41〜TA47は求められ
ているとともに、3rd変速段およびエンジンブレーキ
が作用する2nd変速段,1st変速段についても、上
記と同様にしてスロットル弁開度TA31〜TA37,TA
21〜TA27,TA11〜TA17が求められている。
【0037】そして、TA1<TAmであれば、ステッ
プR6においてスロットル弁開度TA1を目標スロット
ル弁開度TA* に設定し、その目標スロットル弁開度T
*を表すスロットル指令信号SQをスロットル制御用
コンピュータ35に出力することにより、スロットル弁
20の実際のスロットル弁開度θがスロットル弁開度T
A1となるように制御する。これ等のステップR4,R
5,R6が繰り返し実行されることにより、車速Vが目
標車速Vmと略一致するようにスロットル弁開度θが速
やかに制御され、アクセルOFF時の目標車速Vmまた
はブレーキ踏込み操作による車速Vの低下に伴って変更
された目標車速Vmで車両が走行するエンジンブレーキ
力が得られる。一方、TA1≧TAmの場合にはステッ
プR5の判断はNOとなり、ステップR7においてスロ
ットル弁開度TAmを目標スロットル弁開度TA* に設
定し、その目標スロットル弁開度TA* を表すスロット
ル指令信号SQをスロットル制御用コンピュータ35に
出力することにより、スロットル弁20の実際のスロッ
トル弁開度θがスロットル弁開度TAmとなるように制
御する。このように、平坦地走行であれば目標車速Vm
を維持できるスロットル弁開度TAmをフィードバック
制御によるスロットル弁開度TA1の上限とすることに
より、下り坂および平坦地では目標車速Vmが維持され
るが、登り坂ではその勾配に応じて車速Vは目標車速V
mよりも低下するようになる。
【0038】スロットル弁20が略全閉となり、上記ス
ロットル制御ではエンジンブレーキ力を増大させること
ができなくなると、前記ステップR1の判断はYESと
なり、ステップR8を実行し、フラグF7が「1」であ
るか否かを判断する。このルーチンが最初に実行される
当初はフラグF7が「0」であるため、前記ステップR
2以下を実行するが、次のサイクルからはステップR9
を実行し、タイマTcの計時内容すなわちスロットル弁
20が略全閉となってからの経過時間が予め定められた
遅延時間T3を超えたか否かを判断する。遅延時間T3
は、スロットル弁20が略全閉であっても充分なエンジ
ンブレーキ力が得られず、前記ステップR4〜R6によ
るフィードバック制御でスロットル弁20が全閉の状態
に維持されるか否かを判断するためのものである。Tc
<T3の場合は前記ステップR3以下を実行するが、T
c≧T3である場合は続くステップR10において、現
在の変速段がエンジンブレーキ作用を得ることが可能な
最低速段、すなわちこの実施例ではソレノイドS3が励
磁された1st変速段であるか否かを判断し、1st変
速段である場合にはダウンシフトができないので前記ス
テップR3以下の実行を繰り返す。変速段が1st以外
である場合にはステップR11以下を実行し、エンジン
ブレーキ力を増大させるためにダウンシフトを指示する
フラグF4を「1」とするとともに、そのダウンシフト
時のスロットル制御を表すフラグF6を「1」とする。
【0039】次のステップR12では、ダウンシフトす
る変速の種類および現在の車速Vに基づいて、ダウンシ
フトの変速の前後において略同じ駆動力が得られるスロ
ットル弁開度TA2(%)を、例えば図15に示されて
いるような予め定められたデータマップからマップ補間
により算出する。図15のデータマップは、予め実験的
に求められた前記図14に示す駆動力データに基づい
て、ダウンシフト前の変速段においてスロットル弁20
が全閉の時の駆動力(この場合には制動力として作用す
る)と同じか少し小さい駆動力、言い換えればエンジン
ブレーキ力が同じか少し大きくなる駆動力が、ダウンシ
フト後においても得られるスロットル弁開度TA2
(%)を、変速の種類および車速毎に求めたものであ
る。例えばO/D変速段で車速が80km/hの場合の
アクセルOFF時における駆動力は、図14において点
Cで示すように−300N程度であるから、O/D変速
段から3rd変速段へダウンシフトされる場合には、3
rdの場合の図14に相当するデータにおいて車速が8
0km/hで上記駆動力、すなわち−300Nと同じか
少し小さい駆動力が得られるスロットル弁開度の値がス
ロットル弁開度TA2となる。図15の「O/D→3r
d」変速時のスロットル弁開度TA231〜TA23nは、
このようにして車速V1 〜Vn 毎に定められており、
「3rd→2nd(S3ON)」変速、「2nd→1s
t(S3 ON)」変速時のスロットル弁開度TA221
〜TA22n、およびTA211〜TA21nも、上記と同様
に定められている。
【0040】また、続くステップR13では、スロット
ル弁開度θの変更タイミング時間T2を設定する。この
スロットル弁開度変更タイミング時間T2は、前記ステ
ップS30においてダウンシフトの変速出力が為されて
からスロットル弁20を開き制御するまでの遅れ時間で
あり、ダウンシフトの際に解放される高速段側のクラッ
チCやブレーキBに滑りが生じ始めるタイミングに合わ
せてエンジン回転速度NEが上昇するように、現在のエ
ンジン回転速度NEおよびA/T油温THOをパラメー
タとして予め実験やシミュレーション等によって設定さ
れた図16のデータマップからマップ補間により算出さ
れる。この場合に、A/T油温THOが高い程作動油の
粘性抵抗は低くなり、ドレーンやサプライに要する時間
が短くなるとともに、変速出力が為されたのち高速段側
のクラッチCやブレーキBに滑りが生じ始めるまでの遅
れ時間は短くなるため、スロットル弁開度変更タイミン
グ時間T2はA/T油温THOが高い程小さな値とな
る。また、エンジン回転速度NEが高い程、スロットル
弁20を開き制御したのち実際にエンジン10が吹き上
がるまでの遅れ時間は長くなるため、スロットル弁開度
変更タイミング時間T2はエンジン回転速度NEが高い
程小さな値となる。
【0041】ステップR11でフラグF6が「1」とさ
れると、以後のサイクルでは図8におけるステップSS
16の判断がNOとなり、ステップSS24を実行す
る。ステップSS24では、前記ステップS30におい
てダウンシフトのための変速出力が為されて次のステッ
プS31においてフラグF4が「0」とされたか否かを
判断し、F4=0となるまではステップSS25におい
てタイマTbをリセットし、F4=0になるとステップ
SS26以下を実行する。ステップSS25においてタ
イマTbがリセットされることにより、タイマTbはフ
ラグF4が「0」とされた時、言い換えればダウンシフ
トの変速出力が為された時を起点として経過時間を計測
することになり、ステップSS26では、そのタイマT
bの計時内容が前記スロットル弁開度変更タイミング時
間T2以上となったか否かを判断する。そして、タイマ
Tbの計時内容が変更タイミング時間T2に達すると、
ステップSS27においてスロットル弁開度TA2を目
標スロットル弁開度TA* に設定し、その目標スロット
ル弁開度TA* を表すスロットル指令信号SQをスロッ
トル制御用コンピュータ35に出力することにより、ス
ロットル弁20の実際のスロットル弁開度θがスロット
ル弁開度TA2となるように制御する。また、次のステ
ップSS28では、ダウンシフトの変速出力が為された
後の現在の変速段の変速比i、および回転速度NT ,N
O に基づいて変速が終了したか否かを判断し、変速が終
了するとステップSS29においてフラグF6を「0」
とする。
【0042】次に、前記図5の自動エンジンブレーキ制
御中におけるアップシフト判断について説明する。ステ
ップS40では、前記ステップR4以下のフィードバッ
ク制御で開閉されるスロットル弁開度θが、所定値に相
当するスロットル弁開度TRLよりも大きいか否かを判断
する。このスロットル弁開度TRLは、例えば平坦地走行
であれば目標車速Vmを維持できる前記スロットル弁開
度TAmよりも所定量だけ小さい値で、現在の変速段や
目標車速Vmに基づいて図13のデータマップを用いて
算出される。θ>TRLの場合には、次のステップS41
において、アップシフトが可能な前進変速段であるか否
かを判断するために、現在の変速段がO/D変速段であ
るか否かを判断する。O/D変速段ではなくてアップシ
フトが可能である場合には、次のステップS42におい
て、現在の車速Vが目標車速Vmよりも所定量SPDeだけ
小さいVeu以上であるか否かを判断する。これは、下り
坂から平坦地になった場合にエンジンブレーキの効き過
ぎで車速Vが目標車速Vmより低い状態でアップシフト
することを防止するためであり、上記所定量SPDeは、例
えば車速V、変速段、およびトルクコンバータ110の
速度比e(=NT /NE)に基づいて予め定められたデ
ータマップ或いは演算式から求められ、2〜6km/h程度
の小さな値である。
【0043】V≧Veuである場合には、次のステップS
43において、タイマTdの計時内容が予め定められた
遅延時間T4を超えたか否かを判断する。遅延時間T4
は、上記ステップS40〜S42の条件を満たしている
経過時間を判断するためのもので、予め5〜10秒程度
の一定値が設定されても良いが、変速の種類や車速Vな
どをパラメータとしてデータマップやファジー推論など
によって設定されるようにしても良い。そして、Td<
T4の場合はステップS47でタイマTeをリセットし
て変速判断を終了するが、Td≧T4となった場合に
は、続くステップS44でタイマTdをリセットすると
ともに、ステップS45で現在の変速段よりも1段高い
次変速段を設定する。続く、ステップS46ではフラグ
F8aおよびF8bをそれぞれ「1」とし、フラグF8
aが「1」とされることにより、前記図6のステップS
30が実行され、ステップS45で設定された1段上の
変速段へアップシフトする。なお、このアップシフト時
のスロットル制御は、前記ステップSS18の判断に従
ってステップSS20が実行されることにより、クラッ
チCやブレーキBに滑りが生じている変速中は実際のア
クセル操作量Acに従ってスロットル弁20を全閉と
し、変速終了後はステップSS21を実行して車速Vを
目標車速Vmに近づけるようにフィードバック制御す
る。
【0044】上記ステップS40〜S42の条件が1つ
でも満たされない場合は、ステップS50を実行してタ
イマTdをリセットするとともに、ステップS51にお
いてフラグF8bが「1」であるか否かを判断する。フ
ラグF8bが「0」の場合には、前記ダウンシフト判断
を行うステップS11以下を実行するが、フラグF8b
が「1」、すなわちステップS45でアップシフトが設
定された場合には、ステップS52を実行してタイマT
eの計時内容が予め定められた遅延時間T5を超えたか
否かを判断する。遅延時間T5は、アップシフトの実行
によりステップS40〜S42の条件が満たされなくな
り、ステップS11以下が実行されて直ちにダウンシフ
トが行われることを防止するためのもので、予め一定値
が設定されても良いが、変速の種類や車速Vなどに基づ
いて設定されるようにしても良い。そして、Te<T5
の場合は計時を続行して変速判断を終了するが、Te≧
T5となった場合は、ステップS53でフラグF8bを
「0」とした後、前記ステップS11以下を実行する。
なお、かかるタイマTeによる時間待ちの間でも、ステ
ップS40〜S42の条件を満たすようになれば、時間
Tdが経過した後に再びアップシフトが設定される。
【0045】このように、本実施例の自動エンジンブレ
ーキ制御においては、実際の車速Vが目標車速Vmとな
るように前記ステップR4,R6によりスロットル弁2
0がフィードバック制御されるとともに、必要に応じて
自動変速機78がエンジンブレーキの作用する低速段へ
ダウンシフトされる一方、前記ステップS40〜S42
の各条件、すなわち現在の変速段がアップシフトが可能
な前進変速段で、スロットル弁開度θが所定値TRL(<
TAm)以上で、現在の車速Vが目標車速Vmよりも所
定量SPDeだけ小さい前記Veu以上である3条件を満た
し、且つその状態が前記遅延時間T4だけ継続した場合
には、現在の変速段よりも1段高い変速段へアップシフ
トされる。したがって、例えば下り坂などで1回以上ダ
ウンシフトが行われた場合でも、路面勾配が緩やかにな
るのに伴いスロットル弁開度θが開き制御されて上記の
条件を満たすとアップシフトが行われ、エンジン10が
高回転となる低速段に必要以上に維持されることが防止
されて、騒音や燃費が改善される。また、このようにア
ップシフトが行われることから、アクセルが踏込み操作
されて前記ステップS1の通常の制御に復帰した時に、
2nd→O/Dアップシフト等の飛び越し変速が行われ
ることが回避され、車両の飛び出し感やショックが軽減
されて走行フィーリングが向上する。
【0046】また、本実施例では、自動エンジンブレー
キ制御でのアップシフトを行うための条件として、ステ
ップS42のV≧Veu条件、すなわち現在の車速Vが目
標車速Vmにある程度まで近づけられていることが加え
られているため、より一層的確なアップシフト判断が行
われて、通常制御へのスムーズな移行を達成できる利点
がある。更に、ステップS45でアップシフトが設定さ
れて実行された場合には、その後遅延時間T5を経過す
るまではステップS11以下のダウンシフト判断を行わ
ないようになっているため、短時間でアップダウンを繰
り返すビジーシフトが回避される。
【0047】本実施例では、前記トランスミッション制
御用コンピュータ34による一連の信号処理のうちステ
ップR11,S12,S13,およびS30を実行する
部分がダウンシフト手段に相当し、ステップR4および
R6を実行する部分がスロットル制御用コンピュータ3
5と共にスロットル制御手段を構成している。また、ス
テップS40〜S43,S45,S46,およびS30
を実行する部分がアップシフト手段に相当する。
【0048】次に、本発明の他の実施例について図17
乃至図20を参照しつつ説明する。図17は、前記図5
のフローチャートにおける自動エンジンブレーキ制御で
のアップシフト判断を行う部分に対応し、この実施例で
はステップS45でアップシフトが設定された場合に、
アップシフト時のスロットル制御を指示するフラグF9
を「1」とするステップS49を備えている。自動エン
ジンブレーキ制御が解除された場合には、このフラグF
9は前記ステップS48で「0」とされる。また、図1
8は前記図8のフローチャートに対応するもので、ステ
ップSS30およびステップSS31が追加して設けら
れている。図19は、上記ステップSS30の具体的内
容を示すフローチャートで、ステップSU1において
は、前記フラグF9が「1」であるか否かを判断し、
「1」でないときは直ちに終了する。フラグF9が
「1」で、自動エンジンブレーキ制御でのアップシフト
が設定されている場合には、ステップSU2においてそ
のアップシフトの変速が終了したか否かを判断するとと
もに、それが否定された場合には、ステップSU3にお
いてその変速が開始されたか否かを判断する。これらの
判断は、前記ステップSS18の場合と同様に、変速比
iやタービン回転速度NT ,出力軸回転速度NO などに
基づいて行われ、クラッチCやブレーキBに滑りを生じ
ているか否かによって判断する。ステップSU3の判断
がNOの場合はステップSU8が実行され、フラグF1
0を「0」として終了する。しかし、アップシフトの開
始が検出された場合には、ステップSU4でフラグF1
0を「1」とするとともに、ステップSU5において目
標スロットル弁開度TA* を零としてスロットル弁20
を全閉にする。
【0049】前記ステップSU2で変速終了を検出する
と、ステップSU6において、アップシフトの前後にお
ける駆動力が略等しくなるようなスロットル弁開度T
RLu に目標スロットル弁開度TA* を設定し、スロット
ル弁開度θがTRLu となるようにスロットル弁20を開
き制御する。このスロットル弁開度TRLu は、基本的に
は前記スロットル弁開度TA2と同様な考え方で求めら
れるが、今回は変速前のスロットル弁開度θが一定でな
いため、その変速前のスロットル弁開度θ,車速V,お
よび変速の種類をパラメータとして予め定められたデー
タマップからマップ補間により算出される。続くステッ
プSU7においてフラグF9を「0」とした後、前記ス
テップSU8を実行して本ルーチンは終了する。
【0050】図18に戻って、前記ステップSS31に
おいてはフラグF10が「1」であるか否かを判断し、
F10=1、すなわちアップシフトの変速中の場合には
そのまま終了するが、F10=0の場合にはステップS
S18以下を実行してスロットル弁20を目標車速Vm
に基づいてフィードバック制御する。したがって、前記
ステップS45でアップシフトが設定され、ステップS
49でフラグF9=1とされると、そのアップシフトの
変速が開始するまでは前記ステップR4以下のフィード
バック制御を継続するが、変速中はスロットル弁20を
全閉とする。また、変速終了後は、変速前の駆動力と略
同じ駆動力が得られるスロットル弁開度TRLu とした
後、目標車速Vmに基づくフィードバック制御を再開す
る。なお、フラグF10は前記ステップSS6で「0」
とされるようになっており、フラグF9=0の場合に
は、ステップSS30,SS31に続いてステップSS
18以下が実行される。
【0051】このように、本実施例においては、自動エ
ンジンブレーキ制御でのアップシフトに際し、アップシ
フト前後において駆動力が略等しくなるスロットル弁開
度TRLu となるようにスロットル弁20が開き制御さ
れ、そのままフィードバック制御へ移行するため、前記
第1実施例のようにアップシフト時にスロットル弁20
を全閉とした状態でフィードバック制御へ移行する場合
に比較して、変速時における車速Vの低下が少なくて済
むとともに、変速後のスロットル弁開度θが目標車速V
mに応じた所定の開度に速やかに制御される。このた
め、例えば急な下り坂などで2回以上ダウンシフトした
後に路面勾配が略零となった場合には、1回目のアップ
シフト以後に次のアップシフト条件を満たすスロットル
弁開度(≒TRLu )までスロットル弁20が速やかに開
き制御され、複数段のアップシフトが速やかに実行され
る。これにより、通常走行時の変速段による走行状態へ
迅速に移行させられるとともに、アクセル操作による通
常の制御への復帰時における飛び越し変速が一層効果的
に回避される。
【0052】この実施例では、ステップS49およびス
テップSS30を実行する部分を含んでスロットル制御
手段が構成されている。
【0053】図20は、下り坂から平坦地にかけて走行
する場合の車速Vやスロットル弁開度θ等の変化を示す
タイムチャートの一例で、実線は本実施例の場合であ
り、一点鎖線は前記第1実施例の場合である。時間a
は、3rd変速段での走行中にアクセル操作量Acが零
とされ、自動エンジンブレーキ制御が開始された時間
で、その時の車速Vが目標車速Vmに設定される。時間
bは、3rd変速段ではスロットル弁20を全閉として
も十分なエンジンブレーキ力が得られず、車速Vが上昇
し続けたため、更に大きなエンジンブレーキ力が得られ
る2nd変速段へダウンシフトされた時間である。その
後、路面が平坦となり、エンジンブレーキの効き過ぎで
車速Vが目標車速Vmを下廻ったため、フィードバック
制御によりスロットル弁20が開き制御され、前記ステ
ップS40〜S43の条件を満足することにより時間c
で3rd変速段へのアップシフトが行われた。これによ
り、エンジン回転速度NEが高い低速段に必要以上に維
持されることが回避され、騒音や燃費が改善される。こ
こまでは、本実施例も前記第1実施例も同様である。
【0054】しかし、上記3rd変速段への変速終了時
に、本実施例ではステップSU6でスロットル弁20が
スロットル弁開度TRLu まで開き制御され、そのままフ
ィードバック制御へ移行するため、変速時の車速Vの低
下が少ないとともに目標車速Vmとの偏差に応じてスロ
ットル弁開度θが速やかに増大させられる。このため、
比較的短時間で再度上記ステップS40〜S43のアッ
プシフト条件を満足するようになり、時間dでO/D変
速段へアップシフトされた。これに対し、前記第1実施
例の場合は、3rd変速段への変速時にスロットル弁2
0が全閉とされた状態でフィードバック制御へ移行する
ため、変速時の車速Vの低下が比較的大きいとともにス
ロットル弁開度θの増大が遅れ、それに伴ってO/D変
速段へのアップシフトも時間eで示されているように遅
くなるのである。
【0055】以上、本発明の一実施例を図面に基づいて
詳細に説明したが、本発明は他の態様で実施することも
できる。
【0056】例えば、前記実施例では自動エンジンブレ
ーキ制御でのアップシフトを行うための条件として、現
在の変速段がアップシフト可能な前進変速段で且つスロ
ットル弁開度θがスロットル弁開度TRLよりも大きいこ
とに加えて、車速Vが目標車速Vmに近い所定の速度V
eu以上であることや遅延時間T4以上経過することが必
要とされていたが、それらの条件は必ずしも本発明の必
須要件ではない。また、上記以外に、自動エンジンブレ
ーキのダウンシフトが実行されて所定時間が経過したこ
となどの他の変速条件が加えられても良いし、上記スロ
ットル弁開度TRLは、アップシフト後の変速段でスロッ
トル弁20が略全閉の場合の駆動力と同等の駆動力が得
られるようなスロットル弁開度すなわち前記スロットル
弁開度TA2以上で、前記スロットル弁開度TAmより
小さい範囲で適宜定められ、変速段毎に或いは変速段の
種類に拘らず予め一定値が設定されても良い。フィード
バック制御の際のスロットル弁開度TA1に制限がない
場合は、スロットル弁開度TRLとしてTAmより大きい
値が設定されても良い。
【0057】また、前記第2実施例では、変速終了時に
スロットル弁20が開き制御されるようになっていた
が、例えば変速終了時にスロットル弁開度TRLu に応じ
た駆動力が得られるようにするなど、スロットル弁20
を開き制御するタイミングは適宜変更され得る。スロッ
トル弁20を全閉とするタイミングやダウンシフトの際
のスロットル制御のタイミングについても適宜設定でき
る。
【0058】また、前記実施例では、アップシフト時に
スロットル弁20を一旦全閉とするようになっていた
が、かかる全閉制御を行うことなく直ちにスロットル弁
開度TRLu へスロットル制御するようにしても良い。
【0059】また、前記第2実施例では、アップシフト
の前後の駆動力が略等しくなるスロットル弁開度TRLu
が設定されるようになっていたが、必ずしも等駆動力と
なるようにスロットル制御する必要はなく、変速の種類
毎に或いは変速の種類に拘らず予め一定値を設定するこ
ともできるなど、スロットル弁20の開き量は適宜定め
られる。ダウンシフトの際のスロットル弁20の開き量
についても同様に適宜定められる。なお、かかる変速時
のスロットル制御は必ずしも必須ではない。
【0060】また、前記実施例では、アップシフト後に
所定の遅延時間T5を経過するまではダウンシフト判断
を行わないようにしていたが、このようなダウンシフト
の制限は必ずしも必須ではない。
【0061】また、前記実施例では、実際の車速Vと目
標車速Vmとの偏差に応じてスロットル弁20をフィー
ドバック制御するようになっていたが、少なくとも車速
Vが目標車速Vmに近づくように制御されれば良く、例
えば車速Vが目標車速Vmより大きいか小さいかによっ
てスロットル弁開度を所定量ずつ増減するようにしても
良い。
【0062】また、前記実施例ではステップSS1〜S
S5の条件を総て満たした場合にステップSS8以下の
自動エンジンブレーキ制御が実行されるが、少なくとも
アクセルOFFを判断するステップSS5を含んでおれ
ば他の条件は適宜変更され得、パワーパターンなど他の
走行パターンが選択された場合に自動エンジンブレーキ
制御を行うようにしたり、走行パターンの種類に拘らず
自動エンジンブレーキ制御が実行されるようにしたりす
ることもできる。エンジンブレーキ制御用のスイッチ
を、パターンセレクトスイッチ70とは別に独立に配設
することも可能である。
【0063】また、前記実施例ではアクセルOFF時や
ブレーキ解除時の車速Vがそのまま目標車速Vmとされ
るようになっていたが、目標車速Vmは完全にそのよう
な車速Vと一致させる必要はなく、測定誤差等を考慮し
て上記車速Vに所定値を加算或いは減算するなどして目
標車速Vmが設定されるようにしても良いし、運転者が
任意に目標車速Vmを設定したり変更したりできるよう
にすることも可能である。
【0064】また、前記実施例では車速Vの低下に伴っ
てステップSS9の判断がNOとなる毎にステップSS
10が実行され、目標車速Vmがその時の車速Vに従っ
て順次変更されるようになっていたが、上記ステップS
S9を省略し、ブレーキ解除時の車速Vによって目標車
速Vmを変更するようにしたり、ブレーキON時に目標
車速Vmを車速Vに基づいて逐次更新するようにしたり
しても差支えない。
【0065】また、前記実施例ではスロットル弁開度θ
が常にスロットル制御用コンピュータ35によって制御
される車両について説明したが、スロットル弁20がア
クセルペダルに機械的に連結されて開閉されるととも
に、アクセルOFF状態時にはスロットル弁20を自動
で開閉制御する車両にも本発明は適用可能である。自動
変速機78の構成や変速段の数についても適宜変更でき
る。
【0066】また、前記実施例では本発明が自動走行制
御としての自動エンジンブレーキ制御に適用された場合
について説明したが、実際の車速が所定の目標車速とな
るようにダウンシフト制御およびスロットル制御を行う
オートクルーズ制御などにも本発明は同様に適用され得
る。
【0067】また、前記実施例ではエンジン制御用コン
ピュータ32,トランスミッション制御用コンピュータ
34,およびスロットル制御用コンピュータ35が別体
に構成されていたが、それ等を単一のコンピュータにて
構成することも可能である。
【0068】その他一々例示はしないが、本発明は当業
者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実
施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のクレーム対応図である。
【図2】本発明の一実施例である車両用走行制御装置を
備えた車両の自動変速機およびエンジン部分の構成を説
明する図である。
【図3】図2の自動変速機の構成を説明する図である。
【図4】図3の自動変速機の変速段とそれを成立させる
ためのソレノイドの励磁、クラッチおよびブレーキの係
合作動を示す図である。
【図5】図2の自動変速機の変速段を切り換えるか否か
の変速判断の作動を説明するフローチャートである。
【図6】図2の自動変速機の変速段を切り換える変速制
御の作動を説明するフローチャートである。
【図7】図8と共に図2のエンジンのスロットル弁開度
を制御する作動を説明するフローチャートである。
【図8】図7と共に図2のエンジンのスロットル弁開度
を制御する作動を説明するフローチャートである。
【図9】図8の自動エンジンブレーキスロットル処理ル
ーチンの内容を説明するフローチャートである。
【図10】図2の自動変速機の変速段を切り換える変速
マップの一例である。
【図11】図9のステップR4においてスロットル弁開
度TA1を算出するためのフローチャートである。
【図12】エンジン出力特性の一例を示すデータであ
る。
【図13】図9のステップR5においてスロットル弁開
度TAmを求める際に用いられるデータマップの一例で
ある。
【図14】図13のデータマップを作成するための基本
データである。
【図15】図9のステップR12においてスロットル弁
開度TA2を求める際に用いられるデータマップの一例
である。
【図16】図9のステップR13においてスロットル弁
開度変更タイミング時間T2を求める際に用いられるデ
ータマップの一例である。
【図17】本発明の他の実施例を説明するためのもの
で、図2の自動変速機の変速段を切り換えるか否かの変
速判断の一部の作動を説明するフローチャートである。
【図18】図17と同じ実施例において図2のエンジン
のスロットル弁開度を制御する作動を説明するフローチ
ャートである。
【図19】図18の自動エンジンブレーキ制御における
アップシフト時のスロットル処理ルーチンの内容を説明
するフローチャートである。
【図20】図17乃至図19の実施例によりアップシフ
ト制御が行われる際の変速段、車速、坂路状態、スロッ
トル弁開度の変化を、図5乃至図8の実施例の場合と比
較して示すタイムチャートである。
【符号の説明】
20:スロットル弁 34:トランスミッション制御用コンピュータ 35:スロットル制御用コンピュータ 78:自動変速機 V:車速 Vm:目標車速 θ:スロットル弁開度 TRL:所定値 ステップR11,S12,S13,S30:ダウンシフ
ト手段 ステップR4,R6:スロットル制御手段 ステップS40〜S43,S45,S46,S30:ア
ップシフト手段 ステップR4,R6,S49,SS30:スロットル制
御手段

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の前進変速段を有する自動変速機を備
    えた車両において、少なくともアクセルがOFF状態で
    あることを含む所定の走行制御条件が成立した場合に、
    前記自動変速機をダウンシフトするダウンシフト手段お
    よびスロットル弁を開閉制御するスロットル制御手段に
    より実際の車速が所定の目標車速となるように自動走行
    制御を行う車両用走行制御装置において、 前記自動走行制御が行われている場合に、少なくとも現
    在の変速段がアップシフトが可能な前進変速段で且つス
    ロットル弁開度が所定値以上であることを条件として、
    現在の変速段よりも1段高い変速段へ前記自動変速機を
    アップシフトするアップシフト手段を有することを特徴
    とする車両用走行制御装置。
  2. 【請求項2】前記スロットル制御手段は、前記アップシ
    フトが行われる際に該アップシフトの前後における駆動
    力が略等しくなるようにスロットル制御を行う請求項1
    に記載の車両用走行制御装置。
JP35702192A 1992-12-22 1992-12-22 車両用走行制御装置 Pending JPH06191323A (ja)

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