JP2008138700A - 産業車両の変速制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】自動変速による不所望なシフトアップを防止する。
【解決手段】トルクコンバータ2の入力軸と出力軸の速度比eを検出する速度比検出手段14,15と、検出された速度比eに応じてトランスミッション3の速度段をシフトアップおよびシフトダウンするトルコン速度比基準変速手段10,11と、車速vを検出する車速検出手段16と、LモードとHモードを選択するモード選択手段7と、Lモードが選択されると、車速vが第1の所定値vL1〜vL3以上となることを条件としてシフトアップを許可し、Hモードが選択されると、車速vが所定値vL1〜vL3より大きい所定値vH1〜vH3以上となることを条件としてシフトアップを許可する変速制御手段10とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、ホイールローダ等の産業車両の変速制御装置に関する。
従来より、エンジンの出力トルクをトルクコンバータ(以下、トルコン)を介してトランスミッションに伝達するようにした装置が知られている(例えば特許文献1参照)。この特許文献1記載の装置では、トルコンの入力軸側と出力軸側の回転数の比であるトルコン速度比を算出し、この速度比が予め定めた所定値に達すると、トランスミッションを自動的にシフトアップまたはシフトダウンさせる。
特許第3388594号公報
しかしながら、この種の産業車両は、1速で走行を開始するため、発進時にエンジン回転数が増大し、燃費の悪化を伴う。
本発明による変速制御装置は、トルクコンバータの入力軸と出力軸の速度比を検出する速度比検出手段と、検出された速度比に応じてトランスミッションの速度段をシフトアップおよびシフトダウンする変速手段と、車両が発進可能な状態にあるか否かを判定する発進判定手段と、変速判定手段により発進可能な状態と判定されると、トランスミッションを2速に制御する発進制御手段とを備えることを特徴とする。
アクセルペダルの操作量を検出するアクセル操作量検出手段をさらに備え、トランスミッションを2速に制御した後、アクセル操作量検出手段により所定値以上の操作量が検出されると、変速手段による変速を許可することもできる。
車速を検出する車速検出手段を備え、アクセル操作量検出手段により検出されたアクセル操作量が所定値未満で、かつ、車速検出手段により検出された車速が所定値以下になると、速度比検出手段で検出された速度比に拘わらず、2速を限度としてトランスミッションをシフトダウンすることもできる。
本発明によれば、車両が発進可能な状態にあるときは、トランスミッションを2速に制御するようにしたので、車両は2速状態で発進し、燃費を向上できる。
以下、図1〜図8を参照して本発明の第1の実施の形態に係る産業車両の変速制御装置について説明する。
図1は、本実施の形態に係る変速制御装置が適用される産業車両の一例であるホイールローダの側面図である。ホイールローダ100は、アーム111,バケット112,タイヤ113等を有する前部車体110と、運転室121,エンジン室122,タイヤ123等を有する後部車体120とで構成される。アーム111はアームシリンダ114の駆動により上下方向に回動(俯仰動)し、バケット112はバケットシリンダ115の駆動により上下方向に回動(ダンプまたはクラウド)する。前部車体110と後部車体120はセンタピン101により互いに回動自在に連結され、ステアリングシリンダ(不図示)の伸縮により後部車体120に対し前部車体110が左右に屈折する。
図2は、第1の実施の形態に係る変速制御装置の概略構成を示す図である。エンジン1の出力軸にはトルクコンバータ2(以下、トルコン)の入力軸が連結され、トルコン2の出力軸はトランスミッション3に連結されている。トルコン2は周知のインペラ,タービン,ステータからなる流体クラッチであり、エンジン1の回転はトルコン2を介してトランスミッション3に伝達される。トランスミッション3は、その速度段を1速〜4速に変速する液圧クラッチを有し、トルコン2の出力軸の回転はトランスミッション3で変速される。変速後の回転は、プロペラシャフト4,アクスル5を介してタイヤ113,123に伝達され、車両が走行する。
トルコン2は入力トルクに対し出力トルクを増大させる機能、つまりトルク比を1以上とする機能を有する。トルク比は、トルコン2の入力軸と出力軸の回転数の比であるトルコン速度比e(出力回転数/入力回転数)の増加に伴い小さくなる。例えばエンジン回転数が一定状態で走行中に走行負荷が大きくなると、トルコン2の出力軸の回転数、つまり車速が減少し、トルコン速度比eが小さくなる。このとき、トルク比は増加するため、より大きな駆動力(牽引力)で車両走行可能となる。各速度段毎の車速と駆動力との関係は、図3に示す通りであり、同一速度段で比較すると、車速が遅いと駆動力は大きく(低速高トルク)、車速が速いと駆動力は小さくなる(高速低トルク)。また、速度段が小さいほど、同一車速において大きな駆動力を得ることができる。
トランスミッション3は、各速度段に対応したソレノイド弁を有する自動変速機である。これらソレノイド弁は、コントローラ10からソレノイド制御部11へ出力される制御信号によって駆動され、これにより1速〜4速の間で速度段が自動的に変更される。
自動変速制御には、トルコン速度比eが所定値に達すると変速するトルコン速度比基準制御と、車速が所定値に達すると変速する車速基準制御の2つの方式がある。第1の実施の形態では、トルコン速度比基準制御によりトランスミッション3の速度段を制御する。
図4は、トルコン速度比基準制御による変速のタイミングを示す図である。なお、図4(a)は1速〜4速の範囲で変速可能としたものであり、図4(b)は2速〜4速の範囲で変速可能としたものである。走行負荷が低くなり、トルコン速度比eが増加してトルコン速度比eが所定値eu以上になると、速度段は1段シフトアップする。反対に走行負荷が高くなり、トルコン速度比eが低下してトルコン速度比eが所定値ed以下になると、速度段は1段シフトダウンする。
所定値eu,edは、変速の基準となるトルコン速度比であり、予めコントローラ10に設定されている。図5は、トルコン速度比eとトルコン効率の関係を示す図である。図5に示すように、トルコン効率の特性はほぼ放物線形状となり、トルコン速度比eが0付近および1付近では効率が悪い。このため、本実施の形態では、所定値eu,edを例えばeu=0.8、ed=0.3に設定する。シフトアップ直後のトルコン速度比e1は所定値euより低くなり(例えば0.4)、シフトダウン直後のトルコン速度比e2は所定値edより高くなる(例えば0.7)。
以上のトルコン速度比基準制御によれば、車速が低くても負荷が小さければe≧euとなり、シフトアップする。このため、シフトアップのタイミングが早くなり、車速基準制御に比べ、燃費や騒音の点で優れる。その一方で、トルコン速度比基準制御は、所定の速度段(牽引力)で走行しようとするオペレータの意に反してシフトアップしてしまう場合がある。例えば変速比を2速にセットして低速走行でトラックに接近し、バケット内の土砂等をトラックに積み込もうとしても、負荷が小さいと3速や4速にシフトアップしてしまい、低速走行でトラックに接近することができない場合がある。このようなトルコン速度比基準制御による不具合を解消するため、本実施の形態では、以下のように変速制御装置を構成する。
図2において、コントローラ10は、CPU,ROM,RAM,その他の周辺回路などを有する演算処理装置を含んで構成される。コントローラ10には、アクセルペダル31の操作量Aを検出するアクセル操作量検出器12と、ブレーキペダル32の操作量を検出するブレーキ操作量検出器13と、トルコン2の入力軸の回転数Niを検出する回転数検出器14と、トルコン2の出力軸の回転数Ntを検出する回転数検出器15と、トランスミッション3の出力軸の回転速度、つまり車速vを検出する車速検出器16と、走行モードを選択する走行モード選択スイッチ7と、1速〜4速の間で最大速度段を指令するシフトスイッチ8と、車両の前後進を指令する前後進切換スイッチ9とが接続されている。操作量検出器12,13は、例えばペダルストロークを検出するストロークセンサやペダル操作圧を検出する圧力センサ等により構成できる。
走行モード選択スイッチ7の一例を図6に示す。走行モード選択スイッチ7は、マニュアルモード、L1−4モード、H2−4モード、H1−4モードに切換可能なダイヤル式のスイッチである。このスイッチ7は運転室内に設けられ、運転者により操作される。走行モード選択スイッチ7によりマニュアルモードが選択された状態では、トランスミッション3の速度段は図示しない変速レバーの操作により1速〜4速の範囲で手動で変速できる。
L1−4モードとH1−4モードはそれぞれ1速〜4速の範囲で自動変速可能な走行モードであり、H2−4モードは2速〜4速の範囲で自動変速可能な走行モードである。以下では、L1−4モードをLモード、H1−4モードとH2−4モードをHモードと呼ぶ。LモードおよびHモードでは、トルコン速度比eが所定値euに達するとシフトアップ条件が成立する。このとき、後述するように、車速vが予め定めた最低車速以上であれば、シフトアップが許容され、最低車速未満であれば、シフトアップが禁止される。
Lモードにおいて1速→2速、2速→3速、3速→4速にシフトアップするときの最低車速をそれぞれvL1,vL2,vL3とし、Hモードにおいて1速→2速、2速→3速、3速→4速にシフトアップするときの最低車速をそれぞれvH1,vH2,vH3とする。これら最低車速には、vL1<vL2<vL3およびvH1<vH2<vH3の関係がある。また、LモードとHモードの最低車速を比較すると、vL1<vH1、vL2<vH2、vL3<vH3の関係がある。
コントローラ10は、アクセル操作量検出器12からの信号に応じてエンジン回転数を制御する。また、コントローラ10は、前後進切換スイッチ9からの信号に応じて前後進切換用ソレノイド弁を制御する。すなわち前後進切換スイッチ9が中立位置から前進位置または後進位置に操作されると、前後進切換用ソレノイド弁を前進位置または後進位置に切り換える。これによりエンジン回転出力が車輪113,123に伝達され、車両の前後進が可能となる。さらにコントローラ10は、以下のようにトランスミッション3の速度段を制御する。
図7は、第1の実施の形態に係るコントローラ10における変速制御処理の一例を示すフローチャートであり、コントローラ10に搭載したプログラムで実行される処理の一例を示すものである。このプログラムは、前後進切換スイッチ9が中立から前進位置または後進位置に操作され、かつ走行モード選択スイッチ7がマニュアルモード以外に操作されるとスタートする。ステップS1では、ソレノイド制御部11に2速指令を出力し、トランスミッション3の速度段を2速に制御する。
ステップS2では、アクセルペダル31が予め定めた所定値A1以上踏み込まれているか否かを判定する。これはアクセルペダルの戻しによる減速操作の有無の判定であり、所定値A1は例えばアクセルペダル最大踏み込み量の30%程度に設定される。ステップS2が否定されるとステップS3に進む。ステップS3では、車速vが予め定めた設定車速v1以下か否かを判定する。設定車速v1は、シフトダウンを許可する車速であり、速度段毎に設定される。例えば4速→3速へのシフトダウンを許可する車速をv14、3速→2速へのシフトダウンを許可する車速をv13とすると、v14>v13に設定される。
また、設定車速v1は、トルコン速度比基準制御によってシフトダウンするときの車速(推定値)よりも大きな値に設定される。すなわちトルコン速度比eが、トルコン速度比基準制御によりシフトダウンする基準値である所定値ed以下となる前に、シフトダウンするように車速v1が設定される。但し、あまり早くシフトダウンすると車両のショックが大きくなるため、この点も考慮して車速v1が最適な値に設定される。ステップS3が肯定されるとステップS4に進み、否定されるとステップS2に戻る。
ステップS4では、現在の速度段が2速か否かを判定する。現在の速度段が3速または4速であれば、ステップS5において、ソレノイド制御部11にシフトダウン信号を出力し、速度段を1段下げる。つまり、この場合は、トルコン速度比基準ではなく、車速基準によりシフトダウンする。現在の速度段が2速のときは、ステップS4が肯定されるので、シフトダウン信号を出力せず、2速状態を維持する。以上のステップS2〜ステップS5の処理は、アクセルペダル31の踏み込み量Aが所定値A1以上と判定されるまで繰り返される。
これにより3速で走行中にアクセルペダル31を戻し操作し、アクセル操作量Aが所定値A1より小さくなり、車速vが設定車速v1以下になると、車両は2速にシフトダウンする。4速にて走行中は3速にシフトダウンする。これにより車両に作用する減速力が大きくなり、車両を速やかに減速できる。
すなわち、例えばアクセルペダルから足を離した減速操作時には、慣性力によりタイヤ113,123、トルコン2、エンジン1が回転させられることで、車両の運動エネルギが消費され、車両が減速する。この場合、車速vが設定車速v1以下になるとシフトダウンするので、トルコン速度比基準制御によって自動的にシフトダウンする場合に比べ、シフトダウン時の車速が速い。その結果、トルコン2内で消費される運動エネルギが大きくなり、車両を素早く減速できる。
これに対し、アクセルペダルから足を離した減速操作時にトルコン速度比基準制御によりシフトダウンするように構成した場合には、シフトダウンのタイミングが遅くなり、トルコン内で消費されるエネルギが少なくなって、大きな減速力が得られない。そのため、減速時の走行距離が延びてしまい、車両を早く減速するためには別途ブレーキペダル32の操作が必要となり、運転操作が煩雑であるし、ブレーキの寿命が低下するという問題が生じる。
この点、一実施の形態による変速制御装置によれば、マニュアルモード以外の自動変速モードが選択され、かつ、前後進切換操作が行われて走行を開始する際、速度段を2速にするとともに(ステップS1)、1速にはシフトダウンしないようにしたので(ステップS4,ステップS5)、2速→1速へのシフトダウンによるショックを防止できる。また、シフトダウン後にアクセルペダル31を踏み込んで再加速する場合、2速スタートであるので1速→2速へのシフトアップがないため、シフトアップによるショックを低減でき、滑らかな加速性を得ることができる。なお、シフトダウンによる速度段を2速に制限したが、1速までシフトダウン可能に構成してもよく、シフトダウンによる速度段の制限値を変更可能としてもよい。
ステップS2で、アクセル踏み込み量Aが所定値A1以上と判定されるとステップS6に進む。ステップS6では、走行モード選択スイッチ7からの信号により、どの走行モードが選択されているかを判定する。L1−4モードとH1−4モードのいずれかが選択と判定されると、つまり最低速度段が1速である走行モードが選択と判定されるとステップS7に進む。
ステップS7では、回転数検出器14,15からの信号によりトルコン2の入力軸の回転数Niと出力軸の回転数Ntの比、つまりトルコン速度比e(=Nt/Ni)を演算する。ステップS8では、トルコン速度比eの値を判定する。
トルコン速度比eが、シフトダウン判定閾値である所定値edより大きく、かつシフトアップ判定閾値である所定値euより小さいと判定されると(ed<e<eu)、ステップS2に戻る。この場合はシフトアップ条件もシフトダウン条件も成立しないため、ソレノイド制御部11に変速のための制御信号は出力されず、現在の速度段を維持する。
ステップS8で、トルコン速度比eが所定値eu以上と判定されると(e≧eu)、つまりトルコン速度比変速制御におけるシフトアップ条件が成立と判定されるとステップS11に進む。ステップS11では、現在の速度段がシフトスイッチ8により設定された最大速度段であるか否かを判定する。ステップS11が肯定されるとステップS2に戻る。この場合は、トランスミッション3のシフトアップは行われず、現在の速度段が維持される。ステップS11が否定されるとステップS12に進む。
ステップS12では、クラッチカット機構が作動しているか否かを判定する。クラッチカット機構とは、ブレーキペダルを所定量以上踏み込んだときに、ブレーキペダル32と連動して前進側・後進側クラッチのクラッチ圧を0にして前進側・後進側クラッチをオフ(解放)する機構である。本実施の形態の変速制御装置は、このクラッチカット機構を備え、ブレーキ操作量検出器13からの信号がブレーキペダル32の所定量以上の踏み込みを示すとき、コントローラ10のCPUは、クラッチカット機構の作動を検出する。クラッチカット機構は、ブレーキペダル32の踏み込みをやめると非作動となり、クラッチがオン(接続)される。
ステップS12が肯定されるとステップS2に戻る。この場合は、シフトアップ条件が成立してもシフトアップを行わず、現在の速度段を維持する。すなわちブレーキペダル32の踏み込みによりクラッチカット機構が作動すると、トルコン2の走行負荷が減少してトルコン速度比eが所定値eu以上となるが、トランスミッション3はシフトアップすることなく、現在の速度段を維持する。これによりブレーキペダル32の踏み込みをやめてクラッチカット機構が非作動となり、クラッチが接続した場合に、十分な走行駆動力を得ることができ、スムーズに車両走行を開始できる。
これに対し、クラッチカット機構が作動している場合にシフトアップを許可すると、スムーズな走行が困難となる。すなわち、例えば登板走行時に一旦停止してクラッチカット機構が作動し、シフトアップした後に再発進によりクラッチカット機構が非作動になると、速度段が高いために走行駆動力が不足し、登板走行できない場合がある。この場合は、車両が坂道をずり落ちながらシフトダウンすることで、走行駆動力が増加して登板走行が可能となるため、車両の走行動作が不安定である。
ステップS12が否定されるとステップS13に進む。ステップS13では、アクセルペダル31が所定値A2以上踏み込み操作され、この状態が所定時間t1(例えば1〜2秒程度)継続しているか否かを判定する。所定値A2は、例えば前述の所定値A1(ステップS2)と同等の値(全操作量の30%程度)に設定される。所定値A1より大きな値に設定してもよい。
ステップS13が否定されるとステップS2に戻る。この場合は、ステップS8やステップS32においてシフトアップ条件が成立してもシフトアップは行われず、現在の速度段が維持される。これによりアクセル踏み込み量Aが所定値A2より小さい状態、つまり走行負荷が小さく、e>euのシフトアップ条件が成立した状態で車両が走行している場合に、アクセルペダル31を所定値A2以上に踏み込むと、すぐに走行負荷が上昇し、e<euになる。このため所定時間t1が経過する前にシフトアップ条件が不成立となり、トランスミッション3のシフトアップが阻止される。その結果、低い速度段で車両は加速するため、十分な走行加速性を得ることができる。
ステップS13が肯定されるとステップ14に進む。ステップS14では、車速検出器16により検出された車速vが予め定めた最低車速以上か否かを判定する。ここで、上述したように最低車速は走行モード毎および速度段毎に定められており、この走行モードと速度段に対応した最低車速を車速vと比較する。例えばモード選択スイッチ7でL1−4モードが選択され、現在の速度段が2速のときは、vL2と車速vを比較し、モード選択スイッチ7でH1−4モードが選択され、現在の速度段が2速のときは、vH2と車速vを比較する。L1−4モードで車速がvL2以上またはH1−4モードで車速がvH2以上である場合、ステップS14が肯定されてステップS15に進む。ステップS14が否定されるとステップS2に戻る。
ステップS15では、ソレノイド制御部11にシフトアップ信号を出力する。これによりトランスミッション3が1速→2速、または2速→3速、または3速→4速へと1段シフトアップする。このようにトルコン速度比eが大きい場合(負荷が小さい場合)でも、車速vが最低車速以上にならないとシフトアップしないようにすることで、低い速度段に維持した車両の低速運転が可能となる。その結果、例えば車両を2速にセットしてバケット内の土砂等をトラックに積み込む場合、負荷が小さくても車両を2速に維持したまま低速走行でトラックに接近することができ、作業性が向上する。
ステップS14で説明したように、LモードとHモードでは、シフトアップを許可する最低車速が異なる。Lモードの1〜3速時の最低車速をそれぞれvL1〜vL3,Hモードの1〜3速時の最低車速をvH1〜vH3とすると、vL1<vH1、vL2<vH2、vL3<vH3である。同一の速度段で比較すると、Lモードの方がより低速でシフトアップが可能である。このため、Lモード選択時には、燃料消費量が少なくてすみ、燃費が向上するとともに、エンジン騒音も下がり、作業環境を向上できる。また、Hモード選択時には、車速vがより高速になるまでシフトアップしないので、ブレーキペダル32を操作することなく、低速状態での作業(例えばトラックへの積み込み作業)を容易に行うことができる。
ステップS8で、トルコン速度比eが、シフトダウン判定閾値である所定値ed以下と判定されると(e≦ed)、つまりシフトダウン条件が成立と判定されるとステップS21に進む。ステップS21では、現在の速度段が2速より大きいか否かを判定する。現在の速度段が3速または4速の場合、ステップS21が肯定されてステップS22に進む。ステップS21が否定されるとステップS23に進む。ステップS22では、ソレノイド制御部11にシフトダウン信号を出力する。これによりトランスミッション3が4速→3速、または3速→2速へと1段シフトダウンする。
ステップS23では、ブレーキ操作量検出器13からの信号によりブレーキペダル32が踏み込まれたか否か、すなわちブレーキ装置が作動しているか否かを判定する。なお、ブレーキペダル32の踏む込み操作以外の物理量によりブレーキ装置の作動を検出してもよい。ステップS23が肯定されるとステップS2に戻る。この場合はシフトダウン条件が成立しても1速へのシフトダウンを行わず、2速状態を維持する。すなわち2速走行時にブレーキペダル32を踏み込むと、走行負荷が上昇してトルコン速度比eが所定値ed以下になるが、トランスミッション3はシフトダウンすることなく、2速走行を維持する。
これにより、例えばトラックへの積み込み作業を行うために2速でトラックに接近し、トラックの手前でブレーキペダル32を操作して車両を停車する場合、1速にシフトダウンされないので、2速走行の駆動力に抗してブレーキ力を付与すればよい。そのため、1速走行の車両を制動する場合に比べ、必要なブレーキ力は小さく、ブレーキの寿命を延ばすことができるとともに、確実に車両を制動することができる。
ステップS23が否定されるとステップS24に進む。ステップS24では、アクセル踏み込み量Aが所定値A3以上か否かを判定する。所定値A3は、例えば前述の所定値A1(ステップS2)と同等の値(例えば全操作量の30%程度)に設定される。所定値A1より大きな値に設定してもよい。ステップS24が否定されるとステップS2に戻る。このように、シフトダウン条件が成立してもアクセル踏み込み量が所定値未満の場合は1速へのシフトダウンを行わず、2速状態を維持する。すなわちアクセル踏み込み量Aが所定値A3より小さいときは、運転者は大きな駆動力を要求していないと考えられるので、2速→1速へのシフトダウンを禁止する。これにより2速→1速および1速→2速への変速の回数が少なくなり、変速ショックを低減できるとともに、クラッチの寿命も延ばすことができる。
ステップS24が肯定されるとステップS25に進む。ステップS25では、アクセルペダル31が所定値A3以上踏み込み操作され、この状態が所定時間t2(例えば1秒程度)継続しているか否かを判定する。ステップS25が否定されるとステップS2に戻る。この場合は、シフトダウン条件が成立しても1速へのシフトダウンを行わず、2速状態を維持する。
車両発進時にアクセル踏み込み量が所定値A3以上になると、走行負荷が急上昇してトルコン速度比eがシフトダウン判定閾値である所定値ed以下となるが、その後、所定時間t2が経過する前に負荷が減少し、e>edになれば1速にシフトダウンしない。このため発進時に1速にシフトダウンしにくくなる。これに対し、アクセル踏み込み量が所定値A3以上になるとすぐに1速へのシフトダウンを許可するように構成した場合、2速→1速および1速→2速の変速の頻度が増し、変速ショックが問題となるばかりか、クラッチ寿命にも悪影響を及ぼす。また、変速時のショックが大きいため、運転者の乗り心地性も悪化する。
ステップS25が肯定されるとステップS26に進む。ステップS26では、ソレノイド制御部11にシフトダウン信号を出力する。これによりトランスミッション3が2速→1速へと1段シフトダウンする。このように、トルコン速度比eが小さい場合(負荷が大きい場合)でも、アクセル踏み込み量が所定値A3以上である状態が所定時間t2以上継続しなければ1速へのシフトダウンを禁止するようにしたので、大きな走行駆動力が必要とされる場合以外は1速にシフトダウンすることがなく、1速へのシフトダウンの回数を必要最小限に抑えることができる。その結果、変速ショックが少なくなり、クラッチ寿命が長くなるとともに、1速走行の頻度が少ないため燃費も向上する。
一方、ステップS6で、H2−4モードが選択と判定されると、つまり最低速度段が2速である走行モードが選択されるとステップS31に進む。ステップS31では、回転数検出器14,15からの信号によりトルコン速度比eを演算する。ステップS32では、トルコン速度比eの値を判定する。
ステップS32で、トルコン速度比eが、シフトダウン閾値である所定値edより大きく、かつシフトアップ判定閾値である所定値euより小さいと判定されると(ed<e<eu)、ステップS2に戻る。この場合はシフトアップ条件もシフトダウン条件も成立しないため、ソレノイド制御部11に変速のための制御信号は出力されず、現在の速度段を維持する。
ステップS32で、トルコン速度比eが所定値eu以上と判定されると(e≧eu)、つまりシフトアップ条件が成立と判定されるとステップS11に進み、以降、ステップS11〜ステップS15において、上述したのと同様の処理を実行する。すなわち本実施の形態では、走行モードに拘わらずシフトアップの処理が行われる。
ステップS32で、トルコン速度比eが所定値ed以下と判定されると(e≦ed)、つまりシフトダウン条件が成立と判定されるとステップS33に進む。ステップS33では、現在の速度段が2速より大きいか否かを判定する。現在の速度段が3速または4速であり、ステップS33が肯定されるとステップS34に進む。ステップS33が否定されると、ステップS34をパスしてステップS2に戻る。ステップS34では、ソレノイド制御部11にシフトダウン信号を出力する。これによりトランスミッション3が4速→3速、または3速→2速へと1段シフトダウンする。H2−4モードが選択されているので、最低速度段は2速に制限され、2速→1速へはシフトダウンしない。
次に、本実施の形態に係る変速制御装置の主要な動作を説明する。
エンジンキースイッチのオン後、前後進切換スイッチ9を前進位置に操作し、アクセルペダル31を踏み込むと、エンジン回転数が上昇するとともに、エンジン出力軸の回転がトルコン2を介してトランスミッション3に伝達され、車両が走行を開始する。発進時は2速なので(ステップS1)、発進時の車両のショックが少なく、スムーズに車両走行を開始できる。また、2速発進によりエンジン回転数の上昇が抑えられ、燃費を向上できるとともに、騒音を低減できる。
アクセル踏み込み量が所定値A1以上で走行中に、走行負荷が小さくなり、トルコン速度比eが所定値eu以上になると、シフトアップ条件が成立する。このとき、シフトスイッチ8により最高速度段として3速以上が選択され、かつ、クラッチカット機構が非作動で、かつ、アクセル踏み込み量が所定値A2以上の状態が所定時間t1継続し、かつ、車速vが最低車速vL2またはvH2より大きくなると、トランスミッション3は2速→3速にシフトアップする(ステップS11〜ステップS15)。
図8は、第1の実施の形態に係る変速制御装置による動作特性の一例を示す図である。Hモードの最低車速vH2とLモードの最低車速vL2の関係はvH2>vL2であり、モード選択スイッチ7でHモード(H1−4モードまたはH2−4モード)を選択すれば、アクセル踏み込みの割合がAH2(例えば75%)になるまで、2速状態を維持できる。これにより例えばトラックへの積み込み作業を行う際に、シフトアップによって車速が上昇することを抑制できるため、ブレーキペダル32の煩雑な操作が不要となり、この種の作業を容易に行うことができる。Hモード時には、例えばアクセルペダル31を、その踏み込み割合がAH2以上になるように踏み込むと、車速vが最低車速vH2以上となり、2速→3速にシフトアップする。
一方、走行主体の作業ではLモードを選択するのが好ましい。モード選択スイッチ7でLモード(L1−4モード)を選択した状態では、アクセル踏み込みの割合がAL2(例えば50%)になると、車速vが最低車速vL2以上となり、2速→3速にシフトアップする。これによりLモード時にはHモード時よりも少ないアクセル踏み込みでシフトアップし、燃費が向上するとともに、騒音を低減できる。また、最低車速はvL2<vH2なので、Lモード時にはトルコン速度比eが所定値eu以上になると、すぐにシフトアップが許可され、Hモード時に比べトルコン効率の比較的高い範囲で車両走行できる。なお、シフトスイッチ8により最高速度段を2速に設定すれば、Lモード時においても2速状態のまま作業を行うことができる。
3速または4速で走行中にアクセルペダル31を戻し操作すると、エンジン回転数が減少し、車両が減速する。このとき、アクセル踏み込み量が所定値A1より小さく、かつ、車速vが設定車速v1以下であれば、4速→3速、さらに3速→2速にシフトダウンすることが可能である。このため車両の減速エネルギが大きくなり、車両を速やかに減速できる。また、車両の減速後に再加速する場合、3速や4速ではなく2速で走行開始することができ、スムーズな加速性が得られる。さらにアクセル踏み込み量が所定値Aより小さい場合、最低速度段を2速に制限するので、ショックが小さく、乗り心地もよい。
車両停車後、前後進切換スイッチ9を一旦中立位置に操作した後、車両走行するために再度前後進切換スイッチ9を前進位置に操作した場合も、トランスミッションは2速にセットされる(ステップS1)。これにより車両は2速発進するため、発進時のショックが小さい。この場合、前後進切換スイッチ9が前進位置または後進位置に操作されると、車両が発進可能な状態になるため、前後進切換スイッチ9を中立位置に操作したときの速度段に拘わらず、常にトランスミッション3は2速にセットされる。
なお、前後進切換スイッチ9が前進位置または後進位置に操作されたときだけでなく、エンジンキースイッチのオンにより、車両が発進可能な状態か否かを判定してもよい。車速vが所定値以下となったとき(例えば停車したとき)に、発進可能な状態にあると判定し、トランスミッション3を2速に制御するようにしてもよい。
例えば山積みされた土砂にバケットを突っ込んで、バケット内に土砂を取り込む作業を行う場合は、モード選択スイッチ7により1速までシフトダウン可能なモード(L1−4モードまたはH1−4モード)を選択する。この状態で、2速走行で車両を土砂に突進させると、走行負荷が上昇してトルコン速度比eが所定値ed以下となり、シフトダウン条件が成立する。このとき、ブレーキペダル32が非操作で、かつ、アクセル踏み込み量が所定値A3以上の状態が所定時間t2継続すると、1速にシフトダウンする(ステップS23〜ステップS26)。
これにより車両の駆動力が増加し、運転者がシフトダウンの操作をすることなく、掘削等の重負荷の作業を容易に行うことができる。登板走行により走行負荷が増大した場合にも、トランスミッション3が1速までシフトダウンすることでスムーズな走行が可能である。2速から1速へは、トルコン速度比eに応じてシフトダウンするので、最適なタイミングでのシフトダウンが可能である。このため、運転者が手動でシフトダウンする場合に比べ、トルコン効率が高い領域で車両を走行することができ、燃料消費を抑えることができる。
走行時に大きな駆動力が必要でない場合は、例えばモード選択スイッチ7によりH2−4モードを選択する。この状態では、シフトダウン条件が成立しても2速までしかシフトダウンせず、2速→1速へのシフトダウンが阻止される(ステップS33,ステップS34)。このためシフトチェンジの回数が少なくなり、変速ショックを低減できるとともに、1速/2速のクラッチ寿命を延ばすことができる。
第1の実施の形態によれば以下のような作用効果を奏することができる。
(1)アクセルペダルが所定値A1以上踏み込まれた場合にトルコン速度比基準制御とした。このとき、トルコン速度比eが所定値eu以上のシフトアップ条件が成立しても、車速vが最低車速以上とならなければシフトアップしないようにした(ステップS14,ステップS15)。これによりシフトアップのタイミングを遅らせることができ、ブレーキペダル32を操作しなくても低速走行で作業を行うことができる。
(2)モード選択スイッチ7によりLモードとHモードを選択可能とし、Lモードの最低車速を同一の速度段におけるHモードの最低車速よりも低く設定した。これによりLモードを選択すると、アクセルペダル31をそれほど踏み込まなくてもシフトアップするので、燃費の向上およびエンジン騒音の低減を図ることができる。また、Hモードを選択すると、Lモードを選択したときよりも低い速度段での走行を維持できるので、トラックへの荷の積み込み作業等を容易に行うことができる。
(3)トルコン速度比基準制御において、トランスミッション3の最高速度段をシフトスイッチ8により制限するので(ステップS11)、Lモードでも低い速度段での作業が可能となり、多様な作業形態に適応できる。
(4)トルコン速度比基準制御において、トルコン速度比eが所定値eu以上であっても、ブレーキペダルを所定値以上踏み込んでクラッチカット機構が作動しているときにはシフトアップを禁止するようにしたので(ステップS12)、低い速度段でクラッチが再接続することとなり、スムーズに車両走行を開始できる。また、トルコン速度比eが所定値eu以上であっても、アクセル踏み込み量が所定値A2以上となってから所定時間t1が経過するまではシフトアップを禁止するので(ステップS13)、低い速度段で加速することができ、加速性がよい。
(5)選択スイッチ7により、最低速度段が1速であるモード(L1−4モード,H1−4モード)と2速であるモード(H2−4モード)を選択可能としたので、作業内容に応じた最適なモードに設定することができる。すなわち重負荷作業時には、最低速度段が1速であるモードを選択することで、大きな走行駆動力を得ることができ、また、軽負荷作業時には、最低速度段が2速であるモードを選択することで、変速ショックの少ない走行が可能である。
(6)2速走行しているときにトルコン速度比eが所定値ed以下のシフトダウン条件が成立しても、ブレーキペダル32が踏み込まれると2速→1速へのシフトダウンを禁止するようにしたので(ステップS23)、車両制動時に大きなブレーキ力は必要でなく、ブレーキ装置により車両を容易に停車することができる。また、1速走行の車両をブレーキで制動する場合が少なくなり、ブレーキ寿命を延ばすことができる。
(7)2速走行しているときにトルコン速度比eが所定値ed以下になっても、アクセル踏み込み量が所定値A3以上でなければ、すなわち大きな駆動力が必要と思われるアクセル操作がされる以外は、2速→1速へのシフトダウンを禁止するようにした(ステップS24)。これにより、2速→1速へシフトダウンの回数が減少し、変速ショックを低減できる。
(8)2速走行しているときにトルコン速度比eが所定値ed以下になっても、アクセル踏み込み量が所定値A3以上の状態が所定時間t2継続するまでは、2速→1速へのシフトダウンを禁止するようにした(ステップS25)。これにより2速発進時に、アクセルペダル31の踏み込みにより走行負荷が急上昇しても、所定時間t2経過前にe>edになるため、1速へシフトダウンすることがなく、変速ショックを低減できる。
(9)2速走行しているときに所定の条件が成立すると自動的に1速にシフトダウンするので、シフトダウンスイッチにより手動でシフトダウンを指令する必要がなく、煩雑な操作が不要である。
(10)前後進切換スイッチ9が前進位置または後進位置に操作されるとトランスミッション3を2速にセットし、車両を2速で発進するようにしたので(ステップS1)、発進時のショックが小さく、スムーズに車両走行を開始できる。
(11)トランスミッション3を2速にセットした後、アクセルペダル31が所定値A1以上操作されると、トルコン速度比eに応じて自動変速するトルコン速度比基準制御としたので、2速発進後は最適な速度段に変速して走行できる。
(12)2速発進後、アクセル踏み込み量が所定値A1以上のときに、シフトアップとシフトダウンを許可し、所定値A1未満の場合はシフトダウンのみ許可するようにした。これによりアクセルペダル31の戻し操作によりトルコン速度比eが所定値eu以上になっても、シフトアップすることがなく、車両を早期に減速できる。
(13)アクセル踏み込み量が所定値A1以下で、かつ車速vが所定値v1以下のときにシフトダウンするようにした(ステップS2〜ステップS5)。すなわちアクセル踏み込み量が所定値A1未満の条件では、トルコン速度比基準ではなく、車速基準によりシフトダウンするようにした。これによりシフトダウンのタイミングを早めることができるので、車両の減速力が大きくなり、ブレーキペダル32を踏み込まなくても車両を速やかに減速できる。
(14)アクセル踏み込み量が所定値A1未満の条件では、2速までしかシフトダウンしないので(ステップS5)、変速ショックを低減できる。また、2速→1速へのシフトダウンを禁止するので、1速→2速へのシフトアップもなくシフトチェンジの回数が少なくなって、クラッチ寿命を延ばすことができる。
−第2の実施の形態−
図9〜図12を参照して本発明による変速制御装置の第2の実施の形態について説明する。なお、以下では第1の実施の形態との相違点を主に説明する。
第1の実施の形態では、トルコン速度比基準におけるシフトアップの際の最低車速が異なるLモードとHモードを選択可能としたが、第2の実施の形態では、トルコン速度比基準と車速基準のいずれか一方を選択可能とする。すなわち第2の実施の形態では、L/Hモードを選択するモード選択スイッチ7の代わりに、トルコン速度比基準による自動変速と車速基準による自動変速のいずれか一方を選択する走行モード選択スイッチ7が設けられている。
第2の実施の形態に係る走行モード選択スイッチ7の一例を図9に示す。この走行モード選択スイッチ7は、マニュアルモード、トルコン速度比基準モード、速度基準モードに切換可能なダイヤル式のスイッチである。なお、第2の実施の形態では、トルコン速度比基準モードと速度比基準モードのいずれが選択された場合も、1速〜4速の範囲で変速可能である。
図10は、第2の実施の形態に係るコントローラ10における変速制御処理の一例を示すフローチャートである。なお、図7と同一の箇所には同一の符号を付し、相違点を主に説明する。第2の実施の形態でも、発進時は2速である(ステップS1)。
ステップS41では、走行モード選択スイッチ70からの信号により走行モードを判定する。トルコン速度比基準モードが選択と判定されるとステップS2に進み、上述したのと同様、アクセル踏み込み量が所定値A1以上か否かを判定する。ステップS2が肯定されるとステップS7に進み、トルコン速度比を算出する。以降の処理は図7と同様である。この場合、ステップS14の最低車速は、例えば第1の実施の形態におけるLモード時の最低車速vL1〜vL3に等しく設定される。なお、変速範囲を切り換える切換スイッチを別に設け、切換スイッチのオンにより1速〜4速の範囲で、切換スイッチのオフにより2速〜4速の範囲で変速可能に構成することもできる。これにより図7のステップS6およびステップS31〜ステップS34の処理を、図10に追加することができる。
一方、ステップS41で、車速基準モードが選択と判定されると、ステップS42に進み、図11に示すような予め定められた特性に従い、車速vに応じてトランスミッション3を変速制御する。図11では、車速vが0からvS1→vS2→vS3に上昇すると、1速→2速,2速→3速,3速→4速へと順次シフトアップし、車速vがvS6→vS5→vS4に低下すると、4速→3速、3速→2速、2速→1速へと順次シフトダウンする。
図12は、第2の実施の形態に係る変速制御装置による動作特性の一例を示す図である。例えばトルコン速度比基準モードでは、アクセル踏み込み割合がAL2(例えば最大踏み込み量の50%)のときに車速が最低車速vL2となり、2速→3速にシフトアップする。これに対し、車速基準モードでは、アクセル踏み込み割合がAS2(例えば最大踏み込み量の75%)のときに車速が所定値vS2となり、2速→3速にシフトアップする。
このため、トルコン速度比基準モードを選択すれば、車速基準モードに比べ、より少ないアクセル踏み込み量でシフトアップし、燃費の向上を図ることができる。一方、車速基準モードを選択すれば、アクセル踏み込み量がより大きく踏み込まれるまで低い速度段(2速)で走行可能であるため、ブレーキペダル32の操作による車両減速の必要性は小さく、トラックへの荷の積み込み作業等を容易に行うことができる。
このように第2の実施の形態では、モード選択スイッチ7によりトルコン速度比基準モードと車速基準モードを選択可能とした。これにより、トルコン速度比基準モードを選択すると、アクセルペダル31をそれほど踏み込まなくてもシフトアップするので、燃費の向上およびエンジン騒音の低減を図ることができる。また、車速基準モードを選択すると、トルコン速度比基準モードを選択したときよりも低い速度段での走行を維持できるので、トラックへの荷の積み込み作業等を容易に行うことができる。
なお、上記第1の実施の形態では、モード選択スイッチ7によりLモードとHモードを選択可能としたが、これより多くの走行モードを選択可能に構成し、各モード毎にシフトアップ時の最低車速を設定するようにしてもよい。また、モード選択スイッチ7の操作によらずに例えば数値入力により最低車速を変更可能としてもよい。走行モードを選択可能としなくてもよく、この場合はシフトアップ時の最低車速を単一の値として設定すればよい。トルコン速度比基準における所定値eu,edを一定としたが、例えば所定値eu,edを速度段毎に設定してもよく、所定値を変更可能としてもよい。また、第2の実施の形態において、車速基準モードを複数設定してもよく、その場合には各モードに応じて所定値sV1〜sV6を変更するようにしてもよい。
図7および図11では、トルコン速度比eが所定値eu以上のときに、ステップS11〜ステップS14の条件が成立するとシフトアップするようにしたが、それらの条件とは異なる条件を判定してシフトアップするようにしてもよい。走行モードに応じてシフトアップ時の処理を異なったものとしてもよい。また、トルコン速度比eが所定値ed以下のときに、ステップS21、ステップS23〜ステップS25の条件が成立すると2速→1速にシフトダウンするようにしたが、それらの条件とは異なる条件を判定してシフトダウンするようにしてもよい。すなわちコントローラ10における処理は上述したものに限らない。
上記実施の形態では、1速〜4速に変速可能なトランスミッション3を用いたが、5速以上または3速以下に変速可能なトランスミッションでもよい。以上では、ホイールローダに変速制御装置を適用する例を説明したが、ダンプトラックやフォークリフト等、他の産業車両にも本発明を同様に適用することができる。
なお、上記実施の形態と請求項との対応において、回転数検出器14,15が速度比検出手段を、コントローラ10とソレノイド制御部11が変速手段を、車速検出器16が車速検出手段を、コントローラ10が変速制御手段を、操作量検出器12がアクセル操作量検出手段を、前後進切換スイッチ9が発進判定手段を、それぞれ構成する。以上の説明はあくまで一例であり、発明を解釈する際、上記実施形態の記載事項と特許請求の範囲の記載事項の対応関係になんら限定も拘束もされない。すなわち、本発明の特徴、機能を実現できる限り、本発明は実施の形態の変速制御装置に限定されない。
本発明の実施の形態に係るホイールローダの側面図。 本発明の第1の実施の形態に係る変速制御装置の概略構成を示す図。 各速度段毎の車速と駆動力との関係を示す図。 トルコン速度比基準制御による変速のタイミングを示す図。 トルコン速度比とトルコン効率との関係を示す図。 第1の実施の形態に係る走行モード選択スイッチの一例を示す図。 第1の実施の形態に係るコントローラにおける変速制御処理の一例を示すフローチャート。 第1の実施の形態に係る変速制御装置による動作特性の一例を示す図。 第2の実施の形態に係る走行モード選択スイッチの一例を示す図。 第2の実施の形態に係るコントローラにおける変速制御処理の一例を示すフローチャート。 車速基準制御による変速のタイミングを示す図。 第2の実施の形態に係る変速制御装置による動作特性の一例を示す図。
符号の説明
2 トルクコンバータ
3 トランスミッション
7 走行モード選択スイッチ
9 前後進切換スイッチ
10 コントローラ
11 ソレノイド制御部
12,13 操作量検出器
14,15 回転数検出器

Claims (3)

  1. トルクコンバータの入力軸と出力軸の速度比を検出する速度比検出手段と、
    前記検出された速度比に応じてトランスミッションの速度段をシフトアップおよびシフトダウンする変速手段と、
    車両が発進可能な状態にあるか否かを判定する発進判定手段と、
    前記変速判定手段により発進可能な状態と判定されると、トランスミッションを2速に制御する変速制御手段とを備えることを特徴とする産業車両の変速制御装置。
  2. 請求項1に記載の産業車両の変速制御装置において、
    アクセルペダルの操作量を検出するアクセル操作量検出手段をさらに備え、
    前記変速制御手段は、トランスミッションを2速に制御した後、前記アクセル操作量検出手段により所定値以上の操作量が検出されると、前記変速手段による変速を許可することを特徴とする産業車両の変速制御装置。
  3. 請求項2に記載の産業車両の変速制御装置において、
    車速を検出する車速検出手段を備え、
    前記変速制御手段は、前記アクセル操作量検出手段により検出されたアクセル操作量が所定値未満で、かつ、前記車速検出手段により検出された車速が所定値以下になると、前記速度比検出手段で検出された速度比に拘わらず、2速を限度としてトランスミッションをシフトダウンすることを特徴とする産業車両の変速制御装置。
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