JP2016044229A - エポキシ(メタ)アクリレート化合物及びそれを含有する樹脂組成物並びにその硬化物 - Google Patents

エポキシ(メタ)アクリレート化合物及びそれを含有する樹脂組成物並びにその硬化物 Download PDF

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Abstract

【課題】
透明性に優れ、高い屈折率を有する化合物、及び該化合物を含む硬化収縮の少ない樹脂組成物、高い耐擦傷性・密着性と十分な硬度を有する硬化物を提供する。
【解決手段】
フェノールフタレイン誘導体とアミノベンゼン誘導体から合成されるフェノール化合物とエピクロヒドリンを反応させて得られるエポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を反応させることにより得られる化合物(A)、更に該化合物(A)に多塩基酸無水物(c)を反応せしめて得られるポリカルボン酸化合物(B)、及び該化合物(A)又は化合物(B)を含有する樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、高屈折率で透明性に優れた特定の構造を有する化合物、それを含む樹脂組成物及びその硬化物に関する。
近年、活性エネルギー線で硬化し、高耐熱かつ高屈折率であって、透明性を有する感光性材料の開発が様々な用途で進められている。これらの用途では、高耐熱性、高屈折率以外にも基材への密着性や硬化物の硬度、アルカリに対する溶解性等が求められており、これらの要求に答えるためモノマーやフィラー等の添加剤を加えることが多い。しかしながら、これら添加剤を加えることで屈折率の低下等有機材料の特性を発現しにくくなるため、樹脂自体の耐熱性や屈折率の向上が必要となる。
特許文献1ではo−フェニルフェノールグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸の反応物を光学材料として使用することが開示されている。しかし、この手法で得られた化合物は単官能の(メタ)アクリレートであり、硬化物における硬度・耐熱性が低いおそれがあり、また、液屈折率が1.58程度である。
特許文献2では2−フェニルフェノールのエチレンオキサイド付加物の末端アクリル酸エステル化物を透過型スクリーン材料として使用することが開示されている。しかし、この化合物は単官能の(メタ)アクリレートであり、硬化物における硬度・耐熱性が低いおそれがあることと液屈折率が1.57程度である。
特許文献3ではフェニルフェノールから得られるウレタン化合物を含む樹脂組成物を光学レンズシート材料として使用することが開示されている。
特許文献4ではフェニルフェノールから得られるウレタン化合物とフルオレン骨格を有する(メタ)アクリレートを含む樹脂組成物を光学レンズシート材料として使用することが開示されている。
特許文献5ではフェニルフェノール骨格とフルオレン骨格を有する(メタ)アクリレートを含む樹脂組成物を光学レンズシート材料として使用することは知られてはいるが、その剛直な骨格から基材に対しての密着性や強靭性に課題があった。また、カルボン酸変性よる密着性や現像性等の付与やアルカリ現像液によるパターンニングについての記載もない。
特許文献6には2−ヒドロカルビル−3,3−ビス(4−ヒドロキシアリール)フタルイミジン骨格を有するエポキシ樹脂が記載され、接着剤、塗料、コーティング剤等への応用が開示されている。特許文献7には該エポキシ樹脂及びカルボン酸類および/またはカチオン重合触媒とを含有する樹脂組成物が記載され、ガラス代替材料、接着剤、塗料、コーティング剤等への用途が開示されている。特許文献8にも2−ヒドロカルビル−3,3−ビス(4−ヒドロキシアリール)フタルイミジン骨格を有するエポキシ樹脂が開示されている。
特開平9−272707号公報 特開平5−065318号公報 国際公開2008/136262A1 特開2010−265346号公報 特開2008−094987号公報 GB1158606A 国際公開2013/183735A1 国際公開2013/183736A1
本発明は、透明性に優れ、樹脂単独で高い屈折率を有する化合物と、該化合物を含む、高い密着性を有し、十分な硬度を有する硬化物を与える樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは前述の課題を解決するため、鋭意研究の結果、特定の構造を有する不飽和基含有化合物及び該化合物を含有する樹脂組成物が前記課題を解決するものであることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は下記一般式(1)で表されるエポキシ樹脂(a)に、分子中にエチレン性不飽和基とカルボキシル基を併せ持つ化合物(b)を反応せしめて得られるエポキシカルボキシレート化合物(A)に関する。
Figure 2016044229
(一般式(1)中、Rはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基のいずれかから選ばれ、aは置換基Rの個数を表し、1又は2である。)
さらに、一般式(1)のRが水素原子であり、分子中にエチレン性不飽和基とカルボキシル基を併せ持つ化合物(b)が(メタ)アクリル酸又は桂皮酸である前記エポキシカルボキシレート化合物(A)に関する。
さらに、前記エポキシカルボキシレート化合物(A)に、更に多塩基酸無水物(c)を反応せしめて得られるポリカルボン酸化合物(B)に関する。
さらに、前記エポキシカルボキシレート化合物(A)又はポリカルボン酸化合物(B)を含有する樹脂組成物に関する。
更に、前記エポキシカルボキシレート化合物(A)及びポリカルボン酸化合物(B)以外の反応性化合物(C)を含む前記樹脂組成物に関する。
さらに、上記反応性化合物(C)が(ポリ)エステル(メタ)アクリレート(C−1)、ウレタン(メタ)アクリレート(C−2)、エポキシ(メタ)アクリレート(C−3)、(ポリ)エーテル(メタ)アクリレート(C−4)、アルキル(メタ)アクリレートないしはアルキレン(メタ)アクリレート(C−5)、芳香環を有する(メタ)アクリレート(C−6)、脂環構造を有する(メタ)アクリレート(C−7)、マレイミド基含有化合物(C−8)、(メタ)アクリルアミド化合物(C−9)、及び不飽和ポリエステル(C−10)からなる群より選ばれる1種以上の化合物である前記樹脂組成物に関する。
さらに、上記反応性化合物(C)がウレタン(メタ)アクリレート(C−2)、アルキル(メタ)アクリートないしはアルキレン(メタ)アクリレート(C−5)、及び芳香環を有する(メタ)アクリレート(C−6)からなる群より選ばれる1種以上の化合物である前記樹脂組成物に関する。
さらに、屈折率(D線、25℃)が1.52〜1.72であることを特徴とする前記樹脂組成物に関する。
さらに、前記樹脂組成物の硬化物に関する。
本発明の、前記一般式(1)で表されるエポキシ樹脂(a)に、分子中にエチレン性不飽和基とカルボキシル基を併せ持つ化合物(b)を反応せしめて得られるエポキシカルボキシレート化合物(A)を含む樹脂組成物、又は、さらにエポキシカルボキシレート化合物(A)に多塩基酸無水物(c)を反応せしめて得られるポリカルボン酸化合物(B)を含む樹脂組成物の硬化物は、耐熱性、耐湿性のバランスに優れているだけではなく、透明性を有し、高い屈折率を示す。更に、該硬化物は強靭性等の機械的物性に優れた材料であり、特に、基材への密着性や耐傷性にも優れた皮膜形成用材料である。又、本発明の樹脂組成物はポリカルボン酸によるアルカリ水溶性による現像が可能なことから、所謂、光学用レジストに用いる素材としても好適である。即ち、例えば、レンズ、光学ディスク、液晶ディスプレー等の表示機器用のハードコート、フィルム、光導波路等の光伝導材料等の光学用途に好適である。
本発明の樹脂組成物は、前記一般式(1)(一般式(1)中、Rはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基のいずれかから選ばれ、aは置換基Rの個数を表し、1又は2である。)で示されるエポキシ樹脂(a)に、分子中にエチレン性不飽和基とカルボキシ基を併せ持つ化合物(b)を反応せしめて得られるエポキシカルボキシレート化合物(A)、又は、更にエポキシカルボキシレート化合物(A)に多塩基酸無水物(c)を反応せしめて得られるポリカルボン酸化合物(B)を含む。
一般式(1)においてRは、使用される用途に応じて適宜選択されるべきものであり、例えば、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、及びハロゲン原子が挙げられる。これらのうち、Rが全て水素原子である化合物が材料の入手等の観点から最も好ましい。
本発明においてaは置換基Rの個数を表し、1又は2である。
本発明において炭素数1〜6のアルキル基は直鎖、分岐鎖、環状のいずれであってもよい。好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基である。
本発明において炭素数1〜6のアルコキシ基は直鎖、分岐鎖、環状のいずれであってもよい。好ましくはメトキシ基、エトキシ基である。
本発明においてハロゲン原子は塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
一般式(1)で示されるエポキシ樹脂(a)は、例えば、特許文献1にその製造方法が記載されており、その方法に準じて製造することも可能である。又、市販品(日本化薬製 商品名:WHR−EP:一般式(1)のRが全て水素原子であり、エポキシ当量が266g/eq)も使用できる。
エポキシ樹脂(a)のうち、エポキシ当量が266g/当量よりも小さいものが特に好ましい。その理由としては、より多くのエチレン性不飽和結合を導入することができるため、得られる硬化物に機械的強度を付与し、より強靭な樹脂となる。
本発明のエポキシカルボキシレート化合物(A)は、前記エポキシ樹脂(a)にエチレン性不飽和基とカルボキシ基を併せ持つ化合物(b)を反応(エポキシカルボキシレート化工程)させて得られる。本発明のポリカルボン酸化合物(B)は、エポキシカルボキシレート化合物(A)に更に多塩基酸無水物(c)を反応(酸付加工程)させて得られる。
前記エポキシカルボキシレート化工程によりエポキシ樹脂の骨格に活性エネルギー線の反応性基であるエチレン性不飽和基を導入する。具体的にはエポキシ基とカルボキシ基の反応である。該エチレン性不飽和基とカルボキシ基を併せ持つ化合物(b)としては、例えば、(メタ)アクリル酸類、クロトン酸、α−シアノ桂皮酸、桂皮酸、或いは、不飽和基と水酸基を併せ持つ化合物に飽和又は不飽和二塩基酸を反応せしめた化合物等が挙げられる。
上記において不飽和基と水酸基を併せ持つ化合物に飽和又は不飽和二塩基酸を反応せしめた化合物等とは、例えば、1分子中に1個の水酸基を有する(メタ)アクリレート誘導体と飽和若しくは不飽和二塩基酸無水物を等モル反応させて得られる半エステル類が挙げられる。例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水フタル酸、無水フタル酸の部分若しくは全水添物、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等の飽和若しくは不飽和二塩基酸を反応せしめた化合物が挙げられる。
これらのうち、エポキシ樹脂(a)と化合物(b)の反応の安定性を考慮すると、化合物(b)はモノカルボン酸であることが好ましい。モノカルボン酸とポリカルボン酸を併用する場合には、モノカルボン酸のモル量/ポリカルボン酸のモル量の比が15以上であることが好ましい。化合物(b)としては、樹脂組成物としたときの活性エネルギー線に対する感度の点から(メタ)アクリル酸又は桂皮酸が好ましい。
この反応におけるエポキシ樹脂(a)と化合物(b)の仕込み割合は、用途に応じて適宜変更される。即ち、全てのエポキシ基をカルボキシレート化した場合は、未反応のエポキシ基が存在しないためにエポキシカルボキシレート化合物(A)としての保存安定性は高い。この場合、硬化反応には導入した二重結合による反応性のみを利用することになる。
エポキシ基を残存させない場合のエポキシカルボキシレート化工程においては、エポキシ樹脂(a)と化合物(b)の仕込み割合は、エポキシ樹脂(a)のエポキシ基1当量に対し、化合物(b)のカルボキシ基0.90〜1.20当量が好ましい。この範囲であれば、未反応のエポキシ基が、残存しない又は少ないため、酸付加工程においてゲル化せず、樹脂の保存安定性は良好である。化合物(b)の仕込み量がこの範囲である場合、化合物(a)が残存するエポキシ基が少なく、樹脂の安定性が向上する。
一方、化合物(b)の仕込み量を減量し未反応のエポキシ基を残すことにより、導入した不飽和結合による反応と残存するエポキシ基による反応(例えば、光カチオン触媒による重合反応や熱重合反応等)を、硬化のために複合的に利用することも可能となる。この場合は金属材料等への密着性の向上や硬化収縮性の低減が達成される。しかし、エポキシカルボキシレート化合物の保存や製造条件には注意を払う必要がある。
エポキシ基を残す場合には、エポキシ樹脂(a)のエポキシ基1当量に対し、化合物(b)のカルボキシ基0.20〜0.90当量を仕込む。この範囲内であれば、複合硬化の効果が発揮される。また、エポキシ基を残す場合には、続く反応中のゲル化やエポキシカルボキシレート化合物(A)の経時安定性に注意を払う必要がある。更に、後述の酸付加工程を経てポリカルボン酸化合物(B)として使用する場合には、エポキシ基を残存させないことが好ましい。即ち、エポキシ基が数多く残存する場合には、導入するカルボキシ基と反応してしまい、保存安定性が特に悪化する。
エポキシカルボキシレート化工程は無溶剤若しくは溶剤で希釈して反応させる。溶剤を使用する場合、該溶剤としては反応に影響が無ければ特に限定されない。該溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、テトラメチルベンゼン等の芳香族系炭化水素溶剤、ヘキサン、オクタン、デカン等の脂肪族系炭化水素溶剤、それらの混合物である石油エーテル、ホワイトガソリン、ソルベントナフサ、エステル系溶剤、エーテル系溶剤、ケトン系溶剤等が挙げられる。
エステル系溶剤としては、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等の酢酸アルキル類、γ−ブチロラクトン等の環状エステル類、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルモノアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルモノアセテート、トリエチレングリコールモノエチルエーテルモノアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルモノアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルモノアセテート、ブチレングリコールモノメチルエーテルモノアセテート等のモノ若しくはポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルモノアセテート類、グルタル酸ジアルキル、コハク酸ジアルキル、アジピン酸ジアルキル等のポリカルボン酸アルキルエステル類等が挙げられる。
エーテル系溶剤としては、ジエチルエーテル、エチルブチルエーテル等のアルキルエーテル類、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル等のグリコールエーテル類、テトラヒドロフラン等の環状エーテル類等が挙げられる。
ケトン系溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等が挙げられる。
この他にも、エポキシカルボキシレート化工程の溶剤としては後記反応性化合物(C)等を使用することができる。これら溶剤は単独又は混合して使用することができる。この場合、本発明の樹脂組成物としてそのまま利用することができる。
エポキシカルボキシレート化工程時には、反応を促進させるために触媒を使用してもよい。該触媒の使用量は反応物の総量に対して0.1〜10質量%程度添加する。該触媒としては、例えば、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、塩化トリエチルアンモニウム、臭化ベンジルトリメチルアンモニウム、ヨウ化ベンジルトリメチルアンモニウム、トリフェニルホスフィン、トリフェニルスチビン、メチルトリフェニルスチビン、オクタン酸クロム、オクタン酸ジルコニウム等の塩基性触媒等が挙げられる。
エポキシカルボキシレート化工程の反応温度は60〜150℃である。又、反応時間は好ましくは5〜60時間である。エポキシカルボキシレート化工程の熱重合禁止剤として、例えば、ハイドロキノンモノメチルエーテル、2−メチルハイドロキノン、ハイドロキノン、ジフェニルピクリルヒドラジン、ジフェニルアミン、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン等が使用できる。
エポキシカルボキシレート化工程は、適宜サンプリングしながら、サンプルの酸価(JIS K5601−2−1:1999に準拠)が3mg・KOH/g以下、好ましくは2mg・KOH/g以下となった時点を終点とする。
次に、酸付加工程について説明する。酸付加工程は、エポキシカルボキシレート化工程によって生じた水酸基に多塩基酸無水物(c)を反応させ、エステル結合を介してカルボキシ基が導入されたポリカルボン酸化合物(B)を得ることを目的とする。
多塩基酸無水物(c)とは、分子中に酸無水物構造を有する化合物であれば特に限定されない。例えば、アルカリ水溶液現像性、耐熱性、加水分解耐性等に優れた無水コハク酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水イタコン酸、3−メチル−テトラヒドロ無水フタル酸、4−メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸又は無水マレイン酸が好ましい。
酸付加工程は、前記エポキシカルボキシレート化工程の反応液に多塩基酸無水物(c)を加えることにより行うこともできる。多塩基酸無水物(c)の添加量は用途に応じて適宜変更される。
しかしながら、本発明の樹脂組成物に使用するポリカルボン酸化合物(B)をアルカリ現像型のレジストとして用いる場合は、最終的に得られるポリカルボン酸化合物(B)の固形分酸価(JIS K5601−2−1:1999に準拠)を40〜100mg・KOH/g、好ましくは60〜90mg・KOH/gとする計算量の多塩基酸無水物(c)を仕込む。固形分酸価がこの範囲よりも小さい場合、樹脂組成物のアルカリ水溶液現像性が著しく低下し、最悪の場合には現像できない。又、固形分酸価がこの上限を越える場合には、多塩基酸無水物(c)が反応点に対して過剰となり、未反応の多塩基酸無水物(c)が組成物中に残存し、現像性が高くなりすぎパターニングができなくなる場合がある。
酸付加工程時には反応を促進させるために触媒を使用することが好ましい。該触媒の使用量は、反応物の総量に対して0.1〜10質量%程度添加するのが好ましい。該触媒としては、例えば、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、塩化トリエチルアンモニウム、臭化ベンジルトリメチルアンモニウム、ヨウ化ベンジルトリメチルアンモニウム、トリフェニルホスフィン、トリフェニルスチビン、メチルトリフェニルスチビン、オクタン酸クロム、オクタン酸ジルコニウム等が挙げられる。
酸付加工程の反応温度は60〜150℃である。又、反応時間は好ましくは5〜60時間である。
酸付加工程は無溶剤若しくは溶剤で希釈して反応させる。溶剤を使用する場合、該溶剤としては反応に影響が無ければ特に限定されない。又、前工程であるカルボキシレート化工程で溶剤を用いて製造した場合には、酸付加工程に影響が無い溶剤であれば溶剤を除くことなく酸付加工程に供してもよい。
該溶剤としては、カルボキシレート化工程と同じ溶剤が挙げられる。
この他にも、酸付加工程の溶剤としては、後記反応性化合物(C)等を使用することができる。これら溶剤は単独又は混合して使用することができる。この場合、本発明の樹脂組成物としてそのまま利用することができる。酸付加工程の熱重合禁止剤としては、前記エポキシカルボキシレート化工程と同様のものを使用することができる。酸付加工程は、適宜サンプリングしながら、反応物の酸価が目的とする用途に応じて設定した酸価のプラスマイナス10%の範囲になった点をもって終点とする。
以上により、高屈折率で透明性に優れた本発明の化合物(A)又は(B)が得られる。
本発明の樹脂組成物は本発明の化合物(A)又は(B)を含有するが、必要に応じて化合物(A)又は(B)を除くその他の反応性化合物(C)を含有してもよい。
本発明において反応性化合物(C)とは、活性エネルギー線により反応しうる化合物を示す。具体例としては(ポリ)エステル(メタ)アクリレート(C−1)、ウレタン(メタ)アクリレート(C−2)、エポキシ(メタ)アクリレート(C−3)、(ポリ)エーテル(メタ)アクリレート(C−4)、アルキル(メタ)アクリレート、アルキレン(メタ)アクリレート(C−5)、芳香環を有する(メタ)アクリレート(C−6)脂環構造を有する(メタ)アクリレート(C−7)、マレイミド基含有化合物(C−8)、(メタ)アクリルアミド化合物(C−9)、及び不飽和ポリエステル(C−10)等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明の樹脂組成物に併用可能な(ポリ)エステル(メタ)アクリレート(C−1)としては、例えば、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド変性フタル酸(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性コハク酸(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等の単官能(ポリ)エステル(メタ)アクリレート類;ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性フタル酸ジ(メタ)アクリレート等のジ(ポリ)エステル(メタ)アクリレート類;トリメチロールプロパン又はグリセリン1モルに1モル以上のε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン等の環状ラクトン化合物を付加して得たトリオールのモノ、ジ又はトリ(メタ)アクリレートが挙げられる。
更には、ペンタエリスリトール又はジトリメチロールプロパン1モルに1モル以上のε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン等の環状ラクトン化合物を付加して得たトリオールのモノ、ジ、トリ又はテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール1モルに1モル以上のε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン等の環状ラクトン化合物を付加して得たトリオールのモノ、又はポリ(メタ)アクリレートのトリオール、テトラオール、ペンタオール又はヘキサオール等の多価アルコールのモノ(メタ)アクリレート又はポリ(メタ)アクリレートが挙げられる。
そしてまた更には、(ポリ)エチレングリコール、(ポリ)プロピレングリコール、(ポリ)テトラメチレングリコール、(ポリ)ブチレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ヘキサンジオール等のジオール成分とマレイン酸、フマル酸、コハク酸、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ダイマー酸、セバチン酸、アゼライン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等の多塩基酸、及びこれらの無水物との反応物であるポリエステルポリオールの(メタ)アクリレート;前記ジオール成分と多塩基酸及びこれらの無水物とε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン等からなる環状ラクトン変性ポリエステルジオールの(メタ)アクリレート等の多官能(ポリ)エステル(メタ)アクリレート類等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明の樹脂組成物に併用可能なウレタン(メタ)アクリレート(C−2)は、少なくとも一つの(メタ)アクリロイルオキシ基を有するヒドロキシ化合物(C−2−イ)とイソシアネート化合物(C−2−ロ)との反応によって得られる(メタ)アクリレートの総称である。
少なくとも一つの(メタ)アクリロイルオキシ基を有するヒドロキシ化合物(C−2−イ)の具体例としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレートなど各種の水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物と、上記の水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物とε−カプロラクトンとの開環反応物などを挙げることができる。
イソシアネート化合物(C−2−ロ)の具体例としては、例えば、p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−キシレンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート類;イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環構造のジイソシアネート類;イソシアネートモノマーの一種類以上のビュレット体又は、上記ジイソシアネート化合物を3量化したイソシアネート体等のポリイソシアネート;上記イソシアネート化合物と前記、ポリオール化合物とのウレタン化反応によって得られるポリイソシアネート等を挙げることができる。
本発明の樹脂組成物に併用可能なエポキシ(メタ)アクリレート(C−3)は、1つ以上のエポキシ基を含有するエポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレートの総称である。エポキシ(メタ)アクリレートの原料となるエポキシ樹脂の具体例としては、ハイドロキノンジグリシジルエーテル、カテコールジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル等のフェニルジグリシジルエーテル;ビスフェノール−A型エポキシ樹脂、ビスフェノール−F型エポキシ樹脂、ビスフェノール−S型エポキシ樹脂、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンのエポキシ化合物等のビスフェノール型エポキシ化合物;水素化ビスフェノール−A型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノール−F型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノール−S型エポキシ樹脂、水素化2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンのエポキシ化合物等の水素化ビスフェノール型エポキシ化合物;臭素化ビスフェノール−A型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノール−F型エポキシ樹脂等のハロゲノ化ビスフェノール型エポキシ化合物;シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル化合物等の脂環式ジグリシジルエーテル化合物;1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル等の脂肪族ジグリシジルエーテル化合物;ポリサルファイドジグリシジルエーテル等のポリサルファイド型ジグリシジルエーテル化合物;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、ビスフェノール−A型ノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格含有エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂等を挙げることができる。
本発明の樹脂組成物に併用可能な(ポリ)エーテル(メタ)アクリレート(C−4)としては、例えば、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性ブチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等の単官能(ポリ)エーテル(メタ)アクリレート類が挙げられる。
更には、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類;エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体、プロピレングリコールとテトラヒドロフランの共重合体、ポリイソプレングリコール、水添ポリイソプレングリコール、ポリブタジエングリコール、水添ポリブタジエングリコール等の炭化水素系ポリオール類等の多価水酸基化合物と(メタ)アクリル酸から誘導される多官能(メタ)アクリレート類;ネオペンチルグリコール1モルに1モル以上のエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等の環状エーテルを付加したジオールのジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
更には、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のビスフェノール類のアルキレンオキシド変性体のジ(メタ)アクリレート;水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、水添ビスフェノールS等の水添ビスフェノール類のアルキレンオキシド変性体ジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパン又はグリセリン1モルに1モル以上のエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等の環状エーテル化合物を付加して得たトリオールのモノ、ジ又はトリ(メタ)アクリレート;が挙げられる。
そしてまた更には、ペンタエリスリトール又はジトリメチロールプロパン1モルに1モル以上のエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等の環状エーテル化合物を付加したトリオールのモノ、ジ、トリ又はテトラ(メタ)アクリレート;ジペンタエリスリトール1モルに1モル以上のエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等の環状エーテル化合物を付加したヘキサオールの3乃至6官能(メタ)アクリレート等の多官能(ポリ)エーテル(メタ)アクリレート類などを挙げることができる。
本発明の樹脂組成物に併用可能なアルキル(メタ)アクリレートないしはアルキレン(メタ)アクリレート(C−5)としては、例えば、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート等の単官能(メタ)アクリレート類が挙げられる。
更には、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレートの炭化水素ジオールのジ(メタ)アクリレート類が挙げられる。
更には、トリメチロールプロパンのモノ(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリレート又はトリ(メタ)アクリレート(以下、ジ、トリ、テトラ等の多官能の総称として「ポリ」を用いる。)、グリセリンのモノ(メタ)アクリレート又はポリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのモノ又はポリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンのモノ又はポリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのモノ又はポリ(メタ)アクリレート等のトリオール、テトラオール、ヘキサオール等の多価アルコールのモノ又はポリ(メタ)アクリレート類が挙げられる。
そしてまた更には、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリル類などを挙げることができる。
本発明の樹脂組成物に併用可能な芳香環を有する(メタ)アクリレート(C−6)としては、例えば、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−フェニルフェノールのエチレンオキサイド付加物の末端アクリル酸エステル付加物(例えば、日本化薬(株)製OPP−1)等の単官能(メタ)アクリレート類;ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート類等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明の樹脂組成物に併用可能な脂環構造を有する(メタ)アクリレート(C−7)としては、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート等の脂環構造を有する単官能(メタ)アクリレート類;水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF等の水添ビスフェノール類のジ(メタ)アクリレート;トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート等の環状構造を持つ多官能性(メタ)アクリレート類;テトラフルフリル(メタ)アクリレート等の構造中に酸素原子等を有する脂環式(メタ)アクリレート、などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
また、本発明の樹脂組成物に併用可能な(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、上記した化合物の他に、例えば、(メタ)アクリル酸ポリマーとグリシジル(メタ)アクリレートとの反応物又はグリシジル(メタ)アクリレートポリマーと(メタ)アクリル酸との反応物等のポリ(メタ)アクリルポリマー(メタ)アクリレート;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基を有する(メタ)アクリレート;トリス(メタ)アクリロキシエチルイソシアヌレート等のイソシアヌル(メタ)アクリレート;ポリシロキサン骨格を有する(メタ)アクリレート;ポリブタジエン(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート等も使用可能である。
また、本発明の樹脂組成物に併用可能なマレイミド基含有化合物(C−8)としては、例えば、N−n−ブチルマレイミド、N−ヘキシルマレイミド、2−マレイミドエチル−エチルカーボネート、2−マレイミドエチル−プロピルカーボネート、N−エチル−(2−マレイミドエチル)カーバメート等の単官能脂肪族マレイミド類;N−シクロヘキシルマレイミド等の脂環式単官能マレイミド類;N、N−ヘキサメチレンビスマレイミド、ポリプロピレングリコール−ビス(3−マレイミドプロピル)エーテル、ビス(2−マレイミドエチル)カーボネート等の脂肪族ビスマレイミド類;1,4−ジマレイミドシクロヘキサン、イソホロンビスウレタンビス(N−エチルマレイミド)等の脂環式ビスマレイミド;マレイミド酢酸とポリテトラメチレングリコールとをエステル化して得られるマレイミド化合物、マレイミドカプロン酸とペンタエリスリトールのテトラエチレンオキサイド付加物とのエステル化によるマレイミド化合物等のカルボキシマレイミド誘導体と種々の(ポリ)オールとをエステル化して得られる(ポリ)エステル(ポリ)マレイミド化合物等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明の樹脂組成物に併用可能な(メタ)アクリルアミド化合物(C−9)としては、例えば、アクリロイルモルホリン、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド等の単官能性(メタ)アクリルアミド類;メチレンビス(メタ)アクリルアミド等の多官能(メタ)アクリルアミド類などを挙げることができる。
本発明の樹脂組成物に併用可能な不飽和ポリエステル(C−10)としては、例えば、ジメチルマレート、ジエチルマレート等のフマル酸エステル類;マレイン酸、フマル酸等の多価不飽和カルボン酸と多価アルコールとのエステル化反応物を挙げることができる。
本発明の樹脂組成物に使用しうる反応性化合物(C)としては、(C−2)、(C−5)、及び(C−6)が好ましく、特に(C−5)が好ましい。
反応性化合物(C)を含む本発明の樹脂組成物において、本発明の化合物(A)又は(B)と反応性化合物(C)の使用割合は、(A)又は(B):(C)=5:95〜95:5(単位は質量%)、好ましくは、(A)又は(B):(C)=20:80〜80:20(単位は質量%)である。
本発明の樹脂組成物は活性エネルギー線によって容易に硬化する。ここで活性エネルギー線の具体例としては、紫外線、可視光線、赤外線、X線、γ線、レーザー光線等の電磁波、α線、β線、電子線等の粒子線等が挙げられる。本発明の好適な用途を考慮すれば、これらのうち、紫外線、レーザー光線、可視光線、または電子線が好ましい。
本発明の樹脂組成物の屈折率(D線、25℃)は容易に調整が可能である。屈折率(D線、25℃)が1.52〜1.72の範囲が光学材料として広く用いられる。
本発明の樹脂組成物の硬化物とは、本発明の樹脂組成物に活性エネルギー線を照射し硬化させたものを指す。
本発明の樹脂組成物を各種用途に適合させる目的で、樹脂組成物中に90質量%を上限にその他の成分を加えることもできる。その他の成分としては、重合開始剤、溶剤、非反応性化合物、無機充填剤、有機充填剤、シランカップリング剤、粘着付与剤、消泡剤、レベリング剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、染料等を適宜使用することができる。下記に使用しうるその他の成分を例示する。
ラジカル型光重合開始剤としては、例えばベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン類;アセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−フェニルプロパン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン等のアセトフェノン類;2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等のチオキサントン類;2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、フェニル(α,α−ジメトキシベンジル)ケトン等のアセタール類;ベンゾフェノン、4,4’−チオビス(2−メチル−1,3−ベンゼンジオール)、4,4’−ビスメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等のホスフィンオキサイド類等の公知一般のラジカル型光反応開始剤が挙げられる。
この他、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系開始剤、過酸化ベンゾイル等の熱に感応する過酸化物系ラジカル型開始剤等を併せて用いても良い。開始剤は、1種類を単独で用いることもできるし、2種類以上を併せて用いることもできる。
溶剤としては前記カルボキシレート化工程及び前記酸付加工程と同じ溶剤が挙げられる。これら溶剤は単独又は混合して使用することができる。
非反応性化合物とは、反応性の低い、或いは反応性の無い液状若しくは固体状のオリゴマーや樹脂であり、(メタ)アクリル酸アルキル共重合体、エポキシ樹脂、液状ポリブタジエン、ジシクロペンタジエン誘導体、飽和ポリエステルオリゴマー、キシレン樹脂、ポリウレタンポリマー、ケトン樹脂、ジアリルフタレートポリマー(ダップ樹脂)、石油樹脂、ロジン樹脂、フッ素系オリゴマー、シリコーン系オリゴマーなどを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
無機充填剤としては、例えば、二酸化珪素、酸化珪素、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、タルク、カオリンクレー、焼成クレー、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、水酸アルミニウム、酸化アルミニウム、ガラス、雲母、硫酸バリウム、アルミナホワイト、ゼオライト、シリカバルーン、ガラスバルーン、等を挙げることができる。これらの無機充填剤には、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコネート系カップリング剤などを添加、反応させるなどの方法により、ハロゲン基、エポキシ基、水酸基、チオール基の官能基を持たせることもできる。
有機充填剤としては、例えば、ベンゾグアナミン樹脂、シリコーン樹脂、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリオレフィン樹脂、エチレン・アクリル酸共重合体、ポリスチレン、アクリル共重合体、ポリメチルメタクリレート樹脂、フッ素樹脂、ナイロン12、ナイロン6/66、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂などを挙げることができる。
シランカップリング剤としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトレメトキシシラン又はγ−クロロプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート等のチタネート系カップリング剤;アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等のアルミニウム系カップリング剤;アセチルアセトン・ジルコニウム錯体等のジルコニウム系カップリング剤、などを挙げることができる。
本発明の樹脂組成物に使用可能な粘着付与剤、消泡剤、レベリング剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤及び染料は、公知慣用のものであれば如何なるものも、その硬化性、樹脂特性を損なわない範囲で、特に制限無く使用することができる。
本発明の樹脂組成物を得るには、上記した各成分を混合すればよく、混合の順序や方法は特に限定されない。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。又、実施例中で特に断りがない限り、部は質量部を示す。なお、実施例中の各物性値は以下の方法で測定した。
(1)エポキシ当量:JIS K7236:2001に記載の方法で測定。
(2)硬度:JIS K5600−5−4:1999に記載の方法で測定。
(3)屈折率:JIS K7142:1996に記載の方法で測定。
次に、以下において液屈折率の算出は、得られた化合物濃度を3点変動させるよう溶剤希釈したサンプルを作成し、その液屈折率を3点測定し、化合物そのものの液屈折率を計算した。また、D線は589nmである。なお、本発明は以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
合成例1 エポキシ樹脂(a)の合成
温度計、冷却官、撹拌器を取り付けたフラスコに窒素ガスパージを施しながら、フェノール化合物であるN−フェニルフェノールフタレイン(SABIC製PPPBP、純度99%以上)256g、エピクロロヒドリン842g、メタノール180gを加え、水浴を75℃にまで昇温した。内温が65℃を越えたところでフレーク状の水酸化ナトリウム21gを90分かけて分割添加した後、更に70℃で1時間後反応を行った。反応終了後、水300gで二回洗浄を行い生成した塩などを除去した後、加熱減圧下(〜70℃、−0.08MPa〜−0.09MPa)、撹拌しながら、3時間で、過剰のエピクロルヒドリン等を留去した。残留物にメチルイソブチルケトン600gを加え溶解し、70℃にまで昇温した。攪拌下で30質量%の水酸化ナトリウム水溶液26gを加え、1時間反応を行った後、洗浄水が中性になるまで水洗を行った。水洗後の溶液をロータリーエバポレーターによる減圧下、メチルイソブチルケトン等を留去し、目的とするエポキシ樹脂を305g得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は266g/eq.、軟化点が89℃、ICI溶融粘度0.42Pa・s(150℃)、常温において固体であった。
実施例1−1 エポキシカルボキシレート化合物(A−1)の合成
攪拌装置、還流管をつけた1Lフラスコ中に、希釈溶剤としてトルエンを76.8g、合成例1で得られたエポキシ樹脂を135.6g(0.6eq.)、熱重合禁止剤として、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールを0.53g、分子中にエチレン性不飽和基を有するモノカルボン酸化合物としてアクリル酸を43.3g(0.6eq.)、反応触媒としてトリフェニルホスフィンを0.53g仕込み、98℃で24時間反応させ、酸価を測定したところ1.7mg・KOH/gであったので、反応を終了とした。この工程により70質量%の樹脂溶液を得た。
次いで、この溶液にトルエン250gを加え、水100gで3回洗浄し、有機層を減圧濃縮して、下記淡黄色樹脂状の化合物(A−1)を161.0g得た。
Figure 2016044229
本発明の化合物(A−1)の物性を以下に示す。
液屈折率(D線、25℃) 1.60
H−NMR
3.58ppm=2H、3.96−4.42ppm=10H、5.58−5.60ppm=2H、6.04−6.6.05ppm=2H、6.26−6.27ppm=2H、6.86−6.88ppm=4H、7.12ppm=1H、7.15−7.19ppm=6H、7.42−7.43ppm=2H、7.57−7.58ppm=1H、7.80−7.81ppm=2H、7.91ppm=1H
実施例1−2 エポキシカルボキシレート化合物(A−2)の合成
攪拌装置、還流管をつけた1Lフラスコ中に、希釈溶剤としてトルエンを80.2g、合成例1で得られたエポキシ樹脂を135.6g(0.6eq.)、熱重合禁止剤として、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールを0.56g、分子中にエチレン性不飽和基を有するモノカルボン酸化合物としてメタクリル酸を51.6g(0.6eq.)、反応触媒としてトリフェニルホスフィンを0.56g仕込み、98℃で24時間反応させ、酸価を測定したところ2.1mg・KOH/gであったので、反応を終了とした。この工程により70質量%の樹脂溶液を得た。
次いで、この溶液にトルエン250gを加え、水100gで3回洗浄し、有機層を減圧濃縮して、淡黄色樹脂状の化合物(A−2)を168.5g得た。化合物の構造はH−NMRを測定して確認した。
Figure 2016044229
本発明の化合物(A−2)の物性を以下に示す。
液屈折率(D線、25℃) 1.59
H−NMR
2.01ppm=6H、3.58ppm=2H、3.96−4.42ppm=10H、6.39−6.40ppm=2H、6.47−6.48ppm=2H、6.86−6.88ppm=4H、7.12ppm=1H、7.15−7.19ppm=6H、7.42−7.43ppm=2H、7.57−7.58ppm=1H、7.80−7.81ppm=2H、7.91ppm=1H
ポリカルボン酸化合物(B)の合成
実施例1−1において得られたエポキシカルボキシレート化合物(A−1)に、多塩基酸無水物(c)としてテトラヒドロ無水フタル酸を表1に記載の量加え、反応液の固形分が65質量%となるよう溶剤としてトルエンを添加した。その後、100℃にて10時間反応させ、ポリカルボン酸化合物(B−1)溶液及びポリカルボン酸化合物(B−2)溶液を得た。次いで、この溶液を水100gで3回洗浄し、有機層を減圧濃縮して、淡黄色樹脂状のポリカルボン酸化合物(B)を得た。表1における設定酸価とは、最終的に得られるポリカルボン酸化合物に関する所望の固形分酸価を意味する。この設定酸価を達成するための計算量である多塩基酸無水物(c)を用いた。
Figure 2016044229
比較例1(化合物(H−1)の合成)特開平9−272707号公報との比較
温度計、冷却官、撹拌器を取り付けたフラスコに窒素ガスパージを施しながらo−フェニルフェノール(O−PP 三光株式会社製)170g、エピクロルヒドリン370g、メタノール74gを仕込み溶解させた。更に70℃に加熱しフレーク状水酸化ナトリウム41gを90分かけて分割添加し、その後、更に70℃で60分間反応させた。反応終了後、水200gで二回洗浄を行い生成した塩などを除去した後、加熱減圧下(〜70℃、−0.08MPa〜−0.09MPa)、撹拌しながら、3時間で、過剰のエピクロルヒドリン等を留去した。残留物にメチルイソブチルケトン450gを加え溶解し、70℃にまで昇温した。攪拌下で10質量%の水酸化ナトリウム水溶液10gを加え、1時間反応を行った後、洗浄水が中性になるまで水洗を行った。水洗後の溶液をロータリーエバポレーターによる減圧下、メチルイソブチルケトン等を留去し、目的とするエポキシ樹脂217gを得た。得られたエポキシ樹脂はエポキシ当量が233g/eq.で、常温で液状であった。
攪拌装置、還流管をつけた1Lフラスコ中に、得られたエポキシ樹脂を139.8g(0.6eq.)、熱重合禁止剤として、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールを0.55g、分子中にエチレン性不飽和基を有するモノカルボン酸化合物(b)としてアクリル酸を43.3g(0.6eq.)、反応触媒としてトリフェニルホスフィンを0.55g仕込み、98℃で30時間反応させ、酸価を測定したところ2.4mg・KOH/gであったので、反応を終了とした。この工程により透明淡黄色樹脂状の化合物(H−1)を180g得た。
実施例、比較例の化合物及び化合物(H−1)、(I−1)、及び(I−2)の液屈折率を表2に示す。なお液屈折率の算出は、得られた化合物濃度を3点変動させるよう溶剤希釈したサンプルを作成し、その液屈折率を3点測定し、化合物そのものの液屈折率を計算した。結果を表2に示す。
Figure 2016044229
注)
測定装置:多波長アッベ屈折計DR−M2 株式会社アタゴ製
測定波長:589nm(D線)
(I−1)OPP−1:日本化薬(株)製(2−フェニルフェノールのエチレンオキサイド付加物の末端アクリル酸エステル化物
(I−2)オグソールEA−200:大阪ガスケミカル(株)製(ビスフェノールフルオレンのエチレンオキサイド付加物の末端アクリル酸エステル化物)
実施例2、比較例2 樹脂組成物の配合と試験用フィルムの作成
実施例1で合成した化合物(A−1、A−2、B−1、B−2)及び比較例1で得られた化合物(H−1)並びに(I−1)、(I−2)を表3に示す組成で配合した樹脂組成物(実施例2−1〜2−4及び比較例2−1〜2−3;配合量(g))をバーコーター(No.20)を用いて易接着処理ポリエステルフィルム(東洋紡(株)製:A−4300、膜厚188μm)に塗布した。樹脂組成物が塗布されたポリエステルフィルムを80℃の乾燥炉中に1分間放置後、空気雰囲気下で120W/cmの高圧水銀灯を用い、ランプ高さ10cmの距離から5m/分の搬送速度で紫外線を照射し、硬化皮膜(10〜15μm)を有するフィルムを得た。
Figure 2016044229
注)
*1:PET−30:日本化薬(株)製、KAYARAD PET−30(ペンタエリスリトールトリアクリレート/ペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物):(B−5)
*2:Irg.184(イルガキュア184):チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)
*3:MEK:メチルエチルケトン
試験例
実施例2又は比較例2で得られたフィルムにつき、下記項目の評価結果を表4に示した。
(鉛筆硬度)
JIS K 5400に従い、鉛筆引っかきを用いて、塗工フィルムの鉛筆硬度を測定した。即ち、測定する硬化皮膜を有するポリエステルフィルム上に、鉛筆を45度の角度で、上から1kgの荷重を掛け5mm程度引っかき、傷の付き具合を確認した。5回測定を行い、傷なしの回数を数える。
評価 5/5:5回中5回とも傷なし
0/5:5回中全て傷発生
(耐擦傷性)
スチールウール#0000上で200g/cmの荷重を掛け10往復させ、傷の状況を目視で判断した。
評価 5:傷の発生が全く観察されなかった
評価 4:1〜5本の傷の発生が観察された
評価 3:6〜50本の傷の発生が観察された
評価 2:51〜100本の傷の発生が観察された
評価 1:塗膜剥離が観察された
(密着性)
JIS K 5400に従い、フィルムの表面に1mm間隔で縦・横各11本の切れ目を入れて100個の碁盤目を作った。セロハンテープをその表面に密着させた後一気に剥がした時に剥離せず残存したマス目の個数を表示した。
(カール)
測定する硬化皮膜を有するポリエステルフィルムを5cm×5cmにカットし、80℃の乾燥炉に1時間放置した後、室温まで戻した。水平な台上で浮き上がった4辺それぞれの高さを測定し、平均値を測定値(単位:mm)とした。この時、基材自身のカールは0mmであった。
(外観)
表面のクラック、白化、曇り等の状態を目視にて判断した。
評価 ○:良好
△:微少クラック発生
×:著しいクラック発生
Figure 2016044229
本発明の樹脂組成物の硬化物は比較例2に比較して硬度、耐擦傷性、密着性に優れ、カール高さが同程度又は比較例2よりも低かった。このことから本発明の樹脂組成物の硬化収縮は比較例2の硬化収縮に比較して少ないことがわかる。
実施例3 活性エネルギー線硬化型光学用レジストの調製と評価
実施例1−3で得られたポリカルボン酸化合物(B−1)を20g、反応性化合物(C)としてのラジカル反応型の単量体であるジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを5g、紫外線反応型光重合開始剤としてイルガキュア184を1.5g混合し加熱溶解して光学用組成物を得た。
これを乾燥時の膜厚20ミクロンになるようハンドアプリケータによって石英板上に塗工し、80℃で30分間電気オーブンにて溶剤乾燥をした。乾燥後、塗工物の上からマスクパターンを覆いかぶせ高圧水銀ランプを具備した紫外線垂直露光装置(オーク製作所製)によって照射線量1000mJ/cmの紫外線を照射し硬化させ光学用材料を得た。次いで、1質量%炭酸ナトリウム水溶液をスプレーし、未露光部を溶解して現像した。その結果、パターンを形成させることができ、本発明のポリカルボン酸化合物(B)はレジスト適性を有することが示された。
本発明の化合物(A)は活性エネルギー線で硬化し、高耐熱かつ高屈折率であって、透明性を有する感光性材料として様々な分野で利用可能である。

Claims (9)

  1. 下記一般式(1)で表されるエポキシ樹脂(a)に、分子中にエチレン性不飽和基とカルボキシル基を併せ持つ化合物(b)を反応せしめて得られるエポキシカルボキシレート化合物(A)。
    Figure 2016044229
    (一般式(1)中、Rは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基のいずれかから選ばれ、aは置換基Rの個数を表し、1又は2である。)
  2. 一般式(1)においてRが水素原子である請求項1に記載のエポキシカルボキシレート化合物(A)。
  3. 請求項1に記載のエポキシカルボキシレート化合物(A)に、更に多塩基酸無水物(c)を反応せしめて得られるポリカルボン酸化合物(B)。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の化合物(A)を含むことを特徴とする樹脂組成物。
  5. 請求項3に記載の(B)を含むことを特徴とする樹脂組成物。
  6. エポキシカルボキシレート化合物(A)及びポリカルボン酸化合物(B)以外の反応性化合物(C)を含むことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の樹脂組成物。
  7. 反応性化合物(C)が(ポリ)エステル(メタ)アクリレート(C−1)、ウレタン(メタ)アクリレート(C−2)、エポキシ(メタ)アクリレート(C−3)、(ポリ)エーテル(メタ)アクリレート(C−4)、アルキル(メタ)アクリレートないしはアルキレン(メタ)アクリレート(C−5)、芳香環を有する(メタ)アクリレート(C−6)、脂環構造を有する(メタ)アクリレート(C−7)、マレイミド基含有化合物(C−8)、(メタ)アクリルアミド化合物(C−9)、及び不飽和ポリエステル(C−10)からなる群より選ばれる1種以上の化合物である請求項6に記載の樹脂組成物。
  8. 反応性化合物(C)がウレタン(メタ)アクリレート(C−2)、アルキル(メタ)アクリレートないしはアルキレン(メタ)アクリレート(C−5)、及び芳香環を有する(メタ)アクリレート(C−6)からなる群より選ばれる1種以上の化合物である請求項6に記載の樹脂組成物。
  9. 請求項4ないし請求項8のいずれか一項に記載の樹脂組成物の硬化物。
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