<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態である表示制御システム1の構成を示すブロック図である。本実施の形態の表示制御システム1は、車両に搭載可能なカーナビゲーション装置によって実現される。表示制御システム1は、情報取得部11、切替部12および履歴生成部13を備えて構成される。切替部12および履歴生成部13は、表示装置2と接続されている。表示制御システム1および表示装置2は、車両に搭載される。
表示制御システム1は、たとえば中央演算処理装置(Central Processing Unit;略称:CPU)と、書き込み可能なRAM(Random Access Memory)などのメモリとによって構成される。メモリは、制御プログラムを記憶する。CPUが、メモリに記憶されている制御プログラムを実行することによって、表示制御システム1を構成する情報取得部11、切替部12および履歴生成部13の各機能が実現される。
表示制御システム1は、表示装置2が搭載される車両の運転席用の画像(以下「運転席用画像」という場合がある)と、同乗者席用の画像(以下「同乗者席用画像」という場合がある)とを含む画像の表示を制御する。ここで、同乗者席とは、車両内の前方の運転席の隣に設けられる助手席、および車両内の後方に設けられる後部座席をいい、助手席に乗車する者および後部座席に乗車する者を同乗者という。
情報取得部11は、少なくとも操作情報と車両状態情報とを取得する。操作情報は、運転席用画像に応じて行われる運転者の操作の状況を表す。車両状態情報は、表示装置2が搭載される車両の状態を表す。車両状態情報は、たとえば、車両の走行速度(以下「車速」という場合がある)を表す車速情報である。情報取得部11は、取得した操作情報および車両状態情報を切替部12および履歴生成部13に与える。
切替部12は、情報取得部11から与えられる操作情報および車両状態情報に基づいて、運転席用画像に応じて運転者の操作が行われている途中に操作制限状態に移行したと判断すると、同乗者席用画像を、運転者の操作が行われていた途中段階の運転席用画像に切替える。ここで、操作制限状態とは、運転者の操作が制限される状態をいう。
具体的には、切替部12は、運転席用画像に応じて運転者の操作が行われている途中に操作制限状態に移行したと判断すると、同乗者席用画像を表す表示データとして、運転者の操作が行われていた途中段階の運転席用画像の表示データを表示装置2に与える。
履歴生成部13は、情報取得部11から与えられる操作情報および車両状態情報に基づいて、履歴情報を生成する。履歴情報は、運転席用画像に応じて行われた運転者の操作の履歴を表す。履歴生成部13は、生成した履歴情報を表示装置2に与える。
表示装置2は、たとえば液晶表示装置によって実現される。図示は省略するが、表示装置2は、画像を表示する表示部を備える。表示装置2は、切替部12から与えられる表示データおよび履歴生成部13から与えられる履歴情報に基づいて、画像を表示する。
具体的には、表示装置2は、切替部12から与えられる表示データおよび履歴生成部13から与えられる履歴情報を、表示装置2で取り扱い可能な画像信号に変換して、得られた画像信号が表す画像情報に対応する画像を表示部の表示画面に表示する。
本実施の形態において、表示装置2は、車両内の前方の運転席および助手席の付近に1つ設けられる。本実施の形態では、表示装置2の表示部の表示画面は1つであり、この1つの表示画面に対して、運転席方向の予め定める角度から視認可能な画像と、助手席方向の予め定める角度から視認可能な画像とが表示される。
表示装置2は、たとえば、携帯電話機、スマートフォンもしくはタブレット型端末装置などの携帯通信装置の表示装置、または車両に搭載可能なカーナビゲーション装置の表示装置である。表示装置2は、携帯通信装置およびカーナビゲーション装置などの表示装置とは別に設けられてもよい。
また表示装置2は、1つに限らず、複数設けられてもよい。たとえば、表示装置2は、車両内の前方の運転席の付近と助手席の付近とに1つずつ別々に設けられてもよいし、車両内の前方の運転席および助手席の付近に1つまたは2つが設けられるとともに、車両内の後方の後部座席の付近に1つが設けられてもよい。
表示装置2が車両内の前方の運転席および助手席の付近に設けられる場合、運転席方向に表示される画像を、前述の運転席用画像といい、助手席方向に表示される画像を、前述の同乗者席用画像という。また、表示装置2が車両内の前方の運転席および助手席の付近に設けられるとともに、車両内の後方の後部座席の付近に設けられる場合、運転席方向に表示される画像を、前述の運転席用画像といい、助手席方向に表示される画像および後部座席方向に表示される画像を、前述の同乗者席用画像という。
本実施の形態では、少なくとも操作情報および車両状態情報が、情報取得部11によって取得される。取得された操作情報および車両状態情報に基づいて、運転席用画像に応じて運転者の操作が行われている途中に操作制限状態に移行したと切替部12によって判断されると、同乗者席用画像が、運転者の操作が行われていた途中段階の運転席用画像に切替えられる。この運転席用画像に応じて行われた運転者の操作の履歴を表す履歴情報が、履歴生成部13によって生成される。
この履歴生成部13によって生成された履歴情報に基づいて、途中段階までに運転者によって行われた操作の内容を参照可能である。したがって、同乗者は、車両の運転者の操作を円滑に引き継ぐことができる。このように本実施の形態では、車両の運転者の操作を同乗者が円滑に引き継ぐことができるように画像の表示を制御することができる。
本実施の形態では、表示装置2は車両内の前方の運転席および助手席の付近に設けられるので、運転席側と助手席側との間で、運転席用画像と同乗者席用画像との切替え、および操作の引き継ぎが行われる。
前述のように表示装置2が車両内の前方の運転席および助手席の付近に設けられるとともに、車両内の後方の後部座席の付近に設けられる場合には、運転席用画像と同乗者席用画像との切替え、および操作の引き継ぎは、運転席側と助手席側との間で行われてもよいし、運転席側と後部座席側との間で行われてもよい。
本発明の実施の一形態である表示制御方法は、本実施の形態の表示制御システム1によって実現される。本発明の実施の一形態である表示制御方法によれば、少なくとも操作情報および車両状態情報が取得され、取得された操作情報および車両状態情報に基づいて、運転席用画像に応じて運転者の操作が行われている途中に操作制限状態に移行したと判断されると、同乗者席用画像が、運転者の操作が行われていた途中段階の運転席用画像に切替えられる。この運転席用画像に応じて行われた運転者の操作の履歴を表す履歴情報が生成される。
生成された履歴情報を用いることによって、運転者が行っていた操作の内容を同乗者に提示することができるので、同乗者は、車両の運転者の操作を円滑に引き継ぐことができる。このように、本発明の実施の一形態である表示制御方法では、車両の運転者の操作を同乗者が円滑に引き継ぐことができるように画像の表示を制御することができる。
<第2の実施の形態>
図2は、本発明の第2の実施の形態である表示制御システム3の構成を示すブロック図である。表示制御システム3は、制御部10、記憶部31、操作部32、運転席用画像生成部33および同乗者席用画像生成部34を備えて構成される。制御部10は、情報取得部11、切替部12および履歴生成部13を備える。表示制御システム3には、表示装置2が接続されている。
本実施の形態における制御部10の情報取得部11、切替部12および履歴生成部13、ならびに表示装置2は、図1に示す第1の実施の形態における情報取得部11、切替部12、履歴生成部13および表示装置2と同一の構成であるので、同一の参照符号を付して、共通する説明を省略する。
本実施の形態の表示制御システム3は、車両に搭載可能なカーナビゲーション装置によって実現される。表示制御システム3および表示装置2は、車両に搭載される。
記憶部31は、たとえばハードディスクドライブ(Hard Disk Drive;略称:HDD)装置、または半導体メモリなどの記憶装置によって実現される。記憶部31は、運転席用画像および同乗者席用画像の表示データを生成するときに用いられる画像情報を記憶する。また記憶部31は、ナビゲーション機能を実現するために必要な情報、たとえば地図に関する地図情報を記憶する。
地図情報は、予め定められた縮尺に対応する複数の地図が階層化されて構成されている。地図情報は、地図を画像として表示するための地図表示情報を含む。地図表示情報は、道路に関する道路情報と、施設の種別、名称および位置などを表す施設情報と、地名、施設名、交差点名および道路名などを表す各種文字情報と、施設および道路番号などを表す各種アイコン情報とを含む。
操作部32は、運転者または同乗者などの使用者によって操作される。操作部32は、使用者が、数字情報、文字情報および表示制御システム3への指示情報などの情報を入力するときに用いられる。操作部32は、使用者によって操作されると、使用者の入力操作に応じた操作情報を生成して、制御部10の情報取得部11に与える。
本実施の形態では、操作部32は、タッチパネルによって構成される。操作部32がタッチパネルで構成される場合、タッチパネルは、表示装置2の表面に設置され、使用者のタッチ操作とタッチ位置とを検出する。タッチパネルは、検出したタッチ操作とタッチ位置とに応じた操作情報を生成して、制御部10の情報取得部11に与える。
操作部32は、タッチパネルに代えて、たとえば、操作スイッチおよび操作ボタンを含んで構成されてもよいし、音声による操作入力が可能な音声入力装置によって構成されてもよい。操作部32が操作スイッチおよび操作ボタンを含んで構成される場合、操作部32は、操作スイッチおよび操作ボタンに対する使用者の操作に応じた操作情報を生成して、制御部10の情報取得部11に与える。操作部32が音声入力装置で構成される場合、音声入力装置は、入力された音声を認識する。音声入力装置は、認識した音声に応じた操作情報を生成して、制御部10の情報取得部11に与える。
制御部10は、たとえばCPUと、書き込み可能なRAMなどのメモリとによって構成される。メモリは、制御プログラムを記憶する。CPUが、メモリに記憶されている制御プログラムを実行することによって、情報取得部11、切替部12、履歴生成部13、運転席用画像生成部33および同乗者席用画像生成部34の各機能が実現される。制御部10は、メモリに記憶された制御プログラムに従って、情報取得部11、切替部12、履歴生成部13、記憶部31、運転席用画像生成部33および同乗者席用画像生成部34を統括的に制御する。
情報取得部11は、操作部32から与えられる操作情報を取得する。操作情報は、操作の対象および内容を示す情報である。操作情報は、たとえば、操作の種別、操作の回数、操作の時間の長さ、操作の対象となる画像およびその画像の表示領域、表示情報量、表示位置、ならびに表示処理負荷、表示装置2の表示部の表示画面における操作の位置または領域などを示す情報の1つ以上を含む。
情報取得部11は、車両状態情報を取得する。具体的には、情報取得部11は、不図示の車内LAN(Local Area Network)などの車載ネットワークを介して、車両状態情報として、車両内に搭載される車速センサから出力される車速情報を取得する。
また情報取得部11は、記憶部31から画像情報を取得する。情報取得部11は、取得した操作情報、車両状態情報および画像情報を切替部12および履歴生成部13に与える。
切替部12は、情報取得部11から与えられる画像情報を運転席用画像生成部33および同乗者席用画像生成部34に与える。具体的には、切替部12は、情報取得部11から与えられた画像情報のうち、運転席用画像の生成に用いられる画像情報を運転席用画像生成部33に与え、同乗者席用画像の生成に用いられる画像情報を同乗者席用画像生成部34に与える。
また切替部12は、情報取得部11から与えられる操作情報および車両状態情報に基づいて、運転席用画像に応じて運転者の操作が行われている途中に操作制限状態に移行したと判断すると、同乗者席用画像を、運転者の操作が行われていた途中段階の運転席用画像に切替える。具体的には、切替部12は、同乗者席用画像を表す表示データとして、運転者の操作が行われていた途中段階の運転席用画像の表示データを同乗者席用画像生成部34に与える。
履歴生成部13は、生成した履歴情報を運転席用画像生成部33および同乗者席用画像生成部34に与える。具体的には、履歴生成部13は、運転者によって行われた操作の履歴を表す運転者履歴情報を生成し、生成した運転者履歴情報を同乗者席用画像生成部34に与える。また履歴生成部13は、同乗者によって行われた操作の履歴を表す同乗者履歴情報を生成し、生成した同乗者履歴情報を運転席用画像生成部33に与える。
運転席用画像生成部33は、切替部12から与えられる表示データ、および履歴生成部13から与えられる履歴情報に基づいて、運転席用画像を表示するための表示データ(以下「運転席用画像データ」という場合がある。)を生成する。運転席用画像生成部33は、生成した運転席用画像データを表示装置2に与える。
同乗者席用画像生成部34は、切替部12から与えられる表示データ、および履歴生成部13から与えられる履歴情報に基づいて、同乗者席用画像を表示するための表示データ(以下「同乗者席用画像データ」という場合がある)を生成する。同乗者席用画像生成部34は、生成した同乗者席用画像データを表示装置2に与える。
表示装置2は、運転席用画像生成部33から与えられる運転席用画像データに基づいて、運転席方向に、運転席用画像を表示する。また表示装置2は、同乗者席用画像生成部34から与えられる同乗者席用画像データに基づいて、同乗者席方向に、同乗者席用画像を表示する。本実施の形態では、表示装置2の表示部は、1つの表示画面で、運転席方向には運転席用画像を表示し、同乗者席方向には同乗者席用画像を表示するように構成される。
運転者は、表示装置2の表示画面に表示される運転席用画像に応じて、操作を行う。本実施の形態では、運転者は、表示装置2の表示画面上に設置されるタッチパネルで構成される操作部32を用いて、表示装置2の表示画面に表示される運転席用画像に応じて操作を行う。たとえば、運転者は、運転席用画像に応じて操作部32を操作して、施設の検索(以下「施設検索」という場合がある)を行い、検索した施設を車両の目的地として設定する。
表示装置2の表示画面には、運転席用画像として、操作メニュー画面が表示される。操作メニュー画面は、各操作項目に対応する複数の操作メニュー画面が階層化されて構成されている。操作メニュー画面において、ある操作項目が選択されると、選択された操作項目に応じて、1つ下の階層の操作メニュー画面が表示される。
図3は、ジャンル選択画面の一例を示す図である。運転者が施設検索を行う場合、表示装置2の表示画面には、操作メニュー画面として、たとえば図3に示すジャンル選択画面40が表示される。図3に示すジャンル選択画面40は、施設検索として、グルメに分類される施設の検索を行うときに表示される。
ジャンル選択画面40は、所望のジャンルを選択するための複数のジャンルボタンを含む。ジャンルボタンは、たとえば、和食ボタン41、中華ボタン42、洋食ボタン43およびファミリーレストランボタン44を含む。図3では、運転者が洋食ボタン43にタッチして「洋食」を選択した場合を示している。このとき、選択された洋食ボタン43は、たとえば色を付けるなどの処理が施されて表示される。
またジャンル選択画面40は、1つ前の操作メニュー画面、すなわち1つ上の階層の操作メニュー画面に戻るための戻るボタン45を含む。ジャンル選択画面40において、戻るボタン45をタッチして選択することによって、1つ上の階層の操作メニュー画面に戻ることができる。
図4は、同乗者用操作画面の一例を示す図である。運転者によって施設検索が行われている途中に、運転者の操作が制限される操作制限状態に移行したと判断された場合、表示装置2の同乗者席方向の表示画面には、同乗者席用画像として、たとえば図4に示す同乗者用操作画面50が表示される。同乗者用操作画面50は、運転者の操作が行われていた途中段階の画像として、操作制限状態に移行したと判断された時点の操作メニュー画面を含む。
たとえば、図3に示すジャンル選択画面40において、運転者が洋食ボタン43にタッチして「洋食」を選択した時点で、操作制限状態に移行したと判断された場合、図4に示すように、操作メニュー画面として料理選択画面を含む同乗者用操作画面50が表示される。
同乗者用操作画面50は、履歴を表示させるための履歴表示ボタンを含む。本実施の形態では、同乗者用操作画面50は、履歴表示ボタンとして、スクロールバーを含む。スクロールバーは、表示画面に表示される操作メニュー画面を切替えるためのバースライダー56、最新の操作メニュー画面であることを示す現在マーク57、および最初の操作メニュー画面であることを示すトップマーク58を含む。
図4に示すようにバースライダー56が現在マーク57に接する位置にある場合、表示装置2の表示画面には、操作制限状態に移行したと判断された時点の操作メニュー画面、たとえば図4に示す料理選択画面を含む同乗者用操作画面50が表示される。料理選択画面は、「洋食」のジャンルに属する料理の中から、所望の料理を選択するための複数の料理選択ボタンを含む。料理選択ボタンは、たとえば、イタリア料理ボタン51、フランス料理ボタン52、スペイン料理ボタン53およびトルコ料理ボタン54を含む。
料理選択画面は、1つ前の操作メニュー画面、すなわち1つ上の階層の操作メニュー画面に戻るための戻るボタン55を含む。同乗者用操作画面50において、戻るボタン55をタッチして選択することによって、1つ上の階層の操作メニュー画面に戻ることができる。
本実施の形態では、同乗者用操作画面50において、全ての操作を制限なく行うことが可能であるが、初期設定または予め定める操作によって、運転者が行った操作の変更ができないように設定されてもよい。初期設定および予め定める操作は、たとえば運転者によって行われる。
たとえば、同乗者用操作画面50では、同乗者が戻るボタン55を操作できないように、すなわち同乗者が戻るボタン55をタッチしても選択できないように設定されてもよい。換言すれば、操作部32を構成するタッチパネルは、同乗者用操作画面50が表示されているときには、戻るボタン55の操作ができないように設定されてもよい。
同乗者用操作画面50において戻るボタン55が操作できないように設定される場合、戻るボタン55は、たとえば色を付けるなどの処理が施されて表示される。この場合、同乗者が戻るボタン55を操作しても、上の階層に戻ることはできない。したがって、たとえば図4に示す例では、同乗者は、「洋食」のジャンルに属する料理の中からしか選択することができなくなる。
たとえば、運転者が予め定める操作をすることによって、同乗者用操作画面50において戻るボタン55を操作できないように設定することができる。予め定める操作としては、たとえば、運転者が1つ前の操作メニュー画面で項目を選択するときに、選択する項目のボタンを長押しする操作が挙げられる。図4に示す例では、運転者が、前述の図3に示すジャンル選択画面40において、所望のジャンルを選択するときに、所望のジャンルのボタンを長押しすることによって、同乗者用操作画面50において戻るボタン55を操作できないように設定することができる。
また、予め初期設定において、運転者側の操作を同乗者側の操作よりも優先するように設定することによって、同乗者用操作画面50において戻るボタン55を操作できないように設定することもできる。このように初期設定で、戻るボタン55を操作できないように設定することによって、運転者が前述の予め定める操作を行う必要がなくなるので、運転者の利便性を向上させることができる。
図5は、履歴画面の一例を示す図である。バースライダー56を現在マーク57よりもトップマーク58側に移動させた場合、表示装置2の表示画面には、同乗者席方向に同乗者席用画像として、運転者の操作の途中段階の画面、たとえば図5に示すジャンル選択画面を含む履歴画面60が表示される。図5では、図3に示すジャンル選択画面40において、運転者が洋食ボタン43をタッチして選択した場合の履歴画面60を示す。
履歴画面60では、運転者によって選択された洋食ボタン43が強調されて表示される。たとえば、運転者によって選択された洋食ボタン43は、色を付けるなどの処理が施されて表示される。このように運転者によって選択されたボタンを強調して表示することによって、同乗者は、運転者が特定のボタン、たとえば洋食ボタン43を選択したことを容易に認識することができる。
履歴画面60に含まれるジャンル選択画面は、前述の図3に示すジャンル選択画面40と同様の構成であり、和食ボタン41、中華ボタン42、洋食ボタン43およびファミリーレストランボタン44を含むジャンルボタン、ならびに戻るボタン45を含む。
本実施の形態では、履歴画面60は、運転者が行った操作を確認するだけの画面であり、バースライダー56によって画面を遷移させる操作のみが可能である。したがって、履歴画面60では、バースライダー56以外のボタンは操作できないように設定される。
たとえば、履歴画面60では、同乗者が戻るボタン45を操作できないように、すなわち同乗者が戻るボタン45をタッチしても選択できないように設定される。換言すれば、操作部32を構成するタッチパネルは、履歴画面60が表示されているときには、戻るボタン45の操作ができないように設定される。このように履歴画面60において戻るボタン45が操作できないように設定される場合、戻るボタン45は、たとえば図5に示すように色を付けるなどの処理が施されて表示される。
履歴画面60では、戻るボタン45以外のボタン、たとえばジャンル選択画面のジャンルボタンの各ボタン41〜44も、操作できないように設定される。このように履歴画面60においてジャンルボタンの各ボタン41〜44が操作できないように設定される場合、ジャンルボタンの各ボタン41〜44は、戻るボタン45と同様に、色を付けるなどの処理が施されて表示されてもよい。
履歴画面60では、バースライダー56以外のボタンも操作可能に設定されてもよい。たとえば、戻るボタン45およびジャンル選択画面のジャンルボタンの各ボタン41〜44は、前述の図4に示す戻るボタン55と同様に、操作できるように、すなわちタッチによって選択できるように設定されてもよい。換言すれば、操作部32を構成するタッチパネルは、図5に示す履歴画面60が表示されているときでも、戻るボタン45および戻るボタン45以外のボタンの操作ができるように設定されてもよい。
バースライダー56以外のボタンを操作できるようにする設定は、前述の図4に示す戻るボタン55を操作できないようにする設定と同様に、運転者が予め定める操作をすることによって行われてもよいし、予め初期設定において、同乗者側の操作を運転者側の操作と同様に受付けるように設定することによって行われてもよい。
図6は、履歴画面の他の例を示す図である。バースライダー56をトップマーク58に接する位置まで移動させた場合、表示装置2の表示画面には、同乗者席方向に同乗者席用画像として、操作の最初の段階の画面、たとえば図6に示す施設検索の検索対象選択画面を含む履歴画面70が表示される。
検索対象選択画面は、検索対象を選択するための複数の検索対象ボタンを含む。検索対象ボタンは、たとえば、グルメボタン71、デパートボタン72、コンビニエンスストアボタン73、銀行ボタン74および公園ボタン75を含む。また検索対象選択画面は、次の頁の検索対象選択画面に進むための次頁ボタン76を含む。次の頁の検索対象選択画面は、他の検索対象ボタンを含む。
履歴画面70に含まれる検索対象選択画面の検索対象ボタンの各ボタン71〜75および次頁ボタン76は、前述の図5に示す履歴画面60の戻るボタン45と同様に、同乗者が操作できないように、すなわち同乗者がタッチしても選択できないように設定される。換言すれば、操作部32を構成するタッチパネルは、図6に示す履歴画面70が表示されているときには、履歴画面70に含まれる検索対象選択画面の検索対象ボタンの各ボタン71〜75および次頁ボタン76の操作ができないように設定される。
このように履歴画面70において検索対象ボタンの各ボタン71〜75および次頁ボタン76が操作できないように設定される場合、検索対象ボタンの各ボタン71〜75および次頁ボタン76は、図5に示す履歴画面60の戻るボタン45と同様に、色を付けるなどの処理が施されて表示されてもよい。
検索対象ボタンの各ボタン71〜75および次頁ボタン76を操作できないようにする設定は、図5に示す履歴画面60の戻るボタン45を操作できないようにする設定と同様に、運転者が予め定める操作をすることによって設定されてもよいし、予め初期設定において、運転者側の操作を同乗者側の操作よりも優先するように設定することによって設定されてもよい。
図7は、同乗者用操作画面の他の例を示す図である。同乗者用操作画面は、前述の図4に示す画面に限定されない。たとえば、運転者が、施設検索のときに施設の名称を用いた検索を行うために、施設の名称を入力している途中で、操作制限状態に移行した場合、図7に示す同乗者用操作画面80が、表示装置2の表示画面に、同乗者席方向の同乗者席用画像として表示される。
図7に示すようにバースライダー56が現在マーク57に接する位置にある場合、すなわちバースライダー56が最新の画面を表示する位置にある場合、表示装置2の表示画面には、操作制限状態に移行したと判断された時点の操作メニュー画面、たとえば図7に示す同乗者用操作画面80が表示される。同乗者用操作画面80は、施設名称検索画面を含む。施設名称検索画面では、検索窓81の中に、運転者によって入力された文字82と、その文字82に続けて同乗者によって入力された文字83とが表示される。
運転者によって入力された文字82は、強調して、たとえば下線が付されて表示される。運転者によって入力された文字82は、太字で表示されてもよい。施設名称検索画面は、検索窓81の中の表示を1つ前の状態に戻すための戻るボタン84を含む。
図8は、本発明の第2の実施の形態における表示制御処理に関する処理手順を示すフローチャートである。図8に示すフローチャートの各ステップの処理は、図2に示す表示制御システム3を構成する制御部10によって実行される。図8に示すフローチャートの処理は、表示制御システム3に電力が供給されると開始され、ステップS1に移行する。
ステップS1において、制御部10の情報取得部11は、取得した車両状態情報、具体的には車速情報に基づいて、車両が走行中か否かを判断する。車両が走行中であると判断された場合は、ステップS2に移行し、車両が走行中ではないと判断された場合は、ステップS1に戻る。
ステップS2において、制御部10は、車両の走行中にカーナビゲーション装置の操作を制限する走行操作制限を行う。具体的には、制御部10は、走行操作制限として、運転者による操作を受け付けないように制御を行う。走行操作制限を行うと、ステップS3に移行する。
ステップS3において、制御部10は、自動切替え設定がオンになっているか否かを判断する。自動切替え設定がオンになっていると判断された場合は、ステップS5に移行し、自動切替え設定がオンになっていないと判断された場合は、ステップS4に移行する。ここで、自動切替え設定とは、使用者が操作することなく、運転者と同乗者との間で、操作の実行者を切替える設定をいう。
ステップS4において、切替部12は、運転者側から引き継ぎ操作があるか否かを判断する。運転者側から引き継ぎ操作があると判断された場合は、ステップS5に移行し、運転者側から引き継ぎ操作がないと判断された場合は、ステップS6に移行する。
ステップS5において、切替部12は、同乗者側が切替可能状態か否かを判断する。具体的には、同乗者席用画像として、DVD(Digital Versatile Disk)などの記録媒体に記録された映像コンテンツ、もしくは外部たとえば放送局などから受信した映像コンテンツが表示装置2に表示されておらず、かつ同乗者席用画像に応じて同乗者の操作が行われていない場合は、切替可能状態であると判断する。また、同乗者席用画像として、DVDなどの記録媒体に記録された映像コンテンツ、もしくは外部たとえば放送局などから受信した映像コンテンツが表示装置2に表示されているか、または同乗者席用画像に応じて同乗者の操作が行われている場合は、切替可能状態ではないと判断する。同乗者側が切替可能状態であると判断された場合は、ステップS7に移行し、同乗者側が切替可能状態でないと判断された場合は、ステップS6に移行する。
ステップS6において、切替部12は、同乗者側から引き継ぎ操作があるか否かを判断する。同乗者側から引き継ぎ操作があると判断された場合は、ステップS7に移行し、同乗者側から引き継ぎ操作がないと判断された場合は、ステップS11に移行する。
ステップS7において、切替部12は、運転者側から同乗者側への引き継ぎ制御を行う。運転者側から同乗者側への引き継ぎ制御を行うと、ステップS8に移行する。
ステップS8において、情報取得部11は、取得した車両状態情報、具体的には車速情報に基づいて、車両が走行中か否かを判断する。車両が走行中であると判断された場合は、ステップS8に戻り、車両が走行中ではないと判断された場合は、ステップS9に移行する。
ステップS9において、制御部10は、走行操作制限を解除する。具体的には、制御部10は、運転者による操作を受け付けるように制御を行う。走行操作制限を解除すると、ステップS10に移行する。
ステップS10において、切替部12は、同乗者側から運転者側への引き継ぎ制御を行う。同乗者側から運転者側への引き継ぎ制御を行うと、全ての処理手順を終了する。
ステップS11において、情報取得部11は、取得した車両状態情報、具体的には車速情報に基づいて、車両が走行中か否かを判断する。車両が走行中であると判断された場合は、ステップS11に戻り、車両が走行中ではないと判断された場合は、ステップS12に移行する。
ステップS12において、制御部10は、走行操作制限を解除する。走行操作制限を解除すると、全ての処理手順を終了する。
以上のように本実施の形態によれば、ステップS1において車両が走行中と判断されると、ステップS2において走行操作制限が行われる。このことは、運転席用画像に応じて運転者の操作が行われている途中に操作制限状態に移行したと切替部12が判断することに相当する。
このように判断されると、切替部12によって、ステップS7において、運転者側から同乗者側への引き継ぎ制御、具体的には、同乗者席用画像を、運転者の操作が行われていた途中段階の運転席用画像に切替える処理が行われる。この運転席用画像に応じて行われた運転者の操作の履歴を表す履歴情報が、履歴生成部13によって生成される。
この履歴生成部13によって生成された履歴情報に基づいて、途中段階までに運転者によって行われた操作の内容を参照可能である。したがって、同乗者は、車両の運転者の操作を円滑に引き継ぐことができる。このように本実施の形態では、車両の運転者の操作を同乗者が円滑に引き継ぐことができるように画像の表示を制御することができる。
また本実施の形態では、切替部12による同乗者席用画像の切替えは、ステップS1およびステップS2の処理によって、運転席用画像に応じて運転者の操作が行われている途中に操作制限状態に移行したと判断され、かつステップS5において、同乗者側が切替可能状態であると判断された場合に行われる。
これによって、同乗者席方向に同乗者席用画像として、記録媒体に記録された映像コンテンツもしくは外部たとえば放送局から受信した映像コンテンツが表示されているか、または同乗者席用画像に応じて同乗者の操作が行われている場合、切替可能状態ではないと判断し、前記同乗者席用画像の切替えを行わないようにすることができる。したがって、同乗者の利便性を向上させることができる。
また本実施の形態では、同乗者席用画像が前述の図5に示す履歴画面60などに切替えられた場合、同乗者が戻るボタン45などのボタンを操作できないように設定が行われる。この場合、制御部10は、その設定に従って、履歴画面において同乗者による戻るボタン45などのボタンの操作を受け付けないように制御を行う。すなわち、切替部12によって、同乗者席用画像が、運転者の操作が行われていた途中段階の運転席用画像に切替えられた場合、制御部10は、途中段階までに運転者によって行われた操作の内容が同乗者によって変更されないように制御を行う。
このように制御部10が、途中段階までに運転者によって行われた操作の内容が同乗者によって変更されないように制御を行うことによって、運転者から同乗者への操作の引き継ぎ時に、運転者の意図に反する操作が同乗者によって行われることを防ぐことができる。したがって、運転者は、安心して、同乗者に操作の引き継ぎを依頼することができる。
同乗者席用画像が、運転者の操作が行われていた途中段階の運転席用画像に切替えられた場合に、制御部10が、途中段階までに運転者によって行われた操作の内容が同乗者によって変更されないように制御を行うか否かは、同乗者が戻るボタン45などのボタンの操作をできないように設定が行われるか否かによって決まる。同乗者による戻るボタン45などのボタンの操作ができないように設定される場合、制御部10は、前述のように、途中段階までに運転者によって行われた操作の内容が同乗者によって変更されないように制御を行う。同乗者による戻るボタン45などのボタンの操作ができないように設定されない場合、制御部10は、途中段階までに運転者によって行われた操作の内容が同乗者によって変更されないような制御を行わない。この場合には、同乗者は、運転者によって行われた操作の内容を変更することができる。
切替部12が、同乗者席用画像を、運転者の操作が行われていた途中段階の運転席用の画像に切替えるときには、運転席用画像を、同乗者によって行われている操作の状況を表す画像(以下「同乗者操作状況画像」という場合がある)に切替えるようにしてもよい。
運転者は、操作を引き継いでもらったときに、同乗者側の操作の状況が全く分らないと、意図通りに操作を行なってもらっているのかが気になり、運転に集中できないおそれがある。そこで、運転席用画像を同乗者操作状況画像に切替えることによって、運転者は、安心して、同乗者に操作を任せることができるので、運転に集中することができる。
同乗者操作状況画像としては、運転の妨げとならない程度の情報のみを表す画像とすることが好ましい。たとえば、目的地の住所を入力中の場合には、「目的地住所記入中」などの文字情報を、同乗者操作状況画像として表示すればよい。また、施設検索でイタリア料理店一覧を表示中の場合には、「施設検索:イタリア料理店」などの文字情報を、同乗者操作状況画像として表示すればよい。
<第3の実施の形態>
図9は、本発明の第3の実施の形態である表示制御システム4の構成を示すブロック図である。本実施の形態の表示制御システム4は、前述の第2の実施の形態の表示制御システム2と構成が類似しているので、同一の構成については同一の参照符号を付して、共通する説明を省略する。
本実施の形態の表示制御システム4は、サーバ装置によって実現される。表示制御システム4であるサーバ装置は、制御部10、運転席用画像生成部33および同乗者席用画像生成部34を備えて構成される。制御部10は、情報取得部11、切替部12および履歴生成部13を備える。
本実施の形態において、表示制御システム4は、カーナビゲーション装置5および表示装置2と通信可能に接続されている。カーナビゲーション装置5および表示装置2は、車両に搭載されている。本実施の形態では、カーナビゲーション装置5は、記憶部31および操作部32を備える。表示制御システム4と、カーナビゲーション装置5および表示装置2とが通信を行う場合、たとえば、USB(Universal Serial Bus)ケーブルまたはLANケーブルなどの有線によって、互いに通信可能に接続されてもよいし、無線LANなどの無線によって、互いに通信可能に接続されてもよい。
このように表示制御システム4がサーバ装置によって実現される場合でも、前述の第2の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
<第4の実施の形態>
図10は、本発明の第4の実施の形態である表示制御システム6の構成を示すブロック図である。本実施の形態の表示制御システム6は、前述の第2の実施の形態の表示制御システム2と構成が類似しているので、同一の構成については同一の参照符号を付して、共通する説明を省略する。
本実施の形態の表示制御システム6は、携帯通信装置によって実現される。携帯通信装置は、たとえば携帯電話機、スマートフォンまたはタブレット型端末装置である。表示制御システム6である携帯通信装置は、制御部10、運転席用画像生成部33および同乗者席用画像生成部34を備えて構成される。制御部10は、情報取得部11、切替部12および履歴生成部13を備える。
本実施の形態において、表示制御システム6は、カーナビゲーション装置5A、サーバ装置4Aおよび表示装置2と通信可能に接続されている。カーナビゲーション装置5Aおよび表示装置2は、車両に搭載されている。本実施の形態では、カーナビゲーション装置5Aは、操作部32を備える。またサーバ装置4Aは、記憶部31を備える。
表示制御システム6と、カーナビゲーション装置5A、サーバ装置4Aおよび表示装置2とが通信を行う場合、たとえば、無線LANなどの無線によって、互いに通信可能に接続される。表示制御システム6と、カーナビゲーション装置5Aおよび表示装置2とは、USBケーブルまたはLANケーブルなどの有線によって、互いに通信可能に接続されてもよい。
このように表示制御システム6が携帯通信装置によって実現される場合でも、前述の第2の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせることが可能である。また、各実施の形態の任意の構成要素を適宜、変更または省略することが可能である。