JP2016041846A - フェライト系ステンレス鋼板 - Google Patents

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【課題】フェライト系ステンレス鋼において、優れた耐食性と、SUH409Lと同等以上の優れた加工性とを有するフェライト系ステンレス鋼を提供する。【解決手段】質量%で、C:0.025%以下、Si:0.01〜1.00%、Mn:0.05〜1.00%、P:0.020〜0.040%、S:0.030%以下、Al:0.001〜0.100%、Cr:12.5〜14.4%、Ni:0.01〜0.80%、Ti:0.11〜0.40%、Nb:0.010〜0.100%およびN:0.020%以下を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなることを特徴とするフェライト系ステンレス鋼板とする。【選択図】図1

Description

本発明は、優れた耐食性と、SUH409Lと同等以上の加工性とをもつ、フェライト系ステンレス鋼板に関する。
フェライト系ステンレス鋼は、優れた耐食性を有し、かつ省資源であるため、自動車排気系部品、建材、厨房器具および家電部品等をはじめ、様々な用途に使用されている。フェライト系ステンレス鋼に含まれる、最も重要な合金元素はCrである。一般的に、Cr含有量を増加させると耐食性が向上するが、加工性は低下する。この特徴から、加工性に優れるが耐食性は劣る低Cr系鋼種(代表的な鋼種はSUH409L(日本工業規格JIS G 4312:2011、11mass%Cr−0.3mass%Ti))および加工性は劣るが耐食性に優れた中Cr系鋼種(代表的な鋼種はSUS430(日本工業規格 JIS G 4305:2012、16mass%Cr))が、用途により使い分けられることが多い。
近年、家庭用電化製品におけるデザインの多様化に伴い、その部品に複雑な形状を有するものが現れている。これらの中でも、特に耐食性が求められる部品に、フェライト系ステンレス鋼を適用すれば、長期間にわたってメンテナンスが不要となりライフサイクルコストを削減できる。複雑な形状へ加工する観点からは、加工性に優れるSUH409Lの適用が適当であると考えられる。しかしながらSUH409Lは耐食性が不十分であるため、上記部品への適用は困難である。そこで、優れた耐食性を有し、さらにSUH409Lと同等以上の優れた加工性を有するフェライト系ステンレス鋼が必要となる。
耐食性および加工性それぞれの向上については、特許文献1や特許文献2に記載がある。特許文献1には、表面特性および耐食性に優れた高純度フェライト系ステンレス鋼が開示されている。特許文献1では、Ti系析出物の形態を制御することにより、耐食性の向上を実現している。
特許文献2には、延性に優れたフェライト系ステンレス鋼板が開示されている。特許文献2では、Mg系介在物やTi炭硫化物の形態を制御することにより伸びの向上を実現している。
特開2001−288544号公報 特開2001−294990号公報
しかしながら、特許文献1では、耐食性の指標である孔食電位が検討されているが、全伸び、r値などの加工性が検討されていない。また、特許文献2では加工性の指標である全伸びが検討されているが、耐食性が検討されていない。これらに示されるように、フェライト系ステンレス鋼の既往の研究では、耐食性と加工性の双方に着目した研究例は極めて少ない。
本発明は、フェライト系ステンレス鋼において、優れた耐食性と、SUH409Lと同等以上の優れた加工性とを有するフェライト系ステンレス鋼を提供するものである。
本発明者らは、上記の課題に対し、耐食性および加工性の両者を満足するための総合的な検討を行った。
先ず、TiとNbを複合的に添加することで、耐食性を向上させることが可能であることを見出した。この効果はTiの含有量が0.11%以上0.40%以下かつNbの含有量が0.010%以上0.100%以下である場合に得られる。これにより、12.5%以上のCrを含有するフェライト系ステンレス鋼において、優れた耐食性が得られることが分かった。なお、含有量を表す「%」は「質量%」を意味する。
また、0.010%以上0.100%以下のNb添加が加工性の向上に有効であることを見出した。添加されたNbは鋼中に固溶し、結晶粒を細粒化する効果を有する。結晶粒界近傍の局所的不均一部からは、{111}〈001〉方位粒が生成されやすいため、上記のNb添加による結晶粒微細化にともない、再結晶過程において{111}再結晶粒の生成頻度が増加する。{111}再結晶頻度増加にともない、面内異方性を増大するGoss方位({110}〈001〉)粒の生成が抑制されるため、組織の面内異方性が低減され、Elmin(Elの最小値)およびrmin(rの最小値)が向上する。この効果により、14.4%以下のCrを含有するフェライト系ステンレス鋼においてSUH409L同等以上の加工性が得られることが分かった。
上述した耐食性、加工性双方の検討により、優れた耐食性とSUH409Lと同等以上の加工性を有するフェライト系ステンレス鋼を実現するためには、12.5〜14.4%のCrを含有するフェライト系ステンレス鋼において、Ti:0.11〜0.40%およびNb:0.010〜0.100%を含有させることが極めて重要であることが判明した。
本発明は、上記の知見に立脚するものであり、その要旨構成は次のとおりである。
[1]質量%で、C:0.025%以下、Si:0.01〜1.00%、Mn:0.05〜1.00%、P:0.020〜0.040%、S:0.030%以下、Al:0.001〜0.100%、Cr:12.5〜14.4%、Ni:0.01〜0.80%、Ti:0.11〜0.40%、Nb:0.010〜0.100%およびN:0.020%以下を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなることを特徴とするフェライト系ステンレス鋼板。
[2]Ti含有量およびNb含有量が下記式(1)を満たすことを特徴とする[1]記載のフェライト系ステンレス鋼板。
0.10≦Nb/Ti≦0.30 (1)
式(1)における元素記号は、各元素の含有量を意味する。
[3]さらに、質量%で、Mo:0.01〜0.30%、Cu:0.01〜0.50%、Co:0.01〜0.50%、およびW:0.01〜0.50%のうちから選んだ1種または2種以上を含有することを特徴とする[1]または[2]に記載のフェライト系ステンレス鋼板。
[4]さらに、質量%でV:0.01〜0.25%、Zr:0.01〜0.30%、B:0.0003〜0.0030%、Mg:0.0005〜0.0030%、Ca:0.0003〜0.0030%、Y:0.001〜0.20%、およびREM(希土類金属):0.001〜0.10%のうちから選んだ1種または2種以上を含有することを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載のフェライト系ステンレス鋼板。
[5]さらに、質量%でSn:0.001〜0.50%およびSb:0.001〜0.50%のうちから選んだ1種または2種を含有することを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載のフェライト系ステンレス鋼板。
本発明のフェライト系ステンレス鋼板は、耐食性と加工性に優れる。具体的には、優れた耐食性と、SUH409Lと同等以上の加工性を有するフェライト系ステンレス鋼が得られる。
Ti含有量およびNb含有量が、耐食性に与える影響を示す図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。
本発明のフェライト系ステンレス鋼板は、質量%で、C:0.025%以下、Si:0.01〜1.00%、Mn:0.05〜1.00%、P:0.020〜0.040%、S:0.030%以下、Al:0.001〜0.100%、Cr:12.5〜14.4%、Ni:0.01〜0.80%、Ti:0.11〜0.40%、Nb:0.010〜0.100%およびN:0.020%以下を含有する。
以下の説明において、フェライト系ステンレス鋼板の成分を示す%は、特に断らない限り質量%を意味する。
C:0.025%以下
Cは、鋼の強度を高めるのに有効な元素である。その効果を得る観点からは、C含有量を0.001%以上にすることが好ましい。しかし、C含有量が0.025%を超えると、耐食性および加工性が著しく低下する。よって、C含有量は0.025%以下とする。より好ましくは0.015%以下とする。さらに望ましくは0.010%以下である。
Si:0.01〜1.00%
Siは脱酸剤として有用な元素である。この効果はSi含有量を0.01%以上にすることで得られる。一方、Si含有量が1.00%を超えると鋼が硬質化して加工性が低下する。従って、Si含有量は0.01〜1.00%の範囲に限定する。より好ましくは、0.03〜0.50%の範囲である。さらに好ましくは0.06〜0.20%の範囲である。
Mn:0.05〜1.00%
Mnには脱酸作用がある。この効果を得る観点から、Mn含有量を0.05%以上にする。一方、Mn含有量が1.00%を超えると、MnSの析出および粗大化を促して耐食性が低下する。従って、Mnは0.05〜1.00%の範囲に限定する。より好ましくは、0.10〜0.40%の範囲である。さらに好ましくは0.20〜0.30%の範囲である。
P:0.020〜0.040%
Pは耐食性を低下させる元素である。また、Pが結晶粒界に偏析することで熱間加工性が低下する。そのため、P含有量は可能な限り低いほうが望ましく、0.040%以下とする。しかしながら、0.020%未満への過度なP含有量の低減は製鋼コストの上昇を招く。従って、Pは0.020〜0.040%の範囲に限定する。より好ましくは0.020〜0.030%の範囲である。
S:0.030%以下
SはMnと析出物MnSを形成する。このMnSとステンレス鋼母材の界面は孔食の起点となり、フェライト系ステンレス鋼の耐食性を低下させる。よって、S含有量は低いほうが望ましく、0.030%以下とする。好ましくは0.020%以下である。さらに好ましくは0.010%以下とする。
Al:0.001〜0.100%
Alは脱酸のために有効な元素である。この効果はAl含有量を0.001%以上にすることで得られる。一方、Al含有量が0.100%を超えるとAl系の非金属介在物による表面傷の増加により表面品質が低下する。従って、Al含有量は0.001〜0.100%の範囲に限定する。より好ましくは0.01〜0.08%の範囲である。さらに好ましくは0.02〜0.06%の範囲である。
Cr:12.5〜14.4%
Crはフェライト系ステンレス鋼の耐食性と加工性を決定する重要な元素である。フェライト系ステンレス鋼の耐食性は、Crが鋼表面に不動態皮膜を形成することによって得られる。そのため、Cr含有量を増加させるほど耐食性は向上する。本発明では、Cr含有量を特定の範囲に調整するとともに、後述するTi含有量及びNb含有量も特定の範囲に調整することで、鋼の耐食性を向上させている。本発明において、優れた耐食性を得るためには12.5%以上のCrの含有が必要である。一方、Cr含有量が増加するに従って、フェライト系ステンレス鋼の加工性は低下する。本発明では、後述するNb添加により加工性を向上させているが、本発明においてSUH409Lと同等以上の加工性を得るためにはCr含有量を14.4%以下にしなければならない。従って、Cr含有量は12.5〜14.4%の範囲に限定する。より好ましくは、13.0〜13.8%の範囲である。
Ni:0.01〜0.80%
Niは酸によるアノード反応を抑制し、より低いpHでも不動態の維持を可能にする元素である。すなわちNiは、耐隙間腐食性を高める効果があり、活性溶解状態における腐食の進行を顕著に抑制して、フェライト系ステンレス鋼の耐食性を向上させる。
この効果は、Ni含有量が0.01%以上で得られる。一方、Ni含有量が0.80%を超えると鋼が硬質化してその加工性が低下する。従って、Ni含有量は0.01〜0.80%の範囲に限定する。より好ましくは0.10〜0.40%の範囲である。
Ti:0.11〜0.40%
Tiは、C、Nを固定してCr炭窒化物による鋭敏化を防ぎ、耐食性を向上させる元素である。さらに、Tiは後述するNbとの複合効果により、耐食性をさらに向上させる。
その効果はTi含有量が0.11%以上で得られる。一方、Ti含有量が0.40%を超えるとステンレス鋼板が硬質化し、加工性が低下する。さらにTi系介在物が表面に生成して表面品質が低下する。従って、Ti含有量は0.11〜0.40%の範囲とする。より好ましくは0.20〜0.35%の範囲である。
Nb:0.010〜0.100%
Nbは鋼中に固溶し、結晶粒を細粒化する効果を有する。結晶粒界近傍からは、{111}〈001〉方位粒が生成されやすいため、Nb添加による結晶粒微細化にともない、再結晶過程において{111}再結晶粒の割合が増加する。これにより、面内異方性を増大させて、加工性を低下させるGoss方位({110}〈001〉)粒の生成が抑制され組織の面内異方性が低減する。この結果、Elmin(圧延方向、圧延方向に対して45度方向、圧延方向に直角方向をそれぞれL方向、D方向、C方向として、各方向の伸びの中での最小値)およびrmin(L、D、C各方向のr値の中での最小値)が増加して加工性が向上する。さらにNbは、後述するTiとの複合効果により、耐食性をさらに向上させる。その効果はNb含有量が0.010%以上で得られる。一方、Nb含有量が0.100%を超えると、フェライト系ステンレス鋼が硬質化して、加工性が低下する。従って、Nb含有量は0.010〜0.100%の範囲とする。より好ましくは0.030〜0.070%の範囲である。
本発明を完成するにあたって、TiとNbを複合的に添加することで、耐食性を向上させることが可能であることが見出された。その機構は次のように考えられる。ステンレス鋼の腐食は孔食と呼ばれる局所的な不動態皮膜の破壊に起因することが知られている。孔食の発生原因として、圧延などの加工時に析出物−鋼母材間に形成される隙間における、局所的な隙間腐食がある。MnSやTi炭窒化物は、この隙間を形成する析出物の代表的なものである。さらに、Ti炭窒化物は粗大であり、かつ直線的な界面を有するため、その界面に形成された隙間ではアノード反応が集中して起こり、鋼の耐食性が低下する。しかしながら、Tiに対してNbを複合添加することによりTi炭窒化物の周辺にNb炭窒化物が付着するTi−Nb複合炭窒化物の析出形態をとることが分かった。これにより得られるTi−Nb複合炭窒化物とステンレス鋼母材との界面は、Ti炭窒化物と異なり直線的ではなくなる。すなわち、界面の全長が増大してアノード反応が分散して起こるため、孔食が起こりにくくなり耐食性が向上する。
この効果を発現させ、かつ、加工性を良好とするためには、TiとNbの含有量がそれぞれ前述した範囲内にあることが必要である。より好ましくは、Ti含有量に対するNb含有量の比(Nb/Ti)を0.10以上0.30以下とする。これにより耐食性はさらに向上する。比(Nb/Ti)が0.10以上とすることでTi炭窒化物の周辺へのNb炭窒化物の析出が十分となる。また、比(Nb/Ti)が0.30以下とすることでNb単独の炭窒化物が析出しにくくなり、Ti−Nb複合炭窒化物が形成されやすくなる。
N:0.020%以下
Nは、鋼中に不可避的に混入する元素である。しかし、N含有量が0.020%を超えると耐食性と加工性が著しく低下する。従って、Nは0.020%以下とする。より好ましくは0.015%以下である。
以上、必須成分について説明したが、本発明ではその他にも以下に述べる元素を適宜含有させることができる。
Mo:0.01〜0.30%
Moには、フェライト系ステンレス鋼の耐隙間腐食性を向上させる効果がある。その効果はMo含有量を0.01%以上にすることで得られる。しかし、Mo含有量が0.30%を超えるとその効果は飽和するだけでなく、加工性が低下する。そこで、Moを添加する場合はMo含有量を0.01〜0.30%とする。より好ましくは0.03〜0.10%である。
Cu:0.01〜0.50%
Cuには、鋼の靱性を向上させる効果がある。その効果はCu含有量が0.01%以上で得られる。一方、Cu含有量が0.50%を超えると鋼の靱性は逆に低下し、さらに加工性が低下する。そこで、Cuを添加する場合はCu含有量を0.01〜0.50%とする。より好ましくは0.01%〜0.10%未満である。さらに好ましくは0.03〜0.06%である。
Co:0.01〜0.50%
Coは、ステンレス鋼の耐隙間腐食性を向上させる元素である。この効果はCo含有量を0.01%以上にすることで得られる。しかし、Co含有量が0.50%を超えるとその効果は飽和し、さらに、加工性が低下する。そのため、Coを添加する場合は、Co含有量を0.01〜0.50%とする。より好ましくは0.03〜0.30%の範囲である。さらに好ましくは0.05〜0.10%の範囲である。
W:0.01〜0.50%
Wは、フェライト系ステンレス鋼の耐隙間腐食性を向上させる元素である。この効果をえるためにはW含有量は0.01%以上が好ましい。しかし、その含有量が0.50%を超えるとその効果は飽和し、さらに、加工性が低下する。そのため、Wを添加する場合はW含有量を0.01〜0.50%とする。より好ましくは0.03〜0.30%の範囲である。さらに好ましくは0.05〜0.10%の範囲である。
V:0.01〜0.25%
Vは、フェライト系ステンレス鋼の耐隙間腐食性を向上させる元素である。その効果はV含有量を0.01%以上にすることで得られる。しかし、その含有量が0.25%を超えるとその効果は飽和し、加工性の悪化を招く。そこで、Vを添加する場合は、V含有量を0.01〜0.25%の範囲に限定する。より好ましくは0.03〜0.20%の範囲である。さらに好ましくは0.05〜0.10%の範囲である。
Zr:0.01〜0.30%
ZrにはTiやNbと同様にC、Nを固定して、Cr炭窒化物による鋭敏化を防ぎ、耐食性を向上させる効果がある。その効果はZr含有量が0.01%以上で得られる。しかし、Zr含有量が0.30%を超えるとZrO等が生成して表面傷が生じる。そこで、Zrを添加する場合はZr含有量を0.01〜0.30%とする。より好ましくは0.01〜0.20%である。
B:0.0003〜0.0030%
Bは、熱間加工性や2次加工性を向上させる元素である。Bは、Ti添加鋼への添加が有効であることで知られている。この効果はB含有量を0.0003%以上にすることで得られる。一方、B含有量が0.0030%を超えると加工性が低下する。従って、Bを添加する場合はB含有量を0.0003〜0.0030%の範囲にする。より好ましくは、0.0010〜0.0025%の範囲である。さらに好ましくは、0.0015〜0.0020%の範囲である。
Mg:0.0005〜0.0030%
Mgは、溶鋼中でAlとともにMg酸化物を形成し脱酸剤として作用する。この効果はMg含有量を0.0005%以上にすることで得られる。一方、Mg含有量が0.0030%を超えると鋼の靱性が低下して製造性が低下する。従って、Mgを添加する場合はMg含有量を0.0005〜0.0030%の範囲に限定する。
Ca:0.0003〜0.0030%
Caは、連続鋳造の際に発生しやすいTi系介在物の晶出によるノズルの閉塞を防止するのに有効な成分である。この効果はCa含有量が0.0003%以上で得られる。一方、Ca含有量が0.0030%を超えると、鋼の靱性が低下して製造性が低下する。また、Ca含有量が0.0030%を超えると、CaSの析出により耐食性が低下する。従って、Caを添加する場合は、Ca含有量は0.0003〜0.0030%の範囲に限定する。より好ましくは0.0010〜0.0020%の範囲である。
Y:0.001〜0.20%
Yは、溶鋼の粘度減少を減少させ、清浄度を向上させる元素である。この効果はY含有量が0.001%以上で得られる。一方、Y含有量が0.20%を超えるとその効果は飽和し、さらに、加工性が低下する。そこで、Yを添加する場合は、Y含有量は0.001〜0.20%の範囲に限定する。より好ましくは0.001〜0.10%の範囲である。
REM(希土類金属):0.001〜0.10%
REM(希土類金属:La、Ce、Ndなどの原子番号57〜71の元素)は、耐高温酸化性を向上させる元素である。この効果はREM含有量が0.001%以上で得られる。一方、REM含有量が0.10%を超えるとその効果が飽和するだけでなく、熱間圧延の際に表面欠陥が生じる。そこで、REMを添加する場合はREM含有量を0.001〜0.10%の範囲に限定する。より好ましくは0.005〜0.05%の範囲である。
Sn、Sb:0.001〜0.50%
これらの元素は、圧延時における変形帯生成の促進によるリジング向上に効果的である。この効果はこれらの元素のいずれかの含有量が0.001%以上で得られる。しかし、これらの元素の含有量がそれぞれ0.50%を超えるとその効果が飽和するだけでなく、さらに加工性が低下する。そこで、SnやSbを添加する場合はそれぞれの含有量を0.001〜0.50%とする。より好ましくは、それぞれの含有量が0.003〜0.20%の範囲である。
以上の成分以外の残部はFeおよび不可避的不純物である。
次に本発明のフェライト系ステンレス鋼板の好適な製造方法について説明する。上記した成分組成の鋼を、転炉、電気炉、真空溶解炉等の公知の方法で溶製し、連続鋳造法あるいは造塊−分塊法により鋼素材(スラブ)とする。この鋼素材を1000℃〜1200℃に加熱後、仕上温度を700℃〜1000℃の条件で、板厚2.0mm〜5.0mmになるように熱間圧延する。こうして作製した熱延板を800℃〜1100℃の温度で焼鈍し酸洗を行い、次に、冷間圧延を行い、700℃〜1000℃の温度で冷延板焼鈍を行う。冷延板焼鈍後には酸洗を行い、スケールを除去する。スケールを除去した冷延板にはスキンパス圧延を行ってもよい。
表1のNo.1〜44に示す組成を有する鋼を真空溶解炉で溶製した後、鋳造して30kg鋼塊とした。この鋼塊を1050℃の温度に加熱した後、仕上げ温度:900℃で熱間圧延を行い、板厚:5mmの熱延板とした。その後、Ar雰囲気中において1000〜1050℃で1分間の焼鈍を行い、硫酸に浸漬して酸洗を行った後、冷間圧延で板厚:1.0mmの冷延板とした。得られた冷延板は、Ar雰囲気中において900℃で1分間の焼鈍を行い、中性塩電解、硝弗酸浸漬、および硝酸塩電解により酸洗して冷延焼鈍酸洗板を得た。
また、表1のNo.45、46に示す組成を有するフェライト系ステンレス鋼を真空溶解炉で溶製した後、鋳造して30kg鋼塊とした。この鋼塊を1050℃の温度に加熱した後、仕上げ温度:900℃で熱間圧延を行い、板厚:5mmの熱延板とした。その後、大気中において800〜850℃で12時間の焼鈍を行い、硫酸に浸漬して酸洗を行った後、冷間圧延で板厚:1.0mmの冷延板とした。得られた冷延板は、Ar雰囲気中において800℃で1分間の焼鈍を行い、中性塩電解、硝弗酸浸漬、および硝酸塩電解により酸洗して冷延焼鈍酸洗板を得た。
なお、表1の試験No.44、45はそれぞれSUH409L相当鋼、SUS430相当鋼である。
以上の製造条件で得られたフェライト系ステンレス鋼冷延焼鈍酸洗板を、せん断加工により80×60mmに切出した。切り出し後、エメリー研磨紙で320番まで研磨し、アセトンによる脱脂を行った。得られた鋼板の端部および裏面をシールし、傾き:60°でサイクル腐食試験機に配置した。腐食試験機中では、0.1%NaCl−0.5H水溶液の噴霧(30分間、35℃、98%RH)、乾燥(1時間、60℃、30%RH)、湿潤(1時間、40℃、95%RH)を1サイクルとして、240サイクルの腐食試験を行った。これは、低〜中Cr系鋼種の耐食性を適切に評価可能とするために開発された腐食促進試験法である。試験後、10%クエン酸二アンモニウム溶液を用いて腐食生成物を除去し、腐食減量を測定した。腐食減量が1.0g/m以下であったものを「◎」(合格:非常に優れている)、1.0g/m超え〜8.0g/m以下であったものを「○」(合格:優れている)、8.0g/m超え〜16.0g/m以下であったものを「□」(合格)、16.0g/mよりも大きかったものを「▲」(不合格)と評価した。
さらに、JIS Z 2201に規定される13B号試験片を、圧延方向、圧延方向に対して45度方向、および、圧延方向に対して直角方向に採取し、常温で引張試験を行い加工性を評価した。Elminが33%以上かつrminが1.1以上であるものを「○」(合格)、Elminが33%未満あるいはrminが1.1未満であるものを「▲」(不合格)とした。
得られた結果を表1に示す。発明鋼は耐食性の評価が「○」あるいは「□」であり、かつ、加工性の評価が「○」であり、耐食性および加工性に優れることが分かる。図1には、本発明例の結果と、Ti含有量が本発明範囲外の比較例の結果と、Nb含有量が本発明範囲外の比較例の結果とをグラフにまとめた。図1に示すようにTiおよびNbの含有量が式(1)を満たす場合に、より良好な耐食性を有することが分かる。
試験No.31、33、35、36の比較例は、それぞれCr、Ni、Tiの含有量が本発明の成分範囲よりも低いため、耐食性が劣っている。試験No.32、34、37、38、41、42の比較例は、それぞれCr、Ni、Ti、Nb含有量が本発明の成分範囲よりも高いため、加工性が劣っている。試験No.39、40の比較例は、Nbの含有量が本発明の成分範囲よりも低いため、耐食性、加工性がともに劣っている。試験No.43の比較例は、Cの含有量が本発明の成分範囲よりも高いため、耐食性、加工性がともに劣っている。
Figure 2016041846
本発明によれば、耐食性と加工性に優れるので、エレベーターの内板をはじめとして、インテリア、ダクトフード、マフラーカッタ、ロッカー、家電製品用部品、事務用品用部品、自動車内装用部品、自動車排気用配管、建材、および排水溝の蓋などの用途に対して好適に使用することができる。

Claims (5)

  1. 質量%で、C:0.025%以下、Si:0.01〜1.00%、Mn:0.05〜1.00%、P:0.020〜0.040%、S:0.030%以下、Al:0.001〜0.100%、Cr:12.5〜14.4%、Ni:0.01〜0.80%、Ti:0.11〜0.40%、Nb:0.010〜0.100%およびN:0.020%以下を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなることを特徴とするフェライト系ステンレス鋼板。
  2. Ti含有量およびNb含有量が下記式(1)を満たすことを特徴とする請求項1記載のフェライト系ステンレス鋼板。
    0.10≦Nb/Ti≦0.30 (1)
    式(1)における元素記号は、各元素の含有量を意味する。
  3. さらに、質量%で、Mo:0.01〜0.30%、Cu:0.01〜0.50%、Co:0.01〜0.50%、およびW:0.01〜0.50%のうちから選んだ1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1または2に記載のフェライト系ステンレス鋼板。
  4. さらに、質量%でV:0.01〜0.25%、Zr:0.01〜0.30%、B:0.0003〜0.0030%、Mg:0.0005〜0.0030%、Ca:0.0003〜0.0030%、Y:0.001〜0.20%、およびREM(希土類金属):0.001〜0.10%のうちから選んだ1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のフェライト系ステンレス鋼板。
  5. さらに、質量%でSn:0.001〜0.50%およびSb:0.001〜0.50%のうちから選んだ1種または2種を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のフェライト系ステンレス鋼板。
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