JP2016041790A - 樹脂膜の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ナノインプリントに用いることのできる最適な樹脂膜の製造方法を提供すること。【解決手段】常温で液状のエポキシ樹脂と光カチオン重合剤とを含有する樹脂ワニスを基材の表面に塗工する第1工程と、光照射して光硬化性樹脂モノマーを硬化し、樹脂層を形成する第2工程と、基材から前記樹脂層を剥離する第3工程とを有する樹脂膜の製造方法であって、前記第1工程における、前記樹脂ワニスの表面自由エネルギーをE1、前記基材の樹脂層形成面の表面自由エネルギーをE2としたとき、E1を満たし、前記第3工程における、前記樹脂膜の前記基材の表面への接合面の表面自由エネルギーをE3としたときE2、E3を満たすことを特徴とする樹脂膜の製造方法。【選択図】図1
Description
本発明は樹脂膜の製造方法に関する。
光通信、光ディスク、ディスプレイ、光センサ等の光学分野の著しい発展に伴い、光学樹脂材料には性能とコストの両立が求められている。またバイオチップ、マイクロリアクター等の分野でもガラスに替わり種々の加工が容易である透明性樹脂材料への期待は大きくなっている。いずれの分野でも基材表面の加工、特に微細加工が要求されるようになり、その微細加工技術は近年集積化が著しい半導体分野でも重要な技術となっている。従来、透明性材料の表面に微細なパターンを形成するには、表面を機械的に切削するか、あるいはレジストや熱、紫外線又は電子線硬化型樹脂等を用いてパターンを印刷する、といった方法が採用されている。特に各種デバイス分野においては機器の小型化、軽量化に伴い、集積密度を向上させかつ小型化を図るために薄膜化した樹脂への要望は強く、種々のパターン形成方法が検討されている。射出成形でも500μm程度の厚さまでは可能だが、小型化が要求される各種デバイス類、あるいは反射防止膜をはじめとする各種光学素子についてはより一層の薄膜化が望まれており、シートもしくはフィルムへのパターン形成方法が必要となる。
しかし、機械的な切削では非常に高度で煩雑な加工技術を必要とする問題がある。また、レジスト等を使用したパターン印刷では工程が複雑な上に、印刷されたパターンの剥がれなど耐久性に問題がある。更には、パターンの微細化に伴い、プロセス全体を高精度に制御する機構が要求されるなどコストの問題を無視できなくなってきた。
これに対し微細なパターンを低コストで形成する方法として光インプリント方法が提案されている。すなわち樹脂基板に微細パターンを有する型を押し当てて、光を照射し、硬化させて、樹脂表面に型の微細パターンを転写する方法である(例えば、特許文献1参照)。しかしながら樹脂基材として昨今の技術開発により射出成形でも300μm程度の厚さのフィルムまでは成形可能となってきているが、更なる小型化・薄型化が要求される各種デバイス類、各種光学素子についてはより一層の基材の薄膜化が望まれており、シートもしくはフィルムへの熱インプリントによるパターン形成を可能とするための樹脂溶液およびその薄膜の製造方法が必要となる。
ナノインプリント用の薄膜は、硬化剤や固形樹脂などの成分を含む溶液からなる樹脂ワニスを薄膜化することにより得られている(例えば、特許文献2及び3を参照)。一般的に、樹脂ワニスを薄膜化するには、キャリア基材上に薄膜状にワニスを塗布し、これを乾燥させることにより行う。樹脂ワニスの塗布においては、塗布可能なワニスの粘度領域があるので、樹脂成分に合わせた溶媒量を設定して粘度を調整している。
ここで、溶媒の種類や量によっては、基材への濡れ性が悪いため、塗工時に円形や楕円形の無塗工部分ができる「はじき」や、塗工両端部が波形形状となったり、塗工幅が塗工直後部分よりも狭幅となる「収縮」が発生する問題がある。従来、そのような問題を解決するため、樹脂ワニス中に増粘剤を添加するなどの粘着剤の粘度を増加させる方法や、用いる基材を表面処理し、密着力を上昇させる方法などが知られている。
しかしながら、樹脂ワニス中に増粘剤などを添加した場合、あるいは、用いる基材を表面処理した場合、溶媒乾燥後の得られる薄膜が基材から剥離しにくくなるといった問題が発生する。反対に剥離性を重視し、基材表面を剥離剤で処理した場合、樹脂ワニスを塗工した場合、「はじき」が生じやすい。このように、「はじき」の防止と剥離性の両立は困難であった。
Journal of Micromechanics and Microengineering, vol: 15, issue: 2, pages: 296-300, 2005
Materials Science & Engineering C (Volume 23, Issue 1-2, pages 23-31) journal on 15th January 2003
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、従来の方法では、両立できなかったはじきの防止と剥離性を、両立することによって、ナノインプリントに用いることのできる最適な樹脂膜の製造方法を提供することにある。
このような目的は、以下の(1)〜(8)に記載される本発明により達成される。
(1)常温で液状のエポキシ樹脂と光カチオン重合剤とを含有する樹脂ワニスを基材の表面に塗工する第1工程と、光照射して光硬化性樹脂モノマーを硬化し、樹脂層を形成する第2工程と、
基材から前記樹脂層を剥離する第3工程とを有する樹脂膜の製造方法であって、
前記第1工程における、前記樹脂ワニスの表面自由エネルギーをE1、
前記基材の樹脂層形成面の表面自由エネルギーをE2としたとき、
E1≦E2
を満たすことを特徴とする樹脂膜の製造方法。
基材から前記樹脂層を剥離する第3工程とを有する樹脂膜の製造方法であって、
前記第1工程における、前記樹脂ワニスの表面自由エネルギーをE1、
前記基材の樹脂層形成面の表面自由エネルギーをE2としたとき、
E1≦E2
を満たすことを特徴とする樹脂膜の製造方法。
(2)前記第3工程における、前記樹脂膜の前記基材の表面への接合面の表面自由エネルギーをE3としたとき、
E2≦35(mN/m)、および、
E3≦35(mN/m)、
を満たす(1)に記載の樹脂膜の製造方法。
E2≦35(mN/m)、および、
E3≦35(mN/m)、
を満たす(1)に記載の樹脂膜の製造方法。
(3)前記常温で液状のエポキシ樹脂が、脂環式エポキシ樹脂である(1)または(2)に記載の樹脂膜の製造方法。
(4)前記光カチオン重合剤が、スルホニウム塩系光カチオン重合剤である(1)ないし(3)のいずれか1項に記載の樹脂膜の製造方法。
(5)前記基材が、シリコーン系樹脂を含む材料で構成されている(1)ないし(4)のいずれか1項に記載の樹脂膜の製造方法。
(6)前記基材が、シルセスキオキサン系樹脂を含む材料で構成されている(1)ないし(5)のいずれか1項に記載の樹脂膜の製造方法。
(7)前記基材の樹脂層形成面の表面粗さRaが0.001〜0.1μmであることを特徴とする(1)ないし(6)のいずれか1項に記載の樹脂膜の製造方法。
(8)前記基材の樹脂層形成面の表面に凹もしくは凸のパターンがあり、前記第3工程において、前記樹脂層を剥離した際に、前記凹もしくは凸のパターンが転写されることを特徴とする(1)ないし(7)のいずれか1項に記載の樹脂膜の製造方法。
本発明により、ナノインプリントに用いることのできる最適な樹脂膜を製造することができる。
以下、本発明の樹脂膜の製造方法について説明する。一例としてナノインプリント方法を適用した場合を、添付の図面を参照しながら説明する。
第1工程は、エポキシ樹脂と光カチオン重合剤とを含有する樹脂ワニスを基材の表面に塗工する工程である。
まず、樹脂ワニス等について説明する。
樹脂ワニス11は常温で液状のエポキシ樹脂と光カチオン重合剤とを含む。
エポキシ樹脂としては特に限定されないが、常温で液状であれば良い。
常温で液状のエポキシ樹脂を例示すると、芳香族環構造あるいは脂環構造(脂環式の炭素環構造)を有するものエポキシ樹脂があげられ、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールM型エポキシ樹脂、ビスフェノールP型エポキシ樹脂、ビスフェノールZ型エポキシ樹脂などのビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、テトラフェノール基エタン型ノボラック型エポキシ樹脂などのノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂などのアリールアルキレン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂、脂肪族のエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂などが挙げられる。これらの中の1種類を単独で用いることもできるし、2種類以上を併用したりすることもできる。
反応性等の観点から脂環式エポキシ樹脂を選択することが好ましい。
光カチオン重合剤としては特に限定されないが、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ホスホニウム塩、混合配位子金属塩、例えば、(η6−ベンゼン)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(II)、シラノール−アルミニウム錯体等をなどがあげられる。
これらの中でもスルホニウム塩系光カチオン重合剤が好ましい。
光カチオン重合剤の含有量は特に限定されないが、1質量%以上10質量%以下が好ましい。
前記常温で液状のエポキシ樹脂と、光カチオン重合剤とを、超音波分散方式、高圧衝突式分散方式、高速回転分散方式、ビーズミル方式、高速せん断分散方式、および自転公転式分散方式などの各種混合機を用いて溶解、混合、撹拌して樹脂ワニス11とすることができる。適宜加温して混合しても構わない。
さらに、樹脂ワニス11は、カップリング剤を含んでもよい。カップリング剤の使用により、樹脂ワニス11と、基材との界面の濡れ性を向上させることができる。カップリング剤としては、例えば、エポキシシランカップリング剤、カチオニックシランカップリング剤、アミノシランカップリング剤などのシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤およびシリコーンオイル型カップリング剤等が挙げられる。カップリング剤は1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
さらに、樹脂ワニス11には、種々の添加剤を添加することができる。その例として、顔料、染料、消泡剤、レベリング剤、発泡剤、酸化防止剤、難燃剤、イオン捕捉剤などが挙げられる。
樹脂ワニス11は粘度を調整するために、希釈剤を含有してもよい。希釈剤としては、分子中に1個のグリシジル基を有する化合物があげられる。
樹脂ワニス11の粘度は、特に限定されないが、1mPa・s以上1000mPa・s以下が好ましく、特に5mPa・s以上10mPa・s以下が好ましい。これにより、ボイドを発生させることなく、基材上にムラなく良好に塗工することが可能となる。
樹脂ワニス11の表面自由エネルギーE1と前記基材の樹脂層形成面25の表面自由エネルギーE2はE1/E2≦1であり、より好ましくは0.1≦E1/E2≦0.97である。E1とE2の関係がこの範囲であると、樹脂ワニス11を基材の樹脂層形成面25の表面に、はじくことなく塗工することができる。
樹脂ワニス11の表面自由エネルギーは、例えば、表面自由エネルギーの極性成分γ p=0の固体表面上における樹脂ワニスの接触角を測定することにより求めることができる。
極性成分γ p=0の固体としてパラフィンが挙げられる。
樹脂ワニス11の表面自由エネルギーE1は、例えば、接触角測定装置Drop Master DM- 500 (協和界面科学製)により測定することができる。すなわち、Younng- Dupreの式γL (1+ cosθ)= 2(γL dγS d) 1/2+ 2(γL pγS p) 1/2 (1)について成分が既知の固体として分散成分γS=25.5mJ/m2および極性成分γ p=0であるパラフィンを用いれば、上式(1)は
γL (1+ cosθ)= 2(γL dγS d) 1/2 (2)
となる。
γL (1+ cosθ)= 2(γL dγS d) 1/2 (2)
となる。
パラフィン膜上で樹脂ワニス11の接触角θを測定し、表面張力計でγLを測定することにより(2)式により表面自由エネルギーを求めることができる。
次に、以上のような樹脂ワニス11を、例えば、コンマコーター等の装置で基材21の樹脂層形成面25上に塗工する。
基材21の組成について説明する。
基材21の材料としては特に限定されないが、各種樹脂、金属、セラミックなどが用いられる。樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリイミド樹脂などの耐熱性を有した熱可塑性樹脂フィルム、金属としては、例えば、銅および/または銅系合金、アルミおよび/またはアルミ系合金、鉄および/または鉄系合金、銀および/または銀系合金、金および金系合金、亜鉛および亜鉛系合金、ニッケルおよびニッケル系合金、錫および錫系合金などの金属箔など、セラミックとしては、例えば、シリコン、ガラスなどのセラミックを用いることができる。
これらの中でも、ナノインプリントとして用いる場合には、基材21の材料は、樹脂、特にシリコーン系樹脂が好ましく、シルセスキオキサン系樹脂が、表面自由エネルギーが十分小さく、樹脂膜の剥離抵抗が小さくなり、より、好ましい。
基材21の厚みとしては特に限定されないが、5〜500μm、特に10〜100μmのものを用いると、強度と剥離性の両立が可能であり好ましい。
また、基材21の樹脂層形成面25を表面処理してもかまわない。これにより、樹脂層形成面を改質し、樹脂ワニス11の、樹脂層形成面25への濡れ性を改善することができる。表面処理方法としては、特に限定されないが、基材21の樹脂層形成面25に水酸基を導入する処理などが挙げられる。かかる処理としては、例えば、紫外線照射、プラズマ照射、電子ビーム照射、コロナ放電処理等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
基材21の樹脂層形成面25の表面粗さRaは、特に限定されるものではないが、具体的には、0.001〜0.1μm程度であるのが好ましく、0.001〜0.01μm程度であるのがより好ましい。
基材21の樹脂層形成面25の表面自由エネルギーE2はE2≦35(mN/m)をみたすことが好ましく、E2≦30(mN/m)をみたすことがより好ましい。上記範囲内であると、基材から樹脂層を剥離するときに、樹脂層に欠陥を生じることなく、剥離することが可能となり、好ましい。E2の下限は特に限定されないが、現実的には5≦E2(mN/m)である。
基材21の樹脂層形成面25の表面自由エネルギーE2は、例えば、同一の固体表面上において表面張力の異なる2種類の液体との接触角を測定することにより求めることができ、2種類の液体として、純水とジヨードメタン(CH2I2)が挙げられる。
基材21の樹脂層形成面25の表面自由エネルギーE2は、例えば、接触角測定装置Drop Master DM- 500 (協和界面科学製)により測定することができる。すなわち、Younng- Dupreの式γL (1+ cosθ)= 2(γL dγS d) 1/2+ 2(γL pγS p) 1/2 (1)について、ここで両辺を2(γL d)1/2で割ることにより下式のように変形できる。
WLS/2(γL d) 1/2= (γS d)1/2+ (γS p)1/2*(γL p/γL d)1/2 (2)
表面自由エネルギーの分散および極性成分が既知であれば、上式(2)により表面自由エネルギーを求めることができる。液体には純水とジヨードメタン(CH2I2)を使用し、(2)を用いて基材の表面自由エネルギーE2を求めることができる。
表面自由エネルギーの分散および極性成分が既知であれば、上式(2)により表面自由エネルギーを求めることができる。液体には純水とジヨードメタン(CH2I2)を使用し、(2)を用いて基材の表面自由エネルギーE2を求めることができる。
樹脂ワニス11を基材21の樹脂層形成面25上に塗工する方法としては特に限定されないが、例えば、各種コーター装置を用いて樹脂ワニス11を基材21に塗工する方法、樹脂ワニス11をスプレー装置を用いて基材21に噴霧塗工する方法、などが挙げられる。
これらの中でも、コンマコーター、ダイコーター、スピンコーターなどの各種コーター装置を用いて、樹脂ワニス11を基材の樹脂層形成面25上に塗工する方法が好ましい。これにより、ボイドが少なく、効率よく樹脂ワニス11を基材21の樹脂層形成面25上に塗工することができる。
第2工程は、樹脂ワニスに光照射して、光硬化性樹脂モノマーを硬化させて、基材21の樹脂層形成面25に樹脂層12を形成する工程である。
硬化後の樹脂層12の層厚は1μm以上1000μm以下が好ましい。
1μm以上であると、樹脂層12を基材21から剥離することが容易になる。
1000μm以下であると、残存溶剤の除去が容易になる。
樹脂ワニスに光照射して、光硬化性樹脂モノマーを硬化させる方法としては、活性な光線をあてればよい。活性な光線であれば、紫外線でも可視光線でも構わない。因みに、紫外線照射に使用される光源としては、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等がある。
第3工程は、基材21から前記樹脂層12を剥離し、樹脂膜13を得る工程である。
剥離方法について説明する。
剥離方法について説明する。
剥離方法は、樹脂層12と基材21との間に垂直方向に応力をかける方法や、樹脂層12または基材21あるいは両方に対して横方向からの応力を加える方法、更に樹脂層12または基材21あるいは両方を曲げることが可能であるならば、例えば、樹脂層12の端部に応力を加えて曲げることにより剥離を実施する方法などがある。
樹脂層12を基材21より剥離する速度は0.1cm/秒〜5cm/秒が好ましい。0.1cm/秒以上であると、作業性に優れ好ましい。5cm/秒以下であると、樹脂層12を容易に剥離することができ、好ましい。
樹脂膜13の表面14の表面自由エネルギーE3はE3≦35(mN/m)をみたすことが好ましい。上記範囲内であると、基材21から樹脂層12を剥離するときに、樹脂層12に欠陥を生じることなく、剥離することが可能となり、好ましい。E3の下限は特に限定されないが、現実的には5≦E3(mN/m)である。
樹脂膜13の表面14の表面自由エネルギーは、例えば、同一の固体表面上において表面張力の異なる2種類の液体との接触角を測定することにより求めることができ、2種類の液体として、純水とジヨードメタン(CH2I2)が挙げられる。
樹脂膜13の表面14の表面自由エネルギーE3はたとえば接触角測定装置Drop Master DM- 500 (協和界面科学製)により測定できる。すなわち、Younng- Dupreの式γL (1+ cosθ)= 2(γL dγS d) 1/2+ 2(γL pγS p) 1/2 (1)について、ここで両辺を2(γL d)1/2で割ることにより下式のように変形できる。
WLS/2(γL d) 1/2= (γS d)1/2+ (γS p)1/2*(γL p/γL d)1/2 (2)
表面自由エネルギーの分散および極性成分が既知であれば、上式(2)により表面自由エネルギーを求めることができる。液体には純水とジヨードメタン(CH2I2)を使用し、(2)を用いて基材の表面自由エネルギーE3を求めることができる。
表面自由エネルギーの分散および極性成分が既知であれば、上式(2)により表面自由エネルギーを求めることができる。液体には純水とジヨードメタン(CH2I2)を使用し、(2)を用いて基材の表面自由エネルギーE3を求めることができる。
図4は別実施形態である。
図4に示すように、この実施形態では、基材21の樹脂層形成面25に凸部26もしくは凹部27のような凹凸パターンが形成されている。この場合、前記第3工程において、前記樹脂膜13を剥離した際に、基材21の樹脂層形成面25の凹凸パターンが樹脂膜表面14に転写される。すなわち、凸部26、凹部27に対応する凹部15、凸部16の凹凸パターンが樹脂膜表面14に転写され、樹脂膜13の表面に微細構造を形成することができる。また、樹脂膜表面14を所望の表面粗さの粗面とすることも可能となる。
基材21の樹脂層形成面25の凹凸パターンの大きさとしては特に限定されないが、特にナノインプリントに用いる場合は、高さ(または深さ)は、1μm〜50μmが好ましく、幅(横方向の長さ)は、10μm〜100μmが好ましい。これにより、特に、欠陥のない良好な転写が可能となる。
また、凹凸パターンの形成部位も特に限定されず、樹脂膜表面14の全面にわたって形成されていても、部分的に形成されていてもよい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。
(実施例1)
<樹脂ワニスの作成>
エポキシ樹脂として、3',4'-エポキシシクロヘキシルメチル 3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(脂環式エポキシ樹脂 ダイセル化学工業株式会社製 セロキサイド2021P)100g、光重合開始剤として、トリアリールスルホニウム・PF6塩(サンアプロ製 CPI−100P スルホニウム系光カチオン重合剤)2gをスリーワンモーターで、25℃で撹拌させ、樹脂ワニスV11を得た。樹脂ワニスV11の粘度は、100mPa・sであった。樹脂ワニスV11の粘度は、E型粘度計を用いて、測定温度25℃、コーン角度3度、回転数5.0rpmで測定した。
(実施例1)
<樹脂ワニスの作成>
エポキシ樹脂として、3',4'-エポキシシクロヘキシルメチル 3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(脂環式エポキシ樹脂 ダイセル化学工業株式会社製 セロキサイド2021P)100g、光重合開始剤として、トリアリールスルホニウム・PF6塩(サンアプロ製 CPI−100P スルホニウム系光カチオン重合剤)2gをスリーワンモーターで、25℃で撹拌させ、樹脂ワニスV11を得た。樹脂ワニスV11の粘度は、100mPa・sであった。樹脂ワニスV11の粘度は、E型粘度計を用いて、測定温度25℃、コーン角度3度、回転数5.0rpmで測定した。
樹脂ワニスV11の表面自由エネルギーE1は、接触角測定装置Drop Master DM- 500 (協和界面科学製)により測定した。すなわち、Younng- Dupreの式γL (1+ cosθ)= 2(γL dγS d) 1/2+ 2(γL pγS p) 1/2 (1)について成分が既知の固体として分散成分γS=25.5mJ/m2および極性成分γ p=0であるパラフィンを用い、上式(1)は
γL (1+ cosθ)= 2(γL dγS d) 1/2 (2)
と変形できる。
γL (1+ cosθ)= 2(γL dγS d) 1/2 (2)
と変形できる。
パラフィン膜上で樹脂ワニスV11の接触角θを測定し、表面張力計でγLを測定することにより(2)式により樹脂ワニスV11の表面自由エネルギーを算出した。
<基材の作成>
フィルム基材として、低熱収縮PETフィルム テトロン(R)フィルムSLA−50(帝人デュポンフィルム株式会社製)を用いた。オキセタニル基含有シルセスキオキサン化合物OX−SQ−ME20(東亞合成株式会社製)(8.0g)、脂環式エポキシ樹脂セロキサイド2021P(ダイセル化学工業株式会社製)(2.0g)、光酸発生剤オプトマーSP−170(株式会社ADEKA製)(0.3g)およびメチルエチルケトン(90g)を攪拌混合し塗布液を得た。前記PETフィルムにバーコータで前記塗布液をコーティングし、熱風乾燥機にて45℃、5分間乾燥した後、超高圧水銀ランプを用いて500mJ/cm2のUV照射により硬化することで、表面処理されたPETフィルムを得た。このPETフィルムを基材B1として使用した。
<基材の作成>
フィルム基材として、低熱収縮PETフィルム テトロン(R)フィルムSLA−50(帝人デュポンフィルム株式会社製)を用いた。オキセタニル基含有シルセスキオキサン化合物OX−SQ−ME20(東亞合成株式会社製)(8.0g)、脂環式エポキシ樹脂セロキサイド2021P(ダイセル化学工業株式会社製)(2.0g)、光酸発生剤オプトマーSP−170(株式会社ADEKA製)(0.3g)およびメチルエチルケトン(90g)を攪拌混合し塗布液を得た。前記PETフィルムにバーコータで前記塗布液をコーティングし、熱風乾燥機にて45℃、5分間乾燥した後、超高圧水銀ランプを用いて500mJ/cm2のUV照射により硬化することで、表面処理されたPETフィルムを得た。このPETフィルムを基材B1として使用した。
基材B1の表面粗さは、レーザー顕微鏡(Veeco社製、WYKO NT1100、条件;サンプリング808.15nm、観察視野面594μm×452μm)にて、JIS B0601:2001に準じて測定した。
基材B1の基材表面の表面自由エネルギーE2は接触角測定装置Drop Master DM- 500 (協和界面科学製)により測定した。すなわち、Younng- Dupreの式γL (1+ cosθ)= 2(γL dγS d) 1/2+ 2(γL pγS p) 1/2 (1)について、ここで両辺を2(γL d)1/2で割ることにより下式のように変形できる。
WLS/2(γL d) 1/2= (γS d)1/2+ (γS p)1/2*(γL p/γL d)1/2 (2)
表面自由エネルギーの分散および極性成分が既知であれば、上式(2)により表面自由エネルギーを求めることができる。液体には純水とジヨードメタン(CH2I2)を使用し、上式(2)を用いて基材の表面自由エネルギーE2を求めた。
<樹脂膜の作成>
上記基材B1上に上記樹脂ワニスV11をスピンコーター(イーエッチシー社製SC300)を用い、スピンコート条件400rpm×5sec+4000rpm×20secで塗布後、超高圧水銀ランプを用いて500mJ/cm2のUV照射により硬化して、樹脂層を形成した。このとき、樹脂層の厚みは50μmとなった。
表面自由エネルギーの分散および極性成分が既知であれば、上式(2)により表面自由エネルギーを求めることができる。液体には純水とジヨードメタン(CH2I2)を使用し、上式(2)を用いて基材の表面自由エネルギーE2を求めた。
<樹脂膜の作成>
上記基材B1上に上記樹脂ワニスV11をスピンコーター(イーエッチシー社製SC300)を用い、スピンコート条件400rpm×5sec+4000rpm×20secで塗布後、超高圧水銀ランプを用いて500mJ/cm2のUV照射により硬化して、樹脂層を形成した。このとき、樹脂層の厚みは50μmとなった。
厚みは、マイクロメータを用いて求めた。
上記樹脂ワニスの塗工性について、得られた樹脂膜の外観を目視で確認して、評価した。評価基準は以下の通りである。
◎:ボイドなく問題なし。
○:微小なボイドあり。
×:はじいて塗工できない。
得られた樹脂層表面に、1cm×5cmの切れ込みを入れ、樹脂層と基材B1の間に垂直に応力をかけ、5mm/秒の速度で引き上げて、剥離抵抗を測定した。
0.1KN/m未満のものを剥離抵抗小、0.1KN/m〜0.3KN/mのものを剥離抵抗中、0.3KN/mを超えるものを剥離抵抗大とした。
0.1KN/m未満のものを剥離抵抗小、0.1KN/m〜0.3KN/mのものを剥離抵抗中、0.3KN/mを超えるものを剥離抵抗大とした。
また、得られた樹脂膜の外観を観察して、剥離性を評価した。評価基準は以下の通りである。
◎:クラックなし。
○:微小なクラックあり。
×:大きなクラックあり。
前記試験によって得られた基材から剥離した樹脂膜について表面自由エネルギーを測定した。
樹脂膜の表面自由エネルギーE3は以下の方法により測定した。
接触角測定装置Drop Master DM- 500 (協和界面科学製)により測定した。すなわち、Younng- Dupreの式γL (1+ cosθ)= 2(γL dγS d) 1/2+ 2(γL pγS p) 1/2 (1)について、ここで両辺を2(γL d)1/2で割ることにより下式のように変形できる。
WLS/2(γL d) 1/2= (γS d)1/2+ (γS p)1/2*(γL p/γL d)1/2 (2)
表面自由エネルギーの分散および極性成分が既知であれば、上式(2)により表面自由エネルギーを求めることができる。液体には純水とジヨードメタン(CH2I2)を使用し、上式(2)を用いて樹脂膜の表面自由エネルギーE3を求めた。
(実施例2)
樹脂ワニスの作成において、エポキシ樹脂として、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル(脂肪族エポキシ樹脂 ナガセケムテックス株式会社製)を用いた以外は実施例1と同様に、樹脂ワニス、基材、樹脂膜を得た。
(実施例3)
<基材の作成>
フィルム基材として、低熱収縮PETフィルム テトロン(R)フィルムSLA−50(帝人デュポンフィルム株式会社製)を用いた。塗布液の主ポリマーにフェニル基をSi原子数に対して0.23当量含有する溶剤型シリコーン(信越化学(株)製:X−62−9201B、不揮発分30%) 8.5g、Me3SiO(−SiH(Me)−O)m−SiMe3で表されるシリコーンを用いた。なお、Meはメチル基を表す。(Gelest社製:HMS−991、粘度約20mPa・s) 0.075g、白金含有触媒(信越化学(株)製:catPL−50T)0. 1gおよびメチルエチルケトン(60g)を攪拌混合し塗布液を得た。前記PETフィルムにバーコータで前記塗布液をコーティングし、熱風乾燥機にて45℃、5分間乾燥した後、超高圧水銀ランプを用いて500mJ/cm2のUV照射により硬化することで、表面処理されたPETフィルムを得た。このPETフィルムを基材B2として使用した。
表面自由エネルギーの分散および極性成分が既知であれば、上式(2)により表面自由エネルギーを求めることができる。液体には純水とジヨードメタン(CH2I2)を使用し、上式(2)を用いて樹脂膜の表面自由エネルギーE3を求めた。
(実施例2)
樹脂ワニスの作成において、エポキシ樹脂として、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル(脂肪族エポキシ樹脂 ナガセケムテックス株式会社製)を用いた以外は実施例1と同様に、樹脂ワニス、基材、樹脂膜を得た。
(実施例3)
<基材の作成>
フィルム基材として、低熱収縮PETフィルム テトロン(R)フィルムSLA−50(帝人デュポンフィルム株式会社製)を用いた。塗布液の主ポリマーにフェニル基をSi原子数に対して0.23当量含有する溶剤型シリコーン(信越化学(株)製:X−62−9201B、不揮発分30%) 8.5g、Me3SiO(−SiH(Me)−O)m−SiMe3で表されるシリコーンを用いた。なお、Meはメチル基を表す。(Gelest社製:HMS−991、粘度約20mPa・s) 0.075g、白金含有触媒(信越化学(株)製:catPL−50T)0. 1gおよびメチルエチルケトン(60g)を攪拌混合し塗布液を得た。前記PETフィルムにバーコータで前記塗布液をコーティングし、熱風乾燥機にて45℃、5分間乾燥した後、超高圧水銀ランプを用いて500mJ/cm2のUV照射により硬化することで、表面処理されたPETフィルムを得た。このPETフィルムを基材B2として使用した。
上記で得られた基材B2を用いた以外は実施例1と同様に、樹脂ワニス、基材、樹脂膜を得た。
(実施例4)
<基材の作成>
フィルム基材として、低熱収縮PETフィルム テトロン(R)フィルムSLA−50(帝人デュポンフィルム株式会社製)を用いた。前記フィルム基材を、真空チャンバー内に設置し、真空チャンバー内を真空ポンプにより0.01Paに減圧した後、アセチレンとテトラメチルシラン(TMS)との混合原料を1:1の流量比において導入して装置内圧力を1Paとして、パルス幅約5μsecの直流単パルス電源により電力を印加してプラズマを発生し、TMSは常温では液体であるため、液体原料の気化システムにより気化した状態において、マスフローコントローラーにより流量の制御を行った。ダイヤモンドライクカーボン膜が20nmのダイヤモンドライクカーボン膜コーティングフィルム基材を得た。このPETフィルムを基材B3として使用した。
(実施例4)
<基材の作成>
フィルム基材として、低熱収縮PETフィルム テトロン(R)フィルムSLA−50(帝人デュポンフィルム株式会社製)を用いた。前記フィルム基材を、真空チャンバー内に設置し、真空チャンバー内を真空ポンプにより0.01Paに減圧した後、アセチレンとテトラメチルシラン(TMS)との混合原料を1:1の流量比において導入して装置内圧力を1Paとして、パルス幅約5μsecの直流単パルス電源により電力を印加してプラズマを発生し、TMSは常温では液体であるため、液体原料の気化システムにより気化した状態において、マスフローコントローラーにより流量の制御を行った。ダイヤモンドライクカーボン膜が20nmのダイヤモンドライクカーボン膜コーティングフィルム基材を得た。このPETフィルムを基材B3として使用した。
上記で得られた基材B3を用いた以外は実施例1と同様に、樹脂ワニス、基材、樹脂膜を得た。
(実施例5)
フィルム基材として、PESフィルム FS−1300(住友ベークライト株式会社製)を用いた。このPESフィルムを基材B4として使用した。基材B4を用いた以外は実施例1と同様に、樹脂ワニス、基材、樹脂膜を得た。
(比較例1)
樹脂ワニスの作成において、エポキシ樹脂として、N,N−ジグリシジル−o−トルイジン(GOT、日本化薬社製)を用いた以外は実施例1と同様に、樹脂ワニス、基材、樹脂膜を得た。
(実施例6)
<微細形状を有する基材の作成>
大きさ6インチ角、厚さ0.25インチの合成石英ガラス基板の一主面上に電子線レジストを厚さ200nmで塗布し、電子線描画し、現像してレジストパターンを形成した後、石英ガラスをCF4ガスでドライエッチングした後、レジストパターンを剥離して、石英ガラスに高さ1μm、幅20μmの凹凸パターンを形成した。オキセタニル基含有シルセスキオキサン化合物OX−SQ−ME20(東亞合成株式会社製)(8.0g)、脂環式エポキシ樹脂セロキサイド2021P(ダイセル化学工業株式会社製)(2.0g)、光酸発生剤オプトマーSP−170(株式会社ADEKA製)(0.3g)およびメチルエチルケトン(90g)を攪拌混合し塗布液を得た。前記石英ガラス基板に、高圧スプレーで前記塗布液をコーティングし、熱風乾燥機にて45℃、5分間乾燥した後、超高圧水銀ランプを用いて500mJ/cm2のUV照射により硬化することで、表面処理された石英ガラスを得た。この石英ガラスを基材B5として使用した。基材B5を用いた以外は実施例1と同様に、樹脂ワニス、基材、樹脂膜を得た。
(実施例5)
フィルム基材として、PESフィルム FS−1300(住友ベークライト株式会社製)を用いた。このPESフィルムを基材B4として使用した。基材B4を用いた以外は実施例1と同様に、樹脂ワニス、基材、樹脂膜を得た。
(比較例1)
樹脂ワニスの作成において、エポキシ樹脂として、N,N−ジグリシジル−o−トルイジン(GOT、日本化薬社製)を用いた以外は実施例1と同様に、樹脂ワニス、基材、樹脂膜を得た。
(実施例6)
<微細形状を有する基材の作成>
大きさ6インチ角、厚さ0.25インチの合成石英ガラス基板の一主面上に電子線レジストを厚さ200nmで塗布し、電子線描画し、現像してレジストパターンを形成した後、石英ガラスをCF4ガスでドライエッチングした後、レジストパターンを剥離して、石英ガラスに高さ1μm、幅20μmの凹凸パターンを形成した。オキセタニル基含有シルセスキオキサン化合物OX−SQ−ME20(東亞合成株式会社製)(8.0g)、脂環式エポキシ樹脂セロキサイド2021P(ダイセル化学工業株式会社製)(2.0g)、光酸発生剤オプトマーSP−170(株式会社ADEKA製)(0.3g)およびメチルエチルケトン(90g)を攪拌混合し塗布液を得た。前記石英ガラス基板に、高圧スプレーで前記塗布液をコーティングし、熱風乾燥機にて45℃、5分間乾燥した後、超高圧水銀ランプを用いて500mJ/cm2のUV照射により硬化することで、表面処理された石英ガラスを得た。この石英ガラスを基材B5として使用した。基材B5を用いた以外は実施例1と同様に、樹脂ワニス、基材、樹脂膜を得た。
得られた樹脂膜を電子顕微鏡で観察し、凹凸パターンが転写されているかを確認した。評価基準は以下の通りである。
◎:微細構造保持。
○:一部、微細構造が崩れている。
×:微細構造が転写されていない。
(実施例7)
樹脂ワニスV21を用いた以外は実施例9と同様に、樹脂ワニス、基材、樹脂膜を得た。
(実施例8)
<微細形状を有する基材の作成>
大きさ6インチ角、厚さ0.25インチの合成石英ガラス基板の一主面上に電子線レジストを厚さ200nmで塗布し、電子線描画し、現像してレジストパターンを形成した後、石英ガラスをCF4ガスでドライエッチングした後、レジストパターンを剥離して、石英ガラスに高さ1μm、幅20μmの凹凸パターンを形成した。塗布液の主ポリマーにフェニル基をSi原子数に対して0.23当量含有する溶剤型シリコーン(信越化学(株)製:X−62−9201B、不揮発分30%) 8.5g、Me3SiO(−SiH(Me)−O)m−SiMe3で表されるシリコーンを用いた。なお、Meはメチル基を表す。(Gelest社製:HMS−991、粘度約20mPa・s) 0.075g、白金含有触媒(信越化学(株)製:catPL−50T)0. 1gおよびメチルエチルケトン(60g)を攪拌混合し塗布液を得た。前記石英ガラス基板に、高圧スプレーで前記塗布液をコーティングし、熱風乾燥機にて45℃、5分間乾燥した後、超高圧水銀ランプを用いて500mJ/cm2のUV照射により硬化することで、表面処理された石英ガラスを得た。この石英ガラスを基材B6として使用した。基材B6を用いた以外は実施例5と同様に、樹脂ワニス、基材、樹脂膜を得た。
(実施例7)
樹脂ワニスV21を用いた以外は実施例9と同様に、樹脂ワニス、基材、樹脂膜を得た。
(実施例8)
<微細形状を有する基材の作成>
大きさ6インチ角、厚さ0.25インチの合成石英ガラス基板の一主面上に電子線レジストを厚さ200nmで塗布し、電子線描画し、現像してレジストパターンを形成した後、石英ガラスをCF4ガスでドライエッチングした後、レジストパターンを剥離して、石英ガラスに高さ1μm、幅20μmの凹凸パターンを形成した。塗布液の主ポリマーにフェニル基をSi原子数に対して0.23当量含有する溶剤型シリコーン(信越化学(株)製:X−62−9201B、不揮発分30%) 8.5g、Me3SiO(−SiH(Me)−O)m−SiMe3で表されるシリコーンを用いた。なお、Meはメチル基を表す。(Gelest社製:HMS−991、粘度約20mPa・s) 0.075g、白金含有触媒(信越化学(株)製:catPL−50T)0. 1gおよびメチルエチルケトン(60g)を攪拌混合し塗布液を得た。前記石英ガラス基板に、高圧スプレーで前記塗布液をコーティングし、熱風乾燥機にて45℃、5分間乾燥した後、超高圧水銀ランプを用いて500mJ/cm2のUV照射により硬化することで、表面処理された石英ガラスを得た。この石英ガラスを基材B6として使用した。基材B6を用いた以外は実施例5と同様に、樹脂ワニス、基材、樹脂膜を得た。
結果を表1、表2に示す。
表2からわかるように、E1≦E2 、E2≦35(mN/m)、E3≦35(mN/m)を満たす実施例6〜8は微細形状を壊すことなく転写することができた。
11 樹脂ワニス
12 樹脂層
13 樹脂膜
14 樹脂膜表面
15 凹部
16 凸部
21 基材
25 樹脂層形成面
26 凸部
27 凹部
12 樹脂層
13 樹脂膜
14 樹脂膜表面
15 凹部
16 凸部
21 基材
25 樹脂層形成面
26 凸部
27 凹部
Claims (8)
- 常温で液状のエポキシ樹脂と光カチオン重合剤とを含有する樹脂ワニスを基材の表面に塗工する第1工程と、光照射して光硬化性樹脂モノマーを硬化し、樹脂層を形成する第2工程と、
基材から前記樹脂層を剥離する第3工程とを有する樹脂膜の製造方法であって、
前記第1工程における、前記樹脂ワニスの表面自由エネルギーをE1、
前記基材の樹脂層形成面の表面自由エネルギーをE2としたとき、
E1≦E2
を満たすことを特徴とする樹脂膜の製造方法。 - 前記第3工程における、前記樹脂膜の前記基材の表面への接合面の表面自由エネルギーをE3としたとき、
E2≦35(mN/m)、および、
E3≦35(mN/m)、
を満たす請求項1に記載の樹脂膜の製造方法。 - 前記常温で液状のエポキシ樹脂が、脂環式エポキシ樹脂である請求項1または2に記載の樹脂膜の製造方法。
- 前記光カチオン重合剤が、スルホニウム塩系光カチオン重合剤である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の樹脂膜の製造方法。
- 前記基材が、シリコーン系樹脂を含む材料で構成されている請求項1ないし4のいずれか1項に記載の樹脂膜の製造方法。
- 前記基材が、シルセスキオキサン系樹脂を含む材料で構成されている請求項1ないし5のいずれか1項に記載の樹脂膜の製造方法。
- 前記基材の樹脂層形成面の表面粗さRaが0.001〜0.1μmであることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の樹脂膜の製造方法。
- 前記基材の樹脂層形成面の表面に凹もしくは凸のパターンがあり、前記第3工程において、前記樹脂層を剥離した際に、前記凹もしくは凸のパターンが転写されることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の樹脂膜の製造方法。
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2014
- 2014-08-19 JP JP2014166335A patent/JP2016041790A/ja active Pending
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