JP2016041557A - 船舶 - Google Patents

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Abstract

【課題】船舶の復原性を有効に確保する。
【解決手段】船舶1は、左右舷側の側壁3A,3B、船底4、および船底4の上方に設けられた乾舷甲板5を有した船体2と、船体2内において乾舷甲板5の下方に設けられ、内部空間Siを形成する空間形成部6と、下側の開口部10aが内部空間Siに配置されるとともに、上側の開口部10bが乾舷甲板5よりもさらに上方の外部空間Soに配置され、内部空間Siと外部空間Soとを連通する連通管10と、連通管10内に設けられて、内部空間Siと外部空間Soとを連通可能及び連通不能に切り替える切替部20と、を備える。
【選択図】図2

Description

この発明は、船舶に関する。
フェリー、RORO(Roll−on/Roll−off船)、PCTC(Pure Car & Truck Carrier)等の船舶では、2009年SOLAS条約改正により、損傷時安全性レベルの強化が図られ、損傷時の復原性能を確保する対策が必要となっている。
船体損傷時に船舶の復原性を確保する方法として、損傷により船体内に浸水した海水を二重底下部の空間に導入することで重心を下げるものがある。
特許文献1に開示された船舶は、船体の側壁に損傷を受けた場合に、乾舷甲板の上面に浸水した水を二重底下部の空間であるボイドスペースへ流入させる海水案内管を備えている。この船舶は、船体の二重底上甲板からその上方の乾舷甲板までの間に、浸水抑制水密区画を備えている。海水案内管は、海水導入口が乾舷甲板の上面よりも上に配置され、浸水抑制水密区画を貫通するとともに、ボイドスペースに連通している。
このような構成によれば、側壁が損傷を受け、浸水抑制水密区画が浸水しても、乾舷甲板上に浸水した水は、海水案内管を通じてボイドスペースに流れる。ボイドスペースに流入した水は、船舶の重心を下げて、船舶の復原性を高める。
特開2014−008804号公報
上述したボイドスペースに水を導入して重心を下げ復原性を高める手法は、上部に膨大な予備浮力を有している船舶においては有効である。しかし、予備浮力が大きくない船舶にあっては、浸水によってかえって復原性が低下してしまう場合もある。
船舶には、上記の海水導入口とは別に、船体内に設けられた燃料タンク、バラストタンク、清水タンク、パイプダクト、汚物処理スペース、フィンスタビライザスペース、機器室、および、空所等の内部空間と、この内部空間の外部とを連通し、内部空間内の空気を外部に排出する空気抜き管が設けられている。
このような空気抜き管は、その上側の開口部が、乾舷甲板の上方かつ舷側に配置されることが多い。一般に、空気抜き管は、船体の前後方向に複数配置されている。
このような構成を備えた船舶においては、船体が傾いて、乾舷甲板上に浸水した海水が空気抜き管の上端の開口部に到達すると、複数の空気抜き管を通して海水が一気に複数の内部空間に流れ込む。
また、船体が損傷した際に空気抜き管が損傷すると、空気抜き管の破損部から海水が内部空間に流れ込む。このような状態では、船体は残在復原力を確保しにくくなる可能性がある。
この発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、船舶の復原性を有効に確保することができる船舶を提供することを目的とする。
この発明の第一態様によれば、船舶は、左右舷側の側壁、船底、および前記船底の上方に設けられた乾舷甲板を有した船体と、前記船体内において前記乾舷甲板の下方に設けられ、内部空間を形成する空間形成部と、下側の開口部が前記内部空間に配置されるとともに、上側の開口部が前記乾舷甲板よりもさらに上方の外部空間に配置され、前記内部空間と前記外部空間とを連通する連通管と、前記連通管に設けられて前記内部空間と前記外部空間とを連通させる開放状態と、前記内部空間と前記外部空間とを連通不能とする閉塞状態との間で切り替え可能な切替部と、を備える。
このように、船体内の乾舷甲板の下方に設けられた内部空間と、乾舷甲板の上方の外部空間とを連通する連通管に設けられた切替部を閉塞状態として内部空間と外部空間とを連通不能にすることによって、乾舷甲板上の外部空間側から空間形成部の内部空間に水が浸入することを抑制できる。したがって、船体の損傷等によって船舶が傾いて例えば乾舷甲板よりも上方に配される連通管の開口が水没したとしても、連通管を通して船体内の内部空間に水が浸入することを抑制して、船舶の復原性が損なわれることを低減できる。
この発明の第二態様によれば、船舶は、第一態様における前記連通管が、前記内部空間内の空気を前記外部空間に排出する空気抜き管、および、前記外部空間と前記内部空間との間で空気を循環させる循環配管の少なくとも一方であってもよい。
このように構成することで、船舶が傾いた場合に、空間形成部の内部空間内の空気を外部空間に排出する空気抜き管や、外部空間と内部空間との間で空気を循環させる循環配管を介して船体内の内部空間に水が浸入することを抑制できる。その結果、船舶が傾くことを有効に抑制できる。
この発明の第三態様によれば、船舶は、第一又は第二態様の前記切替部を開閉駆動するアクチュエータと、前記アクチュエータを動作させるコントローラと、をさらに備えていてもよい。
このように構成することで、切替部を手動で操作しなくても、コントローラでアクチュエータを動作させることによって切替部を遠隔操作により開閉させたり、自動で開閉させたりすることができる。手動で開閉する場合、切替部がある場所まで作業者が移動する必要があるが、切替部を遠隔操作や自動で行うことによって、切替部までの作業者の移動時間を省き、切替部を迅速に開閉することができる。
この発明の第四態様によれば、船舶は、第三態様において、前記船体の傾きまたは前記乾舷甲板上への浸水を検出するセンサを備え、前記コントローラは、前記船体の傾きまたは前記乾舷甲板上への浸水が予め定めた閾値を超えたときに、前記アクチュエータを動作させて前記切替部を閉じるようにしてもよい。
このように構成することで、センサの検出結果に基づいて、切替部を自動的に閉塞し、船舶の傾きを有効に抑えることができる。
この発明に係る船舶によれば、船体内の空間形成部の内部空間への浸水を防ぎ、損傷時の浸水量を抑えることで、浸水後の船体の傾きや沈水を緩和することができ、損傷後における船舶の復原性を有効に確保することが可能となる。
この発明の第一実施形態に係る船舶の概略構成を示す図であって、船首尾方向に直交する断面図である。 上記船舶が傾いた状態における図1に相当する断面図である。 上記船舶の第二実施形態における船舶の図1に相当する断面図である。 上記船舶の第三実施形態における船舶の図1に相当する断面図である。 上記第一から第三実施形態の第一変形例における船舶の図1に相当する断面図である。 上記第一から第三実施形態の第二変形例における船舶の図1に相当する断面図である。 上記第一から第三実施形態の第三変形例における船舶の図1に相当する断面図である。 上記第一から第三実施形態の第四変形例における船舶の図1に相当する断面図である。 上記第一から第三実施形態の第五変形例における船舶の図1に相当する断面図である。 上記第一から第三実施形態の第六変形例における船舶の図1に相当する断面図である。
以下、この発明の一実施形態に係る船舶を図面に基づき説明する。
(第一実施形態)
図1は、この実施形態の船舶の概略構成を示す図であって、船首尾方向に直交する断面図である。図2は、上記船舶が傾いた状態における図1に相当する断面図である。
図1に示すように、この実施形態の船舶1は、船体2と、空間形成部6と、空気抜き管(連通管)10と、を備えている。船舶1の船種は特定のものに限られず、例えばフェリー、RORO船(Roll−on/Roll−off船)、PCTC(Pure Car & Truck Carrier)等、種々の船種を採用できる。
船体2は、側壁3A,3Bと、船底4と、を有している。側壁3A,3Bは、左右舷側をそれぞれ形成する一対の船側外板からなる。船底4は、これら側壁3A,3Bを接続する船底外板からなる。船体2は、これら一対の側壁3A,3B及び船底4により船首尾方向に直交する断面形状がU字状に形成されている。
この船体2の内部には、水平方向に延びる乾舷甲板5が設けられている。乾舷甲板5とは、一般に最下層の全通甲板である。この乾舷甲板5は、例えば船舶1がRORO船の場合、車両の乗り込み甲板となる。この船体2の内部には、この乾舷甲板5以外にも、乾舷甲板5の上下に種々の甲板が設けられている。
船体2は、乾舷甲板5の下方に、乾舷甲板5と船底4との間で2重底となる二重底上甲板7を備えている。この二重底上甲板7と、船底4の上面4fとの間に、空間形成部6が形成されている。
空間形成部6は、船体2の内部の船底4側、すなわち、乾舷甲板5よりも下方の部位であって、かつ、船底4に近接した位置に設けられている。この空間形成部6は、その内側に内部空間Siを形成している。この空間形成部6は、例えば、燃料を貯蔵するための燃料タンク、バラスト水を収容するためのバラストタンク、清水を収容するための清水タンク、汚物を貯蔵するための汚物処理スペース、パイプを通すためのパイプダクト、あるいはスタビライザー室、機器等を収める機器室、空所等として用いることができる。すなわち、空間形成部6は、船体2内部の船底4側に内部空間Siを形成し得る構成ならばいかなるものであってもよい。つまり、既存の船舶1に存在する内部空間Siを形成し得るいかなる構成も空間形成部6とすることができ、また、船舶1に新たに内部空間Siを形成するための部材として別途空間形成部6を設けることもできる。
この実施形態において、空間形成部6は、船体2の幅方向に間隔をあけて設けられた2つの仕切壁6V,6Wによって、複数の空間形成部6A,6B,6Cに区画されている。
船体2は、乾舷甲板5と、二重底上甲板7との間に、隔壁8A,8Bを更に備えている。隔壁8Aは、船体2の左舷側の側壁3Aに対し、船体2の幅方向内側に間隔をあけて、側壁3Aに沿って設けられている。同様に、隔壁8Bは、船体2の右舷側の側壁3Bに対し、船体2の幅方向内側に間隔をあけて、側壁3Bに沿って設けられている。
船体2は、乾舷甲板5と、二重底上甲板7と、左舷側の側壁3Aと、隔壁8Aとに囲まれた水密区画9Aを備えている。また、船体2は、乾舷甲板5と、二重底上甲板7と、右舷側の側壁3Bと、隔壁8Bとに囲まれた水密区画9Bを備えている。これらの水密区画9A,9Bは、船体2の前後方向に間隔をあけて設けられた複数の隔壁(図示無し)によって仕切られることで、船体2の前後方向に複数並んで形成されている。
これら水密区画9A,9Bは、ボイドスペース、燃料タンク、バラストタンク、清水タンク、機器室、倉庫、空所、または貨物室等として利用できる。
この実施形態における空気抜き管10は、上下方向に延びる中空の円管状に形成されている。この空気抜き管10は、空間形成部6A,6Bの各内部空間Siと、空間形成部6の外部に位置する外部空間Soとを連通させている。これら空気抜き管10は、水密区画9A,9Bを上下方向に貫通している。
空気抜き管10は、その下側の開口端部(開口部)10aが、左舷側の空間形成部6Aと右舷側の空間形成部6Bとの各内部空間Siにそれぞれ配されている。そのため、空間形成部6A,6B内の内部空間Siと空気抜き管10の内側の中空部分とはそれぞれ連通されている。一方で、空気抜き管10は、その上側の開口端部(開口部)10bが、それぞれ乾舷甲板5よりも上方の外部空間Soに配されている。そのため、空間形成部6A,6B内の内部空間Siと空気抜き管10の内側の中空部分とはそれぞれ連通されている。つまり、空間形成部6A,6B内の内部空間Siと乾舷甲板5よりも上方の外部空間Soとは、空気抜き管10の中空部分を介して連通される。
ここで、上述した空気抜き管10は、例えば空間形成部6A,6Bが燃料タンク、バラストタンク、清水タンク等であり、内部空間Siに収容物が導入される場合には、収容物の導入に伴って内部空間Siの空気を外部空間Soに排出する役割を有している。また、上述した空気抜き管10は、空間形成部6A,6Bが、例えばパイプダクト、汚物処理スペース、空所等である場合には、これら内部空間Siと外部空間Soとの間で空気を循環させるための循環配管としての役割を有している。
空気抜き管10は、その開口端部10aに、空気抜き管10の開口端部10aを開閉する開閉蓋(切替部)20を備えている。
この実施形態における開閉蓋20は、手動による開閉操作が可能となっている。
この実施形態に係る船舶1は、上述した構成を備えている。次に、この船舶1の作用について説明する。
図1に示すように、船舶1が損傷を受けていない通常航行時においては、乾舷甲板5よりも上方に開口する空気抜き管10の上側の開口端部10bから海水(液体)が導入されることはない。この場合、空気抜き管10は、必要に応じて空気が流れる配管として機能する。
一方で、図2に示すように、例えば船体2の側壁3Aが損傷を受けて、水密区画9Aや水密区画9Bが浸水する場合がある。ここで、図2においては、水密区画9A(図2中、網掛けで示す)が浸水した場合を例示している。この場合、船体2が傾き、空気抜き管10の上側の開口端部10bが水面(吃水線)Wfよりも下方に沈み込むことが想定される。
このように、開口端部10bが水没した場合、および、開口端部10bが水没しそうな場合、空気抜き管10の下側の開口端部10aに設けられた開閉蓋20を、乗員によって閉塞する。これにより、空気抜き管10を通じて、空間形成部6Aの内部空間Siに水が流入することが規制される。
したがって、上述した第一実施形態の船舶1によれば、開閉蓋20を閉じ、内部空間Siと外部空間Soとを連通不能にすることが可能なため、船体2の損傷等によって船舶1が傾いたときに、空気抜き管10を通して船体2内の内部空間Siに水が浸入することを低減できる。その結果、船舶1の復原性が損なわれることを抑制して船舶1の復原性を有効に確保し、船舶1の安全レベルを高めることが可能となる。
また、空気抜き管10は、通常時においては、内部空間Si内の空気を外部空間Soに排出したり、内部空間Si内と外部空間Soとで空気を循環したりしつつ、船舶1が傾いた場合には、この空気抜き管10を介した浸水を規制し、船舶1の傾きや沈水を抑制できる。
また、空気抜き管10に開閉蓋20を設けるだけでよいため、構造が複雑化することを抑えつつ上記作用効果を奏することができる。
さらに、開閉蓋20を設けることで、空気抜き管10への浸水防止のために上側の開口端部10bを乾舷甲板5に対して上方に大きく離して設置する必要がない。つまり、開閉蓋20を備えた空気抜き管10の上側の開口端部10bを、乾舷甲板5に近づけることができる。これにより、船舶1の重心を低くすることができる。これによっても、船舶1の復原性を高め、損傷時における船舶1の安全レベルを向上させることができる。
(第二実施形態)
次に、この発明にかかる船舶の第二実施形態について説明する。以下に説明する第二実施形態においては、第一実施形態と基本的な構成は共通であるので、第一実施形態と同一部分に同一符号を付して説明するとともに、重複説明を省略する。
図3は、上記船舶の第二実施形態における船舶の図1に相当する断面図である。
断面図である。
図3に示すように、この実施形態における船舶は、開閉蓋20を自動開閉する構成となっている。このため、船舶1は、上記第一実施形態と同様の構成に加え、アクチュエータ21と、コントローラ22と、を備えている。
アクチュエータ21は、油圧シリンダ、電動モータ等からなり、開閉蓋20を開閉動作させる。
コントローラ22は、船舶1の例えば操舵室等に設けられている。コントローラ22において、操縦者がスイッチを操作する等、所定の操作を行うことで、アクチュエータ21を作動させ、開閉蓋20を開閉動作させる。
したがって、上述した第二実施形態の船舶によれば、上記第一実施形態と同様、空気抜き管10に設けた開閉蓋20を閉じることによって空間形成部6Aの内部空間Siが浸水することを防ぐことができる。その結果、船舶1の復原力を確保し、船舶1の傾きや沈水を抑えることが可能となるため、船舶1の安全レベルを高めることが可能となる。
さらに、船舶1は、開閉蓋20を手動で操作しなくても、コントローラ22でアクチュエータ21を動作させることによって開閉蓋20を遠隔操作により開閉させることができる。手動で開閉する場合、開閉蓋20まで作業者が移動する必要があるが、上記構成では、開閉蓋20を遠隔操作することができるので、開閉蓋20までの作業者の移動時間を省き、開閉蓋20を迅速に開閉することができる。その結果、船舶1の傾きや沈水を、より確実に抑えることが可能となる。
上記実施形態において、開閉蓋20を、アクチュエータ21およびコントローラ22によって開閉操作するようにしたが、少なくとも開閉蓋20を閉じるようにすれば良い。したがって、閉じた開閉蓋20を開くときには、作業員が手作業で開くようにしても良い。
(第三実施形態)
次に、この発明にかかる第三実施形態について説明する。以下に説明する第三実施形態においては、第一および第二実施形態と基本的な構成が共通であるので、第一実施形態と同一部分に同一符号を付して説明するとともに、重複説明を省略する。
図4は、この発明の第三実施形態における船舶の図1に相当する断面図である。
断面図である。
図4に示すように、この実施形態の船舶1は、開閉蓋20を、船舶1の傾きなどに応じて自動的に開閉する構成となっている。このため、船舶1は、上記第二実施形態で示した構成に加え、センサ25と、コントローラ26と、を備える。
センサ25は、船体2の傾きまたは乾舷甲板5上への浸水を検出する。センサ25としては、船舶1の傾斜量を検出する傾斜センサ、船体2内への漏水の有無を検出する漏水センサ、乾舷甲板5上に溜まった水のレベルを検出するレベルセンサなどを用いることができる。センサ25が傾斜センサの場合、船体2の横方向の傾斜角度であるヒール角、および船体2の縦方向(前後方向)の傾斜角度であるトリム角のうち、少なくともヒール角を検出する。
コントローラ26は、センサ25から出力される検出値に基づいてアクチュエータ21を作動させて開閉蓋20を開閉動作させる。このコントローラ26は、検出値記憶部26aと、閾値記憶部26bと、判断部26cと、指令部26dと、を備えている。
検出値記憶部26aは、センサ25から出力される検出値を記憶する。
閾値記憶部26bは、予め設定された上記検出値の閾値を記憶する。
判断部26cは、センサ25から出力される検出値と、閾値記憶部26bに記憶された閾値とを比較する。判断部26cは、比較の結果、検出値が閾値を超えた場合、開閉蓋20を閉塞させることを決定し、指令部26dに所定の信号を出力する。
指令部26dは、判断部26cから所定の信号が入力された場合、アクチュエータ21に作動指令を出力してアクチュエータ21を作動させ、開閉蓋20を閉じる。
また、判断部26cは、船舶1が傾斜状態から復原し、センサ25からの検出値が予め定めた閾値を下回った場合に、開閉蓋20の開放を決定することもできる。この場合、判断部26cは指令部26dに所定の信号を出力する。指令部26dは、アクチュエータ21を作動させ、開閉蓋20を開く。
ここで、開閉蓋20を閉塞する閾値と、開閉蓋20を開放する閾値とは、互いに異なる値に設定してもよい。
したがって、上述した第三実施形態の船舶1によれば、上記第一実施形態と同様、空気抜き管10に設けた開閉蓋20を閉塞ことによって空間形成部6Aの内部空間Siが浸水することを低減し、船舶1の復原力を確保し、船舶1の傾きを抑えることが可能となる。その結果、船舶1の安全レベルをさらに高めることが可能となる。
さらに、センサ25で検出した船体2の傾斜量、漏水の有無、乾舷甲板5上の水のレベル等から、コントローラ26で乾舷甲板5上への浸水を検出し、その結果に応じて開閉蓋20を自動で開閉制御することができるため、開閉蓋20を開閉するタイミングを、予め定めた閾値によって適切に制御することができる。さらに、開閉蓋20の設置場所まで作業者が赴くことなく、迅速に開閉蓋20を開くことができる。その結果、船舶1の傾きや沈水を、より確実に抑えることが可能となる。
上記第三実施形態では、開閉蓋20を自動的に開くようにしたが、この構成に限られない。船舶1が傾斜して開閉蓋20を閉じた後は、様々な点検等を行った後に、手動で開閉蓋を開くようにしてもよい。
(第一から第三実施形態の変形例)
上記第一から第三実施形態では、開閉蓋20を空気抜き管10の下側の開口端部10aに設けたが、これに限らない。以下に、その変形例を示す。
(第一変形例)
図5は、上記第一から第三実施形態の第一変形例における船舶の図1に相当する断面図である。
図5に示すように、開閉蓋20は、空気抜き管10の上側の開口端部10bに設けても良い。
このような構成においても、上記第一から第三実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
(第二変形例)
図6は、上記第一から第三実施形態の第二変形例における船舶の図1に相当する断面図である。
この図6に示すように、開閉蓋20に代えて、開閉バルブ40を空気抜き管10の下側の開口端部10aに設けてもよい。
このような構成によれば、船体2が傾いたときに開閉バルブ40を閉じることによって、上記第一から第三実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
また、開閉バルブ40を設けることによって、開閉蓋20のように単に開放状態と閉塞状態とを切り替えるのみならず、開閉バルブ40においては、その開度調整を行うことも可能である。
(第三変形例)
図7は、上記第一から第三実施形態の第三変形例における船舶の図1に相当する断面図である。
この図7に示すように、開閉バルブ40は、空気抜き管10の上側の開口端部10bに設けてもよい。
このような構成においても、上記第二変形例と同様の作用効果を得ることができる。
(第四変形例)
図8は、上記第一から第三実施形態の第四変形例における船舶の図1に相当する断面図である。
この図8に示すように、開閉バルブ40は、空気抜き管10の中間部であって、水密区画9A内に配置するようにしてもよい。
(第五変形例)
図9は、上記第一から第三実施形態の第五変形例における船舶の図1に相当する断面図である。
この図9に示すように、空気抜き管10の下側の開口端部10aは、左舷側の空間形成部6Aではなく、船体2の幅方向中間部の空間形成部6Cに連通するよう設けてもよい。
この場合、図9においては、開閉蓋20を空気抜き管10の下側の開口端部10bに設けるようにしたが、これに限られない。例えば、上記第一変形例から第四変形例と同様、開閉蓋20を空気抜き管10の上側の開口端部10bに設けたり、開閉蓋20を開閉バルブ40に代え、空気抜き管10の上側の開口端部10b、下側の開口端部10a、中間部の水密区画9A内に設けたりしてもよい。
(第六変形例)
図10は、上記第一から第三実施形態の第六変形例における船舶の図1に相当する断面図である。
この図10に示すように、空気抜き管10の下側の開口端部10aは、左舷側の空間形成部6Aではなく、船体2の二重底上甲板7と、隔壁8A,8Bとに囲まれた空間内に設けられた、タンク(空間形成部)50の内部空間Si内に連通するよう設けてもよい。
この場合、図10においては、開閉蓋20を空気抜き管10の下側の開口端部10aに設けるようにした。しかし、これに限らず、上記第一変形例から第四変形例と同様、開閉蓋20を空気抜き管10の上側の開口端部10bに設けたり、開閉蓋20を開閉バルブ40に代え、空気抜き管10の上側の開口端部10b、下側の開口端部10a、中間部の水密区画9A内に設けたりしてもよい。
(その他の変形例)
この発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、実施形態で挙げた具体的な形状や構成等は一例にすぎず、適宜変更が可能である。
例えば、上記第一から第六変形例において、図3に示したように、開閉蓋20や開閉バルブ40を、アクチュエータ21およびコントローラ22によって開閉駆動してもよい。また、図4に示すように、開閉蓋20や開閉バルブ40を、アクチュエータ21、センサ25、コントローラ26によって、センサ25の検出結果に基づいて開閉制御してもよい。
1 船舶
2 船体
3A,3B 側壁
4 船底
4f 上面
5 乾舷甲板
6、6A、6B、6C 空間形成部
6V,6W 仕切壁
7 二重底上甲板
8A,8B 隔壁
9A,9B 水密区画
10 空気抜き管(連通管)
10a 開口端部(開口部)
10b 開口端部(開口部)
20 開閉蓋(切替部)
21 アクチュエータ
22 コントローラ
25 センサ
26 コントローラ
26a 検出値記憶部
26b 閾値記憶部
26c 判断部
26d 指令部
40 開閉バルブ
50 タンク(空間形成部)
Si 内部空間
So 外部空間
Wf 水面(吃水線)

Claims (4)

  1. 左右舷側の側壁、船底、および前記船底の上方に設けられた乾舷甲板を有した船体と、
    前記船体内において前記乾舷甲板の下方に設けられ、内部空間を形成する空間形成部と、
    下側の開口部が前記内部空間に配置されるとともに、上側の開口部が前記乾舷甲板よりもさらに上方の外部空間に配置され、前記内部空間と前記外部空間とを連通する連通管と、
    前記連通管に設けられて前記内部空間と前記外部空間とを連通させる開放状態と、前記内部空間と前記外部空間とを連通不能とする閉塞状態との間で切り替え可能な切替部と、を備える船舶。
  2. 前記連通管は、
    前記内部空間内の空気を前記外部空間に排出する空気抜き管、および、前記外部空間と前記内部空間との間で空気を循環させる循環配管の少なくとも一方である請求項1に記載の船舶。
  3. 前記切替部を開閉駆動するアクチュエータと、
    前記アクチュエータを動作させるコントローラと、
    をさらに備える請求項1または2に記載の船舶。
  4. 前記船体の傾きまたは前記乾舷甲板上への浸水を検出するセンサを備え、
    前記コントローラは、前記船体の傾きまたは前記乾舷甲板上への浸水が予め定めた閾値を超えたときに、前記アクチュエータを動作させて前記切替部を閉じる請求項3に記載の船舶。
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