(パチンコ機の構成)
図1に示されるように、パチンコ機10の前面下部には、化粧パネルとなる下飾り12が取り付けられている。
また、パチンコ機10の下飾り12の上部には、ガラス板14を装着したガラス枠16が配置されており、ガラス枠16は左側端部が軸支されて開閉可能に取り付けられている。このガラス枠16の奥側には、着脱交換可能な遊技盤18がセットされており、遊技盤18は、ガラス枠16で閉塞された状態でガラス板14に対向するようになっている。
ガラス枠16の下部には、一体皿24が配置されている。一体皿24の図1の右端部には、鍵穴27が設けられている。
一体皿24には、上皿部28U、下皿部28Dが設けられている。上皿部28Uの周縁壁部32における図1の右端部には、球貸ボタン42と、返却ボタン44が設けられている。
また、上皿部28Uの周縁壁部32の左右方向中央部には、遊技者が押圧操作及び、又は回転操作可能な操作部50が設けられている。この操作部50は、遊技中において、操作有効期間中に操作することで、演出(画像表示、機構動作)に対して介入することができるようになっており、それぞれの遊技仕様によって設定される。
一方、下皿部28Dには、球抜きボタン36が設けられ、この球抜きボタン36を操作することで、下皿部28Dに貯留された遊技球を外部(例えば、所謂「ドル箱」)へ排出することができるようになっている。
また、一体皿24の右側下部には打球の発射力(飛距離)を調整するためのグリップユニット26(「(発射ハンドル26」という場合がある)が取り付けられている。
一体皿24における下皿部28Dの図1の左側には低音用のスピーカ60Uが配置されている。また、ガラス枠16の上部角部には、中高音用のガラス枠スピーカ60L、60Rが内蔵されている。なお、スピーカ60L、60R、60Uを総称して、スピーカ60という場合がある。スピーカ60は、例えば、照明演出に同期して、聴覚を通じた演出(音楽、音声、効果音の出力)を実行する。
(遊技盤の構成)
図2に示される遊技盤18は、基板となるベニヤ板に樹脂製シート状のセルが貼着されてそのセルの表面が盤面となっている。なお、透明のアクリル板の前面側もしくは裏面側にセルが貼着されたセット板が重ねられる場合もある。
遊技盤18は、その盤面の外周端部付近に、円弧状の外レール102及び内レール104が取り付けられている。これらの外レール102及び内レール104によって囲まれた円形状の領域は、発射装置165(図4参照)から発射されて打ち込まれた遊技球PBが自重落下により移動可能とされ、この領域が遊技を行う遊技領域とされている。
遊技盤18の遊技領域には、釘19及び風車21が点在して打ち込まれている。また、遊技領域におけるほぼ中央には、センター役物105(役物装置)が配置されている。ここで、遊技盤18において、センター役物105の周囲の遊技盤面が通常遊技領域18Aとされ、センター役物105の内側の領域は、この通常遊技領域18Aとは区画された特定遊技部105Aとなる。センター役物105には一部に入賞流入口110が形成され、開閉部材としての羽根部材112が取り付けられ、この羽根部材112が開放しているときにかぎり、通常遊技領域18Aにある遊技球PBを特定遊技部105Aへ入賞させることが可能となっている。なお、センター役物105の構造については、後述する。
センター役物105の下部には、入賞役物装置116が設けられている。
入賞役物装置116には、その中央にセンター特定入賞口118Cが設けられ、その左右に一対のサイド特定入賞口118L、118Rが設けられている。なお、センター特定入賞口118C、サイド特定入賞口118L、118Rを総称する場合、単に、特定入賞口118という。
また、センター役物105並びに入賞役物装置116の左右には、それぞれ一般入賞口114(合計4個の一般入賞口114)が設けられている。ここで、一般入賞口114はそれぞれ入賞すると、所定数(例えば、10〜15球)の賞球払い出しが実行されるようになっている。なお、一般入賞口114の配置数、賞球数は、遊技仕様や出玉率によって変更する場合がある。
一方、特定入賞口118は、それぞれ入賞すると、所定数(1〜5球)の賞球払い出しが実行されると共に、前記羽根部材112を所定期間開放する契機となる。
また、遊技盤18の通常遊技領域18Aの最下位置には、何れの入賞口にも入賞しない球を遊技盤18の裏側へ排出するアウト口123が設けられている。
(センター役物105)
図3に示される如く、本実施の形態に係るセンター役物105は、左右対称形状とされ、その左右には、それぞれ縦壁部122が形成され、前記遊技盤18の通常遊技領域18A(図2参照)とは区画されている。また、センター役物105の天井部は、本発明の表示装置の一例である電飾装置124が取り付けられている。この電飾装置124では、遊技の進行に応じた情報を報知したり、遊技者に期待感を持たせるための視覚を通じた演出を実行するようになっている。なお、電飾装置124の詳細な構成については、後述する。
一対の縦壁部122の上端部と、前記電飾装置124との間は開口しており、センター役物105内の特定遊技部105Aへの一対の入賞流入口110とされている。
一対の縦壁部122の上端部には、羽根部材112が回転軸112Aを介して、回転可能に取り付けられている。回転軸112Aは、羽根部材ソレノイド112SL(図4参照)がリンク機構(図示省略)を介して取り付けられている。
羽根部材112は、羽根部材ソレノイド112SLへの励磁制御によって、回転軸112Aを中心に回転される。例えば、羽根部材ソレノイド112SLが非励磁の場合は縦位置(図3の実線参照)となり、励磁の場合は横位置(図3の想像線参照)となる。
一対の羽根部材112は、前記センター特定入賞口118C、サイド特定入賞口118L、118R(図2参照)に遊技球PBが入賞すると開放するようになっている。一例として、遊技球PBが、一対のサイド特定入賞口118L、118Rの何れかに入賞すると、羽根部材112が1回、所定時間(約0.5秒〜1.0秒間)開放するように羽根部材ソレノイド112SLを駆動制御する。また、遊技球PBがセンター特定入賞口118Cに入賞すると、羽根部材112が2回、所定時間(約0.5秒〜1.0秒間)開放するように羽根部材ソレノイド112SLを駆動制御する。
前記1対の羽根部材112の開放中に、左右の何れかの入賞流入口110から入賞した遊技球PBは、中間ステージ部130へ案内されるようになっている。
中間ステージ部130は、落下面が奥側にいくに従い低位となる傾斜面に形成され、遊技球PBは、中間ステージ部130の奥側に転動するようになっている。
また、中間ステージ部130の奥側における幅方向中央部には、円筒部材132が配置されている。円筒部材132は、円筒部材モータ132M(図4参照)の駆動力により、円筒軸を中心に回転可能となっている。
また、前記中間ステージ部130の奥側における、前記円筒部材132が配置された幅方向中央部以外は、堰き止め壁134が配置されている。堰き止め壁134は、堰き止め壁ソレノイド134SL(図4参照)のアクチュエータに連結され、堰き止め壁ソレノイド134SLの通電、非通電(励磁、非励磁)によって、堰き止め位置又は堰き止め解除位置の少なくとも2位置に移動可能となっている。
前記円筒部材132は、その上端部は半球状に形成され、下端部は前記中間ステージ部130を突き抜けて、当該中間ステージ部130よりも下方に設けられたV入賞案内ステージ部136にまで至っている。
円筒部材132は、その周面の一部に貫通孔132Aが設けられている。貫通孔132Aの上端は、前記中間ステージ部130の遊技球転動面よりも高く、貫通孔132Aの下端は、前記V入賞案内ステージ部136の遊技球転動面に配置されている。
V入賞案内ステージ部136は、奥側から手前側にいくに従い低位となる傾斜面に形成されている。V入賞案内ステージ部136の手前側は、複数の受入口が設けられ、その中央がV入賞口138、それ以外が外れ口140とされている。V入賞口138、外れ口140に連通する流路には、それぞれ別々の球検出センサ138S、140S(図4参照)が設けられている。
ここで、通常状態では、前記堰き止め壁134が堰き止め解除状態となっており、羽根部材112の開放によって前記中間ステージ部130に案内された遊技球PBは、そのほとんどが、円筒部材132の両側から外れ口140へと誘導される。また、円筒部材132の貫通孔132Aを通過した遊技球PBは、中間ステージ部130の奥側からV入賞案内ステージ部136へ落下し、予め設定した確率の下(遊技球PBの動向が加味されて)、V入賞口138へ至るか、外れ口140へ至るかの何れかの結果となる。
ここで、V入賞口138に到達すると大当たりとなり、大役処理が実行される。大役処理とは、前記羽根部材112を通常遊技状態よりも長い期間(開放時間×開放回数)開放する動作を1ラウンドとして、その後のセンター役物105内での遊技球の動向によって、予め定められた最大ラウンドを限度として、複数ラウンド繰り返す(ラウンド更新する)遊技を言う。ラウンド更新は、当該ラウンド中における入賞口138への入賞である。
大役処理中は、前記堰き止め壁134が堰き止め位置にあり、中間ステージ部130には、多くの遊技球PBが貯留されることになる。この遊技球PBの貯留量が所定量を超えると、前記円筒部材132の前方まで遊技球PBが貯留されてくることになる。このとき、貯留されてきた遊技球PBが、貫通孔132Aまで到達すると、遊技球PBは、貫通孔132Aから円筒部材132の内方へ入り、V入賞案内ステージ部136に落下する。
貫通孔132Aは、V入賞ステージ部136の幅方向中央部に位置するため、この遊技球PBは、V入賞案内ステージ部136の傾斜に従って手前側に転動して、V入賞口138に到達し易くなっている。
この結果、遊技球PBを貯留するという遊技者介入によって、ラウンド更新を得るとことになる(自力継続タイプ)。なお、前記堰き止め壁134は、ラウンド更新が決定する、あるいは所定時間が経過すると、堰き止め解除状態となる。
なお、遊技仕様は一例であり、上記自力継続タイプに限らず、予め定められたラウンド数が確約されたタイプ(規定ラウンドタイプ)であってもよい。
また、本実施の形態の電飾装置124は、上記で示した遊技仕様とは異なる種類の遊技仕様であっても適用可能である。その他の遊技仕様の一例としては、始動入賞口に遊技球が入賞することで、内部的に特別図柄抽選が実行され、当該特別図柄抽選の結果を報知する共に、特別図柄抽選の結果が大当たりの場合に、通常は閉鎖されている大入賞口を所定時間、所定回数開放する遊技仕様が挙げられる。
(制御系の構成)
次に、図4を用いてパチンコ機10の制御系について説明する。
本実施形態に係るパチンコ機10の制御系は、図4に示されるように、主制御部150を中心として構成されており、この主制御部150には、演出制御部152と払出制御部154とが接続されている。主制御部150には、遊技に関する基本的なプログラムが記憶されており、この主制御部150からの命令信号に基づいて、各部の動作が制御されるようになっている。
主制御部150からは盤用外部端子190を介してホールコンピュータ(図示省略)へ遊技の進行状態を示す情報(始動入賞信号や大当たり信号、図柄確定回数信号)が送信される。なお、盤用外部端子190は、後述する枠用外部端子191と共有の基板を用いてもよい。すなわち、盤用外部端子190と枠用外部端子191は、構造的に単一であってもよい。
主制御部150には、入力系として、一般入賞口114への入賞球を検出する一般入賞センサ114S、センター特定入賞口118Cへの入賞球を検出するセンター特定入賞口用球検出センサ118CS、サイド特定入賞口118L、118Rへの入賞球を検出するサイド特定入賞口用球検出センサ(L)118LS、サイド特定入賞口用球検出センサ(R)118RS、入賞流入口110からセンター役物105内に流入したことを検出する球検出センサ110S、V入賞口138に入賞した遊技球PBを検出するV入賞口用球検出センサ138S、外れ口140に流入した遊技球を検出する外れ口用球検出センサ140Sが接続されている。
また、主制御部150には、遊技とは直接関係ない入力系として、ガラス枠16の開閉状態を検出するガラス枠開閉状態検出センサ16S、一体皿24の開閉状態を検出する皿ユニット開閉状態検出センサ24S、遊技盤18の振動を検出する振動検出センサ142、遊技盤18周囲の所定範囲の磁力(特に、遊技球PBの動きを制御し、遊技に不正をもたらす磁力)を検出する磁力検出センサ143が接続されている。
また、主制御部150には、出力系として、遊技情報や遊技状態をランプの点灯状態で報知するガイドランプユニット109、羽根部材112を開閉するための羽根部材ソレノイド112SL、円筒部材132を回転するための円筒部材モータ132M、堰き止め壁134を動作するための堰き止め壁ソレノイド134SLが接続されている。
演出制御部152には、入力系として、前記操作部50が接続されている。また、演出制御部152には、出力系として、パチンコ機10の各種遊技部品に設けられた照明演出用の発光素子137、電飾装置124、スピーカ60(60L、60R、60U)が接続されている。
払出制御部154には、払出装置160及び発射制御部164が接続され、発射制御部164には発射装置165が接続されている。この払出制御部154は、パチンコ機10内に設けられた払出装置160を作動させて、賞球又は貸し球の払い出し及び停止動作と払出数を制御する。また、発射制御部164は、遊技者によるグリップユニット26(図1参照)の操作により発射装置165を作動させて、遊技球PBの発射開始、及び、グリップユニット26の操作量に応じた発射力を制御する。
さらに、払出制御部154では、枠用外部端子191を介して払出情報をホールに設置されたホールコンピュータ(図示省略)へ送信するようになっている。なお、枠用外部端子191は、前述した盤用外部端子190と共有の基板を用いてもよい。すなわち、盤用外部端子190と枠用外部端子191は、構造的に単一であってもよい。
(電飾装置124の詳細構成)
以下、図5〜図10に従い、センター役物105の上部に設けられた電飾装置124の詳細構成について説明する。
図5に示される如く、電飾装置124は、センター役物105のベース部105Bから前方に突出するように飾りカバー200が配置されている。飾りカバー200は、例えば、クロムメッキ等がほどこされ、センター役物105の全体に対して、電飾装置124の存在が強調されている。飾りカバー200は、全体として円形であり、図5の下方には一対の脚部200Aが一体に形成されている。この脚部200Aは、前述したセンター役物105の縦壁部122の一部としての機能(通常遊技領域18Aと特定遊技部105Aとの仕切り)を有する場合がある。
図6及び図7に示される如く、飾りカバー200の中央には、円形の貫通孔202が設けられている。また、この貫通孔202の周囲(一対の脚部200A間である下部領域を除く)には、8個の矩形状貫通孔204が均等配置されている。
さらに、飾りカバー200は、外周縁から遊技盤奥側に向けてリブ200Bが形成され、皿状に形成されている。
この飾りカバー200の裏面側には、複数層に亘り、電飾関連部品が重ね合わされて組み付けられるようになっている。
以下、図6及び図7に従い、各層の組み付け部品について説明する。
(第1層)
前記飾りカバー200の裏面側には、第1層として、第2の電飾部の一部を構成するサブレンズユニット206が配置されている。サブレンズユニット206はリング形状であり、前記8個の矩形状貫通孔204にそれぞれ対応するように入賞カウント表示用光学部材208(第2の光学部材の一部)が形成されている。
従って、サブレンズユニット206を飾りカバー200の裏面側に第1層として配置する組み付け動作に伴い、8個の入賞カウント表示用光学部材208をそれぞれ対応する矩形状貫通孔204に対して、一斉に挿入することができる。
(第2層)
飾りカバー200の裏面側には、第2層として、第1の電飾部の一部及び第2の電飾部のそれぞれ一部を構成するメインレンズユニット210が配置されている。
メインレンズユニット210は、同芯円上に三重の光学機能を有している。
すなわち、メインレンズユニット210の最内周(第1重)が第1の電飾部のラウンド表示用光学部材212とされ、中間周(第2重)が第2の電飾部の第1の演出用光学部材214とされ、最外周(第3重)が前記サブレンズユニット206の入賞カウント表示用光学部材208に対峙された拡散部216とされている。
また、メインレンズユニット210の外周からは、前記飾りカバー200の一対の脚部200A間に向けて、筋状の第2の演出用光学部材218が一体に形成されている。
また、図7、図9、図10に示される如く、この第2層であるメインレンズユニット210のラウンド表示用光学部材212には、光制限部材が貼り付けられている。
本実施の形態では、光制限部材として、透過する光量を制限するND(減光:Neutral Density)フィルタ220(以下、「スモークフィルム220」という)と、透過する光を拡散する拡散フィルム222との二層構造となっている(図9、図10参照)。このため、ラウンド表示用光学部材212を通過する光は、元の光(発光光)に対し、光量が減少され、かつ方向が拡散されて発光することになる。
なお、光制限部材は、偏向、偏光、波長(色成分)カットといった減光以外の光学的な制限を含む場合がある。
(第3層)
飾りカバー200の裏面側には、第3層として、拡散シート224が配置されている。拡散シート224は、薄肉の円形フィルムの外周の一部が半径方向に延出された形状であり、前記第1の演出用光学部材214及び第2の演出用光学部材218に対峙するように配置されている。なお、この拡散シート224は、演出形態によって、組み付けの要否、拡散パターンを決めればよい。
(第4層)
飾りカバー200の裏面側には、第4層として、リング状の遮蔽板226が配置されている。この遮蔽板226は、前記入賞カウント表示用光学部材208に合わせて、複数の貫通孔228が形成されている。
遮蔽板226は、前記第3層の拡散シート224を介して、前記カウント表示用光学部材208の周縁に突き合わされており、各カウント表示用光学部材208間を遮蔽(遮光)する機能を有している。
本実施の形態では、8個の入賞カウント表示用光学部材208に対して、6個の貫通孔228が設けられている。遮蔽板226の上端部は、入賞カウント表示用光学部材208の2個分に対応する切欠部230が形成されている。この状態では、2個の入賞カウント表示用光学部材208間は、遮蔽されていない状態である(非遮蔽状態)。
この切欠部230は、飾りカバー200に組み付けられた後は、飾りカバー200側の一部の部位が非遮蔽部分を補って、2個の入賞カウント表示用光学部材208を相互に遮蔽する。
すなわち、構造上、遮蔽板226によってカウント表示用光学部材208の周縁に突き当てられない部分については、前記飾りカバー200側から遮蔽板226に向けて突起部等が形成されている。このため、遮蔽板226が、第4層として組み付けられることで、全て(8個)のカウント表示用光学部材208が独立した光路を有することになる。
(第5層)
飾りカバー200の裏面側には、第5層として、演出用光源基板232が配置されている。
演出用光源基板232はリング状で、前記ラウンド表示用光学部材212に対面する中央部分が貫通されている。この演出用光源基板232には、電気配線が施されている。
この演出用光源基板には、第2の電飾部に属する入賞カウント表示用光学部材208、第1の演出用光学部材214、第2の演出用光学部材218に対応して、光源群234A、234B、234Cが取り付けられている。
光源群234A、光源群234Bは,同芯円上に二重(内周が光源群234A、外周が光源群234B)に配置され、並びに、光源群234Cは、飾りカバー200の脚部200A間に対応して配置されている。
同芯円上の外周側に位置する光源群234Bは8個設けられ、それぞれ、第4層である遮蔽板226の貫通孔228及び切欠部230内に配置され、独立した光路内で入賞カウント表示用光学部材208に向けて発光されるようになっている。
また、同芯円上の内周側に位置する光源群234Aは6個設けられ、第2層であるメインレンズユニット210の第1の演出用光学部材214に対して周方向に均等配置され、当該第1の演出用光学部材214に向けて発光されるようになっている。このとき、遮蔽板226によって、前記入賞カウント表示用光学部材208に光が漏れることが抑制されるようになっている(図10の矢印A参照)。
さらに、光源群234Cは3個設けられ、第2層であるメインレンズユニット210の第2の演出用光学部材218に対峙して配置され、当該第2の演出用光学部材218に向けて発光されるようになっている。このとき、遮蔽板226によって、前記第1の演出用光学部材214及び入賞カウント表示用光学部材208に光が漏れることが抑制されるようになっている(図10の矢印B参照)。
上記第1層〜第5層までの電飾装置124は、前側サブアッセンブリとして、センター役物105の前側から、ベース部105Bに設けられた貫通孔105Cの周縁に突き当てられて組み付けられるようになっている。
ベース部105Bの裏面側には、前記電飾装置124の前側サブアッセンブリに対峙するように後側サブアッセンブリ(後述する第6層、第7層)が配置されている。
後側サブアッセンブリは、図示しないベース台に取り付けられて保持されるようになっており、構造的には、前記前側サブアッセンブリの第1層〜第5層に続けて配置されるようになっている。
(第6層)
ベース台には、見掛け上、飾りカバー200の裏面側から数えて第6層となる位置に、第1の電飾部の一部を構成する案内部材236が配置されている。
案内部材236は、円筒状の本体部238と、この本体部238の外周の一部から半径方向に突出するように、袴状の架台部239とが一体に形成されている。架台部239は、本体部238を適正位置に支持した状態で前記ベース台に取り付けるための台座の役目を有する。
本体部238は、一方の端面238A側が、前記拡散シート224(第3層)、遮蔽板226(第4層)、演出用光源基板232(第5層)のそれぞれの中央開口を貫通して、第2層のメインレンズユニット210のラウンド表示用光学部材212の裏面側に対峙されている。なお、実際には、スモークフィルム220と拡散フィルム222が貼り付けられた面に対峙されている。
本実施の形態では、ラウンド表示用光学部材212と、本体部238の一方の端面238A側との隙間は0.1mm以下のように、ほぼ隙間が存在しない状態としている。なお、本体部238の一方の端面238A側は、ラウンド表示用光学部材212に貼り付けられたスモークフィルム220又は拡散フィルム222に突き当てられた状態であってもよい(図9、図10参照)。
本体部238は、前記一方の端面238A側と他方の端面238B側との間を貫通するように、複数の貫通路240が設けられている。
図8に示される如く、本実施の形態では、この複数の貫通路240の1つ1つが7セグメント表示パターンの各セグメントの形状であり、7個の貫通路240は、7セグメントの配置(フォーメーション)となっている。なお、型抜き等の成形理由により、前記貫通路240以外に、両端面側を貫通しない溝が設けられているが、実用は、7個の貫通路240に限定される。
本体部238の一方の端面238A側が、前記メインレンズユニット210に対峙されることで、各貫通路240の独立した光路で他方の端面238B側からの入射光を制御することで、メインレンズユニット210のラウンド表示用光学部材212では、7セグメントで表現される数字が表示されることになる。
(第7層)
一方、本体部238の他方の端面238B側には、第7層として、情報表示用光源基板242が配置されている。
情報表示用光源基板242は、半円(前方後円の半トラック)形状で、前記本体部238の他方の端面238B側に対峙している。情報表示用光源基板242には、電気配線が施されている。
この情報表示用光源基板242には、本体部238の7個の貫通路240のそれぞれに対峙する位置に7個の光源群244が取り付けられている。
光源群244は、前記本体部238の他方の端面238B側において、貫通路240に収容されており、この結果、本体部238と情報表示用光源基板242との隙間は、2mm以下のように、光が漏れずらい状態となっている。なお、本体部238の他方の端面238B側と、情報表示用光源基板242の表面(光源群244が取り付けられた面)とは、互いに突き当てられていてもよい(図9、図10参照)。
本体部238の他方の端面238B側から、光源群244で発光した光が漏れることが防止されている。言い換えれば、7個の光源群244は、それぞれ独立した光路(貫通路240の内方空間)を有することになる。
一方、前述したように、本体部238の一方の端面238A側は、ラウンド表示用光学部材212にほぼ突き当てられている(スモークフィルム220及び拡散フィルム222を介在する場合がある。)。
例えば、7セグメント表示パターンで、0〜9までの数字を表示するとき、光源群244から当該数字の表示に必要な光源を選択して点灯することで、ラウンド表示用光学部材212では、選択された数字が表示される。
ところで、このラウンド表示用光学部材212の7セグメント表示に際し、スモークフィルム220、拡散フィルム222が、透過する光に対して制限を施している。
(光制限機能1)
7セグメント表示パターンが非表示のときは、スモークフィルム220によって、ラウンド表示用光学部材212からは本体部238の一方の端面238A側の形状等(貫通路240の陰影)が見えない状態であり、意匠的に均一な濃度を維持する。
(光制限機能2)
7セグメント表示パターンが表示のときは、本体部238の一方の端面238A側から出射した光が、拡散フィルム222によって、貫通路240の開口全域に行き渡り、鮮鋭な輪郭で各セグメントパターンを表示させる。
一方、前記ラウンド表示用光学部材212、カウント表示用光学部材208、第1の演出用光学部材214、第2の演出用光学部材218でのそれぞれの表示に関して、本実施の形態では、本体部238と遮蔽板226とが、各光路間に対して、遮蔽(遮光)機能を有している。
すなわち、本実施の形態では、第1層〜第7層まで組み付けられることで、以下の遮光機能を持つことになる。
(遮光機能1) 第1の電飾部のラウンド表示用光学部材212に照射される光路と、第2の電飾部の入賞カウント表示用光学部材208、第1の演出用光学部材214、第2の演出用光学部材218に照射される光路とが、案内部材236(第6層)の本体部238によって遮蔽される(図9参照)。
(遮光機能2) 第2の電飾部において、入賞カウント表示用光学部材208、第1の演出用光学部材214、第2の演出用光学部材218のそれぞれに照射される光路が、遮蔽板226(第4層)によって遮蔽される(図10参照)。
以下に本実施の形態の作用を説明する。
(遊技仕様の一例)
パチンコ機10による遊技では、遊技者がグリップユニット26を操作すると、一球ずつ発射装置165によって上方へ発射される。発射された遊技球PBは、外レール102に沿って遊技盤18の遊技領域に打ち込まれ、遊技釘や風車に当たり方向を変えながら遊技領域内を落下する。そして、入賞せずに遊技領域の下端部に至った遊技球PBはアウト口123からパチンコ機10内に回収される。
また、遊技球PBが遊技領域内に設けたセンター特定入賞口118C、或いはサイド特定入賞口118L、118Rに入賞すると、遊技仕様に基づく処理(例えば、羽根部材112の開閉動作等)が実行されると共に、発光素子137を用いた視覚演出や、スピーカ60を用いた音演出等が実行される。また、一般入賞口114に入賞すると、予め定めた賞球(払い出し)が実行される。
ここで、羽根部材112の開放によって、センター役物105内に遊技球PBが入賞した場合は、その後の遊技球PBの動向により、V入賞するか否かが決定し、V入賞となった場合に、大役処理が実行される。
(センター役物105による通常遊技状態での遊技)
遊技盤18上のセンター特定入賞口118Cに遊技球PBが入賞すると、羽根部材112が、2回、所定時間(約0.5秒〜1.0秒間)開放する。また、サイド特定入賞口112L、112Rに遊技球PBが入賞すると、羽根部材112が1回、所定時間(約0.5秒〜1.0秒間)開放する。
羽根部材112が開放している間は、遊技球PBはセンター役物105内に流入可能であり、流入した遊技球PBは、まず中間ステージ部130へ到達し、当該中間ステージ部130の傾斜面に沿って手前側から奥側へ転動する。このとき、堰き止め壁134は、非堰き止め位置にあるため、遊技球PBは、そのほとんどが、円筒部材132の両側から外れ口140へと誘導される。また、円筒部材132の貫通孔132Aを通過した遊技球PBは、中間ステージ部130の奥側からV入賞案内ステージ部136へ落下する。なお、中間ステージ部130において、運良く、円筒部材132の貫通孔132Aに入った遊技球PBもV入賞案内ステージ部136へ落下する。
V入賞案内ステージ部136は、中間ステージ部130とは逆傾斜となっており、遊技球PBが奥側から手前側へ転動して、V入賞口138或いは外れ口140の何れかに流入する。
(大役処理)
遊技球PBがV入賞すると大当たりとなり、通常遊技状態の羽根部材112の開放期間(開放時間×開放回数)よりも多くの開放期間で開閉処理(ラウンド処理)が繰り返される大役処理が予め定めた最大ラウンドを限度して、複数ラウンド実行される。
ここで、ラウンドの継続は、ラウンド中にV入賞するか否かによって決定するようになっている。
本実施の形態における遊技仕様は、所謂自力継続タイプとなっており、大役処理が開始されると、前記堰き止め壁134が堰き止め位置となり、センター役物105に流入してくる遊技球PBは、中間ステージ部130に貯留されることになる。
中間ステージ130に遊技球PBを貯留する理由は、貯留されることで、円筒部材132の貫通孔132Aに遊技球PBが入り易くなり、ひいては、V入賞案内ステージ部136に落下したときに、V入賞し易くなるためである。
このように、大役処理中に、羽根部材112が通常遊技状態よりも多く開放されているときに、センター役物105内に遊技球PBが流入すればするほど、ラウンド継続し易くなるため、単調になり易い大役遊技中の遊技も趣向性を向上することができる。
なお、本実施の形態における遊技仕様において、大当たり後に、所謂自力継続タイプとしたが、予め定められたラウンド数が確約された規定ラウンドタイプであってもよい。また、自力継続タイプと規定ラウンドタイプの何れかを選択(選択は、自動、手動、抽選を問わず)するようにしてもよい。
(電飾装置124)
本実施の形態のセンター役物105の上部には、電飾装置124が設けられており、遊技の進行に応じて、遊技情報を表示したり、演出を実行する。
(情報表示)
電飾装置124におけるラウンド表示用光学部材212では、前記大役処理の際のラウンドを表示する。このため、ラウンド表示用光学部材212には、情報表示用光源基板242の7個の光源(光源群244)が対応している。
この光源群244から照射された光は、本体部238に設けられた7個の貫通路240によって独立して案内され、ラウンド表示用光学部材212へ至る。
ここで、光源群244は、本体部238の他方の端面238B側から貫通路240に収容され、情報表示用光源基板242と本体部238とは2mm以下等の隙間を設けて対峙(又は密着)しているため、当該隙間から光が漏れることがない。
本体部238の一方の端面238A側(貫通路240の開口)から出射した光は、スモークフィルム220及び拡散フィルム222を介してラウンド表示用光学部材212へ至り、7セグメント表示パターン(0〜9)を表示する。なお、10ラウンド以降は、例えば、「0」を点滅させるといった手段で代替発光することが可能である。
このとき、7セグメント表示パターンが非表示のときは、スモークフィルム220によって、ラウンド表示用光学部材212からは本体部238の一方の端面238A側(貫通路240の陰影)が見えず、明確に非表示状態を維持することができる。
また、7セグメント表示パターンが表示のときは、本体部238の一方の端面238A側から出射した光が、拡散フィルム222によって、貫通路240の開口全域に行き渡らせることができ、鮮鋭の輪郭で各パターン(0〜9)を表示させることができる。
ここで、ラウンド表示用光学部材212において、個体の発光素子を組み合わせて7セグメント表示パターンを形成した場合、配置スペースによって、発光点と、表示点とが離れ、セグメントの表示領域全体が均一に光らないことがあった。
これに対して、本実施の形態では、発光点と、表示点との間に、円筒形状の本体部238を配置し、両端面側から光が漏れないようにすると共に、セグメント形状の7個の貫通路240で独立した光路を形成したため、市販の7セグメント表示器と同等の機能を周囲の部品配置に適合させて構築することができる。
(演出表示)
電飾装置124における入賞カウント表示用光学部材208、第1の演出用光学部材214、第2の演出用光学部材218には、それぞれ光源群234A、234C、234Cが対応している。
光源群234Aは第1の演出用光学部材214に対して均等配置され、当該第1の演出用光学部材214に向けて発光される。この第1の演出用光学部材214は、光源群234Aの点灯、消灯、点滅、色変化等を繰り返す演出表示が主体となる。
光源群234Bは遮蔽板226の貫通孔228に収容され、独立した光路内で入賞カウント表示用光学部材208に向けて発光される。カウント表示用光学部材208は、大役処理時では、特定遊技部105Aに入賞する遊技球PBの数をカウント表示する。例えば、カウント表示は、8個構成の光源群234Bが、遊技球PBの入賞毎に1個ずつ点灯する。
なお、本実施の形態では、10個の入賞を8個のカウント表示用光学部材208で対応している。例えば、9個目の入賞は光源群234Bの何れかの光源を相対的に低速点滅、10個目の入賞は光源群234Bの何れかの光源を相対的に高速点滅させるようにすればよい。
また、大役処理中以外の時期におけるカウント表示用光学部材208は、光源群234Bの点灯、消灯、点滅、色変化等を繰り返す演出表示を行ってもよい。
光源群234Cは第2の演出用光学部材218に対峙して配置され、当該第2の演出用光学部材218に向けて発光される。第2の演出用光学部材218は、光源群234Cの点灯、消灯、点滅、色変化等を繰り返す演出表示が主体となる。
ここで、電飾装置124には、上記のように、異なる目的で、複数の光源群から独立した表示形態(情報表示、演出表示)で表示制御が実行されるため、相互の光路間で遮光が施されている。
図9に示される如く、第1の電飾部のラウンド表示用光学部材212に照射される光路と、第2の電飾部(入賞カウント表示用光学部材208、第1の演出用光学部材214、第2の演出用光学部材218)に照射される光路とは、案内部材236(第6層)の本体部238によって遮蔽される(図9の矢印C参照)。
このため、7セグメント表示パターンに適用される光に周囲の光が混入することがなく、明確にカウント表示を行うことができる。
また、図10に示される如く、第2の電飾部において、入賞カウント表示用光学部材208、第1の演出用光学部材214、第2の演出用光学部材218のそれぞれに照射される光路が、主として遮蔽板226(第4層)によって遮蔽される(図10の矢印A、矢印B参照)。
このため、それぞれ独立した演出表示を行う場合に、互いに光が干渉し合うことがなく、目的通りの表現で遊技者に期待感を与えることができる。
なお、図9(図5のIX−IX線断面図)、図10(図5のX−X線断面図)は、各部品の組み付け状態(重なり具合)を簡易的に図示したものである。従って、各部品の面取り加工、R面加工等を省略して記載しており、各部品の形状は遊技仕様の意匠によって変更される場合がある。
本実施の形態では、第1の電飾部と第2の電飾部の光源基板(演出用光源基板232と情報表示用光源基板242)を独立して、二層構造(第4層と第7層)とした。
本来は、単一の基板で十分であるが、周囲の関連部品との関係で分離したものである。この分離は、本実施の形態では、このような光源基板の複数層構成に対して、遮蔽板226及び本体部238を組み付けることによる相乗効果で、相互の光が干渉し合うことを防止するといった、従来にはない作用効果をもたらすことができる。
また、遮蔽板226は、基本的には、入賞カウント表示用光学部材208、第1の演出用光学部材214、第2の演出用光学部材218の間を全て遮蔽(遮光)することが好ましいが、周囲の部品形状によって配置できない領域が存在する場合がある。このとき、周囲の部品(例えば、飾りカバー200等)との組み合わせによって、組み付け状態で入賞カウント表示用光学部材208、第1の演出用光学部材214、第2の演出用光学部材218との間を完全に遮光することができる。
なお、本実施の形態では、第1の電飾部として、ラウンド表示用光学部材212から7セグメント表示パターンの各数字を表示するようにしたが、第1の電飾部は、7セグメント表示パターンに限定されるものではなく、例えば、本体部238の貫通路240を、適用されるパチンコ機10のテーマに合わせたキャラクタや図形の形状として表示するようにしてもよい。
例えば、貫通路(セグメント)の配置により、星、円、多角形、ハート等の図形を表示することも可能である。また、貫通路をマトリクス状のドットパターンとすれば、数字、ひらがな、カタカナ、アルファベット、漢字といった文字や、星、円、多角形、ハート等の図形を表示することも可能である。貫通路の数が多ければ多いほど、表示可能な文字又は図形のドットパターンの解像度を高くすることができる。例えば、案内部材236を光ファイバーで構成し、この光ファイバーを介して、光源からの光を案内すれば、光源の外形寸法に影響なく、解像度を設定することができる。毛細形状の光ファイバーであれば、写真画像も表示可能である。