JP2016039814A - β−ラクタマーゼ耐性の質量分析測定 - Google Patents

β−ラクタマーゼ耐性の質量分析測定 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、β−ラクタマーゼ、特に「基質特異性拡張型β−ラクタマーゼ」(ESBL)を生成する微生物の耐性を判定することに関する。
【解決手段】本発明は、β−ラクタム系抗生物質に対して微生物的に生成されたβ−ラクタマーゼの触媒効果、すなわち、β−ラクタム環の加水分解開裂によって、非常に簡単かつ迅速に、微生物耐性を測定することができる方法を提供する。この方法は、好適な基質(β−ラクタム系抗生物質またはカスタマイズされたβ−ラクタム誘導体のいずれか)を微生物の懸濁液に添加してから数時間後に、β−ラクタマーゼによって生じた基質の分解を直接質量分析手法で測定することによって、細菌の耐性を判定する。
【選択図】図1

Description

本発明は「基質特異性拡張型β−ラクタマーゼ」(ESBL)を含むβ−ラクタマーゼ産生細菌の耐性を判定することに関する。
多くのタイプの微生物、特に細菌および単細胞真菌類は、通常の方法で栄養培地の上又はその内部で培養されたコロニーから得た少量の微生物の質量分析サンプル支持プレートへの移動、ここでの微生物をマトリックス物質からなる溶液との混合調製、及びマトリックス支援レーザー脱離によるイオン化の後の質量分析測定により、迅速かつ容易に質量分析手法を用いた同定をすることができる。この質量スペクトルは、微生物内の特有のタンパク質が十分な濃度で存在している場合の、その特有のタンパク質の質量と強度を表わす。一度に40〜80種類の微生物中のタンパク質のピークを示すこのスペクトルは、対応するスペクトルライブラリにある何千もの参照スペクトルとの類似性分析を行うことによってその微生物の同定を行うのに用いられる。本明細書において用語「同定」とは、分類学的分類、すなわち科、属、種の決定を意味する。何千種もの微生物の参照スペクトルを用いて医療用として法的に認定された信頼できるライブラリ(いわゆる「検証済みライブラリ」)をまとめるため、数多くの場所で研究が進行中である。
この微生物同定方法は、研究において非常な成功を収めていることが実証されており、また多くの微生物研究所において日常的業務として実施されている。この方法は、迅速かつ低コストであり、またその誤り率は、非常に低く、従来の微生物学的同定法に比べてかなり低くなる。
これらの方法のうち特殊なバージョンを用いると、よく見られるタンパク質とは質量および強度が異なり、質量分析で検出可能なタンパク質である場合は、微生物種の同定だけでなく、亜種、さらには個別の菌株をも同定することができる。より詳しい記述は、例えば、引用文献1を参照されたい。この文献では、この方法の詳細な説明だけでなく、より精密な同定検索について記載している。
この微生物の同定は、感染症、特に敗血症において特別な役割を果たす。この場合、正しい医学的治療を速やかに行うために、非常に迅速に病原種を同定できることが重要になる。質量分析同定法は、そのような症例でも試行と試験が行われ、現在、臨床現場および微生物検査施設で受け入れられるようになってきている。
しかしながら医療分野では、迅速な同定の問題だけでなく、一般的に使用される抗生物質に対する耐性を検出する問題もある。迅速な疾病管理には、耐性を知ることが欠かせない。よって、迅速に同定を行うだけでなく、微生物の耐性を迅速に判定し特性付けることが必要である。一部の微生物種は、特定の抗生物質にほぼ完全な耐性を有することが知られているため、正確な同定を行った後は、その耐性を判定する必要はない。しかし多くの場合、微生物種には、異なる種類の抗生物質毎に異なる耐性を持つ菌株、すなわち、非耐性のもの、わずかに耐性があるもの、非常に高い耐性がある菌株がある。よって、耐性のタイプと強度を判定することが必須である。
分類学的同定だけでなく、その先の特定の抗生物質に対する微生物(特に細菌)の耐性判定のために、質量分析計を使用するようになっていることは明らかであろう。しかしながらこの作業は、非常に困難であることがわかっている。耐性は、新規または改変タンパク質の存在としても表現されているはずであるが、質量分析で測定されるタンパク質プロフィールにおいてそれらを直接同定することが可能かどうかは、現在のところ証明されていない。微生物に含まれる何百、何千ものタンパク質のうち、現在わずか40〜80種のみが質量分析で測定されている。よって耐性は、間接的に判定しなければならない。そのような耐性判定の最初の試みは、引用文献2に記載されている。しかしこの方法は現在のところ受け入れられていない。この方法は本質的に、抗生物質の添加後の細胞死によって起こるタンパク質プロフィールの変化、または、耐性参照微生物と比較した増殖停止の判定に基づいている。
「抗生物質耐性」という用語は、抗生物質の効果を弱めるかまたは完全に中和するような、微生物(本明細書においては主に細菌)の特性を分類するものである。耐性は現在広範に広がっており、米国では院内感染した感染性細菌のうち約70%が、少なくとも1つの抗生物質に対して耐性を有する。患者はしばしば、複数の抗生物質に耐性(多剤耐性)を有する細菌株に感染する。いわゆる問題となる菌はメシチリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、シュードモナス属、ESBL耐性のある大腸菌、結核菌である。CDC(米国疾病予防管理センター)の推定では、米国で2004年に起きた院内感染数は200万件、死亡は約90,000件にのぼり、これは交通事故による死亡者数や、家庭・職場での事故による死亡者数よりもはるかに多い。
日常的使用では、用語「抗生物質」は通常、細菌感染疾患の治療に用いる薬剤または製薬製品を意味する。医学において抗生物質の偉大な成功の歴史は、ペニシリンに始まる。ペニシリンの成功の後、初の耐性も発現したため、研究者たちは更に多くの抗生物質を探し求め、ストレプトマイシン、クロラムフェニコール、オーレオマイシン、テトラサイクリンなどその他数多くの抗生物質を発見していった。今日知られている多くの抗生物質は、天然物質に由来するものである。口語的には現在、ペニシリンは抗生物質の同義語となっている。
ペニシリンはβ−ラクタム系抗生物質である。このβ−ラクタムはペニシリン結合タンパク質(PBP)であるペプチドグリカントランスペプチダーゼと結合し、これが細胞壁を強化するペプチド結合の形成を担う。β−ラクタムとPBPとの間の結合により、PBPが不活性となる。有効なPBPが十分量存在しないと、細胞増殖の際に細胞壁に損傷を引き起こす。これにより膜は浸透性の制御力を失い、細胞質濃度の調節ができなくなる。短時間のうちに細菌は生存不能となる。特殊な条件下では、文字通りに細菌細胞の「爆発」が実験室で観察される。このようにして、β−ラクタムは殺菌剤として作用する。
ペニシリンが最初に投与されて以来、細菌はさまざまなタイプの耐性を発達させるようになってきている。β−ラクタムに対する細菌耐性の重要なタイプには、酵素(β−ラクタマーゼ)の形成がある。この酵素は加水分解によりβ−ラクタム環を酵素的に切って開き、失活させる。340種類を超えるβ−ラクタマーゼ変異体が現在知られており、これらはさまざまなタイプの細菌によって生成される。これらは、その全体構造やどのように作用するかによって、異なる分類に分けることができる。この酵素合成の遺伝情報は、最初は突然変異によって生じ、染色体またはプラスミドによって遺伝していく。プラスミド情報はさまざまなメカニズムにより細菌間で伝達され、時には異なる細菌種の間でも接触により伝達され得る(「水平伝播」)。β−ラクタマーゼの作用によっては、ペニシリナーゼとセファロスポリナーゼとを区別することができるが、更にここには分類が存在する。これらの酵素の触媒効果とは、少量のβ−ラクタマーゼだけで、大量のβ−ラクタム系抗生物質を破壊するには十分であることを意味する。
今日、数多くのβ−ラクタム系抗生物質誘導体が存在し、その中にはいくつかのペニシリン(ベンジルペニシリン、経口ペニシリン、アミノペニシリン、イソキサゾリルペニシリン、アシルアミノペニシリン)、セファロスポリン、モノバクタム、およびカルバペネムが挙げられる。これらは通常、β−ラクタマーゼを立体配置的に妨害するため、大きな化学置換基を備えるよう誘導されている。一方、基質特異性拡張型β−ラクタマーゼ(ESBL)は、β−ラクタムを含む幅広い種類の抗生物質を開裂させることができる。ESBLは当初、β−ラクタマーゼのスポット的突然変異によって形成されたものである。ESBLの遺伝子はプラスミド上にあり、これが細菌から細菌へと水平伝播し得る。
ESBLを有する細菌は、ペニシリン、セファロスポリン(第1〜4世代)、およびモノバクタムに対して耐性を有する。ESBL遺伝子を保持するのは主に大腸菌とクレブシエラ属(グラム陰性の細菌)であるが、微生物学者は、このESBL耐性が急速に広がっていることを観察しており、懸念を示している。メシチリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)に加え、ESBLは感染研究の中で最も懸念されるものの1つである。
β−ラクタマーゼ阻害剤はβ−ラクタマーゼに対するツールの1つであり、β−ラクタムと一緒に投与することで、細菌中に存在するβ−ラクタマーゼの効果を弱める。確立されている組み合わせは、クラブラン酸+アモキシシリン、スルバクタム+アンピシリン、タゾバクタム+ピペラシリンである。すべての組み合わせが最適の効果を有するわけではない。これらのツールは、慎重な細菌同定及び慎重な耐性判定を行った後にのみ使用すべきである。なぜなら、このツールもまた非常に急速に効かなくなる可能性が見込まれるからである。
1970年代と1980年代には、抗生物質分野で依然として多大な研究活動が行われていた。今日、新しい抗生物質の開発は大幅に少なくなっているが、抗生物質は今も世界で最も広く処方されている薬剤であり、一般に使用される製薬製品の中で単独分野として最大の領域を形成し、13パーセントもの市場シェアを有している。8,000種程度の抗生物質が今日知られているが、治療に使用されるのは約80種のみである。これは主に副作用のためであるが、承認コストのためでもある。ドイツ連邦医薬品医療機器研究所(BfArM)によれば、ドイツにおいては、2005年に計2,775品目の抗生物質が承認されていたが、これは約80種の抗生物質だけをカバーしたものである。
独国特許出願公開第10 2009 032 649号明細書(T. Maier and M. Kostrzewa, 2009、米国特許出願公開第2011/0012016号明細書、英国特許出願公開第2 471 746 号明細書) 独国特許発明第10 2006 021 493号明細書(V. Govorun and J. Franzen; 英国特許第2 438 066 号明細書; 米国特許出願公開第2008/0009029号明細書)
近年、殺菌剤や殺真菌剤などの抗生物質に対して耐性をもつ微生物の問題が、ますます喫緊の課題となっている。微生物がさまざまなタイプの抗生物質に対して耐性を形成する速度が増す一方で、医療分野において開発されている新しい抗生物質はますます少なくなっている。数多くの抗生物質新薬がその効力のなさから短期間で市場から撤退を余儀なくされているため、製薬会社にとって、このような非常に難しくなっている抗生物質新薬開発への多大な投資は採算がますます合わないものとなっている。WHOによれば、1940〜1950年に発売された新しい抗生物質は10種、1971〜1980年には5種であったのに比べ、1990〜2005年ではわずか3種であった。
抵抗の増大が急速になった理由は多岐にわたる。不必要な時にも行われる無責任な抗生物質の処方、感染因子が完全に破壊される前に無責任に中断される抗菌剤治療、農業・酪農分野での頻繁な純予防的利用が挙げられる。このような実態は、耐性をもたない種の淘汰と耐性をもつ種の蔓延を促すことになる。
20世紀半ばに感染症との戦いにおいて大きな希望をもたらした抗生物質は、急速に効力を失いつつある。これを防ぐ唯一の希望は、ターゲットを絞った治療の適用を、最後まで完了させることである。これには、感染病源の迅速な同定と、特定のタイプの抗生物質に対する固有の耐性に関する迅速な同定が必要となる。
本発明は、微生物、特に細菌の、さまざまなβ−ラクタム系抗生物質に対するβ−ラクタマーゼ耐性を、質量分析により迅速かつ簡単に判定できる方法を提供することを目的とする。
本発明は、β−ラクタマーゼによる微生物耐性を、質量分析計を用いて非常に容易かつ迅速に測定できる方法を提供する。この方法では、微生物を適切な基質(β−ラクタム系抗生物質、またはカスタマイズされたβ−ラクタム誘導体)と共に数時間置いた後のその細菌の耐性が、その基質に対するβ−ラクタマーゼの加水分解攻撃を直接的に質量分析により測定することによって判定される。この基質に対して細菌により生成されたβ−ラクタマーゼの触媒効果により、β−ラクタム環が加水分解により切れて開裂する。基質の量が減少し、代わりに加水分解された開裂生成物が生じると、その質量は18原子質量単位重くなる。
酵素による開裂反応は非常に急速である。基質の漸進的低減によって妨げられることがないため、分子反応当たりにかかる時間は、およそ1ミリ秒〜100ミリ秒であり、異なるβ−ラクタマーゼ毎に特有の差がある。反応速度の測定により、β−ラクタマーゼのタイプと強度に関する初期情報が得られる。
原理的には、この測定は任意の質量分析計を用いて実施できるが、細菌の同定に使用されたものと同じMALDI飛行時間質量分析計を使用することが特に望ましい。数百原子質量単位の、比較的低質量範囲の基質のイオン化で、MALDIプロセス(マトリックス支援レーザー脱離によるイオン化)を行うと、ケミカルバックグラウンドが非常に強くなるため、ケミカルバックグラウンドの少ない領域にある基質を使用することが望ましい。これは、700〜1,200原子質量単位の分子量を有するカスタマイズされた基質を生成することによって可能となる。また、イオン化の度合いを高めるために、基質のプロトン親和性を高めることも有利である。それにもかかわらず、感度を高めるには、より高い濃度で基質が使用できることが、しばしば有利である。高濃度での高い殺菌効果によって細菌がすぐに殺されてしまうことを防ぐため、基質は、抗生物質効果(すなわちMIC値)が比較的小さくなるようにカスタマイズしてもよい。MICは、対応する抗生物質の存在下でのβ−ラクタマーゼ阻害剤による阻害の「阻害最小濃度」であり、耐性強度または抗生物質強度の尺度として用いられる。
基質の有利な一実施形態は、例えば6−Hisタグをβ−ラクタムに共有結合させることによって得られる。6−Hisタグは、ヒスチジン分子6つの鎖から成り、分子量を約800原子質量単位増加させ、プロトン親和性を高め、基質およびその開裂生成物を反応液から純粋な形で抽出することを可能にする。この抽出は、例えば、市販の磁気ビーズを利用して実施することができる。このビーズにはニッケルイオンが搭載されたキレートがあり、これが6−Hisタグと可逆的に結合する。こうして、MALDIサンプル調製を実施することができ、このマトリックス基質には、残存基質とその開裂生成物が非常に濃縮され精製された形態で含まれるため、非常に感度の高い測定が可能になる。
特に、複数のさまざまなタイプの基質を導入した具体的な多剤耐性アッセイを開発することが可能であり、このさまざまな基質は、その分解パターンが、β−ラクタマーゼの分類および作用の強さを同定することが可能な状態にカスタマイズされ、そのようにカスタマイズされた濃度で導入される。この基質は例えば、さまざまな群の抗生物質のβ−ラクタム環に対するアクセスを模倣することが可能である。
耐性をもたない大腸菌DH5a菌株の懸濁液に、349.41原子質量単位の質量を有するアンピシリンを混合したときの効果を示す質量分析スペクトルである。アンピシリン(図では質量が350原子質量単位)とアンピシリンナトリウム塩(質量が372原子質量単位)のいずれにも、分子の分解は起こっていない。一方、下の質量分析スペクトルは、アンピシリンおよびそのナトリウム塩に対するESBL耐性大腸菌菌株の効果を示す。両方とも分解されて、質量が368および390原子質量単位の加水分解生成物になっている。
本発明は、微生物、特に細菌による、β−ラクタマーゼ生成に基づく微生物耐性を判定する、非常に簡単かつ迅速な方法を提供する。
この方法では基本的に、細菌懸濁液に1つ以上の好適な基質を添加する。この基質には、β−ラクタム系抗生物質、または好ましいようにカスタマイズされたβ−ラクタム誘導体のいずれかを用いることができる。細菌がβ−ラクタマーゼ耐性を有する場合、適切な培養条件下で数分から数時間のうちに、β−ラクタマーゼによりβ−ラクタム環が加水分解により開かれ、少なくとも1つの基質が分解される。このβ−ラクタマーゼによる基質の加水分解は、質量分析によって直接測定することができる。基質の量が減少し、基質より18原子質量単位だけ質量が重い、加水分解された開裂生成物に置き換えられる。
図1において、耐性が存在するときにのみ起こるこの分解が、2つの質量分析スペクトルで、β−ラクタム系抗生物質アンピシリンを用いて示されている。上側の質量分析スペクトルは、大腸菌DH5a菌株の懸濁液に、349.41原子質量単位の質量を有するアンピシリンを混合したときの効果を示す。この菌株は耐性をもたない。よって、アンピシリン(図では質量が350原子質量単位)とアンピシリンナトリウム塩(質量が372原子質量単位)のいずれにも、分子の分解は起こっていない。一方、下側の質量分析スペクトルは、アンピシリンおよびそのナトリウム塩に対するESBL耐性大腸菌菌株の効果を示す。両方とも分解されて、質量が368および390原子質量単位の加水分解生成物になっている。
アンピシリンは、β−ラクタム系抗生物質(ペニシリン)類に属する、抗生物質活性を有する半合成薬剤である。グラム陽性病原体および一部のグラム陰性桿菌に対する効果を有するため、広域の抗生物質として知られている。アンピシリンの化学的表記は、アミノペニシリンである。
すべてのβ−ラクタム抗生物質と同様、アンピシリンの殺菌(細菌を殺す)効果は、さまざまな細菌にさまざまな形態で存在する酵素D−アラニントランスペプチダーゼを阻害することによるものである。この酵素は、細菌の細胞分裂または増殖段階で新しい堅固な細胞壁を形成するのに必要である。このトランスペプチダーゼは、ペニシリン結合タンパク質(PBP)とも呼ばれる。この阻害は結合によって行われるものであり、β−ラクタム環はその結合モチーフである。この結合により、硬い細胞壁の新規合成が防止される。細胞はこのため、分裂することができなくなるが、増殖によって大量の細胞壁損傷が生じて細胞死に至るまでの間、当初は生存している。しかしながら、ヒト細胞は細胞膜のみを有し、細胞壁は有しておらず、よって対応するトランスペプチダーゼもないため、ヒト細胞の分裂と成長は妨げられない。
図1に示す実施例では、1ミリリットルの水に対して10ミリグラムの濃度のアンピシリン溶液10マイクロリットルを、エッペンドルフ試験管に加えた。細菌の中から試験対象として3つのコロニーを選び、これらを10マイクロリットルのアンピシリン溶液に再懸濁させた。この容器を37°Cで撹拌しながら3時間培養した。培養後、13,000rpmで2分間遠心分離にかけ、細胞を分離した。残存するアンピシリンおよび加水分解反応生成物は、上澄み液中に存在する。
原理的には、この測定は任意の質量分析計を用いて実施できるが、細菌の同定に使用されたものと同じMALDI飛行時間質量分析計を使用できることが特に望ましい。この測定のため、1.5マイクロリットルの上澄みを、質量分析計サンプル支持プレートに載せた。乾燥させた後、サンプルを1マイクロリットルのマトリックス溶液で覆った。このマトリックス溶液として、水、50%アセトニトリル、及び2.5%トリフルオロ酢酸の混合液に含まれる、1ミリリットル当たり、10ミリグラムの濃度のα−シアノ−4−ヒドロキシ桂皮酸(HCCA)を用いた。再び乾燥させた後、通常の方法でMALDI飛行時間質量分析計を用い、この調製物の質量分析スペクトルを取得した。
この実施例で基質として使用されているアンピシリンの濃度は非常に高く、治療に必要とされ得る濃度の1000倍を上回る。かかる量のアンピシリンが分解されたという事実は、基質特異性拡張型β−ラクタマーゼ(ESBL)の効率が非常に高いことを示している。細胞がこの高濃度で長時間生存することはほとんどできないと見なすことができる。しかしながら、生存期間中に排出された少量のβ−ラクタマーゼだけでも、大量の基質を触媒的に開裂させるには十分である。信号が、この質量範囲に存在する高いケミカルバックグラウンドより明らかに上回るようにするため、高濃度が選択された。この濃度は、質量範囲が約800〜1000原子質量単位(高分子量の基質をカスタマイズすることによって達成される)である基質を用いる場合には100分の1にすることができる。
イオン化収率を高めるためには、基質のプロトン親和性を高めることも有利となる。低分子量のβ−ラクタムは、高いプロトン親和性を有していない。よってそのごく一部分だけがイオン化プロセスでイオン化される。例えば、高いプロトン親和性を有するアミノ酸を挿入することによって、この感度を10倍に増大させることができる。
それにもかかわらず、更に感度を高めるためには、より高い基質濃度を使用することがしばしば有利となる。強度の弱いβ−ラクタマーゼを有する細菌が、高い殺菌効果によりすぐに殺されてしまうことを防ぐため、基質をカスタマイズして、抗生物質効果(すなわちMIC値)が比較的小さくなるようにすることができる。抗生物質の効果は通常、分子の大きさが増大するにつれてすでに低下している。これは、細菌の細胞壁の穴を通って浸透することが大幅に阻害されるためである。
更に、上澄みから完全かつ容易に抽出できるように、基質をカスタマイズすることも有利となる。このため、固定化されたパートナー(immobilized partners)が基質から抽出できるよう、基質がアンカー基をもつようにしてもよい。第1の実施例として、本明細書では基質にビオチン基を結合する場合について記述する。基質とその分解生成物は両方とも、壁に固定化されたストレプトアビジンにより、上澄み液から抽出することができる。ビオチンとストレプトアビジンの間の結合は可逆的であるため、基質とその分解生成物は、既知の方法で濃縮した後、更なる処理と測定を行うことができる。内側壁がストレプトアビジンでコーティングされている適切な容器として、コーティングされた微粒子(例えば磁気ビーズ)をもつものが市販されている。
抽出可能な基質で、特に有利な実施形態は、例えば6−Hisタグをβ−ラクタムに共有結合させることによって得られる。6−Hisタグは、ヒスチジン分子6つから成り、分子量を約800原子質量単位増加させ、プロトン親和性を高め、基質およびその開裂生成物を反応液から抽出する容易な手順を提供する。この抽出は、例えば磁気ビーズを用いて行うことができる。キレート剤でコーティングされた磁気ビーズは市販されている。このキレート剤は、ニッケルイオンを搭載することができる。ニッケルイオンは6−Hisタグに可逆的に結合する。これにより既知の方法でのMALDIサンプル調製の実施が容易になり、サンプルは精製された形態で、残存の基質およびその開裂生成物のみを含み、マトリックス基質の結晶中に埋め込まれ、非常に鋭敏な測定が可能になる。
β−ラクタマーゼの酵素開裂反応は非常に急速であり、基質の漸進的低減によって妨げられることがないため、分子反応当たりにかかる時間は、およそ1ミリ秒〜100ミリ秒である。異なるβ−ラクタマーゼ毎に特有の反応速度の差が測定でき、この差が、存在するβ−ラクタマーゼの強度に関する情報、ひいては、β−ラクタマーゼのタイプに関する目安をも提供する。最も好ましい場合では、反応速度を1回の質量分析スペクトルで測定することができる。例えば、半時間後に培養を停止した場合、その方法に応じた調整が行われていれば、分解生成物に対する残存基質の比が、反応速度の読み取り値として使用できる。
更に有利な実施形態では、単一の多剤耐性アッセイにおいてさまざまにカスタマイズされた複数の基質が使用される。基質として、例えば、さまざまな抗生物質に見られるような、β−ラクタマーゼの攻撃に対する異なる型の立体障害が導入されたものを使用してもよい。分解パターンと分解速度から、β−ラクタマーゼのタイプ及びさまざまな抗生物質に対する効果の算定を行うことができる。適した基質を使用し、適正な濃度を選択することによって、β−ラクタマーゼの実効性を判定することが可能である。図1では、2つの基質(アンピシリンとそのナトリウム塩)の同時分解に関する単純な実施例を示しており、分解に対するさまざまな耐性を備えた調整済み基質はこの例では用いなかった。
微生物耐性の測定は、特に、血液または血液培養物から純粋な形で取得できる微生物に対しても行うことができる。これについては例えば、独国特許出願公開第10 2009 033 368号明細書(T. Maier; 国際公開第2011/006911号)に説明されている。
MALDI飛行時間質量分析計でのマトリックス支援レーザー脱離イオン化法(MALDI)を用いる代わりに、エレクトロスプレーイオン化(ESI)等の、他のタイプのイオン化を利用したり、他のタイプの質量分析計、例えば、直交イオン注入(OTOF)を備えた飛行時間質量分析計、イオンサイクロトロン共鳴質量分析計(ICR−MS)、静電キングドン質量分析計、あるいは特に、低価格のイオントラップ質量分析計等を利用して、基質の分解を分析してもよいことはいうまでもない。当業者であればこれらの質量分析計およびイオン化方法を熟知しているため、ここでの詳細な説明は省くこととする。
基質の分解を測定したり、分解生成物を増やすのに特に適した装置は、トリプル四重極質量分析計である。これは主に、基質と分解生成物の比較測定を行うものである。このトリプル四重極質量分析計では、非常に高い感度が達成できるため、この方法ではごくわずかな量の基質で十分である。
耐性の判定を単純化するため、必要な材料の一部またはすべてを、消耗品の滅菌パック(キット)に入れて提供することができる。特に、消耗品パックには正確な数量のカスタマイズされた基質を同封することができ、必要に応じて、正確な数量の対応するマトリックス基質をも同封することができる。この消耗品パックには更に、質量分析用の使い捨てMALDIサンプル支持プレートを同封してもよい。このような消耗品パックは、市販品として製造することができる。
質量分析スペクトルは視覚的に評価することもできるが、好適なコンピュータプログラムを用いて行うこともできる。特に、多剤耐性アッセイの評価に用いるためのプログラムの開発・利用が可能である。これらのプログラムは、分解パターンからその微生物のβ−ラクタマーゼ耐性のタイプと強度を速やかに判定することができ、治療方法の提案を行うことができる。

Claims (16)

  1. 微生物によるβ−ラクタマーゼの生成に基づいて前記微生物のβ−ラクタム耐性を判定するための方法であって、
    前記微生物由来のβ−ラクタマーゼによる基質の酵素的分解を、残存する前記基質およびその分解生成物の質量分析スペクトルを取得することによって質量分析的に測定することを特徴とする方法。
  2. 前記基質の分子がβ−ラクタム環を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 前記基質がβ−ラクタム系抗生物質またはβ−ラクタム誘導体であることを特徴とする請求項2記載の方法。
  4. 前記基質が700〜1200原子質量単位の分子量を有することを特徴とする請求項1記載の方法。
  5. 前記基質の抗生物質効果が小さいことを特徴とする請求項1記載の方法。
  6. 前記基質の分子はアンカー基を有し、これにより溶液から前記基質の分子を抽出することを特徴とする請求項1記載の方法。
  7. 前記アンカー基がビオチン基または6−Hisタグであることを特徴とする請求項6記載の方法。
  8. いくつかのタイプの前記基質の分解生成物を同時に測定することを特徴とする請求項1記載の方法。
  9. さまざまなタイプの前記基質が、その分解パターンによって異なるβ−ラクタマーゼの分類の同定が可能となるようカスタマイズされていることを特徴とする請求項8記載の方法。
  10. β−ラクタム環周囲にある前記異なるタイプの基質それぞれが、異なる抗生物質の空間的形状を模していることを特徴とする請求項9記載の方法。
  11. 前記基質の分解の反応速度が測定されることを特徴とする請求項1記載の方法。
  12. 前記微生物を血液または血液培養物から取得することを特徴とする請求項1記載の方法。
  13. 前記の残存する基質およびその分解生成物の量をマトリックス支援レーザー脱離によるイオン化で質量分析により測定することを特徴とする請求項1記載の方法。
  14. 微生物によるβ−ラクタマーゼの生成に基づいて前記微生物のβ−ラクタム耐性を判定するための方法であって、
    (a) 前記β−ラクタマーゼにより分解され得る少なくとも1つの基質からなる溶液を前記微生物に添加する工程と、
    (b) 前記溶液を所定の時間、所定の温度で培養する工程と、
    (c) 残存する前記基質及びその分解生成物を含む前記溶液を、前記微生物から分離する工程と、
    (d) 前記溶液の質量分析スペクトルを取得する工程と、
    を含むことを特徴とする方法。
  15. 微生物によるβ−ラクタマーゼ生成に基づいて前記微生物のβ−ラクタム耐性を質量分析により判定するための消耗品パック(キット)であって、
    前記パックに、前記微生物由来のβ−ラクタマーゼにより酵素的に分解することができる基質が含まれることを特徴とするパック。
  16. 請求項1記載の方法で取得された前記質量分析スペクトルを評価することを特徴するプログラム。
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