JP2016037825A - 昇降口用扉装置 - Google Patents

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【課題】扉部材の開放姿勢からさらに開放する方向の回動の規制も、閉鎖する方向の回動の規制も、簡単な構成で確実かつ容易に行うことができる昇降口用扉装置を提供する。【解決手段】昇降口を有していて階上床に組み込まれる扉枠2と、この扉枠2に枢支されていて昇降口を開閉する扉部材3と、この扉部材3と扉枠2との間に設けられていて扉部材3の開放姿勢を設定する姿勢設定手段5とを備える。姿勢設定手段5は、扉部材3と扉枠2の一方に一端が連結されていて他端に係合部7を有する設定部材8と、扉部材3と扉枠2の他方に設けられていて設定部材8の係合部7を係止する係止部とを有する。設定部材8の係合部7には、扉部材3が開放姿勢からさらに開放する方向の回動を規制する第1係合部7aと、扉部材3が開放姿勢から閉鎖する方向の回動を規制する第2係合部7bとを設ける。【選択図】図4

Description

本発明は、階上床と階下床とを繋ぐ昇降口を開閉可能にする昇降口用扉装置に関する。
例えば、高所作業台の作業足場、仮設作業足場等には上下複数段の作業足場が組まれ、階上の足場(床)から階下の足場(床)へ移動するために、階上足場には昇降口を有する開閉可能な扉装置が設けられる。
このような扉装置として、特許文献1においては、階上足場となる天板の一部に昇降口を形成する扉枠を設け、この扉枠に蝶番を介して開閉扉(ハッチ)の一辺を開閉可能に支持し、開閉扉の自由端側と扉枠との間に開閉扉の開放角度を設定する二つ折れのリンクを連結している。
特開2012−241446号公報
前記従来技術は、二つ折れのリンクによって、開閉扉を開放姿勢にした状態からのさらなる回動が規制でき、開閉扉が回動し過ぎて作業足場外の構造物と接触するという問題を解消できるが、開放姿勢からの閉鎖方向への回動には規制がなく、開閉扉が不本意な閉鎖動作をする可能性があり、また、二つ折れのリンクは屈伸操作がやり難いものである。
本発明は、このような従来技術の問題点を解決できるようにした昇降口用扉装置を提供することを目的とする。
本発明は、扉部材の開放姿勢からさらに開放する方向の回動の規制も、閉鎖する方向の回動の規制も、簡単な構成で確実かつ容易に行うことができるようにした昇降口用扉装置を提供することを目的とする。
本発明における課題解決のための具体的手段は、次の通りである。
第1に、昇降口2Aを有していて階上床に組み込まれる扉枠2と、この扉枠2に枢支されていて昇降口2Aを開閉する扉部材3と、この扉部材3と前記扉枠2との間に設けられていて扉部材3の開放姿勢Bを設定する姿勢設定手段5とを備えた昇降口用扉装置であって、
前記姿勢設定手段5は、扉部材3と扉枠2の一方に一端が連結されていて他端に係合部7を有する設定部材8と、扉部材3と扉枠2の他方に設けられていて設定部材8の係合部7を係止する係止部9とを有し、
前記設定部材8の係合部7には、扉部材3が開放姿勢Bからさらに開放する方向の回動を規制する第1係合部7aと、扉部材3が開放姿勢Bから閉鎖する方向の回動を規制する第2係合部7bとを設けていることを特徴とする。
第2に、前記設定部材8は、一端を扉部材3に連結し、他端の第1係合部7a及び第2係合部7bを切欠形状に形成しており、
前記扉枠2は、閉鎖姿勢Cの扉部材3を受ける受け面部2Bを有し、この受け面部2Bに開口11を形成しており、この開口11の周囲の開口縁には、設定部材8の他端が挿入されたときに第1係合部7aと係合可能な第1係止部9aと、第2係合部7bと係合可能な第2係止部9bとを形成していることを特徴とする。
第3に、前記設定部材8の第1係合部7aの上面aの先端から第2係合部7bの上面bの先端までの先端間距離αは、係止部9を形成する開口11の前後寸法βよりも長く設定されていることを特徴とする。
本発明によれば、扉部材の開放姿勢からさらに開放する方向の回動の規制も、閉鎖する方向の回動の規制も、簡単な構成で確実かつ容易に行うことができる。
即ち、請求項1に係る発明は、姿勢設定手段5を係合部7を有する設定部材8と係止部9とで簡単に構成することができ、係止部9に対する設定部材8の係脱動作だけで、扉部材3が開放姿勢Bからさらに開放する方向の回動の規制も、扉部材3が開放姿勢Bから閉鎖する方向の回動の規制も確実かつ容易に行うことができる。
請求項2に係る発明は、設定部材8は一端を扉部材3に連結し、他端の第1係合部7a及び第2係合部7bを切欠形状に形成しており、1本の部材で簡単に構成でき、扉枠2は、受け面部2Bの開口11の開口縁に第1係止部9aと第2係止部9bとを形成するので、開口11を形成するだけで簡単に構成できる。
請求項3に係る発明は、設定部材8の第1係合部7aの上面aの先端から第2係合部7bの上面bの先端までの先端間距離αは、係止部9を形成する開口11の前後寸法βよりも長く設定されているので、設定部材8が押し引きされても、係合部7が係止部9から不本意に離脱することはなく、確実に係合維持ができる。
本発明の実施形態を示す扉部材開放姿勢の斜視図である。 扉部材開放姿勢の平面図である。 扉部材開放姿勢の正面図である。 扉部材開放姿勢の一部断面拡大側面図である。 扉部材開放姿勢の設定部材の斜視図である。 扉部材閉鎖姿勢の設定部材の平面図である。 扉部材閉鎖姿勢の斜視図である。 第2係合部が係合した設定部材の斜視図である。 図8のX−X線断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜9において、昇降口用扉装置1は、昇降口2Aを有していて作業足場(階上床)に組み込まれる扉枠2と、この扉枠2に枢支されていて昇降口2Aを開閉する扉部材3と、この扉部材3と前記扉枠2との間に設けられていて扉部材3の開放姿勢Bを設定する姿勢設定手段5とを備えている。
高所作業台の作業足場、仮設作業足場等の多段階の床は、4本の支柱間に、図2、3で示すような2本の平行な桟部材12を連結し、この2本の桟部材12を連結杆13で梯子状に連結し、2本の桟部材12間又は2本の連結杆13に踏み板を載置連結して構成され、2本の桟部材12、2本の連結杆13及び踏み板等で構成される足場を4本の支柱間に上下複数段に設けている。
扉装置1は桟部材12及び連結杆13の間で踏み板の一部を構成し、扉枠2は下段の足場(階下床)と上段の足場(階上床)とを行き来可能にする昇降口2Aを形成し、扉部材3は昇降口2Aを開閉する扉であり、かつ上段の足場の踏み板となる。なお、扉装置1の下方には下位の足場と上位の足場とを結ぶ梯子が設けられる。
前記扉枠2はアルミ合金製であり、断面コ字形状の2本の縦部材21と、この2本の縦部材21を連結する段付きの横部材22とで四角枠状に形成され、横部材22は枠外周部となる上面と、それより内側で1段低い中間の面部(受け面部)2Bとを有し、2本の縦部材21間でかつ受け面部2Bの内側が上下に開口した昇降口2Aとなっている。
図1〜7において、前記扉枠2は、枠の対向二辺に位置する2本の縦部材21の両端に一対の連結具14を有しており、この連結具14は作業足場の2本の平行な桟部材12を梯子状に連結する連結杆13に嵌合連結する。
各連結具14は連結杆13に上方から嵌合する嵌合部14aと、嵌合した状態で嵌合部14aが上方へ逃げるのを阻止する抜け止め部材14bとを有している。
前記扉部材3はアルミ合金製であり、断面T字又はL字形状の2本の側部材23と、この2本の側部材23を連結する架設部材24とで四角形状に形成され、架設部材24の一端と扉枠2の縦部材21の昇降口2A側の面との間にヒンジ部材25を設けて、扉部材3を扉枠2に開閉自在に枢支連結している。
扉部材3は、図7に示す閉鎖姿勢Cで、側部材23が扉枠2の横部材22に載置され、図1〜5に示す開放姿勢Bで、縦部材21から略90°回動して略鉛直に立ち上がる。
扉部材3の一方の側部材23と横部材22の受け面部2Bとの間には、扉部材3の開放姿勢Bを設定する姿勢設定手段5が設けられている。
この姿勢設定手段5は、側部材23に一端が連結されていて他端に係合部7を有する設定部材8と、横部材22の受け面部2Bに設けられていて設定部材8の係合部7を係止する係止部9とを有する。
前記設定部材8は1枚の帯板をS字状に屈曲した支え板形状であり、その一端は側部材23と架設部材24とを連結するボルト27に枢支されており、自由端となる他端に2つの切欠で第1係合部7aと第2係合部7bとが形成されている。
前記扉枠2の係止部9は、受け面部2Bに設定部材8の自由端が挿入可能な開口11を形成し、この開口11の周囲の開口縁に、第1係合部7aと係合可能な第1係止部9aと、第2係合部7bと係合可能な第2係止部9bとを形成している。
前記設定部材8は、扉部材3を開放姿勢Bに回動したときに、扉部材3から受け面部2Bに筋交い状に斜めに延びて配置される。設定部材8の自由端側の係合部7の第1係合部7aは、ヒンジ部材25側に開口した切欠であり、第1係止部9aと係合することにより、扉部材3が開放姿勢Bからさらに開放する方向の回動を規制する。
前記設定部材8の第2係合部7bは、受け面部2Bに対向する方向に開口した切欠であり、第2係止部9bと係合することにより、扉部材3が開放姿勢Bから閉鎖する方向の回動を規制する。
前記第1係合部7aによって回動が規制される扉部材3の開放姿勢B1と、第2係合部7bによって回動が規制される扉部材3の開放姿勢B2とは、図7に示すように、設定部材8の自由端を開口11に係脱するために若干角度のズレがある。
図1、4、5に示す開放姿勢B1及び図7に示す開放姿勢B1は、設定部材8の第1係合部7aが第1係止部9aに係合した状態であり、扉部材3は鉛直位置より外側へ若干傾き、それ以上の開放方向の回動を規制している。
図8に示す開放姿勢B1及び図7に示す開放姿勢B2は、設定部材8の第2係合部7bが第2係止部9bに係合した状態であり、扉部材3は鉛直位置より内側へ若干傾き、それ以上の閉鎖方向の回動を規制している。
図4、8に詳細に示すように、扉部材3の第1係合部7aの上面aの先端から第2係合部7bの上面bの先端までの先端間距離αは、係止部9を形成する開口11の前後寸法βよりも長く設定されている。なお、前記先端間距離αは扉部材3が傾斜しているので、上面aより前の部分を含む。
これによって、扉部材3は前記開放姿勢B1から開放姿勢B2への回動力を受けたとき、または、開放姿勢B2から開放姿勢B1への回動力を受けたとき、設定部材8は押し引きされるが、その自由端は第1係合部7aの上面aまたは第2係合部7bの上面bのどちらか一方が開口11の周囲縁上に存在し、開口11に突っ込んでしまうことはなく、離脱することもなく、係合維持ができる。
扉部材3の自由端は、人為的に上方へ離脱しない限り、受け面部2B上を移動し、設定部材8の第1係合部7aと第2係合部7bとは切欠の上側の面a、bを利用して、開口11の縁との係合がスムーズに入れ替わる。
扉部材3は開放姿勢Bから閉鎖姿勢Cにするとき、設定部材8の自由端を開口11から引き抜いて受け面部2Bに置き、扉部材3を閉鎖方向に回動して扉枠2に載置する。
図1〜3、7において、扉部材3は、扉枠2との間に扉部材3の閉鎖姿勢Cを解除可能にロックするロック具15を有する。このロック具15は扉部材3の自由端側に設けた平面視コ字形状のロック部材30と、このロック部材30の両端を扉部材3から突出方向に付勢する付勢部材(スプリング)31と、扉枠2に形成されていてロック部材30の両端が挿入される係合孔32とを有している。
扉部材3の架設部材24には、ロック部材30の中間部を露出する開口部33が形成されており、扉部材3が閉鎖姿勢Cのときに、上方からこの開口部33に手を入れて、ロッ
ク部材30を付勢部材31に抗して引き移動することにより、扉枠2に対する閉鎖ロックは解除され、扉部材3は上方へ開放できる。
ロック部材30は架設部材24の下側に位置するので、扉部材3の下方からは開口部33を介することなく手操作できる。
なお、本発明は前記実施形態における各部材の形状及びそれぞれの前後・左右・上下の位置関係は、図1〜9に示すように構成することが最良である。しかし、前記実施形態に限定されるものではなく、部材、構成を種々変形したり、組み合わせを変更したりすることもできる。
例えば、昇降口用扉装置1は、ベランダやバルコニー等の階上階の床に設置されている避難梯子付きの避難ハッチとしても適用可能である。
また、設定部材8は扉部材3に枢支されているが、扉枠2側に枢支しておいて、扉部材3には開口11を形成して、その周囲縁を係止部9としてもよい。
1 扉装置
2 扉枠
2A 昇降口
2B 受け面部
3 扉部材
5 姿勢設定手段
7 係合部
7a 第1係合部
7b 第2係合部
8 設定部材
9 係止部
9a 第1係止部
9b 第2係止部
11 開口
12 桟部材
13 連結杆
14 連結具
15 ロック具
B 開放姿勢
C 閉鎖姿勢
a 第1係合部の上面
b 第2係合部の上面
α 先端間距離
β 前後寸法

Claims (3)

  1. 昇降口(2A)を有していて階上床に組み込まれる扉枠(2)と、この扉枠(2)に枢支されていて昇降口(2A)を開閉する扉部材(3)と、この扉部材(3)と前記扉枠(2)との間に設けられていて扉部材(3)の開放姿勢(B)を設定する姿勢設定手段(5)とを備えた昇降口用扉装置であって、
    前記姿勢設定手段(5)は、扉部材(3)と扉枠(2)の一方に一端が連結されていて他端に係合部(7)を有する設定部材(8)と、扉部材(3)と扉枠(2)の他方に設けられていて設定部材(8)の係合部(7)を係止する係止部(9)とを有し、
    前記設定部材(8)の係合部(7)には、扉部材(3)が開放姿勢(B)からさらに開放する方向の回動を規制する第1係合部(7a)と、扉部材(3)が開放姿勢(B)から閉鎖する方向の回動を規制する第2係合部(7b)とを設けていることを特徴とする昇降口用扉装置。
  2. 前記設定部材(8)は、一端を扉部材(3)に連結し、他端の第1係合部(7a)及び第2係合部(7b)を切欠形状に形成しており、
    前記扉枠(2)は、閉鎖姿勢(C)の扉部材(3)を受ける受け面部(2B)を有し、この受け面部(2B)に開口(11)を形成しており、この開口(11)の周囲の開口縁には、設定部材(8)の他端が挿入されたときに第1係合部(7a)と係合可能な第1係止部(9a)と、第2係合部(7b)と係合可能な第2係止部(9b)とを形成していることを特徴とする請求項1に記載の昇降口用扉装置。
  3. 前記設定部材(8)の第1係合部(7a)の上面(a)の先端から第2係合部(7b)の上面(b)の先端までの先端間距離(α)は、係止部(9)を形成する開口(11)の前後寸法(β)よりも長く設定されていることを特徴とする請求項2に記載の昇降口用扉装置。
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