JP2016037666A - 芯糸供給装置及び紡績機 - Google Patents

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Harutoshi Sawada
晴稔 澤田
塩田 健
Takeshi Shioda
健 塩田
山田 修司
Shuji Yamada
修司 山田
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Abstract

【課題】芯糸を容易にセットすることができる芯糸供給装置、及び紡績機を提供する。
【解決手段】芯糸供給ユニット51は、芯糸Cを供給する芯糸供給ユニット51であって、芯糸Cが通されて当該芯糸Cに作用する複数の可動部80,106を備え、複数の可動部80,106は、当該複数の可動部80,106に芯糸Cが通されるときに、芯糸Cを通すための糸通し位置で保持される。
【選択図】図4

Description

本発明は、芯糸供給装置及び紡績機に関する。
従来の芯糸供給装置として、例えば、特許文献1に記載された装置が知られている。特許文献1に記載の芯糸供給装置は、芯糸ボビンから引き出された芯糸を送り出す芯糸送出部と、芯糸に張力を付与する張力付与部と、芯糸の張力を弛緩する張力弛緩部と、を備えている。
特開2012−131591号公報
上述したような芯糸供給装置では、芯糸の供給を開始する前に、芯糸を上記各部にそれぞれセットする(芯糸を通す)。上記張力付与部及び張力弛緩部等の芯糸に作用する可動部のそれぞれは、芯糸を供給するときの供給位置と、芯糸を供給しないときの原点位置と、に移動可能とされている。芯糸のセットは、可動部が原点位置にあるときに行われるが、原点位置においては、可動部において芯糸が通されるガイド部分がそれぞれ異なる高さに位置している。そのため、可動部に芯糸をセットするときには、芯糸を上下させなければならず、手間が掛かっていた。
本発明は、芯糸を容易にセットすることができる芯糸供給装置、及び紡績機を提供することを目的とする。
本発明に係る芯糸供給装置は、芯糸を供給する芯糸供給装置であって、芯糸が通されて当該芯糸に作用する複数の可動部を備え、複数の可動部は、当該複数の可動部に芯糸が通されるときに、芯糸を通すための糸通し位置で保持される。
これにより、芯糸供給装置では、芯糸を通し易い適当な位置において、複数の可動部を保持することができる。したがって、芯糸供給装置では、芯糸を容易にセットすることができる。
一実施形態においては、芯糸供給装置は、複数の可動部として、芯糸に張力を付与する張力付与部と、芯糸に弛みを付与する弛み付与部と、芯糸を保持するクランプ部と、を備えてもよい。この構成により、芯糸供給装置では、芯糸に張力を付与する機能、芯糸に弛みを付与する機能、及び芯糸をクランプする機能を好適に発揮することができる。
一実施形態において、張力付与部は、芯糸を屈曲させて当該芯糸に張力を付与する張力付与位置と、糸通し位置であって、張力付与位置よりも芯糸が屈曲しない張力非付与位置とに移動可能であってもよい。この構成により、芯糸供給装置では、張力付与部を通過する芯糸の経路を、例えば屈曲箇所の少ない経路とすることができるので、芯糸を容易にセットすることができる。
一実施形態においては、弛み付与部は、芯糸を屈曲させて当該芯糸に弛みを付与する弛み付与位置と、糸通し位置であって、弛み付与位置よりも芯糸が屈曲しない弛み非付与位置とに移動可能であってもよい。この構成により、芯糸供給装置では、弛み付与部を通過する芯糸の経路を、例えば屈曲箇所の少ない経路とすることができるので、芯糸を容易にセットすることができる。
一実施形態においては、クランプ部は、芯糸を保持するクランプ位置と、糸通し位置であって、芯糸を保持しない非クランプ位置とに移動可能であってもよい。この構成より、芯糸供給装置では、クランプ部に芯糸を通すときに、芯糸を通すための領域が十分に確保されるので、芯糸を容易にセットすることができる。
一実施形態においては、芯糸供給装置は、複数の可動部の糸通し位置への移動を開始させるための操作部を更に備えていてもよい。この構成により、複数の可動部の糸通し位置への移動を、操作部の操作によって容易に行うことができる。
一実施形態においては、操作部は、芯糸の走行経路の下流側の位置に配置されてもよい。この構成により、例えば、芯糸が上方から下方に向かって走行する芯糸供給装置では、操作部が下方に位置するので、当該操作部の操作を容易に行うことができる。
一実施形態においては、操作部は、オルタネイト型スイッチであってもよい。この構成により、オペレータは、操作部を確認することにより、複数の可動部が糸通し位置で保持されているか否かを判断することができる。また、操作部を簡易的な構成とすることができる。
本発明に係る紡績機は、上記芯糸供給装置と、繊維束をドラフトするドラフト装置と、芯糸を芯として繊維束に撚りを与えて糸を生成する空気紡績装置と、を備え、複数の可動部は、当該複数の可動部に芯糸が通されるときに、ドラフト装置のドラフト動作及び空気紡績装置の紡績動作が停止している場合には、糸通し位置にそれぞれ移動し、当該糸通し位置において保持される。
これにより、芯糸供給装置では、芯糸を通し易い適当な位置において、複数の可動部を保持することができる。したがって、紡績機では、芯糸供給装置において芯糸を容易にセットすることができる。
一実施形態においては、紡績機は、芯糸供給装置、ドラフト装置及び空気紡績装置の動作を制御する制御部を備え、制御部は、複数の可動部が糸通し位置で保持されている場合には、ドラフト装置のドラフト動作及び空気紡績装置の紡績動作を禁止してもよい。この構成により、紡績機では、複数の可動部に芯糸が通されるときに、例えばオペレータの誤操作等によるドラフト動作及び紡績動作の実施を禁止することができる。
一実施形態においては、紡績機は、空気紡績装置において生成される糸の糸種が設定される設定部を備え、制御部は、設定部において芯糸を用いない糸種が設定された場合、複数の可動部の糸通し位置への移動を禁止してもよい。この構成により、紡績機では、芯糸を用いない糸のドラフト動作及び紡績動作が実施されているときに、例えばオペレータの誤操作等による複数の可動部の糸通し位置への移動を禁止することができる。
一実施形態において、芯糸供給装置は、芯糸の糸端を空気の作用で送り出す芯糸送出部を備え、制御部は、可動部が糸通し位置で保持されている場合に、芯糸送出部及び空気紡績装置から空気を噴射させてもよい。この構成により、紡績機では、例えば、各可動部に芯糸を通した後に、芯糸送出部によって、当該芯糸の糸端をドラフト装置に送り出すことができる。また、紡績動作を開始する前に、芯糸及び繊維束の走行経路に残留する繊維等を取り除くことができる。
本発明によれば、芯糸を容易にセットすることができる。
本発明の一実施形態の紡績機の正面図である。 図1の紡績機の紡績ユニットの側面図である。 図2の紡績ユニットの空気紡績装置の断面図である。 図2の紡績ユニットにおける芯糸供給ユニットの斜視図である。 図2の紡績ユニットにおける芯糸供給装置周辺部分の側面図である。 図4の芯糸供給ユニットの張力付与部の側面図である。 図4の芯糸供給ユニットの芯糸送出ユニットの部分断面図である。 クランプ部を示す断面図である。 図2の紡績ユニットにおける芯糸供給装置の周辺部分の側面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
[紡績機の構成]
図1に示されるように、紡績機1は、複数の紡績ユニット2と、糸継台車3と、第1エンドフレーム4と、第2エンドフレーム5と、を備えている。複数の紡績ユニット2は、一列に配列されている。各紡績ユニット2は、紡績糸Yを生成してパッケージPに巻き取る。ある紡績ユニット2で紡績糸Yが切断されたり、何らかの理由で紡績糸Yが切れたりした場合、糸継台車3は、当該紡績ユニット2で糸継動作を行う。第1エンドフレーム4には、紡績ユニット2の各部において空気の旋回流等を発生させるための空気供給源及び/又は紡績ユニット2の各部において吸引流を発生させるための吸引源等が収容されている。
第2エンドフレーム5には、紡績ユニット2の各部に動力を供給するための駆動モータ等が収容されている。第2エンドフレーム5には、機台制御装置(設定部)Eと、表示部Dと、入力キーKと、が設けられている。機台制御装置Eは、紡績機1の各部を集中的に管理及び制御する。表示部Dは、紡績ユニット2の設定内容及び/又は状態に関する情報等を表示することができる。オペレータが入力キーKを用いて適宜の操作を行うことにより、紡績ユニット2の設定作業を行うことができる。表示部Dは、タッチパネルディスプレイであってもよい。この場合、入力キーKは、タッチパネルディスプレイに表示される形態であってもよい。
機台制御装置Eでは、紡績ユニット2において生成される紡績糸Yの糸種(ロット)が設定される。具体的には、機台制御装置Eは、表示部Dに糸種の設定を行う画面を表示させる。オペレータは、表示部Dに表示された画面に基づいて、糸種の設定を入力キーKにより行う。機台制御装置Eでは、入力キーKの操作情報に応じて、紡績糸Yの糸種の設定が行われる。機台制御装置Eは、設定された糸種に係る情報を、後述するユニットコントローラ15に出力する。
以下の説明では、スライバS、繊維束F及び紡績糸Yの走行経路において、スライバSが供給される側を上流側といい、紡績糸Yが巻き取られる側を下流側という。糸継台車3に対して紡績糸Yが走行する側を前側といい、その反対側を後側という。本実施形態では、複数の紡績ユニット2の配列方向に延在する作業通路(図示省略)が紡績機1の前側に設けられている。オペレータは、作業通路から各紡績ユニット2の操作及び監視等を行うことができる。
[紡績ユニットの構成]
図1及び図2に示されるように、各紡績ユニット2は、上流側から順に、ドラフト装置6及び芯糸供給装置7と、空気紡績装置8と、紡績糸監視装置9と、テンションセンサ10と、糸貯留装置11と、ワキシング装置12と、巻取装置13と、を備えている。これらの装置は、上流側が機台高さ方向において上側となるように(すなわち、下流側が機台高さ方向において下側となるように)、機台フレームによって直接的に又は間接的に支持されている。
ユニットコントローラ(制御部)15は、所定数の紡績ユニット2ごとに設けられており、紡績ユニット2の動作を制御する。ユニットコントローラ15は、機台制御装置Eから出力される情報(信号)に基づいて、紡績ユニット2の動作を制御する。例えば、ユニットコントローラ15は、機台制御装置Eから出力された糸種に係る情報に基づいて、紡績ユニット2の動作を制御する。ユニットコントローラ15は、入力キーKにおいて所定のキー操作が行われると、空気紡績装置8及び後述する芯糸送出部101において空気が噴射されるように、空気紡績装置8及び芯糸送出部101を制御する。
ドラフト装置6は、スライバSをドラフトする。ドラフト装置6は、スライバSの走行方向において上流側から順に、バックローラ対16と、サードローラ対17と、ミドルローラ対18と、フロントローラ対19と、を有している。各ローラ対16,17,18,19は、ボトムローラと、トップローラと、を有している。ボトムローラは、第2エンドフレーム5に設けられた駆動モータ又は各紡績ユニット2に設けられた駆動モータにより回転駆動される。ミドルローラ対18のトップローラに対しては、エプロンベルト18aが設けられている。ミドルローラ対18のボトムローラに対しては、エプロンベルト18bが設けられている。ドラフト装置6が上記のようにスライバSをドラフトする動作を、「ドラフト動作」という。
芯糸供給装置7は、芯糸パッケージCPから芯糸Cを解舒して、ドラフト装置6に芯糸Cを供給する。より詳細には、芯糸供給装置7は、ミドルローラ対18とフロントローラ対19との間から、繊維束Fの走行経路上に芯糸Cを供給する。これにより、芯糸Cは、繊維束Fと共に空気紡績装置8に供給される。
空気紡績装置8は、芯糸Cを芯として、ドラフト装置6でドラフトされた繊維束Fに空気の旋回流によって撚りを与えて紡績糸Yを生成する。空気紡績装置8が上記のように紡績糸Yを生成する動作を、「紡績動作」という。紡績糸監視装置9は、空気紡績装置8と糸貯留装置11との間において、走行する紡績糸Yの情報を監視して、監視した情報に基づいて糸欠陥の有無を検出する。紡績糸監視装置9は、糸欠陥を検出した場合、糸欠陥検出信号をユニットコントローラ15に送信する。紡績糸監視装置9は、糸欠陥として、例えば、紡績糸Yの太さ異常及び/又は紡績糸Yに含有されている異物を検出する。紡績糸監視装置9は、糸切れ等も検出する。
テンションセンサ10は、空気紡績装置8と糸貯留装置11との間において、走行する紡績糸Yのテンションを測定し、テンション測定信号をユニットコントローラ15に送信する。紡績糸監視装置9及び/又はテンションセンサ10の検出結果に基づきユニットコントローラ15が異常有りと判断した場合、紡績ユニット2において、紡績糸Yが切断される。具体的には、空気紡績装置8への空気の供給が停止されて、紡績糸Yの生成が中断されることにより、紡績糸Yが切断される。或いは、別途設けられたカッターにより紡績糸Yが切断されるようにしてもよい。
ワキシング装置12は、糸貯留装置11と巻取装置13との間において、紡績糸Yにワックスを付与する。
糸貯留装置11は、空気紡績装置8と巻取装置13との間において、紡績糸Yの弛みを取る。糸貯留装置11は、空気紡績装置8から紡績糸Yを安定して引き出す機能、糸継台車3による糸継動作時等に空気紡績装置8から送り出される紡績糸Yを滞留させて紡績糸Yが弛むのを防止する機能、及び糸貯留装置11よりも下流側の紡績糸Yのテンションの変動が空気紡績装置8に伝わるのを防止する機能を有している。
巻取装置13は、紡績糸YをボビンBに巻き取ってパッケージPを形成する。巻取装置13は、クレードルアーム21と、巻取ドラム22と、トラバースガイド23と、を有している。クレードルアーム21は、ボビンBを回転可能に支持する。クレードルアーム21は、支軸24によって揺動可能に支持されており、ボビンBの表面又はパッケージPの表面を巻取ドラム22の表面に適切な圧力で接触させる。第2エンドフレーム5に設けられた駆動モータ(図示省略)が、複数の紡績ユニット2の巻取ドラム22を一斉に駆動する。これにより、各紡績ユニット2において、ボビンB又はパッケージPが巻取方向に回転させられる。各紡績ユニット2のトラバースガイド23は、複数の紡績ユニット2で共有されるシャフト25に設けられている。第2エンドフレーム5の駆動モータがシャフト25を巻取ドラム22の回転軸方向に往復駆動することによって、回転するボビンB又はパッケージPに対してトラバースガイド23が紡績糸Yを所定幅でトラバースする。
糸継台車3は、ある紡績ユニット2において紡績糸Yが切断されたり、何らかの理由で紡績糸Yが切れたりした場合、当該紡績ユニット2まで走行して、糸継動作を行う。糸継台車3は、糸継装置26と、サクションパイプ27と、サクションマウス28と、を有している。サクションパイプ27は、支軸27aによって回動可能に支持されており、空気紡績装置8からの紡績糸Yを捕捉して糸継装置26に案内する。サクションマウス28は、支軸28aによって回動可能に支持されており、巻取装置13からの紡績糸Yを捕捉して糸継装置26に案内する。糸継装置26は、案内された紡績糸Y同士の糸継ぎを行う。糸継装置26は、空気を用いる糸継装置、種糸を用いるピーサー、又は紡績糸Yを機械的に継ぐノッター等である。
上述した空気紡績装置8について、より詳細に説明する。図3に示されるように、空気紡績装置8は、ノズルブロック30と、中空ガイド軸体40と、を備えている。
ノズルブロック30は、繊維案内部31と、旋回流発生部32と、を有している。繊維案内部31には、ドラフト装置6から供給された芯糸C及び繊維束Fを案内する案内孔31aが設けられている。旋回流発生部32には、紡績室33及び複数の第1ノズル34が設けられている。紡績室33内には、繊維案内部31によって保持されたニードル35の先端部35aが位置している。なお、ニードル35を省略して、繊維案内部31に下流側端部によりニードル35の機能を実現してもよい。
紡績室33では、案内孔31aを介して導入された繊維束Fの繊維が空気の旋回流によって旋回させられる。紡績室33内に旋回流を発生させるために、複数の第1ノズル34から紡績室33に空気が噴射される。旋回流発生部32には、紡績室33と一続きとなるように開口部32aが設けられている。開口部32aは、上流側に向かって先細りとなる円錐台状に形成されている。
中空ガイド軸体40の上流側の端部40aは、上流側に向かって先細りとなる円錐台状に形成されており、旋回流発生部32の開口部32a内に隙間を介して配置されている。中空ガイド軸体40に取り付けられたフランジ状のキャップ41がノズルブロック30を支持する枠状のホルダ36に当接することで、紡績室33に対して中空ガイド軸体40が位置決めされる。複数の第1ノズル34から紡績室33に噴射された空気は、中空ガイド軸体40の端部40aと旋回流発生部32の開口部32aとの間に形成された隙間を介して、ホルダ36に設けられた減圧室37に流入し、紡績糸Yとならなかった繊維と共に排出される。
中空ガイド軸体40には、通路42及び複数の第2ノズル43が設けられている。通路42は、紡績糸Y(紡績室33で旋回させられた繊維)を外部に案内する。糸出し紡績時において、複数の第2ノズル43から通路42に空気が噴射される。なお、糸出し紡績とは、空気紡績装置8が紡績動作を開始するときに行う動作のことである。
通路42は、中空ガイド軸体40の中心線に沿って延在しており、出口44に向かって広がるように形成されている。通路42は、上流側から順に、第1部分42aと、第2部分42bと、第3部分42cと、第4部分42dと、を含んでいる。第1部分42aは、中空ガイド軸体40の上流側の端部40aにおいて紡績室33に開口する入口45から下流側に延在している。第2部分42bは、第1部分42aに接続されている。第3部分42cは、第2部分42bに接続されている。第4部分42dは、第3部分42cに接続され、中空ガイド軸体40の下流側の端部40bにおいて外部に開口する出口44に至っている。
各第2ノズル43には、空気供給路46及び空気流路47を介して空気が供給される。空気供給路46は、中空ガイド軸体40の下流側の端部40bに接続されている。空気流路47は、中空ガイド軸体40の中心線方向から見た場合に通路42を包囲するように中空ガイド軸体40に設けられている。空気紡績装置8における第1ノズル34及び第2ノズル43からの空気の供給は、ユニットコントローラ15によって制御される。
[芯糸供給装置の構成]
図2に示されるように、芯糸供給装置7は、芯糸パッケージ保持部50と、芯糸供給ユニット51と、芯糸案内部52と、を備えている。
芯糸パッケージ保持部50は、芯糸パッケージCPの中心線が水平且つ前後方向に延在した状態で芯糸パッケージCPを保持する。芯糸パッケージCPには、芯糸Cとして、例えばフィラメント糸又は仮撚り加工糸が巻かれている。フィラメント糸は、剛性の高い芯糸であり、仮撚り加工糸は、伸縮性の高い芯糸である。芯糸Cとしては、加工系の芯糸C、エアー加工系の芯糸C(例えば、スパンデックスと加工糸を交絡させた糸であり、加工系と巻縮性が類似した糸)、又はスパン系の芯糸C(一般的に用いられる紡績糸)が用いられてもよい。
芯糸供給ユニット51は、芯糸パッケージCPからガイドローラ53を介して供給された芯糸Cに張力を付与する機能、当該芯糸Cに弛みを付与する機能、及び当該芯糸Cの糸端を送り出す機能を有している。
芯糸案内部52は、芯糸Cをドラフト装置6に案内する筒状の部材である。芯糸案内部52の内側には、直線を含むように芯糸Cの走行領域が形成されている。以下の説明では、芯糸供給ユニット51における芯糸Cの走行経路において、芯糸パッケージCPから芯糸供給ユニット51に芯糸Cが供給される側を上流側といい、芯糸供給ユニット51がドラフト装置6に芯糸Cを供給する側を下流側という。
[芯糸供給ユニットの構成]
図4及び図5に示されるように、芯糸供給ユニット51は、ユニットベース60と、張力付与部(可動部)70と、弛み付与部(可動部)80と、芯糸監視部90と、芯糸送出ユニット100と、を備えている。
ユニットベース60の最上流側には、芯糸ガイド61が設けられている。ユニットベース60は、張力付与部70、弛み付与部80、芯糸監視部90及び芯糸送出ユニット100を支持している。
張力付与部70は、芯糸ガイド61と弛み付与部80との間において、ドラフト装置6に供給される芯糸Cに張力を付与する。弛み付与部80は、張力付与部70と芯糸監視部90との間において、芯糸Cに弛みを付与する。芯糸監視部90は、弛み付与部80と芯糸送出ユニット100との間において、芯糸Cの有無を検出する。芯糸送出ユニット100は、芯糸監視部90の下流側において、芯糸案内部52を介してドラフト装置6に芯糸Cの糸端を送り出す。「芯糸Cの糸端を送り出す」とは、芯糸送出ユニット100が芯糸Cの糸端をドラフト装置6に送り出す動作をいう。「芯糸Cを供給する」とは、芯糸供給装置7が芯糸Cをドラフト装置6に連続的に供給する動作をいう。
図6に示されるように、張力付与部70は、張力付与機構71と、操作機構72と、を有している。張力付与機構71は、図6の(a)に示されるように、固定片73及び可動片74によって芯糸Cをジグザグ状に案内することで、芯糸Cを屈曲させて当該芯糸Cに張力を付与する。固定片73は、ユニットベース60に固定されている。固定片73には、芯糸Cが掛けられる複数のシャフト73aが設けられている。
可動片74は、固定片73に設けられた支軸(図示省略)によって、固定片73に対して開閉可能に支持されている。可動片74は、固定片73に設けられたバネ(図示省略)によって、固定片73に対して開く方向に付勢されている。可動片74には、複数のシャフト73aに対して突出するように複数の突起74aが設けられている。各突起74aは、図6の(b)に示されるように、固定片73に対して可動片74が閉じた状態において各シャフト73aと交互に位置するように、可動片74に設けられている。各突起74aの先端部には、芯糸Cが通される孔74bが形成されている。
図6の(a)に示されるように、固定片73及び可動片74に芯糸Cが通され、固定片73に対して可動片74が開いた状態では、芯糸Cに張力が付与される。このときの張力付与機構71の位置を、張力付与位置という。図6の(b)に示されるように、固定片73及び可動片74に芯糸Cが通され、固定片73に対して可動片74が閉じた状態では、芯糸Cに張力が付与されない。このときの張力付与機構71の位置を、張力非付与位置(糸通し位置)という。「芯糸Cに付与されない」とは、張力付与位置で付与される張力と比べて、十分に小さい張力が付与される場合も含まれる。
図6に示されるように、操作機構72は、操作部材75と、エアシリンダ76と、を有している。操作部材75は、固定片73の反対側から可動片74に操作部材75の先端部75aが当接するように配置されている。固定片73に対して開く方向に付勢された可動片74は、操作部材75がエアシリンダ76によって移動させられることで、固定片73に対して開閉させられる。このように、操作機構72は、張力付与機構71を、張力付与位置と張力非付与位置とに移動させる。張力付与部70の張力付与機構71は、エアシリンダ76が可動していない状態において張力非付与位置に配置され、エアシリンダ76が可動した状態において張力付与位置に配置される。すなわち、張力付与機構71の初期位置は張力非付与位置である。
図4に示されるように、弛み付与部80は、アーム81と、エアシリンダ82と、を有している。アーム81は、ユニットベース60に設けられた支軸81cによって回動可能に支持されている。アーム81の先端部には、芯糸Cが通される孔83が設けられている。アーム81は、エアシリンダ82によって、弛み非付与位置(糸通し位置)と弛み付与位置とに回動させられる。弛み非付与位置とは、芯糸Cの走行経路上に孔83が位置する位置(図4における実線の位置)であり、弛み付与位置とは、芯糸Cの走行経路から孔83が離れた位置(図4における二点鎖線の位置)である。弛み付与部80は、弛み非付与位置から弛み付与位置に回動することで、芯糸Cを屈曲させて当該芯糸Cに弛みを付与する。
芯糸監視部90は、弛み付与部80と芯糸送出ユニット100との間において、芯糸Cの有無を検出する。芯糸監視部90の上流側及び下流側のそれぞれには、芯糸Cを案内する芯糸ガイド62及び63が配置されている。
図7に示されるように、芯糸送出ユニット100は、芯糸送出部101と、クランプカッター102と、を有している。芯糸送出ユニット100の内側には、直線を含むように芯糸Cの走行領域が形成されている。芯糸送出部101及びクランプカッター102は、ユニットフレーム100aに取り付けられている(図5参照)。ユニットフレーム100aは、芯糸送出部101及びクランプカッター102を包囲するように位置している。ユニットフレーム100aは、ユニットベース60に取り付けられている。
芯糸送出部101は、芯糸送出ノズルブロック103と、芯糸送出ノズル104と、管体105と、を含んでいる。
芯糸送出ノズルブロック103の内部には、芯糸Cの走行経路の一部となる芯糸送出ノズル104が配置されている。芯糸送出ノズル104の下流側端部には、芯糸Cの走行経路の一部となる管体105が配置されている。芯糸Cの走行経路には、ノズル103aを介して外部から空気が供給される。芯糸送出ユニット100は、この空気の作用によって芯糸Cの糸端を芯糸案内部52に送り出す。ノズル103aからの空気の供給は、ユニットコントローラ15によって制御される。
図7及び図8に示されるように、クランプカッター102は、クランプ部(可動部)106と、カッター部107と、エアシリンダ108と、を含んでいる。
クランプ部106は、芯糸送出部101の下流側に配置されており、クランプピン106aと、クランプブロック106bと、を有している。クランプピン106aとクランプブロック106bとは、芯糸Cの走行領域の外側で互いに対向するように離間して配置されている。クランプピン106aとクランプブロック106bとが対向する方向は、芯糸Cの走行経路と略直交している。このときのクランプ部106の位置を、非クランプ位置(糸通し位置)という(図8(a)の位置)。
クランプブロック106bは、エアシリンダ108によって、クランプピン106aとの対向方向に沿って、芯糸Cの走行領域を横切るように移動させられ、クランプピン106aと当接する。この結果、走行経路に位置する芯糸Cは、クランプピン106aとクランプブロック106bとによってクランプされる。このときのクランプ部106の位置を、クランプ位置という(図8(b)の位置)。クランプ部106は、クランプピン106a及びクランプブロック106bの両方がエアシリンダ108によって移動させられる構成であってもよい。
カッター部107は、エアシリンダ108によって動作させられ、クランプ部106の下流側において芯糸Cを切断する。クランプカッター102は、芯糸Cが切断されるタイミングが、芯糸Cが保持されるタイミングよりも後になるように構成されている。
図4に示されるように、芯糸供給ユニット51は、第1空気供給管54と、第2空気供給管55と、中継基板56と、多芯ケーブル57と、を更に備えている。
第1空気供給管54は、ユニットベース60の外部に引き出されており、第1エンドフレーム4の空気供給源と連通する空気供給管(図示省略)に対して着脱可能に接続されている。第1空気供給管54は、ユニットベース60内に設けられた複数の配管(図示省略)を介して、張力付与部70のエアシリンダ76、弛み付与部80のエアシリンダ82、及びクランプカッター102のエアシリンダ108のそれぞれに接続されている。これにより、第1エンドフレーム4の空気供給源と連通する空気供給管を介して各エアシリンダ76,82,108に空気が供給される。
第2空気供給管55は、ユニットベース60の外部に引き出されており、第1エンドフレーム4の空気供給源と連通する空気供給管(図示省略)に対して着脱可能に接続されている。第2空気供給管55は、ユニットベース60内に設けられた配管(図示省略)を介して、芯糸送出部101に接続されている。これにより、第1エンドフレーム4の空気供給源と連通する空気供給管を介して芯糸送出部101に空気が供給される。
中継基板56は、ユニットベース60に支持されている。中継基板56は、ユニットベース60内に設けられた複数の配線(図示省略)を介して、芯糸送出ユニット100の芯糸送出部101動作用の電磁弁、張力付与部70のエアシリンダ76動作用の電磁弁、弛み付与部80のエアシリンダ82動作用の電磁弁、クランプカッター102のエアシリンダ108動作用の電磁弁、及び芯糸監視部90のそれぞれと電気的に接続される。
多芯ケーブル57は、ユニットベース60の外部に引き出されており、例えばコネクタ(図示省略)を介して、ユニットコントローラ15と接続された多芯ケーブル(図示省略)に対して着脱可能に接続されている。多芯ケーブル57は、芯糸供給ユニット51の各部に対して電気信号を入出力するために複数の配線が束ねられたケーブルであって、中継基板56に接続されている。これにより、芯糸供給ユニット51の各部は、ユニットコントローラ15によって制御される。
図5に示されるように、芯糸供給ユニット51は、操作部58を更に備えている。操作部58は、いわゆるオルタネイト型スイッチである。オルタネイト型スイッチとは、ON状態とOFF状態との切換えが可能であって、切換え後にON状態又はOFF状態が保持されるようなスイッチをいう。例えば、オルタネイト型スイッチでは、オペレータが、スイッチ(操作部)を操作してON状態にした後に、操作部から手を離してもON状態が保持される。操作部58は、切換え後のON状態又はOFF状態が保持されると共に、操作部58を確認すればON状態又はOFF状態が判断できるものであれば、どのようなタイプであってもよい。操作部58は、例えば、ランプが点灯するタイプであってもよいし、1回押すとON状態が保持され、更にもう一度押すとOFF状態となるようなプッシュオン・プッシュオフのタイプであってもよい。
操作部58は、例えば、芯糸送出ユニット100のユニットフレーム100aに配置されており、芯糸Cの走行経路の下流側に位置している。操作部58は、ユニットベース60内に設けられた配線(図示省略)を介して、中継基板56に接続されている。操作部58が操作されると、中継基板56を介してユニットコントローラ15に電気信号が送られる。ユニットコントローラ15は、当該電気信号に基づいて、弛み付与部80のエアシリンダ82動作用の電磁弁、及びクランプカッター102のエアシリンダ108動作用の電磁弁を動作させる。すなわち、操作部58は、弛み付与部80のアーム81及びクランプ部106を糸通し位置へ移動開始させるためのスイッチである。
具体的には、操作部58においてON状態にする操作が行われると、中継基板56を介してON状態を示す電気信号がユニットコントローラ15に出力される。当該電気信号を受け取ったユニットコントローラ15は、機台制御装置Eから出力された糸種に係る情報(ロット情報)において、生成する紡績糸Yに芯糸Cを用いることが設定されている場合には、弛み付与部80のエアシリンダ82動作用の電磁弁、及びクランプカッター102のエアシリンダ108動作用の電磁弁を動作させる。これにより、弛み付与部80のアーム81は、弛み非付与位置(糸通し位置)に回動させられ、弛み非付与位置で保持される。クランプ部106は、非クランプ位置(糸通し位置)に移動させられ、非クランプ位置で保持される。
操作部58においてOFF状態にする操作が行われると、中継基板56を介してOFF状態を示す電気信号がユニットコントローラ15に出力される。当該電気信号を受け取ったユニットコントローラ15は、弛み付与部80のエアシリンダ82動作用の電磁弁、及び、クランプカッター102のエアシリンダ108動作用の電磁弁を動作させる。これにより、弛み付与部80のアーム81は、弛み付与位置に回動させられ、クランプ部106は、クランプ位置に移動させられる。
ユニットコントローラ15は、機台制御装置Eから出力された糸種に係る情報において、生成する紡績糸Yに芯糸Cを用いることが設定されていない場合には、操作部58からON状態を示す電気信号が出力された場合であっても、上記動作を禁止する。すなわち、ユニットコントローラ15は、芯糸Cを用いない紡績糸Yを生成する場合には、弛み付与部80のアーム81及びクランプ部106の糸通し位置への移動を禁止する。ユニットコントローラ15は、紡績糸Yの生成に関する動作(ドラフト動作、及び紡績動作等)が行われている場合には、操作部58からON状態を示す電気信号が出力された場合であっても、上記動作を禁止する。
[紡績機の動作]
続いて、紡績機1の動作について説明する。紡績糸Yの生成に関する動作(ドラフト動作、及び紡績動作等)が行われている場合には、図5に示されるように、張力付与機構71は張力付与位置(すなわち、固定片73に対して可動片74が開いた状態)に位置しており、芯糸Cには張力が付与される。このとき、弛み付与部80のアーム81は、弛み非付与位置(すなわち、芯糸Cの走行経路上に孔83が位置した状態)に位置している。また、クランプ部106は、非クランプ位置(すなわち、クランプピン106aとクランプブロック106bとが離間した状態)に位置している。このように、芯糸供給ユニット51は、芯糸パッケージCPから解舒された芯糸Cに張力を付与しながら芯糸Cをドラフト装置6に供給する。
紡績糸監視装置9により糸欠陥が検出されて紡績糸Yの生成に関する動作が中断又は終了される場合には、図8(b)に示されるように、クランプ部106が、クランプ位置(すなわち、クランプピン106aとクランプブロック106bとが当接する状態)に移動させられて、芯糸Cがクランプされる。その後、クランプ部106でクランプされた芯糸Cは、カッター部107によって切断される。これにより、芯糸パッケージCPから引き出された芯糸Cの糸端が、クランプ部106においてクランプされる。その後、弛み付与部80のアーム81が弛み付与位置(すなわち、芯糸Cの走行経路から孔83が離れた状態)に回動させられて、孔83に通された芯糸Cが引き上げられ、引き上げられた分だけ芯糸パッケージCPから芯糸Cが解舒される。張力付与機構71は、張力非付与位置(すなわち、固定片73に対して可動片74が閉じた状態)に移動させられる。
芯糸供給装置7から芯糸Cが取り除かれることなく、紡績糸Yの生成に関する動作が再開される場合には、クランプ部106が、クランプ位置から非クランプ位置に移動させられて、芯糸Cの糸端のクランプが解除される。弛み付与部80のアーム81は、弛み付与位置から弛み非付与位置に回動させられる。張力付与機構71は、張力非付与位置で保持されており、芯糸Cに張力を付与しない状態である。この状態で、芯糸送出部101が動作させられる。これにより、芯糸Cの糸端は、芯糸案内部52を介してドラフト装置6に送り出される。芯糸Cの糸端が送り出された後に、芯糸送出部101は停止し、張力付与機構71は張力付与位置に移動させられ、芯糸Cに張力を付与する。
芯糸供給装置7から芯糸Cが一旦取り除かれた状態から、紡績糸Yの生成に関する動作が開始(再開)される場合には、当該動作が開始される前に、芯糸供給装置7に芯糸Cがセットされる。芯糸Cは、上流側から順に、芯糸ガイド61、張力付与機構71の各突起74a及び各孔74b、弛み付与部80の孔83、芯糸ガイド62、芯糸監視部90、芯糸ガイド63、及び芯糸送出ユニット100の内側に形成された芯糸Cの走行領域に通される。このとき、張力付与部70の張力付与機構71は、張力非付与位置に位置している。弛み付与部80のアーム81は、弛み付与位置に位置しており、クランプ部106は、クランプ位置に位置している。
操作部58が操作されてON状態に切り換えられると、弛み付与部80のアーム81及びクランプ部106が糸通し位置に移動させられる。具体的には、図9に示されるように、弛み付与部80のアーム81は、弛み付与位置から弛み非付与位置に回動させられ、当該弛み非付与位置で保持される。これにより、弛み付与部80の孔83を通過する芯糸Cの経路が、屈曲箇所の少ない経路となる。特に、芯糸ガイド61から芯糸ガイド63までの芯糸Cの経路は、張力付与機構71が初期位置としての張力非付与位置に保持されているので、略直線状となる。図8に示されるように、クランプ部106は、クランプ位置から非クランプ位置に移動させられ、当該非クランプ位置において保持される。これにより、芯糸送出ユニット100の内側に、芯糸Cを通すための領域が十分に確保される。
芯糸Cの糸端が芯糸送出ユニット100の内側まで通された後に、当該芯糸送出ユニット100が設けられた紡績ユニット2の図略の操作部が操作されると、ユニットコントローラ15は、芯糸送出部101の動作を制御する。より詳細には、ユニットコントローラ15は、芯糸送出ノズルブロック103のノズル103aから芯糸Cの走行領域に空気が噴射されるように、芯糸送出部101を制御する。これにより、芯糸Cの糸端がドラフト装置6に送り出される。ノズル103aからの空気の噴射は、紡績糸Yの生成に関する動作の開始前に、芯糸Cの走行領域に残留する繊維等を取り除くために行われてもよい。ユニットコントローラ15は、紡績ユニット2の図略の操作部が操作されたときに、ノズル103aに加え、各第1ノズル34及び/又は各第2ノズル43から空気が噴射されるように、空気紡績装置8を制御してもよい。これにより、芯糸Cの走行領域に残留する繊維等と共に、繊維束Fの走行経路に残留する繊維等が取り除かれる。ノズル103a、各第1ノズル34、及び各第2ノズル43から空気が噴射されるタイミングは、同時でもよいし、時間差があってもよい。
操作部58が操作され、弛み付与部80のアーム81及びクランプ部106が糸通し位置で保持されている場合、すなわち操作部58がON状態の場合、ユニットコントローラ15は、紡績糸Yの生成に関する動作を開始するための所定の操作が行われても、当該動作を開始させない。すなわち、ユニットコントローラ15は、弛み付与部80のアーム81及びクランプ部106が糸通し位置で保持されている場合には、紡績糸Yの生成に関する動作を禁止する。
操作部58がOFF状態に切り換えられたとき、ユニットコントローラ15は、弛み付与部80のアーム81を弛み付与位置に移動させ、クランプ部106を、クランプ位置に移動させる。また、ユニットコントローラ15は、紡績糸Yの生成に関する動作を許可する。
[効果]
以上説明したように、本実施形態に係る芯糸供給装置7では、弛み付与部80及びクランプ部106に芯糸Cが通されるときに、弛み付与部80及びクランプ部106のそれぞれは、糸通し位置に移動させられ保持される。これにより、芯糸供給装置7では、芯糸Cを通し易い適当な位置において、弛み付与部80及びクランプ部106を保持することができる。したがって、芯糸供給装置7では、芯糸Cを容易にセットすることができる。
本実施形態では、弛み付与部80のアーム81は、芯糸Cを屈曲させて当該芯糸Cに弛みを付与する弛み付与位置と、糸通し位置であって、弛み付与位置よりも芯糸が屈曲しない弛み非付与位置とに移動可能である。弛み付与部80のアーム81は、芯糸Cが通されるときに、糸通し位置で保持される。これにより、芯糸供給装置7では、弛み付与部80において、弛み付与部80の孔83を通過する芯糸Cの経路を、屈曲箇所の少ない経路とすることができるので、芯糸Cを容易に通すことができる。特に、弛み付与部80の孔83のように、閉じている場合には、スリット等が形成された孔等に比べて通常は芯糸を通し難い。本実施形態の構成を採用することにより、芯糸Cを容易に通すことができる。
本実施形態では、クランプ部106は、芯糸Cを保持するクランプ位置と、糸通し位置であって、芯糸Cを保持しない非クランプ位置とに移動可能である。そして、クランプ部106は、芯糸Cが通されるときに、糸通し位置で保持される。これにより、芯糸供給装置7では、クランプ部106において、芯糸送出ユニット100の内側に形成された芯糸Cの走行領域に芯糸Cを通すときに、芯糸Cを通すための領域が十分に確保されるので、芯糸Cを容易に通すことができる。
本実施形態では、芯糸供給装置7は、弛み付与部80及びクランプ部106の糸通し位置への移動を開始させるための操作部58を備えている。これにより、弛み付与部80及びクランプ部106の糸通し位置への移動を、操作部58の操作によって容易に行うことができる。特に、本実施形態では、操作部58は、芯糸Cの走行経路の下流側の位置に配置されている。これにより、操作部58が、芯糸供給装置7の下部に位置することとなるので、作業通路から操作するオペレータは、操作部58を容易に操作することができる。
本実施形態では、操作部58は、オルタネイト型スイッチである。これより、オペレータが操作部58を確認することにより、弛み付与部80のアーム81及びクランプ部106が糸通し位置で保持されているか否かを判断することができる。また、操作部58を簡易的な構成とすることができる。
本実施形態では、紡績ユニット2は、芯糸供給装置7、ドラフト装置6及び空気紡績装置8の動作を制御するユニットコントローラ15を備えている。ユニットコントローラ15は、弛み付与部80のアーム81及びクランプ部106が糸通し位置で保持されている場合には、ドラフト装置6のドラフト動作及び空気紡績装置8の紡績動作等を禁止する。これより、紡績ユニット2では、芯糸Cの糸通し作業が行われる場合に、例えばオペレータの誤操作等によるドラフト動作及び紡績動作等の実施を禁止することができる。
本実施形態においては、機台制御装置Eでは、空気紡績装置8において生成される紡績糸Yの糸種が設定される。機台制御装置Eにおいて芯糸Cを用いない糸種が設定された場合、ユニットコントローラ15は、弛み付与部80のアーム81及びクランプ部106の糸通し位置への移動を禁止する。これにより、紡績ユニット2では、芯糸Cを用いない紡績糸Yのドラフト動作及び紡績動作等が実施されているときに、例えばオペレータの誤操作等による弛み付与部80のアーム81及びクランプ部106の糸通し位置への移動を禁止することができる。
本実施形態において、紡績ユニット2では、芯糸供給装置7は、芯糸Cの糸端を空気の作用で送り出す芯糸送出部101を備えている。ユニットコントローラ15は、弛み付与部80のアーム81及びクランプ部106が糸通し位置で保持されている場合に、芯糸送出部101のノズル103a、及び空気紡績装置8の各第1ノズル34及び/又は各第2ノズル43から空気を噴射させる。これにより、紡績ユニット2では、弛み付与部80のアーム81及びクランプ部106に芯糸Cを通した後に、芯糸送出部101によって、当該芯糸Cの糸端をドラフト装置6に容易に送り出すことができる。また、紡績動作等を開始する前に、芯糸C及び繊維束Fの走行経路に残留する繊維等を取り除くことができる。
本発明は、上記実施形態に限定されない。上記実施形態では、張力付与部70の張力付与機構71が、エアシリンダ76が可動していない初期状態、つまり芯糸Cをセットする状態において、糸通し位置(張力非付与位置)である形態を一例に説明した。張力付与機構71は、初期状態において、張力付与位置である形態であってもよい。この場合、ユニットコントローラ15は、操作部58がON状態に切り換えられたときに、張力付与機構71が糸通し位置(張力非付与位置)に移動し、糸通し位置で保持されるように、エアシリンダ76動作用の電磁弁を動作させてもよい。すなわち、ユニットコントローラ15は、操作部58がON状態に切り換えられたときに、弛み付与部80のエアシリンダ82動作用の電磁弁、及びクランプカッター102のエアシリンダ108動作用の電磁弁と共に、張力付与部70のエアシリンダ76動作用の電磁弁を動作させる。
上記実施形態では、芯糸供給装置7が、芯糸Cに作用する可動部として、張力付与部70の張力付与機構71、弛み付与部80のアーム81、及びクランプ部106を備える形態を一例に説明した。しかし、芯糸供給装置7は、上記各部以外で、芯糸Cに作用する他の可動部を更に備えていてもよい。この場合、芯糸Cを芯糸供給装置7にセットするときには、当該他の可動部を糸通し位置に移動させ、糸通し位置で保持させてもよい。
芯糸Cを芯糸供給装置7にセットするときには、芯糸Cに作用する全ての可動部が、必ずしも糸通し位置に移動し、各糸通し位置で保持されなくてもよい。すなわち、ユニットコントローラ15は、複数の可動部のいずれかが、それぞれの糸通し位置に移動し、各糸通し位置で保持されるように、各可動部の駆動源(例えば、各エアシリンダ76,82,108の電磁弁等)を動作させてもよい。
上記実施形態では、操作部58は、芯糸供給ユニット51(芯糸供給装置7)に配置されているが、例えば、ドラフト装置6等に配置されてよい。すなわち、操作部58は、オペレータが操作可能な位置であれば、紡績ユニット2のいずれの位置に配置されてもよい。
上記紡績ユニット2では、糸貯留装置11が空気紡績装置8から紡績糸Yを引き出す機能を有していたが、デリベリローラとニップローラとで空気紡績装置8から紡績糸Yが引き出されてもよい。デリベリローラとニップローラとで空気紡績装置8から紡績糸Yを引き出す場合、糸貯留装置11の代わりに、吸引流で紡績糸Yの弛みを吸収するスラックチューブ又は機械的なコンペンセータ等を設けてもよい。
上記紡績機1では、機台高さ方向において、上側で供給された紡績糸Yが下側で巻き取られるように各装置が配置されていた。しかし、下側で供給された糸が上側で巻き取られるように各装置が配置されていてもよい。
上記紡績機1では、ドラフト装置6のボトムローラの少なくとも一つ及びトラバースガイド23が、第2エンドフレーム5からの動力によって(すなわち、複数の紡績ユニット2共通で)駆動されていた。しかし、紡績ユニット2の各部(例えば、ドラフト装置6、空気紡績装置8、及び巻取装置13等)が紡績ユニット2ごとに独立して駆動されてもよい。
紡績糸Yの走行方向において、テンションセンサ10が紡績糸監視装置9の上流側に配置されてもよい。ユニットコントローラ15は、1つの紡績ユニット2ごとに設けられてもよい。紡績ユニット2において、ワキシング装置12、テンションセンサ10及び紡績糸監視装置9は、省略されてもよい。巻取装置13は、紡績ユニット2ごとに設けられた駆動モータによって駆動されてもよい。
図1では、紡績機1は、チーズ形状のパッケージPを巻き取るように図示されているが、コーン形状のパッケージを巻き取ることも可能である。コーン形状のパッケージの場合、糸のトラバースにより糸の弛みが発生するが、当該弛みは、糸貯留装置11で吸収することができる。
空気紡績装置8では、旋回流発生部32の開口部32aは、上流側に向かって先細りとなる円錐台状に形成され、中空ガイド軸体40の上流側の端部40aは、上流側に向かって先細りとなる円錐台状に形成されている。しかし、空気紡績装置8の上記各部の形状は適宜変更されてもよい。
1…紡績機、6…ドラフト装置、7…芯糸供給装置、8…空気紡績装置、15…ユニットコントローラ(制御部)、58…操作部、70…張力付与部、80…弛み付与部、101…芯糸送出部、106…クランプ部、E…機台制御装置(設定部)、Y…紡績糸(糸)。

Claims (12)

  1. 芯糸を供給する芯糸供給装置であって、
    前記芯糸が通されて当該芯糸に作用する複数の可動部を備え、
    前記複数の可動部は、当該複数の可動部に前記芯糸が通されるときに、前記芯糸を通すための糸通し位置で保持される、芯糸供給装置。
  2. 前記複数の可動部として、
    前記芯糸に張力を付与する張力付与部と、
    前記芯糸に弛みを付与する弛み付与部と、
    前記芯糸をクランプするクランプ部と、を備える、請求項1記載の芯糸供給装置。
  3. 前記張力付与部は、前記芯糸を屈曲させて当該芯糸に張力を付与する張力付与位置と、前記糸通し位置であって、前記張力付与位置よりも前記芯糸が屈曲しない張力非付与位置とに移動可能である、請求項2記載の芯糸供給装置。
  4. 前記弛み付与部は、前記芯糸を屈曲させて当該芯糸に弛みを付与する弛み付与位置と、前記糸通し位置であって、前記弛み付与位置よりも前記芯糸が屈曲しない弛み非付与位置とに移動可能である、請求項2又は3記載の芯糸供給装置。
  5. 前記クランプ部は、前記芯糸を保持するクランプ位置と、前記糸通し位置であって、前記芯糸を保持しない非クランプ位置とに移動可能である、請求項2〜4のいずれか一項記載の芯糸供給装置。
  6. 前記複数の可動部の前記糸通し位置への移動を開始させるための操作部を更に備える、請求項1〜5のいずれか一項記載の芯糸供給装置。
  7. 前記操作部は、前記芯糸の走行経路の下流側の位置に配置されている、請求項6記載の芯糸供給装置。
  8. 前記操作部は、オルタネイト型スイッチである、請求項6又は7記載の芯糸供給装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項記載の芯糸供給装置と、
    繊維束をドラフトするドラフト装置と、
    前記芯糸を芯として前記繊維束に撚りを与えて糸を生成する空気紡績装置と、を備え、
    前記複数の可動部は、当該複数の可動部に前記芯糸が通されるときに、前記ドラフト装置のドラフト動作及び前記空気紡績装置の紡績動作が停止している場合には、前記糸通し位置にそれぞれ移動し、当該糸通し位置において保持される、紡績機。
  10. 前記芯糸供給装置、前記ドラフト装置及び前記空気紡績装置の動作を制御する制御部を備え、
    前記制御部は、前記複数の可動部が前記糸通し位置で保持されている場合には、前記ドラフト装置のドラフト動作及び前記空気紡績装置の紡績動作を禁止する、請求項9記載の紡績機。
  11. 前記空気紡績装置において生成される前記糸の糸種が設定される設定部を備え、
    前記制御部は、前記設定部において前記芯糸を用いない糸種が設定された場合、前記複数の可動部の前記糸通し位置への移動を禁止する、請求項10記載の紡績機。
  12. 前記芯糸供給装置は、前記芯糸の糸端を空気の作用で送り出す芯糸送出部を備え、
    前記制御部は、前記複数の可動部が前記糸通し位置で保持されている場合に、前記芯糸送出部及び前記空気紡績装置から空気を噴射させる、請求項10又は11記載の紡績機。
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