JP2016037027A - 空気入りタイヤ製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】良好なユニフォミティが維持された上で、エイペックスのジョイント部の接合不良が防止されたタイヤの製造方法の提供。【解決手段】このタイヤ2の製造方法では、ビード4が得られる工程と、このビード4と他の構成部材とが組み合わせられてローカバーが得られる工程と、このローカバーが加圧及び加熱されることでタイヤ2が得られる工程とを含む。上記ビード4が得られる工程は、エイペックス14を構成するための未架橋ゴムからなるゴム帯22が用意されるステップ、上記ゴム帯22が、ドラム44に巻かれてエイペックス14が形成されるステップ、上記エイペックス14のジョイント部36が針40でホーリングされるステップ及び上記エイペックス14とコア12とが接合されるステップを含む。【選択図】図7

Description

本発明は、空気入りタイヤの製造方法に関する。
通常タイヤは、そのサイド部にビードを備えている。ビードは、コアと、このコアから半径方向外向きに延びるエイペックスとを備えている。コアはリング状であり、巻回された非伸縮性ワイヤーを含む。ワイヤーの典型的な材質は、スチールである。エイペックスは、半径方向外向きに先細りである。エイペックスは、高硬度な架橋ゴムを含んでいる。
ビードの組立においては、ドラムが使用される。エイペックスを構成するための未加硫ゴムからなるゴム帯が、ドラムの周りに巻き付けられる。これによりエイペックスが形成される。このとき、エイペックスはドラムの外周上で、「寝かされた」状態で形成される。その後、エイペックスは、エイペックスの底を下側として「起立」させられる。このとき、エイペックスの底がコアと接合される。これにより、ビードが形成される。
ゴム帯をドラムに巻き付けたとき、ゴム帯の始端と終端とは重なり部分を有する。この重なり部分は、エイペックスのジョイント部と称される。始端と終端とは、圧着されている。始端と終端とは、圧力が加えられることにより、接合されている。ビードにおいては、ジョイント部でこの接合がはずれる「接合不良」が起こることがある。
ジョイント部の接合不良を防止するビード組立装置の検討が特開2014−100816公報で開示されている。この装置では、ゴム帯がドラム上で螺旋状に巻かれることに起因するジョイント部の接合不良が抑止されている。
特開2014−100816公報
さらにジョイント部の接合不良の不良率を下げることが求められている。前述のとおり、エイペックスはドラムの外周上で、「寝かされた」状態で形成された後で「起立」させられる。エイペックスが寝かされた状態では、エイペックスの底の部分の周長及びエイペックスの先端の周長は、ドラムの外周長とほぼ同じである。エイペックスが起立されられると、エイペックスの先端の周長は、ドラムの外周長よりも長くなる。先端の近辺では、大きな引っ張り力が働く。このため、エイペックスの先端の近辺では、底の近辺に比べて、ジョイント部の接合不良が起き易い。エイペックスの先端の近辺でのジョイント部の接合不良を防止することが、さらなる不良率低減に重要となる。
ジョイント部の接合不良を低減するために、ゴム帯の始端と終端との重なり部分を大きくする方法が考えられる。しかし、これはジョイント部の厚さを厚くする。これはタイヤのユニフォミティを悪化させる。さらにこれは材料コストを増大させる。
本発明の目的は、良好なユニフォミティが維持された上で、エイペックスのジョイント部の接合不良が防止されたタイヤの製造方法の提供にある。
本発明は、そのサイド部にビードを備えるタイヤの製造方法に関する。この製造方法は、上記ビードが得られる工程と、このビードと他の構成部材とが組み合わせられてローカバーが得られる工程と、このローカバーが加圧及び加熱されることでタイヤが得られる工程とを含む。上記ビードが得られる工程は、エイペックスを構成するための未架橋ゴムからなるゴム帯が用意されるステップ、上記ゴム帯が、ドラムに巻かれてエイペックスが形成されるステップ、上記エイペックスのジョイント部が針でホーリングされるステップ及び上記エイペックスとコアとが接合されるステップを含む。
好ましくは、上記ジョイント部がホーリングされる位置は二箇所である。
好ましくは、上記針の外径は1.5mm以上5.0mm以下であり、この針の形状は先端に向けて先細りである。
好ましくは、半径方向において、上記ホーリングの際に設けられた孔の外側端と上記エイペックスの外側端との距離Vhは、5.0mm以上15.0mm以下である。
好ましくは、上記エイペックスが第一層とこの第一層から半径方向外向きに延びる第二層とを備えており、上記第二層の硬さが上記第一層の硬さよりも低く、上記第二層に対して上記ホーリングがされている。
好ましくは、上記ホーリングの際の針を動かす速度は2cm/sec以上15cm/sec以下である。
本発明に係るタイヤの製造方法では、ビードが得られる工程において、エイペックスのジョイント部が針でホーリングされるステップを有する。これは、ジョイント部の接合強度を大きくする。このビードでは、エイペックスの先端の近辺においても、接合不良が防止されている。この方法は、ジョイント部の厚さを増大させることはない。このタイヤでは、優れたユニフォミティが維持されている。
図1は、本発明に係る製造方法で製造される空気入りタイヤの一部が示された断面図である。 図2は、この製造方法において、ビードが得られる工程で使用されるドラムが示された模式図である。 図3は、この製造方法のビードが得られる工程のフローチャートである。 図4は、図3の工程において、エイペックスの形成が開始される状態が示された正面図である。 図5は、図3の工程において、エイペックスが形成された状態が示された側面図である。 図6は、図5のエイペックスが示された正面図である。 図7は、図3の工程において、ホーリングしている状態が示された模式図である。 図8は、図7のホーリングにより形成されたエイペックスの一部が示された模式図である。 図9は、図3の工程において、エイペックスとコアが接合された状態が示された断面図である。 図10は、図3の工程において、エイペックスとコアが接合された状態が示された正面図である。 図11は、図6のXII−XII線に沿った断面図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1は、本発明に係る製造方法で製造されるタイヤ1の一部が示された断面図である。この図ではタイヤ1のサイド部2が示されている。図1において、上下方向はこのタイヤ1の半径方向であり、左右方向はこのタイヤ1の軸方向であり、紙面と垂直方向がこのタイヤ1の周方向である。
図1に示されるように、このタイヤ1は、そのサイド部2にビード4を備えている。このタイヤ1は、ビード4の他にサイドウォール6、クリンチ8及びカーカス10を備えている。図示されないが、このタイヤ1は、これら以外に、トレッド、ベルト及びバンドをさらに備えている。このタイヤ1は、チューブレスタイプである。このタイヤ1は、トラック、バス等に装着される。
ビード4は、クリンチ8よりも軸方向内側に位置している。ビード4は、コア12とエイペックス14とを備えている。コア12はリング状であり、巻回された非伸縮性ワイヤーを含む。ワイヤーの典型的な材質は、スチールである。エイペックス14は、第一層14aと第二層14bとを備えている。第一層14aは、コア12から半径方向外向きに延びている。第一層14aは、半径方向外向きに先細りである。第一層14aは、高硬度な架橋ゴムからなる。第一層14aは、ビードの部分の倒れを抑えうる。第二層14bは、第一層14aから半径方向外向きに延びている。第二層14bは、半径方向において、内向きに先細りであり外向きにも先細りである。第二層14bは、軟質な架橋ゴムからなる。第二層14bの硬さは第一層14aの硬さよりも低い。第二層14bは、ビードの部分における歪みを緩和しうる。このタイヤでは、第二層14bの外側端は半径方向において第一層14aの外側端よりも外側に位置している。
上記のとおり、エイペックス14は第一層14aと第二層14bの二つのゴム層よりなる。エイペックスが、一つのゴム層よりなっていてもよい。エイペックスが、三つ以上のゴム層よりなっていてもよい。
カーカス10は、カーカスプライ16からなる。カーカスプライ16は、両側のビード4の間に架け渡されており、トレッド及びサイドウォール6の内側に沿っている。カーカスプライ16は、コア12の周りを、軸方向内側から外側に向かって折り返されている。
以下では、このタイヤ1の製造方法が説明される。このタイヤ1の製造方法は、ビード4が得られる工程と、ローカバーが得られる工程と、タイヤ1が得られる工程とを含む。
ビード4が得られる工程では、ビード組立装置が用いられる。このビード組立装置は、エイペックス14を形成するためのドラムと、リング状のコア12をセットするコア台と、エイペックス14のジョイント部を圧着するローラーと、ホーリング用の針とを備えている。図2はこのドラム20の模式図である。図2において回転軸が見えている面が、このドラム20の正面である。この面に向かう方向が、このドラム20の前方である。
ドラム20の外周は、羽板24が並べられた構造を有している。羽板24はドラム20の回転軸Oを中心にして、環状に並べられている。この羽板24のドラム20の前方側の端が、この羽板24の根元26である。この羽板24のドラム20の後方側の端が、この羽板24の先端48である。それぞれの羽板24は、その根元26を中心に回転することができる。この回転により、それぞれの羽板24は外向きに起立することができる。
図3に、ビード4が得られる工程のフローチャートが示されている。図に示すとおりこの工程は、S1からS6のステップからなる。
ステップS1では、コア12がコア台にセットされる。コア台はドラム20の前方に位置している。コア12がコア台にセットされたとき、コア12は羽板24の根元26の近傍に位置している。コア12のリングの内径は、ドラム20の外径とほぼ同じである。
ステップS2では、エイペックス14を構成するための未加硫ゴムからなるゴム帯が用意される。前述のとおり、図1のタイヤ1では、エイペックス14は第一層14aと第二層14bとからなる。このゴム帯42も、第一層14aに対応する未加硫ゴム層と第二層14bとに対応する未加硫ゴム層とからなる。
ステップS3では、ゴム帯22がドラム20に巻かれる。これによりリング状のエイペックス14が形成される。図4には、このステップの開始の状態が示されている。まずゴム帯22の始端32がドラム20上に配置される。ドラム20が回転軸Oを中心として矢印Aの方向に回転させられる。ゴム帯22は一周巻かれたところで切断される。この巻き終わりの部分がゴム帯22の終端である。図5にドラム20の周りに形成されたエイペックス14が示されている。この図では、コア台30と、コア台30にセットされたコア12も合わせて示されている。エイペックス14の底15がドラム20の前方に配置され、エイペックス14の先端18がドラム20の後方に配置されるようにゴム帯22は巻かれている。エイペックス14はドラム20の外周上に、「寝かされた」状態で形成されている。
図6はドラム20の周りに巻回されて形成されたエイペックス14の正面図である。図に示されるとおり、ゴム帯22の始端32と終端34とは重なりを有している。この重なり部分は、エイペックス14のジョイント部36と称される。ゴム帯22の始端32と終端34との界面38(ジョイント部36の界面38と称される)は、リング状のエイペックス14の半径方向に対して傾斜している。
ステップS4では、ジョイント部36が圧着される。この圧着にはローラー(図示されず)が用いられる。ローラーがジョイント部36を外側からドラム20に押し付ける。この押し付けによって、ゴム帯22の始端32と終端34とが接合する。
ステップS5では、ジョイント部36にホーリングが行われる。図7はホーリングの様子が示された模式図である。このステップではジョイント部36に対してホーリング用の針40が刺し込まれる。この針40はジョイント部36の界面38を突き抜ける。この針40はジョイント部36の表面から裏面まで達する。ジョイント部36の裏面まで達した針40は、引き抜かれる。後述するとおり、ローカバーは加硫工程において加熱及び加圧される。これにより、ゴム組成物が流動する。図8には、加硫後のジョイント部36の界面38が示されている。図で示されるとおり、針40を抜いた後の孔は塞がる。ジョイント部36の界面38には、突起42と窪み44とが形成される。この突起42は窪み44に入り込む。ジョイント部36の界面38において、ゴム帯22の始端32と終端34とは歯合している。
ステップS6では、エイペックス14とコア12とが接合される。このステップでは、それぞれの羽板24がその根元26を中心に回転する。ドラム20の羽板24は外向きに起立する。これに伴い、エイペックス14も起立する。図9は、このときの状態が示された断面図である。この図において、紙面の上下方向がドラムの半径方向である。このエイペックスは、周方向に垂直な面で切断されている。図10は、このときの状態が示されたれた正面図である。図10では、羽板24及びコア台30は省略されている。
図9及び図10に示されるとおり、エイペックス14の底15がコア12と接合されている。図10において、ジョイント部36における小円46は、ホーリングが実施された位置を示す。このエイペックス14では、二箇所でホーリングがされている。エイペックス14が起立したため、エイペックス14の先端18の周長は、ドラム20の周長よりも長くなっている。エイペックス14は底15から先端18に向かうにつれて、その周長は長くなる。エイペックス14とコア12との接合により、ビード4が得られる。これにより、ビード4が得られる工程が終了する。
図3のフローチャートでは、ステップS1は、ビード4が得られる工程の最初に実施されている。ステップS1はこの工程の最初に実施されなくてもよい。ステップS6の前に実施されていればよい。
ローカバーが得られる工程では、このビード4と、カーカス10、ベルト、バンド、トレッド等のタイヤ1の他の構成部材とが組み合わせられる。これによりローカバーが得られる。このローカバーが得られる工程は、成形工程とも称される。
タイヤ1が得られる工程では、このローカバーは加硫機のモールドに投入される。この加硫機では、モールドの内側にブラダーが設けられている。投入のとき、ブラダーは収縮している。ブラダーの内部にガスが充填され、ブラダーは膨張する。トレッドは、ブラダーによりモールドのキャビティ面に押しつけられる。ローカバーは、モールドにて、加圧および加熱される。加圧と加熱とにより、ローカバーのゴム組成物が流動する。加熱により、ローカバーのゴムが架橋反応を起こし、タイヤ1が得られる。このローカバーからタイヤ1が得られる工程は、加硫工程と称される。
以下、本発明の作用効果が説明される。
ビードの形成において、エイペックスはドラムの外周上で、「寝かされた」状態で形成されている。この状態では、エイペックスの先端部分の周長は、ドラムの外周長とほぼ同じである。その後、このエイペックスは起立させられる。このとき、エイペックスの先端部分での周長は、ドラムの外周長よりも長くなる。先端部分では、大きな引っ張り力が働く。このため、エイペックスの先端の近辺では、底の近辺に比べて、ジョイント部の接合不良が起き易い。
ジョイント部の接合不良を低減するために、ゴム帯の始端と終端との重なり部分を大きくする方法が考えられる。しかし、これはジョイント部の厚さを厚くする。これはタイヤのユニフォミティを悪化させる。さらにこれは材料コストを増大させる。
本発明に係るタイヤ1の製造方法では、ビード4が得られる工程において、エイペックス14のジョイント部36を針40でホーリングするステップを有する。このホーリングにより、ジョイント部36の界面38に突起42と窪み44とが形成される。この突起42は窪み44に入り込む。ジョイント部36の界面38において、ゴム帯22の始端32と終端34とは歯合している。これは、ジョイント部36の接合強度を大きくする。このジョイント部36は、エイペックス14の先端18の近辺に大きな引っ張り力が付加されても、接合不良が発生し難い。このビード4では接合不良が防止されている。
図1において両矢印Ahは、半径方向における、コア12の外側端からエイペックス14の外側端(エイペックス14の先端18)までの高さである。高さAhが大きいほど、エイペックス14の先端18での引っ張り力は大きくなる。これはジョイント部36での接合不良の発生率を大きくする。高さAhが80mm上のタイヤ1では、エイペックス14の先端18の近辺におけるジョイント部36の接合不良の不良率が特に問題となる。この製造方法によれば、高さAhが80mm以上のエイペックス14についても、効果的に接合不良が防止される。この製造方法は、高さAhが80mm以上のエイペックスを備えるタイヤについて、特に有効である。
さらに、この方法は、ジョイント部36の厚さを増大させることはない。この方法により、接合強度が大きくなるため、ジョイント部36の厚さを増大させる必要がない。このタイヤ1では、優れたユニフォミティが維持されている。
ホーリングする場所は、二箇所が好ましい。二箇所でホーリングすることにより、このジョイント部36の接合強度は効率的に大きくできる。このジョイント部36は接合不良が効果的に防止されている。
図7において、両矢印Dは、ホーリング用の針40の外径である。外径Dは、1.5mm以上が好ましい。外径Dを1.5mm以上とすることで、ジョイント部36の界面38において、十分な大きさの突起42と窪み44とが形成される。このジョイント部36は良好な接合強度を有する。この観点から、外径Dは2.0mm以上がより好ましい。
外径Dは、5.0mm以下が好ましい。外径Dを5.0mm以下とすることで、ホーリング用の針40を抜いた後の孔は塞がりうる。このタイヤ1では、ホーリング用の孔が残ることによるタイヤ1の製造不良の発生が防止されている。この観点から、外径Dは4.5mm以下がより好ましい。
ホーリング用の針40の形状は、先端に向けて先細りであることが好ましい。これにより、効率よく針40をジョイント部36に刺し込むことができる。
図7において符号αは、正面視において、ジョイント部36の界面38と、エイペックス14の内側面(ドラム20と接している面)とがなす角度である。角度αは、エイペックス14がドラム20に巻き付けられた状態で計測される。角度αは5°以上50°以下が好ましい。角度αを5°以上50°以下とすることで、ジョイント部36が圧着されたときに、このジョイント部36は良好な接合強度を有する。
前述のとおり、ジョイント部36の小円46は、ホーリングが実施された位置を示す。この小円46の大きさは、ホーリング用の針40の外径を示している。換言すれば、これは、ホーリングの際にジョイント部36に設けられた孔(ホーリング孔と称される)を表す。図10において、符号Phは、起立した後のエイペックス14のリングの半径方向における、ホーリング孔の外側端である。両矢印Vhは、この半径方向における、外側端Phとエイペックス14の外側端との距離である。距離Vhは、エイペックス14がドラム20上で起立した状態で計測される。距離Vhは5.0mm以上が好ましい。距離Vhを5.0mm以上とすることで、ホーリングの孔とエイペックス14の外側端との間に破れが発生することが防止されている。この観点から、距離Vhは5.5mm以上がより好ましい。
距離Vhは15.0mm以下が好ましい。距離Vhを15.0mm以下とすることで、エイペックス14の先端18の近辺での接合不良が効果的に防止できる。この観点から、距離Vhは10.0mm以下がより好ましい。
前述のとおり、エイペックス14は、高硬度な架橋ゴムからなる第一層14aと、軟質な架橋ゴムからなる第二層14bとを備えている。ホーリングは、第二層14bに対して実施されるのが好ましい。第二層14bに対してホーリングを実施することにより、効率よく針40をジョイント部36に刺すことができる。また、針40を抜いた後に、このホーリングの孔は容易に塞がりうる。
この製造方法では、第二層14bの硬さは35以上が好ましい。第二層14bの硬さを35以上とすることで、ジョイント部36の接合不良が効果的に防止される。第二層14bの硬さは50以下が好ましい。第二層14bの硬さを50以下とすることで、効率よく針40をジョイント部36に刺すことができる。
本発明では、硬さはJIS−A硬さである。この硬さは、「JIS−K6253」の規定に準拠して、23℃の環境下で、タイプAのデュロメータによって測定される。より詳細には、硬さは、図1に示された断面にタイプAのデュロメータが押し付けられることで測定される。
図11は、図6のXII−XII線に沿ったエイペックス14の断面図である。この図では、ジョイント部36の界面38は示されていない。直線VLは、この断面において、エイペックス14の内側面(ドラム20と接している面)から引いた垂線である。符号θは、垂線VLとホーリング用の針40の中心線とがなす角度である。この角度は、直線VLを基準として、反時計回りの方向が正である。角度θは−30°以上30°以下が好ましい。角度θを−30°以上30°以下とすることで、ジョイント部36の界面38にできた突起42と窪み44とが効率的に接合強度を大きくする。この観点から角度θは−10°以上10°以下がより好ましい。
ホーリングをする際の針40を動かす速度は、2cm/sec以上15cm/sec以下が好ましい。針40を動かす速度を2cm/sec以上15cm/sec以下とすることで、効果的に接合強度を上げるための孔を、効率良く設けることができる。
本発明では、タイヤ1の各部材の寸法及び角度は、特に言及がない限り、タイヤ1が正規リムに組み込まれ、正規内圧となるようにタイヤ1に空気が充填された状態で測定される。測定時には、タイヤ1には荷重がかけられない。本明細書において正規リムとは、タイヤ1が依拠する規格において定められたリムを意味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、及びETRTO規格における「Measuring Rim」は、正規リムである。本明細書において正規内圧とは、タイヤ1が依拠する規格において定められた内圧を意味する。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
図1に示された構造を備えたタイヤを、本製造方法で試作した。このタイヤのサイズは275/80R22.5である。このタイヤでは、高さAhは90cmである。エイペックスの第二層の硬さは65である。ホーリングの際のパラメータが表1に示されている。このエイペックスの形成時に、角度αは35°とされた。ホーリングの際の角度θは15°とされた。
[比較例1]
ホーリングを実施しない他は実施例1と同様にしたのが比較例1である。比較例1は従来のタイヤ製造方法である。
[実施2−5]
ホーリングの針の外径Dを表1の通りとした他は実施例1と同様にしたのが実施例2−5である。
[実施例6]
ホーリングする位置を一箇所のみにした他は実施例1と同様にしたのが実施例6である。
[実施7−8]
距離Vhを表2の通りとした他は実施例1と同様にしたのが実施例7−8である。
[ジョイント部接合不良率]
実施例1−8及び比較例1について、それぞれ1000本のタイヤの製作を試みた。ビードが得られた段階でジョイント部の接合不良の有無を目視で確認した。ジョイント部の接合不良の発生率が比較例1を100とした指数で表1−2に示されている。値が小さいほどジョイント部の接合不良が抑えられている。値が小さいほど、評価が高い。
[タイヤ製造不良率]
上記の試験においてジョイント部接合不良が発生しなかったビードを用いて、タイヤを製作した。タイヤの完成までのタイヤの製造不良率が、比較例1を100とした指数で表1−2に示されている。この数値が小さいほど、評価が高い。
[総合不良率]
上記のジョイント部接合不良とタイヤ不良とを合わせた不良率が、比較例1を100とした指数で表1−2に示されている。この数値が小さいほど、評価が高い。
Figure 2016037027
Figure 2016037027
表1に示されるように、実施例のタイヤは、比較例のタイヤに比べて評価が高い。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
以上説明された方法は、種々のタイヤの製造にも適用されうる。
1・・・タイヤ
2・・・サイド部
4・・・ビード
6・・・サイドウォール
8・・・クリンチ
10・・・カーカス
12・・・コア
14・・・エイペックス
15・・・底
16・・・カーカスプライ
18、28・・・先端
20・・・ドラム
22・・・ゴム帯
24・・・羽板
26・・・根元
30・・・コア台
32・・・始端
34・・・終端
36・・・ジョイント部
38・・・界面
40・・・針
42・・・突起
44・・・窪み
46・・・小円

Claims (6)

  1. そのサイド部にビードを備えるタイヤの製造方法であって、
    上記ビードが得られる工程と、このビードと他の構成部材とが組み合わせられてローカバーが得られる工程と、このローカバーが加圧及び加熱されることでタイヤが得られる工程とを含み、
    上記ビードが得られる工程が、
    エイペックスを構成するための未架橋ゴムからなるゴム帯が用意されるステップ、
    上記ゴム帯が、ドラムに巻かれてエイペックスが形成されるステップ、
    上記エイペックスのジョイント部が針でホーリングされるステップ、
    及び
    上記エイペックスとコアとが接合されるステップ
    を含むタイヤの製造方法。
  2. 上記ジョイント部がホーリングされる位置が二箇所である請求項1に記載の製造方法。
  3. 上記針の外径が1.5mm以上5.0mm以下であり、この針の形状は先端に向けて先細りである請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 半径方向において、上記ホーリングの際に設けられた孔の外側端と上記エイペックスの外側端との距離Vhが、5.0mm以上15.0mm以下である請求項1から3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 上記エイペックスが第一層とこの第一層から半径方向外向きに延びる第二層とを備えており、
    上記第二層の硬さが上記第一層の硬さよりも低く、
    上記第二層に対して上記ホーリングがされている請求項1から4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 上記ホーリングの際の針を動かす速度が2cm/sec以上15cm/sec以下である請求項1から5のいずれかに記載の製造方法。
JP2014163704A 2014-08-11 2014-08-11 空気入りタイヤ製造方法 Expired - Fee Related JP6335067B2 (ja)

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