JP2016036342A - 有用物質産生促進用添加剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】有用物質の産生促進用添加剤を含む細胞培養用培地を用いて細胞を培養する有用物質の製造方法の提供。
【解決手段】式(1)で表される多糖又はその誘導体を含む、有用物質産生促進用添加剤並びに当該添加剤を含む有用物質生産に用いる細胞培養用培地、を用いて細胞を培養する工程を含む有用物質の製造方法。[化1]
Figure 2016036342

(nは重量平均分子量であり、10,000〜3,000,000)
【選択図】図1

Description

本発明は、式(1)で表される多糖を含む細胞における有用物質の産生促進用添加剤;当該添加剤を含む有用物質生産に用いる細胞培養用培地;当該添加剤を含む細胞培養用培地を用いて細胞を培養する工程を含む有用物質の製造方法などを提供する。
遺伝子組換え技術を利用して、タンパク質、ペプチドが人為的に生産されている。とりわけ医薬分野においては、医薬に有用なタンパク質(例えば、ヒト化抗体、ヒト抗体など)が培養細胞を利用して製造されている。
細胞の培養に用いられる培地としては、古くより牛血清を添加した血清培地が主体であったが、医薬品生産においては病原体混入などのリスクもあり血清を含まない無血清培地が求められている。しかし、血清には細胞増殖にかかわる種々の増殖因子が含まれており、単純に血清を欠如したのみでは細胞の増殖性は著しく低下し、培養不能となることも多い。そのため、多くの場合は血清代替物質としてインスリンやトランスフェリン、亜セレン酸ナトリウムなどが使用されている。しかし、これらの血清代替物質を用いても、無血清培地、特に化学組成が明確な物質のみで構成される培地(Chemically defined培地)では、従来の血清培地に比べると細胞増殖やタンパク質生産性において劣ることがある。その改善のため、酵母や大豆加水分解物なども併せて使用されることがある。このようなタンパク加水分解物を培地に添加することで、細胞増殖性や目的タンパク質生産性の向上に有効に働くことが知られている(特許文献1)。しかし、タンパク加水分解物は組成未知の成分も多く存在する複合素材であるため、医薬製造に使用する原料としては安全性の面から好ましいものではない。安全性保証の観点からは、化学組成が明らかな培地成分のみを用いることが望まれており、組成が明確な物質を用いた細胞増殖改善剤やタンパク質生産促進剤が求められている。
特表2002−520014号公報
本発明は、式(1)で表される多糖を含む細胞における有用物質の産生促進用添加剤;当該添加剤を含む有用物質生産に用いる細胞培養用培地;当該添加剤を含む細胞培養用培地を用いて細胞を培養する工程を含む有用物質の製造方法などを提供する。
本願発明者は、式(1):
Figure 2016036342
(式中、nは重量平均分子量が10,000〜3,000,000であるような値を示す整数である)
で表される多糖またはその誘導体が細胞においてタンパク質などの有用物質の生産量を増大させることを見出し、これに基づき本発明を完成させた。
本発明は、一つの側面として、上記式(1)で表される多糖を含む細胞における有用物質の産生促進用添加剤を提供する。
本発明は、一つの側面として、上記式(1)で表される多糖を含む添加剤を含有する有用物質生産に用いる細胞培養用培地を提供する。
本発明は、一つの側面として、上記式(1)で表される多糖を含む添加剤を含有する細胞培養用培地を用いて細胞を培養する工程を含む、有用物質の製造方法を提供する。
本発明によれば、上記式(1)で表される多糖を有効成分とする安価で安全性の高い優れた動物細胞用培地を提供することができる。本発明の上記式(1)で表される多糖を含む細胞培養用培地は、細胞の形態や種類、形質転換の有無などに限定されず有用物質の生産量を増大させる。即ち、本発明が提供する有用物質産生促進用添加剤、当該添加剤を含んだ細胞培養用培地、および当該培地を用いた有用物質の製造方法は、細胞における有用物質の生産量を増大させることができ、抗体を利用した臨床診断薬製造、抗体医薬生産、再生医療、細胞治療などの分野での応用が可能である。
実施例2の培養液中のIgG濃度の経時的変化を示す図である。 実施例2の培養3〜7日目の抗体比生産速度を示す図である。 実施例3のCHO細胞培養時における生細胞数の経時的変化を示す図である。 実施例3の培養0〜4日目の1細胞辺りの抗体比生産速度を示す図である。 実施例3のCHO細胞培養時における培養液中のIgG抗体濃度の経時変化を示す図である。 実施例4のCHO細胞培養時における生細胞数の経時的変化を示す図である。 実施例4の培養0〜3日目の1細胞辺りの抗体比生産速度を示す図である。 実施例4のCHO細胞培養時における培養液中のIgG抗体濃度の経時変化を示す図である。
本発明は、上記式(1)で表される多糖を含む細胞における有用物質の産生促進用添加剤;当該添加剤を含む有用物質生産に用いる細胞培養用培地;当該添加剤を含む細胞培養用培地を用いて細胞を培養する工程を含む有用物質の製造方法などを提供する。
本発明で用いることのできる多糖は、例えば、下記式(1)で表される多糖またはその誘導体である。
式(1):
Figure 2016036342
(式中、nは重量平均分子量が10,000〜3,000,000であり、好ましくは50,000〜2,500,000であり、より好ましくは100,000〜2,000,000であり得るような整数である)また、式中のヒドロキシル基は、その全部または一部が硫酸基で修飾されていてもよい。なお、本発明では、上記式(1)で表される多糖およびその誘導体のいずれかのみを用いてもよいし、両方を用いてもよいが、少なくとも、上記式(1)で表される多糖を用いることが好ましい。
上記式(1)で表される多糖は、構成糖として、グルコース、マンノース、ラムノースなどが含まれる。上記式(1)で表される多糖は、グルコース残基とマンノースが1,4結合した主鎖に、グルコース分子内の3位の位置にカルボシキエチルラムノースが結合した構造から構成される。なお、式(1)の多糖の構造決定は、通常の化学物質の構造決定で用いられる方法によって、解析することができる。例えば、多糖を酸などで加水分解した物を誘導体化(例えば、メチル化アルジトールアセテート誘導体化)し、その誘導体をGC−MSを用いての構造解析、NMRを用いて、1H−NMRや13C−NMR、1H−COSY、C,H−COSYなどによる構造解析、CI−MSを用いた構造解析によって行うことができる。
上記式(1)で表される多糖は、シュードモナス(Pseudomonas)属細菌(例えば、シュードモナス・スツツェリ(Pseudomonas stutzeri))を培養し、当該培養物から多糖を精製することによって得ることができる。多糖の製造方法としては、例えば、特許3057221号公報に記載されている方法によって、得られた培養液から多糖を精製することにより得ることができる。培養液からの多糖の精製方法としては、通常用いられる培養液からの多糖の精製方法であれば、特に問題なく多糖を精製することができる。精製方法として、例えば、希釈法やエタノール沈殿法などを例示することができる。なお、多糖の重量平均分子量は、培養時間によって調整することができ、例えば、重量平均分子量の大きい多糖を製造する場合は、培養時間を長くすればよい。また、当該多糖は、化学合成法、酵素法によって合成することもできる。
希釈法は、培養によって得られた培養液に蒸留水などを添加して希釈した後、遠心分離を行い、その上清を蒸留水で透析し、透析液を凍結乾燥することによって多糖を得ることができる。また、エタノール沈殿法は、培養液にエタノールを添加し、培養液中に含まれる多糖を析出させ、析出した多糖を遠心分離などの方法によって回収することにより得ることができる。また、エタノールを添加する前に遠心分離やフィルターろ過などによって、培養液から菌体を除去してもよい。さらに、回収した多糖を水に再溶解し、再びエタノール沈殿を行う事によって、多糖をさらに精製することも可能である。また、必要に応じて、上記方法によって得られた多糖をクロマトグラフィーなどを用いて、さらに精製を行うことも可能である。なお、添加する試薬の量や精製の諸条件は、精製に用いる培養液の性質や試薬などによって、適宜検討すればよい。
上記式(1)で表される多糖の誘導体の例としては、塩、エステル、エーテル、アミドなどが挙げられる。
塩の例としては、酸付加塩および塩基付加塩が含まれる。酸付加塩の例としては、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸および硝酸などの無機酸由来のもの、ならびにp-トルエンスルホン酸、サリチル酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、フマル酸、トリフルオロ酢酸などの有機酸由来のものなどが挙げられる。塩基付加塩の例としては、アンモニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム由来のもの、および例えば、水酸化テトラメチルアンモニウムなどの水酸化四級アンモニウム由来のものが挙げられる。
エステルの例としては、脂肪族エステル(例えば、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、イソブチルエステル、t-ブチルエステル、ペンチルエステル、1-シクロプロピルエチルエステル、およびプロピレングリコールエステル)、有機酸エステル(例えば、酢酸エステル、スルホン酸エステル、リン酸エステル、リンゴ酸エステル)、無機酸エステル(例えば、硫酸エステル)などが挙げられる。
エーテルの例としては、メチルエーテル、エチルエーテルなどの低級アルキルエーテル(C1−6アルキルエーテル)などが挙げられる。
アミドの例としては、メチルアミド、エチルアミドなどの低級アルキルアミド(C1−6アルキルアミド)などが挙げられる。
また、本発明で用いることのできる上記式(1)で表される多糖の重量平均分子量は、通常、多糖の重量平均分子量の測定方法に用いられる方法において測定することができる。例えば、HPLCによるゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって、多糖の重量平均分子量を測定することができる。なお、測定に使用するカラムは、測定する多糖物性に応じて適宜選択すればよく、通常市販されている分子量測定用のカラムを用いればよく、測定は通常の方法を用いることができ、特に限定されるものではない。
上記式(1)で表される多糖は、更に公知の方法で低分子化処理を施したものを用いることも可能である。例えば、低分子化の方法としては、公知である多糖の加水分解反応のいずれもが利用可能である。例えば、多糖を酸存在下で加圧加熱により加水分解することが知られており、これを利用して多糖を低分子化処理することができる。また、酵素による加水分解反応を利用して低分子化することも可能である。さらには、超音波処理などの物理的な処理を行うことによっても低分子化することも可能である。
上記式(1)で表される多糖は、細胞での有用物質の産生促進に使用することができる。好ましくは、in vitroで細胞を用いた有用物質生産をする際の産生促進のため、上記式(1)で表される多糖の使用が提供される。産生促進は、そのメカニズムに関係なく、一定時間内に有用物質の産生量が増大すればよく、例えば、細胞増殖を促進することにより有用物質の産生を増大させてもよく、個々の細胞における有用物質の発現量を増大させることにより有用物質の産生を増大させてもよく、その両方であってもよい。
上記式(1)で表される多糖は、細胞培養用培地に添加することにより有用物質の産生促進に使用することができる。また、好ましい実施態様において、上記式(1)で表される多糖を細胞培養用培地に添加することにより、無血清下で有用物質の産生を促進する。よって、上記式(1)で表される多糖は、単独で培地添加因子である有用物質産生促進用添加剤として使用できる。また、他の有用物質の産生促進に寄与する物質(例えば、トランスフェリン、インスリン等のタンパク質)および/または低分子化合物(例えば、グルコース、リン酸塩、亜セレン酸)とともに使用することもできる。すなわち、有用物質産生促進用添加剤は、上記式(1)で表される多糖を含む限り、特に限定されず、他の物質を含んでもよいし、含まなくてもよい。
本発明が提供する添加剤(例えば、有用物質の産生促進用添加剤)は、上記式(1)で表される多糖を、培地に添加した際に最終濃度として、0.01μg/ml以上であればよく、0.1μg/ml以上が好ましく、0.5μg/ml以上であることがより好ましく、1μg/ml以上であることがさらに好ましい、また、10,000μg/ml以下であればよく、5,000μg/ml以下が好ましく、2,000μg/ml以下であることがより好ましく、1000μg/ml以下がさらに好ましい。培地中における多糖の最終濃度としては、例えば、0.01〜10,000μg/ml、0.01〜5,000μg/ml、0.01〜2,000μg/ml、0.01〜1,000μg/ml、0.1〜10,000μg/ml、0.1〜5,000μg/ml、0.1〜2,000μg/ml、0.1〜1,000μg/ml、0.5μg/ml〜10,000μg/ml、0.5μg/ml〜5,000μg/ml、0.5μg/ml〜2,000μg/ml、0.5μg/ml〜1,000μg/ml、1〜10,000μg/ml、1〜5,000μg/ml、1〜2,000μg/ml、1μg/ml〜1,000μg/mlなどの範囲となるように含ませる形態であればよい。添加剤は室温で液体でも固体でもよい。例えば、リン酸緩衝生理食塩水、リン酸緩衝液、酢酸緩衝液、クエン酸緩衝液、トリス緩衝液、HEPES緩衝液、MOPS緩衝液などの緩衝液に上記式(1)で表される多糖を溶解させて、本発明が提供する添加剤として、培地中での多糖濃度を上記範囲内で調製することができる。
上記式(1)で表される多糖を添加する培地は、例えば、MEM、DMEM、HamF12、RPMI1640、Fisher‘s mediumまたはそれらの混合物であってもよい。これらの基礎培地に上記で説明した上記式(1)で表される多糖を添加することにより、有用物質の製造に有用な無血清培地を調製できる。また、増殖因子や血清代替物質を添加することにより血清非含有で使用することを前提とした無血清培地、無タンパク培地またはケミカリー・ディファインド培地に添加して用いることもできる。これらの培地の例としてはSAFC Biosciences社製のEX-CELL 302, EX-CELL 325-PF、EX-CELL CD CHOなど、Life Technologies社製のSFM II、CHO-III-PFM、CD CHOなど、また、Irvine Scientific社製のIS-CHO CD、BalanCD Growth A Mediumなどが挙げられるがこれらに限定されるものではない。また、このような無血清培地、無タンパク培地、またはケミカリーディファインド培地を任意の比率で2種以上を混合した混合培地に対しても同様に用いることができる。培地中の上記式(1)で表される多糖の含有量は、特に限定されないが、例えば、0.01〜10,000μg/ml、0.01〜5,000μg/ml、0.01〜2,000μg/ml、0.01〜1,000μg/ml、0.1〜10,000μg/ml、0.1〜5,000μg/ml、0.1〜2,000μg/ml、0.1〜1,000μg/ml、0.5μg/ml〜10,000μg/ml、0.5μg/ml〜5,000μg/ml、0.5μg/ml〜2,000μg/ml、0.5μg/ml〜1,000μg/ml、1〜10,000μg/ml、1〜5,000μg/ml、1〜2,000μg/ml、1μg/ml〜1,000μg/mlの範囲であり得る。上記式(1)で表される多糖を含む培地は、前記多糖に加えて、例えば、無機塩類(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩)、炭水化物(例えば、グルコースなどの糖)、アミノ酸(例えば、グルタミンやイソロイシン)、ビタミン(例えば、リボフラビン、チアミン)、脂肪酸・脂質(例えば、コレステロールなどのステロイド)、タンパク質・ペプチド(例えば、アルブミン、トランスフェリン、L-アラニル‐L-グルタミンなどのジペプチド)、微量元素(例えば、マグネシウム、銅、鉄)およびそれらの組み合わせから選択される物質を含んでもよい。一つの実施態様において、上記式(1)で表される多糖を含む液体培地は、前記多糖に加え、0.1〜4.5g/Lのグルコース、0.1〜0.5g/LのCaCl、1〜10g/LのNaCl、0.001〜0.3g/LのL−アルギニン・HCl、0.001〜0.3g/LのL−システイン・2HCl、0.001〜0.3g/LのL−ヒスチジン・HCl・HO、0.001〜0.3g/LのL−イソロイシン、0.001〜0.3g/LのL−ロイシン、0.001〜0.3g/LのL−リジン・HCl、0.001〜0.3g/LのL−メチオニン、0.001〜0.3g/LのL−フェニルアラニン、0.001〜0.3g/LのL−トレオニン、0.001〜0.3g/LのL−トリプトファン、0.001〜0.3g/LのL−チロシン・2Na・2HO、および0.001〜0.3g/LのL−バリンを含む。また、一つの実施態様として、水に溶解したときに上記の組成になるような粉末状態の培地であってもよい。このような上記で説明した上記式(1)で表される多糖を含有する培地は、有用物質の製造に使用することができる。
具体的には、有用物質を産生する細胞を、上記式(1)で表される多糖を含む培地で培養する培養工程、および細胞から産生された有用物質を単離する単離工程を含む方法により有用物質を製造できる。例えば、有用物質として抗体を製造する場合には、抗体産生細胞を、上記式(1)で表される多糖を含む培地で培養し、抗体を精製する工程を含む方法により抗体を製造できる。抗体の精製工程は、例えば、アフィニティーカラムクロマトグラフィーを用いた方法などが含まれる。なお、上記培養工程においては、培養中に培地成分を追加する、いわゆるFeed培養を行ってもよい。この場合、追加される培地は、上記式(1)で表される多糖を含んでいても良く、多糖を含んでいなくてもよいが、多糖を含むことが好ましい。
本明細書において、有用物質とは、医薬、農薬、食品、その他化学工業に有用な物質であれば特に制限はない。好ましくは、抗体、酵素(ウロキナーゼなど)、ホルモン(インスリンなど)、サイトカイン(インターフェロン、インターロイキン、エリスロポエチン、G−CSF、GM−CSFなど)などの生理活性タンパク質、ペプチドなどが例として挙げられる。抗体は、例えば、マウスモノクローナル抗体、ヒト化モノクローナル抗体またはヒトモノクローナル抗体である。また、免疫グロブリンのクラスは特に限定されないが、例えば、IgG(例えば、IgG1、IgG2)である。有用物質は、外来遺伝子の発現産物である組み換えタンパク質であり得る。
本明細書において、細胞については組換えタンパクなどの有用物質生産に使用可能な細胞であれば特に限定されず、CHO細胞、BHK細胞、HepG2細胞、rodent myeloma細胞(例えば、SP2/O細胞、NSO細胞などのマウス骨髄腫細胞)などの哺乳類動物細胞、カイコ細胞、ショウジョウバエ細胞などの昆虫細胞などの動物細胞;シロイヌナズナ細胞などの植物細胞;およびそれらの細胞に外来遺伝子を導入した形質転換細胞が例として挙げられる。有用物質として抗体を産生させる場合は、CHO細胞、SP2/O細胞またはNSO細胞などの動物細胞(好ましくは哺乳類動物細胞)を細胞融合することによって得られるハイブリドーマなどを抗体産生細胞として採用することができる。なかでも、動物細胞が好ましく、哺乳類動物細胞がより好ましく、CHO細胞が更に好ましい。
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
多糖の重量平均分子量の測定方法
実験に用いた多糖の重量平均分子量の測定方法は、以下に記載の方法により重量平均分子量を測定した。なお、カラムはTOSOH Guard COLUMNを装着し、TSK-GEL GMPWXLを直列に2本連結させて測定を行った。
装置:高速液体クロマトグラフィー(日本ウォーターズ社製)
カラム:TSK-GEL GMPWXL(カラムサイズ 7.5mml.D × 30cm)(東ソー社製)
検出器:2414示差屈折計(RI検出器)(日本ウォーターズ社製)
カラム温度:40℃
移動相:100mM りん酸(カリウム)バッファー(pH2.8)
流速:1.0ml/min
流入量:100μl
試料濃度:0.20%(2mg/ml)
前処理:0.45μmメンブレンフィルター濾過(Minisart RC 4)
分子量マーカー:プルラン(重量平均分子量;256万、133万、78.8万、40.4万、21.2万、11.2万、4.73万、2.28万、1.18万、0.60万)(昭和電工社製)
IgG濃度の測定方法
Bethyl Laboratories, Inc.製のhuman IgG ELISA測定キット(Human IgG ELISA Quantitation Set, ELISA StarterAccessory Kit)を用い、添付の取扱説明書記載の方法で細胞培養液中のIgG濃度を測定した。
生細胞数の測定方法
Life technologies社製のCountess Automated Cell Counterを用いて、取扱説明書記載の方法で生細胞数を測定した。
(実施例1)多糖の添加量による検討
前記特許文献(特許第3057221号公報)に記載の方法により、シュードモナス・スツツェリ(Pseudomonas stutzeri)BL58株(FERM P−16025号)を培養し、上記式(1)で表される多糖を含む培養液を調製した。当該培養液(液量500ml)に35%塩酸を添加し、pH4に調整した。当該培養液に純水を添加して約2倍に希釈した後、珪藻土ろ過法により培養液から菌体を除去し、さらに遠心分離(14,000×g 10min)を行った。その後、遠心上清を透析膜(Spectra/Pro 4,MWCO 12〜14,000 Da)にて純水で透析(純水を交換して合計3回)した。透析後の多糖を含む溶液をEYELA FDU−1200及びEYELA DRY CHAMBER DRC−1N(東京理化器械製)を用いて二日間凍結乾燥し、多糖の粉末を得た。得られた多糖の粉末をリン酸緩衝生理食塩水に溶解し、pH7.0±0.2になるように多糖溶液(多糖溶液1)を調整し、以後の実験に用いた。なお、得られた多糖の構造解析は上述した構造解析方法により解析を行い、式(1)の構造を有していることを確認した。また、得られた多糖の重量平均分子量は約44.5万であった。
IgG遺伝子が導入されIgG抗体を分泌産生するCHO細胞株(ATCC CRL−12445)を用い、BalanCD Growth A Medium(Irvine Scientific社製)に馴化、および浮遊化させた細胞を実験に用いた。70mlのTフラスコにBalanCD Growth A Mediumを7ml添加し、上記調整した浮遊化細胞を2×10cells/mlとなるように播種した。なお、培地には上記で調整した多糖溶液を最終濃度0.064、0.32、1.6、8、40、200、1000μg/mlになるように、それぞれの培地に添加した。また、比較対象として、多糖溶液の代わりにリン酸緩衝生理食塩水のみを培地に添加した培地を用いて、同様に培養した。37℃、5%CO環境下で8日間静置培養した後、培養液中のIgG濃度を測定した。IgG濃度の測定結果を表1に示す。
Figure 2016036342
表中カッコ内の値は、多糖濃度0の場合のIgG産生量に対する相対値(%)を示す。
試験を行ったすべての多糖濃度範囲(0.064〜1000μg/ml)において、IgG産生量の増加が認められた。上記結果より、本発明における多糖は、組換えタンパク質であるIgGの産生促進効果が示された。
(実施例2)振盪培養による検討
125mlの三角フラスコにBalanCD Growth A Mediumを30ml添加し、実施例1において用いたものと同様の浮遊化細胞を1.5×10cells/mlとなるように播種した。また、多糖の最終濃度が160μg/mlになるように実施例1で調整した多糖溶液1を培地に添加した。また、比較対象として多糖溶液と等量のリン酸緩衝生理食塩水を添加した培地を用意して、多糖を添加したものと同条件で培養を行なった。培養は、37℃、5%CO環境下、100rpmで振盪をしながら10日間培養した。培養3日目、7日目、10日目の培養液をサンプリングし、培養液中のIgG濃度及び生細胞数を測定した。IgG濃度の測定結果を図1に示す。また、IgG濃度と生細胞数より算出した培養3〜7日目の抗体比生産速度を図2に示す。
図1に示すように、培地中に多糖を添加することによって、多糖を添加しなかった場合と比べてIgG生産量が48〜86%増加した。また、図2に示すように、培地中に多糖を添加することによって1細胞あたりの抗体比生産速度が約1.5倍に向上した。なお、生細胞数は多糖添加の有無に関わらず違いはなかった。
(実施例3)多糖の重量平均分子量による影響
実施例1と同様の方法で多糖を含む培養液を調製した。当該培養液(液量500ml)に35%塩酸を添加し、pH4に調整した。当該培養液に純水を添加して約2倍に希釈した後、珪藻土ろ過法により培養液から菌体を除去し、さらに遠心分離(14,000×g 10min)を行った。その後、遠心上清を中空糸膜(MWCO 50,000 Da, MiniKrosモジュール, M25S-030-01N, SPECTRUM)を用いて透析した。透析後の多糖を含む溶液をEYELA FDU−1200及びEYELA DRY CHAMBER DRC−1N(東京理化器械製)を用いて二日間凍結乾燥し、多糖の粉末を得た。得られた多糖の粉末をリン酸緩衝生理食塩水に溶解し、pH7.0±0.2になるように多糖溶液(多糖溶液2)を調整し、以後の実験に用いた。なお、得られた多糖の構造解析は上述した構造解析方法により解析を行い、式(1)の構造を有していることを確認した。また、得られた多糖の重量平均分子量は約71.1万であった。
IgG遺伝子が導入されIgG抗体を分泌産生するCHO細胞株(ATCC CRL−12445)を用い、BalanCD Growth A Medium(Irvine Scientific社製)に馴化、および浮遊化させた細胞を実験に用いた。125mlの三角フラスコにBalanCD Growth A Mediumを30ml添加し、上記調整した浮遊化細胞を1.5×10cells/mlとなるように播種した。なお、培地には上記で調整した多糖溶液2を最終濃度160μg/mlになるように培地に添加した。また、比較対象として、多糖溶液の代わりにリン酸緩衝生理食塩水のみを培地に添加した培地を用いて、同様に培養した。37℃、5%CO環境下、撹拌100rpmで振盪培養した。培養4、7、10日目の培養液をサンプリングし、生細胞数、及びIgG抗体濃度を測定した。CHO細胞の培養時における生細胞数の経時変化を図3に示す。また、IgG濃度と生細胞数より算出した培養0〜4日目の抗体比生産速度を図4に、CHO細胞培養時における培養液中のIgG抗体濃度の経時変化を図5に示す。
図3に示すように、培地中に多糖を添加しても増殖阻害は見られなかった。また、図4に示すように、培地中に多糖を添加することによって1細胞あたりの抗体比生産速度が約1.7倍増加した。さらに、図5に示すように、多糖を添加した場合、総IgG生産量が1.8倍増加した。
(実施例4)Feed培養による検討
IgG遺伝子が導入されIgG抗体を分泌産生するCHO細胞株(ATCC CRL−12445)を用い、BalanCD Growth A Medium(Irvine Scientific社製)に馴化、および浮遊化させた細胞を実験に用いた。125mlの三角フラスコにBalanCD Growth A Mediumを30ml添加し、上記調整した浮遊化細胞を1.5×10cells/mlとなるように播種した。なお、培地には上記で調整した多糖溶液2を最終濃度160μg/mlになるように培地に添加(B)した。また、比較対象として、多糖溶液の代わりにリン酸緩衝生理食塩水のみを培地に添加した培地(A)を用いて、同様に培養した。37℃、5%CO環境下、撹拌100rpmで振盪培養した。なお、培養1、3、5日目に表2に示すように、PBSとFeed培地(A)、多糖溶液とFeed培地(B)(Feed培地(BalanCD CHO FEEDI;Irvine Scientific社製)を添加し、Feed培養を行った。各回の添加量は3mlとした。培養3、8日目の培養液をサンプリングし、生細胞数、及びIgG抗体濃度を測定した。CHO細胞の培養時における生細胞数の経時変化を図6に示す。また、IgG濃度と生細胞数より算出した培養0〜3日目の抗体比生産速度を図7に、CHO細胞培養時における培養液中のIgG抗体濃度の経時変化を図8に示す。
Figure 2016036342
PBS;リン酸緩衝生理食塩水
Feed;BalanCD CHO FEEDI(追加培地)
多糖;多糖溶液2
A;1、3、5日目にPBSとFeed培地を添加。
B;1、3、5日目に多糖とFeed培地を添加。
図6に示すように、培地中に多糖を添加しても生細胞数への影響は見られなかった。また、図7に示すように、培地中に多糖とFeed培地を添加することによって1細胞あたりの抗体比生産速度が約1.8倍向上した。さらに、図8に示すように、多糖とFeed培地を添加した場合、総IgG生産量が1.8倍向上した。
本発明が提供する添加剤、培地および製造方法は、細胞における有用物質の生産量を増大させることができ、抗体を利用した臨床診断薬製造、抗体医薬生産、再生医療、細胞治療などの分野で応用が可能である。


Claims (6)

  1. 式(1):
    Figure 2016036342
    (式中、nは重量平均分子量が10,000〜3,000,000であるような値を示す整数である)
    で表される多糖またはその誘導体を含む、細胞における有用物質産生促進用添加剤。
  2. 式(1):
    Figure 2016036342
    (式中、nは重量平均分子量が10,000〜3,000,000であるような値を示す整数である)
    で表される多糖またはその誘導体を含む、有用物質産生に用いる細胞培養用培地。
  3. 有用物質がIgG抗体である、請求項1または2に記載の添加剤または培地。
  4. 細胞が、形質転換細胞である、請求項1から3のいずれかに記載の添加剤または培地。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の添加剤または培地を用いて細胞を培養する工程を含む、有用物質の製造方法。
  6. 有用物質がIgG抗体である、および/または細胞が、形質転換細胞である、請求項5に記載の方法。


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