JP2016035024A - 樹脂組成物及び近赤外線カットフィルタ - Google Patents
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Abstract
【課題】
透明性及び耐熱性の高い近赤外線カットフィルタを作製できる樹脂組成物、及びそれを用いた高い近赤外線カットフィルタ、特にはCCDやCMOSなどの撮像素子用の近赤外線カットフィルタの提供。
【解決手段】
近赤外線吸収色素(A)及びエポキシ樹脂(B)を含むことを特徴とする熱硬化性樹脂組成物により前記の課題を解決できた。
【選択図】なし
透明性及び耐熱性の高い近赤外線カットフィルタを作製できる樹脂組成物、及びそれを用いた高い近赤外線カットフィルタ、特にはCCDやCMOSなどの撮像素子用の近赤外線カットフィルタの提供。
【解決手段】
近赤外線吸収色素(A)及びエポキシ樹脂(B)を含むことを特徴とする熱硬化性樹脂組成物により前記の課題を解決できた。
【選択図】なし
Description
本発明は近赤外線吸収色素を含有する熱硬化性樹脂組成物、及びこれらを用いた成形可能な近赤外線フィルタ(光学フィルタ)に関する。
デジタルカメラなどに使用されているCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子は、可視域〜1100nm付近の近赤外域に渡る分光感度を有しており、これに対して人間の目は400nm〜700nm付近の波長の光を感じることができる。よって撮像素子と人間の目では分光感度に大きな差があるため、撮像素子の前面に近赤外域を吸収する近赤外線カットフィルタを備えて、人間の目の視感度に補正することが必要であることが知られている。
撮像素子に用いられる近赤外線カットフィルタには、特許文献1に記載のリン酸塩系ガラスにCuOを添加したガラスフィルタが知られている。しかしながら、この近赤外吸収能を有するガラスは、非常に高価である。また、ガラスであるために加工性に問題があり、光学特性の設計の自由度も狭く、球面への対応も煩雑である。さらにガラスの厚みを薄くするには限界があり、撮像光学系に組み込む際にはスペースの確保や軽量化に問題がある。それゆえ、薄膜化や球面等への成形が可能な新たな近赤外線カットフィルタ製造のための近赤外吸収能を組み込んだ樹脂の開発が望まれていた。
そこで、近赤外線吸収色素を含有する樹脂組成物を撮像素子表面あるいはフィルタ基材表面にコートすることで、近赤外線カットフィルタを作製する開発が行われている。特許文献2では近赤外線吸収色素としてシアニン色素を含有する樹脂組成物を用いて近赤外線カットフィルタを作製している。
しかし、この近赤外線カットフィルタは硬化されていない樹脂膜であるため、熱や酸素の影響を強く受け、耐熱性が不十分である可能性がある。そのため、さらに耐熱性の高いフィルタの開発が強く望まれていた。
このような背景から近年、加工性と耐熱性が高い近赤外線カットフィルタ、及びそれを作製するための樹脂組成物の開発が強く求められている。
本発明は樹脂組成物、特に熱硬化性樹脂組成物、及びそれを用いて作製される加工性と耐熱性が高い近赤外線カットフィルタの提供を目的とする。
本発明者等は上記課題を解決するべく、鋭意検討の結果、熱硬化性樹脂と近赤外光吸収色素から成る熱硬化性樹脂組成物及び近赤外線カットフィルタが前記課題を解決するものであることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、
(1)下記の近赤外線吸収色素(A)及びエポキシ樹脂(B)を含むことを特徴とする熱硬化性樹脂組成物、
(A)近赤外線吸収色素
下記式(1)で表されるジイモニウム化合物を少なくとも1種を含む
(式中、R1はそれぞれ独立に置換基を有してもよい炭素数1〜7のアルキル基又は置換基を有してもよい炭素数1〜5のアルコキシアルキル基を示し、X−はトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチドアニオン又はビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオンを示す。)、
(B)エポキシ樹脂
メタクリル酸グリシジル骨格のみで構成された重合体、あるいはメタクリル酸グリシジル骨格を主としてアクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、ビニル置換芳香族化合物のいずれかの組み合わせで構成されるブロック共重合体、
(2)エポキシ樹脂(B)のエポキシ当量が280〜600g/eq.であることを特徴とする(1)に記載の熱硬化性樹脂組成物、
(3)エポキシ樹脂(B)の重量平均分子量が5000〜20000であるであることを特徴とする(1)又は(2)に記載の熱硬化性樹脂組成物、
(4)近赤外線吸収色素(A)の式(1)においてR1がそれぞれ独立に炭素数1〜7の無置換アルキル基であるであることを特徴とする(1)乃至(3)のいずれか一つに記載の熱硬化性樹脂組成物、
(5)近赤外線吸収色素(A)の式(1)においてR1がすべて同一である炭素数1〜7の無置換アルキル基であるであることを特徴とする(1)乃至(4)のいずれか一つに記載の熱硬化性樹脂組成物、
(6)(1)乃至(5)のいずれか一つに記載の熱硬化性樹脂組成物の硬化物、
(7)(1)乃至(5)のいずれか一つに記載の熱硬化性樹脂組成物を用いて成形した近赤外線カットフィルタ、
(8)(7)に記載の近赤外線カットフィルタを具備した撮像素子、
に関する。
(1)下記の近赤外線吸収色素(A)及びエポキシ樹脂(B)を含むことを特徴とする熱硬化性樹脂組成物、
(A)近赤外線吸収色素
下記式(1)で表されるジイモニウム化合物を少なくとも1種を含む
(B)エポキシ樹脂
メタクリル酸グリシジル骨格のみで構成された重合体、あるいはメタクリル酸グリシジル骨格を主としてアクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、ビニル置換芳香族化合物のいずれかの組み合わせで構成されるブロック共重合体、
(2)エポキシ樹脂(B)のエポキシ当量が280〜600g/eq.であることを特徴とする(1)に記載の熱硬化性樹脂組成物、
(3)エポキシ樹脂(B)の重量平均分子量が5000〜20000であるであることを特徴とする(1)又は(2)に記載の熱硬化性樹脂組成物、
(4)近赤外線吸収色素(A)の式(1)においてR1がそれぞれ独立に炭素数1〜7の無置換アルキル基であるであることを特徴とする(1)乃至(3)のいずれか一つに記載の熱硬化性樹脂組成物、
(5)近赤外線吸収色素(A)の式(1)においてR1がすべて同一である炭素数1〜7の無置換アルキル基であるであることを特徴とする(1)乃至(4)のいずれか一つに記載の熱硬化性樹脂組成物、
(6)(1)乃至(5)のいずれか一つに記載の熱硬化性樹脂組成物の硬化物、
(7)(1)乃至(5)のいずれか一つに記載の熱硬化性樹脂組成物を用いて成形した近赤外線カットフィルタ、
(8)(7)に記載の近赤外線カットフィルタを具備した撮像素子、
に関する。
本発明により、透明性及び耐熱性の高い近赤外線カットフィルタに用いる熱硬化性樹脂組成物を提供することができた。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、近赤外線吸収色素(A)及びエポキシ樹脂(B)を含有することを特徴とする。
近赤外線吸収色素(A)は、上記の式(1)で表されるジイモニウム塩化合物であれば特に制限されないが、硬化物(光学フィルタ)の耐熱性及び透明性の観点から、上記の式(1)中のX−は以下の式(2)で表されるビス(パーハロゲノアルキルスルホニル)イミドアニオン、または以下の式(3)で表されるトリス(パーハロゲノアルキルスルホニル)メチドアニオンが好ましい。より好ましくはトリス(パーハロゲノアルキルスルホニル)メチドアニオンであり、以下の式(3)においてnが1、Qがフッ素であるトリス(トリフルオロメチルスルホニル)メチドアニオンが特に好ましい。
上記式(1)中のR1はそれぞれ独立に置換基を有してもよい炭素数1〜7のアルキル基又は置換基を有してもよい炭素数1〜5のアルコキシアルキル基を表す。
上記式(1)中のR1は炭素数1〜7の無置換アルキル基でもよい。炭素数1〜7の無置換アルキル基とは、炭素と水素のみから成る置換基であり、直鎖であっても分岐鎖であってもよい。炭素数1〜7のアルキル基の具体例としては、例えばメチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、ノルマルブチル基、イソプロピル基、イソブチル基、セカンダリーブチル基、等が挙げられ、好ましくはノルマルブチル基、イソブチル基であり、さらに好ましくはイソブチル基ある。セカンダリーブチル基の光学異性体については特に制限されない。
炭素数1〜5のアルコキシアルキル基としては、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、プロポキシエチル基、n−ブトキシエチル基、3−メトキシプロピル基、3−エトキシプロピル基、メトキシエトキシメチル基、エトキシエトキシエチル基、ジメトキシメチル基、ジエトチキシメチル基、ジメトキシエチル基、ジエトキシエチル基等が挙げられる。好ましくはメトキシエチル基、エトキシエチル基、プロポキシエチル、n−ブトキシエチル基であり、特に好ましくはメトキシエチル基である。
前記の置換基を有してもよい炭素数1〜7のアルキル基は、上記の無置換のアルキル基の少なくとも1つの水素が種々の官能基に置換されたものである。例えば、無置換のアルキル基の水素がアルコキシ基に置換されたアルコキシアルキル基、アルコキシアルコキシ基に置換されたアルコキシアルコキシアルキル基、アルコキシアルコキシアルコキシ基に置換されたアルコキシアルコキシアルコキシアルキル基等が挙げられ、無置換のアルキル基の水素がハロンゲンに置換されたハロゲン化アルキル基(例えば、クロロメチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、トリフルオロメチル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ2−プロピル基等)、無置換のアルキル基の水素がシアノ基に置換されたシアノアルキル基(例えば、シアノプロピル基等)、アミノ基に置換されたアミノアルキル基、アルキルアミノ基に置換されたアルキルアミノアルキル基やジアルキルアミノアルキル基、その他アルコキシカルボニルアルキル基、アルキルアミノカルボニルアルキル基、アルコキシスルホニルアルキル基等が挙げられる。
前記の置換基を有してもよい炭素数1〜5のアルコキシアルキル基としては、上記の無置換のアルコキシ基の水素がアルコキシ基に置換されたアルコキシアルコキシ基、アルコキシアルコキシ基に置換されたアルコキシアルコキシアルコキシ基、アルコキシアルコキシアルコキシ基に置換されたアルコキシアルコキシアルコキシアルコキシ基等が挙げられ、無置換のアルキル基の水素がハロンゲンに置換されたハロゲン化アルコキシ基、アミノ基に置換されたアミノアルコキシ基、アルキルアミノ基に置換されたアルキルアミノアルコキシ基やジアルキルアミノアルコキシ基、その他アルコキシカルボニルアルコキシ基、アルキルアミノカルボニルアルコキシ基、アルコキシスルホニルアルコキシ基等が挙げられる。
本発明に用いられる近赤外線吸収色素(A)が、本発明の熱硬化性樹脂組成物に溶解しない場合は、不溶性色素を微粒子にしながら、他の成分と混合分散して使用することができる。
混合分散する方法としては、サンドミル(ビーズミル)、ロールミル、ボールミル、ペイントシェーカー、超音波分散機、マイクロフルイダイザー等を用いて撹拌混合するそれ自体公知の方法等が挙げることができる。これらの中でもサンドミル(ビーズミル)が好ましい。またサンドミル(ビーズミル)における色素粒子の粉砕においては、径の小さいビーズを使用し、ビーズの充填率を大きくすること等により粉砕効率を高めた条件で処理することが好ましい。更に粉砕処理後に濾過、遠心分離などで分散化に用いたビーズや粗粒子を除去することが好ましい。
エポキシ樹脂(B)としては、例えばフェノール化合物のグリシジルエーテル化物であるエポキシ樹脂、各種ノボラック樹脂のグリシジルエーテル化物であるエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族系エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、ハロゲン化フェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂、エポキシ基をもつケイ素化合物とそれ以外のケイ素化合物との縮合物、エポキシ基を持つ重合性不飽和化合物とそれ以外の他の重合性不飽和化合物との共重合体等が挙げられる。ただし、本発明の熱硬化性樹脂組成物の用途はこれらに限られるものではない。
前記のフェノール化合物のグリシジルエーテル化物であるエポキシ樹脂としては、例えば2−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−2−[4−[1,1−ビス[4−(2,3−ヒドロキシ)フェニル]エチル]フェニル]プロパン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、4,4'−ビフェノール、テトラメチルビスフェノールA、ジメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、ジメチルビスフェノールF、テトラメチルビスフェノールS、ジメチルビスフェノールS、テトラメチル−4,4'−ビフェノール、ジメチル−4,4'−ビフェノール、1−(4−ヒドロキシフェニル)−2−[4−(1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)エチル)フェニル]プロパン、2,2'−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4'−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、トリスヒドロキシフェニルメタン、レゾルシノール、ハイドロキノン、ピロガロール、フロログリシノール、ジイソプロピリデン骨格を有するフェノール類、1,1−ジ−4−ヒドロキシフェニルフルオレン等のフルオレン骨格を有するフェノール類、フェノール化ポリブタジエン等のポリフェノール化合物のグリシジルエーテル化物であるエポキシ樹脂等が挙げられる。
前記の各種ノボラック樹脂のグリシジルエーテル化物であるエポキシ樹脂としては、例えばフェノール、クレゾール類、エチルフェノール類、ブチルフェノール類、オクチルフェノール類、ビスフェノールA、ビスフェノールF及びビスフェノールS等のビスフェノール類、ナフトール類等の各種フェノールを原料とするノボラック樹脂、キシリレン骨格含有フェノールノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン骨格含有フェノールノボラック樹脂、ビフェニル骨格含有フェノールノボラック樹脂、フルオレン骨格含有フェノールノボラック樹脂等の各種ノボラック樹脂のグリシジルエーテル化物等が挙げられる。
前記の脂環式エポキシ樹脂としては、例えば3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−(3,4−エポキシ)シクロヘキシルカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート等の脂肪族環骨格を有する脂環式エポキシ樹脂が挙げられる。前記の脂肪族系エポキシ樹脂としては、例えば1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、ペンタエリスリトール等の多価アルコールのグリシジルエーテル類が挙げられる。前記の複素環式エポキシ樹脂としては、例えばイソシアヌル環、ヒダントイン環等の複素環を有する複素環式エポキシ樹脂が挙げられる。前記のグリシジルエステル系エポキシ樹脂としては、例えばヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル等のカルボン酸エステル類からなるエポキシ樹脂が挙げられる。前記のグリシジルアミン系エポキシ樹脂としては、例えばアニリン、トルイジン等のアミン類をグリシジル化したエポキシ樹脂が挙げられる。前記のハロゲン化フェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂としては、例えばブロム化ビスフェノールA、ブロム化ビスフェノールF、ブロム化ビスフェノールS、ブロム化フェノールノボラック、ブロム化クレゾールノボラック、クロル化ビスフェノールS、クロル化ビスフェノールA等のハロゲン化フェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂が挙げられる。
エポキシ基を持つ重合性不飽和化合物とそれ以外の他の重合性不飽和化合物との共重合体としては、市場から入手可能な製品ではマープルーフG−0115S、同G−0130S、同G-0250S、同G−1010S、同G−1005S、同G−0150M、同G−2050M (日油(株)製)等が挙げられ、エポキシ基を持つ重合性不飽和化合物としては、例えばアクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、4−ビニル−1−シクロヘキセン−1,2−エポキシド等が挙げられる。また他の重合性不飽和化合物の共重合体としては、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、ビニル置換芳香族化合物が挙げられ、例えばメチル(メタ)アクリレート、エーテル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、ビニルシクロヘキサンなどが挙げられるが、特にメチル(メタ)アクリレート、エーテル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、スチレンが好ましい。
上記のエポキシ樹脂の好ましい重量平均分子量は5000〜250000であり、より好ましくは5000〜20000であり、さらに好ましくは5000〜10000である。
また上記のエポキシ樹脂のエポキシ当量は310〜3300g/eq.であり、300〜1700g/eq.が好ましく、290〜1000g/eq.がより好ましく、280〜600が特に好ましい。
これらのエポキシ樹脂は1種又は2種以上を混合して用いても良い。
本発明においてはエポキシ樹脂硬化剤を併用してもよい。用いられるエポキシ樹脂硬化剤としては、例えばアミン系化合物、酸無水物系化合物、アミド系化合物、フェノール系化合物、多価カルボン酸などが挙げられ、硬化物の耐熱性及び透明性という観点から多価カルボン酸が好ましく、分子内に二つ以上のカルボン酸無水物基を有する化合物が特に好ましい。
酸無水物としては具体的には無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水ナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水グルタル酸、2,4−ジエチル無水グルタル酸、3,3−ジメチル無水グルタル酸、ブタンテトラカルボン酸無水物、ビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、シクロヘキサン−1,3,4−トリカルボン酸−3,4−無水物、などの酸無水物が挙げられる。特にメチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水ナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、2,4−ジエチル無水グルタル酸、ブタンテトラカルボン酸無水物、ビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、シクロヘキサン−1,3,4−トリカルボン酸−3,4−無水物などが、耐光性及び透明性、作業性の観点から好ましい。
多価カルボン酸は2つ以上のカルボキシル基を有する化合物である。なお、以下の化合物に幾何異性体又は光学異性体が存在する場合は特に制限されない。多価カルボン酸としては、2〜6官能のカルボン酸が好ましく、例えば、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、1,2,3−プロパントリカルボン酸、1,3,5−ペンタントリカルボン酸、クエン酸等のアルキルトリカルボン酸類、フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、シクロヘキサントリカルボン酸、ナジック酸、メチルナジック酸等の脂肪族環状多価カルボン酸類、リノレン酸やオレイン酸などの不飽和脂肪酸の多量体およびそれらの還元物であるダイマー酸類、リンゴ酸等の直鎖アルキル二酸類が好ましく、さらにはヘキサン二酸、ペンタン二酸、ヘプタン二酸、オクタン二酸、ノナン二酸、デカン二酸が好ましく、特にブタン二酸が、硬化物の耐熱性及び透明性の観点からより好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物において、多価カルボン酸のエポキシ樹脂硬化剤の使用割合はエポキシ樹脂の総量に対して、0.01〜100重量%が好ましく、0.1〜50重量%がより好ましく、1.0〜40重量%が特に好ましい。
また、エポキシ樹脂硬化剤として、前述の酸無水物および/または多価カルボン酸以外の硬化剤を併用する場合、酸無水物および/または多価カルボン酸の総量が、エポキシ樹脂硬化剤の全硬化剤中に占める割合は30重量%以上が好ましく、40重量%以上が特に好ましい。
併用できるエポキシ樹脂硬化剤としては、例えばアミン系化合物、ポリアミド系化合物、フェノール系化合物などが挙げられ、それらの具体例としては、アミン系化合物(1,4−ブタンジアミン)やポリアミド系化合物(ジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、ジシアンジアミド、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンより合成されるポリアミド樹脂など)、多価フェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、テルペンジフェノール、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラメチル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジオール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール、トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、o−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシアセトフェノン、o−ヒドロキシアセトフェノン、ジシクロペンタジエン、フルフラール、4,4’−ビス(クロロメチル)−1,1’−ビフェニル、4,4’−ビス(メトキシメチル)−1,1’−ビフェニル、1,4’−ビス(クロロメチル)ベンゼン、1,4’−ビス(メトキシメチル)ベンゼン等との重縮合物およびこれらの変性物、テトラブロモビスフェノールA等のハロゲン化ビスフェノール類、テルペンとフェノール類の縮合物、その他(イミダゾール、トリフルオロボラン−アミン錯体、グアニジン誘導体、など)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物には、硬化物の硬度を補完するために、必要に応じてカップリング剤を使用することが可能である。使用できるカップリング剤としては、例えば3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、N−(2−(ビニルベンジルアミノ)エチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等のシラン系カップリング剤;イソプロピル(N−エチルアミノエチルアミノ)チタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、チタニウムジ(ジオクチルピロフォスフェート)オキシアセテート、テトライソプロピルジ(ジオクチルフォスファイト)チタネート、ネオアルコキシトリ(p−N−(β−アミノエチル)アミノフェニル)チタネート等のチタン系カップリング剤;Zr−アセチルアセトネート、Zr−メタクリレート、Zr−プロピオネート、ネオアルコキシジルコネート、ネオアルコキシトリスネオデカノイルジルコネート、ネオアルコキシトリス(ドデカノイル)ベンゼンスルフォニルジルコネート、ネオアルコキシトリス(エチレンジアミノエチル)ジルコネート、ネオアルコキシトリス(m−アミノフェニル)ジルコネート、アンモニウムジルコニウムカーボネート、Al−アセチルアセトネート、Al−メタクリレート、Al−プロピオネート等のジルコニウム、或いはアルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。これらのカップリング剤は1種又は2種以上を混合して用いても良い。カップリング剤は、本発明の熱硬化性樹脂組成物において通常0.05〜20重量部、好ましくは0.1〜10重量部が必要に応じて含有される。
本発明の熱硬化性樹脂組成物には、必要に応じてナノオーダーレベルの無機充填材を使用することで、透明性を阻害せずに機械強度などを補完することが可能である。ナノオーダーレベルとしての目安は、平均粒径が500nm以下、特に透明性の観点から平均粒径が200nm以下の充填材を使用することが好ましい。無機充填剤としては、結晶シリカ、溶融シリカ、アルミナ、ジルコン、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、ジルコニア、フォステライト、ステアタイト、スピネル、チタニア、タルク等の粉体またはこれらを球形化したビーズ等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの充填材は、単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。これらの無機充填剤の含有量は、本発明の熱硬化性樹脂組成物中において0〜95重量%を占める量が用いられる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物に着色防止目的のため、光安定剤としてのアミン化合物又は、酸化防止材としてのリン系化合物およびフェノール系化合物を含有することができる。前記のアミン化合物としては、例えば、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシラート、テトラキス(2,2,6,6−トトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシラート、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールおよび3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンとの混合エステル化物、デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−ウンデカンオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)カーボネート、2,2,6,6,−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−〔2−〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル〕−4−〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル−メタアクリレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)〔〔3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル〕メチル〕ブチルマロネート、デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1(オクチルオキシ)−4−ピペリジニル)エステル,1,1−ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンの反応生成物、N,N’,N″,N″′−テトラキス−(4,6−ビス−(ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)−トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、ジブチルアミン・1,3,5−トリアジン・N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−1,6−ヘキサメチレンジアミンとN−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンの重縮合物、ポリ〔〔6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル〕〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕〕、コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールの重合物、2,2,4,4−テトラメチル−20−(β−ラウリルオキシカルボニル)エチル−7−オキサ−3,20−ジアザジスピロ〔5・1・11・2〕ヘネイコサン−21−オン、β−アラニン,N,−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−ドデシルエステル/テトラデシルエステル、N−アセチル−3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)ピロリジン−2,5−ジオン、2,2,4,4−テトラメチル−7−オキサ−3,20−ジアザジスピロ〔5,1,11,2〕ヘネイコサン−21−オン、2,2,4,4−テトラメチル−21−オキサ−3,20−ジアザジシクロ−〔5,1,11,2〕−ヘネイコサン−20−プロパン酸ドデシルエステル/テトラデシルエステル、プロパンジオイックアシッド,〔(4−メトキシフェニル)−メチレン〕−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)エステル、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノールの高級脂肪酸エステル、1,3−ベンゼンジカルボキシアミド,N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)等のヒンダートアミン系化合物、オクタベンゾン等のベンゾフェノン系化合物、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミド−メチル)−5−メチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ペンチルフェニル)ベンゾトリアゾール、メチル3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートとポリエチレングリコールの反応生成物、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−ドデシル−4−メチルフェノール等のベンゾトリアゾール系化合物、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート系、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−〔(ヘキシル)オキシ〕フェノール等のトリアジン系化合物等が挙げられるが、特に好ましくは、ヒンダートアミン系化合物である。
前記の光安定材であるアミン化合物として、次に示す市販品を使用することができるが、市販されているアミン系化合物としては特に限定されず、例えば、チバスペシャリティケミカルズ製として、TINUVIN765、TINUVIN770DF、TINUVIN144、TINUVIN123、TINUVIN622LD、TINUVIN152、CHIMASSORB944、ADEKA製として、LA−52、LA−57、LA−62、LA−63P、LA−77Y、LA−81、LA−82、LA−87などが挙げられる。
前記のリン系化合物としては特に限定されず、例えば、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ジトリデシルホスファイト−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、フェニルビスフェノールAペンタエリスリトールジホスファイト、ジシクロヘキシルペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(ジエチルフェニル)ホスファイト、トリス(ジ−イソプロピルフェニル)ホスファイト、トリス(ジ−n−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、2,2'−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、2,2'−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)(2−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェニル)(2−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、2,2'−エチリデンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェニル)(2−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3'−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3'−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3'−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3'−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,6−ジ−n−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、トリブチルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクロルフェニルホスフェート、トリエチルホスフェート、ジフェニルクレジルホスフェート、ジフェニルモノオルソキセニルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジイソプロピルホスフェートなどが挙げられる。
上記リン系化合物は、市販品を用いることもできる。市販されているリン系化合物としては特に限定されず、例えば、ADEKA製として、アデカスタブPEP−4C、アデカスタブPEP−8、アデカスタブPEP−24G、アデカスタブPEP−36、アデカスタブHP−10、アデカスタブ2112、アデカスタブ260、アデカスタブ522A、アデカスタブ1178、アデカスタブ1500、アデカスタブC、アデカスタブ135A、アデカスタブ3010、アデカスタブTPP等が挙げられる。
フェノール化合物としては特に限定はされず、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェノール、1,6−ヘキサンジオール−ビス−[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、3,9−ビス−〔2−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2'−ブチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2'−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェノールアクリレート、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−tert−ペンチルフェニルアクリレート、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,4−ジ−tert−ブチルフェノール、2,4−ジ−tert−ペンチルフェノール、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、ビス−[3,3−ビス−(4’−ヒドロキシ−3'−tert−ブチルフェニル)−ブタノイックアシッド]−グリコールエステル、2,4−ジ−tert−ブチルフェノール、2,4−ジ−tert−ペンチルフェノール、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−tert−ペンチルフェニルアクリレート、ビス−[3,3−ビス−(4’−ヒドロキシ−3'−tert−ブチルフェニル)−ブタノイックアシッド]−グリコールエステル等が挙げられる。
上記のフェノール系化合物は、市販品を用いることもできる。市販されているフェノール系化合物としては特に限定されず、例えば、チバスペシャリティケミカルズ製としてIRGANOX1010、IRGANOX1035、IRGANOX1076、IRGANOX1135、IRGANOX245、IRGANOX259、IRGANOX295、IRGANOX3114、IRGANOX1098、IRGANOX1520L、アデカ製としては、アデカスタブAO−20、アデカスタブAO−30、アデカスタブAO−40、アデカスタブAO−50、アデカスタブAO−60、アデカスタブAO−70、アデカスタブAO−80、アデカスタブAO−90、アデカスタブAO−330、住友化学工業製として、SumilizerGA−80、Sumilizer MDP−S、Sumilizer BBM−S、Sumilizer GM、Sumilizer GS(F)、Sumilizer GPなどが挙げられる。
このほか、樹脂の着色防止剤として市販されている添加材を使用することができる。例えば、チバスペシャリティケミカルズ製として、THINUVIN328、THINUVIN234、THINUVIN326、THINUVIN120、THINUVIN477、THINUVIN479、CHIMASSORB2020FDL、CHIMASSORB119FLなどが挙げられる。
上記リン系化合物、アミン化合物、フェノール系化合物の中から少なくとも1種を含有することが好ましく、その配合量としては特に限定されないが、本発明の熱硬化性樹脂組成物の全重量に対して、0.005〜5.0重量%の範囲である。
本発明の熱硬化性樹脂組成物を使用した近赤外線カットフィルタ(光学フィルタ)は、基材上に設けたものでも、又、基材自体であってもよい。基材としては、一般に光学フィルタに使用し得るものであれば特に制限されないが、通常、ガラス若しくは樹脂製の基材が使用される。層の厚みは通常0.05μm〜10mm程度であるが、近赤外線カット率等の目的に応じて適宜、決定され得る。又、CCDやCMOSなどの撮像素子自体を基材とすることもできる。
本発明に用いられる樹脂製の基材としては、例えば、ポリエチレン、ポリシクロアルカン、ポリシクロオレフィン、ポリスチレン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル等のビニル化合物、及びそれらのビニル化合物の付加重合体、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸エステル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリシアン化ビニリデン、フッ化ビニリデン/ トリフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン/ テトラフルオロエチレン共重合体、シアン化ビニリデン/ 酢酸ビニル共重合体等のビニル化合物又はフッ素系化合物の共重合体、ポリトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン等のフッ素を含む樹脂、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリペプチド、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリオキシメチレン等のポリエーテル、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等が挙げられる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物を使用した赤外線カットフィルタ(光学フィルタ)を作製する方法としては特に限定されるものではないが、例えば、下記の公知の方法が利用できる。1)熱硬化性樹脂と硬化剤に近赤外線吸収色素(A)を溶解し、本発明の熱硬化性樹脂組成物とし、成型後、加熱硬化して樹脂板又はフィルムを作製する方法、2)近赤外線吸収色素(A)を含有する塗料を作製し、本発明の熱硬化性樹脂組成物とし、透明樹脂板、透明フィルム、透明ガラス板、又は撮像素子にコーティングする方法、3)近赤外線吸収色素(A)及び樹脂(接着剤)を含有させた組成物を作製し、本発明の熱硬化性樹脂組成物とし、合わせ樹脂板、合わせ樹脂フィルム、又は合わせガラス板を作製する方法、等である。
1)の方法は、熱硬化性樹脂と硬化剤に近赤外線吸収色素(A)を溶解し、型内に注入し、本発明の熱硬化性樹脂組成物とし、加熱反応させて硬化させるか、又は、金型に流し込んで型内で硬い製品となるまで加熱反応させて成形する方法が挙げられる。用いる組成によって加工温度、フィルム化(樹脂板化)条件等が多少異なるが、通常、100〜200℃で30分〜5時間程度の硬化条件が適用される。本発明の熱硬化性樹脂組成物に用いる近赤外線吸収色素(A)の添加量は、作製する樹脂板又はフィルムの厚み、吸収強度、可視光透過率、近赤外線カット率等によって異なるが、通常、熱硬化性樹脂組成物の質量に対して0.01〜30質量%程度、好ましくは0.01〜15質量%、である。
2)の方法は、近赤外線吸収色素(A)をバインダー樹脂に溶解し塗料(本発明の熱硬化性樹脂組成物)化する方法であり、塗料(本発明の熱硬化性樹脂組成物)化する際に溶媒を用いることもできる。溶媒としては、ハロゲン系、アルコール系、ケトン系、エステル系、脂肪族炭化水素系、芳香族炭化水素系、エーテル系の溶媒、又は、それらの混合溶媒を用いることができる。近赤外線吸収色素(A)の濃度は、作製するコーティングの厚み、吸収強度、可視光透過率、近赤外線カット率等によって異なるが、バインダー樹脂に対して通常0.01〜30質量%である。このようにして得られた塗料を透明樹脂板、透明フィルム、透明ガラス板、又は撮像素子等の上にスピンコーター、バーコーター、ロールコーター、グラビアコーター、オフセットコーター、スプレー等でコーティングして近赤外線吸収フィルタ、またはそれを具備した撮像素子を得ることができる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物により得られた近赤外線吸収用の光学フィルタは、撮像素子用途やディスプレイの前面板に限らず、近赤外線をカットする必要があるフィルタフィルム、例えば、断熱フィルム、光学製品、サングラス等にも使用することが出来る。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。尚、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。ここで、部は特に断りのない限り重量部を表す。
[実施例1]
撹拌装置、温度計を設置したガラス製セパラブルフラスコに、エポキシ樹脂(B)としてメタクリル酸グリシジル骨格ブロックコポリマー(日油(株)製、マープルーフG−0150M、エポキシ当量310g/eq.、重量平均分子量10000)50.0部、シクロヘキサノン100部を入れ、20〜35℃で2時間撹拌、溶解し、次に近赤外線吸収色素(A)として、下記式(4)の構造をもつ化合物(クロロホルム中のλmax:1108nm、特許4697950の実施例1に記載の方法で合成。式(4)中、CTf3 −はトリス(トリフルオロメチルスルホニル)メチドアニオンを表す。)を0.050部添加し、20〜35℃で均一になるまで撹拌することで本発明の熱硬化性樹脂組成物を得た。この熱硬化性樹脂組成物をスピンコーター上に配置したガラス基板上に滴下し、その基板を1000rpmで30秒間回転させることで基板表面をコーティングし、その後80℃で10分間乾燥させて溶媒を除去し、150℃で3時間熱硬化し、光学フィルタを得た。得られた光学フィルタは、分光光度計(島津製作所社製、紫外可視分光光度計UV−3150)を用い、光学フィルタの吸光度を300〜2000nmの範囲を1nmのサンプリングピッチで測定した。光学フィルタを乾燥した後、硬化し、210℃で10分間放置する耐熱性試験後にそれぞれの分光波形を測定した。光学フィルタの分光波形の最大吸収波長(1108nm)における吸光度を下表1に示す。
撹拌装置、温度計を設置したガラス製セパラブルフラスコに、エポキシ樹脂(B)としてメタクリル酸グリシジル骨格ブロックコポリマー(日油(株)製、マープルーフG−0150M、エポキシ当量310g/eq.、重量平均分子量10000)50.0部、シクロヘキサノン100部を入れ、20〜35℃で2時間撹拌、溶解し、次に近赤外線吸収色素(A)として、下記式(4)の構造をもつ化合物(クロロホルム中のλmax:1108nm、特許4697950の実施例1に記載の方法で合成。式(4)中、CTf3 −はトリス(トリフルオロメチルスルホニル)メチドアニオンを表す。)を0.050部添加し、20〜35℃で均一になるまで撹拌することで本発明の熱硬化性樹脂組成物を得た。この熱硬化性樹脂組成物をスピンコーター上に配置したガラス基板上に滴下し、その基板を1000rpmで30秒間回転させることで基板表面をコーティングし、その後80℃で10分間乾燥させて溶媒を除去し、150℃で3時間熱硬化し、光学フィルタを得た。得られた光学フィルタは、分光光度計(島津製作所社製、紫外可視分光光度計UV−3150)を用い、光学フィルタの吸光度を300〜2000nmの範囲を1nmのサンプリングピッチで測定した。光学フィルタを乾燥した後、硬化し、210℃で10分間放置する耐熱性試験後にそれぞれの分光波形を測定した。光学フィルタの分光波形の最大吸収波長(1108nm)における吸光度を下表1に示す。
[比較例1]
撹拌装置、温度計を設置したガラス製セパラブルフラスコに、エポキシ樹脂50.0部(WO2012/137837の合成例1を参照)、エポキシ硬化剤(WO2012/137837の実施例2を参照)35.0部、テトラフルオロプロパノール125.0部を入れ、20〜35℃で2時間撹拌、溶解し、上記式(4)の化合物を0.80部添加し、20〜35℃で均一になるまで撹拌することで樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を実施例1と同様に製膜、乾燥、硬化、耐熱性試験を行った。光学フィルタの分光波形の最大吸収波長における吸光度を下表1に示す。
撹拌装置、温度計を設置したガラス製セパラブルフラスコに、エポキシ樹脂50.0部(WO2012/137837の合成例1を参照)、エポキシ硬化剤(WO2012/137837の実施例2を参照)35.0部、テトラフルオロプロパノール125.0部を入れ、20〜35℃で2時間撹拌、溶解し、上記式(4)の化合物を0.80部添加し、20〜35℃で均一になるまで撹拌することで樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を実施例1と同様に製膜、乾燥、硬化、耐熱性試験を行った。光学フィルタの分光波形の最大吸収波長における吸光度を下表1に示す。
[比較例2]
撹拌装置、温度計を設置したガラス製セパラブルフラスコに、ジアリルフタレート樹脂(ダイソー株式会社製、商品名「ダイソーダップS」)30.0部、クロロホルム70.0部を入れ、20〜35℃で2時間撹拌し溶解し、上記式(4)の化合物を0.20部添加し、20〜35℃で均一になるまで撹拌することで樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を実施例1と同様に製膜、乾燥、耐熱試験を行った。光学フィルタの分光波形の最大吸収波長における吸光度を下表1に示す。
撹拌装置、温度計を設置したガラス製セパラブルフラスコに、ジアリルフタレート樹脂(ダイソー株式会社製、商品名「ダイソーダップS」)30.0部、クロロホルム70.0部を入れ、20〜35℃で2時間撹拌し溶解し、上記式(4)の化合物を0.20部添加し、20〜35℃で均一になるまで撹拌することで樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を実施例1と同様に製膜、乾燥、耐熱試験を行った。光学フィルタの分光波形の最大吸収波長における吸光度を下表1に示す。
[耐熱性比較試験]
実施例1および比較例1と2で得られた光学フィルタにおいて、80℃で10分間乾燥後、150℃で3時間熱硬化後、210℃で10分間放置後の分光波形を比較することで、耐熱性の比較を行った。まず実施例1と同様の分光光度計を用い、実施例1及び比較例1と2の各光学フィルタを80℃で10分間乾燥後、150℃で3時間熱硬化後、210℃で10分間放置後それぞれの分光波形を測定した。耐熱性の比較は、実施例1及び比較例1と2の光学フィルタの最大吸収波長における吸光度より、80℃で10分間乾燥後の吸光度に対する熱硬化後(150℃、3時間)の吸光度の残存率、熱硬化後(150℃、3時間)の吸光度に対する耐熱試験後(210℃、10分)の吸光度の残存率を算出し、それぞれ比較を行った。この比較評価により吸光度の残存率が高い方が、優れた耐熱性を有することを意味する。それぞれの残存率は以下の式(I)及び式(II)により算出した。算出結果を下表2に示す。
実施例1および比較例1と2で得られた光学フィルタにおいて、80℃で10分間乾燥後、150℃で3時間熱硬化後、210℃で10分間放置後の分光波形を比較することで、耐熱性の比較を行った。まず実施例1と同様の分光光度計を用い、実施例1及び比較例1と2の各光学フィルタを80℃で10分間乾燥後、150℃で3時間熱硬化後、210℃で10分間放置後それぞれの分光波形を測定した。耐熱性の比較は、実施例1及び比較例1と2の光学フィルタの最大吸収波長における吸光度より、80℃で10分間乾燥後の吸光度に対する熱硬化後(150℃、3時間)の吸光度の残存率、熱硬化後(150℃、3時間)の吸光度に対する耐熱試験後(210℃、10分)の吸光度の残存率を算出し、それぞれ比較を行った。この比較評価により吸光度の残存率が高い方が、優れた耐熱性を有することを意味する。それぞれの残存率は以下の式(I)及び式(II)により算出した。算出結果を下表2に示す。
(熱硬化後(150℃、3時間)の残存率)=(熱硬化後(150℃、3時間)の吸光度)/(80℃で10分間乾燥後の吸光度)(I)
(耐熱試験後(210℃、10分)の残存率)=(耐熱試験後(210℃、10分)の吸光度)/(熱硬化後(150℃、3時間)の吸光度)(II)
表2の結果から比較例1及び2に対し、実施例1は熱硬化後と耐熱性試験後も残存率が高い結果となった。以上のことから、本発明において、近赤外線吸収色素(A)がジイモニウム塩化合物と、エポキシ樹脂(B)がメタクリル酸グリシジル骨格ブロックコポリマーで構成された熱硬化性樹脂を含む熱硬化性樹脂組成物は、近赤外線カットフィルタの製造において優れた耐熱性を有している結果を示した。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、樹脂溶液としてスピンコート等の塗布法で簡便に製膜することが可能であり加工性にも優れている。また、これによって得られる近赤外線カットフィルタ(光学フィルタ)は熱負荷がかかっても近赤外吸収性能の劣化が小さく耐候性が高いこと等から各種用途の光学フィルタ、特にCCDやCMOSなどの撮像素子用の近赤外線カットフィルタ(光学フィルタ)として非常に有用である。
Claims (8)
- 下記の近赤外線吸収色素(A)及び、エポキシ樹脂(B)を含むことを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
(A)近赤外線吸収色素
下記式(1)で表されるジイモニウム化合物を少なくとも1種を含む
(B)エポキシ樹脂
メタクリル酸グリシジル骨格のみで構成された重合体、あるいはメタクリル酸グリシジル骨格を主としてアクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、ビニル置換芳香族化合物のいずれかの組み合わせで構成されるブロック共重合体。 - エポキシ樹脂(B)のエポキシ当量が280〜600g/eq.であることを特徴とする請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- エポキシ樹脂(B)の重量平均分子量が5000〜20000であるであることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 近赤外線吸収色素(A)の式(1)においてR1がそれぞれ独立に炭素数1〜7の無置換アルキル基であるであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 近赤外線吸収色素(A)の式(1)においてR1がすべて同一である炭素数1〜7の無置換アルキル基であるであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物の硬化物。
- 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物を用いて成形した近赤外線カットフィルタ。
- 請求項7に記載の近赤外線カットフィルタを具備した撮像素子。
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CN114930204A (zh) * | 2020-01-15 | 2022-08-19 | 凸版印刷株式会社 | 红外光截止滤光片、固态成像元件用滤光片、固态成像元件、以及固态成像元件用滤光片的制造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013502611A (ja) * | 2009-08-18 | 2013-01-24 | インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション | 近赤外吸収膜組成物 |
-
2014
- 2014-08-04 JP JP2014158757A patent/JP2016035024A/ja active Pending
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