JP2016031875A - 燃料電池 - Google Patents

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Tomokazu Sakamoto
友和 坂本
朝澤 浩一郎
Koichiro Asazawa
浩一郎 朝澤
田中 裕久
Hirohisa Tanaka
裕久 田中
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アーロン・ロイ
Roy Aaron
アレクシー・セロブ
Serov Alexey
プラメン・アタナソフ
Atanasov Plamen
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Daihatsu Motor Co Ltd
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Abstract

【課題】燃料として、少なくとも水素および窒素を含む化合物を含む場合に、アンモニアの発生を抑制できる燃料電池の提供。【解決手段】アニオン交換膜からなる電解質層4と、電解質層4を挟んで対向配置される燃料側電極2および酸素側電極3とを備える燃料電池1において、燃料側電極2に、金属触媒としてニッケルとモリブデンとを、モリブデンの含有割合が、ニッケルとモリブデンとの総モルに対して、30モル%以上となるように含ませ、燃料として、ヒドラジンなどの、少なくとも水素および窒素を含有する化合物を使用する燃料電池。【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池に関し、より詳しくは、固体高分子型燃料電池に関する。
現在まで、燃料電池としては、アルカリ型(AFC)、固体高分子型(PEFC)、リン酸型(PAFC)、溶融炭酸塩型(MCFC)、固体電解質型(SOFC)などの各種のものが知られている。なかでも、固体高分子型燃料電池は、比較的低温で運転できることから、例えば、自動車用途などの、各種用途での使用が検討されている。
このような固体高分子型燃料電池としては、膜電極接合体の燃料側電極(アノード電極)に、金属触媒としてニッケルを含有させることが知られている。
より具体的には、例えば、水加ヒドラジンなどを燃料とする燃料電池において、ニッケル触媒の分散液を電解質膜の一方面に塗布することによりアノード電極を形成し、また、コバルト担持ポリピロールカーボンの分散液を電解質膜の他方面に塗布することによりカソード電極を形成して、膜電極接合体を得ることが、知られている(例えば、特許文献1(実施例)参照。)。
特開2010−238445号公報
一方、水素および窒素を含有する化合物(例えば、水加ヒドラジンなど)を燃料とする燃料電池において、燃料側電極にニッケルを含有させると、水素および窒素を含有する化合物がアンモニアに分解されるなどの副反応が惹起される場合がある。そして、副反応により生じたアンモニアは、環境問題の観点から、燃料電池の系外に直接排出することができず、アンモニアを処理するための処理システムを要とするという不具合がある。
そこで、本発明の目的は、燃料として、少なくとも水素および窒素を含む化合物を含む場合に、アンモニアの発生を抑制できる燃料電池を提供することにある。
本発明の燃料電池は、電解質層と、前記電解質層を挟んで対向配置され、燃料が供給される燃料側電極、および、酸素が供給される酸素側電極とを備える燃料電池において、前記電解質層は、アニオン交換膜であり、前記燃料は、少なくとも水素および窒素を含有する化合物を含み、前記燃料側電極は、ニッケルとモリブデンとを含み、前記燃料側電極におけるモリブデンの含有割合が、ニッケルとモリブデンとの総モルに対して、30モル%以上であることを特徴としている。
また、本発明の燃料電池では、前記燃料が、ヒドラジン類であることが好適である。
本発明の燃料電池によれば、燃料側電極にニッケルとモリブデンとが含まれており、燃料側電極におけるモリブデンの含有割合が、ニッケルとモリブデンとの総モルに対して、30モル%以上であるため、副反応による燃料の分解を抑制することができ、アンモニアの発生を抑制することができる。
本発明の燃料電池の一実施形態を示す概略構成図である。 各実施例および各比較例におけるアンモニア発生量の評価を示すグラフである。 各実施例および各比較例における出力密度の評価を示すグラフである。
図1において、この燃料電池1は、燃料電池セルSを備えており、燃料電池セルSは、燃料側電極2、酸素側電極3および電解質層4を備え、燃料側電極2および酸素側電極3が、それらの間に電解質層4を挟んだ状態で、対向配置されている。換言すれば、燃料電池セルSは、電解質層4と、電解質層4を挟んで対向配置される燃料側電極2および酸素側電極3とを備えている。
燃料側電極2は、電解質層4の一方の面に対向接触されている。この燃料側電極2は、金属触媒として、ニッケル(Ni)とモリブデン(Mo)とを含んでおり、好ましくは、ニッケルとモリブデンとからなる。
金属触媒として、具体的には、例えば、ニッケルとモリブデンとの混合物(混合触媒)、ニッケルとモリブデンとの合金(ニッケルモリブデン合金)、ニッケルと、モリブデンと、ニッケルモリブデン合金との混合物などが挙げられ、好ましくは、ニッケル金属単体とモリブデン金属単体とからなる混合物(混合触媒)、ニッケル金属単体とモリブデン金属単体とからなる合金(ニッケルモリブデン合金)、ニッケル金属単体と、モリブデン金属単体と、ニッケルモリブデン合金とからなる混合物が挙げられる。
このような態様の金属触媒を製造するには、例えば、まず、ニッケル塩とモリブデン塩とを含む分散液を調製し、次いで、ニッケルおよびモリブデンを乾燥させ、その後、焼成する。
より具体的には、金属触媒を製造するには、例えば、まず、ニッケル塩とモリブデン塩とを、溶剤に分散させ、分散液を調製する。
ニッケル塩としては、例えば、ニッケルの無機金属塩、ニッケルの有機金属塩などが挙げられる。
ニッケルの無機金属塩としては、例えば、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩などの無機酸塩、例えば、塩化物、アンモニウム塩などが挙げられる。
ニッケルの有機金属塩としては、例えば、酢酸塩、プロピオン酸塩などのニッケルのカルボン酸塩、例えば、下記一般式(1)で示されるβ−ジケトン化合物またはβ−ケトエステル化合物、および/または、下記一般式(2)で示されるβ−ジカルボン酸エステル化合物から形成されるニッケルの金属キレート錯体などが挙げられる。
COCHRCOR (1)
(式中、R1は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基またはアリール基を示し、R2は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、アリール基または炭素数1〜4のアルコキシ基を示し、R3は、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
CH(COR (2)
(式中、R4は、炭素数1〜6のアルキル基を示し、R5は、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
上記一般式(1)および上記一般式(2)中、R1、R2およびR4の炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、t−アミル、t−ヘキシルなどが挙げられる。また、R3およびR5の炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチルなどが挙げられる。
上記一般式(1)中、R1およびR2の炭素数1〜6のフルオロアルキル基としては、例えば、トリフルオロメチルなどが挙げられる。また、R1およびR2のアリール基としては、例えば、フェニルが挙げられる。また、R1の炭素数1〜4のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシなどが挙げられる。
β−ジケトン化合物は、より具体的には、例えば、2,4−ペンタンジオン、2,4−ヘキサンジオン、2,2−ジメチル−3,5−ヘキサンジオン、1−フェニル−1,3−ブタンジオン、1−トリフルオロメチル−1,3−ブタンジオン、ヘキサフルオロアセチルアセトン、1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオン、ジピバロイルメタンなどが挙げられる。
また、β−ケトエステル化合物は、より具体的には、例えば、メチルアセトアセテート、エチルアセトアセテート、t−ブチルアセトアセテートなどが挙げられる。
また、β−ジカルボン酸エステル化合物は、より具体的には、例えば、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチルなどが挙げられる。
これらニッケル塩は、単独使用または2種類以上併用することができる。
ニッケル塩として、好ましくは、ニッケルの無機金属塩、より好ましくは、ニッケルの無機酸塩が挙げられる。
モリブデン塩としては、例えば、モリブデンの無機金属塩、モリブデンの有機金属塩などが挙げられる。
モリブデンの無機金属塩としては、例えば、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩などの無機酸塩、例えば、塩化物、アンモニウム塩などが挙げられる。
モリブデンの有機金属塩としては、例えば、酢酸塩、プロピオン酸塩などから形成されるモリブデンのカルボン酸塩、例えば、上記一般式(1)で示されるβ−ジケトン化合物またはβ−ケトエステル化合物、および/または、上記一般式(2)で示されるβ−ジカルボン酸エステル化合物から形成されるモリブデンの金属キレート錯体などが挙げられる。
これらモリブデン塩は、単独使用または2種類以上併用することができる。
モリブデン塩として、好ましくは、モリブデンの無機金属塩、より好ましくは、モリブデンのアンモニウム塩が挙げられる。
溶剤としては、例えば、水、アルコール類(例えば、2−プロパノールなど)、エーテル類(例えば、テトラヒドロフラン(THF)など)、ケトン類、エステル類、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類などが挙げられる。
これら溶剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。
溶剤として、好ましくは、水、アルコール類、エーテル類などが挙げられる。
分散液は、例えば、ニッケル塩とモリブデン塩とを溶剤に配合する方法や、例えば、ニッケル塩および溶剤の混合物と、モリブデン塩および溶剤の混合物とを配合する方法などにより、調製することができる。
そして、それらを配合して得られる分散液(ニッケル塩、モリブデン塩および溶剤の混合物)において、ニッケル塩およびモリブデン塩の濃度(総量)は、例えば、0.001mol/L以上、好ましくは、0.01mol/L以上であり、例えば、10mol/L以下、好ましくは、1mol/L以下である。
次いで、この方法では、例えば、常温乾燥、加熱乾燥、真空凍結乾燥などの公知の方法により、得られた分散液から溶剤を除去し、ニッケルおよびモリブデンを含む混合物を乾燥させる。
乾燥条件としては、乾燥温度が、例えば、10℃以上、好ましくは、18℃以上であり、例えば、40℃以下、好ましくは、30℃以下である。また、乾燥時間が、例えば、5時間以上、好ましくは、8時間以上であり、例えば、24時間以下、好ましくは、15時間以下である。
次いで、この方法では、得られた乾燥物を、還元雰囲気(例えば、H/Ar混合気体など)下において、焼成する。
焼成条件としては、焼成温度が、例えば、300℃以上、好ましくは、400℃以上であり、例えば、800℃以下、好ましくは、600℃以下である。また、焼成時間が、例えば、0.2時間以上、好ましくは、0.5時間以上であり、例えば、5時間以下、好ましくは、2時間以下である。
これにより、ニッケルおよびモリブデンを含む金属触媒を得ることができる。
なお、金属触媒としては、例えば、市販品として入手されるニッケル金属の微粉末と、市販品として入手されるモリブデン金属の微粉末と、必要により、市販品として入手されるニッケルモリブデン合金の微粉末とを混合し、得られる混合物を用いることもできる。
金属触媒において、ニッケル(ニッケルの金属原子)とモリブデン(モリブデンの金属原子)とは必ず含まれており、ニッケルとモリブデンとの総モルに対して、ニッケル(モリブデンニッケル合金に含有されるニッケルを含む。)の含有割合が、例えば、45モル%以上、好ましくは、50モル%以上であり、70モル%以下、好ましくは、67モル%以下である。また、ニッケルとモリブデンとの総モルに対して、モリブデン(モリブデンニッケル合金に含有されるモリブデンを含む。)の含有割合が、30モル%以上、好ましくは、33モル%以上であり、例えば、55モル%以下、好ましくは、50モル%以下である。
ニッケルとモリブデンとの含有割合が、上記の割合であれば、副反応による燃料の分解を抑制することができ、アンモニアの発生を抑制することができる。
とりわけ、モリブデンの含有割合が上記の割合であれば、燃料の利用効率の向上を図ることができ、発電性能の向上を図ることができる。
なお、ニッケルとモリブデンとの含有割合が上記の範囲である金属触媒は、例えば、上記した金属触媒の製造方法において、ニッケルとモリブデンとの配合割合を調整することにより、製造することができる。
より具体的には、上記した金属触媒の製造方法において、モリブデン塩とニッケル塩とを、モリブデン塩に含まれるモリブデン(モリブデンの金属原子)のモル数が、モリブデン塩に含まれるモリブデン(モリブデンの金属原子)と、ニッケル塩に含まれるニッケル(ニッケルの金属原子)との総モルに対して、上記の割合となるように、配合する。
これにより、モリブデンとニッケルとの含有割合が上記の範囲である金属触媒を、製造することができる。
また、本発明においては、上記により得られたモリブデンおよびニッケルを、カーボンに担持させ、金属触媒を製造することもできる。
モリブデンおよびニッケルをカーボンに担持させるには、例えば、上記した金属触媒の製造方法において、モリブデン塩およびニッケル塩とともに、例えば、多孔質のカーボン担体を配合する。
また、カーボン担体を配合する場合において、溶剤とカーボン担体とを均一に混合することが困難である場合などには、さらに、カーボン担体とともに、例えば、アルコール類(例えば、エタノールなど)を配合することもできる。
なお、モリブデンおよびニッケルをカーボンに担持させて用いる場合には、モリブデンおよびニッケルは、カーボンに担持されるモリブデンおよびニッケルが、モリブデン、ニッケルおよびカーボンの総量に対して、例えば、0.1〜50重量%、好ましくは、5〜40重量%となるように使用される。
また、このような金属触媒から燃料側電極2を形成するには、特に制限されないが、例えば、膜−電極接合体を形成する。膜−電極接合体は、公知の方法により形成することができる。例えば、まず、上記した金属触媒と電解質溶液とを混合し、必要によりアルコールなどの適宜の溶剤を添加して粘度を調整することにより、上記した金属触媒の分散液を調製する。次いで、その分散液を、電解質層4(アニオン交換膜)の表面にコーティングすることにより、上記した金属触媒を電解質層4の表面に定着させる。
金属触媒の使用量は、例えば、0.01〜5mg/cmである。
この燃料側電極2では、後述するように、供給される、少なくとも水素および窒素を含有する化合物(以下、「燃料化合物」という。)と、電解質層4を通過した水酸化物イオン(OH)とを反応させて、電子(e)と窒素(N)と水(HO)とを生成させる。
酸素側電極3は、電解質層4の他方の面に対向接触されている。この酸素側電極3は、特に限定されないが、例えば、触媒が担持される多孔質電極として形成されている。
上記触媒としては、後述するように、酸素(O)と水(HO)とから水酸化物イオン(OH)を生成させる触媒作用を有するものであれば、特に限定されないが、例えば、白金族元素(Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt)、鉄族元素(Fe、Co、Ni)などの周期表第8〜10族(IUPAC Periodic Table of the Elements(version date 19 February 2010)に従う。以下同じ。)元素や、例えば、Cu、Ag、Auなどの周期表第11族元素など、さらにはこれらの組み合わせなどが挙げられる。なかでも、好ましくは、Feが挙げられる。触媒の担持量は、例えば、0.1〜10mg/cm、好ましくは、0.1〜5mg/cmである。また、上記触媒は、カーボンに担持させることが好ましい。
また、このような触媒から酸素側電極3を形成するには、特に制限されないが、例えば、上記した燃料側電極2と同様にして、膜−電極接合体を形成する。
この酸素側電極3では、後述するように、供給される酸素(O)と、水(HO)と、外部回路13を通過した電子(e)とを反応させて、水酸化物イオン(OH)を生成させる。
電解質層4は、アニオン交換膜から形成されている。アニオン交換膜としては、酸素側電極3で生成される水酸化物イオン(OH)を、酸素側電極3から燃料側電極2へ移動させることができる媒体であれば、特に限定されないが、例えば、4級アンモニウム基、ピリジニウム基などのアニオン交換基を有する固体高分子膜(アニオン交換樹脂)が挙げられる。
燃料電池セルSは、さらに、燃料供給部材5および酸素供給部材6を備えている。燃料供給部材5は、ガス不透過性の導電性部材からなり、その一方の面が、燃料側電極2に対向接触されている。そして、この燃料供給部材5には、燃料側電極2の全体に燃料を接触させるための燃料側流路7が、一方の面から凹む葛折状の溝として形成されている。なお、この燃料側流路7は、その上流側端部および下流側端部に、燃料供給部材5を貫通する供給口9および排出口8がそれぞれ連続して形成されている。
また、酸素供給部材6も、燃料供給部材5と同様に、ガス不透過性の導電性部材からなり、その一方の面が、酸素側電極3に対向接触されている。そして、この酸素供給部材6にも、酸素側電極3の全体に酸素(空気)を接触させるための酸素側流路10が、一方の面から凹む葛折状の溝として形成されている。なお、この酸素側流路10にも、その上流側端部および下流側端部に、酸素供給部材6を貫通する供給口11および排出口12がそれぞれ連続して形成されている。
そして、この燃料電池1は、実際には、上記した燃料電池セルSが、複数積層されるスタック構造として形成される。そのため、燃料供給部材5および酸素供給部材6は、実際には、両面に燃料側流路7および酸素側流路10が形成されるセパレータとして構成される。
なお、図示しないが、この燃料電池1には、導電性材料によって形成される集電板が備えられており、集電板に備えられた端子から燃料電池1で発生した起電力を外部に取り出すことができるように構成されている。
また、試験的(モデル的)には、この燃料電池セルSの燃料供給部材5と酸素供給部材6とを外部回路13によって接続し、その外部回路13に電圧計14を介在させて、発生する電圧を計測することもできる。
そして、本発明においては、上記燃料化合物を含む燃料が、改質などを経由することなく、直接供給される。
この燃料化合物では、水素は窒素に直接結合していることが好ましい。また、燃料化合物は、窒素−窒素結合を有するものが好ましく、炭素−炭素結合を有しないものが好ましい。また、炭素の数はできる限り少ない(できればゼロである)ものが好ましい。
また、このような燃料化合物には、その性能を阻害しない範囲において、酸素原子、イオウ原子などを含んでいてよく、より具体的には、カルボニル基、水酸基、水和物、スルホン酸基あるいは硫酸塩などとして、含まれていてもよい。
このような観点から、本発明において燃料化合物としては、具体的には、例えば、ヒドラジン(NHNH)、水加ヒドラジン(NHNH・HO)、炭酸ヒドラジン((NHNHCO)、硫酸ヒドラジン(NHNH・HSO)、モノメチルヒドラジン(CHNHNH)、ジメチルヒドラジン((CHNNH、CHNHNHCH)、カルボンヒドラジド((NHNHCO)などのヒドラジン類、例えば、尿素(NHCONH)、例えば、イミダゾール、1,3,5−トリアジン、3−アミノ−1,2,4−トリアゾールなどの複素環類、例えば、ヒドロキシルアミン(NHOH)、硫酸ヒドロキシルアミン(NHOH・HSO)などのヒドロキシルアミン類などが挙げられる。このような燃料化合物は、単独または2種類以上組み合わせて用いることができる。好ましくは、ヒドラジン類が挙げられる。
上記した燃料化合物のうち、炭素を含まない化合物、すなわち、ヒドラジン(NHNH)、水加ヒドラジン(NHNH・HO)、硫酸ヒドラジン(NHNH・HSO)、ヒドロキシルアミン(NHOH)、硫酸ヒドロキシルアミン(NHOH・HSO)などは、後述するヒドラジンの反応のように、COによる触媒の被毒がないので耐久性の向上を図ることができ、実質的なゼロエミッションを実現することができる。
燃料は、上記例示の燃料化合物をそのまま用いてもよいが、上記例示の燃料化合物を、例えば、水および/またはアルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなどの低級アルコールなど)などの溶液として用いることができる。この場合、溶液中の燃料化合物の濃度は、燃料化合物の種類によっても異なるが、例えば、1〜90重量%、好ましくは、1〜30重量%である。
さらに、燃料は、上記した燃料化合物をガス(例えば、蒸気)として用いることができる。
そして、酸素供給部材6の酸素側流路10に酸素(空気)を供給しつつ、燃料供給部材5の燃料側流路7に上記した燃料を供給すれば、酸素側電極3においては、次に述べるように、燃料側電極2で発生し、外部回路13を介して移動する電子(e)と、水(HO)と、酸素(O)とが反応して、水酸化物イオン(OH)を生成する。生成した水酸化物イオン(OH)は、アニオン交換膜からなる電解質層4を、酸素側電極3から燃料側電極2へ移動する。そして、燃料側電極2においては、電解質層4を通過した水酸化物イオン(OH)と、燃料とが反応して、電子(e)が生成する。生成した電子(e)は、燃料供給部材5から外部回路13を介して酸素供給部材6に移動され、酸素側電極3へ供給される。このような燃料側電極2および酸素側電極3における電気化学的反応によって、起電力が生じ、発電が行われる。
そして、このような電気化学的反応には、燃料側電極2において、燃料に水酸化物イオン(OH)を直接反応させる一段反応と、燃料を、水素(H)と窒素(N)とに分解した後に、分解により生成した水素(H)に水酸化物イオン(OH)を反応させる二段反応との2種類の反応がある。
例えば、燃料としてヒドラジン(NHNH)を用いた場合には、一段反応は、燃料側電極2、酸素側電極3および全体として、次の反応式(1)〜(3)で表すことができる。
(1) NHNH+4OH→4HO+N+4e (燃料側電極)
(2) O+2HO+4e→4OH (酸素側電極)
(3) NHNH+O→2HO+N (全体)
また、二段反応は、燃料側電極2、酸素側電極3および全体として、次の反応式(4)〜(7)で表すことができる。
(4) NHNH→2H+N (分解反応;燃料側電極)
(5) H+2OH→2HO+2e (燃料側電極)
(6) 1/2O+HO+2e→2OH (酸素側電極)
(7) H+1/2O→HO (全体)
一方、上記の反応では、燃料として用いられるヒドラジン(NHNH)がアンモニア(NH)に分解されるなどの副反応が惹起される場合がある。そして、副反応により生じたアンモニアは、環境問題の観点から、燃料電池の系外に直接排出することができず、アンモニアを処理するための処理システムを要とするという不具合がある。
しかし、この燃料電池1では、上記したように、燃料側電極2にニッケルとモリブデンとが含まれており、燃料側電極2におけるモリブデンの含有割合が、ニッケルとモリブデンとの総モルに対して、30モル%以上であるため、副反応による燃料の分解を抑制することができ、アンモニアの発生を抑制することができる。
なお、この燃料電池1の運転条件は、特に限定されないが、例えば、燃料側電極2側の加圧が200kPa以下、好ましくは、100kPa以下であり、酸素側電極3側の加圧が200kPa以下、好ましくは、100kPa以下であり、燃料電池セルSの温度が0〜120℃、好ましくは、20〜80℃として設定される。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の実施形態は、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で、適宜設計を変形することができる。
本発明の燃料電池の用途としては、例えば、自動車、船舶、航空機などにおける駆動用モータの電源や、携帯電話機などの通信端末における電源などが挙げられる。
次に、本発明を実施例および比較例に基づいて説明するが、本発明は下記の実施例によって限定されるものではない。以下に示す実施例の数値は、実施形態において記載される数値(すなわち、上限値または下限値)に代替することができる。
実施例1
<混合分散液の調製>
(NHMo24・HO(モリブデンのアンモニウム塩(7モリブデン酸6アンモニウム・1水和物))と、NNiO・6HO(ニッケルの硝酸塩(硝酸ニッケル・6水和物))とを、モリブデンとニッケルとのモル比が1:1となるように、純水中に溶解させた。
すなわち、仕込み含有割合を、金属基準で、モリブデンとニッケルとの総モルに対して、モリブデンを50モル%とし、ニッケルを50モル%とした(Mo:Ni=50:50(モル比))。
混合液において、モリブデンのアンモニウム塩とニッケルの硝酸塩との総濃度(総量)は、0.1mol/Lであった。
次いで、混合液に、カーボン担体(ライオン社製、ECP−600JD)0.01gを配合し、30分間超音波分散させることにより、分散液(スラリー)を得た。なお、このとき、モリブデンおよびニッケルの重量割合(総量)は、カーボン担体、モリブデンおよびニッケルの総量に対して、50質量%であった。
<乾燥>
得られた分散液(スラリー)を、1晩常温乾燥させた。
<焼成>
乾燥物を、H/Ar混合気体(H/Ar=7/93(体積比))の存在下において、550℃で1時間焼成した。これにより、金属触媒を得た。
実施例2
(NHMo24・HO(モリブデンのアンモニウム塩(7モリブデン酸6アンモニウム・1水和物))と、NNiO・6HO(ニッケルの硝酸塩(硝酸ニッケル・6水和物))との配合割合を、モリブデンとニッケルとのモル比が1:2となるように変更した以外は、実施例1と同様にして、金属触媒を得た。
すなわち、仕込み含有割合を、金属基準で、モリブデンとニッケルとの総モルに対して、モリブデンを33モル%とし、ニッケルを67モル%とした(Mo:Ni=33:67(モル比))。
比較例1
(NHMo24・HO(モリブデンのアンモニウム塩(7モリブデン酸6アンモニウム・1水和物))と、NNiO・6HO(ニッケルの硝酸塩(硝酸ニッケル・6水和物))との配合割合を、モリブデンとニッケルとのモル比が1:3となるように変更した以外は、実施例1と同様にして、金属触媒を得た。
すなわち、仕込み含有割合を、金属基準で、モリブデンとニッケルとの総モルに対して、モリブデンを25モル%とし、ニッケルを75モル%とした(Mo:Ni=25:75(モル比))。
比較例2
(NHMo24・HO(モリブデンのアンモニウム塩(7モリブデン酸6アンモニウム・1水和物))と、NNiO・6HO(ニッケルの硝酸塩(硝酸ニッケル・6水和物))との配合割合を、モリブデンとニッケルとのモル比が1:4となるように変更した以外は、実施例1と同様にして、金属触媒を得た。
すなわち、仕込み含有割合を、金属基準で、モリブデンとニッケルとの総モルに対して、モリブデンを20モル%とし、ニッケルを80モル%とした(Mo:Ni=20:80(モル比))。
比較例3
(NHMo24・HO(モリブデンのアンモニウム塩(7モリブデン酸6アンモニウム・1水和物))を配合することなく、NNiO・6HO(ニッケルの硝酸塩(硝酸ニッケル・6水和物))のみを用いた以外は、実施例1と同様にして、金属触媒を得た。
すなわち、仕込み含有割合を、金属基準で、モリブデンとニッケルとの総モルに対して、モリブデンを0モル%とし、ニッケルを100モル%とした(Mo:Ni=0:100(モル比))。
(評価)
<膜−電極接合体の作製>
(1)燃料側電極の形成
各実施例および各比較例で得られた金属触媒0.15gと、2質量%アニオン交換樹脂溶液(溶媒:THF+1−プロパノール(1:4質量比))1.0gとを混合し、得られた混合物を、溶媒(THF+1−プロパノール(1:4質量比))2.0gに加えた。そして、25℃で15分間撹拌することにより、燃料側電極インクを調製した。
次いで、得られた燃料側電極インクを、アニオン交換形電解質膜(商品名:A201CE トクヤマ社製)の一方の表面を被覆するように、スプレー法により塗布した。
その後、25℃で乾燥することにより、厚み50μmの燃料側電極を形成した。
(2)酸素側電極の形成
触媒としてアミノアンチピリンの鉄錯体触媒(CABOT社製)の乾燥粉末0.05gと、2質量%アニオン交換樹脂溶液1.0g(溶媒:THF+1−プロパノール(1:4質量比))とを混合した。得られた混合物を、同溶媒(THF+1−プロパノール(1:4質量比))2.0mLに加え、室温で15分撹拌することにより、酸素側電極インクを調製した。
次いで、得られた酸素側電極インクを、アニオン交換形電解質膜(商品名:A201CE トクヤマ社製)の他方(燃料側電極が形成される一方に対する他方)の表面を被覆するように、スプレー法により塗布した。
その後、室温で乾燥することにより、厚み50μmの酸素側電極を形成した。
以上の工程を経ることにより、燃料側電極、空気側電極および電解質層を備える膜−電極接合体を作製した。
(3)単位セルの組立
(1)で得られた膜−電極接合体の燃料側電極層および空気側電極層それぞれに導電性多孔質体のカーボンシート(ガス拡散層)を接合し、カーボンシートが接合された膜−電極接合体にOリング(シール材)を取り付け、燃料側セパレータと空気側セパレータとで挟み込むことにより、単位セルを組み立てた。
<アンモニア発生評価>
まず、1MのKOHと5重量%濃度の水加ヒドラジンとの混合溶液を、燃料供給口から2mL/minの速度で供給した。
また、20%O/Nガスを、酸素供給口から200mL/minの速度で供給した。
このとき、燃料側出口の圧力は0kPaとし、酸素側出口の圧力は10kPaとした。
次いで、セル電圧を電子負荷(890e、Scribner Associates社製)にて開放電圧(OCV)、0.6V、0.2Vにそれぞれ設定し、各電圧でそれぞれ20分間、燃料排出口から排出される燃料を採取した。
その後、採取した燃料中に含まれるアンモニア濃度を、イオンクロマトグラフィーにて測定した。
その結果を、表1および図2に示す。
Figure 2016031875
<出力密度>
上記の膜電極接合体を、12MPaの圧力で油圧プレス機により、電解質膜の厚み方向両側から2分加圧した後、得られた膜電極接合体を1MのKOHに12時間以上浸漬させた。
その後、燃料電池評価セル(ラボセル、ダイハツ工業社製)に、上記の膜電極接合体をセットして、燃料側電極へ1MのKOHと20体積%濃度の水加ヒドラジンとの混合溶液を、酸素側電極へ空気(酸素(O):20質量%濃度)を、それぞれ2cc/minおよび0.5L/minの流速で供給して、電子負荷装置(890e、Scribner Associates社製)でセル電圧を開放電圧から0.4Vまでを走査し、そのときのセルの出力密度を測定した。その結果を、図3に示す。
なお、出力密度の測定条件を以下に示す。
セル温度;80℃
背圧;アノード:10kPa、カソード:60kPa
2 燃料側電極
3 酸素側電極
4 電解質層
S 燃料電池セル

Claims (2)

  1. 電解質層と、前記電解質層を挟んで対向配置され、燃料が供給される燃料側電極、および、酸素が供給される酸素側電極とを備える燃料電池において、
    前記電解質層は、アニオン交換膜であり、
    前記燃料は、少なくとも水素および窒素を含有する化合物を含み、
    前記燃料側電極は、ニッケルとモリブデンとを含み、
    前記燃料側電極におけるモリブデンの含有割合が、ニッケルとモリブデンとの総モルに対して、30モル%以上であること
    を特徴とする、燃料電池。
  2. 前記燃料が、ヒドラジン類であることを特徴とする、請求項1に記載の燃料電池。
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