JP2016031845A - ガス絶縁開閉装置用の絶縁スペーサ - Google Patents

ガス絶縁開閉装置用の絶縁スペーサ Download PDF

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Abstract

【課題】誘電率を空間的に傾斜させた構造を簡単に造形することにより、製造コストの低減と機械特性の向上を図ったガス絶縁開閉装置用の絶縁スペーサの提供。
【解決手段】金属容器2に高電圧導体部1を絶縁支持するガス絶縁開閉装置用の絶縁スペーサ6は、三次元造形装置によって絶縁材料から製作された中空構造を有しており、絶縁スペーサ6の中空構造は、絶縁材料からなる絶縁部と、絶縁性ガス4が入り込む空洞部を備えており、単位容積あたりの空洞部の割合を、高電圧導体部1側から金属容器2の内壁面側に向けて大きくしており、このため、絶縁スペーサ6は、比誘電率が傾斜変化した構造を持つことができ、表面の最大電界値を抑えることが可能であるガス絶縁開閉装置の絶縁スペーサ6。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、三次元造形装置により造形されるガス絶縁開閉装置用の絶縁スペーサに関するものである。
現在、高電圧大容量の電力系統では、SF6ガスなどの絶縁性ガスを絶縁媒体および消孤媒体として用いたガス絶縁開閉装置が広く使用されている。ガス絶縁開閉装置には、金属容器の内部に高電圧導体部を絶縁支持する絶縁スペーサが用いられている。このガス絶縁開閉装置用の絶縁スペーサは、ガス絶縁開閉装置の運用やメンテナンス時、両側の金属容器間を区分するガス区分スペーサとしての役割も担っている。
ガス絶縁開閉装置を構成する機器として図5に示すようなガス絶縁母線が知られているが、ここではコーン型の絶縁スペーサ3が採用されている。絶縁スペーサ3はコーン型とすることで沿面距離を伸ばし沿面電界を低減させている。図5のガス絶縁母線では、接地された円筒状の金属容器2が設けられており、金属容器2の内部には絶縁性ガス4が封入されると共に、通電用の高電圧導体部1が挿通されている。
絶縁スペーサ3は外周部が金属容器2の内壁面に固定されており、中心付近には電界緩和シールド5が設けられている。電界緩和シールド5には高電圧導体部1が取り付けられている。高電圧導体部1および電界緩和シールド5と金属容器2は同軸構造となっており、高電圧導体部1および電界緩和シールド5と金属容器2の内径の比は、1対3程度となっている。
一般に、絶縁スペーサ3表面付近の電界分布は、高電圧導体部1、絶縁スペーサ3および電界緩和シールド5の幾何学的形状と、絶縁スペーサ3および絶縁性ガス4の誘電率により決定される。ガス絶縁開閉装置では高電圧導体部1と金属容器2の内径比が異なるため、絶縁スペーサ3表面の電界値は、この内径比を反映して、高電圧導体部1付近の通電側の電界値が高くなり、金属容器2の内壁面付近である接地タンク側の電界値が低くなっている。つまり、図5のガス絶縁母線では、高電圧導体部1および電界緩和シールド5と金属容器2の内径の比が約1対3なので、絶縁スペーサ3表面では、高電圧導体部1側の電界値が、金属容器2側の電界値の3倍近くまで高くなっている(図6に点線で示したグラフ参照)。
一般に、ガス絶縁開閉装置では、絶縁スペーサ表面の最大電界値が装置サイズや絶縁性能を決定づけるので、絶縁スペーサ表面の最大電界値を低減することが要請されている。したがって従来から、絶縁スペーサの形状を最適化する技術や、絶縁スペーサの低誘電率化を図る技術などが提案されてきた。
例えば、絶縁スペーサを製作する際に、エポキシ樹脂および充填材の配合量の異なる絶縁材料を複数用意し、その絶縁材料の割合を連続的に変化させて絶縁スペーサを加熱成型する技術が提案されている(特許文献1など)。この技術によれば、高電圧導体部付近の通電側で誘電率を高くして、金属容器付近の接地タンク側で誘電率を低くするように、絶縁スペーサの誘電率を空間的に傾斜させることが可能である。
したがって、図5のガス絶縁母線のように、高電圧導体部1および電界緩和シールド5と金属容器2の内径の比が約1対3であれば、絶縁スペーサ3の誘電率が高電圧導体部1側と金属容器2側で、約3対1となるように、誘電率を空間的に傾斜させて絶縁スペーサ3を製作する。これにより、絶縁スペーサ3では、内径の小さい高電圧導体部1付近の誘電率だけが高くなって、高電圧導体部1側の電界値つまり絶縁スペーサ3表面の最大電界値を抑えることができる(図6に実線で示したグラフ参照)。
特開2010−176969号公報
ガス絶縁開閉装置用の絶縁スペーサは、エポキシ樹脂にアルミナもしくはシリカ等の充填材を配合した絶縁材料を用いて、金型注型によって製作されている。そのため、コーン型などの複雑な形状を製作する場合、金型設計や注型に、高い技術力が必要となり、製造コストが高騰した。また、複数の絶縁材料の割合を連続的に変化させた絶縁スペーサを金型注型によって製作する場合は、さらに練度の高い製造技術が必要となり、製造コストの増大が深刻な問題となっている。
絶縁スペーサは、ガス区分スペーサとしての役割も担っているので、区分時に生じるガスの差圧による機械力に耐えることが求められる。しかし、金型注型によって絶縁スペーサを製作する場合、比較的大きな穴を有するなど、簡単な形状については製作可能であるが、複雑な形状を持つ高強度の構造体を製作することは、非常に困難であった。
本発明の実施形態は、上述した課題を解決するために提案されたものであり、誘電率を空間的に傾斜させた構造を簡単に造形することにより、製造コストの低減と機械特性の向上を図ったガス絶縁開閉装置用の絶縁スペーサを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の実施形態は、接地された金属容器の内部に絶縁性ガスが封入されると共に、通電用の高電圧導体部が挿通されたガス絶縁開閉装置に用いるものであって、金属容器に高電圧導体部を絶縁支持するガス絶縁開閉装置用の絶縁スペーサにおいて、次のような特徴を有している。
(a)三次元造形装置によって絶縁材料から製作される中空構造を有している。
(b)中空構造は、絶縁材料からなる絶縁部と、絶縁性ガスが入り込む空洞部を備えており、単位容積あたりの空洞部の割合を、高電圧導体部側から金属容器の内壁面側に向けて大きくしたことを大きくする。
また、本発明の実施形態は、次のような態様も含んでいる。
(c)三次元造形装置によって絶縁材料から製作される積層構造を有している。
(d)積層構造は、高電圧導体部側から金属容器の内壁面側に向かって誘電率が小さくなるように絶縁材料の配合比を変化させている。
第1の実施形態の断面図。 絶縁スペーサの高電圧導体部側から金属容器側へ至る比誘電率の傾斜特性を示したグラフ。 第2の実施形態の断面図。 第3の実施形態の断面図。 従来のガス絶縁開閉装置のガス絶縁母線付近の断面図。 一般的な絶縁スペーサおよび誘電率を空間的に傾斜させた絶縁スペーサにおける電界解析結果を示したグラフ。
(第1の実施形態)
以下、本発明を適用した第1の実施形態について、図1、図2、図6を用いて具体的に説明する。図1は第1の実施形態に係るガス絶縁母線の断面図である。図1のガス絶縁母線において、図5に示した従来例と同一の部分に関しては、同一符号を使用し、説明は省略する。
(構成)
第1の実施形態に係る絶縁スペーサ6は、全体としてディスク状であり、外周部が金属容器2の内壁面に固定されており、中心付近には電界緩和シールド5が設けられている。絶縁スペーサ6における構成上の特徴は次の点にある。
(a)絶縁スペーサ6は、三次元造形装置によって絶縁材料から製作されるトラス構造を有している。三次元造形装置は、三次元積層造形装置や3Dプリンタなどとも呼ばれており、3Dデータに基づいて断面形状を積層していくことで立体物を造形する装置である。
(b)絶縁スペーサ6におけるトラス構造は、絶縁材料からなる絶縁部と、絶縁性ガス4が入り込む空洞部を備えている。絶縁スペーサ6は、三角形状の開口部分を高電圧導体部1側から金属容器2の内壁面側に向けて徐々に大きくすることで、単位容積あたりの空洞部の割合を、連続的に大きくしている。
つまり、絶縁スペーサ6では、絶縁材料からなる絶縁部と、絶縁性ガス4が入り込む空洞部との割合を比べた場合に、高電圧導体部1付近の通電側では、絶縁部の割合を大きくしておき、金属容器2の内壁部に近づくにつれて、徐々に空洞部の割合が多くなるように、絶縁スペーサ6を造形する。
絶縁スペーサ6において、絶縁材料からなる絶縁部では高誘電率を持つので、高電圧導体部1付近の通電側では誘電率を高くなる。一方、空洞部ではそこに存在する絶縁性ガス4の誘電率が低い。そのため、絶縁スペーサ6では、金属容器2の内壁部に近づくにつれて、誘電率が低くなっていき、あたかも比誘電率が連続的に傾斜変化した構造となる。
具体的には、高電圧導体部1および電界緩和シールド5と金属容器2の内径の比が約1対3なので、絶縁スペーサ6の比誘電率が、高電圧導体部1側と金属容器2側で約3対1となるように、単位容積あたりの空洞部の容積を連続的に大きくする。例えば、図2のグラフに示すように、金属容器2の内径を300mmとし、高電圧導体部1の内径を100mmとすると、金属容器2の内壁面での比誘電率が4であれば、高電圧導体部1の表面での比誘電率が、その3倍の12となるように、空洞部の容積を連続的に変化させる。
(c)絶縁スペーサ6製作時の三次元造形装置内の雰囲気は、SF6ガスで0.2MPa〜0.5MPaとする。
(作用および効果)
以上の構成を有する第1の実施形態の作用および効果は、次の通りである。
(a)絶縁性能の向上
絶縁スペーサ6は、単位容積あたりの空洞部の割合を連続的に変化させたことで、絶縁スペーサ6を構成する絶縁材料の誘電率と絶縁性ガス4の誘電率の違いにより、絶縁スペーサ6における誘電率を、空間的に連続して傾斜変化させることが可能である。
すなわち、絶縁スペーサ6では、空洞部に存在する絶縁性ガス4を利用し、絶縁スペーサ6内に入り込む絶縁性ガス4の量を調整することで、比誘電率を連続的に傾斜変化させた構造を実現することができる。これにより、絶縁スペーサ6の電界を最適化することができ、表面の最大電界値を従来の絶縁スペーサよりも低下させることが可能であり、絶縁性能が向上する。
しかも、本実施形態では、三次元造形装置によって造形することで、高い精度で絶縁スペーサ6における空洞部の大きさを制御することができる。このため、絶縁スペーサ6の誘電率を細かく設定することが可能である。したがって、複数の絶縁材料の割合を連続的に変化させた絶縁スペーサを金型注型によって製作する場合、つまり誘電率傾斜の絶縁スペーサを金型注型によって製作する場合と比べて、絶縁スペーサ6の誘電率を、より細かく設定することができる。
その結果、絶縁スペーサ6は、高電圧導体部1および電界緩和シールド5と金属容器2との内径比に対応させて、さらに的確な誘電率を得ることができる。このため、高電圧導体部1側の電界値つまり絶縁スペーサ6表面の最大電界値を、従来の誘電率傾斜の絶縁スペーサよりも、さらに低く抑えることが可能である(図6に太い実線で示したグラフ参照)。したがって、絶縁スペーサ6は、より優れた絶縁性能を発揮することができ、いっそうコンパクトで絶縁性能の高いガス絶縁開閉装置を提供することができる。
ところで、従来の金型注型により製作される絶縁スペーサは、ボイドと呼ばれる微小な空隙が発生することを防止する必要がある。そのため、真空注型によって製作されているが、ボイドが絶縁スペーサ内に発生し、残留することを完全に防ぐことは難しい。仮にボイドが発生した場合、真空注型によって製作されていることから、ボイド内部は気圧の低い真空状態となってしまう。したがって、ボイドが絶縁上の弱点となる。
そこで本実施形態では、三次元造形装置による絶縁スペーサ6の製作時の三次元造形装置内の雰囲気は、極めて高い絶縁性能を有するSF6ガスで、0.2MPa〜0.5MPaとしている。このため、絶縁スペーサ6の造形時に生じるボイドを無害化することができ、絶縁上の弱点を克服することができる。
(b)製造コストの低減
絶縁スペーサ6は、製作に際して金型注型を用いることがないので、複雑な形状を製作する場合でも、三次元造形装置によって簡単に造形することが可能である。また、コーン型などの複雑な形状にする必要がなく、絶縁スペーサ6の形状を簡素化することができる。したがって、製造コストの低減を期待することができる。
(c)機械特性の向上
絶縁スペーサ6はトラス構造なので、軽量で高強度を有することができ、機械特性が高い。しかも、三次元造形装置によって複雑な形状を簡単に造形することが可能なので、従来の金型注型により製作される絶縁スペーサに比べて、効率よく機械特性を高めることができる。したがって、絶縁スペーサ6のさらなるコンパクト化に寄与することができる。
(第2の実施形態)
本発明を適用した第2の実施形態について、図3を用いて具体的に説明する。図3は第2の実施形態に係るガス絶縁母線の断面図である。図3のガス絶縁母線において、図5に示した従来例と同一の部分に関しては、同一符号を使用し、説明は省略する。
(構成)
第2の実施形態に係る絶縁スペーサ9は、全体としてディスク状であり、外周部が金属容器2の内壁面に固定されており、中心付近には電界緩和シールド5が設けられている。絶縁スペーサ9における構成上の特徴は次の点にある。
(a)絶縁スペーサ9は、三次元造形装置によって絶縁材料から製作され、絶縁材料からなる絶縁部と、空洞部を備えている。このうち空洞部は内部に絶縁性液体10が流れる流路12となっている。
流路12の全体的な形状は、内径の異なるリング状の空洞部が連続して設けられている。流路12は、高電圧導体部1および電界緩和シールド5側の内径が細く、金属容器2側に向かうに連れて徐々に内径が太くなるように設定されている。例えば、絶縁スペーサ9において、誘電率が高電圧導体部1側と金属容器2側で約3対1とする場合に、これを実現するように、高電圧導体部1および電界緩和シールド5側の流路12の径の太さと、金属容器2側の流路12の径の太さが、約3対1となるように連続的に変化させている。
第2の実施形態に係る絶縁スペーサ9でも、前記絶縁スペーサ6と同じく、金属容器2の内径を300mmとし、高電圧導体部1の内径を100mmとすると、金属容器2の内壁面での比誘電率が4であれば、高電圧導体部1の表面での比誘電率は、その3倍の12となるように、流路12の径の太さを連続的に変化させる。なお、三次元造形装置による絶縁材料の積層方向は、絶縁スペーサ9の半径方向(図4の上下方向)でもよいし、絶縁スペーサ9の厚さ方向(図4の左右方向)でもよい。
(b)流路12の端部には、流路12に絶縁性液体10を流し込むための流路口7を接地している。流路口7には、流路12へ絶縁性液体10を供給する液体供給部11が接続される。また、絶縁性液体10は所定の間隔で交換するようにしてもよい。
(作用および効果)
以上の構成を有する第2の実施形態には、次のような独自の作用および効果がある。
(a)絶縁性能の向上
絶縁スペーサ9は、流路12の太さを連続的に変化させたので、絶縁スペーサ9の絶縁材料の誘電率と、流路12内に流れる絶縁性液体10の誘電率との違いにより、絶縁スペーサ9の誘電率を、空間的に連続して傾斜変化させることが可能である。
すなわち、絶縁スペーサ9も、通電用の高電圧導体部1および電界緩和シールド5と、接地タンクである金属容器2の間で、等価比誘電率が傾斜する構造を容易に得ることができ、絶縁スペーサ9表面の最大電界値を効率よく抑えることができる。これにより、絶縁スペーサ9の絶縁性能を高めることができ、ガス絶縁開閉装置のコンパクト化および絶縁性能の向上に貢献することができる。
(b)冷却性能の向上
液体供給部11が流路12に絶縁性液体10を強制的に流すことができるので、電力供給のために高温となる高電圧導体部1および電界緩和シールド5近傍の温度上昇を抑制することが可能である。
(第3の実施形態)
本発明を適用した第3の実施形態について、図4を用いて具体的に説明する。図4は第3の実施形態に係るガス絶縁母線の断面図である。図4のガス絶縁母線において、図5に示した従来例と同一の部分に関しては、同一符号を使用し、説明は省略する。
(構成)
第3の実施形態に係る絶縁スペーサ8は、全体としてディスク状であり、外周部が金属容器2の内壁面に固定されており、中心付近には電界緩和シールド5が設けられている。絶縁スペーサ8における構成上の特徴は次の点にある。
(a)絶縁スペーサ8は、三次元造形装置によって絶縁材料から製作される積層構造を有している。絶縁スペーサ8における積層構造は、高電圧導体部1側から金属容器2の内壁面側に向かって誘電率が連続的に小さくなるように絶縁材料の配合比を変化させている。
第3の実施形態に係る絶縁スペーサ8においても、前記絶縁スペーサ6と同じく、金属容器2の内径を300mmとし、高電圧導体部1の内径を100mmとすると、金属容器2の内壁面での比誘電率が4であれば、高電圧導体部1の表面での比誘電率は、その3倍の12となるように、絶縁材料の配合比を変化させている。
(b)絶縁スペーサ8を構成する絶縁材料は、複数の異種材料からなる。なお、図4では、便宜的に5種類の絶縁材料を使用するように示したが、実際には多数の異種材料を用いている。所望の誘電率の比率を満たすための絶縁材料としては、例えば、高誘電率の絶縁材料としては、エポキシ樹脂にフィラーとして酸化チタン等の高誘電率材を充填した材料などがある。
また、低誘電率の絶縁材料としては、エポキシ樹脂にフィラーとして低誘電率のシリカを充填した材料などがある。これらのフィラーは、噴射させてフィラーの密度分布を変えることにより、誘電率の傾斜を実現することができる。なお、絶縁スペーサ8を構成する絶縁材料の種類やその配合比、フィラーの密度などは適宜変更可能である。
(c)絶縁スペーサ8において積層される絶縁材料は、金属容器2の半径方向を積層方向としている。
(作用および効果)
以上の構成を有する第3の実施形態には、次のような独自の作用および効果がある。
(a)絶縁性能の向上
絶縁スペーサ8は、複数の異種材料を使用し、その異種材料の配合比を変化させることで誘電率を空間的に連続して傾斜させている。図4では、便宜的に5種類の絶縁材料を使用するように示したが、実際には多数の異種材料を用いているので、絶縁スペーサ8の誘電率が5段階に階段状に変化していくのではなく、誘電率を空間的に連続して傾斜させている。
このような絶縁スペーサ8も、絶縁スペーサ8の通電側と接地タンク側で、等価比誘電率が3対1となる構造を得ることが可能である。その結果、絶縁スペーサ8表面の最大電界値を効率よく抑えることができる。これにより、絶縁スペーサ8の絶縁性能は大幅に向上し、ガス絶縁開閉装置のコンパクト化および絶縁性能の向上に貢献することができる。
(b)製造効率の向上
絶縁スペーサ8において絶縁材料の積層方向を、金属容器2の半径方向としたので、誘電率の空間的な変化を、より滑らかに傾斜させることができる。したがって、製造効率を高めることができ、製造コストの低減に寄与することが可能である。
(他の実施形態)
(1)上記の実施形態は、本明細書において一例として提示したものであって、発明の範囲を限定することを意図するものではない。すなわち、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の範囲を逸脱しない範囲で、種々の省略や置き換え、変更を行うことが可能である。これらの実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
(2)例えば、上記の実施形態では金属容器2内に封入される絶縁性ガス4としてSF6ガスを用いたが、それ以外のガス、例えば自然由来ガスである空気、二酸化炭素、酸素、窒素およびそれらの混合ガスを使用することも可能である。
(3)三次元造形装置の方式としては、樹脂材料をノズルから射出して積み重ねて造形する熱溶解積層方式、槽の中にある液体樹脂を紫外線で固めるインクジェット方式などが知られているが、どの方式を用いるかは適宜選択可能である。
(4)第1の実施形態では、トラス構造としたが、ハニカム構造であってもよい。また、第2および第3の実施形態では、絶縁スペーサ8,9の外観は単なるディスク状となっているが、トラス構造あるいはハニカム構造であっても構わない。
(5)上記の実施形態では、高電圧導体部1および電界緩和シールド5と金属容器2の内径の比を約1対3として、絶縁スペーサ6,8,9の誘電率が高電圧導体部1側と金属容器2側で約3対1となるように、誘電率を空間的に傾斜させたが、高電圧導体部1側と金属容器2側の比率は適宜変更可能である。
(6)中空構造は、高電圧導体部1側から金属容器2の内壁面側に向かって空洞部の割合が大きくなるように変化させたものであればよく、空洞部の割合が連続的に変化することなく、変化が多段的であっても構わない。また、積層構造についても、高電圧導体部1側から金属容器2の内壁面側に向かって誘電率が連続的に小さくなる必要はなく、段階的に小さくするようにしても構わない。
(6)三次元造形装置では、絶縁材料を積層させて製作するので、最終的に組み立てる絶縁スペーサ6,8,9と電界緩和シールド5に関しては、両者を組み立てた状態で製作することが可能である。そのため、絶縁スペーサ6,8,9と電界緩和シールド5を別々に製作して組み立てる必要がなく、組立作業を省略して作業効率を高めることができる。
1…高電圧導体部
2…金属容器
3、6、8、9…絶縁スペーサ
4…絶縁性ガス
5…電界緩和シールド
7…流路口
10…絶縁性液体
11…液体供給部
12…流路

Claims (8)

  1. 接地された金属容器の内部に絶縁性ガスが封入されると共に、通電用の高電圧導体部が挿通されたガス絶縁開閉装置に用いるものであって、前記金属容器に前記高電圧導体部を絶縁支持するガス絶縁開閉装置用の絶縁スペーサにおいて、
    三次元造形装置によって絶縁材料から製作される中空構造を有しており、
    前記中空構造は、絶縁材料からなる絶縁部と、前記絶縁性ガスが入り込む空洞部を備えており、単位容積あたりの前記空洞部の割合を、前記高電圧導体部側から前記金属容器の内壁面側に向けて大きくしたことを特徴とするガス絶縁開閉装置用の絶縁スペーサ。
  2. 前記中空構造の空洞部を、絶縁性液体が流れる流路とし、前記流路に前記絶縁性液体を供給する液体供給部を接続したことを特徴とする請求項1に記載のガス絶縁開閉装置用の絶縁スペーサ。
  3. 接地された金属容器の内部に絶縁性ガスが封入されると共に、通電用の高電圧導体部が挿通されたガス絶縁開閉装置に用いるものであって、前記金属容器に前記高電圧導体部を絶縁支持するガス絶縁開閉装置用の絶縁スペーサにおいて、
    三次元造形装置によって絶縁材料から製作される積層構造を有しており、
    前記積層構造は、前記高電圧導体部側から前記金属容器の内壁面側に向かって誘電率が小さくなるように前記絶縁材料の配合比を変化させたことを特徴とするガス絶縁開閉装置用の絶縁スペーサ。
  4. 前記絶縁材料は、複数の異種材料からなることを特徴とする請求項3に記載のガス絶縁開閉装置用の絶縁スペーサ。
  5. 絶縁性液体が流れる流路を形成し、
    前記流路に前記絶縁性液体を流す液体供給部を接続したことを特徴とする請求項3又は4に記載のガス絶縁開閉装置用の絶縁スペーサ。
  6. 前記積層構造は前記金属容器の半径方向を積層方向としたことを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載のガス絶縁開閉装置用の絶縁スペーサ。
  7. トラス構造あるいはハニカム構造を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のガス絶縁開閉装置用の絶縁スペーサ。
  8. 製作時の三次元造形装置内の雰囲気をSF6ガスで0.2MPa〜0.5MPaとしたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のガス絶縁開閉装置用の絶縁スペーサ。
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