JP2016030750A - 皮膚外用剤 - Google Patents

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郁尚 藤田
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Abstract

【課題】皮膚用化粧料、頭髪用化粧料などに有用であり、シワを効果的に改善することができる皮膚外用剤を提供すること。
【解決手段】抗シワ用の皮膚外用剤であって、ラミニン−511の分泌を促進する分泌促進剤とインテグリンα6β1の発現を促進する発現促進剤とを含有することを特徴とする皮膚外用剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、皮膚外用剤に関する。さらに詳しくは、本発明は、例えば、皮膚用化粧料、頭髪用化粧料などに有用な皮膚外用剤に関する。
ヒトの身体の恒常性機能および生理的機能が低下した場合、皮膚にシワが生じる。前記シワは、例えば、真皮を構成するコラーゲン繊維、エラスチン繊維およびヒアルロン酸の量の減少、表皮の菲薄化などに起因すると考えられている。
一方、レチノイン酸は、表皮細胞の増殖を促進して表皮の厚さを増加させることが知られている(例えば、非特許文献1参照)。そこで、シワを改善するための皮膚外用剤にレチノイン酸を配合することが考えられる。
しかし、前記レチノイン酸は、細胞の核内の特異的受容体に結合して、一過的にシグナルが伝達されるため、表皮細胞を持続的に増殖させることが困難であることから、レチノイン酸が配合された皮膚外用剤は、シワを効果的に改善することが困難であるという欠点がある。
ゲイリー・ジェイ・フィシャー(Gary J Fisher)ら、「局所レチノイン酸処理ヒト皮膚の細胞、免疫学的および生化学的特徴づけ(Cellular, Immunologic and Biochemical Characterization of Topical Retinoic Acid-Treated Human Skin)」、ジャーナル・オブ・インベスティゲイティブ・ダーマトロジー、1991年発行、第96巻、pp.699−707
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、シワを効果的に改善することができる皮膚外用剤を提供することを目的とする。
すなわち、本発明の要旨は、
(1)抗シワ用の皮膚外用剤であって、ラミニン−511の分泌を促進する分泌促進剤とインテグリンα6β1の発現を促進する発現促進剤とを含有することを特徴とする皮膚外用剤、および
(2)抗表皮性シワ用の皮膚外用剤である前記(1)に記載の皮膚外用剤
に関する。
本発明の皮膚外用剤によれば、シワを効果的に改善することができるという優れた効果が奏される。
試験例1において、被験試料の種類とラミニン−511分泌率との関係を調べた結果を示すグラフである。 試験例2において、インテグリンα6およびインテグリンβ1の発現パターンを解析した結果を示すスキャッタグラムである。
本発明の皮膚外用剤は、抗シワ用の皮膚外用剤であって、ラミニン−511の分泌を促進する分泌促進剤(以下、「ラミニン−511分泌促進剤」ともいう)とインテグリンα6β1の発現を促進する発現促進剤(以下、「インテグリンα6β1発現促進剤」ともいう)とを含有することを特徴とする。
前記ラミニン−511は、α鎖とβ鎖とγ鎖とから構成されるヘテロ三量体構造を有するラミニンファミリーのタンパク質の1つである。前記ラミニンファミリーは、基底膜に存在する細胞外マトリックスである。前記ラミニンファミリーには、15種類のアイソフォームが含まれている。前記15種類のアイソフォームは、互いに異なる機能を有している。前記15種類のアイソフォームは、ヘテロ3量体構造を構成するα鎖、β鎖およびγ鎖それぞれの種類に基づいて分類されている。ここで、α鎖は、通常、5種類のα鎖(α1〜α5)に分類されている。また、β鎖は、通常、3種類のβ鎖(β1〜β3)に分類されている。さらに、γ鎖は、通常、3種類のγ鎖(γ1〜γ3)に分類されている。前記ラミニン−511は、α5とβ1とγ1とから構成されている。前記ラミニン−511は、細胞の増殖指令の情報などを有している。なお、前記ラミニン−511は、ラミニン10と同義である。
前記インテグリンα6β1は、α鎖とβ鎖とから構成されるヘテロ2量体構造を有するインテグリンファミリーのタンパク質の1つである。前記インテグリンファミリーには、24種類のアイソフォームが含まれている。前記20種類以上のアイソフォームは、互いに異なる機能を有している。これらののアイソフォームは、ヘテロ2量体構造を構成するα鎖およびβ鎖それぞれの種類に基づいて分類されている。ここで、α鎖は、通常、18種類のα鎖に分類されている。また、β鎖は、通常、8種類のβ鎖に分類されている。前記インテグリンα6β1は、α6とβ1とから構成されている。前記インテグリンα6β1は、細胞表面の原形質膜に存在するラミニン−511が結合することができるレセプターである。前記インテグリンα6β1は、前記ラミニン−511と結合することによって前記ラミニン−511が有する前記増殖指令の情報を表皮細胞内に伝達する機能を有している。
本発明の皮膚外用剤は、ラミニン−511分泌促進剤とインテグリンα6β1発現促進剤とを含有している点に1つの大きな特徴を有する。このように、本発明の皮膚外用剤は、ラミニン−511分泌促進剤とインテグリンα6β1発現促進剤とを含有しているので、皮膚内におけるラミニン−511およびインテグリンα6β1それぞれの量を増加させることができ、表皮細胞に対する増殖指令の情報がインテグリンα6β1を介して表皮細胞内に伝達され、表皮細胞が増殖すると考えられる。また、一旦、ラミニン−511およびインテグリンα6β1の発現量が増加すると、インテグリンα6β1を介する表皮細胞内への前記情報の伝達が持続的に行なわれるため、表皮細胞が持続的に増殖すると考えられる。したがって、本発明の皮膚外用剤によれば、シワを効果的に改善することができる。
前記ラミニン−511分泌促進剤は、ラミニン−511の分泌を促進する成分を有効成分として含有している。前記ラミニン−511の分泌を促進する成分としては、例えば、ゴボウ抽出物、冬虫夏草抽出物などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの成分のなかでは、ラミニン−511の分泌促進効果を十分に発揮させる観点から、ゴボウ抽出物および冬虫夏草抽出物が好ましい。これらの成分は、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記ラミニン−511の分泌促進効果は、例えば、被験試料の存在下または非存在下に正常ヒト表皮角化細胞を培養して得られる培養上清中におけるラミニン−511の含有量を用いて評価することができる。前記培養上清中におけるラミニン−511の含有量は、ラミニン−511を構成するサブユニットのγ1(以下、「ラミニンγ1」ともいう)の含有量を測定することによって求めることができる。前記ラミニン−511の分泌促進効果の評価は、例えば、
(A1)被験試料の存在下または非存在下に正常ヒト表皮角化細胞を培養するステップ、
(A2)前記ステップ(A1)で得られた細胞培養物の培養上清を回収するステップ、
(A3)前記ステップ(A2)で得られた培養上清中におけるラミニン−γ1の含有量を測定するステップ、
(A4)式(I):
にしたがってラミニン−511分泌率を求めるステップ、
を行ない、ラミニン−511分泌率が、好ましくは105%以上、より好ましくは110%以上であるかどうかを調べることなどによって行なうことができる。前記ラミニン−511分泌率が、好ましくは105%以上、より好ましくは110%以上である場合、被験試料がラミニン−511の分泌促進効果を発揮するものであることの指標となる。なお、ラミニンγ1とは、ラミニン−511を構成するサブユニットγ1(以下、「ラミニンγ1」ともいう)の量を指標として用いることなどによって評価することができる。
前記ゴボウ抽出物の原料となるゴボウの部位としては、例えば、根などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。抽出に際しては、原料をそのまま用いてもよく、乾燥させて用いてもよい。また、原料は、粉砕して用いてもよい。抽出は、例えば、原料を抽出溶媒に浸漬させ、必要により加熱および/または加圧することなどにより行なうことができる。また、抽出温度および抽出時間は、抽出溶媒の種類などにより異なるので一概には決定することができないことから、抽出溶媒の種類などに応じて適宜設定することが好ましい。前記抽出溶媒としては、例えば、精製水、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコールなどの低級アルコール;プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール;ジエチルエーテル、ジプロピルエーテルなどのエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類;アセトン、エチルメチルケトンなどのケトン類などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみ限定されるものではない。これらの抽出溶媒のなかでは、ラミニン−511の分泌促進効果を十分に発揮させる観点から、1,3−ブチレングリコールが好ましい。これらの抽出溶媒は、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。ゴボウ抽出物は、例えば、ゴボウの根などと、抽出溶媒とを用いて抽出を行なうことによって得られる。前記ゴボウ抽出物は、乾燥状態であってもよく、液体状態であってもよい。また、前記抽出物の状態は、製剤のしやすさなどに応じて適宜選択することができる。なお、本発明においては、ゴボウ抽出物として市販のゴボウ抽出物を用いてもよい。
前記冬虫夏草抽出物の原料となる冬虫夏草の部位としては、例えば、子実体などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。抽出に際しては、原料をそのまま用いてもよく、乾燥させて用いてもよい。また、原料は、粉砕して用いてもよい。抽出は、例えば、原料を抽出溶媒に浸漬させ、必要により加熱および/または加圧することなどにより行なうことができる。また、抽出温度および抽出時間は、抽出溶媒の種類などにより異なるので一概には決定することができないことから、抽出溶媒の種類などに応じて適宜設定することが好ましい。前記抽出溶媒は、ゴボウ抽出物の製造に用いられる抽出溶媒と同様のものが挙げられる。前記抽出溶媒は、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。前記抽出溶媒のなかでは、ラミニン−511の分泌促進効果を十分に発揮させる観点から、ゴボウ抽出物の製造に用いられる抽出溶媒と同様の抽出溶媒が好ましい。前記冬虫夏草抽出物は、例えば、冬虫夏草の子実体などと、抽出溶媒とを用いて抽出を行なうことによって得られる。前記冬虫夏草抽出物は、乾燥状態であってもよく、液体状態であってもよい。また、前記抽出物の状態は、製剤のしやすさなどに応じて適宜選択することができる。なお、本発明においては、冬虫夏草抽出物として市販の冬虫夏草抽出物を用いてもよい。
本発明の皮膚外用剤中におけるラミニン−511分泌促進剤の含有量は、皮膚外用剤の用途などに応じて異なるので一概に決定することができないことから、皮膚外用剤の用途などに応じて適宜設定することが好ましい。本発明の皮膚外用剤中におけるラミニン−511分泌促進剤の含有量は、通常、ラミニン−511の分泌促進効果を十分に発揮させる観点から、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上であり、ラミニン−511の分泌促進効果を十分に発揮させる観点から、好ましくは5質量%以下、より好ましくは2質量%以下である。なお、本明細書において、「本発明の皮膚外用剤中におけるラミニン−511分泌促進剤の含有量」は、ラミニン−511分泌促進剤に含まれる有効成分の乾燥状態での質量(乾燥質量)を用いて求められたものである。
前記インテグリンα6β1発現促進剤は、インテグリンα6β1の発現を促進する成分を有効成分として含有している。前記インテグリンα6β1の発現を促進する成分としては、例えば、オリーブ葉抽出物などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの成分のなかでは、インテグリンα6β1の発現促進効果を十分に発揮させる観点から、オリーブ葉抽出物が好ましい。
前記インテグリンα6β1の発現促進効果は、例えば、被験試料の存在下または非存在下に正常ヒト表皮角化細胞を培養して得られた細胞集団中におけるインテグリンα6およびインテグリンβ1の発現量を調べることなどによって評価することができる。前記インテグリンα6β1の発現促進効果の評価は、例えば、
(B1)被験試料の存在下または非存在下に正常ヒト表皮角化細胞を培養して細胞集団を得るステップ、
(B2)前記ステップ(B1)で得られた細胞集団にインテグリンα6結合標識抗体およびインテグリンβ1結合標識抗体と接触させるステップ、および
(B3)前記ステップ(B2)で得られた細胞集団をセルソータに供してセルソーティングを行ない、インテグリンα6およびインテグリンβ1の発現パターンを解析するステップ
を行ない、被験試料を接触させた細胞集団中におけるインテグリンα6およびインテグリンβ1の発現パターンと、被験試料を接触させていない細胞集団中におけるインテグリンα6およびインテグリンβ1の発現パターンとを比較することによって評価することができる。被験試料を接触させた細胞集団中におけるインテグリンα6およびインテグリンβ1を高発現する細胞(以下、「インテグリンα6hiβ1hi細胞」ともいう)の割合が、被験試料を接触させていない細胞集団中におけるインテグリンα6hiβ1hi細胞の割合よりも大きい場合、被験試料がインテグリンα6β1の発現促進効果を発揮するものであることの指標となる。
前記オリーブ葉抽出物の原料となるオリーブの部位は、オリーブ葉である。抽出に際しては、原料をそのまま用いてもよく、乾燥させて用いてもよい。また、原料は、粉砕して用いてもよい。抽出は、例えば、原料を抽出溶媒に浸漬させ、必要により加熱および/または加圧することなどにより行なうことができる。また、抽出温度および抽出時間は、抽出溶媒の種類などにより異なるので一概には決定することができないことから、抽出溶媒の種類などに応じて適宜設定することが好ましい。前記抽出溶媒は、ゴボウ抽出物の製造に用いられる抽出溶媒と同様のものが挙げられる。前記抽出溶媒は、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。前記抽出溶媒のなかでは、インテグリンα6β1の発現促進効果を十分に発揮させる観点から、1,3−ブチレングリコールが好ましい。前記オリーブ葉抽出物は、例えば、オリーブ葉と、抽出溶媒とを用いて抽出を行なうことによって得られる。前記オリーブ葉抽出物は、乾燥状態であってもよく、液体状態であってもよい。また、前記抽出物の状態は、製剤のしやすさなどに応じて適宜選択することができる。なお、本発明においては、オリーブ葉抽出物として市販のオリーブ葉抽出物を用いてもよい。
本発明の皮膚外用剤中におけるインテグリンα6β1発現促進剤の含有量は、皮膚外用剤の用途などに応じて異なるので一概に決定することができないことから、皮膚外用剤の用途などに応じて適宜設定することが好ましい。本発明の皮膚外用剤中におけるインテグリンα6β1発現促進剤の含有量は、通常、インテグリンα6β1の発現促進効果を十分に発揮させる観点から、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上であり、よりインテグリンα6β1の発現促進効果を十分に発揮させる観点から、好ましくは5質量%以下、より好ましくは2質量%以下である。なお、本明細書において、「本発明の皮膚外用剤中におけるインテグリンα6β1発現促進剤の含有量」は、インテグリンα6β1発現促進剤に含まれる有効成分の乾燥状態での質量(乾燥質量)を用いて求められたものである。
本発明の皮膚外用剤に含まれるラミニン−511分泌促進剤とインテグリンα6β1発現促進剤との質量比(ラミニン−511分泌促進剤の質量/インテグリンα6β1発現促進剤の質量)は、皮膚外用剤の用途などに応じて異なるので一概に決定することができないことから、皮膚外用剤の用途などに応じて適宜設定することが好ましい。なお、本明細書において、「ラミニン−511分泌促進剤の質量」とは、ラミニン−511分泌促進剤に含まれる有効成分の乾燥質量をいう。また、「インテグリンα6β1発現促進剤の質量」とは、インテグリンα6β1発現促進剤に含まれる有効成分の乾燥質量をいう。
シワの改善は、例えば、シワのレプリカを取り、当該レプリカを皮膚用非接触3D測定システム〔GFメステクニーク ゲーエムベーハー(GFMesstechnik GmbH)製、商品名:PRIMOS〕などに供してシワに関するパラメーターを測定し、シワ面積率、最大シワ平均深さ、最大シワ最大深さ、総シワ平均深さなどを算出することなどによって評価することができる。本発明の皮膚外用剤によるシワの改善は、例えば、
(i)本発明の皮膚外用剤を用いたときのシワ面積率(以下、「シワ面積率A」という)と本発明の皮膚外用剤を用いていないときのシワ面積率(以下、「シワ面積率a」という)との間の差、
(ii)本発明の皮膚外用剤を用いたときの最大シワ平均深さ(以下、「最大シワ平均深さB」という)と本発明の皮膚外用剤を用いていないときの最大シワ平均深さ(以下、「最大シワ平均深さb」という)との間の差、
(iii)本発明の皮膚外用剤を用いたときの最大シワ最大深さ(以下、「最大シワ最大深さC」という)と本発明の皮膚外用剤を用いていないときの最大シワ最大深さ(以下、「最大シワ最大深さc」という)との間の差、
(iv)本発明の皮膚外用剤を用いたときの総シワ平均深さ(以下、「総シワ平均深さD」という)と本発明の皮膚外用剤を用いていないときの総シワ平均深さ(以下、「総シワ平均深さd」という)との間の差
などを求めることにによって評価することができる。この場合、
(i)シワ面積率Aがシワ面積率aよりも小さいこと、
(ii)最大シワ平均深さが最大シワ平均深さbよりも小さいこと、
(iii)最大シワ最大深さCが最大シワ最大深さcよりも小さいこと、および
(iv)総シワ平均深さDが総シワ平均深さdよりも小さいこと
のいずれかを満たした場合、本発明の皮膚外用剤により、皮膚のシワが改善されていることを示す。
本発明の皮膚外用剤の適用箇所としては、例えば、顔などの皮膚などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
本発明の皮膚外用剤の適用対象となるシワは、本発明の皮膚外用剤によるシワの改善効果を十分に発揮することができることから、好ましくは表皮性シワである。したがって、本発明の皮膚外用剤は、シワの改善効果を十分に発揮することができることから、抗表皮シワ用の皮膚外用剤である。
本発明の皮膚外用剤と適用箇所との接触時における当該皮膚外用剤の使用量は、皮膚外用剤の用途、皮膚外用剤に含まれるラミニン−511分泌促進剤とインテグリンα6β1発現促進剤との合計質量などに応じて異なるので一概に決定することができないことから、皮膚外用剤の用途、皮膚外用剤に含まれるラミニン−511分泌促進剤とインテグリンα6β1発現促進剤との合計質量などに応じて適宜設定することが好ましい。本発明の皮膚外用剤と適用箇所との接触時における本発明の皮膚外用剤の使用量は、通常、適用箇所1cm2あたりに使用されるラミニン−511分泌促進剤とインテグリンα6β1発現促進剤との合計質量に換算すると、シワの発生を効果的に抑制する観点から、好ましくは0.1mg以上、より好ましくは0.5mg以上であり、ラミニン−511分泌促進剤とインテグリンα6β1発現促進剤の効果を十分に発揮させる観点から、好ましくは10mg以下、より好ましくは5mg以下である。なお、本明細書において、「ラミニン−511分泌促進剤とインテグリンα6β1発現促進剤との合計質量」とは、ラミニン−511分泌促進剤に含まれる有効成分の乾燥質量とインテグリンα6β1発現促進剤に含まれる有効成分の乾燥質量とを合計した質量をいう。
本発明の皮膚外用剤には、本発明の目的が阻害されない範囲内で、医薬部外品または医薬品に配合されるその他の成分が配合されていてもよい。前記成分としては、例えば、保湿剤、着色剤、界面活性剤、殺菌剤、安定化剤、防腐剤、粘度調整剤、pH調整剤、香料、金属イオン封鎖剤、酸化防止剤などが挙げられる。本発明の皮膚外用剤中における前記成分の含有量は、当該成分の種類などによって異なるので、一概には決定することができないことから、前記成分の種類などに応じて適宜設定することが好ましい。
前記皮膚外用剤としては、皮膚化粧料、医薬部外品および医薬品が挙げられる。前記皮膚化粧料としては、例えば、化粧水、ジェル、乳液、クリームなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。前記化粧水としては、例えば、柔軟化粧水、保湿化粧水、マッサージローション、メーキャップローション、ハンドローション、ボディローションなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。前記ジェルとしては、例えば、マッサージジェル、ハンドジェル、ボディジェルなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。前記乳液としては、例えば、マッサージミルク、ハンドミルク、ボディーミルクなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。前記クリームとしては、メーキャップクリーム、ベースクリーム、プレメーキャップクリーム、ファンデーションクリーム、マッサージクリーム、ボディクリーム、デオドラントクリームなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。前記医薬部外品としては、例えば、軟膏、クリーム、ローション、ジェルなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。また、医薬品としては、例えば、軟膏、クリームなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
以上説明したように、本発明の皮膚外用剤は、表皮細胞を持続的に増殖させ、シワを効果的に改善することができることから、抗シワ用の皮膚外用剤、好ましくは抗表皮性シワ用の皮膚外用剤として好適に使用することができる。
つぎに、実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例のみに限定されるものではない。
(実験例1〜3)
無血清培地〔DSファーマバイオメディカル(株)製、商品名:正常ヒト表皮角化細胞用無血清培地KBKJB200〕に、被験試料としてゴボウ抽出物〔丸善製薬(株)製、商品名:ゴボウ抽出液BG〕を当該ゴボウ抽出物の濃度が0.1体積%となるように添加し、被験試料含有培地(実験例1)を得た。
また、実験例1において、被験試料としてゴボウ抽出物を用いる代わりに冬虫夏草抽出物〔丸善製薬(株)製、商品名:冬虫夏草抽出液〕(実験例2)またはオリーブ葉抽出物〔丸善製薬(株)製、商品名:オリーブ葉抽出物BG〕(実験例3)を用いたことを除き、前記と同様の操作を行ない、被験試料含有培地を得た。
(比較例1〜21)
実験例1において、被験試料としてゴボウ抽出物を用いる代わりにプルーン抽出物〔丸善製薬(株)製、商品名:プルーン抽出液WC〕(比較例1)、ブクリョク抽出物〔丸善製薬(株)製、商品名:ブクリョク抽出液BG−J〕(比較例2)、ジオウ抽出物〔丸善製薬(株)製、商品名:ジオウ抽出液BG−J〕(比較例3)、ヨクイニン抽出物〔丸善製薬(株)製、商品名:ヨクイニン抽出液BG〕(比較例4)、トウキンセンカ抽出物〔丸善製薬(株)製、商品名:トウキンセンカ抽出液BG−J〕(比較例5)、ニンジン抽出物〔丸善製薬(株)製、商品名:ニンジン抽出液BG〕(比較例6)、ビワ葉エキス〔丸善製薬(株)製、商品名:ビワ葉エキスCA〕(比較例7)、イラクサ抽出物〔丸善製薬(株)製、商品名:イラクサ抽出液BG〕(比較例8)、センブリ抽出物〔丸善製薬(株)製、商品名:センブリ抽出リキッドSS〕(比較例9)、ユキノシタ抽出物〔丸善製薬(株)製、商品名:ユキノシタ抽出液BG〕(比較例10)、酵母抽出物〔丸善製薬(株)製、商品名:酵母抽出液BG〕(比較例11)、ペパーミント抽出物〔丸善製薬(株)製、商品名:ペパーミント抽出液BG〕(比較例12)、カミツレ抽出物〔丸善製薬(株)製、商品名:カミツレ抽出液BG−J〕(比較例13)、ゲンチアナ抽出物〔丸善製薬(株)製、商品名:ゲンチアナ抽出液BG−J〕(比較例14)、オトギリソウ抽出物〔丸善製薬(株)製、商品名:オトギリソウ抽出液BG〕(比較例15)、サンザシ抽出物〔丸善製薬(株)製、商品名:サンザシ抽出液BG−J〕(比較例16)、オウゴン抽出物〔丸善製薬(株)製、商品名:オウゴン抽出液BG−JC〕(比較例17)、スギナ抽出物〔丸善製薬(株)製、商品名:スギナ抽出液BG〕(比較例18)、メリッサ抽出物〔丸善製薬(株)製、商品名:メリッサ抽出液BG−J〕(比較例19)、ゲンノショウコ抽出物〔丸善製薬(株)製、商品名:ゲンノショウコ抽出液BG−J〕(比較例20)またはエイジツ抽出物〔丸善製薬(株)製、商品名:エイジツ抽出液BG−01〕(比較例21)を用いたことを除き、実験例1と同様の操作を行ない、被験試料含有培地を得た。
(試験例1)
(1)ラミニン−511分泌率の測定
正常ヒト表皮角化細胞〔プロモセル(PromoCell)供給〕を、12マルチウェルプレート上の無血清培地〔DSファーマバイオメディカル(株)製、商品名:正常ヒト表皮角化細胞用無血清培地KBKJB200〕に、0.5×104細胞/cm2となるように播種した。正常ヒト表皮角化細胞を、5体積%二酸化炭素の雰囲気中、37℃に維持された12マルチウェルプレート上の前記無血清培地中において24時間培養した。
得られた細胞培養物中の無血清培地を、実験例1、実験例2または比較例1で得られた被験試料含有培地に置換した後、正常ヒト表皮角化細胞を、5体積%二酸化炭素の雰囲気中、37℃に維持された12マルチウェルプレート上の被験試料含有培地中において5日間培養することにより、正常ヒト表皮角化細胞に被験試料を接触させた。その後、培養上清を回収した。得られた培養上清中におけるラミニンγ1の含有量を、ラミニン定量キット〔タカラバイオ(株)製、商品名:Laminin EIA kit〕を用いて測定した。なお、ラミニンγ1は、ラミニン−511の指標である。
また、前記において、実験例1〜3または比較例1〜21で得られた被験試料含有培地を用いる代わりに対照として無血清培地〔DSファーマバイオメディカル(株)製、商品名:正常ヒト表皮角化細胞用無血清培地KBKJB200〕を用いたことを除き、前記と同様に操作を行ない、培養上清中におけるラミニンγ1含有量を測定した。
その後、式(I):
にしたがってラミニン−511分泌率を求めた。
試験例1において、被験試料の種類と、ラミニン−511分泌率との関係を調べた結果を図1に示す。図中、1はゴボウ抽出物を用いたときのラミニン−511分泌率、2は冬虫夏草抽出物を用いたときのラミニン−511分泌率、3はプルーン抽出物を用いたときのラミニン−511分泌率、4はブクリョク抽出物を用いたときのラミニン−511分泌率、5はジオウ抽出物を用いたときのラミニン−511分泌率、6はヨクイニン抽出物を用いたときのラミニン−511分泌率、7はトウキンセンカ抽出物を用いたときのラミニン−511分泌率、8はニンジン抽出物を用いたときのラミニン−511分泌率、9はビワ葉エキスを用いたときのラミニン−511分泌率、10はイラクサ抽出物を用いたときのラミニン−511分泌率、11はセンブリ抽出物を用いたときのラミニン−511分泌率、12はユキノシタ抽出物を用いたときのラミニン−511分泌率、13は酵母抽出物を用いたときのラミニン−511分泌率、14はペパーミント抽出物を用いたときのラミニン−511分泌率、15はカミツレ抽出物を用いたときのラミニン−511分泌率、16はゲンチアナ抽出物を用いたときのラミニン−511分泌率、17はオトギリソウ抽出物を用いたときのラミニン−511分泌率、18はサンザシ抽出物を用いたときのラミニン−511分泌率、19はオウゴン抽出物を用いたときのラミニン−511分泌率、20はスギナ抽出物を用いたときのラミニン−511分泌率、21はメリッサ抽出物を用いたときのラミニン−511分泌率、22はゲンノショウコ抽出物を用いたときのラミニン−511分泌率、23はエイジツ抽出物を用いたときのラミニン−511分泌率を示す。
図1に示された結果から、ゴボウ抽出物または冬虫夏草抽出物を用いたときのラミニン−511分泌率は、115%を超えていることがわかる。これらの結果から、ゴボウ抽出物および冬虫夏草抽出物によれば、ラミニン−511の分泌を促進させることができることがわかる。
これに対し、プルーン抽出物(試料番号3)、ブクリョク抽出物(試料番号4)、ジオウ抽出物(試料番号5)、ヨクイニン抽出物(試料番号6)、トウキンセンカ抽出物(試料番号7)、ニンジン抽出物(試料番号8)、ビワ葉エキス(試料番号9)、イラクサ抽出物(試料番号10)、センブリ抽出物(試料番号11)、ユキノシタ抽出物(試料番号12)、酵母抽出物(試料番号13)、ペパーミント抽出物(試料番号14)、カミツレ抽出物(試料番号15)、ゲンチアナ抽出物(試料番号16)、オトギリソウ抽出物(試料番号17)、サンザシ抽出物(試料番号18)、オウゴン抽出物(試料番号19)、スギナ抽出物(試料番号20)、メリッサ抽出物(試料番号21)、ゲンノショウコ抽出物(試料番号22)またはエイジツ抽出物(試料番号23)を用いたときのラミニン−511分泌率は、90%未満であることがわかる。これらの結果から、試料番号3〜23の抽出物は、ラミニン−511の分泌を促進しないことがわかる。
(2)インテグリンα6およびインテグリンβ1の発現パターンの解析
正常ヒト表皮角化細胞を、5体積%二酸化炭素の雰囲気中、37℃に維持された12マルチウェルプレート上の無血清培地〔DSファーマバイオメディカル(株)製、商品名:正常ヒト表皮角化細胞用無血清培地KBKJB200〕中において24時間培養した。つぎに、得られた正常ヒト表皮角化細胞を0.25質量%Trypsin−エチレンジアミン四酢酸溶液に懸濁し、細胞懸濁液を得た。得られた細胞懸濁液と、FITC結合抗ヒトインテグリンα6抗体およびAPC結合抗ヒトインテグリンβ1抗体とを接触させることにより、抗原抗体反応を行なった。つぎに、得られた細胞をセルソータ〔BD製、商品名:FACSAria〕に供してセルソーティングを行ない、前記細胞からすでに分化している細胞を除去してインテグリンα6hiβ1hi細胞を単離した。
得られたインテグリンα6hiβ1hi細胞を、5体積%二酸化炭素の雰囲気中、37℃に維持された12マルチウェルプレート上の無血清培地〔DSファーマバイオメディカル(株)製、商品名:正常ヒト表皮角化細胞用無血清培地KBKJB200〕中において24時間培養した。つぎに、得られた細胞培養物中の無血清培地を、実験例3または比較例2、4、7、10、12、22〜24で得られた被験試料含有培地に置換した後、インテグリンα6hiβ1hi細胞を、5体積%二酸化炭素の雰囲気中、37℃に維持された12マルチウェルプレート上の無血清培地〔DSファーマバイオメディカル(株)製、商品名:正常ヒト表皮角化細胞用無血清培地KBKJB200〕中において24時間培養することにより、インテグリンα6hiβ1hi細胞と被験試料とを接触させた。その後、細胞を回収した。
また、実験例3または比較例2、4、7、10、12、22〜24で得られた被験試料含有培地を用いる代わりに対照として無血清培地〔DSファーマバイオメディカル(株)製、商品名:正常ヒト表皮角化細胞用無血清培地KBKJB200〕を用いたことを除き、前記と同様の操作を行ない、細胞を回収した。
得られた細胞を、FITC結合抗ヒトインテグリンα6抗体〔バイオレジェンド(BioLegend)製、商品名:FITC anti−human/mouse CD49f Antibody〕およびAPC結合抗ヒトインテグリンβ1抗体〔BD製、商品名:APC Mouse Anti−Human CD29〕と接触させることにより、抗原抗体反応を行なった。つぎに、得られた細胞をセルソータ〔BD製、商品名:FACSAria〕に供してセルソーティングを行ない、インテグリンα6およびインテグリンβ1の発現パターンを解析した。試験例1において、インテグリンα6およびインテグリンβ1の発現パターンを解析した結果を図2に示す。図中、(A)はオリーブ葉抽出物を用いたときのスキャッタグラム、(B)は対照を用いたときのスキャッタグラム、(C)はビワ抽出物を用いたときのスキャッタグラム、(D)はペパーミント抽出物を用いたときのスキャッタグラム、(E)はユキノシタ抽出物を用いたときのスキャッタグラム、(F)ヨクイニン抽出物を用いたときのスキャッタグラム、(G)はハス抽出物を用いたときのスキャッタグラム、(H)はヒマラヤンラズベリー抽出物を用いたときのスキャッタグラム、(I)はブクリョク抽出物を用いたときのスキャッタグラム、(J)はマタタビ抽出物を用いたときのスキャッタグラムを示す。
図2に示された結果から、オリーブ葉抽出液を接触させた細胞集団中におけるインテグリンα6hiβ1hi細胞の割合は、対照として無血清培地を接触させたときの細胞集団中におけるインテグリンα6hiβ1hi細胞の割合と比べて多いことがわかる。これに対して、ヤグルマギク抽出物を接触させた接触させた細胞集団中におけるインテグリンα6hiβ1hi細胞の割合は、対照として無血清培地を接触させた細胞集団中におけるインテグリンα6hiβ1hi細胞の割合と比べて少ないことがわかる。したがって、これらの結果から、オリーブ葉抽出液は、インテグリンα6β1の発現を促進する発現促進剤であることがわかる。
表皮細胞は、ラミニン−511がインテグリンα6β1と結合し、ラミニン−511が有する増殖指令のシグナルがインテグリンα6β1を介して表皮細胞内に伝達されることによって増殖する。したがって、ラミニン−511分泌促進剤とインテグリンα6β1発現促進剤とを併用するにより、皮膚内におけるラミニン−511およびインテグリンα6β1それぞれの量が増加し、表皮細胞が増殖すると考えられる。また、一旦、ラミニン−511が基底膜に組み込まれると、インテグリンα6β1を介する表皮細胞内への前記情報の伝達が持続的に行なわれるため、表皮細胞が持続的に増殖すると考えられる。したがって、ラミニン−511分泌促進剤とインテグリンα6β1発現促進剤と含有する皮膚外用剤によれば、表皮細胞を持続的に増殖させることができるので、シワ、好ましくは表皮性シワを効果的に改善することができると考えられる。これに対し、他のラミニンファミリーとインテグリンファミリーとの組み合わせとして、細胞の接着に関与するラミニン−322(ラミニン5)とそのレセプターであるインテグリンα6β4とを用いた場合、当該ラミニン−322(ラミニン5)およびインテグリンα6β4の主な機能が菲薄化した表皮の表皮細胞を増殖させることよりも、細胞の剥離を防ぐことであるため、ラミニン−511とインテグリンα6β1による増殖効果を得ることが困難であると考えられる。
実施例1および2
ゴボウ抽出物(実施例1)または冬虫夏草抽出物(実施例2)と、オリーブ葉抽出物と、他の原料とを、下記組成となるように混合し、皮膚外用剤(乳液)を得る。
(乳液の組成)
ゴボウ抽出物または冬虫夏草抽出物 0.1質量%
オリーブ葉抽出物 0.1質量%
流動パラフィン 15.0質量%
ミツロウ 2.0質量%
ラノリン 1.5質量%
セスキオレイン酸ソルビタン 2.5質量%
ポリオキシエチレンソルビタンモノオレイン酸エステル 1.0質量%
1,2−オクタンジオール 0.05質量%
1,3−ブチレングリコール 13.0質量%
キサンタンガム 0.5質量%
精製水 残部
合計 100.0質量%
得られた実施例1または2で得られた皮膚外用剤を、シワ部位に連日塗布する。その後、皮膚外用剤の塗布部位のレプリカを作製する。得られたレプリカを皮膚用非接触3D測定システム〔GFメステクニーク ゲーエムベーハー(GFMesstechnik GmbH)製、商品名:PRIMOS〕に供してシワに関するパラメーターを測定する。得られたパラメーターを用いて、実施例1または2で得られた皮膚外用剤を用いたときのシワ面積率A、最大シワ平均深さB、最大シワ最大深さCおよび総シワ平均深さDを算出する。
また、前記乳液の組成において、ゴボウ抽出物(実施例1)または冬虫夏草抽出物(実施例2)と、オリーブ葉抽出物とを用いる代わりに、精製水を用いたことを除き、前記と同様の操作を行ない、対照の皮膚外用剤(乳液)を得る。つぎに、前記において、実施例1または2で得られた皮膚外用剤を用いる代わりに対照の皮膚外用剤を用いたことを除き、前記と同様の操作を行ない、対照の皮膚外用剤を用いたときのシワ面積率a、最大シワ平均深さb、最大シワ最大深さcおよび総シワ平均深さdを算出する。
その後、シワ面積率Aとシワ面積率aとの比較、最大シワ平均深さBと最大シワ平均深さbとの比較、最大シワ最大深さCと最大シワ最大深さcとの比較、および総シワ平均深さDと総シワ平均深さdとの比較のそれぞれを行なう。その結果、シワ面積率Aがシワ面積率aよりも小さいこと、最大シワ平均深さBが最大シワ平均深さbよりも小さいこととの比較、最大シワ最大深さCが最大シワ最大深さc小さいことおよび総シワ平均深さDが総シワ平均深さdよりも小さいことが確認されることから、実施例1または2で得られた皮膚外用剤によってシワが改善されていることがわかる。
以上説明したように、ラミニン−511分泌促進剤、好ましくはゴボウ抽出物および冬虫夏草抽出物からなる群より選ばれた少なくとも1種を有効成分として含有する分泌促進剤と、インテグリンα6β1発現促進剤、好ましくはオリーブ葉抽出物を有効成分として含有する発現促進剤とを併用することにより、シワ、好ましくは表皮性シワを効果的に改善することができることがわかる。したがって、ラミニン−511分泌促進剤とインテグリンα6β1発現促進剤とを含有する皮膚外用剤は、シワ、好ましくは表皮性シワを効果的に改善する抗シワ用の皮膚外用剤として有用であることがわかる。
(処方例)
以下、本発明の皮膚外用剤の処方例を示す。
(処方例1:乳液)
下記原料を下記組成となるように混合し、乳液とした。
ゴボウ抽出物 0.1質量%
オリーブ葉抽出物 0.1質量%
流動パラフィン 15.0質量%
ミツロウ 2.0質量%
ラノリン 1.5質量%
セスキオレイン酸ソルビタン 2.5質量%
ポリオキシエチレンソルビタンモノオレイン酸エステル 1.0質量%
1,2−オクタンジオール 0.05質量%
1,3−ブチレングリコール 13.0質量%
キサンタンガム 0.5質量%
精製水 残部
合計 100.0質量%
(処方例2 化粧水)
下記原料を下記組成となるように混合し、化粧水とした。
ゴボウ抽出物 0.1質量%
オリーブ葉抽出物 0.1質量%
1,3−ブチレングリコール 6.0質量%
グリセリン 4.0質量%
加水分解ヒアルロン酸 0.1質量%
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル
0.2質量%
エチレングリコールフェニルエーテル 0.3質量%
エチルアルコール 3.0質量%
香料 適量
精製水 残部
合計 100.0質量%
(処方例3 スキンケアクリーム)
下記原料を下記組成となるように混合し、スキンケアクリームとした。
ゴボウ抽出物 0.1質量%
オリーブ葉抽出物 0.1質量%
流動パラフィン 5.0重量%
パラフィン 5.0重量%
水素添加パーム油 3.0重量%
ベヘニルアルコール 3.0重量%
ステアリン酸 1.0重量%
トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 5.0重量%
キサンタンガム 0.05重量%
カルボキシビニルポリマー 0.4重量%
モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン 1.5重量%
ステアリン酸グリセリル 0.5重量%
1,3−ブチレングリコール 10.0重量%
1,2−オクタンジオール 0.2重量%
グリセリンモノ2−エチルヘキシルエーテル 0.35重量%
グリセリン 5.0重量%
水酸化カリウム 適量
トコフェロール 適量
エチレンジアミン四酢酸ニナトリウム 適量
香料 適量
精製水 残部
合計 100.0重量%
また、処方例1〜3において、ゴボウ抽出物を用いる代わりに、冬虫夏草抽出物を用いることを除き、処方例1〜3に示された組成と同様の組成となるように各原料を混合することにより、乳液、化粧水およびスキンケアクリームを得ることができる。
これらの乳液、化粧水およびスキンケアクリームについて、使用時および未使用時それぞれの皮膚におけるシワの状態およびシワの数を評価することにより、皮膚外用剤を用いることによって皮膚におけるシワの発生が抑制されていることが確認される。

Claims (2)

  1. 抗シワ用の皮膚外用剤であって、ラミニン−511の分泌を促進する分泌促進剤とインテグリンα6β1の発現を促進する発現促進剤とを含有することを特徴とする皮膚外用剤。
  2. 抗表皮性シワ用の皮膚外用剤である請求項1に記載の皮膚外用剤。
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