JP2016030222A - 塩素分離方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】硫酸アンモニウムを回収する装置等において、低コストで塩素を分離する。【解決手段】NH4+とCl−とを含む溶液L1を両性イオン交換樹脂9に通過させ、両性イオン交換樹脂9の排出液からCl−濃度が高くNH4+濃度が低い溶液を分離する塩素分離方法。両性イオン交換樹脂9に通過させる前のNH4+とCl−とを含む溶液L4に、アルカリ土類金属塩を添加することができる。両性イオン交換樹脂9に通過させる前のNH4+とCl−とを含む溶液を濃縮されたものとすることができる。【選択図】図1
Description
本発明は、塩素を含む溶液が循環して溶液中に徐々に塩素が濃縮するシステム等において塩素を分離する方法に関する。
硫酸アンモニウムは、カプロラクタム製造工程の廃液等から年間200万t程度回収され、その大部分は肥料に用いられる。
図4に示す従来の硫酸アンモニウム回収装置11においては、カプロラクタム製造工程の廃液から回収した硫酸アンモニウムを含む溶液L1を結晶缶2に供給し、循環ポンプ3を用いて循環ルート4を循環させ、熱交換器5で加熱して結晶缶2内で液を沸騰させ、蒸気STを系外に排出することで液を濃縮し、スラリーS1から分取したスラリーS3を遠心分離装置6に供給して固液分離し、得られたケーキC側に硫酸アンモニウムを回収し、ろ液L2を母液タンク7を介して循環ルート4に戻している。
しかし、上記方法では、原料となるカプロラクタム製造工程の廃液に含まれる塩素分が循環ルート4を循環して濃縮し、循環ポンプ3を腐食するため、例えば、約1ヶ月毎に循環ポンプ3のインペラを交換している。さらに、結晶缶2において塩素分が濃縮したスラリーを必要に応じて全量排出して処理しており、排出するスラリーは高濃度のアンモニアを含むため多大なコストを要する。
そこで、本発明は、上記従来技術における問題点に鑑みてなされたものであって、カプロラクタム製造工程の廃液等から硫酸アンモニウムを回収する装置等において、低コストで塩素を分離することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、塩素分離方法であって、NH4 +とCl−とを含む溶液を両性イオン交換樹脂に通過させ、該両性イオン交換樹脂の排出液からCl−濃度が高くNH4 +濃度が低い溶液を分離することを特徴とする。
本発明によれば、両性イオン交換樹脂を用いてCl−濃度が高くNH4 +濃度の低い溶液を分離するため、低コストで溶液から塩素を分離することができ、NH4 +とCl−とを含む溶液から硫酸アンモニウムを回収する工程における塩素濃縮に伴う不具合を解消させることができる。また、肥料等に有用なNH4 +をCl−と共に分離することがなく、有効利用することができると共に、分離した溶液はNH4 +濃度が低いため、処理に要するコストを低減することができる。
また、前記両性イオン交換樹脂に通過させる前のNH4 +とCl−とを含む溶液に、アルカリ土類金属塩を添加することができる。これにより、NH4 +とCl−との分離を促進し、Cl−濃度をより高めることができる。
さらに、前記両性イオン交換樹脂に通過させる前のNH4 +とCl−とを含む溶液を濃縮されたものとすることで、両性イオン交換樹脂を小型化することができる。
以上のように、本発明によれば、硫酸アンモニウムを回収する装置等において、低コストで塩素を分離することができる。
次に、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。尚、以下の説明においては、本発明をカプロラクタム製造工程の廃液から硫酸アンモニウムを回収する装置に適用した場合を例にとって説明する。
図1は、本発明に係る塩素分離方法を適用した硫酸アンモニウム回収装置を示し、この硫酸アンモニウム回収装置1は、カプロラクタム製造工程の廃液から回収した硫酸アンモニウムを含む溶液L1に含まれる水分を蒸発させる結晶缶2と、結晶缶2から排出されたスラリーS1を循環させる循環ポンプ3と、結晶缶2から排出されたスラリーS1を再度結晶缶2に戻す循環ルート4と、スラリーS1を加熱する熱交換器5と、スラリーS2から分取したスラリーS3を遠心力によって固液分離する遠心分離装置6と、遠心分離装置6で分離されたろ液L2を貯留する母液タンク7と、母液タンク7からの溶液L3を冷却する冷却装置8と、冷却された溶液L4を処理する両性イオン交換樹脂9とを備える。
上記結晶缶2、循環ポンプ3、循環ルート4、熱交換器5、遠心分離装置6、母液タンク7は、図4に示した従来のものと同様の構成を有する。
冷却装置8は、溶液L3を冷却して冷却による析出物が後段の両性イオン交換樹脂9に入らないようにするために備えられる。
両性イオン交換樹脂9は、冷却装置8から供給された溶液L4から、Cl−濃度が高くNH4 +濃度が低い溶液L5を分離するために備えられる。両性イオン交換樹脂とは、母体を架橋ポリスチレン等とし、同一官能基鎖中に四級アンモニウム基とカルボン酸基等を持たせて、陽イオン陰イオンの両方とイオン交換をさせる機能を持たせた樹脂である。例えば、三菱化学株式会社製の両性イオン交換樹脂、ダイヤイオン(登録商標)、AMP03を用いることができる。この両性イオン交換樹脂9は、水溶液中の電解質と非電解質の分離を行うことができるとともに、電解質の相互分離を行うこともできる。
次に、上記硫酸アンモニウム回収装置1の動作について、図1を参照しながら説明する。
カプロラクタム製造工程の廃液から得られ、NH4 +、Cl−、SO4 2−等を含む溶液L1を結晶缶2に供給し、循環ポンプ3を用いて循環ルート4を循環させ、熱交換器5で加熱して結晶缶2内で液を沸騰させ、蒸気STを系外に排出する。
濃縮したスラリーS1からスラリーS3を分取して遠心分離装置6へ供給し、分取後の残りのスラリーS2を再度結晶缶2に戻す。
遠心分離装置6に供給したスラリーS3を遠心力によってケーキCとろ液L2とに分離し、ケーキC側に硫酸アンモニウム((NH4)2SO4)を回収し、ろ液L2を母液タンク7に供給する。
次に、母液タンク7から溶液L3を冷却装置8に供給して冷却し、冷却後の溶液L4と展開水Wとを両性イオン交換樹脂9に交互に導入する。展開水Wは、両性イオン交換樹脂9内で複数のイオンの混合液を分離展開するための液であり、特定の水溶成分は不要である。展開水Wには、工業用水、上水道、井戸水、河川水、純水等を用いることができる。
図2は、溶液L4を両性イオン交換樹脂9に供給した場合の排出液の各成分の濃度測定結果を示す。縦軸に各成分の濃度測定結果、横軸に通水量/樹脂量を示している。同図に示すように、両性イオン交換樹脂9によって時間差で、Cl−濃度が高くNH4 +濃度が低い溶液L5と、Cl−濃度、NH4 +濃度及びSO4 −濃度が高い溶液L6とに分離することができる。尚、Cl−濃度の最初のピークはNH4Cl成分のCl−を表している。
また、溶液L4に硫酸マグネシウム溶液を添加した後に両性イオン交換樹脂9に供給することができる。 図3は、両性イオン交換樹脂9に、硫酸マグネシウム溶液を添加した溶液L4と、展開水Wとを交互に導入した場合を想定した模擬液の分離結果を示す。試薬の塩化アンモニウムと硫酸マグネシウムをそれぞれ2,000mg/l,4,500mg/lとなるようにイオン交換水に溶解させ、両性イオン交換樹脂66mlを封入したカラムに16.5mlを導入後、展開水を204.5ml導入し、排出液の各成分の濃度測定を行った。縦軸に各成分の濃度測定結果、横軸に通水量/樹脂量を示している。実機の溶液の分離で硫酸マグネシウムを添加しない場合には、図2のようにCl−濃度のピークが2つ存在したが、硫酸マグネシウムを添加することで図3に示すように、Cl−濃度のピークが1つとなり、両性イオン交換樹脂9によって時間差で、Cl−濃度が高くNH4 +濃度が低い溶液L5と、NH4 +濃度及びSO4 −濃度が高い溶液L6とに分離できることが判る。
従って、溶液L4に硫酸マグネシウム溶液を添加することで、溶液L4に含まれる塩素分を塩化アンモニウムではなく塩化マグネシウムとして存在させることができるため、両性イオン交換樹脂9から排出される溶液L5のCl−濃度が低くなり、より効果的に塩素を分離することができる。尚、両性イオン交換樹脂9に通過させる前の溶液L4に添加する溶液として、硫酸マグネシウム溶液以外にも、硝酸マグネシウム、硝酸カルシウム、亜硝酸マグネシウム、亜硝酸カルシウム、石膏、水酸化マグネシウム、消石灰等のアルカリ土類金属塩の粉末又は溶液を用いることができる。
溶液L5を排水処理後に放流し、溶液L6を母液タンク7に戻して循環ルート4を介して結晶缶2に戻すことで、結晶缶2における塩素の濃縮を防止することができる。
以上のように、上記実施の形態によれば、両性イオン交換樹脂9でNH4 +濃度が低くCl−濃度が高い溶液L5を分離除去することができ、硫酸アンモニウムを効果的に回収しながら塩素の濃縮を防止することができる。また、排水処理を行う溶液L5はNH4 +濃度が低いため、排水処理が容易になる。
また、溶液L5と溶液L6の分離点は適宜調整すればよく、溶液L5のCl−濃度がより高くなるようにすれば塩素の濃縮防止効果を高めることができ、よりNH4 +濃度が低くなるようにすれば硫酸アンモニウムがより有効活用され、かつ排水処理が容易となる。
さらに、上記実施形態の溶液L4に代えて硫酸アンモニウムを含む溶液L1を直接両性イオン交換樹脂9に供給することもできる。この場合、硫酸アンモニウムを含み塩素を含まない溶液は硫酸アンモニウムの製造工程に供給し、アンモニアと塩素とを含む溶液は、再度硫酸アンモニウムを含む溶液L1に戻し、アンモニアを含まず塩素を含む溶液を分離除去することで、より塩素の濃縮を防止することができる。
さらに、溶液L4をろ過してから両性イオン交換樹脂9に供給することで、溶液L4に含まれている微粒子等を取り除いて両性イオン交換樹脂9を円滑に運転することができる。
尚、上記実施の形態においては、本発明に係る塩素分離方法を硫酸アンモニウム回収装置1に適用した場合について説明したが、NH4 +とCl−とを含む溶液を取り扱うその他の装置に適用することもできる。
1 硫酸アンモニウム回収装置
2 結晶缶
3 循環ポンプ
4 循環ルート
5 熱交換器
6 遠心分離装置
7 母液タンク
8 冷却装置
9 両性イオン交換樹脂
C ケーキ
L1 溶液
L2 ろ液
L3〜L6 溶液
S1〜S4 スラリー
ST 蒸気
W 展開水
2 結晶缶
3 循環ポンプ
4 循環ルート
5 熱交換器
6 遠心分離装置
7 母液タンク
8 冷却装置
9 両性イオン交換樹脂
C ケーキ
L1 溶液
L2 ろ液
L3〜L6 溶液
S1〜S4 スラリー
ST 蒸気
W 展開水
Claims (3)
- NH4 +とCl−とを含む溶液を両性イオン交換樹脂に通過させ、該両性イオン交換樹脂の排出液からCl−濃度が高くNH4 +濃度が低い溶液を分離することを特徴とする塩素分離方法。
- 前記両性イオン交換樹脂に通過させる前のNH4 +とCl−とを含む溶液に、アルカリ土類金属塩を添加することを特徴とする請求項1に記載の塩素分離方法。
- 前記両性イオン交換樹脂に通過させる前のNH4 +とCl−とを含む溶液が濃縮されたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の塩素分離方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014152472A JP2016030222A (ja) | 2014-07-28 | 2014-07-28 | 塩素分離方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014152472A JP2016030222A (ja) | 2014-07-28 | 2014-07-28 | 塩素分離方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2016030222A true JP2016030222A (ja) | 2016-03-07 |
Family
ID=55440955
Family Applications (1)
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JP2014152472A Pending JP2016030222A (ja) | 2014-07-28 | 2014-07-28 | 塩素分離方法 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2016030222A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109265200A (zh) * | 2018-09-30 | 2019-01-25 | 云南天朗环境科技有限公司 | 一种烧结机烟气脱硫系统中硫酸铵处理的工艺及其装置 |
-
2014
- 2014-07-28 JP JP2014152472A patent/JP2016030222A/ja active Pending
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